JPH10194882A - 粒状肥料組成物、液体肥料組成物、ペースト状肥料組成物およびこれらの製造法 - Google Patents

粒状肥料組成物、液体肥料組成物、ペースト状肥料組成物およびこれらの製造法

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JPH10194882A
JPH10194882A JP8349945A JP34994596A JPH10194882A JP H10194882 A JPH10194882 A JP H10194882A JP 8349945 A JP8349945 A JP 8349945A JP 34994596 A JP34994596 A JP 34994596A JP H10194882 A JPH10194882 A JP H10194882A
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granular
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Akira Oishi
侃 大石
Tsuneo Kikuchi
常夫 菊池
Yoshimoto Komatsu
好元 小松
Hiroshi Kimura
博 木村
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Co Op Chemical Co Ltd
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05BPHOSPHATIC FERTILISERS
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    • C05B13/06Alkali and alkaline earth meta- or polyphosphate fertilisers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05DINORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C; FERTILISERS PRODUCING CARBON DIOXIDE
    • C05D9/00Other inorganic fertilisers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポリ燐酸塩を合有する肥料組成物より
も肥効面でより効果が期待されるポリ燐酸塩を含有する
粒状肥料組成物、液体肥料組成物、およびペースト状肥
料組成物を提供すること、およびこれらの肥料組成物を
容易且つ経済的に製造する方法を開発すること。 【解決手段】 膨張バーミキュライトに燐酸塩類及び縮
合剤を含む肥料成分を混合した後、90〜200℃に加
熱処理して得られる粒状肥料組成物、この肥料組成物中
の水溶性肥料成分を水に溶解させた水溶液からなる液体
肥料組成物および前記粒状肥料組成物を水に分散・懸濁
させてペースト状にしたペースト状肥料組成物により課
題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】木発明は、粒状肥料組成物、
液体肥料組成物、ペースト状肥料組成物およびこれらの
製造法に関するものであり、さらに詳しくは、膨張バー
ミキュライトにポリ燐酸塩を含む肥料成分が含浸および
/または付着している粒状の肥料組成物、この粒状の肥
料組成物に含まれる水溶性肥料成分が水に溶解している
液体肥料組成物、この粒状の肥料組成物が水に分散・懸
濁しているペースト状(サスペンジョン)肥料組成物、
およびこれらの肥料組成物の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在市販されている燐酸肥料は、主とし
てオルト燐酸塩の形態であるが、これを施肥した場合、
土壌中の鉄、アルミニウムなどと結合し不溶化するた
め、燐酸の利用率を低下させる。これに対してポリ燐酸
塩合有肥料はポリ燐酸塩が金属を遮蔽するため、燐酸の
不溶化を防止し燐酸の使用率向上が期待できる。
【0003】このようなポリ燐酸塩を含有する燐酸肥料
を製造する方法として、パイプリアクターを使い、湿式
法燐酸とアンモニアを直接反応させ、低縮合度のポリ燐
酸アンモニウムを製造する方法が開示されており、既に
工業的規模で生産されているが、ピロ燐酸アンモニウム
が主体の低縮合度のものであり、ポリ化率も高々30%
程度の燐酸肥料である。
【0004】また、ポリ燐酸アンモニウムの製法とし
て、乾式法により製造された縮合リン酸(スーパーリン
酸)を加圧下にアンモニア化し、冷却、固化する粒状縮
合燐酸アンモニウムの製造方法があるが、工程が複雑な
のと操業が難しいなどの欠点がある。
【0005】別のポリ燐酸アンモニウムの製法として、
燐酸1アンモニウムなどの燐酸塩と尿素などの縮合剤と
を混合し、アンモニア雰囲気中、加熱縮合させて得る製
造方法が開示されているが、この方法では固体の原料混
合物が加熱によりメルト状になってから固化するので反
応容器の器壁や攪拌翼に付着し、連続運転が難しくなり
肥料の製造法としては経済的でない。
【0006】その解決方法として、ドラム型やベルト式
の反応器なども提案されているが、熱伝導の面から層厚
を薄くしなければならず、同様に経済的でない。更に、
固化した原料の1部を戻し、ロータリーキルンなどで焼
成する方法もあるが、多量の戻りを循環させるため、同
様に経済的でない。また、これらの方法で縮合剤として
最も経済的な尿素を使用する場合、ビウレットの発生す
ることを抑止することは難しく、肥料の製造方法として
は適当ではない。また、これらの方法で縮合度の高いポ
リ燐酸アンモニウムを得るためには、90〜200℃で
加熱溶融した場合少なくとも30分以上の反応時間を必
要とする。
【0007】液体肥料は尿素、燐酸、燐酸アンモニウ
ム、塩化カリウムなどの原料を水溶液にして造られてい
るが、燐酸の形態としてはオルト態であり、ポリ燐酸塩
を含有する液体肥料を製造するためには、スーパー燐酸
をアンモニア化するかピロ燐酸カリウムなどの高価なポ
リ燐酸塩を使用する方法が採られている。しかし、この
方法で得られる液体肥料は高コストとなり、安価な肥料
の開発が求められている昨今、今後の液体肥料としては
不適当と判断される。
【0008】ペースト肥料は尿素、燐酸アンモニウム、
塩化カリウムなどの原料を微粉化、水を添加し、更に必
要に応じて粘土鉱物類、ガム類、PVA(ポリビニルア
ルコール)などの増粘剤を加えて製造されている。これ
は燐酸分がオルト態なので結晶が成長し易く、固形分が
沈殿するので好ましくなく、それを防止するために必要
量のポリ燐酸塩を添加するとコスト高になる。それらの
増粘剤の使用は経済的でなく、また、沈殿を防止するた
