JPH1017869A - コークス炉ガスの冷却方法 - Google Patents

コークス炉ガスの冷却方法

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JPH1017869A
JPH1017869A JP17498896A JP17498896A JPH1017869A JP H1017869 A JPH1017869 A JP H1017869A JP 17498896 A JP17498896 A JP 17498896A JP 17498896 A JP17498896 A JP 17498896A JP H1017869 A JPH1017869 A JP H1017869A
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JP
Japan
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coke oven
cooling
primary cooler
oven gas
cog
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Withdrawn
Application number
JP17498896A
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English (en)
Inventor
Kenji Kato
加藤健次
Toshihiko Noguchi
野口敏彦
Kazuya Okanishi
岡西和也
Shigezo Tanaka
田中繁三
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭乾留時にコークス炉から発生するコーク
ス炉ガスを安定的に冷却する方法を提示する。 【解決手段】 石炭乾留時にコークス炉から発生するコ
ークス炉ガスを複数の熱交換器で冷却する方法におい
て、熱交換器入側のコークス炉ガスの組成を分析し、ナ
フタレン濃度が15〜20vol%以上となった場合、
および熱交換器における圧力損失が70〜80mmH2
Oとなった場合に、定期的に熱交換器を切り換えるとと
もに、冷却に使用した後の熱交換器内の配管を洗浄する
ことを特徴とするコークス炉ガスの冷却方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉用コークス製
造時に発生するコークス炉ガスの安定的な冷却方法を提
示する。
【0002】
【従来の技術】室炉式コークス製造プロセスにおいて、
石炭の乾留時に発生するコークス炉ガス(以下、COG
と記す)は上昇管の出側配管で安水を粉霧して冷却され
た後、ガスとタールおよび安水を分離するために、プラ
イマリークーラーで30〜40℃に冷却される。プライ
マリークーラーは、多管式熱交換器であり、管内部をC
OGが通過し、管の外側を海水、または工業用水等で冷
却して熱交換させることにより、COGを30〜40℃
程度に冷却するものである。
【0003】従来の室炉式コークス製造方法ではタール
中のナフタレン濃度は10〜14vol%程度であった
ため、前記の方法でCOGを冷却し、プライマリークー
ラー内部で30〜40℃まで冷却しても特に配管を閉塞
させる問題はなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば特願平
08−081285号で提案されているように非微粘結
炭の使用量を増加させることを目的として、非微粘結炭
を含む装入炭にタール等の粘結材を添加した後、コーク
ス炉に装入して乾留する場合にはCOG中のナフタレン
濃度が15〜20vol%程度に増加する。このため、
プライマリークーラー内部の配管内にナフタレンが析出
して配管を閉塞させるため、プライマリークーラーにお
ける圧損が急激に増加し、COGの冷却が不可能となる
という問題点が生じる。
【0005】COG中の組成ではナフタレンに次いで、
アントラセンおよびフェナンスレンが6vol%程度と
多く含まれている。非微粘結炭を含む装入炭にタール等
の粘結材を添加した後、コークス炉に装入して乾留する
場合にはCOG中のアントラセンおよびフェナンスレン
濃度が9〜10vol%程度に増加する。しかし、アン
トラセンおよびフェナンスレンはナフタレンより高温で
析出するため、プライマリークーラー内部で析出して配
管内に付着する成分の約90%はナフタレンである。そ
