JPH10185680A - 光読み出し型放射−変位変換装置、放射検出装置、並びにこれを用いた映像化装置 - Google Patents
光読み出し型放射−変位変換装置、放射検出装置、並びにこれを用いた映像化装置Info
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- JPH10185680A JPH10185680A JP35481296A JP35481296A JPH10185680A JP H10185680 A JPH10185680 A JP H10185680A JP 35481296 A JP35481296 A JP 35481296A JP 35481296 A JP35481296 A JP 35481296A JP H10185680 A JPH10185680 A JP H10185680A
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Abstract
び感度の向上を図り、しかも、外部の温度の影響を受け
難くする。 【解決手段】 被支持部3,5は、それぞれ脚部2,4
を介して基板1に支持され、1階部分及び2階部分を構
成する。被支持部3は、赤外線を受けて熱に変換する赤
外線吸収膜6と、赤外線吸収膜6にて発生した熱に応じ
てバイメタルの原理により基板1に対して変位する変位
部7と、ハーフミラー部8とを有する。被支持部5は、
基板1から脚部4を介して受ける熱に応じてバイメタル
の原理により基板1に対して変位部7と同方向に変位す
る変位部9と、全反射ミラー10とを有する。ハーフミ
ラー部8及び全反射ミラー10は、受光した読み出し光
j0を変位部7,9間の相対的な変位に応じた干渉状態
を有する干渉光に変えて出射させる。
Description
外線などの不可視光を含む種々の放射を検出等する技術
に関するものであり、特に、放射を光読み出し可能に変
位に変換する光読み出し型放射−変位変換装置、放射検
出装置、並びにこれを用いた映像化装置に関するもので
ある。
視光を検出することにより、可視光領域だけから得られ
る情報以外の物理情報を利用する研究が盛んに行われ、
様々な産業分野への応用展開が期待されている。その一
例として、赤外線の利用について述べる。
線検出器は、赤外線を光電変換の原理により電子に変換
し、その電子をCCDなどで読み出す方式が主流であ
り、この赤外線検出器は量子型赤外線検出器と呼ばれて
いる。しかしながら、この量子型赤外線検出器では、赤
外線を光電変換する場合には当該検出器を液体窒素温度
程度まで冷却する必要があった。すなわち、赤外線のフ
ォトンエネルギーは小さく、その値は常温物体における
電子の持つ熱エネルギーに概ね等しいので、電子の持つ
熱エネルギーによる影響を取り除くために検出器を液体
窒素温度程度まで冷却する必要があった。この冷却器
は、体積が大きく、機械振動を発生し寿命も短く、高価
なものとなっていた。
別の、赤外線の熱エネルギーを利用したいわゆる熱型赤
外線検出器が研究されている。この熱型赤外線検出器
は、冷却する必要がなく、非冷却型の赤外線センサーと
も呼ばれている。具体的には、入射した赤外線を吸収し
て熱エネルギーに変換し、検出器の温度に変化を生じさ
せ、それによる検出器の物性値の変化を電気的に読み出
すものである。例えば、抵抗性ボロメーターでは温度が
変わると抵抗値が変化する。
来の熱型赤外線検出器は、量子型赤外線検出器のような
大がかりな冷却器は必要ないが、検出原理そのものに課
題を持っている。それは、従来の熱型赤外線検出器で
は、入射赤外線のみによる検出器の温度変化を検出しな
ければならないにもかかわらず、温度変化を検出するた
めに検出器に電流を流さねばならない点である。すなわ
ち、温度変化検出のための電流により検出器が発熱(通
常、自己発熱と呼ぶ。)してしまうので、入射赤外線の
みによる温度変化を検出することが困難であり、検出精
度が低下していた。
感度が低い欠点があった。従来の熱型赤外線検出器で
は、例えば、抵抗の温度が1゜C変化したときの抵抗の
変化率が2%程度の物が使われているが、観測物体の温
度によって放射される赤外線を受光して温度に変換する
変換率はせいぜい1%程度である。よって、観測物体の
温度が1゜C変化しても抵抗は0.02%しか変化しな
い。
は、外部の温度の影響を受け易く、それにより出力が大
きく変化してしまう欠点があった。例えば、観測物体の
温度によって放射される赤外線を受光して温度に変換す
る変換率はせいぜい1%程度である。よって、観測物体
の温度を0.1゜Cの精度で観測するためには、検出器
自身の温度変化は0.001゜C以下にしなければなら
ない。このため、外部の温度の影響を受けないように厳
密な温度制御が可能な制御手段が必要であり、コストア
ップを免れなかった。
ならず、他の放射についても同様である。
されたもので、冷却器を必要とせずに検出精度及び感度
が高く、しかも外部の温度の影響を受け難い放射検出装
置、これに用いられる光読み出し型放射−変位変換装
置、並びにこれらを用いた映像化装置を提供することを
目的とするものである。
め、本発明の第1の態様による光読み出し型放射−変位
変換装置は、基体と、前記基体に支持された第1の被支
持部であって、放射を受けて熱に変換する放射吸収部
と、該放射吸収部にて発生した熱に応じて前記基体に対
して変位する第1の変位部と、を有する第1の被支持部
と、前記基体に支持された第2の被支持部であって、前
記基体から受ける熱に応じて前記基体に対して変位する
第2の変位部を有する第2の被支持部と、読み出し光を
受光し、受光した読み出し光に前記第1の変位部と前記
第2の変位部との間の相対的な変位に応じた変化を与え
て当該変化した読み出し光を出射させる光作用部と、を
備え、熱の増減に対する前記第1の変位部の変位方向と
前記第2の変位方向とが実質的に同一方向であるもので
ある。
記放射を一方の側から受け、前記光作用部は前記読み出
し光を前記一方の側と反対の側から受光してもよい。ま
た、前記第1の態様では、前記放射吸収部は前記放射を
一方の側から受け、前記光作用部は前記読み出し光を前
記一方の側と同じ側から受光してもよい。
紫外線等の放射が第1の被支持部の放射吸収部に照射さ
れ、当該放射が放射吸収部により吸収されて熱に変換さ
れる。放射吸収部にて発生した熱に応じて第1の被支持
部の第1の変位部が基体に対して変位する。すなわち、
入射した放射が、その量に応じた第1の変位部の変位に
変換される。第2の被支持部は放射吸収部を有しておら
ず、第2の被支持部の第2の変位部は入射放射によって
は変位しない。一方、可視光やその他の光による読み出
し光が光作用部に照射される。光作用部は、受光した読
み出し光に前記第1の変位部と前記第2の変位部との間
の相対的な変位に応じた変化を与えて当該変化した読み
出し光を出射させるので、結局、放射吸収部に照射され
た放射が読み出し光の変化に変換されることになる。し
たがって、光作用部から出射された読み出し光に基づい
て放射を検出することができる。このため、光による変
位検出は高感度で行うことができることから、前記第1
の態様によれば、放射を高感度で検出することが可能と
なる。また、前記第1の態様では、前述した従来の熱型
赤外線検出器と異なり、放射を熱を経て抵抗値(電気信
号)に変換するのではなく、放射を熱及び変位を経て読
み出し光の変化に変換するので、基体により支持された
被支持部には電流を流す必要がなく、被支持部には自己
発熱が生じない。したがって、前記第1の態様によれ
ば、入射した放射のみによる熱を検出することになるの
で、検出精度が向上する。勿論、前記第1の態様では、
前述した従来の熱型赤外線検出器と同様に、量子型赤外
線検出器において必要であった冷却器は不要である。
による放射吸収部からの熱によって変位するのみなら
ず、外部の温度が変化すると、基体に支持されているこ
とから基体を介して自身の温度変化が生ずるので、これ
によっても変位してしまう。しかし、前記第1の態様で
は、前記第2の変位部は、基体から受ける熱に応じて基
体に対して変位し、熱の増減に対する前記第1の変位部
の変位方向と前記第2の変位方向とが実質的に同一方向
であるため、第1の変位部と第2の変位部との間の相対
的な変位は、外部の温度による影響を差し引いた、入射
放射による放射吸収部からの熱にのみよって生ずる第1
の変位部の変位に近づくこととなる。したがって、光作
用部は、受光した読み出し光に前記第1の変位部と前記
第2の変位部との間の相対的な変位に応じた変化を与え
て当該変化した読み出し光を出射させることから、読み
出し光の変化には外部の温度の影響が少なくなり、一層
精度の良い放射検出を行うことができる。このため、外
部の温度の影響を受けないようにするために温度制御を
行う場合であっても、従来に比べて厳密な温度制御が必
要なくなり、コストの低減を図ることができる。
放射−変位変換装置は、放射を読み出し光の変化に変換
するものであり、その用途は、必ずしも入射する放射を
検出する用途に限定されるものではない。前記第1の態
様では、用途に応じて、入射する放射の種類や読み出し
光の種類等は適宜選択することができる。
射−変位変換装置は、前記第1の態様による光読み出し
型放射−変位変換装置において、前記第1の変位部及び
第2の変位部の各々は、異なる膨張係数を有する異なる
物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有するもの
である。この第2の態様は、変位部の例示であり、いわ
ゆる熱バイモルフ構造を採用したものである。
射−変位変換装置は、前記第1又は第2の態様による光
読み出し型放射−変位変換装置において、前記光作用部
は、読み出し光を受光し、受光した読み出し光を前記相
対的な変位に応じた干渉状態を有する干渉光に変えて出
射させる干渉手段であるものである。この第3の態様
は、光作用部の例示である。
干渉手段であり、光読み出し型放射−変位変換装置の内
部において素子毎に独立して干渉光を得ることができる
ので、複数の素子が1次元状又は2次元状に配列された
場合であっても、干渉縞が生じ難く、オフセット信号が
発生し難い。また、前記第3の態様では、光読み出し型
放射−変位変換装置の外部において干渉光学系を構成す
る必要がないので、干渉の原理に従って読み出し光学系
を構成する場合であっても、当該読み出し光学系の構成
が簡単となる。
射−変位変換装置は、前記第3の態様による光読み出し
型放射−変位変換装置において、前記干渉手段は、前記
第1の被支持部及び前記第2の被支持部のうちの一方の
一部をなすとともに前記第1の変位部及び前記第2の変
位部のうちの一方の変位に従って変位するハーフミラー
部であって、受光した読み出し光の一部のみを反射する
ハーフミラー部と、前記第1の被支持部及び前記第2の
被支持部のうちの他方の一部をなすとともに前記第1の