めに、肥料原料を少なくとも100メッシュ(149μ
m)以下に粉砕しなければならないので高価な粉砕機が
必要であるという欠点があった。また、膨張バーミキュ
ライトに肥料成分が水溶液として吸着保持されている吸
着複合肥料が報告されている(特公昭61−8039号
公報)。しかし、本発明のベースとなる膨張バーミキュ
ライトとポリ燐酸塩を組み合わせた肥料組成物およびそ
の製造法については従来報告されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
報告されているポリ燐酸塩を合有する肥料組成物よりも
肥効面でより効果が期待されるポリ燐酸塩を含有する粒
状の肥料組成物、この粒状の肥料組成物に含まれる水溶
性肥料成分を水に溶解させた水溶液からなる液体肥料組
成物、および前記粒状の肥料組成物を水に分散・懸濁さ
せてペースト状にしたペースト状(サスペンジョン)肥
料組成物を提供すること、および従来報告されているよ
りも容易且つ経済的に前記粒状の肥料組成物、液体肥料
組成物、およびペースト状肥料組成物を製造する方法を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために燐酸塩含有物質および縮合剤(な
お、本発明で縮合剤とは、加熱により溶融し、ポリ燐酸
塩の生成を促進する物質をいう)を用いて、種々の縮合
度のポリ燐酸塩をベースとした肥料組成物およびその製
造方法について研究した結果、膨張バーミキュライトを
担体として、燐酸1アンモニウム(融点約190℃)な
どの燐酸塩類含有物質と尿素(融点約132℃)などの
縮合剤よりなる混合物に、場合によりその他肥料成分
(例えば、KClの場合、その融点は約776℃)を混
合して90〜200℃に加熱して反応させることで、従
来は膨張バーミキュライトに浸み込ますためには水溶液
にして使用した燐酸1アンモニウムやKClや尿素など
が、膨張バーミキュライトの存在下で燐酸1アンモニウ
ムやKClなどと尿素を混合して加熱すると約130℃
程度の温度で肥料成分全体がほぼメルト状になり、膨張
バーミキュライトに生成したポリ燐酸塩を含む肥料成分
が含浸および/または付着した粒状の肥料組成物が容易
且つ短時間で製造できることを見い出すと共に、生成し
たこの粒状の肥料組成物より、容易に液体肥料組成物や
ペースト状肥料組成物などを製造できることも見い出し
本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明の請求項1の発明は、膨張バ
ーミキュライトにポリ燐酸塩を含む肥料成分が含浸およ
び/または付着していることを特徴とする粒状肥料組成
物である。
【0012】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
の粒状肥料組成物において、膨張バーミキュライトに燐
酸塩類および縮合剤を含む肥料成分を混合した後、90
〜200℃に加熱処理して得られることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項3の発明は、請求項1記載
の粒状肥料組成物において、膨張バーミキュライトに燐
酸塩類、縮合剤およびその他の肥料成分を混合した後、
90〜200℃に加熱処理して得られることを特徴とす
る。
【0014】本発明の請求項4の発明は、請求項2また
は請求項3記載の粒状肥料組成物において、燐酸塩類が
燐酸1アンモニウムおよび/または燐酸2アンモニウム
であり、縮合剤が尿素であることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項5の発明は、請求項lない
し請求項4記載の粒状肥料組成物から選ばれる少なくと
も1つの粒状肥料組成物中に含まれる水溶性肥料成分を
含有する水溶液よりなることを特徴とする液体肥料組成
物である。
【0016】本発明の請求項6の発明は、請求項1ない
し請求項4記載の粒状肥料組成物から選ばれる少なくと
も1つの粒状肥料組成物が水に分散・懸濁していること
を特徴とするペースト状肥料組成物である。
【0017】本発明の請求項7の発明は、膨張バーミキ
ュライトに燐酸塩類および縮合剤を含む肥料成分を混合
した後、この混合物を転動あるいは攪拌しながら90〜
200℃に加熱し、縮合剤を溶融させて燐酸塩類を含む
肥料成分を抱き込ませて膨張バーミキュライトに含浸お
よび/または付着させながら燐酸塩類のポリ化を進行さ
せることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の粒
状肥料組成物の製造方法である。
【0018】本発明の請求項8の発明は、膨張バーミキ
ュライトに燐酸塩類、縮合剤およびその他の肥料成分を
混合した後、この混合物を転動あるいは攪拌しながら9
0〜200℃に加熱し、縮合剤を溶融させて燐酸塩類を
含む肥料成分を抱き込ませて膨張バーミキュライトに含
浸および/または付着させながら燐酸塩類のポリ化を進
行させることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載
の粒状肥料組成物の製造方法である。
【0019】本発明の請求項9の発明は、請求項1ない
し請求項4記載の粒状肥料組成物から選ばれる少なくと
も1つの粒状肥料組成物中の水溶性成分を、水または肥
料成分の溶解している水溶液で溶出あるいは抽出し、不
溶分を分離することを特徴とする請求項5記載の液体肥
料組成物の製造方法である。
【0020】本発明の請求項10の発明は、請求項1な
いし請求項4記載の粒状肥料組成物から選ばれる少なく
とも1つの粒状肥料組成物に水を加えてから高速攪拌機
あるいは湿式粉砕機などの手段で前記粒状肥料組成物を
粉砕あるいは崩壊させるか、または前記粒状肥料組成物
を乾式粉砕して粒径0.5mm以下の微粉状にしてから
水を加え、かき混ぜることを特徴とする請求項6記載の
ペースト状肥料組成物の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、前記したように、膨張
バーミキュライトを担体として、燐酸1アンモニウムな
どの燐酸塩類含有物質と尿素などの縮合剤よりなる混合
物に、場合によりその他肥料成分を混合して90〜20
0℃に加熱して得られる、膨張バーミキュライトにポリ
燐酸塩を含む肥料成分が含浸および/または付着した粒
状肥料組成物、その粒状肥料組成物より得られる液体肥
料組成物またはペースト状肥料組成物、およびこれらの
製造法に関するものである。
【0022】本発明で用いられる膨張バーミキュライト
とは、天然に産出されるバーミキュライトに加熱処理を
施して膨張させたものであり、自重の約6〜8倍の抱水
能力を有し、見掛け比重が小さいことを特徴としてい
る。本発明で用いられる膨張バーミキュライトは、製造
面および得られる製品の品質などから判断し、粒径0.
