JPH10196043A - 太陽電池付きパネル - Google Patents

太陽電池付きパネル

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Publication number
JPH10196043A
JPH10196043A JP29672397A JP29672397A JPH10196043A JP H10196043 A JPH10196043 A JP H10196043A JP 29672397 A JP29672397 A JP 29672397A JP 29672397 A JP29672397 A JP 29672397A JP H10196043 A JPH10196043 A JP H10196043A
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JP
Japan
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solar cell
panel
cell module
border
ventilation
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Application number
JP29672397A
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English (en)
Inventor
Takehiko Asano
武彦 浅野
Toshiya Sugita
俊也 杉田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物への取り付けに手数がかからず優れた
外観が得られる太陽電池付きパネルを提供する。 【解決手段】 パネル部材と、該パネル部材の表面に取
り付けられた太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュ
ールの少なくとも最上縁と最下縁に取り付けられたボー
ダーと、下縁のボーダーに設けられた通気用間隙内の通
気のための吸気および排水装置と、上縁のボーダーに設
けられた通気用間隙内の通気のための減圧室と排気口と
が設けられ、該吸気および排水装置と該通気用間隙と該
減圧室と該排気口とを連通する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面に太陽電池モジ
ュールが取り付けられた軽量気泡コンクリート(AL
C)パネルや、PCパネル等の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物に太陽光発電設備を取り付
けるには、透明ガラスと、その裏面に配置した複数の太
陽電池セルと、所望電圧、所望電流を発生可能にした結
線と、該透明ガラスの全面を覆う複合フィルムと、該透
明ガラスと該複合フィルムとの間を充填する充填材と、
電気出力用端子ボックスとからなる太陽電池モジュール
を使用する。太陽電池モジュールの外周を補強するフレ
ームとともに、通常の屋根材の上に架台を組んで所望枚
数の太陽電池モジュールを取り付ける。また、太陽電池
モジュールと屋根材との一体型建材を使用したり、太陽
電池モジュールを屋根と一体に施工するなどして、所望
枚数の太陽電池モジュールを屋根と一体に組み込む。あ
るいは、防水板上に太陽電池モジュールを取り付けた建
材を敷設する。それぞれ、所望配線を経て、発電してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、太陽電池モジ
ュールの外周を補強するフレームとともに、通常の屋根
材の上に架台を組んで所望枚数の太陽電池モジュールを
取り付ける場合は、屋根材を損傷せずに強固に固定しな
くてはならないので、手数がかかるばかりでなく、屋根
上に異物が載置されるので外観が損なわれる問題があっ
た。また、所望枚数の太陽電池モジュールを屋根と一体
に組み込む場合は、外観は優れているが、太陽電池モジ
ュールと屋根材との間に冷却用の通気層を設けながら、
防水、防火構造とするために、その施工や保守が複雑と
なり、高価になる問題があった。あるいは、防水板上に
太陽電池モジュールを取り付けた建材を敷設する場合
は、外観が損なわれる問題があった。
【0004】また、建築物の壁面に太陽光発電設備を取
