JPH10170246A - 円環状積層フィルムの表面形状評価方法および装置 - Google Patents

円環状積層フィルムの表面形状評価方法および装置

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JPH10170246A
JPH10170246A JP33405296A JP33405296A JPH10170246A JP H10170246 A JPH10170246 A JP H10170246A JP 33405296 A JP33405296 A JP 33405296A JP 33405296 A JP33405296 A JP 33405296A JP H10170246 A JPH10170246 A JP H10170246A
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annular laminated
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Masaaki Kito
正章 木藤
Tatsuji Kawamura
達次 河村
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円環状積層フィルムを巻回状態のまま、フィ
ルム表面形状を短時間で、連続的に自動計測し、かつ、
測定結果を定量化された尺度で明確に判定評価できる円
環状積層フィルムの表面形状評価方法および装置を提供
する。 【解決手段】 円環状に巻回された積層のフィルムの表
面形状を判定する円環状積層フィルムの表面形状評価方
法であって、パソコンと接続された投射光発生手段を使
用して、スリット状あるいは格子模様の線もしくは点か
らなる図形を該パソコンを介して連続的に移動させて該
円環状積層フィルムの最外側表面の複数箇所に投射し、
その反射像をカメラで撮影して画像処理装置に入力して
動画像処理して平均値を算出し、該最外側表面に存在す
る凹凸やうねりに起因する異常状態を該最外側表面にお
ける入射光の反射角度の正常値に対する偏差として捕捉
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、映画フィル
ム等の円環状に巻回された積層のフィルム等のプラステ
ィック成形品の平滑表面に部分的に生じる微小な凹凸や
うねりなどの異常状態を測定し評価する円環状積層フィ
ルムの表面形状評価方法に係り、特に、動画像計測処理
技術を用いて円環状積層フィルムを円環形状状態のまま
で表面全域にわたり連続的に、かつ、効率的に異常状態
を検査する円環状積層フィルム表面形状評価方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】工業用プラスチック製品は、成形時に種
々の形状異常が不可避的に発生する。特に代表的な表面
形状異常として、微小な凹凸、うねり、ウエルドライ
ン、ひけ、そり、フローマークなどが知られている。従
来、これらの表面形状異常は人間の眼により識別され、
その程度が判定されていた。しかしながら、検査技術の
向上や検査自動化技術の発展に伴ない、最近では、画像
処理技術が検査分野へ応用されるようになった。従来の
画像処理による表面形状異常の評価方法として、たとえ
ば、特開平2−285208号公報では、被検体となる
物体に複数本のスリット光像を投影し、ビデオカメラを
通して画像入力して各々のスリット光像の縁の線のゆが
み(歪み)を周波数分析して物体表面の平滑性を評価す
る技術が開示されている。この場合、複数本のスリット
光像より得られる縁線は高々20本程度であり、物体表
面は本来二次元的な広がりを持っていて表面全体の平滑
性を評価するには多数回の測定が必要となる。また、一
本の縁線について、ゆがみをフーリェ変換の手法によっ
て算出するには数万回にも及ぶ数値演算が必要であり、
小型コンピュータで短時間内に表面全体の形状を測定す
ることは困難である。
【0003】一方、プラスチック成形体シートからなる
薄層フィルムを長尺に巻回した多層積層フィルムは、通
常、映画フィルムのように、円環状に巻回された形状を
しており、このフィルムの表面形状の平滑度を検査し、
評価する場合、この円環状積層フィルムを巻き戻して、
多数の表面で検査評価するのは多くの労苦を費消する煩
雑な作業であった。
【0004】そこで、巻回した円環状積層状態でフィル
ム表面の評価を行なう方法として、従来、下記のような
方法が採用されていた。 円環状形状のまま、ノギス等の計測器具により、積
層フィルムの厚み方向(半径方向)の高さを、フィルム
幅の両側で測定し、両側の高さの偏差を求める。この測
定を円周方向の複数箇所(90度毎の4箇所、または、
45度毎の8箇所)繰り返して平均値を出し、あらかじ
め設定した許容偏差と比較し、許容偏差値以内であれ
ば、合格品とする。 円環形状の積層フィルムを立てて(軸を水平に)、
