JPH10191977A - チオレドキシン改変体及び該改変体を含むap−1の転写活性能を増強する因子 - Google Patents

チオレドキシン改変体及び該改変体を含むap−1の転写活性能を増強する因子

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JPH10191977A
JPH10191977A JP448997A JP448997A JPH10191977A JP H10191977 A JPH10191977 A JP H10191977A JP 448997 A JP448997 A JP 448997A JP 448997 A JP448997 A JP 448997A JP H10191977 A JPH10191977 A JP H10191977A
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cys
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Jiyunji Yodoi
淳司 淀井
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Oriental Yeast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、非還元条件下において安定である
ことを特徴とするチオレドキシンの改変体、並びに前記
チオレドキシンとRef−1とを含むAP−1転写活性
増強因子を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のチオレドキシンの改変体は、活
性中心のCys残基は修飾せず、それ以外のCys残基
を少なくとも1つないし全て他のアミノ酸残基に置換す
ることを特徴とする。さらに、本発明のAP−1転写活
性増強因子は、前記チオレドキシンとRef−1とがS
−S結合で結合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非還元条件下にお
いても酸化的条件下においても安定であるチオレドキシ
ン改変体に関する。
【0002】本発明は、さらに前記チオレドキシン改変
体を含む、AP−1の転写活性能を増強する因子に関す
る。
【0003】
【従来の技術】近年、増殖及び細胞死を含む細胞内現象
は、細胞内酸化還元状態によって調節されるということ
を示唆する一連の証拠が次々と挙がっている(Pah
l,H.L.&Baeuerle,P.A.(1994)
BioAssays 16,497−502)。特に、
チオール酸化還元調節機構によって制御される転写因子
が試験管内ゲルシフト試験によって、次々と挙げられて
いる(Matthews,J.R.,Wakasugi,
N.,Virelizier,J.L.,Yodoi,J.
& Hay,R.T.(1992) Nucleic A
cids Res.20, 3821−30,;Aba
te,C.,Patel,L.,Rauscher,F.
J.d.&Curran,T.(1990) Scien
ce 2491157−1161)。これには、AP−
1、NF−κB、Dorsal/Relファミリーの他
のメンバー、Myb及びEts等の既知の転写因子が含
まれている。しかしながら、これらの転写因子の活性制
御については、2−MEやDTTのような化学試薬が転
写因子のDNA結合能を活性化することがわかっている
が、細胞内のどの分子が酸化還元制御因子として働くか
という問題は、まだ明らかにはされていない。
【0004】細胞内の酸化還元制御因子の有力な候補と
してチオレドキシン(以下、「TRX」という)が注目
されている。TRXは生体内に普遍的に存在する小さい
タンパク質で、2つのシステインを有する部位−Cys
−Gly−Pro−Cys−を活性中心に有し(Lau
rent,T.C.,Moore,E.C.,&Reich
ard,P.(1964) J.Biol.Chem. 23
9,3436−3444;Holmgren,A.(1
989)Ann.Rev.Biochem.54,237
−271;Holmgren,A.(1989)J.B
iol.Chem.264,13963−1366;B
uchanan,B.B.,Schurmann,
P.,Decottignies,P.&Lozan
o,R.M.(1994) Arch.Bioche
m.Biophys.314,257−60)、活性中
心にあるジチオールの可逆的な酸化を通して酸化還元反
応に関わる多面発現性の細胞性因子である。TRXは還
元型及び酸化型のどちらででも存在し、遺伝子発現を含
む細胞内現象の制御に重要な役割を果たしていると考え
られている。また、HTLV−I白血病発生に関与する
成熟T細胞白血病由来因子(ADF)としても知られて
いる。TRXは細胞内(Matthews,J.R.ら、
1992,上述;Okamoto,T.,Ogiwar
a,H.,Hayashi,T.,Mitsui,A.,
Kawabe,T.&Yodoi,J.(1992)In
t. Immunol 4,811−9)及び細胞外で
機能する。細胞内での機能の1つは、タンパク質−ヌク
レオチド間相互作用を促進することが知られている。
【0005】NF−κBはκL鎖遺伝子の転写の活性化
に関与していると考えられる転写因子である。NF−κ
Bのp50サブユニットの62位のCys残基をTRX
が還元することによって、p50のDNA結合活性及び
転写活性が増大することが、in vitro及びin
vivoの実験によって示されていた。最近、NF−
κB p50から得たオリゴペプチドとTRXとが直接
的な物理的結合をすることがNMRによる試験管内実験
によって明らかになった。しかしながら、これらの生体
内での直接的な結合はまだ検証されていない。
【0006】また、同じく転写因子の一種であるAP−