5〜4mm、見掛け比重0.05〜0.25のものが好
ましい。また、本発明で用いられるバーミキュライトの
産地は特に限定されないが、具体的には例えば、パラボ
ラ産(南アフリカ)は好ましく使用できる。本発明で用
いられる膨張バーミキュライト自体は、土壌改良材とし
て、肥料取締法に認められているもので、この点から
も、使用上の問題はないものである。
【0023】本発明でいうポリ燐酸塩とは、ピロ燐酸
塩、トリ燐酸塩などの短鎖状のもの、トリメタ燐酸塩、
テトラメタ燐酸塩などのメタ燐酸塩、それに長鎖状のも
のも含む広義の縮合燐酸塩の概念であり、加熱により生
成するオルト燐酸塩以外の燐酸塩を包含する。本発明で
用いられるポリ燐酸塩のポリ化率は特に限定されない
が、約30%以上、好ましくは40%以上である。な
お、本発明でいうポリ燐酸塩のポリ化率(%)とは、全
燐酸分からオルト態燐酸分を差し引いた分をポリ態燐酸
分とし、このポリ態燐酸分を全燐酸分で除した値に10
0を掛けた値[(ポリ態P25 /全P25 )×10
0(%)]である。
【0024】本発明で用いられる燐酸塩類とは実際上
は、PO4 イオンとN元素を合有する化合物および燐酸
アルカリ塩類であり、好ましくはPO4 イオンとN元素
を合有する化合物であり、具体的には、例えば、燐酸1
アンモニウム、燐酸2アンモニウム、燐酸尿素などの1
種あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。
【0025】本発明で用いられる縮合剤とは前記したよ
うに、加熱により溶融し、ポリ燐酸塩の生成を促進する
物質であり、尿素およびその誘導体が好ましく使用で
き、具体的には、例えば、尿素、グアニル尿素、メチル
尿素、アミノ尿素、ジウレアなどの1種あるいは2種以
上の混合物を挙げることができる。
【0026】本発明で用いられるその他の肥料成分と
は、前記の燐酸塩類、縮合剤以外の肥料成分をいい、具
体的には、例えば、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、塩化カリウム、硫酸カリウム、酸化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、微量要素含有物質(硼酸ナトリウ
ム、亜鉛塩、マンガン塩、銅塩、鉄塩など)などの1種
あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。
【0027】なお、これら膨張バーミキュライト以外の
肥料成分の粒径は1mm以下が好ましい。
【0028】本発明の膨張バーミキュライトにポリ燐酸
塩を含む肥料成分が合浸および/または付着している粒
状肥料組成物を製造する方法の例を次に述べるが、本発
明はこれらの例に限定されるものではない。
【0029】燐酸塩類(燐酸1アンモニウム他)と縮合
剤(尿素他)を燐酸塩類:縮合剤(モル比)=0.2〜
2.5:1、好ましくは0.3〜1.3:1になるよう
にとり、これにその他の肥料成分(硫酸アンモニウム、
塩化カリウム、酸化マグネシウムなど)を必要量加え、
更に膨張バーミキュライト(A)を燐酸塩類、縮合剤お
よびその他の肥料成分の含量(B)に対し、A:B=5
〜50:95〜50(重量比)になるように加えて、全
体をよく混合する。
【0030】この混合物を、加熱可能で粉体を転動ある
いは攪拌することのできる反応容器(例えば、円筒竪型
攪拌翼付き加熱反応器、回転ドラムタイプの加熱反応
器、パドルミキサータイプの加熱反応器など)にとり、
粉体を転動あるいは攪拌しながら、90〜200℃、好
ましくは約110〜170℃程度迄加熱する。その加熱
温度で一定時間(通常は0〜30分間)保持する。その
後、加熱反応物を反応容器から取り出し、放冷すること
により、本発明の膨張バーミキュライトにポリ燐酸塩を
含む肥料成分が含浸および/または付着している粒状肥
料組成物が得られる。
【0031】原料燐酸塩のポリ化率[(ポリ燐酸分/全
燐酸分)×100]は混合原料の種類と混合比および加
熱温度、加熱時間などにより異なるが、通常は約40〜
75%であり、このようにポリ化率の高いものが極めて
短時間で得られる点に本発明の1つの特徴がある。ポリ
化率の高いものが極めて短時間で得られる原因は縮合剤
が加熱により溶融し、それが燐酸塩類やその他の肥料成
分を抱き込んで膨張バーミキュライトに含浸および/ま
たは付着しながら燐酸のポリ化が進行する点にあると判
断される。そこで、脱水能力とポーラスな表面を有する
膨張バーミキュライトは担体として作用する上、燐酸の
ポリ化を促進する触媒的作用をするものと判断される。
【0032】なお、生成した粒状肥料組成物の表面には
原料肥料粉または粒そのままの形状が殆ど認められない
点から、尿素がメルトする際、混合している他の肥料原
料も溶かし込んで本発明の粒状肥料組成物の粒が作られ
た可能性が大きいと考えられる。
【0033】また、製造条件をコントロールすることに