変位部及び前記第2の変位部のうちの他方の変位に従っ
て変位する反射部であって、前記ハーフミラー部と対向
するように配置された反射部と、を有するものである。
この第4の態様は、光作用部を構成する干渉手段の例示
である。
射−変位変換装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、前
記基体の温度に対する前記第1の変位部の変位量と前記
基体の温度に対する前記第2の変位部の変位量とが、実
質的に等しいものである。このように両者の変位量を実
質的に等しくしておくと、外部の温度による影響をほぼ
完全に打ち消すことができ、好ましい。
射−変位変換装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、前
記基体の温度に対する前記第1の変位部の熱変化時定数
と前記基体の温度に対する前記第2の変位部の熱変化時
定数とが、実質的に等しいものである。このように両者
の熱変化時定数を実質的に等しくしておくと、外部の温
度の影響による過渡的な温度変化に対しても、その影響
を打ち消すことができ、好ましい。
射−変位変換装置は、基体と、前記基体に支持された第
1の被支持部であって、放射を受けて熱に変換する放射
吸収部と、該放射吸収部にて発生した熱に応じて前記基
体に対して変位する変位部と、を有する第1の被支持部
と、前記基体に支持された第2の被支持部であって、熱
の増減に対する前記変位部の変位方向とは逆の方向に前
記基体からの熱に応じて変位しようとして前記変位部の
変位を抑制する変位抑制部を有する第2の被支持部と、
読み出し光を受光し、受光した読み出し光に前記変位部
の変位に応じた変化を与えて当該変化した読み出し光を
出射させる光作用部と、を備えたものである。
に、前記第1の態様と同様の利点が得られるが、外部温
度の影響の打ち消し方が前記第1の態様と異なる。
線、X線、紫外線等の放射が第1の被支持部の放射吸収
部に照射され、当該放射が放射吸収部により吸収されて
熱に変換される。放射吸収部にて発生した熱に応じて第
1の被支持部の変位部が基体に対して変位する。すなわ
ち、入射した放射が、その量に応じた変位部の変位に変
換される。一方、可視光やその他の光による読み出し光
が光作用部に照射される。光作用部は、受光した読み出
し光に前記変位部の変位に応じた変化を与えて当該変化
した読み出し光を出射させるので、結局、放射吸収部に
照射された放射が読み出し光の変化に変換されることに
なる。したがって、光作用部から出射された読み出し光
に基づいて放射を検出することができる。このため、光
による変位検出は高感度で行うことができることから、
前記第7の態様によれば、放射を高感度で検出すること
が可能となる。また、前記第7の態様では、前述した従
来の熱型赤外線検出器と異なり、放射を熱を経て抵抗値
(電気信号)に変換するのではなく、放射を熱及び変位
を経て読み出し光の変化に変換するので、基体により支
持された被支持部には電流を流す必要がなく、被支持部
には自己発熱が生じない。したがって、前記第7の態様
によれば、入射した放射のみによる熱を検出することに
なるので、検出精度が向上する。勿論、前記第7の態様
では、前述した従来の熱型赤外線検出器と同様に、量子
型赤外線検出器において必要であった冷却器は不要であ
る。
放射吸収部からの熱によって変位するのみならず、外部
の温度が変化すると、基体に支持されていることから基
体を介して自身の温度変化が生ずるのでこれによっても
変位しようとする。しかし、前記第7の態様では、前記
変位抑制部が、熱の増減に対する前記変位部の変位方向
とは逆の方向に基体から受ける熱に応じて基体に対して
変位しようとして前記変位部の変位を抑制するので、結
局、前記変位部の変位は、外部の温度による影響を差し
引いた、入射放射による放射吸収部からの熱にのみよっ
て生ずる変位に近づくこととなる。したがって、光作用
部は、受光した読み出し光に前記変位部の変位に応じた
変化を与えて当該変化した読み出し光を出射させること
から、読み出し光の変化には外部の温度の影響が少なく
なり、一層精度の良い放射検出を行うことができる。し
たがって、外部の温度の影響を受けないようにするため
に温度制御を行う場合であっても、従来に比べて厳密な
温度制御が必要なくなり、コストの低減を図ることがで
きる。
放射−変位変換装置も、放射を読み出し光の変化に変換
するものであり、その用途は、必ずしも入射する放射を
検出する用途に限定されるものではない。前記第7の態
様においても、用途に応じて、入射する放射の種類や読
み出し光の種類等は適宜選択することができる。
射−変位変換装置は、前記第7の態様による光読み出し
型放射−変位変換装置において、前記変位抑制部は、熱
抵抗の大きい結合部を介して前記変位部に機械的に結合
されたものである。このように、変位抑制部と変位部と
を熱抵抗の大きい結合部を介して結合すると、入射した
放射により生じた熱が変位抑制部へ逃げ難くなるので好
ましい。
射−変位変換装置は、前記第7又は第8の態様による光
読み出し型放射−変位変換装置において、前記変位部及
び前記変位抑制部の各々は、異なる膨張係数を有する異
なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有する
ものである。この第9の態様は、変位部及び変位抑制部
の例示であり、いわゆる熱バイモルフ構造を採用したも
のである。
放射−変位変換装置は、前記第7乃至第9のいずれかの
態様による光読み出し型放射−変位変換装置において、
前記光作用部は、前記第1の被支持部の一部をなすとと
もに前記変位部の変位に従って変位する反射部であっ
て、受光した読み出し光を反射する反射部であるもので
ある。この第10の態様は、光作用部の例示である。
放射−変位変換装置は、前記光作用部は、読み出し光を
受光し、受光した読み出し光を前記変位部の変位に応じ
た干渉状態を有する干渉光に変えて出射させる干渉手段
であるものである。
部である場合には、例えば、光源からの光を複数に分割
し、当該分割された光のうちの1つを前記読み出し光と
して前記各素子の前記反射部にそれぞれ照射し、前記各
素子の前記反射部から出射した各反射光と前記分割され
た光のうちの他の1つである参照光とを干渉させて干渉
光を得ることができ、反射部からの反射光を用いて光読
み出し型放射−変位変換装置の外部において干渉光を得
ることができる。しかしながら、この場合において、前
記第1及び第2の被支持部及び前記光作用部を1個の素
子として当該素子が1次元状又は2次元状に配列された
場合には、放射が入射されていない際における各素子の
反射部の高さがばらついていたり、前記参照光を反射さ
せるミラーのアライメントがわずかでもずれていたりす
ると、放射が入射されていないにもかかわらず、干渉縞
が生じてしまい、いわばオフセット信号が発生してしま
う。この点、前記第11の態様によれば、前記第3の態
様と同様に、光作用部自体が干渉手段であり、光読み出
し型放射−変位変換装置の内部において素子毎に独立し
て干渉光を得ることができるので、複数の素子が1次元
状又は2次元状に配列された場合であっても、干渉縞が
生じ難く、オフセット信号が発生し難い。また、前記第
11の態様では、前記第3の態様と同様に、光読み出し
型放射−変位変換装置の外部において干渉光学系を構成
する必要がないので、干渉の原理に従って読み出し光学
系を構成する場合であっても、当該読み出し光学系の構
成が簡単となる。
放射−変位変換装置は、前記第11の態様による光読み
出し型放射−変位変換装置において、前記干渉手段は、
前記第1の被支持部の一部をなすとともに前記変位部の
変位に従って変位するハーフミラー部であって、受光し
た読み出し光の一部のみを反射するハーフミラー部と、
該ハーフミラー部と対向するように前記基体に対して固
定された反射部と、を有するものである。この第12の
態様は、光作用部を構成する干渉手段の例示である。
放射−変位変換装置は、前記第7乃至第12のいずれか
の態様による光読み出し型放射−変位変換装置におい
て、前記基体の温度に対する前記変位部自体の変位しよ
うとする量と前記基体の温度に対する前記変位抑制部自
体の変位しようとする量とが、実質的に等しいものであ
る。このように両者の変位量を実質的に等しくしておく
と、外部の温度による影響をほぼ完全に打ち消すことが
でき、好ましい。
放射−変位変換装置は、前記第7乃至第13のいずれか
の態様による光読み出し型放射−変位変換装置におい
て、前記基体の温度に対する前記変位部の熱変化時定数
と前記基体の温度に対する前記第1の変位部の熱変化時
定数とが、実質的に等しいものである。このように両者
の熱変化時定数を実質的に等しくしておくと、外部の温
度の影響による過渡的な温度変化に対しても、その影響
を打ち消すことができ、好ましい。
放射−変位変換装置は、前記第1乃至第14のいずれか
の態様による光読み出し型放射−変位変換装置におい
て、前記放射が赤外線であるものである。もっとも、前
記第1乃至第14の態様では、前記放射が赤外線に限定
されないことは、前述した通りである。
放射−変位変換装置は、前記第1乃至第15のいずれか
の態様による光読み出し型放射−変位変換装置におい
て、前記第1の被支持部、前記第2の被支持部及び前記
光作用部を1個の素子として当該素子を複数個有し、当
該素子が1次元状又は2次元状に配列されたものであ
る。
を検出する場合には1個の素子(画素に相当)のみを有
していればよい。しかし、前記第16の態様のように、
1次元状又は2次元状に配列された複数の素子を有して
いれば、放射による1次元又は2次元の光学像を形成し
たり、放射による1次元又は2次元の像を撮像したりす
ることができる。
は、前記第1乃至第15のいずれかの態様による光読み
出し型放射−変位変換装置と、前記光作用部に前記読み
出し光を照射し、前記光作用部から出射された前記変化
した読み出し光に基づいて前記相対的な変位又は前記変
位部の変位を検出する変位検出手段と、を備えたもので
ある。
変化が放射の量に相当することから、変位検出手段から
の変位検出信号が、結局、放射検出信号となる。そし
て、前記第17の態様によれば、前記第1乃至第15の
いずれかの態様による光読み出し型放射−変位変換装置
が用いられているので、放射を高感度で検出することが
できるとともに、検出精度が向上し、しかも、外部の温
度による影響を受け難い。
は、前記第16の態様による光読み出し型放射−変位変
換装置と、前記各素子の前記光作用部にそれぞれ前記読
み出し光を照射し、前記各素子の前記光作用部から出射
された前記変化した読み出し光に基づいて前記各素子の
前記相対的な変位又は前記変位部の変位に応じた光学像
を形成する読み出し光学系と、を備えたものである。
態様による光読み出し型放射−変位変換装置を用いて、
読み出し光学系により各素子の相対的な変位又は変位部