1も酸化還元によって制御されるということが示唆され
ている。AP−1はニワトリ肉腫ウィルス(v−ju
n)の細胞内プロトタイプとしての癌原遺伝子(c−j
un)の遺伝子産物であり、二量体を形成して特異的D
NA塩基配列(TGACTCA)に結合するほか、ある
種のcAMP response element;C
REにも結合してその転写制御活性を発現する。また、
fos関連遺伝子産物Fosとロイシンジッパー構造を
介して安定な二量体を形成することにより、AP−1と
しての転写活性化能が著しく増強される(免疫学用語辞
典 第三版 多田富雄 他編、1993年12月1日発
行)。当該AP−1の転写活性化能については、種々の
抗酸化剤が、そのDNA結合能及び活性化能を強く活性
化することが知られており(Pahl,H.L.ら (1
994)上述 等)、酸化還元によって制御されると考
えられている。
【0007】しかしながら、NF−κBとは異なり、A
P−1はTRXの直接的な基質ではない(Xantho
udakis,S.,Miao,G.,Wang,F.,
Pan,Y.C.&Curran,T.(1992) E
MBO J.11,3323−35)。さらにAP−1
のシステインの周囲の配列は、NF−κBとは全く異な
っている(Okuno,H.,Akahori,A.,S
ato,H.,Xanthoudakis,S.,Cur
ran,T.&Iba,H.(1993) Oncoge
ne 8,695−701;Ng,L.,Forres
t,D.&Curran,T.(1993)Nucle
ic Acids Res.21,5831−583
7)。よって、転写因子AP−1の酸化還元制御の機構
はNF−κBとは異なり、TRX以外の分子の存在を必
要とすると考えられる。このような分子として酸化還元
因子1(以下、「Ref−1」という)が挙げられる
(Xanthoudakis,S.&Curran,T.
(1992)EMBO.J 11,653−65;Xan
thoudakis,S.,Miao,G.G.&Cur
ran,T.(1994)Proc.Natl.Aca
d.Sci. USA91,23−7)。Ref−1は
AP−1のDNA結合を回復させる因子の1つとして無
細胞系において同定されたタンパク質であり、APエン
ドヌクレアーゼと同一であることが分かっている。
【0008】即ち、AP−1の酸化還元制御には、TR
XとRef−1の2つの因子の存在が必要であることは
知られていた。しかしながら、AP−1の転写活性能促
進の詳細な機構は明らかにされておらず、TRXとRe
f−1とが直接的に結合するのか、それとも相互作用に
さらに別の介在因子が必要なのか等に関する報告も本発
明前にはなかった。さらに、TRXは分子内に複数のシ
ステイン残基を有するために、多量体を形成し沈殿しや
すいので取り扱いにくいという問題があった。従って、
その必要性が高かったにもかかわらず、有用なAP−1
の転写活性能を増強する因子は得られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、TRXの有
する活性中心のCys残基は修飾せず、それ以外のCy
s残基を少なくとも1つないし全て他のアミノ酸残基に
置換することにより、非還元条件下において安定である
TRXを提供することを目的とする。
【0010】本発明は、さらに前記TRXとRef−1
とがS−S結合で結合させた、AP−1の転写活性能を
増強する因子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題解
決のため鋭意研究に努めた結果、TRXはRef−1と
直接結合してAP−1転写活性を促進すること、そして
前記結合にはTRX中の活性部位のCys残基が重要で
あることを明らかにした。
【0012】そして、活性中心となる当該Cys残基は
修飾せず、それ以外のCys残基を少なくとも1つない
し全て他のアミノ酸残基に置換することにより、非還元
条件下において安定であるTRXを提供した。さらに、
前記TRXをRef−1とS−S結合で結合させた、A
P−1の転写活性能を増強する因子の提供を可能とし
た。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明者らは、in vivoにおいてT
RXおよび/またはRef−1の過剰発現がAP−1の
転写活性能に与える影響を調べた(実施例1)。その結
果、AP−1の転写活性誘導因子である12−O−テト
ラデカノイル−ホルボール−13−酢酸(PMA)で処
理を行ったHela細胞において野生型TRXとRef
−1を共発現させた場合、対照と比較し約4倍の転写活
性を示した(図2、レーン2)。野生型TRXまたはR
ef−1のみを発現させた場合、転写活性は対照の約
1.5−2.0倍となった(図2 レーン5および1)。
従って、TRXとRef−1は共同してAP−1の活性
を促進すると考えられる。
【0014】このことは、TRXおよびRef−1の細
胞内局在性によっても裏付けられる。細胞を転写活性誘
導因子、例えばPMAで処理する場合、TRXは処理前
には細胞質内に存在するが、処理後は核内に移動する。
そして、Ref−1は処理の前後共に核内に存在する
(実施例2)。従って、細胞を転写活性誘導因子で処理
を行うとTRXとRef−1は共に核内に局在する。
【0015】さらに、本発明者らはAP−1の転写活性
促進に際し、TRXとRef−1とが直接に結合してい
るのか、あるいは何らかの介在因子の存在が必要である
のかを調べた。TRXタンパク質は、その分子内に数個
のシステイン残基を有する。例えば、図1に示すように
ヒトTRXの場合、32位、35位、62位、69位お
よび73位の5箇所にシステイン残基がある。このう
ち、32位と35位の2つのシステインを有する部位−
Cys−Gly−Pro−Cys−が酸化還元活性部位
であることが知られている(Laurent,T.C.
