JPH10191623A - 電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機並びに磁気エネルギー発電装置 - Google Patents

電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機並びに磁気エネルギー発電装置

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JPH10191623A
JPH10191623A JP34874596A JP34874596A JPH10191623A JP H10191623 A JPH10191623 A JP H10191623A JP 34874596 A JP34874596 A JP 34874596A JP 34874596 A JP34874596 A JP 34874596A JP H10191623 A JPH10191623 A JP H10191623A
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JP
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magnetic
magnetic poles
rotor
windings
ferromagnetic material
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JP34874596A
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Hiroki Tagawa
博樹 田川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気エネルギーを電気または回転エネルギー
に変換する電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機
並びに磁気エネルギー発電装置を提供するにある。 【解決手段】 回転軸に両面が磁極の1つの円柱状磁石
を配置し、磁石の磁極に磁性体板をそれぞれ配置し、磁
性体板に磁性体による複数の磁極を等間隔で軸方向空隙
を保ち対向するように配置し、その複数の磁極に内接及
び外接する各案内環をそれぞれ配置し、これらを回転軸
に固定した回転子と、複数の磁極の2倍の個数の巻線及
び鉄心からなる電機子巻線を持つ固定子と、通電手段と
を備える電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機
と、これらの各変換機で構成された発電装置により、回
転子の磁性体による複数の磁極と電機子巻線からの磁束
とが回転方向の前と後から吸引と反発または反発と吸引
を同時に与え合う際、磁気エネルギーが電気エネルギー
または回転エネルギーへと変換される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電動機及び発電機
の形態において磁石と磁性体板及び強磁性体による磁極
を回転子に使用し、電機子を固定子に使用して、磁気エ
ネルギーを回転エネルギーまたは電気エネルギーへ変換
することが可能な電動機型及び発電機型磁気エネルギー
変換機並びに磁気エネルギー発電装置に関する。なお本
明細書で表現されている磁気エネルギーは一般的な意味
での磁界に蓄えられているだけのエネルギーではなく、
磁界をつくる原因である電子のスピンによる連続的な運
動エネルギーを指している。
【0002】
【従来の技術】磁極面が軸方向にある円柱状または中空
円柱状磁石を回転軸と一致するように配置した回転子を
持つ電動機で、磁気エネルギーが回転エネルギーに変換
されるため、それを駆動するために必要な電気エネルギ
ーよりも大きな回転エネルギーが取り出せる装置に、図
12および図13のような単極電動機があるが、直流の
低電圧大電流電源と大きな面積のブラシが必要である為
に利用しにくく、ブラシの摩耗と摩擦抵抗が大きいため
実用化が難しく、ブラシのない装置が望まれている。
【0003】一方、磁極面が軸方向にある円柱状または
中空円柱状磁石を回転軸と一致するように配置した回転
子を持つ発電機においては、磁気エネルギーが回転子の
受ける反トルクを減少させる力に変換されるため、それ
を駆動するために必要な回転エネルギーよりも大きな電
気エネルギーが取り出せる装置に図12および図13の
ような単極発電機があるが、発生電圧が直流の低電圧、
大電流である為に利用しにくく、また高速回転と大きな
面積のブラシが必要であるため、ブラシの摩耗と摩擦抵
抗が大きくなり実用化は難しく、ブラシのない装置が望
まれているのは電動機と同様である。
【0004】なお、図12および図13における単極電
動機と単極発電機は構造は同じであるが磁気エネルギー
変換機能を考慮した場合には、動作させる回転方向が異
なる方向となる。
【0005】磁石の磁気エネルギーをブラシを使用せず
に回転エネルギーとして取り出す装置の試みに特開昭6
2−196062号、特開平7−87725号、特開平
7−83251号、特開平7−79559号等がある。
【0006】特開昭62−196062号は2軸式で、
同期ギアを使う方式となっていて、ギアの摩耗、騒音の
問題があり、また磁石が回転体の径方向外側を向くよう
に固定されてあるために磁力線の向きが上下方向に分散
され、十分な回転力を得ることができなかった。
【0007】特開平7−87725号における回転体
は、起磁力の源である磁石及び磁極の方向が、回転軸及
び回転軸方向に配置されてなく、回転体の外周面上及び
内周面上の方向に配置されているため、外周面上あるい
は内周面上の磁極から他方の内周面上あるいは外周面上
の磁極へ向かう磁力線の向きが、上下方向及び左右方向
に分散され、磁場エネルギーを回転エネルギーへ変換す