り付ける場合には、透光性の太陽電池ユニットが使用さ
れる。該太陽電池ユニットは、2枚の透明ガラスの間、
または透明ガラスと透明フィルムとの間に太陽電池セル
を配置するものや、集積型基板のガラスに直接アモルフ
ァス太陽電池セルを形成するものなどが、使用される。
この透光性の太陽電池ユニットは、窓の採光と発電を兼
用でき、効果的であるが未だ高価であるため、一般的で
はない。
【0005】この発明は、建築物への取り付けに手数が
かからず優れた外観が得られる太陽電池付きパネルを提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池付きパ
ネルでは、パネル部材の表面に、通気用間隙を隔てて太
陽電池モジュールを取り付け、該太陽電池モジュールの
少なくとも最上縁と最下縁にはボーダーを配設し、下縁
のボーダーには該通気用間隙内の通気のための吸気およ
び排水装置を設け、上縁のボーダーには該通気用間隙内
の通気のための減圧室と排気口とを設け、該吸気および
排水装置と該通気用間隙と該減圧室と該排気口とが連通
するようにした。前記太陽電池モジュールの外周部のパ
ネル部材の表面には、該太陽電池モジュールの表面とタ
イルの表面とが、ほぼ同一水準面となるようにタイルを
貼り付ける。
【0007】前記太陽電池モジュールの表面と外周部の
パネル部材の表面とが、ほぼ同一水準面となるように、
通気用間隙を隔てて該太陽電池モジュールを埋設する。
【0008】複数の上下方向に連通する溝が並列して配
設されているパネル部材の表面に、前記太陽電池モジュ
ールを取り付ける。
【0009】平坦なパネル部材の表面にスペーサーを挟
んで、前記太陽電池モジュールを取り付ける。
【0010】前記パネル部材の内部に配線用管部を配設
する。
【0011】前記パネル部材に貫通する穴を設け、該穴
に換気扇を取り着ける。
【0012】
【発明の実施の形態】パネル部材の表面に、通気用間隙
を隔てて太陽電池モジュールを取り付け、該太陽電池モ
ジュールの少なくとも最上縁と最下縁にはボーダーを配
設し、下縁のボーダーには該通気用間隙内の通気のため
の吸気および排水装置を設け、上縁のボーダーには該通
気用間隙内の通気のための減圧室と排気口とを設け、該
吸気および排水装置と該通気用間隙と該減圧室と該排気
口とが連通するようにした。これにより、前記通気用間
隙に塵芥や、雨水が侵入せず、前記太陽電池モジュール
の裏面には円滑に通気されるため、前記太陽電池モジュ
ールは冷却され、温度上昇が少なく、発電効率が損なわ
れない。また、太陽電池モジュールを直接パネル部材に
取り付けるので、厚さも薄くできる。さらに、太陽電池
モジュールの外周を囲むフレームは必要がなく、比較的
安価に製造することができる。
【0013】さらに、前記太陽電池モジュールの外周部
のパネル部材の表面に、該太陽電池モジュールの表面と
タイルの表面とが、ほぼ同一水準面になるようにタイル
を貼り付けたり、または前記太陽電池モジュールの表面
と外周部のパネル部材の表面とがほぼ同一水準面となる
ように形成すれば、太陽電池モジュールがパネル部材の
表面と一体化されるので優れた外観がえられる。
【0014】また、複数の上下方向に連通する溝が並列
して配設されているパネル部材の表面に、太陽電池モジ
ュールを取り付けた太陽電池付きパネルや、平坦なパネ
ル部材の表面にスペーサーを挟んで、太陽電池モジュー
ルを取り付けた太陽電池付きパネルでは、それぞれの太
陽電池モジュールの表面は、パネル部材の表面よりも突
出する。しかし、前述の上縁と下縁のボーダーは不要
で、該太陽電池モジュールの裏面とパネル部材の表面と
の間隙が大きく、通気や通水が容易なため、緩い勾配で
使用することが可能なので、多様な用途に使用すること
ができる。
【0015】また、本発明の太陽電池付きパネルは工場
で製造されるので、建築現場では、通常のパネル部材と
同様に、特別の手数をかけずに建築物の躯体に取り付け
ることができるし、また、防水性や防火性にも優れてい
る。さらに、本発明の太陽電池付きパネルを建築物の外
壁として使用し、太陽電池モジュール部分を周囲の窓と
調和させれば違和感がなく、意匠性に優れた壁面を形成
することができる。そして、太陽電池付きパネルで発電
した電力は、蓄電池に充電しても良いし、換気扇やエア
コン等の電源として使用しても良い。さらに、本発明の
太陽電池付きパネルは外壁や、手摺壁、屋根、庇などに
使用することができて、太陽電池モジュールの表面が風