ら,1964 上述;Holmgren,A. An
n.Rev.Biochem.1989 上述;Hol
mgren,A. J.Biol.Chem. 198
9 上述;Buchanan,B.B.ら 1994
上述)。本発明者らは、これらのシステイン残基を変異
させたTRX突然変異体を作成し、Cys酸化によって
−SH基を−S−S−結合に変える架橋試薬を用いてT
RXとRef−1とは直接に結合していること、さらに
TRXとRef−1との結合には特に活性部位のCys
32残基が関与していることを明らかにした。
【0016】具体的には、野生型のTRXとRef−1
とを酸化条件下で混合すると、野生型TRX−Ref−
1複合体を形成し、TRXとRef−1の合計分子量で
ある約50kDaに野生型TRX抗体およびRef−1
抗体で反応するバンドが生じる。さらに、TRXの突然
変異体として、TRXC35A(ヒトTRXの35位のシス
テイン残基をアラニンに変換させたもの)、TRX
C32S/C35S(ヒトTRXの32および35位のシステイ
ン残基をセリンに変換させたもの)、並びにTRX
C62S/C69S/C73S(ヒトTRXの62、69および73位
のシステイン残基をセリンに変換させたもの)を作成し
て、これらの突然変異体とRef−1との結合を調べた
(実施例3)。TRXC35AおよびTRXC62S/C69S/C73S
は野生型の場合と同様にRef−1に結合した(図4
レーン4および8)。しかしながら、TRXC32S/C35S
の場合Ref−1との結合体は形成されなかった(図4
レーン6)。
【0017】これらのことから、TRXはRef−1と
直接的に結合することでAP−1の転写活性を制御する
こと、即ち、TRXはRef−1のプロトン供与体の1
つであることが明らかにされた。さらに、TRXとRe
f−1の結合には、TRXの活性中心を構成するCys
32およびCys35、特にCys32が関与している
ことがわかった。
【0018】さらに本発明者らは、哺乳類ツーハイブリ
ッド法を利用してin vivoでのTRXとRef−
1との結合を検出することに成功した(実施例4)。ツ
ーハイブリッド検定法でレポーター遺伝子の発現が検出
されれば、2つの融合タンパク質は生きた細胞の核内で
互いに結合していることが示唆される。より具体的に
は、野生型TRXとRef−1を共発現させた場合、レ
ポーター遺伝子の発現はコントロールの10倍に上昇し
た(図6 レーン5および6)。TRXC62S/C69 S/C73S
の場合も野生型とほぼ同程度にレポーター遺伝子が発現
した。それに対し、TRXC35Aでは、レポーター遺伝子
の発現は野生型の場合の半分弱になり(図7 レーン
4)、TRXC32S/C35Sでは発現は誘導されなかった
(レーン3)。従って、in vivoにおいてもTR
XとRef−1は、TRXの活性中心であるCys32
およびCys35、特にCys32を介して結合してい
ることが本発明により明らかにされた。
【0019】また、出願人はTRXのC末端を欠失させ
たTRX△87(ヒトTRXの88位−104位を欠失
したもの)変異体を作成し、上述した哺乳類ツーハイブ
リッド法によりRef−1との結合を調べた。その結
果、COOH末端を欠いたTRX変異体及びRef−1
融合構築物を同時発現させても、レポーター遺伝子の顕
著な誘導は観察されなかった(図7 レーン6)。この
結果は、TRXの還元活性とTRXのRef−1との相
互作用にTRXのCOOH末端が不可欠であることを示
唆している。
【0020】以上に記載したとおり、TRXとRef−
1は直接結合してAP−1の転写活性能力を促進するこ
と、さらに、当該結合にはTRXの活性部位のCys残
基、例えばヒトTRXではCys32およびCys3
5、特にCys32が必要であることが初めて明らかに
された。これらのTRXの活性中心であり、かつRef
−1との直接結合に関与するCys残基を保存し、その
他のCys残基を他のアミノ酸残基に置換すれば、非還
元条件下においてRef−1と結合し、かつ、不必要な
S−S結合をせず多量体を形成しない安定なTRXを得
ることができる。よって、本発明のTRX改変体はTR
Xの有する活性中心のCys残基は修飾せず、それ以外
のCys残基を少なくとも1つないし全て他のアミノ酸
残基に置換することにより、非還元条件下において安定
であることを特徴とする。
【0021】活性および結合に必要なCys残基は、例