るために必要な軸方向に集中しにくいため、大きな回転
力を得ることに難点があった。また高速回転させるため
に必要な、回転体中の磁石とバランサーの動的及び静的
バランスを精密に取ることに困難を伴う。
【0008】特開平7−83251号、特開平7−79
559号においては、回転軸に配置された永久磁石の磁
束により形成された回転子の各磁性体の磁極において、
前記各磁性体を通る磁束を一定方向に収束するように回
転方向の前方に位置する電磁石のうち、磁性体の磁極の
回転方向の前方に位置する電磁石を永久磁石の磁極の極
性と逆極性に順次励磁することによる動力発生装置とな
っている。この装置の永久磁石の磁気回路は分離されて
おり、それぞれの永久磁石の磁束分布は非対称で、各電
磁石の磁気回路はそれぞれが独立している。永久磁石を
それぞれに配置されている必要性としては次の原因が考
えられる。
【0009】回転子の磁性体の磁極に対して吸引時の磁
束の収束を利用しているために、複数の電磁石の作用さ
せる極は、永久磁石が接する側の磁性体の磁極と逆極側
のみとなっていて、電磁石のそれぞれの磁気回路は独立
しており、回転子の磁性体の極と同極成分が他の電磁石
を通って回り込むことがない構造であるためと思われ
る。この構造では永久磁石を中央部に1個配置をして、
それぞれの永久磁石間の空隙を無くし、磁束分布を対称
なバイポーラ状にすると、回転子の磁性体の磁極から回
転方向の前方の電磁石により吸い込まれた磁束により発
生した磁極の後方のデッドゾーンに永久磁石の他方極側
から流入していた磁束の補給がなくなることになるが、
非対称なユニポーラ状の磁束分布であれば永久磁石の磁
極側の磁束を電磁石により吸引されても、吸引された磁
束と対になっていた永久磁石の他極側からの磁束が余剰
磁束となるためデッドゾーンに自動的に流入し補われ
て、磁気エネルギー変換機能が行われていると考えられ
る。
【0010】それは回転子の磁性体の磁極が存在する半
周面上の領域で、磁性体の磁極の前方から吸引された磁
束に対して、その磁束を補給するための後方からの反発
が同時に作用しないと、回転動力発生のための磁気エネ
ルギー変換作用が機能しなくなるからでもある。ところ
が、磁石をそれぞれに分け、永久磁石の磁界分布を非対
称にすると永久磁石の磁気回路が2つとなり、その磁気
抵抗が大きくなるとともに動作時の磁気の流れが複雑と
なり渦電流損失とヒステリシス損失が増え効率的ではな
い。
【0011】また、回転子の磁性体の磁極と電磁石の磁
極との空隙が径方向空隙面になっているが、本来の磁気
エネルギー変換動作では径方向空隙面での磁束の流れを
回転軸と平行な軸方向面での動作へ等価的に変換された
かたちで行われるため、径方向に空隙面をもつ装置で
は、空隙部における回転子の磁性体の磁極と電磁石の磁
極の各磁性体表面の磁束の流れに乱流を生じ、磁気エネ
ルギー変換効率の低下と損失の増加がある。
【0012】また、磁性体を通る磁束の収束現象および
スイッチ現象を利用しているとあるが、永久磁石の極性
を逆方向に設置して、同方向で回転をさせれば回転動力
の発生はみられず逆に消滅する結果が得られるので先の
現象の利用では説明がつかず別の現象を考える必要があ
り、その現象に基づく装置の設計が必要となる。もし、
磁性体内部の磁束を収束する必要があるとすれば、磁性
体内部の磁束密度の時間的変化による渦電流損失ならび
にヒステリシス損失の影響が避けられず、回転数を大き
くすれば損失が多くなるものと思われる。また、複数の
電磁石に順次励磁されているため、休止中の電磁石の割
合が多く巻線の利用率が下がり、電気抵抗による損失の
割合が大きいと考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】通常の一般的な構造の
電動機あるいは発電機は、電気エネルギーと回転エネル
ギーの変換機としては満足出来る水準であるけれども磁
気エネルギーが回転エネルギーまたは電気エネルギーに
変換される構造でないため、効率は100%以上には決
してならない。
【0014】磁石の磁場には磁束の周囲を一定方向に回
転する電子の回転によるところの磁気エネルギーが存在
するが、この磁気エネルギーは通常の磁路構成の回転子
及び電機子を持つ電動機又は発電機の回転子と固定子間
の吸引または反発状態においては回転エネルギーに寄与
していない。
【0015】一般的にNマシンあるいはNモーターと呼
ばれる単極発電機あるいは単極電動機には磁気エネルギ
ーを変換する機能があるが、電圧が低く電流が大きいた
め高速回転と大きなブラシの面積が必要とされ実用的で
ない。起磁力の源である磁石の配置、空隙部の磁力線の
方向、回転子の回転方向、電機子巻線の磁極の発生等に
一定の条件を整えた磁路構成を持つ電磁回転機械におい
ては、磁気エネルギーが通常の回転力として現れ、回転
エネルギーあるいは電気エネルギーへ変換することが可
能となる。そのための必要条件と、磁気エネルギー変換
機として効率的な形態で大きなブラシを必要とせず適正
な電圧、電流で動作可能な回転子及び固定子とで構成さ
れた電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機並びに
磁気エネルギー発電装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、軸受
けで支えられた回転軸と、磁極面が軸方向にある1つの
円柱状または中空円柱状磁石が回転軸と同軸に配置さ
れ、この磁石の両磁極面にそれぞれ強磁性体板が回転軸
と同軸に配置され、それぞれの強磁性体板の周縁部に強
磁性体による複数の磁極が回転軸から同半径で周方向等
間隔に、かつ形成される極の面が対向して対をなし、面
間が所要の軸方向空隙となるように配置され、前記強磁
性体による複数の磁極にそれを同時に外接及び内接する
非磁性かつ電気良導体による各案内環がそれぞれ配置さ
