JPH10203999A - 抗血栓剤 - Google Patents

抗血栓剤

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JPH10203999A
JPH10203999A JP9013789A JP1378997A JPH10203999A JP H10203999 A JPH10203999 A JP H10203999A JP 9013789 A JP9013789 A JP 9013789A JP 1378997 A JP1378997 A JP 1378997A JP H10203999 A JPH10203999 A JP H10203999A
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von willebrand
willebrand factor
monoclonal antibody
antibody
antithrombotic agent
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Hiroshi Yamamoto
浩史 山本
Heulerz Marc
ホイラーツ マルク
Fermilen Josef
フェルミレン ヨゼフ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高ずり速度条件下で起こる血小板粘着を極め
て有効に抑制する血栓症治療剤の提供を目的とする。 【解決手段】 本発明は抗ヒト・フォンビルブランド因
子モノクローナル抗体及び抗フィブロネクチン抗体から
なる抗血栓剤の提供を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗血栓剤に関する。
詳しくは、ヒト・ファンビルブランド因子モノクローナ
ル抗体及び抗フィブロネクチン抗体からなる抗血栓剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】内皮細胞が傷害され内皮下組織が血液に
直接接触すると、血小板は速やかに内皮下組織に接着
し、扁平に進展しながら(spreading)、放出反応を起
こし(粘着)、その放出された活性物質によって他の血
小板を刺激して凝集反応に巻き込み、血小板血栓を形成
していく(Blood cells and arteries in hypertention
and atherosclerosis, New York, Raven Press,105-14
0頁、1989年)。
【0003】血小板と内皮下組織との間の強い相互反応
を起こす内皮下組織側の成分としては、コラーゲン、フ
ォンビルブランド因子、フィブロネクチン、ビトロネク
チン、ラミニン、トロンボスポンジンなどが既に同定さ
れている。また、他の成分が関与している可能性も否定
できない。生理的に重要な血小板粘着は血管内の血流に
よって生じる血管壁のずり速度に依存するため、血小板
粘着の測定法としては、摘出血管を用いるBaumgartner
らのannular perfusion chamber法(Microvascular Res
earch、第17巻、38頁、1979年)や精製粘着蛋白を塗布
したガラスを用いるSakariassenらのparallel-plateper
fusion chamber法(Thrombosis Research、第19巻、547
頁、1989年)などが考案されている。
【0004】さて、動脈循環系の平均ずり速度は500〜7
50 sec-1であるが、狭窄された冠動脈のような病的血管
では数千 sec-1に達するといわれる(Am J Physiol Hea
rt Circ Physiol、第265巻、H1787、1993年)。このよ
うな高ずり速度条件下の内皮下組織への血小板粘着は、
血小板膜上の糖蛋白レセプターであるグリコプロテイン
Ib(glycoproteinIb;GPIb)とフォンビルブランド因子
(von Willebrand factor:vWF)のA1ドメインとの相互
作用が重要な役割を果たしている。
【0005】もともと、内皮下組織には内皮細胞により
産生されたvWFが沈着している。また、血漿中に存在す
るvWFもコラーゲンなどの内皮下組織に粘着、固相化さ
れる。これに血小板のGPIbが結合することにより血小板