より、ポリ化の程度(重合度)をコントロールすること
が可能であり、水には不溶性であるがク溶性のポリ燐酸
塩(2%クエン酸水溶液に溶解するポリ燐酸塩)を含む
もの、およびその含量の極めて多いものなども得ること
ができる。それ故、本発明の粒状肥料組成物には、製造
条件をコントロールすることにより溶出速度の異なるポ
リ燐酸塩を含有させることができる特徴を有している。
【0034】また、本発明の製造法のもう1つの特徴
は、特に水を加えなくとも製造中に膨張バーミキュライ
トを核とした造粒作用が働き適度な整粒が得られるた
め、造粒工程、乾燥工程が不要な点である。このため低
コストで製造できるメリットは大きい。
【0035】更に、膨張バーミキュライトの粒径および
原料の混合比、加熱条件などをコントロールすることに
より、粒径のコントロールができるのも本発明の製造法
の特徴である。また、本発明の製造法では、原料および
反応生成物の反応容器および攪拌翼などへ付着が少な
く、トラブルなく運転を継続できる点も、実操業では大
きなメリットになる。
【0036】尿素はその融点以上に加熱すると、1種の
尿素縮合体であるビウレットが生成し、施肥した場合作
物に有害であり、肥料取締法では窒素、燐酸、加里の合
計含有率1%につき0.01%以下に規定しているが、
本発明の製造法ではビウレットの生成は無視できる程度
である。その原因は、膨張バーミキュライトがl〜3%
の水分を有しており、縮合剤(尿素他)は燐酸塩類やそ
の他の肥料成分を抱き込んで膨張バーミキュライトに含
浸および/または付着しながら反応が進行するため、反
応中は混合物への熱伝導がよく局部的な温度上昇が制御
されマイルドな条件下での反応になると共に、前記した
ように膨張バーミキュライトが1種の反応促進剤のよう
な作用をするために、ビウレットの生成を無視できる程
の短時間で、燐酸塩のポリ燐酸塩化が進行するためと考
えられる。
【0037】本発明の液体肥料組成物は、前記した膨張
バーミキュライトにポリ燐酸塩を含む肥料成分が含浸お
よび/または付着している本発明の粒状肥料組成物
(“肥料組成物A”と称す)を水に浸漬して水溶性の肥
料成分を溶出(あるいは抽出)させ、不溶分を分離する
ことにより得られる。浸漬する水の量は要望する肥料成
分により任意に選べるが、通常は肥料組成物Aの0.2
〜5.0倍(重量ベース)である。また、不溶分の分離
は、デカンテーションによる方法、目の粗い篩やざるを
用いる方法、遠心分離による方法、濾布による減圧濾過
方法などごく簡単なもので充分である。
【0038】なお、本発明の液体肥料組成物の製造にあ
たり、肥料組成物Aを水あるいは肥料成分を溶解させた
水溶液に浸漬して水溶性の肥料成分を溶出(あるいは抽
出)する必要から、肥料組成物A中の肥料成分は水溶性
である必要がある。その為には、肥料組成物Aの製造条
件として、膨張バーミキュライトに燐酸塩類および縮合
剤などを含む肥料成分を混合した後、加熱温度90〜2
00℃、好ましくは110〜170℃、さらに好ましく
は110〜150℃、特に好ましくは110〜130℃
で、加熱時間は望みの温度到達後20分以下、より好ま
しくは0〜10分、それに反応容器中の水蒸気圧の高い
雰囲気(湿度70%以上)で加熱処理して反応させるこ
とが望ましい。
【0039】上記のように、肥料組成物Aを水に浸漬し
て水溶性の肥料成分を溶出(あるいは抽出)させる際、
肥料成分を調製するために、水の代りに肥料成分を溶解
させた水溶液に肥料組成物Aを浸漬して水溶性の肥料成
分を溶出(あるいは抽出)させてもよい。この水溶液に
溶解させる肥料成分は水溶性であればよく、仮に、水に
不溶性の成分が含まれていても分離が容易であれば特に
問題とはならず、また、最終製品をつくる前に望みのp
Hになるように調製してもよい。
【0040】本発明のペースト状肥料組成物は、肥料組
成物Aに水を加えて浸漬した後、高速攪拌器などのミキ
サーで充分攪拌するか、湿式粉砕機などで粉砕処理を
し、固形分が微細な分散粒子となるまで粉砕・崩壊させ
て水中に懸濁するようにして製造される。なお、肥料組
成物Aは粒状で水中で粉砕・崩壊し易いものであり、こ
れらの処理には特別な困難を伴わない。
【0041】また、固形分を微細な分散粒子にするため
に、水に浸漬する前に乾式粉砕(ごく一般的な微粉砕機
で可)して粒径0.5mm以下の微粉状にしたものに水
を加えて浸漬した後、かき混ぜてもよい。加える水の量
は要望する肥料成分により任意に選べるが、通常は肥料
組成物Aの0.2〜5.0倍(重量ベース)である。
【0042】ペースト状肥料組成物を製造するために固
形分を微細な分散粒子となるまで粉砕・崩壊させるため
の上記の各手段は、従来の処理方法に比べて、極めて簡
易である点が本発明の製造方法の特徴である。
【0043】本発明のペースト状肥料組成物は、長期間
保存しておいても、結晶の析出が殆どなく、安定な分散