れ、これらが該回転軸に一体として組み込まれた回転子
と、前記回転子の軸方向空隙に対をなした強磁性体によ
る複数の磁極の2倍の個数の巻線及び鉄心からなる電機
子が、各巻線及び鉄心の磁極の発生方向が回転軸と平行
で、かつ隣り合う巻線及び鉄心の磁極の発生方向が異な
る向きに結線され、回転軸から強磁性体による複数の磁
極までを半径とする円周上に周方向等間隔で配置されて
支持部材に固定された固定子と、回転子の回転時に回転
位置を検出して前記強磁性体による複数の磁極それぞれ
に回転方向の前方直近巻線及び鉄心からの吸引と後方直
近巻線及び鉄心からの反発が同時に発生するように電機
子巻線への通電方向を切り替える手段と、を具備し、磁
気エネルギーを回転エネルギーへ変換する機能をもつこ
とを特徴とする電動機型磁気エネルギー変換機が提供さ
れる。
【0017】また、この発明によれば、軸受けで支えら
れた回転軸と、磁極面が軸方向にある1つの円柱状また
は中空円柱状磁石が回転軸と同軸に配置され、この磁石
の両磁極面にそれぞれ強磁性体板が回転軸と同軸に配置
され、それぞれの強磁性体板の周縁部に強磁性体による
複数の磁極が回転軸から同半径で周方向等間隔に、かつ
形成される極の面が対向して対をなし、面間が所要の軸
方向空隙となるように配置され、前記強磁性体による複
数の磁極にそれを同時に外接及び内接する非磁性かつ電
気良導体による各案内環がそれぞれ配置され、これらが
該回転軸に一体として組み込まれた回転子と、前記回転
子の軸方向空隙に対をなした強磁性体による複数の磁極
の2倍の個数の巻線及び鉄心からなる電機子が、各巻線
及び鉄心の磁極の発生方向が回転軸と平行で、かつ隣り
合う巻線及び鉄心の磁極の発生方向が異なる向きに結線
され、回転軸から強磁性体による複数の磁極までを半径
とする円周上に周方向等間隔で配置されて支持部材に固
定された固定子とを具備しており、回転子の回転にとも
ない強磁性体による複数の磁極が、固定子の電機子巻線
及び鉄心のうち前方直近に位置する巻線及び鉄心からの
反発と後方直近に位置する巻線及び鉄心からの吸引を同
時に受けつつ発電するが、その際磁気エネルギーを回転
子の受ける反トルクを減少させる力に変換する機能をも
つことを特徴とする発電機型磁気エネルギー変換機が提
供される。
【0018】さらに、この発明によれば、磁気エネルギ
ーを電気エネルギーに変換する磁気エネルギー発電装置
にして、軸受けで支えられた回転軸と、磁極面が軸方向
にある1つの円柱状または中空円柱状磁石が回転軸と同
軸に配置され、この磁石の両磁極面にそれぞれ強磁性体
板が回転軸と同軸に配置され、それぞれの強磁性体板の
周縁部に強磁性体による複数の磁極が回転軸から同半径
で周方向等間隔に、かつ形成される極の面が対向して対
をなし、面間が所要の軸方向空隙となるように配置さ
れ、前記強磁性体による複数の磁極にそれを同時に外接
及び内接する非磁性かつ電気良導体による各案内環がそ
れぞれ配置され、これらが該回転軸に一体として組み込
まれた回転子と、前記回転子の軸方向空隙に対をなした
強磁性体による複数の磁極の2倍の個数の巻線及び鉄心
からなる電機子が、各巻線及び鉄心の磁極の発生方向が
回転軸と平行で、かつ隣り合う巻線及び鉄心の磁極の発
生方向が異なる向きに結線され、回転軸から強磁性体に
よる複数の磁極までを半径とする円周上に周方向等間隔
で配置されて支持部材に固定された固定子と、回転子の
回転時に回転位置を検出して前記強磁性体による複数の
磁極それぞれに回転方向の前方直近巻線及び鉄心からの
吸引と後方直近巻線及び鉄心からの反発が同時に発生す
るように電機子巻線への通電方向を切り替える手段と、
を具備し、磁気エネルギーを回転エネルギーへ変換する
機能をもつことを特徴とする電動機型磁気エネルギー変
換機及び、軸受けで支えられた回転軸と、磁極面が軸方
向にある1つの円柱状または中空円柱状磁石が回転軸と
同軸に配置され、この磁石の両磁極面にそれぞれ強磁性
体板が回転軸と同軸に配置され、それぞれの強磁性体板
の周縁部に強磁性体による複数の磁極が回転軸から同半
径で周方向等間隔に、かつ形成される極の面が対向して
対をなし、面間が所要の軸方向空隙となるように配置さ
れ、前記強磁性体による複数の磁極にそれを同時に外接
及び内接する非磁性かつ電気良導体による各案内環がそ
れぞれ配置され、これらが該回転軸に一体として組み込
まれた回転子と、前記回転子の軸方向空隙に対をなした
強磁性体による複数の磁極の2倍の個数の巻線及び鉄心
からなる電機子が、各巻線及び鉄心の磁極の発生方向が
回転軸と平行で、かつ隣り合う巻線及び鉄心の磁極の発
生方向が異なる向きに結線され、回転軸から強磁性体に
よる複数の磁極までを半径とする円周上に周方向等間隔
で配置されて支持部材に固定された固定子とを具備して
おり、回転子の回転にともない強磁性体による複数の磁
極が、固定子の電機子巻線及び鉄心のうち前方直近に位
置する巻線及び鉄心からの反発と後方直近に位置する巻
線及び鉄心からの吸引を同時に受けつつ発電するが、そ
の際磁気エネルギーを回転子の受ける反トルクを減少さ
せる力に変換する機能をもつことを特徴とする発電機型
磁気エネルギー変換機と、これらを始動させるセルモー
ター等慣用の始動手段と、回転を安定させる慣用の制御
手段とを具備し、電動機型磁気エネルギー変換機と発電
機型磁気エネルギー変換機のそれぞれの回転軸を同軸に
接続し、また電動機型磁気エネルギー変換機の電機子巻
線の入力と発電機型磁気エネルギー変換機の電機子巻線
の出力を接続し、始動手段により始動させることにより
発電機型磁気エネルギー変換機の出力電気エネルギーの
一部が電動機型磁気エネルギー変換機の駆動電気エネル
ギーへ帰還され、制御手段により安定な連続回転を続け
ると共に、発電機型磁気エネルギー変換機の余剰電気エ
ネルギーを外部へ取り出せることを特徴とする磁気エネ