の粘着は成立し、ずり速度が生じる。このずり速度が高
くなるほどこの相互作用の役割は大きくなる。また、血
小板活性化はこの結合の後に起こることから、GPIb-vWF
相互作用の阻害薬は動脈循環系の血栓症に対して強力な
治療剤になり得る可能性が考えられる。本発明者等は前
記仮説に基づき、ヒト・フォンビルブランド因子(vW
F)に対するモノクローナル抗体を取得した(WO96/
17078)。この抗ヒト・フォンビルブランド因子抗
体は、現在のところ臨床使用されていないが、血栓症
(動脈硬化、不安定狭心症等)の治療薬として期待され
ている。
【0006】一方、血小板粘着に引き続く血小板凝集に
関しては、あらゆる刺激に対して血小板膜上グリコプロ
テインIIb/IIIa複合体(glycoprotein IIb/IIIa:以
下、GPIIb/IIIaと示す)が重要な役割を担う。すなわ
ち、凝集惹起物質による刺激や低ずり速度下ではフィブ
リノーゲンを、高ずり速度下ではvWFをリガンドとして
相互に結合し、凝集塊を形成していく。このことから、
血小板の凝集という観点からは、GPIIb/IIIaの拮抗薬が
現在考えられる中で最も強力であり、すでに臨床の場で
使われ始めている。しかし、GPIIb/IIIaの拮抗薬単独で
は内皮下組織やコラーゲンへの血小板粘着を抑制しな
い。更に、内皮下組織への血小板粘着におけるフィブリ
ノーゲンおよびフィブリンの関与については、未だ共通
の見解を得るに至っていない。
【0007】その他の血管内皮下組織成分に関して、ヒ
ト成人の動脈において、内皮下組織中でI型およびIII型
のコラーゲン線維が豊富に存在し、動脈硬化性の肥厚血
管中にI型が蓄積していることが知られている(Atheros
clerosis、第46巻、第247頁、1983年)。これらコラー
ゲンへの血小板粘着は、ずり速度が大きくなるほど、血
漿中のvWFがまずコラーゲンに吸着して、その後GPIb-vW
F相互作用を介した血小板粘着が起こるといわれてい
る。
【0008】さて、Vermylenらによって報告されたヒル
毒由来ペプチド「calin」はコラーゲンによる血小板の
活性化をすべて抑制する(Blood、第85巻、第705頁、19
95年)。I型およびIII型のコラーゲンへの血小板粘着に
対し、300sec-1、1,300sec-1のどちらのずり速度下にお
いても「calin」は抑制することから、レセプターとし
て知られるGPIa/IIaとコラーゲン以外にvWFとコラーゲ
ンとの結合をも「Calin」は阻害すると考えられて
いる。しかし、内皮下組織への血小板粘着に対しては、
部分的にしか抑制できない。
【0009】一方、フィブロネクチンへの血小板粘着に
関しては、主に低ずり速度の条件下で認められ、(グリ
コプロテインIc/IIa:以下、GPIc/IIaと称す
る)を介するものとGPIIb/IIIaを介するものがあり、い
ずれもRGD(Arg-Gly-Asp)に依存した粘着で、2価イオ
ンを必要としないことが知られている(Blood、第84
巻、第3724頁、1994年)。しかし、高ずり速度条件下で
の、内皮下組織に対する血小板粘着におけるフィブロネ
クチンの関与については知られていない。ましては、抗
フィブロネクチン抗体の血小板粘着に関する検討は行わ
れていない。
【0010】また、ラミニンへの血小板粘着は2価イオ
ンが必要で、800sec-1以上の高ずり速度下では粘着は減
少することが知られており、血小板のラミニンレセプタ
ーとして知られるVLA-6の抗体は低ずり速度下の内皮下
組織への粘着は抑制するが、高ずり速度下では影響しな
いことが報告されている(Blood、第79巻、第928頁、19
92年)。さらに、800sec-1条件下での内皮下組織への血
小板粘着は、ラミニンおよびVLA-6と異なる高親和性レ
セプターに対する抗体や配列表の配列番号1記載のラミ
ニン由来ペプチドにより一部抑制されることが報告され
ている(Blood、第78巻、第2310頁、1991年)。しかし
ながら、配列表の配列番号1記載のラミニン由来ペプチ
ド等単独では、血小板の内皮下組織への粘着を充分抑え
ることはできない。従って、当該ペプチド等単独では、
血栓症(尚、本発明に於いては、血栓症と言えば、血管
内に生じた血栓によりもたらされる動脈硬化、不安定狭
心症等も含むものとする)を有効に治療できない。
