JPH10197474A - 電気化学検出器用比較電極 - Google Patents

電気化学検出器用比較電極

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JPH10197474A
JPH10197474A JP9003584A JP358497A JPH10197474A JP H10197474 A JPH10197474 A JP H10197474A JP 9003584 A JP9003584 A JP 9003584A JP 358497 A JP358497 A JP 358497A JP H10197474 A JPH10197474 A JP H10197474A
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JP
Japan
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electrode
internal
silver
potassium chloride
comparison
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JP9003584A
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English (en)
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Yasushi Niiyama
也寸志 新山
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン選択電極,酵素電極等の電位計測型の検
出器等の基準電位参照用として用いられる比較電極を安
価に提供する。 【解決手段】比較電極4は、液絡部2が多孔性のセラミ
ックで平均開口径が0.5〜2.5μm,先端の表面積が
0.5〜5.0mm2 であり、比較電極4への固着が弾性接
着剤7を用いてなされ、比較電極4が、光透過性のない
材料よりなり、内部電極5が銀/塩化銀電極、かつ内部
液6が飽和塩化カリウム溶液,塩化カリウム粉末及び塩
化銀粉末からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気化学検出器用比
較電極に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液中に含まれるイオン等様々な化学成
分を定量分析するための化学センサにおいて、より精度
の良い計測を行うためには原理上常に一定の電位を発生
する比較電極が、対として必要である。また、三電極方
式によるボルタンメトリ計測でも、より安定な計測を行
うためには作用電極の電位がどこに設定されているかが
最も重要であり、この電位の基準となる比較電極が必要
となる。このような要求から、従来より電気化学測定法
(上)(技報堂出販)p89〜p101に示されるように
様々な比較電極が提案されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、理想的な比較
電極として、以下のような性質をもっていることが重要
である。即ち、 1)比較電極表面での電極反応が可逆であって、電解液
中のある化学種とNernst応答すること。
【0004】2)その電位は、時間に対して安定である
こと。
【0005】3)その電位は、微少電流が流れてもすぐ
に最初の電位に戻ること。
【0006】4)銀/塩化銀の内部電極の場合は、固体
層が電解液中で溶解しないこと。
【0007】であるが、これらの項目のうち本発明が解
決しようとする課題は、2)から4)項、すなわち比較
電極の短期的及び長期的な安定性、特に後者に関するこ
とである。
【0008】本発明が主に用いられる臨床検査用分析装
置では、各測定項目に対しより信頼性のある計測が求め
られるのはもちろんのこと、緊急検体測定要求など不意
の計測に対応するため部品交換等による装置停止時間を
できるだけ低減し、稼働率の低下をまねかないようにす
ることが望ましい。
【0009】本発明の目的は、より寿命が長く安価でメ
ンテナンス等の不要な比較電極を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明に対して以下の手段を用いた。すなわち、 1)比較電極内部液と、化学センサあるいは検出器をつ
なぐ流路間の液絡部を多孔性セラミックで構成し、かつ
そのセラミックの平均開口径を0.5〜2.5μmとした
こと 2)対象となる化学センサあるいは検出器をつなぐ流路
に接するセラミック先端の表面積を、0.5〜5.0mm2
としたこと 3)多孔性セラミックの比較電極本体への固着を、シリ
コン樹脂系あるいはシリコンポリマを含むエポキシ樹脂
系等の弾性接着剤を用いてなしたこと 4)比較電極本体を、ABS樹脂等の光透過性のないプ
ラスチック,金属あるいは遮光処理したガラス等の材料
としたこと 5)内部電極を銀/塩化銀電極とし、かつ内部液を飽和
の塩化カリウム溶液に加えて、塩化カリウム粉末及び塩
化銀粉末からなる固相をもって構成したこと 6)比較電極保存時に対し液絡部先端を覆う形でねじ付
きのキャップを設けたことである。
【0011】ここで、上記各手段の作用について記述す
る。
【0012】手段1)では、液絡部を多孔性セラミック
で構成し、かつ実験に基づきそのセラミックの平均開口
径を0.5〜2.5μmとした。液絡部を構成する材料と
しては、ガラス,白金,セロファン等が考えられるがこ
れらに比し多孔性セラミックは、安価でかつメンテナン
スを必要としない利点を持つ。また、平均開口径を0.
