JPH10174591A - 可溶性組換えαvβ3付着受容体 - Google Patents

可溶性組換えαvβ3付着受容体

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JPH10174591A
JPH10174591A JP9338883A JP33888397A JPH10174591A JP H10174591 A JPH10174591 A JP H10174591A JP 9338883 A JP9338883 A JP 9338883A JP 33888397 A JP33888397 A JP 33888397A JP H10174591 A JPH10174591 A JP H10174591A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リガンド結合活性が損なわれていない、本質
的に精製された可溶性のαvβ3付着受容体を提供するこ
とにある。 【解決手段】 完全鎖長の、あるいは膜透過ドメインま
たは、膜透過ドメイン及び細胞質ドメインを含む末端部
分を欠失させたαvβ3付着受容体をコードする遺伝子を
バキュロウイルス−昆虫細胞発現系を用いて発現させ、
完全鎖長のものの場合には細胞膜から界面活性剤を用い
て目的とする組換え遺伝子産物を分離、精製し、末端欠
失型のものについては培養液中から分離、精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リガンド結合活性
が損なわれていない、新規の精製組換えαvβ3付着受容
体(adhesion receptor)、およびバ
キュロウイルス−昆虫細胞発現系を使用した組換え技術
により可溶性の非膜結合型付着受容体を、優れた収率で
生産することのできる方法に関する。このように作製さ
れた可溶性受容体は、天然のαvβ3付着受容体を阻害す
ることができる新しい治療薬のスクリーニングにも容易
に適用できるものである。さらに、本発明は宿主細胞の
表面膜に結合している受容体を界面活性剤を使用して溶
解させることにより、完全鎖長の組換えαvβ3付着受容
体を優れた収量で生産できる方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】インテグリン(int
egrin)は、付着受容体のスーパファミリーであ
り、これは、細胞外に固体状の環境を有する細胞の、細
胞外マトリックス(ECM)への付着、及び他の細胞へ
の付着の両方を制御しているものである。付着あるいは
癒着は、細胞にとって基本的に重要なものであり、固定
と移動のためのきっかけを、あるいは成長と分化のため
のシグナルを与えるものである。インテグリンは、細胞
付着、血餅形成のための移動、炎症、胚形成、癌の増殖
と転移のような多くの正常または病理的事象に直接に関
与しており、根本的な治療手段におけるターゲットとな
るものである。
【0003】インテグリンは、非共有結合のα及びβサ
ブユニットから成り、必須のヘテロ二量体膜通過タンパ
ク質である。インテグリンは、β1、β2、β3、αv
鎖の4つの、部分的に重複したインテグリン・サブファ
ミリーに分類され、ある特定の細胞は各サブファミリー
とは別の種類のインテグリンを発現する。最近の10年
間において、研究者から、インテグリンは細胞付着に関
与している主要の受容体であり、治療手段における好適
なターゲットとしてなり得ることが示されてきた。イン
テグリンに関する報告としては、例えばE.Ruoulahti(J.
Clin. Invest.1991, 87)やR.O.Hynes(Cell, 1992, 69)
がある。
【0004】αv系列のインテグリンは主要なサブファ
ミリーであると見られているもので、従来から指摘され
てきた機能と最近に見いだされた新しい機能を有する。
例えば、メラノーマ細胞株では、腫瘍発生と転移とに関
連したαv系インテグリンの発現の増加(Felding-Haberm
ann et al. 1992,J.Clin. Invest. 89, 2018, Marshall
et al. 1991, Int. J. Cancer49, 924)によって、癌細
胞の転移過程にαv系のインテグリンが関与しているこ
とが示唆された。癌細胞の付着、拡大、特に、最も典型
的な上皮悪性腫瘍である結腸直腸癌についてインテグリ
ンの関与が議論されている。
【0005】αv系インテグリンは、RGD(NH2-ア
ルギニンーグリシンーアスパラギン酸−COOH)トリ
ペプチド配列を有するリガンドを結合部位として特異的
に認識するとされている。αv系受容体インテグリンで
あるαvβ1、αvβ3、αvβ5はビトロネクチン(vit
ronectin)の相当部位を特異的に認識し、α v
β1、αvβ3、αvβ5、αvβ6はフィブロネクチン(f
ibronectin)の相当部位を認識し、αvβ3
フォンビルブラント因子(von Willebran
d factor)、フィブリノーゲン(fibrin
ogen)及びオステオポンチン(osteopont
in)の相当部位を認識する(Busk et al.1992, J.Bio
l. Chem. 267, 5790; Smith and Cheresh 1990, J. Bio
l. Chem. 265, 2168)。これらの抗インテグリン抗体、
例えばαvβ3インテグリンに対する抗体をブロックする
機能については知られている(Cheresh and Spiro 198
7, J.Biol. Chem. 262, 17703; Chuntharapai et al. 1
993, Exp. Cell Res. 205, 345; EP95119233)。
【0006】種々のペプチドおよび抗体によるリガンド
とインテグリンとの間の相互作用の阻害という点に基づ
いて、癌の増殖・転移、ウイルス感染、骨粗しょう症、
血管形成などの多様なプロセスの中での、ビトロネクチ
ン受容体としてのαvβ3インテグリンの重要な役割が注
目されるに至っている(Felding-Habermann and Cheresh
1993, Curr. Opin. Cell Biol. 5, 864; Brooks et a
l, 1994, Cell 79, 1157; Brooks et al. 1994, Scienc
e 264, 569)。αvβ3インテグリンの治療手段における
強力なターゲットとしての浮上は、精製αvβ3を必要と
するプロセスであるαvβ3アンタゴニストの検索をリー
ドすることとなった。多くの必須の膜タンパク質に共通
するように、インテグリンも非イオン性界面活性剤の存
在下のみにおいて活性のある可溶性分子として得られる
ものであり、そのため、薬剤のスクリーニングのための
αvβ3のヒト胎盤からの精製は、厄介で、コストがかか
り、健康に対する考えられ得るリスクを有するものとな
っている(Mitjans et al.1995, J. Cell Sci. 108,282
5)。組換え型のインテグリンについては、すでにCHO
細胞(O'Toole et al., 1990, Cell Regul. 1, 883)や胎
児腎臓293細胞(King et al., 1990, J. Bone Mine R
es. 9, 381)のような真核生物系での発現が行われてい
いるが、DNA組換え技術によって生化学的に満足でき
る量の生産は未だなされていない。末端欠失型の可溶性
αvβ3インテグリンの生物学的活性に関する報告はない
し、組換え技術による完全鎖長を有するαvβ3受容体の
生化学的に重要な量での生産も行われていない。
【0007】従って、比較的容易で安全な方法により、
精製されており、かつ生化学的に使える量での生産が可
能な可溶性組換えαvβ3受容体が提供されることが望ま
れている。更に、そのようなプロセスは、完全鎖長のα
vβ3受容体の生産にも有益であり得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、バキュロウイ
ルス−昆虫細胞発現系を使用した、生物学的に十分な機
能を有する可溶性αvβ3の最初の高レベル発現及び精製
について記載するものである。哺乳動物細胞におけるの
と同様に処理された組換えタンパク質(付着受容体)の
高収量を達成するために、バキュロウイルスのポリヘド
リン遺伝子を強力なウイルスプロモータとして使用さ
れ、αvβ3タンパク質の過剰発現が達成された。この可
溶性タンパク分子は、天然の胎盤におけるもの及び完全
長の組換え受容体におけるリガンドとの結合活性及び特
異性を維持しており、そして、界面活性剤を用いずに精
製することができるために、結合性の人工物の混入の可
能性を除去でき、構造解析における高度な解析結果とス
クリーニングにおける高生産性に適した分子を製造する
ことができる。
【0009】本発明の目的は、リガンド結合活性が損な
われていない、本質的に精製された可溶性のαvβ3付着
受容体を提供することにある。ヒト由来の対応する受容
体は本発明における好適な態様の一つである。
【0010】本発明の受容体は、αv鎖とβ3鎖を有し、
それぞれの鎖のC末端において、膜通過ドメインを含む
部分、または該膜通過ドメイン(transmembr
ane domain)を含む部分と細胞質ドメイン
(cytoplasmaticdomain)の全てを
含む部分の分だけ鎖長が短くなっている構造を採り得
