JPH1020368A - 箱形の簡易撮影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理済みの料理品を素人でも綺麗に且つ低コ
ストで撮影できるようにする。 【解決手段】 装置本体１を箱形に形成し、この装置本
体１の底板６に被写体５の配置箇所を示す目印７を表示
する。この目印７の真上より僅かに後方の天板１１の位
置に被写体５を斜め後方から照射する光源９を設ける。
この光源９の光を拡散するシート１２を装置本体１の前
側上部位置から後板３の下部にわたって装置本体１内に
傾斜状に張設する。上記装置本体１の前板２の上部に撮
影用カメラ１０を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、箱形の簡易撮影装
置に関し、更に詳しくは調理済みの料理品等を素人でも
プロカメラマン並に撮影できるよう形成した箱形の簡易
撮影装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の被写体を撮影した写真は、
通常、メニューや料理本等の印刷物に使用され、文字の
説明で不十分な点を、視覚を介して一目でその内容がわ
かるよう、利用されるものである。従ってこの種の写真
は、実物の料理品通りに撮影されていることが望まし
い。

【０００３】しかしながら一般に写真撮影は、光の方
向、角度、質、強弱といった種々のファクターで表現が
変わり、光の扱い方次第でその出来栄えが大きく左右さ
れるものである。その為従来、この種被写体の撮影は、
プロのカメラマンが専門の機材、専門知識、専門技術を
駆使して行なっているのが通例である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のようにこの種被
写体の撮影は、調理済みの料理品を実物通りに撮影する
ことが望まれる。従って従来その撮影は、通常、厨房に
近い箇所で行なわれたから、撮影機材の運び込み、組立
て、又撮影後の機材の分解、運び出し等に多大な手間暇
がかかった。その結果従来この種の写真は、撮影費用が
高額になるのを避けられなかった。

【０００５】ところでこの種の写真は、例えば飲食店で
あれば、提供する料理品を来店者に一目でわからすこと
ができ、又客にとっても料理を一目で理解し易いから、
経営者、客の双方にとって、例えばメニューが写真入り
で印刷されていることは好ましい。

【０００６】しかしながらこの種メニューの場合は、写
真の出来不出来が注文の多少、売り上げの増減に直接影
響を与えかねない。従って従来、この種メニューを制作
する場合は、上記の通り、通常、プロのカメラマンに依
頼するしかなかったから、制作費用が高く付き、この点
が資金面で余裕のない小規模飲食店にとって気軽に採用
できない理由であった。

【０００７】而して今日、ワープロ、パソコン、カラー
コピー機等が普及し、素人でも印刷業者と同等の品質で
文字や写真をプリントできる状態にある。従って立体感
があり、ソフトな仕上りのプロ並の写真を自前で調達で
きれば、ワープロ等で文字を打ち、写真を貼りつけてカ
ラーコピーし、防水加工すれば非常に安価に写真入りの
メニューを作成できる。

【０００８】又デジタルカメラで撮影し、或はアナログ
カメラの場合はプリントショップでデジタル信号処理を
してもらうことで、デジタル画像信号をパソコンに取り
込み、カラープリンタ、カラーコピー機で出力すること
で、写真入りのメニューを同様に低コストで作成できる
状態にある。

【０００９】従って調理した料理品を、素人でもプロ並
に綺麗に且つ低コストで撮影できる装置の出現が、従来
強く望まれていた。

【００１０】本発明は、このような従来の実情に鑑み、
提案されたものである。従って本発明の技術的課題は、
調理済みの料理品を素人でも綺麗に且つ低コストで撮影
できるよう形成した箱形の簡易撮影装置を提供すること
にある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような技術的手段を採る。即ち本発
明は、装置本体１が箱形に形成され、この装置本体１の
底板６に被写体５の配置箇所を示す目印７が表示され、
この目印７の真上より僅かに後方の天板１１の位置に被
写体５を斜め後方から照射する光源９が設けられ、この
光源９の光を拡散するシート１２が装置本体１の前側上
部位置から後板３の下部にわたって装置本体１内に傾斜
状に張設され、上記装置本体１の前板２の上部に撮影用
カメラ１０を備えてなることを特徴とする。

【００１２】この場合本発明は、携帯や保管が容易にな
るよう、装置本体１が折畳み自在に形成されるのが好ま
しい。

【００１３】又本発明は、底板６に被写体５の配置箇所
を示す目印７が表示されるのに代え、底板６が被写体５
の配置箇所を示す目印７が表示された色違いのシート８
を複数備えてなるのでも良い。この場合は、被写体５と
しての料理品の色、器の色などに対応させてシート８を
交換できるから、より綺麗で出来栄えの良い写真を得ら
れる。