5〜2.5μmとしたのは、電極内部液を液絡部端面よ
りわずかに流出させて内部電極、流路間に電気的導通を
確保すると共に、液絡部環境を安定に保ち内部電極から
より長期間安定な電位を取り出すためである。ここで、
平均開口径が0.5μm 以下の場合は、液絡部の抵抗が
100kΩ以上と高くなるため電極電位を取り出すため
の電気回路が特殊となり高価となる。さらに液絡部が目
づまりしやすく電気的導通を確保するのが難しくなる。
また、平均開口径が2.5μm以上の場合は、電極内部
液の液絡部端面よりの流出量が多くなり、液絡部環境が
不安定になるともに内部液が急速に失われ、その結果規
定の寿命を確保するのが難しくなる。
【0013】手段2)では、多孔性セラミック先端の表
面積を、実験に基づき0.5〜5.0mm2 とした。内部液
の流出を抑えるには、多孔性セラミック先端の表面積が
少ないほうがよいが、小さすぎると手段1)の項で記述
したように液絡部の抵抗が100kΩ以上と高くなるた
め電極電位を取り出すための電気回路が特殊となり高価
となること、液絡部が目づまりしやすく電気的導通を確
保するのが難しくなることに加え、先端の表面積が0.
5mm2以下になると、血清などの生体試料を扱う場合、
流路側のセラミック先端にフィブリン等の固まりが付着
し液絡部の電気的導通を阻害しやすくなる。また、多孔
性セラミック先端の表面積を5.0m2以上とした場合
は、電極内部液の液絡部端面よりの流出量が多くなり液
絡部環境が不安定になるともに内部液が急速に失われ、
その結果、規定の寿命を確保するのが難しくなる。
【0014】手段3)では、多孔性セラミックの比較電
極本体への固着を、シリコン樹脂系あるいはシリコンポ
リマを含むエポキシ樹脂系等の弾性接着剤を用いてなし
た。これにより、線膨張係数の異なる多孔性セラミック
と比較電極本体を緊密にかつ温度変化による破壊より保
護した形で固着できるため、初期品質を長期間安定に保
つことができる。
【0015】手段4)では、比較電極本体を、ABS樹
脂等の光透過性のないプラスチック,金属あるいは遮光
処理したガラス等の材料とした。一般に内部電極となる
銀/塩化銀電極は、紫外線により劣化し一定の電位を発
生しなくなる。そこで、これを極力防止するために比較
電極本体を遮光性の材料で形成することにした。
【0016】手段5)では、内部電極を銀/塩化銀電極
とし、かつ内部液を飽和の塩化カリウム溶液に加えて、
塩化カリウム粉末及び塩化銀粉末からなる固相をもって
構成した。銀/塩化銀電極は、安価であり、その発生電
位も紫外線下におかれない限りは比較的安定である。一
方、その内部電極のまわりの内部液濃度が変化すれば、
その電位はNerunst の式に従い濃度に対数比例して変化
する。従って安定な電位を長期間保つには、常に内部液
濃度を一定に保たねばならない。しかし、この比較電極
を臨床用の生化学,免疫分析装置上で使用した場合、測
定回数が、多くなるにつれ内部液中の塩化カリウム濃度
が低下することが観察された。その対策として流出する
塩化カリウムの量にみあった塩化カリウムを予め内部液
に添加しておき内部液濃度を常に飽和状態に保つことと
した。また、この場合、内部液中の塩化カリウム濃度が
高いと内部電極の銀/塩化銀電極が内部液中に溶解する