雨で洗浄されるので、汚染されることが少ない。なお、
パネル部材としては、ALCパネル、PCパネル、押し
出し成形パネルなどを適用することができる。
【0016】パネル部材の内部に予め配線用管部を埋設
しておけば、複数の太陽電池モジュールを取り付けた
後、該太陽電池モジュールの出力コードを前記配線用管
部を通して、パネル部材の裏面の所望箇所から出力コー
ドの末端を引き出すことができるので便利であり、外観
もよい。
【0017】また、パネル部材に貫通する穴を予め設け
ておき、該パネル部材に太陽電池モジュールを取り付け
る時に、前記穴に換気扇を取り着け配線も接続しておく
と、建築物の天井裏外壁などのような作業性の悪い箇所
にパネル部材を取り付ける際には、換気扇の取り付け作
業が容易になる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面によって説明
する。
【0019】図1は、本発明の太陽電池付きALCパネ
ルの第1実施例の正面図であり、図2〜4はそれぞれ図
1のA−A’、B−B’、C−C’矢視図である。この
太陽電池付きALCパネル1は幅2,395mm、高さ
3,500mm、厚さ125mmのALCパネル2の表
面中央部近辺に、幅1,195mm、高さ535mm、
厚さ4mmの太陽電池モジュール3を4枚取り付け、該
ALCパネル2の前面で該太陽電池モジュール3の上下
にタイル6を貼り付けた例である。
【0020】太陽電池モジュール3は、透明ガラスと、
その裏面に配置した複数の太陽電池セルと、該透明ガラ
スの全面を覆う複合フィルムと、該透明ガラスと該複合
フィルムとの間を充填する充填材と、電気出力用端子ボ
ックスとからなる。前記太陽電池モジュール3は、横方
向に2枚、縦方向に2段に取り付けられており、図2に
示すように、各太陽電池モジュール3は、ALCパネル
2に埋設されたアンカーボルト7に、円頭状の化粧ナッ
ト9でねじ止めされているが、ねじ止め部分に挿入され
たゴム製で鍔状のスペーサー8がクッション材となって
いる。また、ALCパネル2の表面と太陽電池モジュー
ル3の裏面との間に通気用間隙部10を形成している。
また、上段の2枚の太陽電池モジュール3に跨る上縁の
全長にわたって上縁のボーダー4が、ALCパネル2の
表面に複数のスクリューねじ4eでねじ止めされてお
り、下段の2枚の太陽電池モジュール3の下縁の全長に
わたって下縁のボーダー5が、ALCパネル2の表面に
複数のスクリューねじ5eでねじ止めされている。
【0021】前記上縁のボーダー4はステンレス製で、
図3に示すように、断面J字状の部材4aと、断面G字
状の部材4bの各端部が噛み合って一体になっており、
逆U字状の減圧室41が形成されている。また、部材4
aと部材4bの底面にはそれぞれ複数の排気口4cと4
dが並列して穿孔されている。また、太陽電池モジュー
ル3の上縁と、上縁のボーダー4の接合部には全長にわ
たって、断面コ字状のゴム製で、高さが太陽電池モジュ
ール3の厚さにほぼ等しい目地部材12が嵌め込まれ、
その外面にはシーリング材11が充填されている。
【0022】また、前記下縁のボーダー5もステンレス
製で、部材5aと部材5bの各端部が噛み合って一体に
なっており、部材5aの外方低面と、部材5bの上端部
とにはそれぞれ複数の吸気口5cと5dが並列して穿孔
されている。また、太陽電池モジュール3の下縁と、下
縁のボーダー5の接合部には全長にわたって前記目地部
材12が嵌め込まれ、その外面にはシーリング材11が
充填されている。
【0023】なお、太陽電池モジュール3の裏面とAL
Cパネル2の表面との間には所望間隔でゴム製のスペー
サー8aが挿入されていて、太陽電池モジュール3を固
定すると同時に通気用間隙部10を確保している。
【0024】また、上下段の太陽電池モジュール3の間
の目地部には、図3に示すようにその全長にわたって、
前記目地部材12が嵌め込まれ、その外面にはシーリン
グ材11が充填されている。左右の太陽電池モジュール
3の間の目地部にも、前記目地部材12が嵌め込まれ、
その外面にはシーリング材11が充填されている。該目
地部材12の裏側には、通気用間隙部10が確保されて
いる。従って、4枚の太陽電池モジュール3の表面は密
閉され、裏面は前記上縁のボーダー4と、前記下縁のボ
ーダー5との間に通気用間隙部10が連通した構造とな
っているので、部材5aの吸気口5cから吸入された空