えばヒトのTRXでは32位と35位のCys残基であ
る。当業者は本明細書の記載に基づいて、ヒト以外のT
RXについても、その活性および結合に必要なCys残
基を容易に判断することができる。
【0022】本発明のTRXの改変体は慣用された遺伝
子工学技術によって得ることができる。例えば、TRX
のアミノ配列および塩基配列は公知であり、複数の文献
にも記載されているので(Laurent,T.C.ら,
1964 上述;Holmgren,A. Ann.R
ev.Biochem.1989 上述;Holmgr
en,A. J.Biol.Chem. 1989 上
述;Buchanan,B.B.ら 1994 上
述)、これらの文献に基づき、適切なcDNAライブラ
リーから天然のTRXをコードするcDNAを得ること
ができる。これに例えば、周知技術である部位特異的変
異誘発(例えば、Nucleic AcidResea
rch, Vol.10, No.20,p.6487−
6500,1982)を施すことにより、本発明の改変
体を得ることができる。
【0023】部位特異的変異誘発法は、例えば、所望の
変異である特定の不一致の他は、変異を受けるべき一本
鎖ファージDNAに相補的な合成オリゴヌクレオチドプ
ライマーを用いて次のように行うことができる。即ち、
プライマーとして上記合成オリゴヌクレオチドを用いて
ファージに相補的な鎖を合成させ、得られた二本鎖DD
NAで宿主細胞を形質転換する。形質転換された細菌の
培養物を寒天にプレートし、ファージを含有する単一細
胞からプラークを形成せしめる。すると、理論的には5
0%の新コロニーが一本鎖として変異を有するファージ
を含有し、残りの50%が元の配列を有する。上記所望
の変異を有するDNAと完全に一致するものとはハイブ
リダイズするが、元の鎖を有する不一致のものとはハイ
ブリダイズしない温度において、得られたプラークをラ
ジオアイソトープ等で標識された合成プローブとハイブ
リダイズさせる。次に該プローブとハイブリダイズする
プローブを拾い、培養しDNAを回収する。
【0024】本発明のTRX改変体は活性中心のCys
残基は置換せず、それ以外のCys残基を少なくとも1
つないし全て他のアミノ酸残基に置換することを特徴と
する。従って、それ以外のアミノ酸残基について天然の
TRXのアミノ酸配列中の1又は複数のアミノ酸が欠
失、付加、または置換された場合であっても、TRXの
AP−1生理活性促進能、およびRef−1への結合能
力を有するものであれば、本発明の範囲に含まれること
は明らかである。これらのアミノ酸が欠失、付加、また
は置換は、例えば、上述した部位特異的変異誘発法によ
って行うことができる。
【0025】本発明はさらに上述したTRX改変体とR
ef−1とがS−Sで結合してなるAP−1転写活性促
進因子を提供する。本発明のAP−1転写活性促進因子
中のTRX改変体は、活性部位以外のCys残基はS−
S結合を形成しないように他のアミノ酸残基に置換され
てるため、多量体を形成せず非還元条件下で安定であ
る。
【0026】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するため
のものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容
易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは
本発明の技術的範囲に含まれる。
【0027】
【実施例】後述する実施例では、以下の材料および方法
を採用した。
【0028】細胞及び細胞培養 10%ウシ胎児血清及び抗生物質を加えたDMEM(G
ibco BRL,Gaitherburg,USA)
中で、湿度95%、空気中CO濃度5%、37℃の条
件でHela細胞及びCOS7細胞を培養した。
【0029】試薬 12−O−テトラデカノイル−ホルボール−13−酢酸
(PMA)は、Sigma Chemicals C
o.,St. Louis,MOから購入した。抗TR
X単クローン抗体、11−mAb及び21−mAbは、
FujirebioInc., Tokyo,Japa
nによって製造され、提供された。抗Ref−1ポリク
ローン抗体は、Santa Crutz Biotech
nologyInc. Palo Alto,USAか
ら購入した。
【0030】TRXの突然変異誘発及びトランスフェク