る。成熟したヒトのαv及びβ3タンパク質鎖におけるア
ミノ酸配列およびDNA配列については、膜通過ドメイ
ンおよび細胞質ドメインのものとともにすでに知られて
いる。
【0011】本発明において特に好ましい対象は、対応
する成熟タンパク質鎖におけるN末端から数えて、約9
57個のアミノ酸を有する末端欠失型(truncat
ed:基準となるものの末端部分を削除して短縮化した
もの)αv鎖と、約692個の末端欠失型のβ3鎖を有す
る可溶性ヒト組換え受容体を利用できるようにすること
である。この好ましい形の可溶性受容体では、成熟タン
パク質鎖における実質的に全ての膜通過ドメインととも
に細胞質ドメインの全てが除去されている。しかしなが
ら、以下に示すとおり、膜通過ドメインの部分を含む可
溶性受容体も本発明に含まれる。また、本発明は、ヒト
αvβ3付着受容体に限定されない。本発明における方法
によれば、ヒト由来でないαvβ3受容体を問題なく生産
することもできる。更に、ヒトのものに相当する受容体
を、以下に示す本発明の方法によって生産することがで
きる。
【0012】本発明にかかる方法によってリガンド結合
活性が損なわれていない、高純度に精製された可溶性組
換えヒトαvβ3付着受容体を収率よく生産することがで
き、この方法は、(i)C末端から数えて少なくとも5
2個のアミノ酸を含む部分の分だけ鎖長が短くなった前
記受容体のαv鎖をコードする第一のcDNAと、C末
端から数えてが少なくとも61個のアミノ酸からなる部
分の分だけ鎖長が短くなった前記受容体のβ3鎖をコー
ドする第二のcDNAを、バキュロウイルス発現系のバ
キュロウイルス転送ベクターに組み込んでサブクローニ
ングを行い、(ii)上記の第一及び/または第二DN
Aを含むベクターを、前記発現系のバキュロウイルスの
ゲノムDNAに移入させて組換えバキュロウイルスを形
成し、(iii)該組換えバキュロウイルスの完全な状
態を昆虫細胞に感染させ、(iv)感染した昆虫細胞を
培養基で培養して、末端欠失型のヘテロ二量体α vβ3
容体を該培養基中に発現させ、(v)前記発現した受容
体を、ヒトαvβ3受容体またはその個々の成分鎖に特異
的に結合する抗体を使用した抗体アフィニティクロマト
グラフィにより、培地から分離し、精製することを特徴
とする。
【0013】本発明の他の態様として、完全鎖長の組換
えαvβ3受容体、特に、ヒト由来のものの生産のための
類似の方法が開示されている。この方法は以下の工程に
よって特徴付けられる。
【0014】(i)前記受容体の完全なαv鎖をコード
する第一のcDNAと、前記受容体の完全なβ3鎖をコ
ードする第二のcDNAを、バキュロウイルス発現系の
バキュロウイルスベクターに組み込み、サブクローニン
グをする。
【0015】(ii)上記第1及び/または第2のDN
Aを含むベクターを、前記バキュロウイルス発現系のバ
キュロウイルスのゲノムDNAに移入させ、組換えバキ
ュロウイルスを得る。
【0016】(iii)前記の完成された組換えバキュ
ロウイルスを昆虫細胞に感染させる。
【0017】(iv)感染した昆虫細胞を培養基で培養
し、発現した細胞膜結合型の受容体を界面活性剤で溶解
させる。
【0018】(V)上記で溶解した受容体をヒトαvβ3
受容体またはその成分鎖に特異的である抗体を使用した
抗体アフィニティクロマトグラフィにより細胞を除いた
培地から精製する。
【0019】本発明のαvβ3受容体は、天然の受容体を
阻害することのできる治療用化合物を発見するために有
用である。従って、本発明は、このような薬剤化合物の
発見のためにこの可溶性受容体を適用する方法をも含
む。前述したように、本発明にかかる受容体を利用して
開発が期待できる薬剤化合物としては、1個以上のRG
Dユニットを含む全ての、線状または環状ペプチドまた
はαvβ3付着受容体に対してRGDペプチドと同様な生
物学的活性を示す非ペプチド類似体がある(下記参
照)。
【0020】本発明には、先に記載した、更に以下に記
載するαvβ3受容体を使用した、治療用化合物、特にα
vβ3受容体を阻害できるRGDペプチドまたはその非ペ
プチド類似体の天然のαvβ3受容体を阻害できる能力に
基づいたスクリーニングの方法も含まれる。
【0021】本発明においては、以下の略語が用いられ
ている。
【0022】 αvβ3 インテグリン 17E6 mAb(モノクローナル抗体) AP3 mAb LM609 mAb P4C19 mAb P1F6 mAb αv(FL) 完全鎖長のαv鎖 αv(SL) 短鎖(末端欠失型αv鎖)のαv β3(FL) 完全鎖長のβ3鎖 β3(SL) 短鎖(末端欠失型β3鎖)のβ3 BacPAK バキュロウイルス発現系 SF9(Sf9)、ハイ・ファイヴ(High・Fiv
e) 昆虫細胞 M.O.I. 感染多重度
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる微生
物、細胞株、プラスミド、ファージミド、プロモータ、
耐性マーカ、複製オリジン、その他のベクターフラグメ
ントは、市販されているか、一般的に入手可能なもので
ある。上記のうちで市場から直接入手できないものにつ
いても定法による調製可能であるか、または別の一般的
に入手可能な材料で代用可能である。本発明では、わず
かに改変または変更させた配列を有するDNA配列およ
びアミノ酸配列、あるいは化学的方法や物理的方法によ
り意図的または無作為に得られた変異体や変種も用いら
れる。一般的にここに記載された特性及び機能を示すこ
れらの全ての変異体や変種が含まれる。
【0024】本発明による技術と方法に関しての本質的
な内容がこの明細書に詳しく説明されている。詳しく説
明されてないその他の技術は、当業者には知られている
標準の方法であるか、参考文献に詳しく説明されている
か、原特許申請書、標準文献(Sambrook et al., 1989:
「分子クローニング, 実験マニュアル」, Cold Spring
Harbor: Cold Spring Harbar Laboratory Press; Harlo
w and Lane 1988:「抗体ー実験マニュアル」, Cold Spr
ing Harbor, Cold Spring Harbor Laboratory Press)
に記載されている。
【0025】インテグリンαvとインテグリンβ3のcD
NAについても知られており[Fitzgerald et al., 198
7, J. Biol. chem. 262, 3936(β3); Suzuki et al., 1
987,J. Biol. Chem. 262, 14080 (αv)]、入手も可能
で、例えば、ヌクレオチド合成器により作製することも
できる。
【0026】本発明による成熟完全鎖長のヒトαvタン
パク質鎖は、1018個のアミノ酸を有するが、そのう
ち膜通過ドメインには約29個のアミノ酸が、細胞質ド
メインには約32個のアミノ酸がある。従って、細胞質
ドメイン及び膜通過ドメインを含む領域は合計約61個
のアミノ酸から構成される。この領域は、この鎖のN末
端に位置する。従って、本発明において好ましい末端欠
失型αv鎖は、およそ957個のアミノ酸から構成され
る。
【0027】本発明による成熟完全鎖長のヒトβ3タン
パク質鎖は、762個のアミノ酸を有するが、そのうち
膜通過ドメインには、αv鎖の場合と同様に、約29個
のアミノ酸があり、細胞質ドメインには約41個のアミ
ノ酸がある。従って、細胞質ドメイン及び膜通過ドメイ
ンの領域は合計約70個のアミノ酸で構成されている。
これら膜通過ドメイン及び細胞質ドメインの領域はN末
端側に位置している。従って、本発明において好ましい
末端欠失型β3鎖は、およそ692個のアミノ酸から構
成される。
【0028】本発明においては、受容体鎖の全鎖長から
細胞質ドメインと膜通過ドメインの全てが除かれている
ことが好ましい。しかし、細胞質ドメイン全部と膜通過
ドメインのアミノ酸鎖の1部分だけを取り除いたもので
もかまわない。αv鎖またはβ3鎖が末端欠失型は、膜通
過ドメイン由来の、1〜10個のアミノ酸、特に、1〜
5個のアミノ酸が付いていることが好ましい。この末端
欠失型αvβ3受容体はその後の状況においてグリコシル
化される。グリコシル化の程度は、その由来(起源)と
使用した宿主により違ってくる。
【0029】本発明で使用したバキュロウイルス発現系
は、よく知られたもので一般に入手可能である。好まし
いバキュロウイルス発現系としては、クロンテックラボ
ラトリ社(Clontech Laboraratories, Inc.;ケンブリ
ッジバイオサイエンス、UKから入手可能)のBacP
AK(商品名)であるが、その他のものでも使用可能で
ある。
【0030】本発明によれば、昆虫細胞を組換えバキュ
ロウイルスDNAで感染させる。原理的にはすべての昆
虫細胞システムを使えるが、ウイルスシステムに対する
高感染性と、良好かつ安定した発現を保証するものが好
ましい。昆虫細胞としては、市販されているSF9細
胞、特に、ハイ・ファイヴ(High・Five)細胞
が好ましい。本発明によれば、サブクローニングの段階
ではSF9細胞を使用し、最終の発現段階ではHigh
・Five細胞を使用することが好ましい(実施例参
照)。
【0031】SF9細胞(例えば、Invitrogen Corpora
tionから販売されている)は昆虫細胞用の品質を有する