【0011】このように、血管内皮下組織に対する血小
板粘着に関与する細胞外マトリクス成分については、各
々の報告の実験系の違いなどにより、未だ不明な点も多
く、共通見解を得るに至っていない。
【0012】さて、血小板が関与するすべての病態にお
いて、生体内において血小板活性化の第一段階である血
小板粘着を完全に抑制することが、最も強力な抗血小板
療法、即ち血栓症の治療に最も有効であると考えられ
る。しかし、臨床使用されうる血小板粘着の阻害薬は現
在までのところ報告されておらず、そのような薬物が望
まれている。
【0013】また、臨床の場において抗血小板薬の副作
用である出血イベントは、一部を除いてそのほとんどが
表在血管で認められ、低ずり速度領域に入る。事実、ず
り速度の大きさに無関係に血小板凝集を完全に抑制しう
るGPIIb/IIIa拮抗薬は出血リスクが大きいことが、基礎
においても臨床においても定着しつつある。病的な動脈
硬化血管で見られるような高ずり速度の領域でのみ血小
板粘着を完全に抑制しうることにより、血栓症を治療す
る薬物がより好ましいと思われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高ずり
速度条件下で起こる血小板粘着を極めて有効に抑制する
ことにより、血栓症を治療する薬剤の提供である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決する為に鋭意検討を重ねた結果、抗ヒト・フォンビ
ルブランド因子モノクローナル抗体及び抗フィブロネク
チン抗体を組み合わせると極めて有効に血小板粘着を抑
制することができることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は抗ヒト・フォンビルブランド因
子モノクローナル抗体及び抗フィブロネクチン抗体から
なる抗血栓剤である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の抗ヒト・フォンビルブラ
ンド因子モノクローナル抗体及び抗フィブロネクチン抗
体からなる抗血栓剤を以下に詳細に説明する。本発明に
於いて、抗ヒト・フォンビルブランド因子モノクローナ
ル抗体及び抗フィブロネクチン抗体は言うまでもなく必
須である。抗ヒト・フォンビルブランド因子モノクロー
ナル抗体であれば、本願発明の目的は達成するが、好ま
しくは、(a)ヒト・フォンビルブランド因子に対する
反応性を有する、(b)ヒト血小板のRIPA(リストセチ
ン惹起血小板凝集反応)、BIPA(ボトロセチン惹起血小
板凝集反応)及びSIPA(高ずり応力により惹起される血
小板凝集反応)を阻害する、抗ヒト・フォンビルブラン
ド因子モノクローナル抗体が好ましい。
【0017】具体的には、ハイブリドーマAJvWー1(F
ERM BPー5247)、AJvWー2(FERM BP
ー5248)、AJvWー3(FERM BPー5249)
又はAJvWー4(FERM BPー5250)由来のヒト
・フォンビルブランド因子モノクローナル抗体を用いる
のが好ましい。
【0018】抗フィブロネクチン抗体としては、抗フィ
ブロネクチンポリクロナール抗体、抗フィブロネクチン
モノクロナール抗体のいずれでも用いることができる。
【0019】本願発明の抗血栓剤中の抗ヒト・フォンビ
ルブランド因子モノクローナル抗体と抗フィブロネクチ
ンポリクロナール抗体の重量比は特に拘らないが、通常
1:999〜999:1、好ましくは1:100であ
る。また、本願発明の抗血栓剤当たり抗ヒト・フォンビ
ルブランド因子モノクローナル抗体及び抗フィブロネク
チンポリクロナール抗体を0.1〜100重量%、好ま
しくは1〜80%含ませれば良い。
【0020】ラミニン由来ペプチドを本願発明の抗血栓
剤に含ませても良い。ラミニン由来ペプチドとしては、
その種類は特に拘らないが、配列表の配列番号1記載の
ペプチドを含有させるのが良い。
【0021】更に、ラミニン由来ペプチドとは別に、又
ラミニン由来ペプチドと共に、GPIIb/IIIa拮抗薬を本
願発明の抗血栓剤に含ませても構わない。GPIIb/IIIa
拮抗薬としては市販されているG4120(商品名、Genente
ch社製)等を用いれば良い。
【0022】ラミニン由来ペプチド及び/又はGPIIb/II
Ia拮抗薬の本願発明の抗血栓剤に対する添加量は特に