ルギー発電装置が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の電動機型及び発電機型磁
気エネルギー変換機の回転子及び固定子の構造は基本的
に同じである。回転子と共に回転し、起磁力を与えるた
めの円柱状または中空円柱状磁石からの磁束は、両面に
取り付けられた各強磁性体板に伝わり、さらに各強磁性
体板に対向するように取り付けられた強磁性体による磁
極により、磁極間の軸方向空隙に回転軸と平行で対称な
バイポーラ状の磁界をつくる。その回転軸と平行に磁界
を作るように対向させた前記磁極とその磁極の回転方向
の前後の位置の固定された2組の巻線及び鉄心との間で
吸引と反発が同時に作用し合うとき、磁気エネルギーと
回転子の回転エネルギーあるいは巻線の電気エネルギー
との間で次の条件の変換作用が生じる。
【0020】電動機型磁気エネルギー変換機の形で作動
させる場合に必要な条件は、電動機型磁気エネルギー変
換機を前方位置で回転軸が横向きとなるように置き、左
側の強磁性体板の複数の磁極がN極で、右側がS極とな
るように1つの円柱状磁石を配置して、左側の回転軸面
から見て左回転となる条件で、強磁性体による磁極が存
在する強磁性体板の半周領域内で強磁性体による磁極に
吸引と反発が同時加わるように電機子巻線への通電切り
替えをおこない回転させると磁気エネルギーを回転エネ
ルギーに変換することができる。
【0021】また、発電機型磁気エネルギー変換機とし
て動作させる場合に必要な条件は、発電機型磁気エネル
ギー変換機を前方位置で回転軸が横向きとなるように置
き、左側の強磁性体板の複数の磁極がS極で、右側がN
極となるように1つの磁石を配置して、右側の回転軸面
から見て右回転となる条件で駆動して、強磁性体による
複数の磁極の2倍の個数の巻線及び鉄心からなり隣り合
う磁極の発生方向が異なる向きに結線された電機子巻線
から出力を取り出すことにより磁気エネルギーを巻線か
らの電気エネルギーに変換することができる。
【0022】電動機型磁気エネルギー変換機として動作
させる場合と、発電機型磁気エネルギー変換機として動
作させる場合とでは、回転子の回転方向と円柱状磁石の
磁極の方向の組み合わせで、そのいずれか一方が異な
る。すなわち、そのいずれかの一方を変えることによ
り、電動機型磁気エネルギー変換機を発電機型磁気エネ
ルギー変換機として、または発電機型磁気エネルギー変
換機を電動機型磁気エネルギー変換機として使用でき
る。
【0023】電動機型磁気エネルギー変換機の出力軸と
発電機型磁気エネルギー変換機の駆動軸を接続し、発電
機型磁気エネルギー変換機の出力電力の一部を電動機型
磁気エネルギー変換機の駆動電力へ回すことにより、磁
気エネルギー発電装置とすることができる。その際に、
電動機型磁気エネルギー変換機と発電機型磁気エネルギ
ー変換機との回転位置を同期させてやれば、電動機型磁
気エネルギー変換機の位置検出器およびスイッチング回
路、又は、整流子およびブラシを除くことが可能となる
が、停止状態からの自力起動はできないため自力運転可
能な回転数まで回転を上げるための始動装置を配置す
る。また回転の暴走を防ぎ安定化せるために、回転数を
検出した電動機型磁気エネルギー変換機への入力制御、
または電磁石方式の場合にはその励磁電流の制御等の装
置を配置する。
【0024】電動機型磁気エネルギー変換機と発電機型
磁気エネルギー変換機を同一回転軸に配置するとき、電
動機型側磁気エネルギー変換機と発電機型側磁気エネル
ギー変換機の向かい合った各強磁性体板を兼用させるこ
とが可能であり、その際は電動機型側と発電機型側の回
転方向が同じとなるため、互いの円柱または中空円柱状
磁石の方向は逆方向の配置となるため、各変換機の軸両
端方向の各強磁性体板が同極になり、回転子の各強磁性
体板から外部空間を経由する漏洩磁束が減少するため主
磁束を効率的に軸方向空隙に集中させる効果もある。
【0025】また電動機型磁気エネルギー変換機あるい
は発電機型磁気エネルギー変換機において回転方向と円
柱状磁石の磁極の方向の組み合わせで、組み合わせのい
ずれかを逆にすれば、回転エネルギーまたは電気エネル
ギーを磁気エネルギーへ変換することができ、低発熱の
回転型制動装置または低発熱の回転型電気抵抗装置とし
て使用でき、磁気エネルギー発電装置を外部から逆回転
させれば同じく低発熱の回転型制動装置となる。
【0026】本実施の形態の電動機型及び発電機型磁気
エネルギー変換機は、軸受けで支えられた非磁性の回転
軸に磁極面が軸方向にある中空円柱状磁石が回転軸と一
致するように配置され、前記磁石の両面にそれぞれ回転
軸と一致するように強磁性体板が配置され、空隙部の磁
界が対象なバイポーラ状を形成するように各強磁性体板
の周縁部に強磁性体による4個の扇形状の磁極が回転軸
から同半径で周方向等間隔で、かつ極が形成される面が
対向して対となり面間が所要の軸方向空隙となるように
配置され、強磁性体板に配置された強磁性体による4個
の磁極に、それを内接及び外接するように非磁性かつ電
気良導体による各案内環がそれぞれ配置され、回転軸に
固定して回転子とする。
【0027】回転子の強磁性体による磁極の数を4極と
したが1極でも動作する。ところが1極では回転バラン
スが取れないため2極以上がよく、4極以上の極数であ
ってもよいが多すぎると効率が悪くなる。また磁極の磁
性体内部を通る磁束の変化が起きると鉄損である渦電流
損失、ヒステリシス損失が発生するために磁気抵抗と電
気抵抗が共に小さい材質が良く、その表面に銅、銀等で
所要の厚みのメッキをするか薄いキャップを配置すれば
損失を少なくできる。
【0028】また、回転子のそれぞれの強磁性体板に配
置される対となり対向する強磁性体による複数の磁極
は、片方の強磁性体板を平板状の磁極としてもよく、そ
の場合に複数の磁極は片方の強磁性体板のみに配置する
だけでよい。
【0029】短絡管は電気良導体かつ非磁性体の材質で