10%胎児ウシ血清(FBS, Life Technologies, Inc.)を
追加したTC100内で保存し、High・Five細
胞(例えば、Invitrogen Corporation から販売されてい
るBTI−TN−5B1−4)は16.5mMのL−グ
ルタミン(Life Technologies, Inc.)、ペニシリン(5
0IU/ml)及びストレプトマイシン(50μg/m
l)で補足したエクスプレスファイブ培地(Express Fiv
e medium、Life Technologies, Inc.)内で保存する。
【0032】バキュロウイルス−昆虫細胞発現系を使用
して、ヒト組換えαvβ3受容体の生産を下記の要領で実
施した。バキュロウイルス発現システムは、Kidd and E
mery(1993, Appl. Biochem. Biotechonol. 42, 137; O'
Reilly et al.,1992:「バキュロウイルス発現ベクター
実験マニュアル」、Oxford University Press, Inc.New
York)の提案した方法と同様に使用した。
【0033】PCRにより、膜通過ドメイン及び細胞外
部分との境界(図1)をコードしている部位で末端を切
り取ったαvとβ3鎖cDNAを作製した。末端欠失型の
αv鎖とβ3鎖[αv(SL)とβ3(SL)]cDNAお
よび完全鎖長のαv鎖とβ3鎖[αv(FL)β3(F
L)]cDNAを、バキュロウイルス転送ベクターpB
acPAK9にサブクローニングした。本発明では、各
受容体鎖のcDNAを、安定性に関する問題を避けるた
めに、別々のベクターにそれぞれクローニングすること
もできる。しかし、各鎖の等モル状態を維持するために
単一のベクターを使用することが好ましい。実験では、
驚いたことに、両方の受容体鎖のDNA配列を持つベク
ターが大きいものであったにもかかわらず安定であっ
た。
【0034】削除される末端領域がそれぞれ、987個
のαv鎖アミノ酸[957個の成熟タンパク質+30個
のシグナルペプチド]及び718個のβ3鎖アミノ酸
[692個の成熟タンパク質+26個のシグナルペプチ
ド]をコードする完全な膜通過ドメインと細胞質ドメイ
ンを含む場合には、この末端欠失型αvとβ3鎖のcDN
Aには通常シグナル配列が含まれる。完全長の、または
末端欠失型のαvもしくはβ3鎖を発現させるための組換
えバキュロウイルスは、線状化にしたバキュロスウイル
スBacPAK6をゲノムDNAに同時移入により形成
し、その後、SF9細胞またはHigh・Five細胞
中でのプラーク精製及び増幅によって濃度を高めた(O'R
eilly et al., 1992: 「バキュロウイルス発現ベクタ
ー:実験マニュアル」, Oxford University, Inc. New
York)。移入したプラスミドが正確に移入されているか
どうかを、組換えウイルスゲノムDNAのPCRまたは
サザンブロット手順により確認した。
【0035】完全鎖長のαv鎖を発現するSF9細胞と
High・Five細胞を代謝標識して検出した結果か
ら、約110kDaと150kDaの2通りの組換えタ
ンパク質が存在することが判明した(図2A、3列
目)。同様に、完全鎖長のβ3鎖を発現するSF9細胞
を代謝標識して検出した結果でも、約90kDaと12
5kDaの2本のバンドが見られた(図2A、4列
目)。疑似感染させた場合(1列)と、組換えDNAが
組み込まれていないウイルスで感染をさせた場合(列
2)との比較から、ウイルスのライフサイクルの非常に
遅い段階における宿主細胞ゲノムの抑制度が示された。
個々の完全鎖長か、または、末端欠失型のαvもしくは
β3をそれぞれ発現する細胞をツニカマイシンで処理す
ると(図2B、1、3、5、7列)、移動速度の遅いバ
ンドの発生が阻害されており、これは、150/110
kDaバンド(図2B、2、4列)と125/90kD
aバンド(図2B、6、8列)の部位が、組換えタンパ
ク質のグルコシル化された部分とグリコシル化されない
部位とにそれぞれ対応していることを示している。この
結果は、N−グリコシル化のような翻訳後修飾がなされ
るバキュロウイルス系における組換えタンパク質の割合
が、ウイルスのライフサイクルの遅い段階では減少する
という2、3の報告(Jarvis and Finn 1995, Virology
212, 500)を確認するものである。αvタンパク質とβ3
タンパク質がグリコシル化されている場合とグリコシル
化されていない場合でのサイズにおける比較的大きな差
異は、タンパク質がかなりの量でグリコシル化され、し
かも、αvタンパク質の場合には13のNーグルコシル
化部位があること、β3タンパク質には10のNーグル
コシル化部位があることに関係がある。
【0036】インテグリンは細胞外マトリックスと細胞
骨格との間の構造付着機能により細胞形態を決定し、調
節する(Schwartz et al., 1995, Ann. Rev. Cell Dev.
Biol. 11, 549; Montgomery et al., 1994, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 91, 8856)。バキュロウイルス感染
の後期の段階では、SF9細胞/High・Five細
胞細胞は、αvまたはβ3のいずれかだけを発現する組換
えバキュロウイルスを感染させた時も、組換え体を含ま
ないウイルスを感染させた時と同じように、細胞形態は
通常円形になりその結合も緩やかである(図3A)。し
かし、αv(FL)+β3(FL)、または、αv(S
L)+β3(FL)を共発現するウイルスを感染した昆
虫細胞では、その細胞同士が強固に結合され、さらに大
きく広がった細胞形態が見られる(図3B及び図3
C)。αv(FL)+β3(SL)、または、αv(S
L)+β3(SL)を発現するウイルスを同時感染させ
た細胞では、その形態には変化は見られない。これらの
結果は、α鎖の細胞質ドメインが、β鎖の細胞質ドメイ
ンの細胞骨格への親和性に対しての負の調節に関与して
いるという説(Filardo and Cheresh 1994, J. Biol. Ch
em. 269, 4641;Akiyama et al.,1994, J. Biol. Chem.
269, 15961; LaFlamme et al.,1994, J. Cell Biol. 12
6, 1287)を裏付けるものである。αvβ3受容体は、ペプ
チド配列Arg−Gly−Asp(RGD)を有する多
数のリガンドと結合する。このことに対応して、ビトロ
ネクチンをコートしたプレート上でのαv及びβ3ウイル
ス感染SF9細胞の細胞形態の変化は、RGDペプチド
を作用させる試験において阻害された。(表1)。
【0037】
【表1】 アスパラギン酸の代わりにグルタミン酸、またはグリシ
ンの代わりにβ−アラニンで置換した対照ペプチド、す
なわちcyc(RGEfV)およびcyc(RβADf
V)を使用した場合にも細胞形態に影響はなかった。
【0038】SF9細胞よりもバキュロウイルスの発現
分泌タンパク質を多く産生すると言われている(Davis e
t al., 1993, In Vitro Cell Dev. Bio. Anim. 29A, 38
8)High・Five細胞に、完全鎖長のαvとβ3、末
端欠失型のαvとβ3の両方を発現する組換えバキュロウ
イルスを種々に組み合わせたものを感染させた。細胞抽
出物または細胞で調節した培地を用いたmAb LM6
09とαvβ3との複合体の免疫沈降実験(図4)の結果
から、組換えαvβ3ヘテロ二量体が、そのαv鎖とβ3
の一つまたは両方が完全鎖長を有する時には細胞表面に
存在することが分かっている(図4、1〜3列)。さら
に重要なことは、末端欠失型のαvと末端欠失型のβ3
同時発現の場合には、可溶性のヘテロ二量体が分泌され
ることである(図4、9列)。無血清環境で可溶性のα
vβ3の産生によって、その後の後続する処理が大きく簡
便化され、抗αvβ3化合物を探索するための大規模なス
クリーニング手順の構築にある程度の柔軟性を導入でき
ることが示された。
【0039】本発明にかかる、新規な末端欠失型のαv
β3受容体およびその完全鎖長の変異体は、組換え技術
による発現工程の後、抗体アフィニティクロマトグラフ
ィーで精製される。本発明で使用した発現系は、上記の
受容体の高産生に極めて効果的なものであり、異タンパ
ク質の産生が少なく、単一の精製手順で、通常十分に高
度に精製された製品を得ることができる。抗体アフィニ
ティクロマトグラフィーはよく知られた技術である。こ
こでは、ある抗原エピトープに対して特異性を有する抗
体が、適当に活性化された支持体マトリックス、例え
ば、修飾されたアガロースやセファロースに酵素的にあ
るいは化学的に結合している。本発明によれば、使用さ
れる好適な抗体はαvβ3受容体、または単一のαv鎖ま
たはβ3鎖に対して高い特異性を有していることが必要
である。アフィニティクロマトグラフィーに使える抗体
は沢山知られており、それらのいくつかは誰にでも利用
できるパブリックドメインの抗体であるのでその入手に
問題はない。AP3(抗−β3)、LM609(抗−αv
β3)、P4C10(抗−β1)、P1F6(抗−α
vβ5)、17E6(抗−αv)については詳細な特性解
析がなされている(Mitjans etal., 1995, J.Cell Sci.