【００１４】又本発明は、光源９が着脱自在に形成され
るのが好ましい。この場合は、折畳み時に装置本体１の
嵩を小さくできるだけではなく、光源９を任意のものに
変更できるという利点がある。

【００１５】上記の光源９は、撮影用カメラ１０のシャ
ッターに同調して発光するストロボであるのが好まし
い。又光源９は、家庭用電源に接続する電灯でも良い。
この場合電灯は、白熱電灯には限定されず、蛍光灯でも
良い。更にこの電灯は、スイッチを備え、手元でオンオ
フ制御できるよう形成されているのが好ましい。

【００１６】又本発明は、撮影用カメラ１０を備えてな
るのに代え、撮影用カメラ１０の配設箇所を備えてなる
のでも良い。撮影用カメラ１０の配設箇所を備えてなる
とは、撮影者が手持ちのカメラを利用して撮影ができる
箇所を備えてなるということを意味し、具体的には撮影
用カメラ１０を直接載置したり、取り付ける為のプレー
トや凹嵌部が前板２の上部に形成される場合や、前板２
の上部に撮影用の開口が形成される場合を意味する。

【００１７】尚撮影用カメラ１０は、自動調光で適性露
出が得られるオートフォーカス機能付きの一眼レフが良
く、更にズーム機能を備えてなるのが好ましい。しかし
本発明はこれに限定されず、小型の簡易タイプのもので
も良い。簡易タイプのカメラとしては、固定焦点、シャ
ッター速度が一速のコンパクトカメラや、全自動の多機
能タイプのコンパクトカメラがある。

【００１８】又カメラ１０は、その他スチルビデオカメ
ラ、ＩＣにデジタル記録するデジタルカメラでも良い。
これらのカメラの場合は、パソコンやワープロにビデオ
信号を取り入れて、メニュー等の作成、加工が容易にで
きる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。１は、箱形に形成された装置本
体である。この装置本体１は、例えばプラスチック段ボ
ールで外部光を遮断できる状態に形成され、内面に反射
塗料がコーティングされている。この場合本発明では、
装置本体１が段ボール紙やアクリル板等のプラスチック
板で形成されるのでも良く、又反射塗料をコーティング
するのに代え、シート状、フィルム状の反射材が張られ
てなるのでも良い。

【００２０】又上記装置本体１は、この実施形態では折
畳み自在に形成されている。即ち装置本体１は、前板２
と後板３とが煽り板状に回動自在に形成され、且つ左右
一対の側板４はその上、中、下部に横方向にわたって夫
々平行状に折目線４ａが形成され、この折目線４ａを介
して側板４が内方に屈曲状に折り畳まれるよう形成され
ている。尚前板２は、内方だけではなく外方にも回動自
在に形成され、被写体５としての例えば調理済みの料理
品を装置本体１内にこの前板２の開閉操作で配置できる
よう形成されている。

【００２１】６は、側板４に連ねて形成された底板であ
る。この底板６には、その中央位置より少し後板３より
の位置に、被写体５の配置箇所を示す目印７が印刷され
ている。又この底板６は、この実施形態では上記の目印
７が表示された色違いのシート８（図４、図５参照）を
複数備えてなる。

【００２２】９は、被写体５を斜め後方から照射する光
源である。この光源９は、この実施形態では撮影用カメ
ラ１０のシャッターに同調して発光する単体式のストロ
ボでなる。光源９としてのこのストロボは、目印７の真
上より僅かに後方の天板１１の位置に着脱自在に設けら
れている。この場合光源９は、この実施形態では天板１
１に懸吊状に設けられているが、本発明はこれに限られ
ず、その他例えば天板１１に光源９を配置する為の凹部
が形成され、この凹部に嵌合状に配置されるのでも、或
は天板１１の内面側に光源９の取付箇所が形成され、光
源９が外部から視認されないよう設けられているのでも
良い。

【００２３】１２は、上記光源９の光を拡散するシート
である。このシート１２は、装置本体１の前側上部位置
から後板３の下部にわたって装置本体１内に傾斜状に張
られている。シート１２としては、例えば白色の布帛、
セロハン紙、トレーシングペーパー、乳白色の樹脂シー
ト等がある。

【００２４】上記の撮影用カメラ１０は、前板２の上部
に設けられている。このカメラ１０は、この実施形態で
はズーム機能付きの一眼レフカメラである。このカメラ
１０は、傾斜状の載置板２ａに、例えばネジ止めされて
着脱自在に設けられている。このネジ止めは、カメラ１
０の三脚取り付け用のねじ孔を利用し、載置板２ａの下
側から行なう。