磁石の周囲を囲むことで磁石部分の動的磁気抵抗を小さ
くし、磁石外部の磁気回路の磁気抵抗の変化による磁石
内部の磁束の変化を防止し損失を減らす働きをすると同
時に、磁性体による磁極に回転方向の前後より吸引、反
発の作用が働くとき磁束の収縮、膨張が起き回転軸寄り
の磁気回路が形成され回転方向に作用する力を減少させ
ることになるため、動作時に磁束が変化する方向のうち
回転軸に対して垂直方向の磁束の変化を阻止し回転方向
に作用させる働きもおこない効率をよくする。
【0030】磁性体による磁極に内接及び外接する各案
内環は各巻線からの磁束と磁極が作用して吸引及び反発
が起きるとき、磁極からの磁束を回転の前後方向に効率
的に案内して回転方向の力として有効に作用させ効率を
よくするのが目的である。また各案内環の端は磁極の面
と一致させて配置するがその長さは磁性体による磁極の
厚みと同じ位まで長くしてもよく、さらに磁性体による
磁極の取り付け部から磁極を避けて軸方向に曲げ強磁性
体板に添わせた板状の形で延長して各案内環をつなげて
もよい。またそれぞれの強磁性体板は強磁性体板間の漏
洩磁束を減少させる目的で、強磁性体による複数の磁極
が配置されていない外縁部分を所要の形に切り落として
もよい。
【0031】4対の対向する強磁性体による扇形状の磁
極の軸方向空隙間に、8個の巻線及び鉄心からなる電機
子が、磁極の方向が回転軸と平行で、かつ隣り合う巻線
及び鉄心の磁極が異なる方向となるように直列または直
並列接続をおこない、前記磁極から回転軸までを半径と
する円周上に、周方向等間隔で配置され、支持板に固定
して固定子とする。なお直並列接続する場合は隣り合う
巻線間は互いに直列接続になるようにする。
【0032】なお、電機子は鉄損であるヒステリシス損
失、渦電流損失の発生とコギング等を考慮して空芯構造
もとることができるが、巻線の電気抵抗による損失が発
生しやすいため、空隙部の磁束密度を高くして電気抵抗
の小さい絶縁電線を効率的な形状でかつ高密度に巻くよ
うにするとよい。巻回数は使用する電圧と軸方向空隙の
磁界の強さを考慮し、求める回転数または発生電圧とな
るように設定する。
【0033】固定子の電機子は強磁性体による磁極に、
その回転方向の前後から吸引と反発を同時に発生させる
ことが重要であり、そのため強磁性体による磁極数の2
倍の個数からなるとしたが、さらに角度をずらした位置
に別の組の2倍の個数の巻線を配置し、別の通電手段を
追加して運転してもよいものである。
【0034】電動機型磁気エネルギー変換機として動作
させる場合には、回転子の位置を検出して、電機子巻線
に周期的に方向を変えた電流をに流すための、光、磁気
等による位置検出器とスイッチング回路、または、整流
子とブラシを備える。
【0035】発電機型磁気エネルギー変換機として動作
させる場合には、単相同期発電機として働き電機子巻線
から直接に電力を取り出すことができる。
【0036】磁気エネルギー発電装置とする場合は1本
の回転軸に前記変換機2台を磁石の配置方向が逆方向で
それぞれの変換機の4対の強磁性体による磁極の角度が
一致するように取り付ける。また発電機型磁気エネルギ
ー変換機の電機子の各巻線及び鉄心の取り付け角度と電
動機型磁気エネルギー変換機の電機子の各巻線及び鉄心
の取り付け角度も一致させる。
【0037】これは、電動機型磁気エネルギー変換機を
運転するに必要とする電機子電流の周期と方向を、発電
機型磁気エネルギー変換器の出力の電機子電流の周期と
方向に一致させるために行う。そうすれば電動機型磁気
エネルギー変換機の通電方向の切り替え手段が不要とな
る。また発電機型磁気エネルギー変換機の電機子巻線の
巻回数は電動機型磁気エネルギー変換機の巻回数よりも
数十パーセント程多く巻き、発電機型磁気エネルギ変換
機側から電動機型磁気エネルギ変換機側に電流を流すた
めの電圧勾配をもたせる必要がある。
【0038】円柱または中空円柱状磁石には永久磁石ま
たは電磁石を使用するが電磁石を使用すれば励磁電流を
制御することにより磁石の総磁束が変化し、一定回転時
においての電動機型磁気エネルギー変換機の回転力また
は、発電機型磁気エネルギー変換機の電気出力を大幅に
制御することが可能となる。
【0039】ネオジウム・鉄・ボロン磁石の電気抵抗は
比較的大きく銅の100倍程度であるために磁石内部の
磁束の変化をおさえて渦電流損失を防ぐ目的で円柱状磁
石に外接するように円筒状の銅による動的磁界の短絡管
を配置する。
【0040】磁石の種類は、ネオジウム・鉄・ボロン磁
石以外でもよいが注意することは、フェライト系磁石は
残留磁束密度がネオジウム系の35パーセント位の約
0.35テスラと低いために断面積を大きくする必要が
あるが配置上の制約があるために同一回転数における効
率及び出力は低下する。このために高保磁力型のアルニ
コ磁石、サマリウム・コバルト磁石等のできるだけ残留
磁束密度と保磁力の大きい永久磁石または大型機の磁石
には、組み立て作業と制御の容易さ及び永久磁石のコス
ト等の点から電磁石の使用が好ましい。
【0041】磁石の形状は円柱または中空円柱状にこだ
わらず多角柱状等であってもよいし、回転軸を中心に複
数で形成しても良いし、円柱の長さを長くするために円
板状磁石を重ね合わせてもよい。要するに総合で起磁力
となる1つの磁石を回転軸を中心に形成すればよい。
【0042】回転に伴う空気抵抗と軸受けの摩擦抵抗は
出力の低下の要素になるために回転子の凸凹を減らし摩
擦抵抗の小さい軸受けを使用すると共に、回転子の遠心
力に対する機械的強度を強くする配慮が必要である。
【0043】
【実施例】以下図面を参照してこの発明の一実施例に係
わる電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機を説明
する。図1及び図2はこの発明の一実施例における電動
機型及び発電機型磁気エネルギー変換機を、また図3に