拘らないが、通常、抗ヒト・フォンビルブランド因子モ
ノクローナル抗体に対して重量比で5〜2000%程度
配合すればよい。もちろん、これは目安であり、この範
囲に限定されるものではなく、適宜変えても良い。
【0023】さて、上記ラミニン由来ペプチド及び/又
はGPIIb/IIIa拮抗薬以外に、必要により賦形剤、安定
化剤として他の成分を配合させても構わない。例えば、
マンニトール、ソルビトール等の等アルコール、トレハ
ロース、ラクトース、シュクロース、デキストリン、サ
イクロデキストリン等の糖類等を必要により配合させて
も構わない。
【0024】また、本願発明の抗血栓剤を患者に投与す
る場合の投与量は特に限定されないが、通常、通常成人
1日当たり、本願発明の抗血栓剤を0.001mg〜1
0g、好ましくは0.01mg〜1g程度、投与すれば
良い。動物試験の結果、本願発明の抗血栓剤は毒性は少
ないものと思われる。
【0025】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。もっとも、本発明は以下実施例に限定され
るものではない。
【0026】実施例1: (1)ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC)の血管
内皮下組織の調製 フローチャンバー用カバースリップ(商品名:Thermano
x、Nunc Inc.社製)を18 x 18 mmに切り、エタノールに
浸け滅菌後、滅菌したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で
洗浄した。カバースリップの表側を、100μlの1%ゼラチ
ンで30分間、次に表側を100μlの0.5%グルタルアルデヒ
ドで10分間、静置し、固定する。次に、滅菌PBSで3回
洗浄後、カバースリップを8穴プラスチックプレート
(商品名:Nunclon 176600)に入れ、2継代めのHUVEC
をその上に培養した。コンフルエントにしてから、0.1M
のNH4OHで処理することにより内皮下組織を露出させ
た。 更に、PBSで3回洗浄後、-20℃保存した。
【0027】(2)血液サンプルの調製 2価イオンへの影響がなく、かつトロンビンへの影響も
少ない低分子ヘパリン(LMWH:商品名:Clexane、Rhone
-poulene rorer社製、薬物名:enoxaparin)を抗凝固剤
として選び、最終濃度が20U/mlになるように健常人より
採血を行った。尚、すべての実験は採血後90分以内に行
った。
【0028】(3)血液潅流実験 実験前にPBSをフローチャンバー内で5分間潅流後、ヒ
ト血漿を5分間潅流することによりブロッキングを行
い、その後もう一度PBSで洗浄した。高ずり速度に1,300
sec-1(0.6mmギャップのフローチャンバーを使用し、ポ
ンプを流速43〜45ml/minに調製)の条件を用いて、37℃
で5分間、血液を潅流した。終了後、直ちにカバースリ
ップをPBSで3回洗浄し、8穴プラスチックプレート(N
unclon 176600)中でメタノールに1時間以上浸すこと
により固定化した。
【0029】(4)粘着血小板の定量 カバースリップを1回PBSで洗浄後、染色剤May-Grundwa
ld(商品名:Diagnostica、MERCK社製)をSoerensen bu
ffer (組成:215mg KH2PO4, 312mg Na2HPO4・2H2O, 3.3
mM, pH6.9)で1:1に希釈した溶液に5分間浸す。次に
染色剤Giemsa(商品名:Diagnostica、MERCK社製)をSo
erensen bufferにて3:11に希釈した溶液に30分間浸し
た。カバースリップをSoerensen bufferで3回洗浄後、
乾かしてからスライドガラスに固定した。顕微鏡下、80
0倍の視野で画像解析装置(商品名:TCL-Image、 Multi
house TSI社製)によって血小板の占有面積率を測定し
た。代表的な5画面をピックアップし、カバースリップ
全体をscanningする形で30画面を選び、その平均値及び
SDを算出した。
【0030】(5)抗ヒト・フォンビルブランド因子モ
ノクローナル抗体及び抗フィブロネクチン抗体の併用効
果 抗ヒト・フォンビルブランド因子モノクローナル抗体と
してハイブリドーマAJvWー2(FERM BPー524