の変位に応じた光学像を形成している。したがって、放
射の像を精度良く当該光学像として形成することができ
るとともに、感度が高まり、しかも外部の温度による影
響を受け難い。のみならず、前記第18の態様によれ
ば、読み出し光に基づいて各素子の相対的な変位又は変
位部の変位に応じた光学像を形成しているので、読み出
し光として可視光を用いれば、放射の像に相当する当該
光学像を肉眼により観察することができる。従来の赤外
線撮像装置を用いた場合には、電気信号あるいは画像デ
ータに変換した後にそれに基づいて表示装置に像を表示
しなければ赤外線の像を観察することが不可能であった
のに対し、前記第18の態様では、読み出し光として可
視光を用いれば、電気信号あるいは画像データを介在さ
せることなく、肉眼で放射の像を観察することができる
のである。勿論、形成された光学像を撮像手段で撮像し
てもよい。
放射−変位変換装置、放射検出装置、並びにこれを用い
た映像化装置について図面を参照して説明する。以下の
説明では、放射を赤外線とし読み出し光を可視光とした
例について説明するが、本発明では、放射を赤外線以外
のX線や紫外線やその他の種々の放射としてもよいし、
また、読み出し光を可視光以外の他の光としてもよい。
第1の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装
置について、図1及び図2を参照して説明する。
読み出し型放射−変位変換装置を示す図であり、図1
(a)はその単位画素(単位素子)の2階建て構造の2
階部分を模式的に示す平面図、図1(b)はその1階部
分を模式的に示す平面図、図1(c)は図1(a)
(b)中のA−A’線に沿った断面図、図1(d)は図
1(a)(b)中のB−B’線に沿った断面図である。
図2は、第1の実施の形態による光読み出し型放射−変
位変換装置の画素の配置状態を示す平面図である。
は、基体としての基板1と、脚部2を介して基板1上に
浮いた状態に支持された第1の被支持部3と、脚部4を
介して基板1上に浮いた状態に支持された第2の被支持
部5と、を備えている。本実施の形態では、第1及び第
2の被支持部3,5は2階建て構造を構成しており、第
1の被支持部3が2階部分、第2の被支持部5が1階部
分となっている。
3,5が設けられ、基板1の下方から赤外線iが入射さ
れるとともに基板1の上方から読み出し光j0が入射さ
れるように構成されているので、基板1は、赤外線iを
透過する材料で構成されている。具体的には、基板1と
して、シリコン基板やGe基板などを用いることができ
る。もっとも、基板1の下方から読み出し光j0が入射
されるとともに基板1の上方から赤外線iが入射される
場合には、読み出し光j0を透過させる材料で基板1を
構成しておけばよい。もっとも、基板1における赤外線
又は読み出し光の所望の通過領域に開口を形成すれば、
基板1の材料は何ら限定されるものではない。
持部3は、脚部2に直接固定されて中央に配置され赤外
線を受けて熱に変換する赤外線吸収膜6と、該赤外線吸
収膜6にそれぞれ一端側部分が固定され赤外線吸収膜6
の両側に配置された第1の変位部7と、各第1の変位部
7の自由端側に固定され第1の変位部7とともに赤外線
吸収膜6をコ字状に囲むように配置された、読み出し光
j0の一部のみを反射させるハーフミラー部8と、を備
えている。第1の変位部7は、カンチレバーを構成して
いる。本実施の形態では、赤外線吸収膜6は、第1の変
位部7と熱的につながっているが、第1の変位部7が変
位しても動かない構造になっている。
ば、例えば、金黒、セラミックス(例えば、ZrO2,
MnO2,FeO3,CoO,CuO,Al2O3,Mg
O,SiO2などの混合焼結体)、ポジレジスト、ネガ
レジスト、グラファイト(カーボン)、SiNなどを用
いることができる。
つの膜7a,7bから構成されている。膜7a及び7b
は、互いに異なる膨張係数を有する異なる物質で構成さ
れており、いわゆる熱バイモルフ構造を構成している。
したがって、本実施の形態では、第1の変位部7は、赤
外線吸収膜6にて発生した熱に応じて基板1に対して変
位する。下側の膜7aの膨張係数が上側の膜7bの膨張
係数より大きい場合には、赤外線吸収膜6で発生した熱
により上方に湾曲して傾斜する。逆に、下側の膜7aの
膨張係数が上側の膜7bの膨張係数より小さくてもよ
く、この場合には、当該熱により下方に湾曲して傾斜す
ることになる。
する任意の材料で構成すればよい。例えば、膜204,
205の材料としては、Al、Ag、MgOなどやバイ
メタルの材料として知られている下記の表1に挙げる金
属材料を用いることができる。
から浮いているので、被支持部3と基板1との間の熱抵
抗が大きくなっている。さらに、本実施の形態では、脚
部2は、SiO2などの絶縁材料により構成されてお
り、被支持部3と基板1との間が電気的に絶縁されてい
る。このような絶縁材料は熱伝導率が低くて熱抵抗が大
きいので、被支持部3と基板1との間の熱抵抗が一層大
きくなっている。したがって、被支持部3から熱エネル
ギーが逃げ難く、わずかな赤外線の入射によっても赤外
線吸収膜6は温度上昇を生じ、赤外光検出感度が高ま
る。なお、脚部4も、脚部2と同様に、SiO2などに
より構成されている。
持部5は、脚部4に一端側部分が直接固定され前記両側
の第1の変位部7のそれぞれ下方に配置された第2の変
位部9と、各第2の変位部9の自由端側に固定され各第
2の変位部9とともにコ字状をなすように配置された、
ハーフミラー部8を透過した読み出し光を反射させる反
射部としての全反射ミラー10と、を備えている。全反
射ミラー10は前記ハーフミラー部8と対向している。
第2の変位部9は、カンチレバーを構成している。第2
の変位部9も、前記第1の変位部7と同様に、互いに重
なった2つの膜9a,9bから構成されている。膜9a
及び9bは、互いに異なる膨張係数を有する異なる物質
で構成されており、いわゆる熱バイモルフ構造を構成し
ている。したがって、本実施の形態では、膜9a,9b
は、基体1から脚部4を介して受ける熱に応じて基板1
に対して変位する。膜9a,9bも、前記膜7a,7b
と同様に、互いに異なる膨張係数を有する任意の材料で
構成すればよいが、熱の増減に対する第2の変位部9の
変位方向は、第1の変位部7の変位方向と同一方向とな
るように設定されている。すなわち、本実施の形態で
は、第2の変位部9の下側の膜9aと上側の膜9bとの
膨張係数の大小関係と、第1の変位部7の下側の膜7a
と上側の膜7bとの膨張係数の大小関係とが同一となる
ように、各膜の材料が選定されている。
光j0がハーフミラー部8に入射すると、当該読み出し
光j0の一部がハーフミラー部8で反射されて反射光j1
となり、ハーフミラー部8に入射した読み出し光j0の
残りはハーフミラー部8を透過して全反射ミラー10で
反射されて再度ハーフミラー部8に下面から入射する。
下面からハーフミラー部8に再度入射した読み出し光の
うちの一部がハーフミラー部8を透過し透過光j2とな
る。この透過光j2と前記反射光j1との間には、ハーフ
ミラー部8と全反射ミラー10との間の間隔の2倍に対
応する光路長差がある。よって、反射光j1と透過光j2
との間でこの光路長差に応じた干渉が起こり、反射光j
1及び透過光j2がこの光路長差に応じた(したがって、
第1の変位部7と第2の変位部9との間の相対的な変位
に応じた)干渉強度を有する干渉光となってハーフミラ
ー部8から出射されることになる。なお、この干渉光の
干渉強度は反射光j1の強度と透過光j2の強度とが等し
いときに最も強くなるので、ハーフミラー部8の反射率
を約38%にすることが望ましい。
態では、ハーフミラー部8及び全反射ミラー10が、読
み出し光j0を受光し、受光した読み出し光j0を第1の
変位部7と第2の変位部9との間の相対的な変位に応じ
た干渉状態を有する干渉光に変えて出射させる干渉手段
を構成しており、ひいては、読み出し光j0を受光し、
受光した読み出し光j0に第1の変位部7と第2の変位
部9との間の相対的な変位に応じた変化を与えて当該変
化した読み出し光を出射させる光作用部を構成してい
る。
1及び第2の被支持部3,5、ハーフミラー部8、全反
射ミラー10及び脚部2,4を単位画素(単位素子)と
して、当該画素が基板1上に2次元状に配置されてい
る。もっとも、必要に応じて当該画素は基板1上に1次
元状に配置してもよいし、単に放射の強度のみを検出す
るような場合には、単一の画素のみを基板1上に配置し
てもよい。この点は、後述する図6及び図7に示す変換
装置、図10に示す変換装置、並びに図12に示す変換
装置についても、同様である。
1(c)(d)及び図2に示すように、照射される読み
出し光j0のうちの光作用部を構成するハーフミラー部
8から出射する干渉光以外の光をマスクするマスク11
を有している。マスク11は、ハーフミラー部8に対応
する領域に開口11aを有している。このマスク11a
は、例えば、本実施の形態による変換装置を収容し得る
後述する図5に示す容器110に設けられた読み出し光
用の入射窓113上に黒色の塗料を塗布することにより
形成することができる。照射される読み出し光j0のう
ちのハーフミラー部8から出射する干渉光が信号光であ
るが、読み出し光のうちの当該信号光以外の光(すなわ
ち、ノイズ光)が当該信号光に混じると、いわゆるS/
Nが低下してしまう。この点、本実施の形態によれば、
マスク11を有しているので、当該ノイズ光が信号光に
混じらず、S/Nが向上する。もっとも、本発明では、
必ずしもマスク11を設ける必要はない。
読み出し型放射−変位変換装置は例えば半導体製造工程
を利用して製造することができるが、その製造方法の一
例について、図3を参照して説明する。
断面図である。なお、図3(a)(b)は同一工程を示
し、図3(c)(d)は同一工程を示し、図3(e)
(f)は同一工程を示している。図3(a)(c)
(e)は、図1(d)と対応しており、図1(a)
(b)中のB−B’断面に相当している。図3(b)
(d)(f)は、図1(c)と対応しており、図1
(a)(b)中のA−A’断面に相当している。
21上に全面にスピンコート法等によりポリイミド膜2
2を被着させ、該ポリイミド膜22における前記脚部4
に相当する箇所にフォトリソエッチング法により穴をあ
ける。その後、当該穴を埋めるように、プラズマCVD
法などの低温工程でポリイミド膜22上の全面に前記脚
部4の材料となるべきシリコン酸化膜23をデポジショ
ンする。次に、フォトリソエッチング法により、脚部4
の形状に合わせてシリコン酸化膜23をパターニングす
る。次に、前記膜9a及び前記全反射ミラー10となる
べき金属24をスパッタ法により被着させ、当該金属2
4を前記膜9a及び前記全反射ミラー10の形状に合わ
せてそれぞれフォトリソエッチング法によりパターニン
グする。その後、同様に、前記膜9bとなるべき金属2