これらの各変換機で構成された磁気エネルギー発電装置
を概略的に示している。
【0044】図1に示すようにこの電動機型及び発電機
型磁気エネルギー変換機は20mm厚のアクリル板で組
んだ箱1の両側に軸受け2及び3が配置され、非磁性の
SUS304製で直径15mmの1本の回転軸4が支え
られ、回転軸4には回転子5が固定される。
【0045】回転子の構造を図4、図5に示している。
回転軸5に中空円柱状の中心に回転軸が通る穴があり両
面に磁極がある外径48mm、内径15.4mm、長さ
が105mm(厚み7.5mm×14枚直列)のネオジ
ウム・鉄・ボロン磁石7を配置し、磁石の両面にそれぞ
れ磁石と共に回転する直径120mm、厚さが10mm
の軟鉄製の板による強磁性体板6、2枚を配置し、それ
ぞれの強磁性体板に外径120mm、内径80mm、角
度40゜、厚み46mmの扇形状の軟鉄製の磁極8、4
個を回転軸から同半径で周縁部等間隔の位置に磁極面が
対向して対となる方向となるようにそれぞれ配置し、そ
れぞれの強磁性体板の4個の磁極8に、それらの磁極を
内接及び外接するように外形130mm、内径120m
m、長さ10mm及び外形80mm、内径74mm、長
さ10mmの銅による動的磁界の各案内環9A及び9B
を配置する。中空円柱状磁石には銅の短絡管10を配置
する。
【0046】図6に示す固定子11は厚みが10mmの
アクリル製の支持板に電機子用の8個の巻線を挿入する
ための直径130mmの穴をあけ、巻幅10mmとした
空芯の巻線12A〜12H、8個を巻線の磁極の向きが
回転軸と平行となる向きで、かつ回転軸から強磁性体に
よる磁極までを半径とする円周上に周方向等間隔に配置
して樹脂等により固定し、隣接する巻線の磁極方向が逆
向きとなるように直列結線して2本の引き出し線とす
る。
【0047】図11に電動機型及び発電機型磁気エネル
ギー変換機の結線図を示す。電動機型磁気エネルギー変
換機とする場合は、回転子の回転位置を検出する光また
は磁気等による位置検出器13A、13Bとスイッチン
グ回路14により電源15を制御して直列接続した電機
子巻線に通電する。半導体を使用しない方法として整流
子とブラシを用いて通電方向を切り替える方式としても
よい。
【0048】電動機型磁気エネルギー変換機の動作を図
7〜図10に示す。 (1)回転子の強磁性体による
4個の磁極の各中心が電機子の巻線12A、12C、1
2E、12Gの各中心から少し進んだ位置で位置検出器
13−A、により通電するようにする。その際4個の強
磁性体による磁極が前記巻線と反発する向きとなるよう
に通電方向を決める。そうすれば巻線12B、12D、
12F、12H、は4個の強磁性体による磁極と吸引関
係となり、4個の強磁性体による磁極は吸引する巻線の
方向に回転を始める(図7)。
(2)次に回転子の強磁性体による4個の磁極の各
中心が電機子の巻線12B、12D、12F、12Hの
中心より少し手前の位置に来たときに位置検出器13−
Aにより通電を停止させる(図8)。
(3)回転子は慣性によりの強磁
性体による4個の磁極の各中心は巻線12B、12D、
12F、12Hの中心から少し進んだ位置まで回転す
る。その位置で位置検出器13Bにより逆方向に通電す
るようにし、電機子巻線の通電方向を反転させると強磁
性体による4個の磁極は巻線12A、12C、12E、
12Gに吸引されコイル12B、12D、12F、12
Hからは反発される(図9)。 (4) 次に4個の
強磁性体による磁極の各中心が巻線12A、12C、1
2E、12Gと一致する少し手前の位置に来たときに位
置検出器13Bにより通電を停止させる(図10)。さ
らに、回転子は慣性で回転が進み巻線12A、12C、
12E、12Gの中心から少し進んだ位置に来て位置検
出器13Aにより巻線の通電方向が元の方向に戻され
る。以上の過程を繰り返し、磁性体による磁極は常に前
方直近巻線からの吸引と後方直近巻線からの反発を同時
に受けて回転子は連続回転する。
【0049】電動機型磁気エネルギー変換機の場合に電
流の向きが変化する回転子の位置付近に電機子巻線が非
導通となる期間があるために、導通する回転子の位置で
起動させるか、わずかに回転を与えて起動させるとよ
い。
【0050】発電機型磁気エネルギー変換機での動作
は、電源を切り離し、電動機型磁気エネルギー変換機の
回転方向とは逆方向に回転軸を回転させ、強磁性体によ
る磁極の軸方向空隙に作られた磁界が電機子の巻線を切
れば発電がおこなわれ電機子巻線から出力させればよ
い。その際に強磁性体による磁極は必ず回転方向に対し
て前後の位置の巻線から反発と吸引を同時に受けること
になり、磁気エネルギーにより回転子の反トルクが減少
するため軽い力で回転軸が回せ、発電機型磁気エネルギ
ー変換機としての機能がおこなわれる。
【0051】本実施例の磁気エネルギー発電装置は、前
記実施例の変換機と同じ直径の回転子で電動機型磁気エ
ネルギ変換機側と発電機型磁気エネルギ変換機側の向か
い合う各強磁性体板を共用とし、強磁性体による磁極を
多少短くしたもので比較的小型機であるため始動は回転
軸の手回しによる起動方法とした。約450rpm位で
自励回転ができるようになり、その後十秒程で運転回転
数に達する。回転の制御は並列接続された電機子巻線の
両端を全波整流して、並列型のレギュレーターを接続し
て上限電圧を直流側で27Vに制限することによりおこ
ない、24V鉛バッテリーの充電に使用した。そのとき
の回転数は約1350rpm、出力電流は約0.8Aが
得られた。またバッテリーを外してレギュレーターの電
圧調整を30Vに上げると回転数は約1500rpmと
なりレギュレーターの制御トランジスターに流れる電流
は約1.1Aとなった。この程度の回転数までが回転子
内の磁性体による磁極の取り付け強度、重量約8kgの
回転子を支えるSUS304で径15mmの回転軸の機
械的強度を考慮すれば連続運転の場合最適と思われる。