液の状態を保つ。結晶析出防止効果は、従来から言われ
ているように生成したポリ燐酸塩の効果と判断される
が、本発明では、燐酸のポリ化率[(ポリ燐酸分/全燐
酸分)×100]が高いために結晶の析出防止効果も大
きくなっているものと判断される。
【0044】また、本発明のペースト状肥料組成物は静
置すれば流動性がなく、振り混ぜれば流動性を示すとい
うチクソトロピックな粘性を有する特徴を有しており、
この性質が分散液の安定性にも大きく寄与しているもの
と判断される。原料の膨張バーミキュライト、燐酸塩
類、縮合剤およびその他の肥料成分にはこの性質が明確
に認められないため、これは膨張バーミキュライトが加
熱反応で変性し、水に浸漬した場合に微細な薄片状に劈
開してカードハウス構造をとるようになったことと、そ
の変性バーミキュライトとポリ燐酸塩を含む反応生成物
の相乗作用によるものと判断される。このため、本発明
のペースト状肥料組成物の製造においては一般的に使用
される増粘剤を混合する必要がなくなる。
【0045】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明は実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に
おいて原料の数字は重量ベースを示す。また、肥料成分
の分析は肥料公定分析法に従って測定した。ポリ態燐酸
分は全燐酸分からオルト態燐酸分を差し引いて求めた。
【0046】(実施例1)尿素(全N:46%、粒状、
縮合剤)3133部、乾式法燐酸1アンモニウム(アン
モニアN:11%、P25 :62%、粉状、燐酸塩
類)5967部、膨張バーミキュライト(粒径0.5〜
1.2mm)3900部を混合した後、竪型攪拌翼
(0.75kw、60rpm)付き円筒型加熱反応器
(容量89L、3.0kwヒーター付)にとり、攪拌し
ながら加熱を開始し、15分で130℃まで物温を上昇
させた。直ちに反応物を取り出し、放冷し、生成物(本
発明の粒状肥料組成物)を得た。その化学組成を求め、
表1に示した。生成物は原料の膨張バーミキュライトを
核にした粒状で、さらさらしており流動性は良好であっ
た。また、竪型攪拌翼、円筒型加熱反応器とも付着物は
極めて少なかった。なお、ポリ化率[(ポリ態P25
/全P25 )×100]は29.7%であった。
【0047】
【表1】
【0048】(実施例2)実施例1において、15分で
130℃まで物温を上昇させた後、15分間130℃に
維持して反応させた後、反応物を取り出し、放冷し、生
成物(本発明の粒状肥料組成物)を得た。その化学組成
を求め、表2に示した。生成物は原料の膨張バーミキュ
ライトを核にした粒状で、さらさらしており流動性は良
好であった。また、竪型攪拌翼、円筒型加熱反応器とも
付着物は極めて少なかった。なお、ポリ化率[(ポリ態
25 /全P25 )×100]は51.2%であっ
た。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例3)尿素(全N:46%、粒状、
縮合剤)2171部、乾式法燐酸1アンモニウム(アン
モニアN:11%、P25 :62%、粉状、燐酸塩
類)2197部、硫酸アンモニウム(アンモニアN:2
0.8%、粉状、その他の肥料成分)858部、硫酸カ
リウム(K2 O:52%、粉状、その他の肥料成分)2
626部、膨張バーミキュライト(粒径0.5〜1.2
mm)5148部を混合した後、実施例1と同様の竪型
攪拌翼付き円筒型加熱反応器にとり、攪拌しながら加熱
を開始し、15分で130℃まで物温を上昇させた。直
ちに反応物を取り出し、放冷し、生成物(本発明の粒状
肥料組成物)を得た。その化学組成を求め、表3に示し
た。生成物は原料の膨張バーミキュライトを核にした粒
状で、さらさらしており流動性は良好であった。また、
竪型攪拌翼、円筒型加熱反応器とも付着物は極めて少な
かった。なお、ポリ化率[(ポリ態P25 /全P2
5 )×100]は58.8%であった。
【0051】
【表3】
【0052】(実施例4)尿素(全N:46%、粒状、
縮合剤)2067部、湿式法燐酸1アンモニウム(アン
モニアN:11%、水溶性P25 :47%、粉状、燐
酸塩類)2899部、硫酸アンモニウム(アンモニア
N:20.8%、粉状、その他の肥料成分)780部、
硫酸カリウム(K2 O:52%、粉状、その他の肥料成
分)2626部、膨張バーミキュライト(粒径0.5〜
1.2mm)4628部を混合した後、実施例1と同様
の竪型攪拌翼付き円筒型加熱反応器にとり、攪拌しなが
ら加熱を開始し、15分で130℃まで物温を上昇させ
させた後、10分間130℃に推持して反応させた後反
応物を取り出し、放冷し、生成物(本発明の粒状肥料組
成物)を得た。その化学組成を求め、表4に示した。生
成物は原料の膨張バーミキュライトを核にした粒状で、
さらさらしており流動性は良好であった。また、竪型攪
拌翼、円筒型加無反応器とも付着物は極めて少なかっ