5をスパッタ法により被着させ、当該金属25を前記膜
9bの形状に合わせてそれぞれフォトリソエッチング法
によりパターニングする(図3(a)(b))。
ンコート法等によりポリイミド膜26を被着させ、該ポ
リイミド膜26における前記脚部2に相当する箇所にフ
ォトリソエッチング法により穴をあける。その後、当該
穴を埋めるように、プラズマCVD法などでポリイミド
膜26上の全面に前記脚部2の材料となるべきシリコン
酸化膜27をデポジションする。次に、フォトリソエッ
チング法により、脚部2の形状に合わせてシリコン酸化
膜27をパターニングする。次いで、前記赤外線吸収膜
6となるべき金黒28をスパッタ法により被着させ、当
該金黒28を前記赤外線吸収膜6の形状に合わせてフォ
トリソエッチング法によりパターニングする。その後、
前記膜7a,7bとなるべき金属29,30をスパッタ
法により順次被着させ、当該金属29,30を前記膜7
a,7bの形状に合わせてフォトリソエッチング法によ
りパターニングする。次いで、この状態の基板21の全
面にプラズマCVD法等により前記ハーフミラー部8の
一部を構成する支持部となるべきシリコン酸化膜31を
デポジションし、当該シリコン酸化膜31を前記ハーフ
ミラー部8の形状に合わせてフォトリソエッチング法に
よりパターニングする。ハーフミラー部8を構成する支
持部(図1では図示せず)はシリコン酸化膜31により
構成されることから、可視光に対して透明である。その
後、シリコン酸化膜31等の上に、前記ハーフミラー部
8の一部を構成するハーフミラーの材料となるべきチタ
ンなどの金属32を所望の反射率を得るように非常に薄
くスパッタ法等により被着させ、当該金属32をハーフ
ミラー部8の形状に合わせてフォトリソエッチング法に
よりパターニングする(図3(c)(d))。
マアッシングを行うなどによりポリイミド膜22,26
を除去する(図3(e)(f))。これにより、図1及
び図2に示す光読み出し型放射−変位変換装置が完成す
る。
図2に示す光読み出し型放射−変位変換装置によれば、
赤外線iが図1(c)(d)中の下方から入射される。
この赤外線iは、基板1を透過して赤外線吸収膜6によ
り吸収されて熱に変換される。赤外線吸収膜6にて発生
した熱が変位部7に伝導され、その熱に応じて変位部7
が上方又は下方に湾曲して傾斜する。第2の被支持部5
は赤外線吸収膜を有しておらず、変位部9は赤外線iに
よっては変位しない。一方、後述する読み出し光学系に
より、可視光の読み出し光j0が、図1(c)(d)中
の上方からマスク11の開口11aを介して入射されて
ハーフミラー部8に照射される。その結果、前述したよ
うに、ハーフミラー部8に入射した読み出し光j0は変
位部7,9間の相対的な変位に応じた干渉状態を有する
干渉光に変化させられ、当該干渉光がハーフミラー部8
から図1(c)(d)の上方に出射される。したがっ
て、赤外線吸収膜6に入射された赤外線iが読み出し光
の干渉状態に変換されることになり、後述するように、
この干渉光に基づいて赤外線を検出することができる。
えば、前記表1に挙げる金属材料を用いた場合、表1の
比曲率K並びに変位部7の厚さd及び長さLから、変位
部7の1゜Cの温度変化に対する、一端が固定されてい
るときの自由端の変位Dは、次の数1により計算でき
る。
1μmで比曲率Kが3×10-4であれば、変位Dは0.
6μmとなる。さらに、観測物体の温度によって放射さ
れる赤外線を受光して温度に変換する変換率を前述した
とおり1%とすると、バイメタルの変位は6nmとな
る。
射光j1との間には、ハーフミラー部8と全反射ミラー
10との間の間隔の2倍に対応する光路長差があり、こ
れによって干渉が起こるので、例えば、読み出し光j0
の波長が500nmであれば、干渉は1/2波長ごとに
強弱を繰り返すので、当該間隔が125nm変化するご
とに強弱を繰り返す。
期125nmの4.8%に相当し、従来の抵抗変化0.
02%に比べ非常に大きい。
微小な変位を高感度で検出する技術を赤外線の検出に応
用しているので、従来より高感度な検出が可能である。
て抵抗値(電気信号)に変換するのではなく、赤外線を
熱及び変位を経て読み出し光の変化に変換するので、基
板1により支持された被支持部3には電流を流す必要が
なく、被支持部3には自己発熱が生じない。したがっ
て、本実施の形態によれば、入射した赤外線のみによる
熱を検出することになるので、S/Nが向上し、検出精
度が向上する。勿論、本実施の形態では、量子型赤外線
検出器において必要であった冷却器は不要である。
外線iによる赤外線吸収膜6からの熱によって変位する
のみならず、外部の温度が変化すると、脚部2を介して
基板1に支持されていることから脚部2の熱抵抗が大き
いとはいえ基板1を介して自身の温度変化が生ずるの
で、これによっても変位してしまう。しかし、本実施の
形態では、第2の変位部9は、基板1から受ける熱に応
じて基板1に対して変位部9と同方向に変位するため、
第1の変位部7と第2の変位部9との間の相対的な変位
(したがって、ハーフミラー部8と全反射ミラー10と
の間の相対的な変位)は、外部の温度による影響を差し
引いた、入射した赤外線iによる赤外線吸収膜6からの
熱にのみよって生ずる第1の変位部9の変位に近づくこ
ととなる。したがって、ハーフミラー部8から得られる
干渉光の干渉状態の変化には外部の温度の影響が少なく
なり、一層精度の良い赤外線検出を行うことができる。
このため、図5を参照して後述するように、外部の温度
の影響を受けないようにするために温度制御を行う場合
であっても、従来に比べて厳密な温度制御が必要なくな
り、コストの低減を図ることができる。
第2の変位部7,9の変位量を実質的に等しくしておく
と、外部の温度による影響をほぼ完全に打ち消すことが
でき、好ましい。この場合、具体的には、第1及び第2
の変位部7,9を同じ材料と同じ寸法で製作すればよ
い。
第2の変位部7,9の熱変化時定数を実質的に等しくし
ておくと、外部の温度の影響による過渡的な温度変化に
対しても、その影響を打ち消すことができ、好ましい。
この場合、具体的には、脚部2と脚部4の熱抵抗はその
他の部材の熱抵抗に較べて大きいので、この脚部2,4
の長さや太さを調節し、両者の熱抵抗を等しくしてお
く。また、赤外線吸収層6と第1の変位部7とハーフミ
ラー部8とからなる第1の被支持部3の熱容量と、第2
の変位部9と全反射ミラー10とからなる第2の被支持
部5の熱容量を等しくしておく。このように熱抵抗と熱
容量を等しくしておけば熱時定数が等しくなる。必ずし
も熱抵抗と熱容量の両方をそれぞれ等しくしなくても、
熱抵抗と熱容量の積が等しくなるようにすればよい。
に、赤外線吸収膜6は、第1の変位部7と熱的につなが
っているが、第1の変位部7が変位しても動かない構造
になっている。したがって、赤外線吸収膜6の厚さを厚
くして吸収率を上げても、変位部7の動き易さを妨げな
い。
部8と全反射ミラー10とを入れ換えてもよく、その場
合には、読み出し光j0を下方から照射すればよい。ま
た、本実施の形態では、前記第1の被支持部3を2階部
分とするとともに前記第2の被支持部5を1階部分とし
ているが、逆に、前記第1の被支持部3を1階部分とす
るとともに前記第2の被支持部5を2階部分としてもよ
い。この場合、読み出し光j0を下方から照射するとき
にはそのままの構造でよいが、本実施の形態と同様に読
み出し光j0を上方から照射するときにはハーフミラー
部8と全反射ミラー10とを入れ換えればよい。
の実施の形態による映像化装置について、図4を参照し
て説明する。図4は、本実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
1の実施の形態による図1及び図2に示す光読み出し型
放射−変位変換装置(図4においては符号100で示し
ており、図1(c)(d)中の上方向及び下方向が図4
中の右方向及び左方向にそれぞれ対応している。)と、
赤外線iを集光して変換装置100の赤外線吸収膜6が
分布している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の
結像レンズ40と、変換装置100の前記各素子(画
素)のハーフミラー部8にそれぞれ前記読み出し光j0
を照射し、前記各素子のハーフミラー部8から出射され
た干渉光に基づいて前記各素子の第1及び第2の変位部
7,9間の相対的な変位に応じた光学像を形成する読み
出し光学系と、を備えている。したがって、この読み出
し光学系は、前記各素子の光作用部にそれぞれ前記読み
出し光j0を照射し、前記各素子の前記光作用部から出
射された前記変化した読み出し光に基づいて前記各素子
の第1及び第2の変位部7,9間の相対的な変位に応じ
た光学像を形成することになる。
置は、光源41、絞り42(これに代えて照明レンズを
用いてもよい。)、ビームスプリッタ43、レンズ4
4,45を備えており、これらが前記読み出し光学系を
構成している。
り、赤外線iが集光されて変換装置100の赤外線吸収
膜6が分布している面上に赤外線画像が結像される。そ
の結果、変換装置100の各画素の赤外線吸収膜6に対
する入射赤外線の量に応じて、各画素の第1の変位部7
が変位する。第2の被支持部5は赤外線吸収膜を有して
おらず、第2の変位部9は赤外線iによっては変位しな
い。
プリッタ43にて反射され、レンズ44を経て読み出し
光j0として変換装置100に入射される。その結果、
第1の実施の形態に関して説明したように、各素子(画
素)の変位部7,9間の相対的な変位に応じた干渉強度
を有する干渉光が各素子のハーフミラー部8からレンズ
44へ向けて出射され、この干渉光が、レンズ44、ビ
ームスプリッタ43及びレンズ45を経由し、干渉光に
よる光学像が形成され、これが肉眼46にて観察され
る。このようにして、入射赤外線画像が可視画像に変換
されることになる。
元CCD等を配置して前記光学像を撮像してもよい。こ
の場合には、感度ばらつきやオフセットなどを電気的に
補正することもできる。なお、このCCDの画素数は変
換装置100の画素数と一致している必要はないが、同
程度であることが望ましい。
定されるものではない。変換装置100はその内部で干
渉を起こすのであるから、外部に干渉を起こすための光
学系は必要なく、単に干渉を起こす読み出し光を供給
し、その干渉強度を観察できる光学系があれば十分であ
る。また、読み出し光は単色光に限らず、白色光でも良
い。白色光であれば干渉強度は干渉色として観察され
る。また、読み出し光として波長の異なる2種類の単色
光を用いれば、単色光ではわからない一周期以上ずれた
干渉の場合でも光路長差がわかるので、単色光を用いる
場合に比べて、よりダイナミックレンジの広い赤外線を
観察できる。
変位変換装置100(後述する図6及び図7に示す変換
装置、図10に示す変換装置並びに図12に示す変換装