こで、タール等の粘結材を添加した石炭をコークス炉に
装入して乾留した場合に発生するナフタレン濃度の高い
COGを冷却する際に、プライマリークーラーの配管を
閉塞させることなく安定した操業ができる方法の開発が
必要とされていた。
【0006】本発明は、コークス炉で石炭を乾留した際
に発生するCOGを冷却する際に熱交換器の配管を閉塞
させない方法を提示することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はコークス炉で石
炭を乾留した際に発生するCOGの冷却方法に関わる。
より詳しくは (1)石炭乾留時にコークス炉から発生するコークス炉
ガスを複数の熱交換器で冷却する方法において、熱交換
器入側のコークス炉ガスの組成を分析し、ナフタレン濃
度が所定値以上となった場合に定期的に熱交換器を切り
換えるとともに、冷却に使用した後の熱交換器内の配管
を洗浄することを特徴とするコークス炉ガスの冷却方
法。
【0008】(2)コークス炉ガス中のナフタレン濃度
の所定値を15〜20vol%とすることを特徴とする
(1)記載のコークス炉ガスの冷却方法。
【0009】(3)石炭乾留時にコークス炉から発生す
るコークス炉ガスを複数の熱交換器で冷却する方法にお
いて、熱交換器のコークス炉ガスの圧力損失を測定し、
圧力損失が所定値以上となった場合に熱交換器を切り換
えるとともに、冷却に使用した後の熱交換器内の配管を
洗浄することを特徴とするコークス炉ガスの冷却方法。 (4)圧力損失の所定値が70〜80mmH2 Oである
ことを特徴とする(3)記載のコークス炉ガスの冷却方
法。
【0010】である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、その具体的内容について説
明する。
【0012】図1は本発明に関わるコークス炉ガス(以
下、COGと記す)の冷却方法を示す図である。1は石
炭ホッパー、2は装入車、3はコークス炉、4は上昇
管、5はドライメーン、6はプライマリークーラー
(A)、7はプライマリークーラー(B)、8はタール
デカンター、9はプライマリークーラー(A)用電磁
弁、10はプライマリークーラー(B)用電磁弁、11
はガスクロ装置、12はプライマリークーラー(A)入
口圧力計、13はプライマリークーラー(A)出口圧力
計、14はプライマリークーラー(B)入口圧力計、1
5はプライマリークーラー(B)出口圧力計を各々示
す。
【0013】室炉式コークス製造プロセスにおいて、石
炭は石炭ホッパー1から装入車2を介してコークス炉3
に装入される。石炭をコークス炉3内で乾留する際に発
生するCOGは、約500〜700℃程度と非常に高温
である。そこで、COG中に含まれるタールおよび安水
を分離するためには、沸点以下の温度に冷却する必要が
あるため、通常は上昇管4の出側配管で安水を粉霧して
COGを80℃程度に冷却してCOG中のタールおよび
安水を80℃程度に冷却し、さらにプライマリークーラ
ー(6、7)で熱交換させることにより30〜40℃に
冷却する。
【0014】従来の室炉式コークス製造方法ではタール
中のナフタレン濃度は10〜14vol%程度であった
ため、前記の方法でCOGを冷却した後にプライマリー
クーラー内部で30〜40℃まで冷却しても特にプライ
マリークーラー内部の配管を閉塞させる問題はなかっ
た。
【0015】しかし、特願平08−081285号で提
案されているように非微粘結炭の使用量を増加させるこ
とを目的として、石炭にタール等の粘結材を添加した
後、コークス炉に装入して乾留する場合にはCOG中の
ナフタレン濃度が、従来の10〜14vol%に対して
15〜20vol%程度に増加するため、プライマリー
クーラー内部でナフタレンが多量に析出して、プライマ
リークーラー内部の配管を閉塞させ、プライマリークー
ラーにおける圧損が急激に上昇して、COGの冷却が不
可能となるという問題が生じる。
【0016】石炭にタール等の粘結材を添加した後、コ
ークス炉に装入して乾留する場合にはCOG中のアント
ラセン、およびフェナンスレン濃度も粘結材を添加しな
い場合の6vol%程度に比較して9〜10vol%程
度に増加する。
【0017】ナフタレンの融点は80℃、フェナンスレ
ンの融点は99℃、アントラセンの融点は216℃であ
る。このため、フェナンスレンおよびアントラセンはナ
フタレンより高温で析出するため、80℃以下であるプ
ライマリークーラー内部で析出して配管内に付着する成
分の約90%はナフタレンである。