た。なお、ポリ化率[(ポリ態P25 /全P25
×100]は58.1%であった。
【0053】
【表4】
【0054】(実施例5)尿素(全N:46%、粒状、
縮合剤)3575部、乾式法燐酸1アンモニウム(アン
モニアN:11%、P25 :62%、粉状、燐酸塩
類)6825部、膨張バーミキュライト(粒径0.5〜
1.2mm)2600部を混合した後、実施例1と同様
の竪型攪拌翼付き円筒型加熱反応器にとり、攪拌しなが
ら加熱を開始し、18分で160℃まで物温を上昇させ
た。30分間160℃に維持して反応させた後、反応物
を取り出し、放冷し、生成物(本発明の粒状肥料組成
物)を得た。その化学組成を求め、表5に示した。生成
物は原料の膨張バーミキュライトを核にした粒状で、さ
らさらしており流動性は良好であった。また、竪型攪拌
翼、円筒型加熱反応器とも付着物は極めて少なかった。
【0055】
【表5】
【0056】なお、ポリ化率[(ポリ態P25 /全P
25 )×100]は92.8%と高く、そのポリ態P
25 の大部分は非水溶性でク溶性である点から、高重
合のポリ態P25 になっているものと判断される。
【0057】(実施例6)尿素(全N:46%、粒状、
縮合剤)1847部、乾式法燐酸1アンモニウム(アン
モニアN:11%、水溶性P25 :62%、粉状、燐
酸塩類)1664部、塩化カリウム(K20:62%、
粉状、その他の肥料成分)1644部、膨張バーミキュ
ライト(粒径0.5〜3.0mm)851部を混合した
後、実施例1と同様の竪型攪拌翼付き円筒型加熱反応器
に取り、攪拌しながら加熱を開始し、15分で130℃
まで物温を上昇させた後、5分間130℃に維持して反
応させた後反応物を取り出し、放冷し、生成物(本発明
の粒状肥料組成物)を得た。生成物は原料の膨張バーミ
キュライトを核にした粒状で、さらさらしており流動性
は良好であった。また、竪型攪拌翼、円筒型加熱反応器
とも付着物は極めて少なかった。その後、この生成物か
ら149部を1リットルビーカーに分取し水172部を
加えてから、攪拌しながら8時間肥料成分を溶出させ
た。その後、濾布による減圧濾過で固形分を分離し、本
発明の液体肥料組成物を得た。本発明の液体肥料組成物
は6ケ月間室温に静置しておいたが、結晶の析出はごく
微量で無視できる量であった。得られた本発明の液体肥
料組成物の化学組成を求め、表6に示した。なお、ポリ
化率[(ポリ態P25 /全P25 )×100]は7
6.1%であった。
【0058】
【表6】
【0059】(実施例7)尿素(全N:46%、粒状、
縮合剤)2990部、乾式法燐酸1アンモニウム(アン
モニアN:11%、水溶性P25 :62%、粉状、燐
酸塩類)2236部、塩化カリウム(K2 O:62%、
粉状、その他の肥料成分)1573部、膨張バーミキュ
ライト(粒径0.5〜3.0mm)780部を混合した
後、実施例1と同様の竪型攪拌翼付き円筒型加熱反応器
にとり、攪拌しながら加熱を開始し、15分で130℃
まで物温を上昇させさせた後、5分間130℃に維持し
て反応させた後、反応物を取り出し、放冷し、生成物
(本発明の粒状肥料組成物)を得た。生成物は原料の膨
張バーミキュライトを核にした粒状で、さらさらしてお
り流動性は良好であった。また、竪型攪拌翼、円筒型加
熱反応器とも付着物は極めて少なかった。
【0060】一方、水酸化カリウム(含量85%のKO
H)24部を水119部に溶解して得られた水酸化カリ
ウム水溶液に、乾式法燐酸(H3 PO4 :85%)を添
加して液のpHを8.0迄下げてから室温に冷し、前記
の生成物(本発明の粒状肥料組成物)175部と混合
し、攪拌しながら8時間肥料成分を溶出させた。その
後、濾布による減圧濾過で固形分を分離し、濾液をpH
7.0になる迄アンモニアで中和して本発明の液体肥料
組成物を得た。本発明の液体肥料組成物は6ケ月間室温
に静置しておいたが、結晶の析出はごく微量で無視でき
る量であった。得られた本発明の液体肥料組成物の化学
組成を求め、表7に示した。なお、ポリ化率[(ポリ態
25 /全P25 )×100]は62.9%であっ
た。
【0061】
【表7】
【0062】(実施例8)尿素(全N:46%、粒状、
縮合剤)2717部、湿式法燐酸1アンモニウム(アン
モニアN:11%、水溶性P25 :47%、粉状、燐
酸塩類)3458部、塩化カリウム(K2 O:62%、
粒径0.5μ以下の粉状、その他の肥料成分)2626
部、膨張バーミキュライト(粒径0.5〜3.0mm)
910部を混合した後、実施例1と同様の竪型攪拌翼付
き円筒型加熱反応器にとり、攪拌しながら加熱を開始
し、15分で130℃まで物温を上昇させた。直ちに反
応物を取り出し、放冷し、生成物(本発明の粒状肥料組
成物)を得た。生成物は原料の膨張バーミキュライトを
核にした粒状で、さらさらしており流動性は良好であっ
た。また、竪型攪拌翼、円筒型加熱反応器とも付着物は
極めて少なかった。