108, 2825)。モノクローナル抗体である17E6は、2
72−17E6と呼ばれるハイブリドーマ細胞から産生
される抗体のことである。このハイブリドーマ細胞は、
ドイツ・微生物寄託機関(Braunschweig, FRG)(寄託番
号DMS・ACC2160)に寄託された。このモノク
ローナル抗体17E6は、ヨーロッパ特許出願(071
9859)での特許の対象でもある。抗−β3抗体AP
3は、寄託機関ATCCに寄託されている(寄託番号:
HB−242)。抗体17E6と抗体AP3は、容易に
入手できるので、特に本発明では適している。LM60
9(Cheresh and Spiro 1987, J. Biol. Chem. 262, 177
03)は、α鎖とβ鎖の両方に対しての抗体として作用す
るので特に興味があるものである。
【0040】上記の抗体を支持体に担持させた後、感染
後溶菌させた昆虫細胞の清浄な無細胞培地(本発明にか
かる末端欠失型、または、溶解された完全鎖長の組換え
受容体を含む)を、上記の支持体の入ったカラムに入
れ、数回このカラム内を循環させて、発現した受容体を
固定抗体に結合させる。その後、精製したαvβ3受容体
をイオン性緩衝液でカラムから洗い出して、そのままリ
ガンド結合やその他の実験にすぐに使用できる。
【0041】ヒトのビトロネクチン、フィブロネクチ
ン、フィブリノーゲンは、ヒト血漿から精製できる(Yat
ohgo et al., 1988, Cell Struct, Funct. 13, 281; Ru
oslahti et al., 1982, Methods Enzymol 82, Pt A, 80
3; Ruoslahti 1988, Ann. Rev.Biochem. 57, 375; Kaza
l et al., 1963, Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 113, 98
9)。組換えヒトαvβ3の精製及び特性の解析は、詳細に
は下記の方法で行うことができる。17E6、AP3ま
たはLM609抗体を使用したアフィニティ・クロマト
グラフィーを実施する。ヒト胎盤由来のαvβ3を、例え
ば、スミス&チェレッシュ(Smith and Cheresh)(1988,
J.Biol. Chem. 263, 18726)の方法を採用して抗体アフ
ィニティ・クロマトグラフィーで精製する。
【0042】完全鎖長の組換えαvβ3は、αv(FL)
とβ3(FL)を同時に感染させたHigh・Five
細胞昆虫細胞の抽出物を非イオン系界面活性剤に溶解さ
せることにより精製できる。可溶性の末端欠失型のαv
β3は、αv(SL)とβ3(SL)を同時に感染させた
High・Five細胞からは、界面活性剤を使用せず
に精製できる。ELISA(固相酵素免疫検定法)にお
いては、同じ抗体(LM609、17E6、AP3)に
よって、末端欠失型の可溶性の組換えαvβ3と、完全鎖
長の可溶性組換えαvβ3の両方が認識され、ELISA
によるタイター値で判定した場合に、溶解された胎盤由
来のαvβ3と同程度の親和性を示すことが判明した。し
かし、抗−β1(P4C10)抗体または抗−αvβ5
異(P1F6)抗体は、どちらも認識せず、これは、エ
ピトープの保存と、αvβ3に他のインテグリンが低濃度
で混入していることを示す(図5)。
【0043】精製した胎盤由来αvβ3は、非還元条件下
で、SDS−PAGE(SDS−ポリアクリルアミド電
気泳動)を行うと、解離をして、160kDaのα鎖と
95kDaのβ鎖の2本のバンドが現れる(図6、2列
目)。精製した完全鎖長の組換えαvβ3では、約140
kDaのαv鎖と、90kDaのβ3鎖に解離したバンド
が現れる(図6、3列目)。組換えαvβ3が低分子量と
なるのには、バキュロウイルスを感染させた昆虫細胞に
より発現された組換えタンパク質の不完全なグリコシル
化または変性したゴリコシル化が原因している可能性が
ある。精製した可溶性の組換えαvβ3では、約120k
Daの末端欠失型αv鎖と、80kDaの末端欠失型β3
鎖への解離を示すバンドが現れる。この分子量の低下
は、バキュロウイルスを感染させた昆虫細胞において発
現した組換えタンパク質の不完全な、あるいは通常と異
るグルコシル化のためであると考えられる。精製された
組換えαvβ3は、約120kDaの末端欠失型のαv
と、約80kDaの末端欠失型のβ3鎖に分離する。
【0044】αv鎖は、通常、翻訳後開裂が起こり、密
度の重鎖と軽鎖に分かれてからこれらの間にジスルフィ
ド架橋結合が起こる(図1)(Hynes 1992, Cell 69, 1
1)。それ故、還元条件下では、胎盤由来のαvβ3のうち
のα鎖は、さらに解離して140kDaの重鎖と25k
Daの軽鎖となり(図6、6列目)、β鎖は110kD
aに相当する位置まで移動する。α鎖の軽鎖の中には膜
通過を遮断する部位があり、完全鎖長のα鎖も、末端欠
失型の組換えα鎖も、還元条件下では、140kDaの
位置までの移動を起すはずであった。しかし、完全鎖長
αv鎖と、可溶性αv鎖では、還元条件下でも非還元条件
下でも同じ分子量を示し(7、8列目)、これは、αv
鎖には翻訳後に部分的な開裂しか起こらなかったことを
示している。7、8列目の約120kDaでの弱いバン
ドは重αv鎖であると考えられる。胎盤由来のαvβ3
組換えαvβ3との間での相違は、バキュロウイルス感染
の非常に遅い時期における不完全なタンパク質分解プロ
セスに原因がある(O'Reilly et al., 1992, 「バキュロ
ウイルス発現ベクター:実験マニュアル」, Oxford Uni
versity Press. Inc. New York)。表2は、SDS−P
AGEの分析結果である。
【0045】
【表2】 hc:重鎖、lc:軽鎖 本発明の方法によれば、短鎖の組換えαvβ3受容体と完
全鎖長の組換えαvβ3受容体の両方が作製可能である。
本発明により作製された受容体が、なかでも末端欠失型
が、例えばヒト胎盤から分離して比較例として用いた天
然の受容体のリガンド結合特異性を有することを示すた
めに、結合特異性分析を行った。この分析のために、α
vβ3受容体の拮抗阻害剤として知られるリガンドを使用
した。前述したように、RGDアミノ酸配列(アルギニ
ン、グリシン、アスパラギン)を含む線状化ペプチドま
たは環状ペプチドが優れた拮抗阻害剤である。この目的
のための適当なペプチドとしては、例えば、次のものが
ある。GRGDSPK、エチスタチン(Echistatin)、環
状−RGDfV、環状−RGDfNMeV、環状−Rβ
ADfV、KTADC(Trt)PRNPHKGPA
T、GRGESPK、環状−KGDfV、環状−RGE
fV。これらの他に、RGDペプチドと類似した作用を
し、αvβ3受容体との結合能のある非ペプチド系化合物
も使用できる。このようなRGDペプチド及び非ペプチ
ド類似体はすでによく知られた物質であり(ヨーロッパ
特許出願番号96113972,ヨーロッパ特許公開0
578083,0632053,0478363,07