【0018】そこで、本発明者らはCOG中のナフタレ
ン濃度とプライマリークーラー内部の圧損の関係につい
て調査した。
【0019】この結果、図2に1例を示すようにCOG
中のナフタレン濃度の増加とともにプライマリークーラ
内部の圧損が増加するが、特にCOG中のナフタレン濃
度が15〜20vol%以上の場合に圧損の増加が著し
いことが判明した(図4)。この結果、COG中のナフ
タレン濃度を測定して、ナフタレン濃度が所定値以上の
場合、複数のプライマリークーラーを定期的に切り替え
ることにより、プライマリークーラー内部の閉塞を防止
し、COGを安定的に冷却することが可能となることを
見い出した。
【0020】具体的には、乾留時に発生するCOG中の
ナフタレン濃度をプライマリークーラーの入側におい
て、オンラインのガスクロ装置11で分析し、ナフタレ
ン濃度が15〜20%volの所定値以上となった場合
にプライマリークーラーを定期的に切り換えて、ナフタ
レンが付着したプライマリークーラーを安水で洗浄す
る。ここで、COG中のナフタレン濃度の所定値を15
〜20vol%と規定したのは、この範囲のナフタレン
濃度以上になるとプライマリークーラーの配管の圧損が
急激に増加するためである(図4)。
【0021】また、本発明者らは石炭にタール等の粘結
材を添加した後、コークス炉に装入して乾留する場合に
プライマリークーラー前後に設置した圧力計によりプラ
イマリークーラーにおける圧力損失を測定し、前記圧力
損失値とプライマリークーラー切り替え後の配管洗浄時
間との関係を検討した。この結果、前記圧力損失が70
〜80mmH2 O以上の場合は、配管洗浄に長時間を要
し、配管洗浄の効率が悪化するこを見出した。
【0022】そこで、プライマリークーラーにおける圧
力損失が70〜80mmH2 O以上となった場合に熱交
換器を切り換えるとともに、冷却に使用した後の熱交換
器内の配管を安水で洗浄することにより、プライマリー
クーラーの配管の閉塞を防止し、COGを安定して冷却
できる本発明を完成するに到った。
【0023】本明細書で石炭の流動性とはJIS M
8801に記載されているギーセラープラストメーター
により測定した値でlog(MF/DDPM)で表す。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕粘結剤としてタールを3wt%添加した表
1に性状を示す原料炭をコークス炉に装入して乾留した
場合に発生するCOGに上昇管の出側配管で安水を粉霧
した後、COGとタールおよび安水を分離するために、
2台のプライマリークーラーを定期的に切り換えて冷却
した。
【0025】プライマリークーラー入側に設置したガス
クロにより測定したCOG中のナフタレン濃度は17v
ol%であったため、プライマリークーラー(A)とプ
ライマリークーラー(B)の切替え時間を4時間として
35℃まで冷却した。また、プライマリークーラーの切
替え時に待機側のプライマリークーラー内部の配管を安
水で洗浄した。
【0026】この結果、図2(a)に示すようにプライ
マリークーラー内部の圧力損失は管理上限値の70〜8
0mmH2 0以下で推移し、安定的にCOGを冷却する
ことができた。
【0027】
【表1】
【0028】〔比較例1〕表1に性状を示す配合の原料
炭に粘結剤として原料炭に対してタールを3wt%の割
合で添加したものをコークス炉に装入して乾留した場合
に発生するCOGを並列に配置した2台のプライマリー
クーラーで35℃まで冷却した。
【0029】この結果、図2(b)に示すようにプライ
マリークーラー内部の圧力損失は管理上限値の70〜8
0mmH2 0以上に増加し、安定的にCOGを冷却する
ことが不可能になった。
【0030】〔実施例2〕粘結剤としてタールを2wt
%添加した表1に性状を示す原料炭をコークス炉に装入
して乾留した場合に発生するCOGに上昇管の出側配管
で安水を粉霧した後、COGとタールおよび安水を分離
するために、2台のプライマリークーラーを定期的に切
り換えて冷却した。
【0031】プライマリークーラー入側に設置したガス
クロにより測定したCOG中のナフタレン濃度は15v
ol%であり、プライマリークーラー(A)とプライマ
リークーラー(B)の圧損は管理上限値を70〜80m
mH2 0以下として、切り替えを行った。この結果、切
り換え後のプライマリクーラー内部の配管洗浄時間は1
〜2時間で圧力損失が30mmH2 0以下に低下した。
この結果、図3(a)に示すように切り替え後のプライ
マリークーラー内部の安水による配管洗浄は短時間で容