気は、部材5bの吸気口5dを通り、前記通気用間隙部
10を通り、部材4aの排気口4cを通り、部材4bの
排気口4dを経る経路で排出され、太陽電池モジュール
3の裏面を冷却するようになっている。
【0025】一方、前記減圧室41が形成されているの
で、雨水が排気口4dから通気用間隙部10に浸入する
ことはない。仮に、排気口4dから侵入した雨水が減圧
室41を経て、排気口4cから通気用間隙部10に侵入
しても、吸気口5dを経て、吸気口5cから排水される
ので、該雨水は通気用間隙部10に滞留することはな
い。また、前記排気口4dや前記吸気口5cは、直径1
mm程度の小さな孔が並列しているので、塵芥が侵入す
ることもない。また、各太陽電池モジュール3の出力コ
ードは、裏面の端子ボックス16でまとめて接続され、
陽極と陰極の2本の出力コード17がALCパネル2を
貫通して、その裏面に引き出されている。
【0026】このような太陽電池付きALCパネル1を
製作するには、まずALCパネル2の表面所望部分にタ
イル6を貼り付けておく。次に太陽電池モジュール3の
上下縁相当部に、上縁のボーダー4の部材4aと、下縁
のボーダー5の部材5aとを、複数のスクリューねじ4
eと5eとで、ALCパネル2の表面にねじ止めしてか
ら、部材4bを部材4aに、部材5bを部材5aに嵌め
込む。また、各太陽電池モジュール3の目地相当個所
に、アンカーボルト7を打ち込んでから、スペーサー8
と8aを介して、太陽電池モジュール3を化粧ナット9
でねじ止めしていく。その後、前記太陽電池モジュール
3と上縁のボーダー4と下縁のボーダー5との、各接合
部と各目地部に、目地部材12を嵌め込んでからシーリ
ング材11を充填する。
【0027】その際、各太陽電池モジュール3の出力コ
ードは、まとめて最後に取り付ける太陽電池モジュール
3の端子ボックス16に接続し、2本の出力コード17
はALCパネル2の貫通孔から裏面に引き出せば、太陽
電池付きALCパネル1が完成する。このようにして製
造された太陽電池付きALCパネル1は、建築現場で通
常のパネルと同様な工法で、躯体に取り付けて、外壁、
手摺壁、屋根などを構成し、複数の太陽電池付きALC
パネル1の出力コード17を所用の機器に接続すれば良
い。なお、この太陽電池付きALCパネル1と、ALC
パネル2にタイル6を貼り付けた通常のALCパネル3
0とを、隣接して取付けて外壁を構成する場合には、両
者の目地部は、図4のようにバックアップ材11aを介
してシーリング材11を充填するだけでよく、同一水準
面の外観の良い壁面が得られる。
【0028】図5は、本発明の太陽電池付きALCパネ
ルの第2実施例の正面図であり、図6、7はそれぞれ図
5のA−A’、B−B’矢視図である。太陽電池付きA
LCパネル20は、幅605mm、長さ2,500m
m、厚さ100mmで、表面に溝加工してあるALCパ
ネル21の表面中央部近辺に、幅535mm、長さ1,
195mm、厚さ4mmの太陽電池モジュール3を1枚
取り付け、該太陽電池モジュール3の表面が外周部のA
LCパネル21の表面とほぼ同一面になるように埋設し
た例である。このALCパネル21の表面の、太陽電池
モジュール3を取り付けた部分以外は、100mm間隔
で深さ8mmの溝が切削されており、この溝の側面は表
面に向かった傾斜面が形成され、溝に囲まれた部分の角
が面取りされた状態になっている。
【0029】また、ALCパネル21に太陽電池モジュ
ール3を取り付ける部分は、全面にわたって深さ8mm
切削されており、一方太陽電池モジュール3は、長手方
向両縁の全長にわたって支持部材25が嵌合されてい
る。そして、該太陽電池モジュール3の中心線の裏側と
ALCパネル21の表面との間と、該太陽電池モジュー
ル3の支持部材25を嵌合した裏側とALCパネル21
の表面との間とに、幅60mm、厚さ5mmのゴム製条
材のスペーサー26が挟まれており、通気用間隙部10
を形成している。また、前記支持部材25の垂下部が、
ALCパネル21の長辺小口面にスクリューねじ27で
ねじ止めされており、太陽電池モジュール3の上下縁部
には、第1実施例と同様な上縁のボーダー4と下縁のボ
ーダー5とが配設されている。
【0030】前記上縁のボーダー4と太陽電池モジュー
ル3の上縁との接合部と、前記下縁のボーダー5と太陽
電池モジュール3の下縁との接合部とには、シーリング
材11が充填されている。また、上縁のボーダー4とA