ション ヒトTRXの突然変異誘発はPCRに基づく方法で行
い、配列が正しいことをDNAシークエンスによって確
認した(図1)。発現プラスミドの細胞への導入は、リ
ポフェクトアミン試薬(GIBCO/BRL,Gait
herburg,MD)によって、Opti−MEM
(GIBCO/BRL)を用いて製造社の手引に従って
行った。
【0031】−73/+63 Col(ヒト コラゲナー
ゼ I)−LUCを用いたルシフェラーゼ検定 pGL2−Basic(Promega)及びpBLC
AT3に入った−73/+63 Col(Angel,
P.,Baumann,I.,Stein,B.,Del
ius,H.,Rahmsdorf,H.J.&Her
rlich,P.(1987) Mol.Cell Bi
ol.7,2256−2266)から−73/+63
Col−LUCを作製した。Hela細胞を6穴プレー
トに1穴当たり4×10細胞になるようにまいた。発
現プラスミドを、リポフェクトアミン試薬を用いて細胞
に導入した。それぞれの導入に当たっては、1μgの野
生型pCDSRα−TRXまたは−TRXC32S/C35S
現プラスミド(Tagaya,Y.,Maeda,Y.,
Mitui,A.,Kondo,N.,Masutan
i,H.,Mamuro,J.,Brown,N.,Ar
ai,K.,Yokota,T.,Wakasugi,
H.&Yodoi,J.(1989)EMBO J.
8,757−764)、及び/または1μgのpRC/
CMV−Ref−1発現ベクターを、1μgの−73/
+63 Col−LUCと共に用いた。DNAの全量
は、pRC/CMV(Invitrogen,San
Diego,CA)を加えて3μgになるように調整し
た。16時間培養した後、PMA(30ng/ml)を
加え、細胞を24時間培養した。30時間後に細胞を回
収し、市販の検定法(Promega,Madiso
n,WI)を用いて、蛍光光度計でルシフェラーゼ活性
を決定した。誘導されたルシフェラーゼ活性の相対比を
計算した。
【0032】組み換えタンパク質の細菌内での発現 ヘキサヒスチジン(6×His)標識と融合した種々の
TRX組み換えタンパク質を、pQE30発現プラスミ
ド(Qiagen,Chatsworth,CA)を用
いて大腸菌内で発現させた。大腸菌株のM15[pRe
p4]にそれぞれのpQE−TRX発現ベクターを形質
転換した。A600が0.7になるまで大腸菌を37℃
で激しく振とう培養し、1mMIPTGで3時間処理し
た。ペレットにした細胞を1mg/mlリゾチーム、1
0mM 2−メルカプトエタノール、1mM PMS
F、50μM TLCK、及び0.8mMイミダゾール
を含むPBS(−)中で溶解させ、超音波処理して破砕
した。溶解液を遠心して不純物を除いた。6×His−
TRXを含む粗製溶解液をNi2+−NTAアガロースカ
ラムに通した。カラムを洗い、80mMイミダゾールを
含むPBSで融合タンパク質を溶出させた。溶出したタ
ンパク質を2mMDTTを含むPBSに対して透析し
た。ヒトRef−1は、6×His標識タンパク質とし
て、pDS56ref−1(Xanthoudaki
s,S.ら、1994、上述)(Xanthoudak
is,S.より供与)によって発現させた。ここでは、
Ref−1溶出液を保存用緩衝液[50mMリン酸ナト
リウム、pH7.3/50mM NaCl/5mM Mg
Cl/1mM EDTA,5%(vol/vol)グ
リセロール]に対して透析した以外は、TRXと同じ方
法に従った。
【0033】試験管内ジスルフィド架橋相互作用検定 6×His−TRX(200ng)及び6×His−R
ef−1(200ng)を、1mMDTTと室温(R
T)で30分間保温した。保温した後、2−ME(1
%)を含む分離緩衝液または含まない分離緩衝液中で反
応混合液を90℃5分間おいて変性させた。それぞれの
複合体を15%SDS−PAGEで電気泳動し、PVD
F膜(Millipore,Bedford,MA)に
転写させた後、膜をブロッキングし、抗体を加えて反応
させ、次にペルオキシダーゼの付加した抗マウスIgG
(Amersham,Birmingham,UK)で
反応させた。膜上の抗原を、ECL ウエスタンブロッ
ト検出キット(Amersham)で検出した。
【0034】間接蛍光抗体細胞染色 細胞を3.7%パラホルムアルデヒドと10%ウシ胎児
血清を含むPBS中で室温(RT)に20分間おいてス