置も同様。)は、使用に際して、図5に示すような内部
110aを真空にした容器110内に収容することが好
ましい。このように真空の容器110内に変換装置10
0を収容すると、断熱性能が向上し、赤外線による膜
4,5の温度上昇が大きくなり、外部の温度変化に対し
ての基板1の温度変化を小さくできる。さらに、変換装
置100の基板1の温度の変化を抑えるためには、ペル
チェ素子のような発熱や吸熱を行える温度コントロール
装置111を容器110に熱的に密に接触させ、温度制
御を行うことも有効である。この場合、前述したよう
に、変換装置100自体が外部の温度の影響を受け難い
ので、当該温度制御を厳密に行う必要がなくなる。
100を収容した状態を模式的に示す断面図であり、変
換装置100は容器110に取り付けてある。容器11
0の赤外線iの入射側には、不要な光をカットしかつ内
部110aを真空を保持するための窓112が取り付け
てある。容器110の読み出し光jの入射側には、不要
な光をカットしかつ内部110aを真空に保持するため
の窓113が取り付けてある。容器110の内部110
aは、真空に排気されている。
B’矢視図である。温度コントロール装置111は読み
出し光jの入射を妨げないように中心をくりぬいた環状
の形になっている。
変換装置100に接してあるいは変換装置110の基板
1内に温度センサを設け、該温度センサからの検出信号
を利用して温度コントロール装置111の温度制御が行
われる。
14に示す映像化装置も同様。)では、使用に際して、
光読み出し型放射−変位変換装置を含んだ光学系全体
を、被支持部3,5の機械的な共振周波数では共振しな
いような防震容器に入れておくことが望ましい。
第3の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装
置について、図6及び図7を参照して説明する。
による光読み出し型放射−変位変換装置を示す図であ
り、図6(a)はその単位画素(単位素子)を模式的に
示す平面図、図6(b)は図6(a)中のD−D’線に
沿った断面図、図6(c)は図6(a)中のE−E’線
に沿った断面図、図7(a)は図6(a)中のF−F’
線に沿った断面図、図7(b)は図6(a)中のG−
G’線に沿った断面図である。
は、基体としての基板51と、脚部52を介して基板5
1上に浮いた状態に支持された第1の被支持部53と、
脚部54を介して基板51上に浮いた状態に支持された
第2の被支持部55と、を備えている。本実施の形態で
は、第1及び第2の被支持部53,55は略同一の高さ
に設けられている。
53,55が設けられ、基板51の下方から赤外線iが
入射されるとともに基板51の上方から読み出し光j0
が入射されるように構成されているので、基板51は、
赤外線iを透過する材料で構成されている。もっとも、
基板51の下方から読み出し光j0が入射されるととも
に基板51の上方から赤外線iが入射される場合には、
読み出し光を透過させる材料で基板51を構成しておけ
ばよい。この場合には、例えば、後述するハーフミラー
部58を全反射ミラーとするとともに後述する全反射ミ
ラー61をハーフミラーとすればよい。もっとも、基板
51における赤外線又は読み出し光の所望の通過領域に
開口を形成すれば、基板51の材料は何ら限定されるも
のではない。
は、図1中の2階部分の被支持部3と同様に構成されて
いる。すなわち、第1の被支持部53は、脚部52に直
接固定されて中央に配置され赤外線を受けて熱に変換す
る赤外線吸収膜56と、該赤外線吸収膜56にそれぞれ
一端側部分が固定され赤外線吸収膜56の両側に配置さ
れた変位部57と、各変位部57の自由端側に固定され
変位部57とともに赤外線吸収膜56をコ字状に囲むよ
うに配置された、読み出し光j0の一部のみを反射させ
るハーフミラー部58と、を備えている。変位部57
は、カンチレバーを構成している。本実施の形態におい
ても、赤外線吸収膜56は、変位部57と熱的につなが
っているが、変位部57が変位しても動かない構造にな
っている。基板51上におけるハーフミラー部58と対
向する領域には、ハーフミラー部58を透過した読み出
し光を反射させる反射部としての全反射ミラー61が形
成されている。
7と同様に、互いに重なった2つの膜57a,57bか
ら構成されている。膜57a及び57bは、互いに異な
る膨張係数を有する異なる物質で構成されており、いわ
ゆる熱バイモルフ構造を構成している。
6、膜57a,57bの材料としては、それぞれ前述し
た図1中の脚部2,4、赤外線吸収膜6、膜7a,7b
と同様の材料を用いることができる。
読み出し光j0がハーフミラー部58に入射すると、当
該読み出し光j0の一部がハーフミラー部58で反射さ
れて反射光j1となり、ハーフミラー部58に入射した
読み出し光j0の残りはハーフミラー部58を透過して
全反射ミラー61で反射されて再度ハーフミラー部58
に下面から入射する。下面からハーフミラー部58に再
度入射した読み出し光のうちの一部がハーフミラー部5
8を透過し透過光j2となる。この透過光j2と前記反射
光j1との間には、ハーフミラー部58と全反射ミラー
61との間の間隔の2倍に対応する光路長差がある。よ
って、反射光j1と透過光j2との間でこの光路長差に応
じた干渉が起こり、反射光j1及び透過光j2がこの光路
長差に応じた(したがって、変位部57の変位に応じ
た)干渉強度を有する干渉光となってハーフミラー部5
8から出射されることになる。なお、ハーフミラー部5
8の反射率を約38%にすることが望ましい。
態では、ハーフミラー部58及び全反射ミラー61が、
読み出し光j0を受光し、受光した読み出し光j0を変位
部57の変位に応じた干渉状態を有する干渉光に変えて
出射させる干渉手段を構成しており、ひいては、読み出
し光j0を受光し、受光した読み出し光j0に変位部57
の変位に応じた変化を与えて当該変化した読み出し光を
出射させる光作用部を構成している。
は、第1の被支持部53の両側にそれぞれ配置されてい
る。第2の被支持部55は、脚部54に一端側部分が直
接固定された変位抑制部59を有しており、該変位抑制
部59はカンチレバーを構成している。変位抑制部59
は、変位部57と同様に、互いに重なった2つの膜59
a,59bから構成されている。膜59a,59bは、
互いに異なる膨張係数を有する異なる物質で構成されて
おり、いわゆる熱バイモルフ構造を構成している。膜5
9a,59bは、前記膜57a,57bと同様に、互い
に異なる膨張係数を有する任意の材料で構成すればよい
が、熱の増減に対する変位抑制部59の変位しようとす
る方向は、変位部57の変位方向と逆方向となるように
設定されている。すなわち、本実施の形態では、変位抑
制部59の下側の膜59aと上側の膜59bとの膨張係
数の大小関係と、変位部57の下側の膜57aと上側の
膜57bとの膨張係数の大小関係とが逆になるように、
各膜の材料が選定されている。変位抑制部59の自由端
側は、熱抵抗の大きい結合部60を介してハーフミラー
部58に機械的に結合され、ひいては変位部57に機械
的に結合されている。したがって、本実施の形態では、
変位抑制部59は、熱の増減に対する変位部57の変位
方向とは逆方向に、基体51から脚部54を介して受け
る熱に応じて基板1に対して変位しようとして変位部5
7の変位を抑制する。
形態においても、第1及び第2の被支持部53,55、
ハーフミラー部58、全反射ミラー61及び脚部52,
54を単位画素(単位素子)として、当該画素が基板1
上に2次元状に配置されている。
図7に示すように、図1及び図2中のマスク11と同様
のマスク62が設けられている。マスク62は、ハーフ
ミラー部58に対応する領域に開口62aを有してい
る。
示す光読み出し型放射−変位変換装置の製造方法の一例
について、図8及び図9を参照して説明する。
面図、図9は図8に示す工程に引き続く工程を示す概略
断面図である。なお、図8(a)〜(d)は同一工程を
示し、図8(e)〜(h)は同一工程を示し、図8
(i)〜(l)は同一工程を示し、図9(a)〜(d)
は同一工程を示し、図9(e)〜(h)は同一工程を示
している。図8(a)(e)(i)及び図9(a)
(e)は図6(b)と対応しており、図6(a)中のD
−D’断面に相当している。図8(b)(f)(j)及
び図9(b)(f)は図6(c)と対応しており、図6
(a)中のE−E’断面に相当している。図8(c)
(g)(h)及び図9(c)(g)は図7(a)と対応
しており、図6(a)中のF−F’断面に相当してい
る。図8(d)(h)(l)及び図9(d)(h)は図
7(b)と対応しており、図6(a)中のG−G’断面
に相当している。
板71上に前記全反射ミラー61の材料となるべきチタ
ンなど高融点金属72をスパッタ法等により被着させ、
当該高融点金属72を全反射ミラー61の形状に合わせ
てパターニングする。次いで、この状態の基板71の全
面にスピンコート法等によりポリイミド膜73を被着さ
せ、該ポリイミド膜73における前記脚部52,54に
相当する箇所にフォトリソエッチング法により穴をあけ
る。その後、当該穴を埋めるように、プラズマCVD法
などの低温工程でポリイミド膜73上の全面に前記脚部
52,54の材料となるべきシリコン酸化膜74をデポ
ジションする。その後、フォトリソエッチング法によ
り、脚部52,54の形状に合わせてシリコン酸化膜7
4をパターニングする。次いで、前記赤外線吸収膜56
となるべき金黒75をスパッタ法により被着させ、当該
金黒75を前記赤外線吸収膜56の形状に合わせてフォ
トリソエッチング法によりパターニングする(図8
(a)〜(d))。
属76,77をスパッタ法により順次被着させ、当該金
属76,77を前記膜57a,57bの形状に合わせて
フォトリソエッチング法によりパターニングする。ま
た、前記膜59a,59bとなるべき金属78,79を
スパッタ法により順次被着させ、当該金属78,79を
前記膜59a,59bの形状に合わせてフォトリソエッ
チング法によりパターニングする(図8(e)〜
(h))。
マCVD法等により前記ハーフミラー部58の一部を構
成する支持部となるべきシリコン酸化膜80をデポジシ
ョンし、当該シリコン酸化膜80を前記ハーフミラー部
58の形状に合わせてフォトリソエッチング法によりパ
ターニングする。ハーフミラー部58を構成する支持部
(図1では図示せず)はシリコン酸化膜80により構成
されることから、可視光に対して透明である。その後、
シリコン酸化膜80等の上に、前記ハーフミラー部58
の一部を構成するハーフミラーの材料となるべきチタン
などの金属81を所望の反射率を得るように非常に薄く
スパッタ法等により被着させ、当該金属81をハーフミ
ラー部58の形状に合わせてフォトリソエッチング法に
よりパターニングする(図8(i)〜(l))。
マCVD法等により前記結合部60となるべきシリコン