LCパネル21との接合部と、下縁のボーダー5とAL
Cパネル21との接合部とにも、同様にシーリング材1
1が充填されている。従って、太陽電池モジュール3の
表面は、密閉された状態で、外周部のALCパネル21
の表面とほぼ同じ水準となっており、裏面は前記上縁の
ボーダー4と前記下縁のボーダー5との間に、通気用間
隙10が連通した構造となっている。下縁のボーダーの
吸気口から吸入された空気は、前記通気用間隙部10を
通り、上縁のボーダーの排気口を経る経路で排出され、
太陽電池モジュール3の裏面を冷却するようになってい
る。
【0031】また、太陽電池モジュール3の出力コード
は、裏面の端子ボックス16でまとめて接続され、陽極
と陰極の2本の出力コード17がALCパネル21を貫
通して、その裏面に引き出されている。なお、この太陽
電池付きALCパネル20の外形は通常のALCパネル
と同一なので、同じパターンで表面を切削加工したAL
Cパネルと組み合わせ、通常の取付け構造の外壁を構成
することができる。また、ALCパネルの表面は必ずし
も切削加工せず、太陽電池モジュール3の埋設部だけ切
削してもよい。
【0032】図8は、本発明の太陽電池付きALCパネ
ルの第3実施例の正面図であり、図9、10はそれぞれ
図8のA−A’、B−B’の矢視図である。太陽電池付
きALCパネル23は、幅1,810mm、長さ605
mm、厚さ100mmで、複数の溝が並列して切削加工
されているALCパネル22の表面中央部近辺に、幅
1,195mm、長さ535mm、厚さ4mmの太陽電
池モジュール3を1枚取り付けた例である。該ALCパ
ネル22の表面には、幅方向に100mm間隔で、深さ
8mm、幅50mmで上方に開いた傾斜面を有する溝
が、全幅にわたって並列して切削加工されている。一方
太陽電池モジュール3には、その全周に縁部を挟持した
フレーム28が固着されており、フレーム28の長辺側
には、下方に垂下した複数の突起が配設されている。
【0033】そして前記ALCパネル22の表面に太陽
電池モジュール3が載置された状態で、前記フレーム2
8の突起が、ALCパネル22の長辺小口面にスクリュ
ーねじ27で固着されているが、この突起はALCパネ
ル22の溝を避けた位置に配置されていて、溝の通気を
疎外しないようになっている。また、フレーム28の短
辺側もALCパネル22の表面にボルト等で固着しても
よく、いずれにしてもALCパネル22との接合部はシ
ーリング材11で被覆されている。さらに、太陽電池モ
ジュール3の出力は、裏面の端子ボックス16でまとめ
て接続され、陽極と陰極の2本の出力コード17が、A
LCパネル22を貫通して裏面に引き出されている。
【0034】なお,このALCパネル22は短辺方向に
溝が並列しているが、長手方向に並列させてもよい。こ
れらの溝が太陽電池付きALCパネル23の敷設時に、
上下方向に連通していて、太陽電池モジュール3の裏面
とALCパネル23の表面との間に十分な断面積の通気
用間隙部を有するので、緩い傾斜でも通気、通水が可能
である。また、表面に溝が切削されていないALCパネ
ルの場合には、図示していないがゴム状などのスペーサ
ーを挟んで、太陽電池モジュール3の裏面とALCパネ
ルの表面との間に通気用間隙部を設けてもよい。これら
の太陽電池付きパネルの外形は通常のALCパネルと同
一なので、通常のALCパネルと同様にして、外壁、手
摺壁、屋根などを構成することができるが、太陽電池付
きパネルとALCパネルとが上下方向に連接している場
合には、それぞれの溝や通気用間隙部が連通するように
取り付ける。また、本発明に使用するALCパネルや太
陽電池モジュールおよび通気用間隙部の、寸法や形状な
どは、必要に応じて適宜選択すればよいことは勿論であ
る。
【0035】図11は、本発明の第4実施例の正面図で
あり、図12は図11のD−D’矢視図である。この太
陽電池付きパネル31の寸法や、太陽電池モジュール3
の取り付け方法は、第1実施例と同様である。
【0036】そしてこのALCパネル2の上部中央に
は、一辺の長さ300mmの正方形の穴32が設けられ
ており、該穴32の側面と前記太陽電池モジュール3の
裏面の端子ボックス16とに両端部が開口するメッキ鉄
管34が埋設されている。
【0037】また、前記穴32内には換気扇33が取り
付けられており、屋外側にはフード33aが取り付けら
れている。そして、太陽電池モジュール3の出力コード