ライドに固定化し、続いて(0.2%W/V)Trit
on X−100を含むPBSを用いて10分間の透過
化処理を行った。一次抗体(TRXに対しては単クロー
ン性11−mAbまたは21−mAb、Ref−1に対
しては前述のポリクローン抗体)と室温で1時間反応さ
せ、スライドを二次抗体(TRXに対してはFITC結
合抗マウスヒツジIgG(Amersham Life
Science Inc.)、Ref−1に対しては
TRITC結合抗ウサギヤギIgG(Sigma Ch
emical CO.))と1時間反応させた。染色し
た細胞のスライドに、1mg/ml p−フェニレンジ
アミンを含む90%グリセロールを載せ、共焦点顕微鏡
MRC600(Bio−Rad lab.,Hercu
les,CA)を用いて細胞を観察した。
【0035】哺乳類ツーハイブリッド検定 哺乳類ツーハイブリッド検定は、Nerlov,C.&
Ziff,E.B.(1995) EMBO J.14,
4318−4328に記載された方法に従って行った。
TRX、その変異型、またはRef−1のcDNAを、
pCMX−GAL4(Sadowski,I.&Pta
shne,M.(1989)Nucleic Acid
Res.17,7539)またはpCMX−VP16
(Perlmann,T.,Rangarajan,
P.N.,Umesono,K.&Evans,R.M.
(1993) Genes&Development
7,1411−1422)(Umesono,K.から
供与)と読み枠が合うように融合させた。1穴当たり2
×10細胞になるようにCOS7細胞を6穴プレート
にまいた。リポフェクトアミン試薬によって、発現プラ
スミドを細胞に導入した。それぞれのトランスフェクシ
ョンに際しては、1μgのレポーター構築物ptk−G
ALpx3−LUC(K.U.供与)及び内部対照とし
ての1μgのβ−gal発現構築物と、1μgのGAL
4融合プラスミド及び1μgのVP16融合プラスミド
を同時に用いた。ptk−GALpx3−LUCには、
チミジンキナーゼ最小プロモーターの前に3コピーのG
AL4結合部位が存在する。30時間後に細胞を回収
し、ルシフェラーゼ活性を決定した。β−gal活性で
標準化することによって、ルシフェラーゼの誘導の相対
比を算出した。
【0036】実施例1 PMA刺激したHela細胞でのTRX及び/またはR
ef−1の発現 生体内でTRX及び/またはRef−1を過剰発現する
結果AP−1の転写が活性化されるかどうかを観察し
た。AP−1結合部位を持つヒト コラゲナーゼIのプ
ロモーターの活性を、ルシフェラーゼ活性を決定するこ
とで検定した。
【0037】それぞれの形質転換に際して、1μgのp
CDSRα−野生型TRX(図2レーン2、4)または
−TRXC32S/C35S(レーン3、6)発現プラスミド及
び/または1μgのpRC/CMV−Ref−1(レー
ン1、2、3)発現ベクターと、1μgの−73/+6
3 Col−LUCを用いた。DNAの全量は、pRC
/CMV(Invitrogen,San Dieg
o,CA)を加えて3μgになるように調整した。16
時間培養した後、PMA(30ng/ml)を加えて細
胞を24時間培養した。30時間後に細胞を回収し、ル
シフェラーゼ活性を決定した。
【0038】結果を図2に示す。結果は3つの実験(そ
れぞれ2回行った)の平均であり、ルシフェラーゼ活性
の相対比を、レーン4のPMA未処理(PMA−)を1
として示す。
【0039】PMA処理したHela細胞内で一時的に
野生型TRXとRef−1(図2レーン2)を同時発現
させると、偽トランスフェクション(レーン4)に比べ
てルシフェラーゼ活性が4倍に上昇した。野生型TRX
(レーン5)またはRef−1(レーン1)の1つのみ
を発現させると、それぞれ1.5倍または2倍の活性化
が起こった。還元活性を欠くTRXC32S/C35Sを発現さ
せても、誘導は微少であった(レーン6)。
【0040】以上、過剰発現したTRX及びRef−1
は、AP−1の転写活性を共同的に高める。
【0041】実施例2 PMA処理によるTRXの細胞内局在の移行 細胞内でのTRX及びRef−1の局在を観察した。T
RXまたはRef−1に対する抗体を用いた間接蛍光法
によってAP−1の転写の活性化が誘導されたHela
細胞を、PMA処理した状態、またはPMA処理しない
状態で解析した(Meyer,M.,Schreck,