3次元接触式形状測定器にセットし、上下方向に昇降自
在な高さ位置測定針先端を最上部のフィルム外側表面の
フィルム幅方向両端部に静かに押圧し、それぞれの高さ
位置をダイヤルゲージで読み取り、その偏差を測定す
る。このように検査を、と同様に、円周方向の複数箇
所(90度毎の4箇所、または、45度毎の8箇所)繰
り返して平均値を出し、あらかじめ設定した許容偏差と
比較し、許容偏差値以内であれば、合格品とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、格子パターンやグリッドパターン
の光源による投影反射像を対象に静止画像処理が行われ
ており、格子パターンやグリッドパターンの存在部分の
みの歪みが検出可能であった。そして、対象領域全体を
静止画像として捉えているので画像の空間分解能に自か
ら限界があった。すなわち、物体表面全体を同時に見ら
れないという問題があり、かつ、走査が一次元的であり
隣接区域との相関を把握するのに不適当で、全面をすべ
て検証するのに多くの時間と手間を要するという難点が
あった。
【0006】また、従来の画像処理による表面形状の評
価に用いられた光源としては、たとえば、特開平1−2
13509号公報で開示されるものがあるが、この提案
においては、発光光源より乱射光を射出し、多数のスリ
ットを有する平板を通過させ検査する車体に照射してい
て、被検査物の表面状態によりスリットの幅や本数を調
整すれば、さらに高精度の検査結果が得られる場合に
は、装置に取り付けられている平板をその都度交換しな
ければならない。この平板の交換作業は省力化の中で連
続的に検査を遂行する上で大きな障害となる。本発明で
は、このような難点を解消するためこのような光源を使
うかわりに、コンピュータグラフィックスの手法を使用
してパソコンに接続された投影型液晶プロジェクタによ
り移動する図形を映し、これを光源として被検物である
物体表面に投射し、スリット幅やスリット間隔など所要
の図形の変更には、コンピュータグラフィックスのソフ
トウェアのパラメータの変更で簡便容易に対応可能にし
て能率的に物体表面状態の異常の評価方法を提供しよう
とするものである。
【0007】また、円環状積層フィルムの測定方法とし
ては、では、高さ位置の読み取りを人為的に行なうの
で、検査の熟練度のより測定値がばらつくというパーソ
ナルエラーが入り込み、かつ、分解能が小さいので精度
が悪いばかりでなく、検査能率が低いという欠点があっ
た。さらに、の方法では、円環状積層フィルムは一種
の弾性体であるため、位置測定針先端のフィルム外側表
面への押圧力の多寡により下方に僅かに沈下するから、
測定精度にばらつきがあり精度が悪く、検査能率も余り
高くないという難点があった。本発明は、以上のような
難点を解消し、高精度で、かつ、高能率に円環状積層フ
ィルムをそのままの状態で表面形状の評価を実施できる
方法および装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決して、
円環状積層フィルム表面全体を短時間で効率よく検証す
るために、本発明においては、第1の発明では、パソコ
ンと接続された投射光発生手段を使用して、スリット状
あるいは格子模様の線もしくは点からなる図形を該パソ
コンを介して連続的に移動させて該円環状積層フィルム
の最外側表面の複数箇所に投射し、その反射像をカメラ
で撮影して画像処理装置に入力して動画像処理して平均
値を算出し、該最外側表面に存在する凹凸やうねりに起
因する異常状態を該最外側表面における入射光の反射角
度の正常値に対する偏差として捕捉するようにした。
【0009】また、第2の発明では、さらに、第1の発
明において、反射光を撮影して得られた二次元画像をあ
らかじめ格子状に区画された微小矩形の集合体として設
定し、該微小矩形領域毎に反射角度を演算出力するよう
にした。さらに、第3の発明では、パソコンと接続され
た投射光発生手段を使用して、スリット状あるいは格子
模様の線もしくは点からなる図形を該パソコンを介して
連続的に移動させて円環状積層フィルムの表面に投射
し、その反射像をカメラで撮影して画像処理装置に入力
して動画像処理するとともに、該円環状積層フィルムの
表面をあらかじめ格子状に区画された微小矩形領域の集
合体として設定し、該相対運動中に該円環状積層フィル
ムの表面に照射した光の反射像の位置と円環状積層フィ
ルム表面が理想平面と想定したときの反射像の結像位置
との偏差を該微小矩形領域毎に順次測定し、該偏差の各
々から該微小矩形領域の各々の理想平面に対する傾斜角
度を算出し、該円環状積層フィルム表面に存在する凹凸
やうねりに起因する異常状態を評価するようにした。
【0010】また、第4の発明は、これらの方法を能率
よく実施するための装置であり、円環状積層フィルムを
装填され、該円環状積層フィルムの円周方向に回転自在
で、かつ、任意の角度位置に停止自在なターンテーブル
