JPH10183659A - 杭基礎部の評価システムおよび杭基礎部の評価方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単にしかも低コストで杭基礎部の健全性を
評価できる杭基礎部の評価システムをおよび杭基礎部の
評価方法提供すること。 【解決手段】 加振装置９で杭７に軽微な振動を加え、
センサ１１、測定器１３では種々のパラメータを計測す
る。杭７が健全なときの各種パラメータの計測値を保持
しておき、地震後の該パラメータの計測値と比較および
検討し、杭基礎部の健全性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地震後における杭
基礎部の健全性を評価するシステムおよび方法に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】大規模地震後は、設備の杭基礎部の健全
性を評価する必要がある。従来の評価法としては、杭基
礎部周辺を掘削し、目視で損傷の有無および位置を調べ
る方法（第１の方法）、杭基礎部にハンマーなどで衝撃
を与え、センサーで弾性波を検知し、波の形状により損
傷の有無および位置を調べる方法（弾性衝撃波法、第２
の方法）、杭基礎部をコアボーリングし、その中にＣＣ
Ｄカメラを挿入して、損傷の有無および位置を調べる方
法（第３の方法）、傾斜計により杭部および周辺の変位
を計測して、損傷の有無および位置を調べる方法（第４
の方法）等がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第１の
掘削して目視により確認する方法では、大規模な掘削が
必要となり、莫大な時間と費用がかかる。第２の弾性衝
撃波法は、精度が悪いため、第１の方法と併用する場合
が多い。第３のＣＣＤカメラ及び第４の傾斜計による方
法は、ボーリングを行う必要があるため、多くの費用と
時間を要するという問題があった。

【０００４】本発明は、このような問題に鏡みてなされ
たもので、その目的とするところは、簡単にしかも低コ
ストで杭基礎部の健全性を評価できる杭基礎部の評価シ
ステムおよび杭基礎部の評価方法を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために第１の発明は、杭基礎部に設置され、振動を発す
る加振手段と、前記杭基礎部に設置され、前記加振手段
の振動に対する種々のパラメータを測定する測定手段
と、を具備し、前記種々のパラメータによって、杭基礎
部の健全性を評価することを特徴とする杭基礎部の評価
システムである。 第２の発明は、杭基礎部に振動を加
え、該振動に対する種々のパラメータを測定することに
よって杭基礎部の健全性を評価することを特徴とする杭
基礎部の評価方法である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図１は、本発明の実施の形
態における杭基礎部の評価システムの説明図である。図
１に示すように、地表１に構造物３が設けられ、構造物
３の杭基礎部（フーチング）５は、地下に埋め込まれ
る。フーチング５は複数の杭７を有し、杭７は地下深く
に埋め込まれる。地震後、杭７には損傷箇所１５が存在
する場合がある。

【０００７】杭基礎部の評価システムは、加振装置９、
センサ１１、測定器１３等からなる。図１に示すよう
に、構造物３に加振装置９およびセンサ１１が各々設置
され、センサ１１には測定器１３を設置される。加振装
置９は振動を加える装置であり、センサ１１は振動を検
知する。測定器１３は、センサ１１が感知するパラメー
タを計測する。

【０００８】次に、評価システムによる評価の手順につ
いて説明する。まず、加振装置９により、構造物３に軽
微な振動を加え、この振動はフーチング５を経て杭７に
伝えられる。センサ１１を介して測定器１３は、応答ス
ペクトル、固有周期、動弾性係数、減衰定数、ヒステリ
シス、構造物３の変位等のパラメータを得る。以上の作
業を構造物３を建設した時点で行い、各種パラメータの
計測値を保持しておく。地震後、同様の作業を行い、各
種パラメータの計測値を取得する。

【０００９】図２は損傷の有無に応じた固有周期を示す
図である。図２に示すように、実線は健全な場合を示
し、破線は損傷が有る場合を示す。図２に示されるよう
に、損傷の有無に応じて、固有周期に違いが生じる。

【００１０】図３は損傷の有無に応じた応答スペクトル
を示す図である。図３に示すように、応答スペクトル
は、損傷の有無に応じて異なる。尚、動弾性係数、減衰
定数、ヒステリシス等の場合においても、同様のことが
言える。

【００１１】従って、杭７が無傷のときに取得した各種
パラメータの値と、地震後に取得した該パラメータの値
とを比較および検討し、損傷箇所１５の有無、即ち杭基
礎部の健全性を評価することができる。また、杭のみで
なく構造物全体の健全性を評価することもできる。

【００１２】このように、本実施の形態によれば、掘削
またはボーリングを要しないので、時間および費用が削
減できる。また、簡単な作業で複数のパラメータを取得
することができ、様々な視点からの評価が可能である。

【００１３】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、簡単にしかも低コストで杭基礎部の健全性を評価
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態における杭基礎部の評価
システムの説明図

【図２】 損傷の有無に応じた固有周期を示す図

【図３】 損傷の有無に応じた応答スペクトルを示す図

【符号の説明】

１………地表 ３………構造物 ５………フーチング ７………杭 ９………加振装置 １１………センサ １３………測定器 １５………損傷箇所

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯岸 孝二 東京都港区海岸１−５−20 東京瓦斯株式 会社内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 杭基礎部に設置され、振動を発する加振
   手段と、 前記杭基礎部に設置され、前記加振手段の振動に対する
   種々のパラメータを測定する測定手段と、 を具備し、 前記種々のパラメータによって、杭基礎部の健全性を評
   価することを特徴とする杭基礎部の評価システム。
2. 【請求項２】 前記パラメータは、応答スペクトルであ
   ることを特徴とする請求項１記載の杭基礎部の評価シス
   テム。
3. 【請求項３】 前記パラメータは、固有周期であること
   を特徴とする請求項１記載の杭基礎部の評価システム。
4. 【請求項４】 前記パラメータは、動弾性係数であるこ
   とを特徴とする請求項１記載の杭基礎部の評価システ
   ム。
5. 【請求項５】 前記パラメータは、ヒステリシスである
   ことを特徴とする請求項１記載の杭基礎部の評価システ
   ム。
6. 【請求項６】 前記パラメータは、減衰定数であること
   を特徴とする請求項１記載の杭基礎部の評価システム。
7. 【請求項７】 前記パラメータは、杭基礎部の変位であ
   ることを特徴とする請求項１記載の杭基礎部の評価シス
   テム。
8. 【請求項８】 杭基礎部に振動を加え、該振動に対する
   種々のパラメータを測定することによって杭基礎部の健
   全性を評価することを特徴とする杭基礎部の評価方法。