10657,0741133、PCT公開WO94/1
2181)、公知の標準的な方法で合成することも可能
である。これらのリガンドを、従来技術で知られている
方法により、標識分子または原子で修飾して使用する。
ビオチン化リガンドを使用することが好ましい。
【0046】末端欠失型の組換えαvβ3受容体あるいは
その完全鎖長誘導体を、例えば、マイクロタイタープレ
ート上に吸着させて固定化し、上記の標識リガンドを反
応させる。本発明によるαvβ3受容体は上記のリガンド
と強く結合するが、非RGDペプチドとは結合せず、ヒ
ト胎盤由来の生体αvβ3受容体と極めて類似した性質を
示す。このことは、本発明にかかる方法により入手でき
る受容体が、特異的なリガンド結合能という点で、本来
の機能を有していることを示している。
【0047】詳細には、末端欠失型の組換えαvβ3受容
体の生物活性の測定は下記の方法で実施され得る。
【0048】組換えαvβ3受容体と胎盤由来のαvβ3
容体の両方について、末端欠失型のものと完全鎖長のも
のを固定化して、それらに対するビオチン化リガンドの
結合能を測定する。αvβ3受容体に結合することが知ら
れている3種類の、RGD配列を有するリガンド(ビト
ロネクチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン)を
使用した。これらのリガンドは、その濃度に応じて、完
全鎖長の受容体と可溶性受容体のそれぞれの調製物と結
合し、結合における重複した濃度依存性と飽和濃度は胎
盤由来のαvβ3受容体の場合と同様である(図7)。組
換えαvβ3受容体との特異的相互反応の試験にビトロネ
クチンを使用する。ビオチン化したビトロネクチンと上
記のペプチドまたは非ペプチド類似体の濃度を増加させ
ながら固定化受容体に同時にインキュベートして反応さ
せた。上記で述べたペプチド化合物は、ビトロネクチン
が胎盤由来のαvβ3受容体、完全鎖長のαvβ3受容体お
よび可溶性組換えαvβ3受容体のいずれにも結合するこ
とを阻害し(図8、9)、β−アラニン−グリシンの対
照ペプチドの約4〜5倍の阻害効果を示す。各受容体の
環状−RGDfVに対するIC50は、ナノモル(1−5
nM)範囲の低い濃度であった。ここで使用した同じ方
法を使えば、すでに知られているαvβ3受容体に特異的
なリガンドから、αvβ3受容体阻害剤になりうる可能性
のある物質を薬剤化合物をとしてスクリーニングするこ
とが可能となる。
【0049】本発明は、バキュロウイルス昆虫細胞発現
系が、培地中あるいは細胞表面上に分泌される可溶性の
受容体としての完全な機能性を有するヒト組換えαvβ3
インテグリンを多量に発現させるために使用できること
を示している。αvβ3に対する特異的複合抗体(LM6
09、17E6、AP3)での沈降及び精製によって示
されるように、この受容体の二重(SL)末端欠失型が
複合体の形で分泌される。最適の条件下であれば、1リ
ットルの培養基(上清)当たり1〜10mg、好ましく
は2〜5mgの収量(可溶性であるとともに完全鎖長の
受容体)を得ることができる。可溶性αvβ3の生化学的
に有用な量での定常的な生産ができることで、αvβ3
使用した薬剤化合物のスクリーニングにおける高生産性
及びこの重要な受容体の構造解析ができるようになる。
なお、胎盤組織から分離される天然の受容体の収量は組
織1kg当たり約1〜2mgである。
【0050】本発明における方法で得られた組換え完全
長の、及び末端欠失型のαvβ3タンパク質のそれぞれの
純度は、SDS−PAGEとELISAによる検定にお
いて、95〜99%、好ましくは97〜99%である。
可溶性の組換え受容体では、完全鎖長の組換え受容体に
較べて阻害剤に対する感度が約4分の1である。末端欠
失型の可溶性受容体のもうひとつの長所は、界面活性剤
を使用せずに精製できることである。通常必要とされる
非イオン系界面活性剤は極めて高価である(例えば、オ
クチル−β−Dグリコーピラノシド10gで500ド
ル)。胎盤組織から3〜4mgの受容体を溶解させるの
に必要な界面活性剤は約25gである。
【0051】一方が完全鎖長で他方が末端欠失型のα鎖
とβ鎖[αv(FL)×β3(SL)またはαv(SL)
×β3(FL)]を有する組換えウイルスを共感染させ
た細胞は、ヘテロ二量体の受容体を細胞表面に発現す
る。しかし、α鎖とβ鎖が両方とも完全長であるか、あ
るいは、β鎖が完全長でα鎖が末端欠失型を含む細胞で
は、それがビトロネクチンに結合する時に形状変化が起
こる。この付着と拡張という細胞形態の変化がαvβ3
特異的性質を示すことは、RGD配列を含むペプチドの
添加がリガンドと天然受容体との相互作用を特異的にブ
ロックする一方で、RGE配列またはRAD配列を含む
ペプチドの両方はこれらの相互作用をブッロクしない点
によって示される。完全鎖長のα鎖と末端欠失型のβ鎖
を有する細胞では拡張は見られない。
【0052】ELISAの検定結果によれば、β3に特
異的な抗体AP3(Newman et al., 1985, Blood 65, 22
7)と、αvに特異的である抗体17E6(Mitjans et a
l., 1995, J. Cell Science. 108, 2825)と、複合体に
特異的である抗体LM609(Cheresh and Spiro 1987,
J. Biol. Chem. 262, 1770323)は、完全鎖長の受容体
と末端欠失型の受容体の両方を特異的に認識する。この
ことは、組換えインテグリンが胎盤由来のαvβ3と同じ
エピトープをもっていることを示している。
【0053】非還元条件下でのSDS−PAGEの結果
において、αv−鎖およびβ3−鎖に典型的なバンドが現
れている。完全鎖長の組換えα鎖の分子量は胎盤由来の
完全鎖長のα鎖に較べて小さい(160kDaに対して
約140kDa)が、これは、昆虫細胞におけるグリコ
シル化の度合いの減少か、またはグルコシル化の内容の
違いが起こっているためと考えられる。
【0054】完全鎖長及び可溶性の組換えαvβ3受容体
は共に、リガンドであるビトロネクチン、フィブリノー
ゲン、フィブロネクチンに特異的に結合し、ビトロネク
チンの結合は、RGDを有するペプチドにより特異的に
阻害され、その場合の濃度依存性は胎盤由来の受容体と
同じである。
【0055】このように、完全鎖長、および、末端欠失
型のヒトαvβ3受容体に対するリガンドの結合特異性や
胎盤由来のものと同定度の飽和濃度が判明したことによ
り、労力を使わずに、ヒトの胎盤を使用することによる
リスクもなしに、バキュロウイルス昆虫細胞発現系を使
用して機能的な組換えαvβ3受容体を大規模生産するこ
とが可能となる。さらに、本発明で使用したバキュロウ
イルス発現系を使用すれば、修飾受容体やキメラ受容体
も発現させることも可能で、これらは、リガンドの結合
とそれに続くシグナル伝達機構の分子レベルでの研究に
有用なものとなる。
【0056】
【実施例】
実施例1:組換え転送ベクターの構築 αvpcDNA-1Neo(Felding-Habermann 1992, J.