易に実施でき、COGの冷却が安定的に実施可能であっ
た。
【0032】〔比較例2〕表1に性状を示す配合の原料
炭に粘結剤として原料炭に対してタールを2wt%の割
合で添加したものをコークス炉に装入して乾留した場合
に発生するCOGを並列に配置した2台のプライマリー
クーラーで35℃まで冷却した。
【0033】COG中のナフタレン濃度は15vol%
であった。そして、プライマリークーラーの圧力損失が
100mmH2 Oに増加した後、プライマリークーラー
を切り換えて、プライマリクーラー内部の配管洗浄時間
を実施した。この結果、図3(b)に示すように前記配
管の洗浄は圧力損失が30mmH2 0以下に低下するま
でに6〜8時間と長時間を要するため、プライマリーク
ーラーを定期的に切り換えて安定的にCOGを冷却する
ことが不可能であった。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によりコークス乾
留時に発生するCOGを安定して冷却することができ
る。本発明の技術的、経済的な効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するCOGの冷却方法を示す図。
【図2】(a)は本発明を実施例1に適用した効果を示
す図、(b)は比較例1に適用した効果を示す図。
【図3】(a)は本発明を実施例2に適用した効果を示
す図、(b)は比較例2に適用した効果を示す図。
【図4】ナフタレン濃度とプライマリークーラーの圧力
損失の関係を示す図。
【符号の説明】
1:石炭ホッパー 2:装入車 3:コークス炉 4:上昇管 5:ドライメーン 6:プライマリークーラー(A) 7:プライマリークーラー(B) 8:タールデカンター 9:プライマリークーラー(A)用電磁弁 10:プライマリークーラー(B)用電磁弁 11:ガスクロ装置 12:プライマリークーラー(A)入口圧力計 13:プライマリークーラー(A)出口圧力計 14:プライマリークーラー(B)入口圧力計 15:プライマリークーラー(B)出口圧力計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中繁三 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭乾留時にコークス炉から発生するコ
    ークス炉ガスを複数の熱交換器で冷却する方法におい
    て、熱交換器入側のコークス炉ガスの組成を分析し、ナ
    フタレン濃度が所定値以上となった場合に定期的に熱交
    換器を切り換えるとともに、冷却に使用した後の熱交換
    器内の配管を洗浄することを特徴とするコークス炉ガス
    の冷却方法。
  2. 【請求項2】 コークス炉ガス中のナフタレン濃度の所
    定値を15〜20vol%とすることを特徴とする請求
    項1記載のコークス炉ガスの冷却方法。
  3. 【請求項3】 石炭乾留時にコークス炉から発生するコ
    ークス炉ガスを複数の熱交換器で冷却する方法におい
    て、熱交換器のコークス炉ガスの圧力損失を測定し、圧
    力損失が所定値以上となった場合に熱交換器を切り換え
    るとともに、冷却に使用した後の熱交換器内の配管を洗
    浄することを特徴とするコークス炉ガスの冷却方法。
  4. 【請求項4】 圧力損失の所定値が70〜80mmH2
    Oであることを特徴とする請求項3記載のコークス炉ガ
    スの冷却方法。
JP17498896A 1996-07-04 1996-07-04 コークス炉ガスの冷却方法 Withdrawn JPH1017869A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003012304A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Kawasaki Steel Corp 水素含有ガスの精製方法およびその装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003012304A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Kawasaki Steel Corp 水素含有ガスの精製方法およびその装置

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Effective date: 20031007