【0063】得られた生成物(本発明の粒状肥料組成
物)全量を水3146部と混合し、10時間浸漬処理を
したものを容器にとり、30℃以下に保ちながら高速攪
拌器で30分間攪拌処理をし、処理液(本発明のペース
ト状肥料組成物)を得た。本発明のペースト状肥料組成
物には、本発明の粒状肥料組成物が粉砕・崩壊されて微
細な粒子として水中に分散・懸濁していた。得られた本
発明のペースト状肥料組成物は、静置すれば流動性がな
く、振り混ぜれば流動性を示すというチクソトロピック
な粘性を有していた。本発明のペースト状肥料組成物は
6ケ月間室温に静置しておいたが、結晶の析出はごく微
量で無視できる量であった。得られた本発明のペースト
状肥料組成物の化学組成を求め、表8に示した。なお、
ポリ化率[(ポリ態P25 /全P25 )×100]
は71.9%であった。
【0064】
【表8】
【0065】
【発明の効果】本発明の膨張バーミキュライトにポリ燐
酸塩を含む肥料成分が含浸および/または付着している
粒状肥料組成物は、ポリ化率[(ポリ燐酸分/全燐酸
分)×100]が高いため、これを土壌中に施肥した場
合、ポリ燐酸塩が金属遮蔽作用を有するために燐酸分の
不溶化(不可給態化)を阻止する効果が大きく、また、
肥料成分がポーラスな膨張バーミキュライトに含浸およ
び/または付着しているため肥料成分が直接土壌と接触
する割合が小さいので溶出を遅延させる効果があり、燐
酸分の利用率を高めることができる。また、製造条件に
より、水には不溶性であるがク溶性のポリ燐酸塩を含む
もの、あるいはその含量の極めて多いものなども得るこ
とができる。
【0066】それ故、本発明の粒状肥料組成物には、製
造条件をコントロールすることにより溶出速度の異なる
ポリ燐酸塩を合有させることができる点から、作物によ
りその特徴を生かした利用をすることができる。
【0067】本発明において縮合剤として用いる尿素は
その融点以上に加熱すると、1種の尿素縮合体であるビ
ウレットが生成し、施肥した場合作物に有害であり、肥
料取締法では窒素、燐酸、加里の合計含有率1%につき
0.01%以下に規定しているが、本発明の肥料組成物
の製造法によればビウレットの生成は無視できる程度で
ある。
【0068】また、本発明の粒状肥料組成物に含まれる
膨張バーミキュライトの結晶構造は層状構造をとり、こ
の層間に水や養分を吸着保持する機能があるので、保水
力や各種の肥料成分を徐々に放出する作用を有するた
め、長期間肥効を持続させることができる利点を有す
る。
【0069】それに、本発明の粒状肥料組成物は、製造
中に膨張バーミキュライトを核とした造粒作用が働き適
度な整粒が得られるため、造粒工程、乾燥工程が不要で
あり、このため低コストで製造できる。
【0070】本発明の液体肥料組成物は、本発明の粒状
肥料組成物を水に浸漬して水溶性の肥料成分を溶出さ
せ、不溶分を分離することにより容易に得られる点か
ら、製造コストが安い。
【0071】また、本発明の液体肥料組成物は、本発明
の粒状肥料組成物同様にポリ化率[(ポリ燐酸分/全燐
酸分)×100]が高い燐酸分を含むものが得られるの
で、燐酸分の不溶化(不可給態化)を阻止する効果が大
きく、燐酸分の利用率を高めることができると共に、水
溶性ポリ燐酸分のポリ化率[(水溶性ポリ燐酸分/全燐
酸分)×100]の高いものも得ることができるため、
高濃度の肥料成分を有する液体肥料組成物の製造が可能
となった。
【0072】更に、水溶性のポリ燐酸塩は、Mn、C
u、Zn、Feなどの作物に必須の微量要素である金属
イオンと錯塩(キレート化合物)を形成することにより
長期に安定な水溶性の金属塩を形成することができるた
め、微量要素入り液体肥料組成物が容易に製造できる。
従って、本発明の液体肥料組成物は、水耕栽培や葉面散
布肥料としても期待できる。
【0073】本発明のペースト状肥料組成物は、本発明
の粒状肥料組成物を水に浸漬して固形分を激細な分散粒
子となるように粉砕・崩壊させて水中に分散・懸濁させ
れば得られるが、従来の製法では必須であった肥料成分
の超微粉砕化が不要であり、また、特別な増粘剤なども
不要であり、極めて容易に製造することができる。それ
に、本発明のペースト状肥料組成物は長期間保存してお
いても、結晶の析出が殆どなく、安定な分散・懸濁液の
状態を保つ。また、本発明のペースト状肥料組成物は、
静置すれば流勤性がなく、振り混ぜれば流動性を示すと
いうチクソトロピックな粘性を有しているのも、実用面
で有利である。
【0074】また、木発明のペースト状肥料組成物は、
本発明の粒状肥料組成物同様、ポリ化率[(ポリ燐酸分
/全燐酸分)×100]が高い燐酸分をふくむため、バ
ーミキュライト溶融吸着肥料同様に燐酸分の不溶化(不
可給態化)を阻止する効果があり、燐酸分の利用率を高
めることができる。それに木発明のペースト状肥料組成
物は、本発明の粒状肥料組成物同様に、製造条件をコン
トロールすることにより溶出速度の異なるポリ燐酸塩を