なおバッテリーの充電が完了している状態ではレギュレ
ーターの制御トランジスターの発熱が大きいためその放
熱には十分な余裕をもたせることが必要である。またレ
ギュレーターが故障し、回路が開放されれば回転子が暴
走するため二重にレギュレーターを接続すればさらに安
全である。なお回転数の測定は電機子巻線の波形周期を
オシロスコープで観測して行い、制御トランジスターの
電流はエミッター抵抗の電圧の測定によりおこなった。
また本実施例では手回しによる起動方法を採用したが大
型機の始動にはセルモーター等を用い、回転数と出力の
制御には電動機型磁気エネルギ変換機側の入力と電磁石
の励磁電流を共に制御するほうが好ましい。
【0052】
【発明の効果】前記実施例のような設計の、磁極面が方
向にある1つの円柱状または円柱状磁石を回転軸に配置
して、その磁石からの磁束により作られた回転軸と平行
に対向させた強磁性体による磁極に、回転方向の前後の
位置にある別の2組の巻線により、吸引磁束と、それと
等量の反発磁束が同時に発生するように構成された電動
機型磁気エネルギー変換機においては、磁気エネルギー
が回転エネルギーへ変換されて加わるため、入力の電気
エネルギーから見た出力の回転エネルギーの効率は10
0%をはるかに上回る結果が得られる。
【0053】また、同様に発電機型磁気エネルギー変換
機においても、磁気エネルギーが電気エネルギーの形に
変換されて加わるため、入力の回転エネルギーから見た
出力の電気エネルギーの効率は100%をはるかに上回
る結果が得られる。
【0054】また、磁気エネルギー発電装置においては
最初に起動させればその後は連続的に磁気エネルギーが
電力へ変換され外部へ出力できる。
【0055】さらに1つの磁石を配置する構造で動作空
隙面を軸方向とし、案内環の配置等により磁気エネルギ
ー変換が効率的で、電機子巻線は全部が同時に通電さ
れ、休止期間は電流の方向が切り替わる期間だけである
ため巻線の利用効率がよく電気抵抗による損失割合も比
較的小さい。
【0056】さらに、回転子の回転バランスを取りやす
いために、高速回転が可能で、効率的な磁気回路とあわ
せて、比較的小さな電動機型及び発電機型磁気エネルギ
ー変換器でも高出力が得られ、単極電動機や単極発電機
のように大きなブラシが不要で接触部がなく、電機子巻
線の巻回数を変えることにより任意の電圧に設定したも
のが製作出来る。
【0057】従来のエネルギーとして化石燃料、原子
力、水力、太陽光、太陽熱、地熱、風力、波力等がある
が、さらに、磁気エネルギーを使用の容易な回転エネル
ギー又は電気エネルギーの形に変換して加えることによ
り、エネルギーの安定供給に寄与する。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機の
側面図
【図2】電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機の
正面図
【図3】磁気エネルギー発電装置の構成図
【図4】電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機の
回転子の縦断面図
【図5】電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機の
回転子の横断面図
【図6】電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機の
固定子の平面図
【図7】電動機型磁気エネルギー変換機の第一段階の動
作図
【図8】図7の次ぎのステップの動作図
【図9】図8の次ぎのステップの動作図
【図10】図9の次ぎのステップの動作図
【図11】電動機型及び発電機型磁気エネルギー変換機
の結線図
【図12】単極電動機または単極発電機の回転子の横断
面図
【図13】単極電動機または単極発電機の回転子の縦断
面図
【符号の説明】
1...箱 2、3...軸受け 4...回転軸 5...回転子 6...強磁性体板 7...中空円柱状磁石 8...強磁性体による磁極 9A、9B...案内環 10...短絡管 11...固定子 12A〜12H...電機子の各巻線 13A、13B...位置検出器 14...スイッチング回路 15...電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受けで支えられた回転軸と、磁極面が
    軸方向にある1つの円柱状または中空円柱状磁石が回転
    軸と同軸に配置され、この磁石の両磁極面にそれぞれ強
    磁性体板が回転軸と同軸に配置され、それぞれの強磁性
    体板の周縁部に強磁性体による複数の磁極が回転軸から
    同半径で周方向等間隔に、かつ形成される極の面が対向
    して対をなし、面間が所要の軸方向空隙となるように配
    置され、前記強磁性体による複数の磁極にそれを同時に
    外接及び内接する非磁性かつ電気良導体による各案内環
    がそれぞれ配置され、これらが該回転軸に一体として組
    み込まれた回転子と、前記回転子の軸方向空隙に対をな
    した強磁性体による複数の磁極の2倍の個数の巻線及び
    鉄心からなる電機子が、各巻線及び鉄心の磁極の発生方
    向が回転軸と平行で、かつ隣り合う巻線及び鉄心の磁極
    の発生方向が異なる向きに結線され、回転軸から強磁性
    体による複数の磁極までを半径とする円周上に周方向等
    間隔で配置されて支持部材に固定された固定子と、回転
    子の回転時に回転位置を検出して前記強磁性体による複
    数の磁極それぞれに回転方向の前方直近巻線及び鉄心か
    らの吸引と後方直近巻線及び鉄心からの反発が同時に発
    生するように電機子巻線への通電方向を切り替える手段
    と、を具備し、磁気エネルギーを回転エネルギーへ変換