は、前記端子ボックス16からメッキ鉄管34内を通過
して、換気扇33用のスイッチ(図示せず)に接続され
ている。
【0038】このように、ALCパネル2に、穴32や
配線用のメッキ鉄管34を設けるには、ALCパネル製
造時の原料スラリーを注入する前に、図示していない
が、型枠内に穴用木枠と、端子ボックス用木枠と、およ
びこの両者の間を接続するメッキ鉄管34とを、補強用
鉄筋篭2aに固定しておく。そして、原料スラリーを注
入し、所望時間経過後、半可塑性体を型枠から取り出す
際に前記の2つの木枠を外す。その後は通常の工程で、
ALCパネル2を製造すればよいが、前記メッキ鉄管3
4の代わりに、丸棒状の発泡スチロールなどのようにオ
ートクレーブで溶融するものをセットしておけば、配線
用管部34が形成される。
【0039】このようにして製造したALCパネル2に
は、前述の実施例と同様に太陽電池モジュール3を取り
着けるが、その際、出力コードは端子ボックス16か
ら、前記配線用管部34を通して穴32に引き出してお
く。そして、タイル6を貼り着けてから、換気扇33
や、外部フード33aを取り付けて、必要な電気回路を
形成するように結線すればよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明の太陽
電池付きパネルでは、太陽電池モジュールが通気用間隙
を隔ててパネル部材に少なくとも1枚取り付けられ、該
太陽電池モジュールの少なくとも最上縁と最下縁にはボ
ーダーが配設され、下縁のボーダーには該通気用間隙内
の通気のための吸気および排水装置が設けられ、上縁の
ボーダーには該通気用間隙内の通気のための減圧室と排
気口とが設けられ、該吸気および排水装置と該通気用間
隙と該減圧室と該排気口とが連通するようにしたので、
前記通気用間隙に塵芥や、雨水が浸入せず、前記太陽電
池モジュールの裏面には円滑に通気されるため、前記太
陽電池モジュールは冷却され、温度上昇が少なく、発電
効率が損なわれない。
【0041】また、太陽電池モジュールを直接パネル部
材の表面に取り付けるので、厚さも薄くできる。さら
に、太陽電池モジュールの外周を囲むフレームは必要が
なく、比較的安価に製造することができる。
【0042】さらに、太陽電池モジュールの外周部のパ
ネル部材の表面に、該太陽電池モジュールの表面とタイ
ルの表面とが、ほぼ同一水準面になるようにタイルを貼
り付けたり、または太陽電池モジュールの表面と外周部
のパネル部材の表面とがほぼ同一水準面となるように形
成すれば、太陽電池モジュールがパネル面と一体化され
るので優れた外観が得られる。
【0043】また、複数の上下方向に連通する溝が並列
して配設されているパネル部材の表面に、太陽電池モジ
ュールを取り付けた太陽電池付きパネルや、平坦なパネ
ル部材の表面にスペーサーを挟んで、太陽電池モジュー
ルを取り付けた太陽電池付きパネルでは、それぞれの太
陽電池モジュールの表面は、パネル部材の表面よりも突
出する。しかし、前述の上縁のボーダーと下縁のボーダ
ーは不要で、太陽電池モジュールの裏面とパネル部材の
表面との間隙が大きく、通気や通水が容易なため、緩い
勾配で使用することが可能なので、多様な用途に使用す
ることができる。
【0044】また、本発明の太陽電池付きパネルは工場
で製造されるので、建築現場では、通常のパネル部材と
同様に、特別の手数をかけずに建築物の躯体に取り付け
ることができるし、また、防水性や防火性にも優れてい
る。さらに、本発明の太陽電池付きパネルを建築物の外
壁として使用し、太陽電池モジュール部分を周囲の窓と
調和させれば違和感がなく、意匠性に優れた壁面を形成
することができる。そして、太陽電池付きパネルで発電
した電力は、蓄電池に充電しても良いし、換気扇やエア
コン等の電源として使用しても良い。さらに、本発明の
太陽電池付きパネルは外壁や、手摺壁、屋根、庇などに
使用することができて、垂直面や急勾配で使用すれば、
太陽電池モジュールの表面が風雨で洗浄されるので、汚
染されることが少ないなど、実用上極めて顕著な効果が
得られる。
【0045】さらに、パネル部材の内部に予め配線用管
部を埋設しておけば、複数の太陽電池モジュールを取り
付けた後、該太陽電池モジュールの出力コードを前記配
線用管部を通して、パネル部材の裏面の所望箇所から出
力コードの末端を引き出すことができるので便利であ
り、外観もよい。
【0046】また、パネル部材に貫通する穴を予め設け