Clin. Invest., 89,2018)から、αvcDNAをEco
RI断片として切り出し、転送プラスミドpBacPA
K8(Clontech社)に組み込んでクローニングを行った。
ここで作製された組換え体をαv(FL)(pBac
8)と名づけた。β3pcDNA−1Neoからインテ
グリンβ3cDNAをXbaI断片として切り出し、転
送プラスミドpBacPAK9(Clontech社)に組み込ん
でクローニングした。膜貫通部分を欠失した末端欠失型
のαvcDNAとβ3cDNAをPfu熱安定DNAポリ
メラーゼ(Stratragene社)を使用したポリメラーゼ鎖反
応(PCR)により構築した。
【0057】成熟αv(シグナル配列を含む)の1〜9
87番のアミノ酸をコードしている末端欠失型αvcD
NAを下記に示すオリゴヌクレチド・プライマーを用い
て作製した。
【0058】5’−GAC CAG CAT TTA
CAG TGA−3’(前進プライマ、配列番号:1)
と、5’−CA CAG GTC TAGCT]
ATG GCT GAATGC CCC AGG−
3’[逆方向プライマ(配列番号:2)であり、987
番のアミノ酸をコードする配列に続いて翻訳終始コドン
(ACT)を含み、この後にXbaI制限酵素切断部位
(下線部)がある。]。
【0059】PCR生成物を制限酵素Sa1IとXba
Iで消化して、その断片をSa1I/XbaIで切断さ
れたαvpcDNA−1Neoに組み込みクローニング
した。末端欠失型のαvcDNAをpBacPAC9の
EcoRI/XbaI切断部位に組み込んでサブクロー
ニングをして、産生したクローンをαv(SL)(pB
ac9)と名づけた。成熟β3(シグナル配列を含む)
の1〜718番のアミノ酸をコードしている末端欠失型
β3cDNAを下記に示すオリゴヌクレチド・プライマ
ーを用いて作製した。
【0060】5’−GCG CGC AAG CTT
GCC GCC ACC [ATG] CGA GCG
CGG CCG−3’[前進プライマー(配列番号:
3)であり、翻訳開始コドン(AGT)とHindII
I制限酵素(下線部)を含む]と、5’−GAT CG
TCT AGA [CTA] GGT CAG G
GC CCT TGG GAC ACT−3’[逆方向
プライマ(配列番号:4)であり、718番のアミノ酸
をコードする配列に続いて翻訳終始コドン(CTA)を
含み、この後にXbaI制限酵素切断部位(下線部)が
ある。]。
【0061】PCR生成物を制限酵素HindIIIと
XbaIで切断して、その断片をHindIII/Xb
aIで切断されたpSK+(Stratagene社)に組み込んで
クローニングをした。産生したクローン[(β3(SL)
(pSK+)]をHindIIIで切断して、DNAポ
リメラーゼIのクレノーフラグメント(ベーリンガーマ
ンハイム社)で補充して末端平滑化を行った。平滑末端
を有する線状化プラスミドをXbaIで消化して、その
断片をpBacPAK9のSmaI/XbaI切断部位
に組み込んでサブクローニングをした。産生したクロー
ンをβ3(SL)(pBac9)と名づけた。αv(S
L)(pBac9)とβ3(SL)(pBac9)の両
方のPCR増幅部位のDNA塩基配列を確認して、その
構築物のすべてについて、正確なサイズのタンパク質が
発現されているかについて、TNT−結合網状赤血球溶
解液システム(Coupled Reticulocyte Lysate System;
Promega社)を使用して、バクテリオファージT7プロ
モータでのin vitro転写と翻訳により試験した。 実施例2:組換えバキュロウイルスの作製 バキュロウイルスゲノムDNAであるBacPAK6(C
lontech)を高タイターのストックから入手して(Page an
d Murphy 1990: Methods in Molecular Biology, Human
a Press, Clifton, New Jersey, USA)、制限酵素Bsu
36I(Kitts and Possee 1993, Biotechniques 14, 81
0)で線状化した。完全鎖長及び末端欠失型のαvとβ3
ンテグリンを発現する組換えバキュロウイルスクローン
を、クローンテック社(Clontech)のBacPAK製品プ
ロトコールに従って作製した。負の対照として使用する
ために、pBacPAK9を転送プラスミドとして使用
して、組換えDNAを含まないクローンを調製した。
【0062】正確に組換えられたウイルスクローンが産
生されていることをPCRで増幅させて確認し、そのウ
イルスをSF9細胞に感染させた(O'Reilly at al., 19
92,バキュロウイルス発現ベクター;実験マニュアル, O
xford University Press Inc, New York)。 実施例3:SF9細胞に発現されたタンパク質の代謝パ
ルス標識。
【0063】文献記載の方法で、SF9細胞の代謝パル
ス標識検出を実施した(Summer andSmith 1987:「バキュ
ロウイルスと昆虫細胞の取扱いマニュアル」、Texas Ag
ricultural Experiment Station Bulletin B-1555)。指
定に応じて、代謝パルス標識を行う前と行っている間の
16時間にわたって、濃度10μg/mlのツニカマイ
シン(シグマ)を反応させた。細胞は100μlの緩衝
液[1% Nonidet(商標) P-40, 1 mM CaCl2, 150 mM NaCl,
0.4 mM Pefabloc(商標)(Boehringer Mannheim社), 10
μg/ml Leupeptin及びE64(sigma), 10 mM Tris/HCl; pH
7.4; NonidetP-40は界面活性剤であり、Pefabloc(商標)
は、プロテアーゼ阻害剤である)] 中で溶菌させた。菌
溶解液をエッペンドルフマイクロヒュージにより140
0×g、4℃で10分間遠心分離した後、還元条件下
で、8%SDS−ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動
で分離した。その後、固定化させ、乾燥してオートラジ
オグラフィを実施した (Sambrook et al., 1989:「分子
クローニング:実験マニュアル」、Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)。 実施例4:昆虫細胞でのタンパク質の発現 組換えタンパク質が、High・Five細胞により、
単分子層または懸濁液の状態で発現された。αvを発現
する組換えバキュロウイルスと、β3を発現する組換え
バキュロウイルスの両方を、培地を最小の量にして、静
かに撹拌しながら同時感染させた。この時の、それぞれ
の感染多重度(M.O.I)は5〜20(1個の細胞に
対して5〜20のウイルスDNAを感染させる)であっ
た。2時間後に、細胞だけを新鮮なExpress・F
ive培地に移して27℃で、48〜64時間インキュ
ベートした。膜に結合している組換えインテグリンを分
離するために、遠心分離(1000×g,10分)を行
い、細胞を収集し細胞ペレットとして使用した。可溶性
組換えインテグリンを分離するために、細胞を除去した
上清を使用した。 実施例5:免疫沈降法 Affigel(商標)ビーズ(BIO−RAD)(Mit
jans et al., 1995, J. Cell Sci.108, 2825)に結合し
たαvβ3複合体の細胞外ドメインを認識するモノクロー
ナル抗体LM609を使用して、表面ビオチン化細胞の
抽出液と細胞で調整した培地(cell conditioned mediu
m)での免疫沈降検出法を実施した。SDS−PAGE
とHybond-PVDF膜(Towbin et al., 1979, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 76, 4350)上でのウエスタンブロット法
を実施した後、メーカよりの指示書に従ってECLウエ
スタンブロット検出試薬(Amersham社)を用いた強化化学
ルミネセンス法を行ってビトチン化タンパク質の検出を
行った。 実施例6:細胞の形態変化の検討 SF9細胞(1×106菌/ウエル)を6枚のウエル・
プレート上にそのままか、あるいは、精製ヒト血漿ビト
ロネクチン(PBS中濃度5μg/ml;2時間)をコ
ーティングしたプレート上に固定し、非特異的部位をブ
ロックした(PBS中濃度3%BSA(w/v)を使
用)。その後、種々の組み合わせでウイルスを感染させ
た。感染をさせた後48時間、細胞形態に変化がないか
観察した。指定に応じて、培地に10μM環状ペプチド
をαvインテグリン−リガンド相互作用 [環状(RGD
fV)、環状(RβADfV)または環状(RGEf
V)(ここで小文字はD−アミノ酸)]の競争的阻害剤
として添加した。 実施例7:組換えインテグリンの精製 完全鎖長のαvβ3を発現するHigh・Five細胞を
収集して、PBSで洗浄して、氷冷した細胞溶解用緩衝
液(100mM n−オクチル−β−D−グルコシド、
1mMCaCl2、2mM Pefabloc(商
標)、pH7.4、PBS中)を用いて、4℃で1時間