R.&Baeuerle,P.A.(1993) EMB
O J.12,2005−2015)。Ref−1は核
内に局在し、PMA刺激の後も核に留まる。対照的に、
TRXはPMA刺激前は主に細胞質に局在し、PMA処
理によって効率的に核に移行し、この過程は24時間以
内にほとんど完了した(データ示さず)。
【0042】実施例3 in vitroでのTRXとRef−1との結合 酸化還元酵素が基質と直接相互作用する場合、これらの
分子はジスルフィド架橋を通して中間体を形成する。そ
のため本発明者らは、システインの酸化によって遊離の
メルカプト基をジスルフィドに換えるジアミドのような
架橋試薬を用いて、それらの一過的な結合を観察できる
のではないかと考えた。
【0043】そこで、TRXの5つのシステインのどれ
が分子間ジスルフィド結合を形成するのか決定するた
め、システイン→セリンまたはシステイン→アラニンの
置換をした3つの変異型TRXをヘキサヒスチジン(6
×His)標識した状態で精製した。6×His標識し
たRef−1及び種々の変異型TRX(図1)を、Re
f−1存在下または非存在下でジアミドによって架橋処
理した。反応後、還元条件または酸化条件下で複合体を
電気泳動によって分離し、抗体で検出した。結果を、図
3−5に示す。
【0044】還元的な条件下では、野生型のTRX及び
全ての変異型TRX(TRXC32S/ C35S、TRXC35S
びTRXC62S/C69S/C73S)はSDS−PAGEにおいて
13kDaの1つのバンドとして移動する。野生型TR
XまたはTRXC32S/C35Sをジアミドで処理すると複数
のバンドが現れることから、多量体を形成していること
が示唆される。しかしTRXC62S/C69S/C73Sの場合、ジ
アミド処理後には単量体しか検出されなかった(図
3)。
【0045】Ref−1には7つのシステインがあり、
還元的な条件下では単量体として泳動する(図4、レー
ン1、3、5、7)。酸化的な条件下では非還元状態よ
りも小さい新たなバンドが観察されるが、これは恐らく
分子内ジスルフィド結合したRef−1の単量体の異な
った状態を示すものだと考えられる(レーン2、4、
6、8)。これ以外のさらに高分子量のものは見られな
かったことから、チオールを標的とした酸化的条件下で
はRef−1はシステインを介した多量体を形成しない
ことが示唆された。
【0046】次に、野生型及び変異型TRXをRef−
1と混合して保温し、泳動パターンを解析した。酸化的
条件で、野生型TRX、TRXC35A及びTRX
C62S/C69S/C7 3Sのレーンにおいて、Ref−1(図4)
及びTRX(図5)に対する抗体の両方とも、約50k
Daの泳動距離に同一の新たなバンドを検出した(図
4、レーン2、4、8;図5、レーン4のT+R)が、
TRXC32S/C35Sに関するバンドは検出されなかった
(図4、レーン6)。これらの結果から、試験管内でT
RXとRef−1が共有結合によるヘテロ二量体を形成
することが示され、さらにこの結合にTRXの活性中心
のCys32が関与することが示唆された。
【0047】実施例4 哺乳類ツーハイブリッド検定法によるTRXとRef−
1との物理的な結合 哺乳類ツーハイブリッド検定法は、タンパク質間相互作
用を研究するために広く用いられており、酵母でのツー
ハイブリッドライブラリースクリーニングによって同定
された相互作用を検証するのに特に有用である。また、
この一過的な検定法を欠失変異誘発,部位特異的変異誘
発等と一緒に用いることで、既知の2つのタンパク質間
で相互作用するアミノ酸の位置を、迅速に決定すること
ができる。ツーハイブリッド検定法でレポーター遺伝子
の発現が検出されれば、2つの融合タンパク質は生きた
細胞の核内で互いに結合していることが示唆される。
【0048】本発明者らは、核内でのTRXとRef−
1との結合を生体内で検出するために、哺乳類ツーハイ
ブリッド法を利用した。TRXまたはRef−1の相補
的DNA(cDNA)をGAL4のDNA結合ドメイン
(DBD)またはVP16の活性化ドメインの下流にサ
ブクローン化した。これらの融合プラスミドを、レポー
ターのルシフェラーゼ遺伝子を持ったプラスミドとCO
S7細胞内で同時発現させた。
【0049】図6で示すように、DBD−TRXまたは
DBD−Ref−1をVP16と共にCOS7細胞内で
発現させた時は、ルシフェラーゼ活性は観察されなかっ