ておき、該パネル部材に太陽電池モジュールを取り付け
る時に、前記穴に換気扇を取着し配線も接続しておく
と、建築物の天井裏外壁などのような作業性の悪い箇所
にパネル部材を取り付ける際には、換気扇の取り付け作
業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の太陽電池付きALCパネルの第1実
施例の正面図である。
【図2】 図1のA−A’矢視図である。
【図3】 図1のB−B’矢視図である。
【図4】 図1のC−C’矢視図である。
【図5】 本発明の太陽電池付きALCパネルの第2実
施例の正面図である。
【図6】 図5のA−A’矢視図である。
【図7】 図5のB−B’矢視図である。
【図8】 本発明の太陽電池付きALCパネルの第3実
施例の正面図である。
【図9】 図8のA−A’矢視図である。
【図10】 図8のB−B’矢視図である。
【図11】 本発明の太陽電池付きALCパネルの第4
実施例の正面図である。
【図12】 図11のD−D’矢視図である。
【符号の説明】
1、20、23 太陽電池付きALCパネル 2、21、22、30 ALCパネル 3 太陽電池モジュール 4 上縁のボーダー 5 下縁のボーダー 6 タイル 7 アンカーボルト 8、26 スペーサー 9 化粧ナット 10 通気用間隙部 11 シーリング材 12 目地部材 16 端子ボックス 17 出力コード 25 支持部材 27 スクリューねじ 28 フレーム 31 太陽電池付きALCパネル 32 穴 33 換気扇 34 配線用管部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル部材と、該パネル部材の表面に取
    り付けられた太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュ
    ールの少なくとも最上縁と最下縁に取り付けられたボー
    ダーと、下縁のボーダーに設けられた通気用間隙内の通
    気のための吸気および排水装置と、上縁のボーダーに設
    けられた通気用間隙内の通気のための減圧室と排気口と
    が設けられ、該吸気および排水装置と該通気用間隙と該
    減圧室と該排気口とが連通していることを特徴とする太
    陽電池付きパネル。
  2. 【請求項2】 前記太陽電池モジュールの外周部のパネ
    ル部材の表面にはタイルが貼り付けられ、該太陽電池モ
    ジュールの表面と該タイルの表面とがほぼ同一水準面を
    形成していることを特徴とする請求項1記載の太陽電池
    付きパネル。
  3. 【請求項3】 前記太陽電池モジュールの表面と外周部
    のパネル部材の表面がほぼ同一水準面を形成しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の太陽電池付きパネル。
  4. 【請求項4】 複数の上下方向に連通する溝が配設され
    ているパネル部材の表面に、前記太陽電池モジュールが
    取り付けられていることを特徴とする太陽電池付きパネ
    ル。
  5. 【請求項5】 平坦なパネル部材の表面にスペーサーを
    挟んで、前記太陽電池モジュールが取り付けられている
    ことを特徴とする太陽電池付きパネル。
  6. 【請求項6】 前記パネル部材の内部に配線用管部が配
    設されていることを特徴とする請求項1から5のいずれ
    かに記載の太陽電池付きパネル。
  7. 【請求項7】 前記パネル部材に貫通する穴を設け、該
    穴に換気扇が取り付けられることを特徴とする請求項1
    から6のいずれかに記載の太陽電池付きパネル。
JP29672397A 1996-11-15 1997-10-29 太陽電池付きパネル Pending JPH10196043A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010159937A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Misawa Homes Co Ltd 集熱装置の取付構造
WO2021161657A1 (ja) * 2020-02-12 2021-08-19 京セラ株式会社 太陽電池モジュールの設置方法および建造物

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