溶解させた。この細胞溶解液を遠心分離(10、000
×g、45分、4℃)して、その上澄みを、細胞溶解用
緩衝液で事前平衡化させてある、17E6抗体使用のア
フィニティクロマトグラフィ・カラムの中を4℃で1昼
夜再循環させた。洗浄後(ベッド容量20ml、2×1
0cmカラム、50mM n−オクチル−β−D−グル
コシド、2mM Pefabloc、2mM CaCl
2、pH7.4、PBS溶液)、結合タンパク質を溶出
させ(50mM OG、2mM Pefabloc、2
mM CaCl2、50mM 酢酸ナトリウム、pH
3.1)、その溶出液を280nmでモニターをして、
分画を直ちに中和した(1:50容量3M トリス/H
Cl、pH8.8)。ピーク分画をプールして透析(1
0mM OG、1mM CaCl2、pH7.4、PB
S溶液)して濃縮し、その後、SDS−PAGEで分析
した。その一部(タンパク質濃度約1mg/ml)を−
80℃で保存した。BCAタンパク質分析法(Pier
ce)により、BSA標準液に対するタンパク質濃度を
測定した。感染したHigh・Five細胞の培養上清
(無細胞培地)を、17E6抗体使用のアフィニティク
ロマトグラフィ・カラムの中を再循環させることによ
り、可溶性末端欠失型組換えαvβ3の精製を行った。洗
浄、溶出、測定については、緩衝液に界面活性剤を含ま
ない点を除いて、完全鎖長のαvβ3で説明した通りであ
る。精製受容体のELISA検出には、ヤギ−抗マウス
IgG(H+L)HRP接合体(BIO−RAD)と
3, 3’,5,5’−テトラメチルベンジジン−ジヒ
ドロクロリド(シグマ)を基質として使用した。 実施例8:可溶性で膜貫通部分を完全長で有するαvβ3
受容体の精製は、LM609抗体使用のアフィニティク
ロマトグラフィ・カラムを使用して行われた。 実施例9:抗体アフィニティクロマトグラフィ・カラム
の作製 支持マトリックス(Affigel(商標)、BIOR
AD)を500ml冷却PBSにて洗浄した。精製抗体
を、循環回転状態で、支持マトリックス(5mg/ml
ゲル)と一緒に約12時間インキュベートした。上澄み
を取り除いて、その後、マトリックス上で引き続き活性
を示しているものを0.1Mエタノールアミンで遮断し
た。支持マトリックスを0.01Mトリス/HCl、p
H8.0、0.01M酢酸ナトリウム、pH4.5で交
互に洗浄してから直接使用した。 実施例10:インテグリンリガンド結合、競争的アッセ
イ;リガンドと抗体のビオチン化 タンパク質のPBS溶液を5倍濃縮の結合用緩衝液(5
00mM NaCl、500mM NaHCO3)で1
mg/mlのタンパク質濃度に希釈した。 作製したば
かりのN−ハイドロキシスクシンイミドビオチン(シグ
マ)[1 mg/ml DMSO溶液]を、0.1mg/mlのタンパ
ク質溶液に添加して、20℃で2時間インキュベートし
た。透析(PBS、0.025%NaN3)後、タンパ
ク質濃度を測定した。ビオチン化したタンパク質を4℃
で保存した。
【0064】リガンド結合分析:インテグリンをコーテ
ィング緩衝液(150mM NaCl、1mM CaC
2、1mM MgCl2、10μM MnCl2、20
mMトリス/HCL;pH7.4)で、濃度が1μg/
mlになるように希釈して、その100μlを96ウエ
ルマイクロタイタープレートに1昼夜4℃で吸着させ
た。プレートを一度に結合緩衝液(コート用緩衝液に
0.1%(w/v)BSAを含む)で洗浄して、ブロッキン
グ用緩衝液(3%(w/v)BSAを含むコート用緩衝液)
で37℃で2時間ブロックした。結合用緩衝液で洗浄し
た後、連続的に希釈ビオチン化リガンドを添加した。こ
れを、インキュベート(3時間、37℃)をした後、結
合していないリガンドを結合緩衝液で洗い流し、結合し
たビオチンを抗ビオチン−アルカリフォスファターゼ接
合抗体とインキュベートしてこれを検出して、さらに、
p−ニトロフェニル リン酸(BIO−RAD)基質を
使用して結合抗体を定量した。 実施例11:インテグリンリガンド結合、競争的アッセ
イ 競争的アッセイ:インテグリンを前述の方法で固定化し
た。連続的に希釈した環状ペプチドをビオチン化ビトロ
ネクチン(1μg/ml)と並行して添加した。37℃
で3時間インキュベートした後、上記と同じように、結
合リガンドを検出した。3重アッセイを数回繰り返し
た。
【0065】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:PCR用プライマー 配列 GACCAGCATT TACAGTGA 18 配列番号:2 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:PCR用プライマー 配列 CACAGGTCTA GACTATGGCT GAATGCCCCA GG 32 配列番号:3 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:PCR用プライマー 配列 GCGCGCAAGC TTGCCGCCAC CATGCGAGCG CGGCCG 36 配列番号:4 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:PCR用プライマー 配列 GATCGATCTA GACTAGGTCA GGGCCCTTGG GACACT 36
【図面の簡単な説明】
【図1】二量体のαvβ3受容体を図式化したものであ
り、末端欠失のためのαv鎖の切断部位とβ3鎖の切断部
位が示されている。αv鎖は、通常、翻訳後開裂が起こ
り、重鎖(αvhc)と軽鎖(αvlc)に分かれ、その
後、ジスルフィド(S−S)架橋により結合される。E
C:細胞外、PM:細胞膜、IC:細胞内、IAC:イ
ンテグリンと結合している細胞質骨格、Lig:リガン
ド。
【図2】(A)疑似感染させたSF9細胞(1列目)と
組換え体を含まないウイルスを感染させたSF9細胞
(2列目)、αv(FL)を含むウイルスを感染させた
Sf9細胞(3列目)またはβ3(FL)を含むウイル
スを感染させたSF9細胞(4列)を、35S標識アミノ
酸を使用して2時間の代謝標識を行い、感染後40時間
で結果を見たものである。細胞抽出物は、還元条件下、
SDS−PAGEにより分離された。右側に標準標識タ
ンパク質の分子量をkDAとして表示している。 (B)αv(FL)(1、2列目)、αv(SL)(3、
4列目)、β3(FL)(5、6列目)、β3(SL)
(7、8列目)を感染させたSF9細胞を、10μMツ
ニカマイシンのDMSO溶液で処理するか(1、3、
5、7列)、あるいは、DMSOだけで処理した場合
(2、4、6、8列)の結果を示している。感染細胞を
上記と同じように代謝パルス標識した。標準標識タンパ
ク質を右に示している。
【図3】同時感染をさせた後の細胞形態の変化を示した
ものである。組換えタンパク質を含まないウイルス
(A)、αv(FL)+β3(FL)を含むウイルス
(B)、αv(SL)+β3(SL)を含むウイルス
(C)をそれぞれ感染させたSF9を感染後48時間目
に位相差顕微鏡で見たものである。
【図4】細胞表面と可溶性αvβ3との免疫沈降法分析の
結果である。αv(FL)+β3(FL)を含むウイルス
(1、6列)、αv(FL)+β3(SL)を含むウイルス
(2、7列)、αv(SL)+β3(FL)を含むウイルス
(3、8列)、αv(SL)+β3(SL)を含むウイルス
(4、9列)または組換えタンパク質を含まないウイル
ス(5、10列)を同時感染させたHigh・Five
細胞から調製した細胞抽出物(1〜5列)と細胞で調整
した培地(cell conditioned med
ium)(6〜10列)を使用した。αvβ3複合体をモ
ノクローナル抗体LM609を使用して免疫沈降させ、
非還元条件下でSDS−PAGEで分離して、PVDF
膜に移し、ストレプトアジビン−HRP接合体で標識検
出した結果である。
【図5】精製受容体の分析結果である。各種のモノクロ
ーナル抗体を使用して、精製完全鎖長の、および末端欠
失型のαvβ3のエピトープと純度が分析された。受容体
濃度を増加させながら固定化させて、抗体LM609
(抗−αvβ3抗体)、17E6(抗−αv抗体)、AP
3(抗−β3抗体)、P4C10(抗−β1抗体)、P1
F6(抗−αvβ5抗体)を反応させて分析した。縦軸
は、450nmでの吸光度。横軸:コートされた受容体
濃度(μg/ml)。(○)胎盤由来αvβ3、(■)α
v(FL)+β3(FL)、(◆)αv(SL)+β3(S
L)。
【図6】精製受容体の分析を示す。SDS−PAGEに
よる精製受容体の分析である。1、5列:HMW、2、
6列:胎盤由来αvβ3、3、7列:αv(FL)×β3(F
L)、4、8列:αv(SL)×β3(SL)。1、3、5、
7列:非還元条件下。2、4、6、8:還元条件下。
【図7】精製組換えαvβ3の活性試験結果である。固定
化受容体へのリガンド結合を示す。ビオチン化ビトロネ
クチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチンを固定化
した受容体に結合させた。結合したリガンドを抗−ビオ
チン抗体で検出した。縦軸:吸光度(405nm)で示