た(レーン1、3)。VP16−TRXまたはVP16
−Ref−1をDBDと共に発現させた時は、微少な誘
導しか検出されなかった(レーン2、4)。対照的に、
野生型のTRX及びRef−1融合構築物を同時発現さ
せると、ルシフェラーゼ活性が基底レベル(レーン7)
の10倍以上も誘導された(レーン5、6)。
【0050】次に、変異型TRXを用いて、この相互作
用に関わるシステイン残基の同定を試みた(図7)。触
媒能を持たないシステインの三重変異体(TRX
C62S/C69S/ C73S)では、ルシフェラーゼ活性はなくなら
なかった(レーン5)ことから、これらのシステインは
TRXがRef−1と相互作用するための活性には必要
ないということが示された。TRXC35A及びRef−1
融合構築物を同時発現させると、ルシフェラーゼの誘導
が観察された(レーン4)が、発現の程度は基底レベル
(レーン1)の6−7倍程度であった。一方、TRX
C32S/C35SとRef−1融合構築物を同時発現させて
も、ルシフェラーゼの誘導は起こらなかった(レーン
3)。
【0051】以上、in vitro(実施例3)及び
in vivo(実施例3)のデータによって、TRX
とRef−1との直接的な相互作用は活性中心のCys
32およびCys35を介して起こることが示された。
【0052】なお、図6および7では、β−gal活性
で標準化することによって、ルシフェラーゼの誘導の相
対比を算出した。結果は3つの実験(それぞれ2回行っ
た)の平均であり、ルシフェラーゼ活性の相対比を、レ
ーン1を基底として示す。
【0053】本発明者らはさらに、置換変異体に加え
て、TRXのアミノ酸残基88以降のC端領域を除去し
た変異体TRXΔ87(図1)を、作製した。TRXΔ
87は5つのシステイン全てを保持しているが、ジチオ
ール還元活性は失っている。TRXΔ87及びRef−
1融合構築物を同時発現させても、ルシフェラーゼ活性
の顕著な誘導は見られなかった(図7 レーン6)。こ
の結果は、TRXの還元活性とTRXのRef−1との
相互作用には、活性部位のCys残基のみでなく、TR
XのCOOH末端も必要であることを示唆している。
【0054】
【効果】本発明により、非還元条件下で安定にしたTR
X、並びに前記TRXとRef−1とがS−S結合して
なるAP−1の転写活性能を増強する因子が提供され
た。本発明の因子は、TRXとRef−1とがTRXの
活性部位でS−S結合して、AP−1の転写活性能を促
進させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、当実験で用いた変異型TRX構築物
の模式図を示す。
【図2】 図2は、PMA処理したHela細胞で、T
RX及び/またはRef−1の一時的な発現がAP−1
の活性化に与える影響を示す。
【図3】 図3は、抗TRX抗体を用いた、種々のTR
X複合体のウエスタンブロット解析を示す。
【図4】 図4は、抗Ref−1抗体を用いた、種々の
TRX及びRef−1複合体のウエスタンブロット解析
を示す。
【図5】 抗TRX抗体を用いた、種々のTRX及びR
ef−1複合体のウエスタンブロット解析を示す。
【図6】 図6は、COS7細胞での哺乳類ツーハイブ
リッド検定法による、野生型TRXとRef−1の物理
的相互作用を示す。
【図7】 図7は、COS7細胞での哺乳類ツーハイブ
リッド検定法による、変異型TRXとRef−1の物理
的相互作用を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チオレドキシンの有する活性中心のCy
    s残基は修飾せず、それ以外のCys残基を少なくとも
    1つないし全て他のアミノ酸残基に置換することによ
    り、非還元条件下において安定にしたことを特徴とする
    チオレドキシン改変体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のチオレドキシンとRe
    f−1とがS−S結合で結合してなるAP−1の転写活
    性能を増強する因子。
JP448997A 1997-01-14 1997-01-14 チオレドキシン改変体及び該改変体を含むap−1の転写活性能を増強する因子 Pending JPH10191977A (ja)

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