酸化膜82をデポジションし、当該シリコン酸化膜82
を前記結合部60の形状に合わせてフォトリソエッチン
グ法によりパターニングする(図9(a)〜(d))。
マアッシングを行うなどによりポリイミド膜73を除去
する(図9(e)〜(h))。これにより、図6及び図
7に示す光読み出し型放射−変位変換装置が完成する。
図7に示す光読み出し型放射−変位変換装置によれば、
赤外線iが図6(b)(c)及び図7中の下方から入射
される。この赤外線iは、基板51を透過して赤外線吸
収膜56により吸収されて熱に変換される。赤外線吸収
膜56にて発生した熱が変位部57に伝導され、その熱
に応じて変位部57が上方又は下方に湾曲して傾斜す
る。一方、読み出し光学系により、可視光の読み出し光
j0が、図6(b)(c)及び図7中の上方からマスク
62の開口62aを介して入射されてハーフミラー部5
8に照射される。その結果、前述したように、ハーフミ
ラー部58に入射した読み出し光j0は変位部57の変
位に応じた干渉状態を有する干渉光に変化させられ、当
該干渉光がハーフミラー部58から図6(b)(c)及
び図7の上方に出射される。したがって、赤外線吸収膜
56に入射された赤外線iが読み出し光の干渉状態に変
換されることになり、この干渉光に基づいて赤外線を検
出することができる。
形態と同様に、このように干渉という微小な変位を高感
度で検出する技術を赤外線の検出に応用しているので、
従来より高感度な検出が可能である。
実施の形態と同様に、赤外線を熱を経て抵抗値(電気信
号)に変換するのではなく、赤外線を熱及び変位を経て
読み出し光の変化に変換するので、基板1により支持さ
れた被支持部53には電流を流す必要がなく、被支持部
53には自己発熱が生じない。したがって、本実施の形
態によれば、入射した赤外線のみによる熱を検出するこ
とになるので、S/Nが向上し、検出精度が向上する。
勿論、本実施の形態では、量子型赤外線検出器において
必要であった冷却器は不要である。
iによる赤外線吸収膜56からの熱によって変位するの
みならず、外部の温度が変化すると、脚部52を介して
基板51に支持されていることから脚部52の熱抵抗が
大きいとはいえ基板51を介して自身の温度変化が生ず
るので、これによっても変位しようとする。しかし、本
実施の形態では、変位抑制部59が熱の増減に対する変
位部57の変位方向とは逆の方向に基板51から受ける
熱に応じて基板51に対して変位しようとして変位部5
7の変位を抑制するので、結局、変位部57の変位は、
外部の温度による影響を差し引いた、入射した赤外線に
よる赤外線吸収膜56からの熱にのみよって生ずる変位
に近づくこととなる。したがって、前述した第1の実施
の形態と同様に、ハーフミラー部58から得られる干渉
光の干渉状態の変化には外部の温度の影響が少なくな
り、一層精度の良い赤外線検出を行うことができる。こ
のため、外部の温度の影響を受けないようにするために
温度制御を行う場合であっても、従来に比べて厳密な温
度制御が必要なくなり、コストの低減を図ることができ
る。
51の温度に対する変位部57自体の変位しようとする
量と基板51の温度に対する変位抑制部59の変位しよ
うとする量とを実質的に等しくしておくと、外部の温度
による影響をほぼ完全に打ち消すことができ、好まし
い。この場合、具体的には、変位部57及び変位抑制部
59を同じ材料と同じ寸法で製作すればよい。
及び変位抑制部59の熱変化時定数を実質的に等しくし
ておくと、外部の温度の影響による過渡的な温度変化に
対しても、その影響を打ち消すことができ、好ましい。
この場合、具体的には、脚部52と脚部54の熱抵抗は
その他の部材の熱抵抗に較べて大きいので、この脚部5
2,54の長さや太さを調節し、両者の熱抵抗を等しく
しておく。また、赤外線吸収層56と変位部57とハー
フミラー部58とからなる第1の被支持部53の熱容量
と、変位抑制部59からなる第2の被支持部55の熱容
量を等しくしておく。このように熱抵抗と熱容量を等し
くしておけば熱時定数が等しくなる。必ずしも熱抵抗と
熱容量の両方をそれぞれ等しくしなくても、熱抵抗と熱
容量の積が等しくなるようにすればよい。
に、赤外線吸収膜56は、変位部57と熱的につながっ
ているが、変位部57が変位しても動かない構造になっ
ている。したがって、赤外線吸収膜56の厚さを厚くし
て吸収率を上げても、変位部57の動き易さを妨げな
い。
制限しなければ、干渉の強度は光路長差が読み出し光の
波長の1/2毎に強弱を繰り返すので、ある強度以上の
赤外線が入射すると逆に干渉の強度が反転するという反
転現象が起こってしまう。そこで、変位部57の変位に
よる干渉強度の変化が単調変化となるように、変位部5
7の変位の範囲を読み出し光の波長の1/4以下に制限
することが好ましい。例えば、変位部57を温度が上昇
したときに図6(b)(c)中の下向きに曲がるように
し、ハーフミラー部58と全反射ミラー61との間隔を
読み出し光の波長の1/4以下とすれば、過剰の赤外線
が入射しても変位部57の動きはハーフミラー部58と
全反射ミラー61とが接した所で止まる。このときに干
渉強度が最大となるので反転現象は発生しない。以上は
読み出し光として単色光を用いた場合であるが、読み出
し光として白色光を用いた場合にも、同様に、変位部5
7の変位による干渉色の変化が単調変化となるように、
変位部57の変位の範囲を制限すればよい。なお、変位
部57の変位の範囲を制限するための特別な制限部を設
けてもよいことは、勿論である。なお、この点は、後述
する図10に示す変換装置及び図12に示す変換装置に
ついても、同様である。
示す光読み出し型放射−変位変換装置は、前述した図4
に示す映像化装置において、変換装置100に代えて用
いることができる。
第4の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装
置について、図10を参照して説明する。
光読み出し型放射−変位変換装置を示す図であり、図1
0(a)はその単位画素(単位素子)を模式的に示す平
面図、図10(b)は図10(a)中のH−H’線に沿
った断面図、図10(c)は図10(a)中のJ−J’
線に沿った断面図、図10(d)は図10(a)中のK
−K’線に沿った断面図である。図10において、図6
及び図7中の要素と同一又は対応する要素には同一符号
を付し、その説明は省略する。
す変換装置と異なる所は、赤外線吸収膜56と変位部5
7とが積層されて一体化されている点である。なお、赤
外線吸収膜56と膜57aを単一の膜で兼用することも
できる。
も、図6及び図7に示す光読み出し型放射−変位変換装
置と同様の利点が得られる。
読み出し型放射−変位変換装置は、前述した図4に示す
映像化装置において、変換装置100に代えて用いるこ
とができる。
造方法の一例について、図11を参照して説明する。
略断面図である。なお、図11(a)(b)は同一工程
を示し、図11(c)(d)は同一工程を示し、図11
(e)(f)は同一工程を示し、図11(g)(h)は
同一工程を示し、図11(i)(j)は同一工程を示し
ている。図11(a)(c)(e)(g)(i)は、図
10(c)と対応しており、図10(a)中のJ−J’
断面に相当している。図11(b)(d)(f)(h)
(j)は、図10(d)と対応しており、図10(a)
中のK−K’断面に相当している。
板121上に前記全反射ミラー61の材料となるべきチ
タンなど高融点金属122をスパッタ法等により被着さ
せ、当該高融点金属122を全反射ミラー61の形状に
合わせてパターニングする。次いで、この状態の基板1
21の全面にスピンコート法等によりポリイミド膜12
3を被着させ、該ポリイミド膜123における前記脚部
52,54に相当する箇所にフォトリソエッチング法に
より穴をあける。その後、当該穴を埋めるように、プラ
ズマCVD法などの低温工程でポリイミド膜123上の
全面に前記脚部52,54の材料となるべきシリコン酸
化膜124をデポジションする。その後、フォトリソエ
ッチング法により、脚部52,54の形状に合わせてシ
リコン酸化膜124をパターニングする(図11(a)
(b))。
記膜57a,57bとなるべき金黒125、金属12
6,127をスパッタ法により被着させ、当該金黒12
5、金属126,127を前記赤外線吸収膜56及び前
記膜57a,57bの形状に合わせてフォトリソエッチ
ング法によりパターニングする。また、前記膜59a,
59bとなるべき金属128,129をスパッタ法によ
り順次被着させ、当該金属128,129を前記膜59
a,59bの形状に合わせてフォトリソエッチング法に
よりパターニングする(図11(c)(d))。
ズマCVD法等により前記ハーフミラー部58の一部を
構成する支持部となるべきシリコン酸化膜130をデポ
ジションし、当該シリコン酸化膜130を前記ハーフミ
ラー部58の形状に合わせてフォトリソエッチング法に
よりパターニングする。その後、シリコン酸化膜130
等の上に、前記ハーフミラー部58の一部を構成するハ
ーフミラーの材料となるべきチタンなどの金属131を
所望の反射率を得るように非常に薄くスパッタ法等によ
り被着させ、当該金属131をハーフミラー部58の形
状に合わせてフォトリソエッチング法によりパターニン
グする(図11(e)(f))。
ズマCVD法等により前記結合部60となるべきシリコ
ン酸化膜132をデポジションし、当該シリコン酸化膜
132を前記結合部60の形状に合わせてフォトリソエ
ッチング法によりパターニングする(図11(g)
(h))。
マアッシングを行うなどによりポリイミド膜123を除
去する(図11(i)(j))。これにより、図10に
示す光読み出し型放射−変位変換装置が完成する。
第5の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装
置について、図12を参照して説明する。
光読み出し型放射−変位変換装置を示す図であり、図1
2(a)はその単位画素(単位素子)を模式的に示す平
面図、図12(b)は図12(a)中のL−L’線に沿
った断面図、図12(c)は図12(a)中のM−M’
線に沿った断面図、図12(d)は図12(a)中のN
−N’線に沿った断面図である。図12において、図1
0中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付
し、その説明は省略する。
す変換装置と異なる所は、ハーフミラー部58及び全反
射ミラー61が取り除かれ、変位部57を構成している
膜57bが、照射された読み出し光j0を反射する反射
部を兼用している点である。なお、赤外線吸収膜56と
膜57aを単一の膜で兼用することもできる。
り、読み出し光j0を受光し、受光した読み出し光に変
位部としての膜57a,57bの変位に応じた変化を与
えて当該変化した読み出し光を出射させる光作用部を構