ため、これも塩化銀を予め内部液に添加しておき銀/塩
化銀電極の溶解による劣化を防止した。
【0017】手段6)では、比較電極保存時に液絡部先
端を覆う形でねじ付きのキャップを設けたことで、内部
液中の塩化カリウム溶液が液絡部先端から流出,結晶化
して比較電極が動作不能となるのを防止した。
【0018】これらの手段により、規定の期間,使用
時,保存時とも比較電極の電位を一定に保つことができ
比較電極の長寿命化を容易かつ安価に達成することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による一実施例を
図1ないし図4により説明する。図1に血液中の微少な
成分を免疫反応を利用して計測する分析装置の検出器用
として開発された比較電極の断面構造を示す。図1で本
発明による比較電極は対象となる検出器のアウト側流路
に近接して直角方向に設置され先端部に刻まれたねじに
より検出器本体に固定される。その際、検出器流路と比
較電極液絡部の間の液漏れを防ぐために比較電極先端の
液絡部周囲に図のようにゴム製のOリングが挿入され
る。この液絡部は、平均開口径1.5μm のアルミナ製
セラミックからできており黒色ABS樹脂製の比較電極
本体には、一液型のシリコン接着剤で固着されている。
また、この時の液絡部先端の表面積は、3.0mm2になる
よう設計されている。一方、内部電極は、直径1mm,長
さ15mmの銀/塩化銀電極よりなり、その内部液組成
は、2.0mlの飽和塩化カリウム溶液に加えて、0.5
gの塩化カリウム粉末及び0.02g の塩化銀粉末が添
加されている。この内部電極の他方の先端は、コネクタ
及びリード線を介してポテンショスタット等を含む電気
回路へと接続されている。この電気回路には検出器本体
に設置されている作用電極、及び対極も同様に接続され
ており、この三電極により電気化学測定回路が構成され
る。
【0020】ここで、検出器内の作用電極上に一定のシ
ーケンスで導かれる発光標識を予め免疫反応により結合
させた試料に対し、回路を用いて一定の電圧を与える
と、試料はその濃度に比例した一定波長の光を発する。
この光の量を光電子増倍管等を用いて検出し、予め濃度
既知の試料を用いて作成した検量線と比較することによ
り濃度未知の試料の濃度が算出される。
【0021】図2に比較電極保存時に液絡部先端を覆う
形でねじ付きのキャップを装着した状態の半断面図を示
す。これにより、内部液中の塩化カリウム溶液が液絡部
先端から流出,結晶化して比較電極が動作不能となるの
を極力防止でき、室温で、1年以上の保存が可能となっ
た。
【0022】図3に従来の比較電極と本発明による比較
電極を用いて行った寿命試験結果を示す。この図で横軸
は負荷された試料数を示し、縦軸は、その時の比較電極
発生電位を示す。本試験では、比較のため内部液組成の
み変化させ、他の要素は同一とした。すなわち、比較電
極本体材質は黒色ABS樹脂製であり、液絡部は平均開
口径1.5μm のアルミナ製セラミックからできており
比較電極本体には、一液型のシリコン接着剤で固着され
ている。この時の液絡部先端の表面積は、3.0mm2になる
ようにした。内部液は、従来の比較電極が2.0mlの
飽和塩化カリウム溶液のみに対し、本発明による比較電
極は2.0ml の飽和塩化カリウム溶液に加えて、0.