したリガンド結合。横軸:ビトロネクチン、フィブリノ
ーゲン、フィブロネクチンの濃度(μg/ml)。
(○)胎盤由来αvβ3、(■)αv(FL)+β3(FL)、
(◆)αvΔ(SL)+β3Δ(SL)。
【図8】異なる受容体とビトロネクチンの結合に対する
RGDペプチドの作用を示すものである。図に示した数
種のペプチドの濃度を上げながら、ビオチン化ビトロネ
クチンをインキュベートした。縦軸:ビトロネクチンの
結合率(%)、横軸:ペプチド濃度。(●)胎盤由来α
vβ3、(■)末端欠失型組換えαvβ3(第1調製)、
(▲)末端欠失型組換えαvβ3(第2調製)。
【図9】異なる受容体とビトロネクチンの結合に対する
RGDペプチドの作用を示すものである。図に示した数
種のペプチドの濃度を上げながら、ビオチン化ビトロネ
クチンをインキュベートした。縦軸:ビトロネクチンの
結合率(%)、横軸:ペプチド濃度。(●)胎盤由来α
vβ3、(■)末端欠失型組換えαvβ3(第1調製)、
(▲)末端欠失型組換えαvβ3(第2調製)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (71)出願人 591032596 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 ベェート ディーフェンバッハ ドイツ連邦共和国 デー−64271 ダルム シュタット メルク カーゲーアーアー内 (72)発明者 デテレフ ギュソウ ドイツ連邦共和国 デー−64271 ダルム シュタット メルク カーゲーアーアー内 (72)発明者 ラーヨ メーター ドイツ連邦共和国 デー−64271 ダルム シュタット メルク カーゲーアーアー内 (72)発明者 エイリシュ クーレン ドイツ連邦共和国 デー−64271 ダルム シュタット メルク カーゲーアーアー内 (72)発明者 アレックス ブロウン ドイツ連邦共和国 デー−64271 ダルム シュタット メルク カーゲーアーアー内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リガンド結合活性が損なわれていない、
    実質的に精製された可溶性組換えαvβ3付着受容体。
  2. 【請求項2】 ヒトαvβ3付着受容体である請求項1に
    記載の付着受容体。
  3. 【請求項3】 αv鎖とβ3鎖とを有し、これらの鎖のそ
    れぞれが、そのC末端が、膜通過ドメインを含む部分、
    またはこの膜通過ドメインを含む部分と全細胞質ドメイ
    ンとを含む部分の分だけ短縮されている請求項2に記載
    の受容体。
  4. 【請求項4】 対応する成熟タンパク質鎖のN末端から
    数えた場合に、約957個のアミノ酸を含む末端欠失の
    αv鎖と、約692個のアミノ酸を含む末端欠失のβ3
    とを有する請求項3に記載の受容体。
  5. 【請求項5】 請求項7に記載の方法により得られるヒ
    トαvβ3付着受容体。
  6. 【請求項6】 非還元条件下でのSDS−PAGAによ
    り測定した場合に、末端欠失のαv鎖の分子量が120
    kDa(±12kDa)であり、末端欠失のβ3鎖の分
    子量が約80kDa(±8kDa)である請求項12に
    記載の受容体。
  7. 【請求項7】 リガンド結合活性が損なわれていない、
    高純度に精製された可溶性ヒト組換えαvβ3付着受容体
    を高収率で調製する方法であって、 (i)C末端から少なくとも52個のアミノ酸を含む部
    分の分だけ鎖長が短くなった前記受容体のαv鎖をコー
    ドする第1のcDNAと、C末端から少なくとも61個
    のアミノ酸を含む部分だけ鎖長が短くなった前記受容体
    のβ3鎖をコードする第2のcDNAを、バキュロウイ
    ルス発現系のバキュロウイルス転送用ベクターに組み込
    んで、サブクローニングを行い、 (ii)前記第1及び/または第2のDNAを含むベク
    ターを、前記発現系のバキュロウイルスのゲノムDNA
    に移入させ、 (iii)前記完全な組換えバキュロウイルスで昆虫細
    胞を感染させ、 (iv)前記感染昆虫細胞を培地で培養して、ヘテロ二
    量体の末端欠失型αvβ3受容体を該培地中に発現させ、 (v)発現した受容体を、ヒトαvβ3付着受容体または
    その個別の構成鎖に特異的に結合する抗体を使った抗体
    アフィニティクロマトグラフィにより培地から精製する
    ことを特徴とする付着受容体の調製方法。
  8. 【請求項8】 前記第1、第2のcDNAを同じバキュ
    ロウイルスベクターに組み込んでサブクローニングする
    請求項7に記載の調製方法。
  9. 【請求項9】 バキュロウイルス発現系がBacPAK
    システムである請求項7に記載の調製方法。
  10. 【請求項10】 感染用の昆虫細胞が、ハイ ファイヴ
    (High・Five)(BTI−TN−5B1−4)
    細胞である請求項7に記載の調整方法。
  11. 【請求項11】 抗体アフィニティクロマトグラフィに
    使用される特異的抗体が、登録番号が272−17E6
    (DSM ACC2160)であるハイブリドーマ細胞
    株で産生されたmAb 17E6である請求項7に記載
    の調製方法。
  12. 【請求項12】 第1のcDNAが、C末端から数えて
    約61個のアミノ酸を含む部分の分だけ鎖長が短くなっ
    ている前記受容体のαv鎖(成熟なタンパク質であれば
    約957個のアミノ酸を含む鎖に相当)をコードするた
    めに使用され、第2のcDNAがC末端から数えて約7
    0個のアミノ酸を含む部分の分だけ鎖長が短くなってい
    る前記受容体のβ3鎖(成熟なタンパク質であれば約6
    92個のアミノ酸を含む鎖に相当)をコードするために
    使用される請求項7に記載の調製方法。
  13. 【請求項13】 末端欠失型αv鎖をコードするcDN
    Aが、オリゴヌクレチドである、5’−GAC CAG
    CAT TTA CAG TGA−3’(配列番号:
    1)と、5’−CA CAG GTC TAG ACT
    ATG GCT GAA TGC CCC AGG−
    3’(配列番号:2)をプライマーとして使用したPC
    Rにより作成され、末端欠失型β3鎖をコードするcD
    NAが、オリゴヌクレチドである、5’−GCG CG
    C AAG CTT GCCGCC ACC ATG
    CGA GCG CGG CCG−3’(配列番号:
    3)と、5’−GAT CGA TCT AGA CT
    A GGT CAG GGC CCT TGG GAC
    ACT−3’(配列番号:4)をプライマーとして使
    用してPCRにより作成されたものである請求項12に
    記載の調製方法。
  14. 【請求項14】 前記受容体を阻害する治療薬の発見の
    ための、請求項1〜6に記載の可溶性組換えαvβ3受容
    体の使用法。
  15. 【請求項15】 治療薬化合物がRGDペプチドまたは
    非ペプチド性の類似物質である請求項14に記載の使用
    法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜4に記載の可溶性αvβ3
    容体及び該αvβ3受容体を阻害する可能性のある治療用
    化合物を使用して、治療用化合物の天然のα vβ3受容体
    を阻害する能力のある治療用化合物をスクリーニングす
    る方法。
  17. 【請求項17】 治療用化合物としてのRGDペプチド
    または非ペプチド性類似体を、検出標識により検出が可
    能なように修飾し、固定化された精製可溶性αvβ3受容
    体と反応させ、さらに、該受容体に結合したリガンドの
    量が測定される請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 高純度に精製された完全鎖長のヒト組
    換えαvβ3付着受容体を高収率で調製する方法におい
    て、 (i)前記受容体のαv鎖をコードする第1のcDNA
    と、上記の受容体のβ3鎖をコードする第2のcDNA
    を、バキュロウイルス発現系のバキュロウイルス転送ベ
    クターに組み込んで、サブクローニングを行い、 (ii)前記の第1及び/または第2のDNAからを含
    む前記ベクターを前記発現系のバキュロウイルスのゲノ
    ムDNAに移入させ、 (iii)上記の完全な組換えバキュロウイルスで昆虫
    細胞を感染させ、 (iv)上記の感染昆虫細胞を培地で培養して、発現し
    た膜結合受容体を界面活性剤で溶解させ、 (v)上記の溶解した受容体を、ヒトαvβ3付着受容体
    またはその個別の構成鎖に特異的に結合する抗体を使っ
    た抗体アフィニティクロマトグラフィにより無細胞培地
    から精製することを特徴とする調製方法。
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