JPH10173423A - 移動電話器用アンテナ素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動電話器の感度を向上させるアンテナ素子
を提供する。 【解決手段】 フィルム３にマイクロストリップライン
１を印刷し、その上に保護カバー２を設けて更に全体を
剥離紙４で覆ってある。マイクロストリップライン１の
幅と長さはケースＣの比誘電率を考慮して決定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、移動電話器用の
アンテナ素子に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】携帯電話やＰＨＳ等の
移動電話器が近年急速に普及している。これらの電話器
は内部に送受信器とアンテナを備え、最寄りの基地局と
の間で送受信を行って回線に接続するようになっている
が、その場所や廻りの環境などにより送受信しにくいこ
とが度々生じており、この点の改善が望まれているとこ
ろである。本発明は上記従来技術の欠点を改善すること
を目的とする。

【０００３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の移動電話器用アンテナ素子は、送受信器と
アンテナを備えた移動電話器のケースの外側に装着され
た所定の厚みと線幅と長さを有する線状の導体と、該導
体を電話器のケースの外側に装着するための手段と、を
備え、前記導体の厚みと線幅及び長さが、要求される特
性インピーダンスに加えて前記ケースの比誘電率に基づ
いて決定される、ことを基本的な特徴とする。このよう
なアンテナ素子は移動電話器のアンテナの反射器又は導
波器となり、アンテナの指向性を高め、送受信の感度を
上げることが可能になる。また、該アンテナ素子は電話
器のケースの比誘電率を考慮してその厚みと幅及び長さ
が決定されているから、高い効果を得ることが可能にな
る。

【０００４】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図１と図２において、本発明のアン
テナ素子Ａにおいては、フィルム３上に保護カバー２が
印刷などにより形成され、その上にマイクロストリップ
ライン１が同様に印刷により施されている。フィルム３
の裏面（マイクロストリップライン１側）には接着剤が
塗られており、フィルム３の裏面全体を剥離紙４により
カバーしている。マイクロストリップライン１は銀ペー
ストによるシルク印刷により形成されるのが望ましい。
また印刷の他にホットスタンプ、蒸着、エッチング等に
よっても可能である。そして、この剥離紙４を剥がし
て、図４に示すように電話器Ｘの裏側のケースＣ上に貼
着するようになっている。図３がケースＣに貼着した状
態であり、マイクロストリップライン１がケースＣに密
着するようになっている。

【０００５】マイクロストリップライン１は線状をして
おり、この実施形態では２本フィルム３上に形成してあ
る。これは、電話器Ｘ内のアンテナの位置や大きさに適
切に対応するための構成であり、どちらかのマイクロス
トリップライン１が効果を発揮するようになっている。

【０００６】マイクロストリップライン１の厚み、線幅
及び長さを決定するに際し、電話器Ｘ内のアンテナとマ
イクロストリップライン１の間に介在するケースＣの比
誘電率を考慮しないと最大の効果を発揮できない。また
マイクロストリップライン１は直線でも良いが、この実
施形態に示すように、任意の形状に屈曲させることが可
能である。屈曲させることにより、全体の大きさをコン
パクトにまとめることが可能になる。

【０００７】マイクロストリップライン１の要求される
特性インピーダンスは、電話器Ｘの特性により決められ
る。この特性インピーダンスＺ0と線幅Ｗ及びマイクロ
ストリップライン１の長さとの間には、

【数１】 （但し、Ｗ／ｈ＜１） の関係がある。ここで、ｈはケースＣ（誘電体）の厚さ
である。このケースＣの厚さは電話器の種類によって若
干異なるが、その平均的な厚さを求めておく。またマイ
クロストリップライン１の厚さｔはｈに比較して十分に
小さいため無視できる。εｅは実効誘電率である。ま
た、

【数２】 の関係が知られている。ここで、εｒは誘電体であるケ
ースＣの比誘電率である。上記式１と式２とからＷが決
定される。そして、このＷを式２に代入して実効誘電率
εｅを求めることが出来る。一方Ｗ／ｈ＞１の時は、下
式により同様にＷとεｅを求めることが出来る。

【数３】

【数４】

【０００８】実効誘電率εｅが求まったら、式５により
伝搬速度Ｖｐを求める。ここでＣは光速度である。

【数５】 そして、式６と式７によりマイクロストリップライン１
内の波長λｇを求め、このλｇがマイクロストリップラ
イン１に要求される長さになる。

【数６】

【数７】 （ここで、λｏは自由空間での波長、ｆは周波数）上記
により、マイクロストリップライン１の幅Ｗと長さを決
定することができる。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電話器ＸのケースＣの比誘電率を考慮することにより、
最適なマイクロストリップライン１の幅と長さを決定で
き、電話器Ｘのアンテナの指向性を高めることが可能に
なる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す平面図。

【図２】本発明の一実施形態の構造を示す断面図

【図３】本発明の一実施形態の使用状態における断面
図。

【図４】本発明の一実施形態の使用方法の説明図。

【符号の説明】

１：マイクロストリップライン、２：保護カバー、３：
フィルム、４：剥離紙。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送受信器とアンテナを備えた移動電話器
   のケースの外側に装着された所定の厚みと線幅と長さを
   有する線状の導体と、 該導体を電話器のケースの外側に装着するための手段
   と、を備え、 前記導体の厚みと線幅及び長さが、要求される特性イン
   ピーダンスと共振周波数に加えて前記ケースの比誘電率
   に基づいて決定される、 移動電話器用アンテナ素子。
2. 【請求項２】 前記装着するための手段がフィルムであ
   り、前記導体が該フィルム上に形成され、該フィルムを
   移動電話器のケースに貼着することにより前記導体をケ
   ースの外側に装着する、 請求項１に記載の移動電話器用アンテナ素子。
3. 【請求項３】 前記線状の導体を複数備えた、 請求項１又は２に記載の移動電話器用アンテナ素子。
4. 【請求項４】 前記線状の導体が非直線状である、 請求項１又は２又は３に記載の移動電話器用アンテナ素
   子。
5. 【請求項５】 前記線状の導体を前記フィルム上に印刷
   により装着し、更にその上に保護カバーを印刷により装
   着した、 請求項２に記載の移動電話器用アンテナ素子。
6. 【請求項６】 前記印刷が銀ペーストによるシルク印刷
   である、 請求項５に記載の移動電話器用アンテナ素子。