8)が産生する抗ヒト・フォンビルブランド因子モノク
ローナル抗体AJvWー2を、抗フィブロネクチン抗体とし
ては抗フィブロネクチンポリクローナル抗体(Cappel社
製 55066)をそれぞれ用いた。
【0031】まず、凍結保存した内皮下組織のついたカ
バースリップを融解し、抗フィブロネクチンポリクロー
ナル抗体1mg/ml存在下又は非存在下に4℃、overnightで
インキュベートする。採血したヒト血液は潅流直前にAJ
vW-2 10μg/ml存在下又は非存在下に37℃で5分間インキ
ュベートする。フローチャンバー内で高ずり速度に1,30
0sec-1の条件を用いて、37℃で5分間、血液を潅流し
た。終了後、直ちにカバースリップをPBSで3回洗浄
し、以下、固定化、染色、画像解析を行い、血小板粘着
率を測定した。
【0032】図1より高ずり速度条件下で、抗フィブロ
ネクチン抗体無処置の内皮下組織には、AJvW-2非存在下
で血小板粘着率は27.7±2.6%であった(A)が、AJvW-2を1
0μg/ml添加することにより、9.0±2.0%にまで抑制され
た(B)た。しかし、完全には抑制されなかった。一方、
抗フィブロネクチン抗体にて処置した内皮下組織に対し
ては、AJvW-2非存在下で血小板粘着率は15.0±3.1%であ
った(C)が、AJvW-2を10μg/ml添加することにより、4.0
±1.8%まで、すなわちほぼベースラインに近いところ
(ほぼ完全に近い状態)まで抑制された(D)。
【0033】
【発明の効果】本発明は、抗ヒト・フォンビルブランド
因子モノクローナル抗体及び抗フィブロネクチン抗体の
組み合わせてなる抗血栓剤は高ずり速度下の内皮下組織
への血小板粘着を極めて有効に抑えることから、ヒトに
おける虚血性心疾患や脳血管障害といった血栓症に極め
て有効と思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、抗フィブロネクチン抗体処置及び無
処置のヒト血管内皮下組織への高ずり速度条件下の血小
板粘着に対するAJvW-2の効果を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗ヒト・フォンビルブランド因子モノク
    ローナル抗体及び抗フィブロネクチン抗体からなる抗血
    栓剤。
  2. 【請求項2】 ヒト・フォンビルブランド因子モノクロ
    ーナル抗体が下記の性質を有するものである請求項1記
    載の抗血栓剤。 (a)ヒト・フォンビルブランド因子に対する反応性を
    有する。 (b)ヒト血小板のRIPA(リストセチン惹起血小板凝集
    反応)、BIPA(ボトロセチン惹起血小板凝集反応)及び
    SIPA(高ずり応力により惹起される血小板凝集反応)を
    阻害する。
  3. 【請求項3】 ヒト・フォンビルブランド因子モノクロ
    ーナル抗体がハイブリドーマAJvWー1(FERM BP
    ー5247)、AJvWー2(FERM BPー524
    8)、AJvWー3(FERM BPー5249)又はAJvWー
    4(FERM BPー5250)由来のものである請求
    項1又は2記載の抗血栓剤。
  4. 【請求項4】 更に、ラミニン由来ペプチドを含有する
    ものである請求項1記載の抗血栓剤。
  5. 【請求項5】 ラミニン由来ペプチドが配列表の配列番
    号1記載のペプチドである請求項4記載の抗血栓剤。
  6. 【請求項6】 更に、グリコプロテインIIb/IIIa拮抗
    薬を含有してなる請求項1記載の抗血栓剤。
JP9013789A 1997-01-28 1997-01-28 抗血栓剤 Pending JPH10203999A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298486A (ja) * 2006-05-08 2007-11-15 Fujimori Kogyo Co Ltd 血管内皮細胞を用いた血栓観測方法および血栓観測装置
JP2012505887A (ja) * 2008-10-16 2012-03-08 サイトニックス コーポレイション 脊髄及び関節痛の検知及び治療のためのバイオマーカー及び方法

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