【００２５】尚載置板２ａは、この実施形態では前板２
の上部が下辺を残して外側に折り曲げられることでな
る。従って前板２の上部は、折り曲げが可能になるよ
う、切り離し用のミシン目を、例えば矩形波状に備えて
なるのが良い。又載置板２ａの傾斜姿勢の保持は、例え
ば載置板２ａの下側に付属の支持脚片を、前板２に差し
込んで固定した状態で設けることにより達成される。

【００２６】次に本発明の作用を説明する。撮影者は、
図１に示す状態で、前板２を外方に回動し、器に盛りつ
けた調理済みの料理品を被写体５として目印７に配置す
る。次に撮影者は、この状態でカメラ１０のシャッター
を押す。すると光源９としてのストロボがシャッターに
同調して閃光し、この閃光はシート１２を介して拡散し
た状態で被写体５を斜め後方から照射する（図２参
照）。従ってこれによれば、被写体５の輪郭が浮き立
ち、立体感のある、しかも拡散光のため強い影が出ない
ソフトな仕上りの写真を得られる。

【００２７】そして撮影終了後は、先ず前板２、後板３
を装置本体１の内方に回動させ（図３参照）、次に図４
に示されるように、側板４を内方に屈曲させて装置本体
１を折り畳む。この場合、カメラ１０の載置板２ａは前
板２と面一になるよう折り戻す。尚光源９は、この実施
形態では天板１１と底板６とが装置本体１の折畳み時に
作る隙間Ｓ（図５参照）に配置される。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、箱形に形
成した装置本体の底板に、被写体の配置箇所を示す目印
を表示し、この目印の真上より僅かに後方の天板の位置
に、被写体を斜め後方から照射する光源を設け、この光
源の光を拡散するシートを装置本体の前側上部位置から
後板の下部にわたって装置本体内に張り、上記前板の上
部に撮影用カメラを備えてなる。

【００２９】従って本発明の場合は、上記の目印に被写
体を配置すれば、被写体の斜め後方からシートを介した
拡散光を被写体に当てて撮影できる。それ故発明によれ
ば、立体感があり、且つソフトな仕上りの写真を得ら
れ、素人でも出来栄えの良いプロ並の写真を簡単に撮る
ことができる。

【００３０】又本発明の場合は、構造が簡単で製造が容
易であるから安価に提供でき、且つ繰り返し使用できる
から、ランニングコストが安価に付く。従ってこれによ
れば、専用の機材を揃える従来の場合に比べ、撮影費用
をはるかに低廉化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の好適な一実施形態を示す一部を切
欠した斜視図である。

【図２】同上装置の構成図である。

【図３】同上装置の一部を切欠した斜視図である。

【図４】同上装置の折畳み作用を示す斜視図である。

【図５】同上装置の折畳まれた状態を示す要部斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ 前板 ３ 後板 ５ 被写体 ６ 底板 ７ 目印 ９ 光源 １０ 撮影用カメラ １１ 天板 １２ シート

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体が箱形に形成され、この装置本
   体の底板に被写体の配置箇所を示す目印が表示され、こ
   の目印の真上より僅かに後方の天板の位置に被写体を斜
   め後方から照射する光源が設けられ、この光源の光を拡
   散するシートが装置本体の前側上部位置から後板の下部
   にわたって装置本体内に傾斜状に張設され、上記装置本
   体の前板の上部に撮影用カメラを備えてなることを特徴
   とする箱形の簡易撮影装置。
2. 【請求項２】 装置本体が折畳み自在に形成されたこと
   を特徴とする請求項１記載の箱形の簡易撮影装置。
3. 【請求項３】 底板に被写体の配置箇所を示す目印が表
   示されるのに代え、底板が被写体の配置箇所を示す目印
   が表示された色違いのシートを複数備えてなることを特
   徴とする請求項１又は２記載の箱形の簡易撮影装置。
4. 【請求項４】 光源が着脱自在に形成されたことを特徴
   とする請求項１、２又は３記載の箱形の簡易撮影装置。
5. 【請求項５】 光源が、撮影用カメラのシャッターに同
   調して発光するストロボであることを特徴とする請求項
   １、２、３又は４記載の箱形の簡易撮影装置。
6. 【請求項６】 光源が、家庭用電源に接続される電灯で
   あることを特徴とする請求項１、２、３又は４記載の箱
   形の簡易撮影装置。
7. 【請求項７】 撮影用カメラを備えてなるのに代え、撮
   影用カメラの配設箇所を備えてなることを特徴とする請
   求項１、２、３、４、５又は６記載の箱形の簡易撮影装
   置。