成している。すなわち、反射部としての膜57bは、読
み出し光j0を受光し、受光した読み出し光に変位部と
しての膜57a,57bの変位に応じた反射方向の変化
や反射位置の変化を与えて当該変化した読み出し光を反
射光として出射させる。
(b)〜(d)中の下方から入射される。この赤外線i
は、基板51を透過して赤外線吸収膜56により吸収さ
れて熱に変換される。赤外線吸収膜56にて発生した熱
に応じて変位部57が上方又は下方に湾曲して傾斜す
る。すなわち、入射した赤外線iが、その量に応じた変
位部57の変位に変換される。一方、後述する読み出し
光学系により、可視光の読み出し光jが、図12(b)
〜(d)中の上方から入射されて反射部を兼ねる膜57
bに照射される。膜57bは、その変位に応じた反射方
向の変化や反射位置の変化を与えて当該変化した読み出
し光を反射光として出射させるので、結局、膜57bに
照射された赤外線が読み出し光の反射光の変化に変換さ
れることになる。したがって、後述するように、膜57
bにて反射された読み出し光の反射光に基づいて赤外線
を検出することができる。
以外は、前述した図10に示す変換装置と同様であり、
図6及び図7に示す光読み出し型放射−変位変換装置と
同様の利点が得られる。
造方法の一例について、図13を参照して説明する。
略断面図である。なお、図13(a)(b)は同一工程
を示し、図13(c)(d)は同一工程を示し、図13
(e)(f)は同一工程を示し、図13(g)(h)は
同一工程を示している。図13(a)(c)(e)
(g)は、図12(c)と対応しており、図12(a)
中のM−M’断面に相当している。図13(b)(d)
(f)(h)は、図12(d)と対応しており、図12
(a)中のN−N’断面に相当している。
板141上の全面にスピンコート法等によりポリイミド
膜142を被着させ、該ポリイミド膜142における前
記脚部52,54に相当する箇所にフォトリソエッチン
グ法により穴をあける。その後、当該穴を埋めるよう
に、プラズマCVD法などの低温工程でポリイミド膜1
42上の全面に前記脚部52,54の材料となるべきシ
リコン酸化膜143をデポジションする。その後、フォ
トリソエッチング法により、脚部52,54の形状に合
わせてシリコン酸化膜143をパターニングする(図1
3(a)(b))。
記膜57a,57bとなるべき金黒144、金属14
5,146をスパッタ法により被着させ、当該金黒14
4、金属145,146を前記赤外線吸収膜56及び前
記膜57a,57bの形状に合わせてフォトリソエッチ
ング法によりパターニングする。また、前記膜59a,
59bとなるべき金属147,148をスパッタ法によ
り順次被着させ、当該金属147,148を前記膜59
a,59bの形状に合わせてフォトリソエッチング法に
よりパターニングする(図13(c)(d))。
ズマCVD法等により前記結合部60となるべきシリコ
ン酸化膜149をデポジションし、当該シリコン酸化膜
49を前記結合部60の形状に合わせてフォトリソエッ
チング法によりパターニングする(図13(e)
(f))。
マアッシングを行うなどによりポリイミド膜142を除
去する(図13(g)(h))。これにより、図12に
示す光読み出し型放射−変位変換装置が完成する。
の実施の形態による映像化装置について、図14を参照
して説明する。図3は、本実施の形態による映像化装置
を示す概略構成図である。
5の実施の形態による図12に示す光読み出し型放射−
変位変換装置(図14においては符号200で示してお
り、図12(b)〜(d)中の上方向及び下方向が図1
4中の右方向及び左方向にそれぞれ対応している。)
と、赤外線iを集光して変換装置200の赤外線吸収膜
56が分布している面上に赤外線画像を結像させる赤外
線用の結像レンズ220と、変換装置200の前記各素
子(画素)の反射部としての膜57bにそれぞれ前記読
み出し光を照射し、前記各素子の膜57bで反射された
読み出し光の反射光に基づいて前記各素子の変位部57
の変位に応じた光学像を形成する読み出し光学系と、前
記光学像を撮像する撮像手段としての2次元CCD22
1,222,223と、を備えている。
置は、白色ランプ等の白色光源224、レンズ225,
226,227,228、ビームスプリッタ229,2
30、全反射ミラー231、R光反射ダイクロイックミ
ラー232及びB光反射ダイクロイックミラー233を
備えており、これらが前記読み出し光学系を構成してい
る。本実施の形態では、この読み出し光学系は、干渉を
利用して前記光学像を形成するように構成されている。
変換装置200の反射部としての膜57bが分布してい
る面とCCD221〜223の受光面とが、レンズ22
5,226〜228に関して、互いに共役な位置に配置
されている。なお、CCD221〜223、レンズ22
6〜227及びダイクロイックミラー232,233
は、3板式の可視光用CCDカメラを構成している。な
お、白色光源224とビームスプリッタ229との間に
は、適宜照明レンズを配置してもよい。
り、赤外線iが集光されて変換装置200の赤外線吸収
膜57bが分布している面上に赤外線画像が結像され
る。その結果、変換装置200の各画素の赤外線吸収膜
57bに対する入射赤外線の量に応じて、前記第5の実
施の形態に関して説明したように、各画素の変位部37
が変位する。
ームスプリッタ229にて反射され、レンズ225を経
てビームスプリッタ230に達し、当該ビームスプリッ
タ230を透過して変換装置200に照射される読み出
し光と、当該ビームスプリッタ230にて反射されて全
反射ミラー231に向かう参照光とに分割される。変換
装置200に照射された読み出し光は、変換装置200
の各画素の膜57bにて反射されてビームスプリッタ2
30を透過してレンズ225へ向かう。一方、前記参照
光は、全反射ミラー231にて反射されてビームスプリ
ッタ230でさらに反射されてレンズ225へ向かう。
したがって、各画素の膜57bにて反射された読み出し
光と全反射ミラー231にて反射された参照光とがビー
ムスプリッタ230により合成される。合成された2つ
の光は、干渉の原理によりその位相差に応じて強め合っ
たり弱め合ったりして干渉光となる。このため、この干
渉光は、変換装置200の各画素の膜57bの変位量に
応じてスペクトル分布が元の白色光源24に対してずれ
た分布の光強度を有しており(すなわち、各画素の膜5
の変位量に応じた干渉色の分布を有しており)、ビーム
スプリッタ230からレンズ225を図14中右方向に
透過し、更にビームスプリッタ229を透過する。ビー
ムスプリッタ229を透過した干渉光は、ダイクロイッ
クミラー232,233にて色分解され、当該干渉光の
うちのR光成分による光学像がレンズ227を介してC
CD222上に形成され、当該干渉光のうちのB光成分
による光学像がレンズ228を介してCCD223上に
形成され、当該干渉光のうちのG光成分による光学像が
レンズ229を介してCCD224上に形成され、それ
らの像がCCD222,223,224により撮像され
る。このようにして、入射赤外線画像が可視画像に変換
され、当該可視画像が撮像されることになる。
CCD222,223,224で撮像しているが、当該
可視画像を肉眼で観察するようにしてもよい。この場
合、例えば、図14において、ダイクロイックミラー2
32,233、レンズ227,228及びCCD221
〜223を取り除き、CCD221の位置に形成された
可視画像を肉眼で観察すればよい。
などの単色光源を用いてもよい。この場合、その波長に
おける変換装置200の各画素の膜57bの変位量に応
じた強弱の変化の分布を持った干渉像が得られるので、
白黒タイプのCCDカメラを用いればよい。具体的に
は、例えば、図14において、ダイクロイックミラー2
32,233、レンズ227,228及びCCD22
2,223を取り除けばよい。この場合にも、CCD2
21を取り除いて、CCD221の位置に形成された単
色の可視画像を肉眼で観察してもよい。なお、白色光源
224に代えて、波長の異なる2種類の単色光を発する
光源を用いれば、単色光ではわからない一周期以上ずれ
た干渉の場合でも光路長差がわかるので、単色光源を用
いる場合に比べて、よりダイナミックレンジの広い赤外
線を撮像できる。
1に代えて、市販されている干渉対物レンズを用いても
よい。
られる読み出し光学系は前述した構成に限定されるもの
ではなく、例えば、共焦点顕微鏡、偏光顕微鏡、微分干
渉顕微鏡、位相差顕微鏡などに用いられている光学系を
適用することができる。
図10に示す変換装置において、ハーフミラー部58に
代えて全反射ミラーを設けるとともに全反射ミラー61
を取り除いてもよい。このような変換装置は、例えば、
前述した図14に示す映像化装置において、変換装置2
00に代えて用いることができる。
く、単に赤外線の強度のみを検出するような場合には、
例えば、前述した各映像化装置において、光読み出し型
放射−変位変換装置を1つの素子(画素)のみを有する
ように構成しておき、読み出し光学系を当該素子に関連
する部分のみを残すことによって、赤外線検出装置を得
ることができる。
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
冷却器を必要とせずに検出精度及び感度の向上を図るこ
とができ、しかも外部の温度の影響を受け難くなる。
放射−変位変換装置を示す図であり、図1(a)はその
単位画素の2階建て構造の2階部分を模式的に示す平面
図、図1(b)はその1階部分を模式的に示す平面図、
図1(c)は図1(a)(b)中のA−A’線に沿った
断面図、図1(d)は図1(a)(b)中のB−B’線
に沿った断面図である。
画素の配置状態を示す平面図である。
製造方法の一例を示す図である。
示す概略構成図である。
容した状態を模式的に示す図であり、図5(a)はその
断面図、図5(b)は図5(a)中のB−B’矢視図で
ある。
出し型放射−変位変換装置を示す図であり、図6(a)
はその単位画素を模式的に示す平面図、図6(b)は図
6(a)中のD−D’線に沿った断面図、図6(c)は
図6(a)中のE−E’線に沿った断面図である。
出し型放射−変位変換装置を示す図であり、図7(a)
は図6(a)中のF−F’線に沿った断面図、図7
(b)は図6(a)中のG−G’線に沿った断面図であ
る。
換装置の製造工程の一例を示す図である。
換装置の製造工程であって図19に引き続く製造工程を
示す図である。
型放射−変位変換装置を示す図であり、図10(a)は
その単位画素を模式的に示す平面図、図10(b)は図
10(a)中のH−H’線に沿った断面図、図10
(c)は図10(a)中のJ−J’線に沿った断面図、
図10(d)は図10(a)中のK−K’線に沿った断
面図である。
置の製造方法の一例を示す図である。
型放射−変位変換装置を示す図であり、図12(a)は