    する機能をもつことを特徴とする電動機型磁気エネルギ
    ー変換機。
  2. 【請求項2】 軸受けで支えられた回転軸と、磁極面が
    軸方向にある1つの円柱状または中空円柱状磁石が回転
    軸と同軸に配置され、この磁石の両磁極面にそれぞれ強
    磁性体板が回転軸と同軸に配置され、それぞれの強磁性
    体板の周縁部に強磁性体による複数の磁極が回転軸から
    同半径で周方向等間隔に、かつ形成される極の面が対向
    して対をなし、面間が所要の軸方向空隙となるように配
    置され、前記強磁性体による複数の磁極にそれを同時に
    外接及び内接する非磁性かつ電気良導体による各案内環
    がそれぞれ配置され、これらが該回転軸に一体として組
    み込まれた回転子と、前記回転子の軸方向空隙に対をな
    した強磁性体による複数の磁極の2倍の個数の巻線及び
    鉄心からなる電機子が、各巻線及び鉄心の磁極の発生方
    向が回転軸と平行で、かつ隣り合う巻線及び鉄心の磁極
    の発生方向が異なる向きに結線され、回転軸から強磁性
    体による複数の磁極までを半径とする円周上に周方向等
    間隔で配置されて支持部材に固定された固定子とを具備
    しており、回転子の回転にともない強磁性体による複数
    の磁極が、固定子の電機子巻線及び鉄心のうち前方直近
    に位置する巻線及び鉄心からの反発と後方直近に位置す
    る巻線及び鉄心からの吸引を同時に受けつつ発電する
    が、その際磁気エネルギーを回転子の受ける反トルクを
    減少させる力に変換する機能をもつことを特徴とする発
    電機型磁気エネルギー変換機。
  3. 【請求項3】 磁気エネルギーを電気エネルギーに変換
    する磁気エネルギー発電装置にして、軸受けで支えられ
    た回転軸と、磁極面が軸方向にある1つの円柱状または
    中空円柱状磁石が回転軸と同軸に配置され、この磁石の
    両磁極面にそれぞれ強磁性体板が回転軸と同軸に配置さ
    れ、それぞれの強磁性体板の周縁部に強磁性体による複
    数の磁極が回転軸から同半径で周方向等間隔に、かつ形
    成される極の面が対向して対をなし、面間が所要の軸方
    向空隙となるように配置され、前記強磁性体による複数
    の磁極にそれを同時に外接及び内接する非磁性かつ電気
    良導体による各案内環がそれぞれ配置され、これらが該
    回転軸に一体として組み込まれた回転子と、前記回転子
    の軸方向空隙に対をなした強磁性体による複数の磁極の
    2倍の個数の巻線及び鉄心からなる電機子が、各巻線及
    び鉄心の磁極の発生方向が回転軸と平行で、かつ隣り合
    う巻線及び鉄心の磁極の発生方向が異なる向きに結線さ
    れ、回転軸から強磁性体による複数の磁極までを半径と
    する円周上に周方向等間隔で配置されて支持部材に固定
    された固定子と、回転子の回転時に回転位置を検出して
    前記強磁性体による複数の磁極それぞれに回転方向の前
    方直近巻線及び鉄心からの吸引と後方直近巻線及び鉄心
    からの反発が同時に発生するように電機子巻線への通電
    方向を切り替える手段と、を具備し、磁気エネルギーを
    回転エネルギーへ変換する機能をもつことを特徴とする
    電動機型磁気エネルギー変換機及び、軸受けで支えられ
    た回転軸と、磁極面が軸方向にある1つの円柱状または
    中空円柱状磁石が回転軸と同軸に配置され、この磁石の
    両磁極面にそれぞれ強磁性体板が回転軸と同軸に配置さ
    れ、それぞれの強磁性体板の周縁部に強磁性体による複
    数の磁極が回転軸から同半径で周方向等間隔に、かつ形
    成される極の面が対向して対をなし、面間が所要の軸方
    向空隙となるように配置され、前記強磁性体による複数
    の磁極にそれを同時に外接及び内接する非磁性かつ電気
    良導体による各案内環がそれぞれ配置され、これらが該
    回転軸に一体として組み込まれた回転子と、前記回転子
    の軸方向空隙に対をなした強磁性体による複数の磁極の
    2倍の個数の巻線及び鉄心からなる電機子が、各巻線及
    び鉄心の磁極の発生方向が回転軸と平行で、かつ隣り合
    う巻線及び鉄心の磁極の発生方向が異なる向きに結線さ
    れ、回転軸から強磁性体による複数の磁極までを半径と
    する円周上に周方向等間隔で配置されて支持部材に固定
    された固定子とを具備しており、回転子の回転にともな
    い強磁性体による複数の磁極が、固定子の電機子巻線及
    び鉄心のうち前方直近に位置する巻線及び鉄心からの反
    発と後方直近に位置する巻線及び鉄心からの吸引を同時
    に受けつつ発電するが、その際磁気エネルギーを回転子
    の受ける反トルクを減少させる力に変換する機能をもつ
    ことを特徴とする発電機型磁気エネルギー変換機と、こ
    れらを始動させるセルモーター等慣用の始動手段と、回
    転を安定させる慣用の制御手段とを具備し、電動機型磁
    気エネルギー変換機と発電機型磁気エネルギー変換機の
    それぞれの回転軸を同軸に接続し、また電動機型磁気エ
    ネルギー変換機の電機子巻線の入力と発電機型磁気エネ
    ルギー変換機の電機子巻線の出力を接続し、始動手段に
    より始動させることにより発電機型磁気エネルギー変換
    機の出力電気エネルギーの一部が電動機型磁気エネルギ
    ー変換機の駆動電気エネルギーへ帰還され、制御手段に
    より安定な連続回転を続けると共に、発電機型磁気エネ
    ルギー変換機の余剰電気エネルギーを外部へ取り出せる
    ことを特徴とする磁気エネルギー発電装置。
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