5gの塩化カリウム粉末及び0.02gの塩化銀粉末が
添加されている。
【0023】図から明らかなように、本発明による改良
後の比較電極は五万回の試料測定後における内部電極の
発生電位の変化がほとんどないのに対し従来の比較電極
は負荷開始後徐々に発生電位が上昇しており、五万回の
試料測定後における内部電極の発生電位の変化が±10
mV以下であるという仕様に対して二万回の試料測定後
で既に仕様を満たしていない。以上より、本改良による
比較電極は従来に比し少なくとも2倍の長寿命化がはか
れたことが分かる。
【0024】図4に液絡部に用いた多孔性セラミックの
平均開口径を変化させたときの比較電極寿命の比較実験
結果を示す。ここでいう寿命とは、上記に示した五万回
の試料測定後における内部電極の発生電位の変化が±1
0mV以下という仕様に基づき、仕様を越えた時の試料
測定数を示す。ここで用いた比較電極は、本体材質が黒
色ABS樹脂製であり、液絡部は平均開口径1.5μm
のアルミナ製セラミックからできており比較電極本体に
は、一液型のシリコン接着剤で固着した。また、内部液
は2.0mlの飽和塩化カリウム溶液のみとした。
【0025】この場合、図から明らかなように、多孔性
セラミックの平均開口径が小さい方が寿命が長いことが
分かるが、既に、上記で記述したようにこの平均開口径
が小さすぎると液絡部の抵抗が100kΩ以上と高くな
るため電極電位を取り出すための電気回路が特殊となり
高価となること、液絡部が目づまりしやすく電気的導通
を確保するのが難しくなることに加え、先端の表面積が
0.5mm2以下になると、血清などの生体試料を扱う場合
流路側のセラミック先端にフィブリン等の固まりが付着
し液絡部の電気的導通を阻害しやすくなるため、多孔性
セラミックの平均開口径は請求項1に示したように0.
5〜2.5μmが望ましい。
【0026】また、この比較電極で、保存時、内部液中
の塩化カリウム溶液が液絡部先端から流出,結晶化して
比較電極が動作不能となることを防止するため液絡部先
端を覆う形でねじ付きのキャップを設けた。比較電極保
存時、このねじ付きのキャップを閉め液絡部先端を封止
することで、少なくとも、室温で1年以上の長期保存が
可能となった。
【0027】
【発明の効果】ほとんどコストアップすることなく従来
の比較電極に比し2倍以上の寿命を持つイオン選択電
極,酵素電極等の化学センサ,免疫分析装置用検出器等
の基準電位参照用として好適な比較電極を容易に提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による比較電極内部を表す断面図。
【図2】本発明による比較電極保存時のキャップ装着状
態を示す部分断面図。
【図3】本発明による比較電極と従来の比較電極を用い
て行った寿命判定の結果を示す特性図。
【図4】多孔性セラミックの平均開口径を変化させたと
きの寿命判定の結果を示す特性図。
【符号の説明】
1…検出器、2…液絡部、3…Oリング、4…比較電
極、5…内部電極、6…内部液、7…接着部、8…液封
止用キャップ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学成分測定電極の基準電位参照用として
    用いられる比較電極において、高濃度の塩化カリウム溶
    液で構成される比較電極内部液と、対象となる化学セン
    サあるいは検出器をつなぐ流路間の液絡部が多孔性のセ
    ラミックで構成され、前記セラミックの平均開口径が
    0.5〜2.5μmであることを特徴とする電気化学検出
    器用比較電極。
  2. 【請求項2】前記多孔性のセラミックの対象となる前記
    化学センサあるいは前記検出器をつなぐ前記流路に接す
    る前記セラミックの先端の表面積が、0.5〜5.0mm2
    である請求項1に記載の電気化学検出器用比較電極。
  3. 【請求項3】前記多孔性セラミックの前記比較電極への
    固着が、シリコン樹脂系あるいはシリコンポリマを含む
    エポキシ樹脂系の弾性接着剤を用いてなされる請求項1
    に記載の電気化学検出器用比較電極。
  4. 【請求項4】前記比較電極が、光透過性のないプラスチ
    ック,金属あるいは遮光処理したガラス等の材料よりな
    る請求項1に記載の電気化学検出器用比較電極。
  5. 【請求項5】前記比較電極に用いられる内部電極が銀/
    塩化銀電極から構成され、かつ内部液が飽和の塩化カリ
    ウム溶液,塩化カリウム粉末及び塩化銀粉末から構成さ
    れる請求項1に記載の電気化学検出器用比較電極。
  6. 【請求項6】前記比較電極保存時に液絡部先端を覆う形
    でねじ付きのキャップを設けた請求項1に記載の電気化
    学検出器用比較電極。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063334A1 (en) * 1998-06-04 1999-12-09 Radiometer Medical A/S Reference electrode
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