その単位画素を模式的に示す平面図、図12(b)は図
12(a)中のL−L’線に沿った断面図、図12
(c)は図12(a)中のM−M’線に沿った断面図、
図12(d)は図12(a)中のN−N’線に沿った断
面図である。
置の製造方法の一例を示す図である。
を示す概略構成図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 基体と、 前記基体に支持された第1の被支持部であって、放射を
受けて熱に変換する放射吸収部と、該放射吸収部にて発
生した熱に応じて前記基体に対して変位する第1の変位
部と、を有する第1の被支持部と、 前記基体に支持された第2の被支持部であって、前記基
体から受ける熱に応じて前記基体に対して変位する第2
の変位部を有する第2の被支持部と、 読み出し光を受光し、受光した読み出し光に前記第1の
変位部と前記第2の変位部との間の相対的な変位に応じ
た変化を与えて当該変化した読み出し光を出射させる光
作用部と、 を備え、 熱の増減に対する前記第1の変位部の変位方向と前記第
2の変位方向とが実質的に同一方向であることを特徴と
する光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項2】 前記第1の変位部及び第2の変位部の各
々は、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重な
った少なくとも2つの層を有することを特徴とする請求
項2記載の光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項3】 前記光作用部は、読み出し光を受光し、
受光した読み出し光を前記相対的な変位に応じた干渉状
態を有する干渉光に変えて出射させる干渉手段であるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の光読み出し型放射
−変位変換装置。 - 【請求項4】 前記干渉手段は、前記第1の被支持部及
び前記第2の被支持部のうちの一方の一部をなすととも
に前記第1の変位部及び前記第2の変位部のうちの一方
の変位に従って変位するハーフミラー部であって、受光
した読み出し光の一部のみを反射するハーフミラー部
と、前記第1の被支持部及び前記第2の被支持部のうち
の他方の一部をなすとともに前記第1の変位部及び前記
第2の変位部のうちの他方の変位に従って変位する反射
部であって、前記ハーフミラー部と対向するように配置
された反射部と、を有することを特徴とする請求項3記
載の光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項5】 前記基体の温度に対する前記第1の変位
部の変位量と前記基体の温度に対する前記第2の変位部
の変位量とが、実質的に等しいことを特徴とする請求項
1乃至4のいずれかに記載の光読み出し型放射−変位変
換装置。 - 【請求項6】 前記基体の温度に対する前記第1の変位
部の熱変化時定数と前記基体の温度に対する前記第2の
変位部の熱変化時定数とが、実質的に等しいことを特徴
とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光読み出し型
放射−変位変換装置。 - 【請求項7】 基体と、 前記基体に支持された第1の被支持部であって、放射を
受けて熱に変換する放射吸収部と、該放射吸収部にて発
生した熱に応じて前記基体に対して変位する変位部と、
を有する第1の被支持部と、 前記基体に支持された第2の被支持部であって、熱の増
減に対する前記変位部の変位方向とは逆の方向に前記基
体からの熱に応じて変位しようとして前記変位部の変位
を抑制する変位抑制部を有する第2の被支持部と、 読み出し光を受光し、受光した読み出し光に前記変位部
の変位に応じた変化を与えて当該変化した読み出し光を
出射させる光作用部と、 を備えたことを特徴とする光読み出し型放射−変位変換
装置。 - 【請求項8】 前記変位抑制部は、熱抵抗の大きい結合
部を介して前記変位部に機械的に結合されたことを特徴
とする請求項7記載の光読み出し型放射−変位変換装
置。 - 【請求項9】 前記変位部及び前記変位抑制部の各々
は、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なっ
た少なくとも2つの層を有することを特徴とする請求項
7又は8記載の光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項10】 前記光作用部は、前記第1の被支持部
の一部をなすとともに前記変位部の変位に従って変位す
る反射部であって、受光した読み出し光を反射する反射
部であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに
記載の光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項11】 前記光作用部は、読み出し光を受光
し、受光した読み出し光を前記変位部の変位に応じた干
渉状態を有する干渉光に変えて出射させる干渉手段であ
ることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の
光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項12】 前記干渉手段は、前記第1の被支持部
の一部をなすとともに前記変位部の変位に従って変位す
るハーフミラー部であって、受光した読み出し光の一部
のみを反射するハーフミラー部と、該ハーフミラー部と
対向するように前記基体に対して固定された反射部と、
を有することを特徴とする請求項11記載の光読み出し
型放射−変位変換装置。 - 【請求項13】 前記基体の温度に対する前記変位部自
体の変位しようとする量と前記基体の温度に対する前記
変位抑制部自体の変位しようとする量とが、実質的に等
しいことを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記
載の光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項14】 前記基体の温度に対する前記変位部の
熱変化時定数と前記基体の温度に対する前記第1の変位
部の熱変化時定数とが、実質的に等しいことを特徴とす
る請求項7乃至13のいずれかに記載の光読み出し型放
射−変位変換装置。 - 【請求項15】 前記放射が赤外線であることを特徴と
する請求項1乃至14のいずれかに記載の光読み出し型
放射−変位変換装置。 - 【請求項16】 前記第1の被支持部、前記第2の被支
持部及び前記光作用部を1個の素子として当該素子を複
数個有し、当該素子が1次元状又は2次元状に配列され
たことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載
の光読み出し型放射−変位変換装置。 - 【請求項17】 請求項1乃至15のいずれかに記載の
光読み出し型放射−変位変換装置と、 前記光作用部に前記読み出し光を照射し、前記光作用部
から出射された前記変化した読み出し光に基づいて前記
相対的な変位又は前記変位部の変位を検出する変位検出
手段と、 を備えたことを特徴とする放射検出装置。 - 【請求項18】 請求項16記載の光読み出し型放射−
変位変換装置と、 前記各素子の前記光作用部にそれぞれ前記読み出し光を
照射し、前記各素子の前記光作用部から出射された前記
変化した読み出し光に基づいて前記各素子の前記相対的
な変位又は前記変位部の変位に応じた光学像を形成する
読み出し光学系と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35481296A JP3617226B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 光読み出し型放射−変位変換装置、放射検出装置、並びにこれを用いた映像化装置 |
US08/994,949 US6080988A (en) | 1996-12-20 | 1997-12-19 | Optically readable radiation-displacement-conversion devices and methods, and image-rendering apparatus and methods employing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35481296A JP3617226B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 光読み出し型放射−変位変換装置、放射検出装置、並びにこれを用いた映像化装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10185680A true JPH10185680A (ja) | 1998-07-14 |
JP3617226B2 JP3617226B2 (ja) | 2005-02-02 |
Family
ID=18440071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35481296A Expired - Lifetime JP3617226B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 光読み出し型放射−変位変換装置、放射検出装置、並びにこれを用いた映像化装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3617226B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2023224955A1 (en) * | 2022-05-18 | 2023-11-23 | ams Sensors USA Inc. | Imaging device and method of multi-spectral imaging |
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US6835932B2 (en) | 2000-09-05 | 2004-12-28 | Nikon Corporation | Thermal displacement element and radiation detector using the element |
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JP3617226B2 (ja) | 2005-02-02 |
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