含有させることができる点から、作物によりその特徴を
生かした利用をすることができる利点がある。
【0075】本発明のペースト状肥料組成物は、本発明
の粒状肥料組成物同様に、膨張バーミキュライトの結晶
層間に水や養分を吸着保持する機能があるので、保水力
や各種の肥料成分を徐々に放出する作用を有するため、
長期間肥効を持続させることができる。これらの特性の
ため、本発明のペースト状肥料組成物は、稲作の側条施
肥用として有望であり、特にチクソトロピックな粘性を
有している点から、砂地の土壌には肥料成分の流出を防
ぐ点からも有利である。
【0076】本発明の粒状肥料組成物、液体肥料組成
物、ペースト状肥料組成物は何れも悪臭がなく、殆ど無
臭であり、この点からも使用上の優位性がある。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨張バーミキュライトにポリ燐酸塩を含
    む肥料成分が含浸および/または付着していることを特
    徴とする粒状肥料組成物。
  2. 【請求項2】 膨張バーミキュライトに燐酸塩類および
    縮合剤を含む肥料成分を混合した後、90〜200℃に
    加熱処理して得られることを特徴とする請求項1記載の
    粒状肥料組成物。
  3. 【請求項3】 膨張バーミキュライトに燐酸塩類、縮合
    剤およびその他の肥料成分を混合した後、90〜200
    ℃に加熱処理して得られることを特徴とする請求項1記
    載の粒状肥料組成物。
  4. 【請求項4】 燐酸塩類が燐酸1アンモニウムおよび/
    または燐酸2アンモニウムであり、縮合剤が尿素である
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の粒状肥
    料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項lないし請求項4記載の粒状肥料
    組成物から選ばれる少なくとも1つの粒状肥料組成物中
    に含まれる水溶性肥料成分を含有する水溶液よりなるこ
    とを特徴とする液体肥料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4記載の粒状肥料
    組成物から選ばれる少なくとも1つの粒状肥料組成物が
    水に分散・懸濁していることを特徴とするペースト状肥
    料組成物。
  7. 【請求項7】 膨張バーミキュライトに燐酸塩類および
    縮合剤を含む肥料成分を混合した後、この混合物を転動
    あるいは攪拌しながら90〜200℃に加熱し、縮合剤
    を溶融させて燐酸塩類を含む肥料成分を抱き込ませて膨
    張バーミキュライトに含浸および/または付着させなが
    ら燐酸塩類のポリ化を進行させることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4記載の粒状肥料組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 膨張バーミキュライトに燐酸塩類、縮合
    剤およびその他の肥料成分を混合した後、この混合物を
    転動あるいは攪拌しながら90〜200℃に加熱し、縮
    合剤を溶融させて燐酸塩類を含む肥料成分を抱き込ませ
    て膨張バーミキュライトに含浸および/または付着させ
    ながら燐酸塩類のポリ化を進行させることを特徴とする
    請求項1ないし請求項4記載の粒状肥料組成物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項4記載の粒状肥料
    組成物から選ばれる少なくとも1つの粒状肥料組成物中
    の水溶性成分を、水または肥料成分の溶解している水溶
    液で溶出あるいは抽出し、不溶分を分離することを特徴
    とする請求項5記載の液体肥料組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項4記載の粒状肥
    料組成物から選ばれる少なくとも1つの粒状肥料組成物
    に水を加えてから高速攪拌機あるいは湿式粉砕機などの
    手段で前記粒状肥料組成物を粉砕あるいは崩壊させる
    か、または前記粒状肥料組成物を乾式粉砕して粒径0.
    5mm以下の微粉状にしてから水を加え、かき混ぜるこ
    とを特徴とする請求項6記載のペースト状肥料組成物の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007217259A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Tac Hasegawa:Kk 葉面散布剤
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