装置と、該ターンテーブル装置を搭載し、該ターンテー
ブル装置に装填された円環状積層フィルムの横幅方向に
進退動自在な走行装置と、該円環状積層フィルムの最外
側表面へ投射光を照射する投射光発生手段と、その反射
像を撮影するカメラと、撮影された画像を入力して動画
像処理を行なう動画像処理装置と、前記投影型液晶プロ
ジェクタに接続されプログラム入力、演算、データ処
理、出力表示等の機能を備えたパソコンを含む制御装置
とから構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、パソコンと接
続された投射光発生手段を使用して、スリット状あるい
は格子模様の線もしくは点からなる図形を該パソコンを
介して連続的に移動させて該円環状積層フィルムの最外
側表面の複数箇所に投射し、その反射像をカメラで撮影
して画像処理装置に入力して動画像処理して平均値を算
出し、該最外側表面に存在する凹凸やうねりに起因する
異常状態を該最外側表面における入射光の反射角度の正
常値に対する偏差として捕捉するようにしたことによっ
て、スリット状あるいは格子模様の線もしくは点からな
る図形を該パソコンを介して連続的に移動させて円環状
積層フィルムの最外側表面に投射し、その反射像をカメ
ラで撮影して画像処理装置に入力して動画像処理する。
そして、たとえば、あらかじめ区画分割された微小領域
毎に、その反射された光像の理想平面としたときの反射
光像位置との偏差を測定したうえ、該偏差より換算され
た円環状積層フィルムの最外側表面の微小領域毎の傾斜
角度の分布を算定し、情報処理して最外側表面傾斜角度
の分布図や最外側表面のうねり状況を定量的に把握し、
作図表示して表面形状の異常状態を検査するようにした
ものである。
【0012】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図12は本発明の実施例に係
り、図1は円環状積層フィルムの表面形状評価装置の概
略構成図(斜視図)、図2は図1の被検体部分の拡大斜
視図、図3は異常状態検知の原理を示す説明図、図4は
異常検査方法のフローチャート、図5は正常な測定結果
を示す影像図、図6〜図8は種々の異常状態の測定結果
を示す影像図、図9は積算された測定結果を示すデータ
線図、図10は円環状積層フィルムの最外側表面の凹凸
線図、図11は円環状積層フィルムの表面形状評価装置
の側面図、図12は他の実施例を示す円環状積層フィル
ムの表面形状評価装置の側面図である。
【0013】図1〜図2において、1は図形表示するプ
ログラム(ソフトウェア)を入力するパソコン(パーソ
ナルコンピュータ)、2はパソコン1に接続された投射
光発生手段(たとえば、投影型液晶プロジェクタ)、3
は物体表面の異常を測定する対象の被検体(本発明で
は、円環状積層フィルムMの最外側表面がこれに該当す
る)、4(4a、4b、4c、4d)は光像、5はカメ
ラ、6はモニタテレビ、7は画像処理装置、8はコンピ
ュータ、10はターンテーブル装置、20は走行装置、
30はターンテーブル装置10および走行装置20用の
制御装置、100は、これらを構成要素とする円環状積
層フィルムの表面形状評価装置(以下評価装置と略称す
る)である。
【0014】環状積層フィルムの表面形状評価装置10
0は、図11に示すように、ターンテーブル装置10と
走行装置20と両者の駆動を司る制御装置30とを備え
ており、ターンテーブル装置10は、後述する走行装置
20に搭載され立設された支柱板10Aの側壁に回転自
在に取付られた円板状のターンテーブル10aの中心側
面に水平に突出した芯棒10bへ円環状積層フィルムM
を嵌装して固定するようになっており、かつ、このター
ンテーブル10aは制動機付きの減速電動機10cによ
り微速で回転し、任意の角度位置で停止できるようにな
っている。一方、走行装置20は、水平板状に置かれた
2本のレール20b上を可変速減速電動機20cにより
車輪20aを介して走行車体20Aを任意の微速で前後
進できるようになっており、制御装置30は、この2つ
の可変速減速電動機10c、20cと電気的に接続さ
れ、ターンテーブル装置10の回転、停止、走行装置2
0の移動方向、移動速度の制御を行なう。図11の実施
例の走行装置20は、レール20b上を車輪20aで前
後進自在としたが、図12に示すように、走行装置40
は、ハウジング40Aに組み込んだボールねじ機構40
B(ボールねじロッド40aとボールねじナット40
b)と可逆転可能なモータ40cの組合せにより前後進
できるようにしてもよい。
【0015】このように構成された装置100におい
て、まず、パソコン1へコンピュータグラフィックスの
手法によりプログラムを作成したうえ入力し、投射光発
生手段(投影型液晶プロジェクタ)2で被検体3である
物体表面(円環状積層フィルムMの最外側表面)に移動
する図形を投射する。この図形は図1、詳しくは図2に
示すような水平方向に一定間隔隔たった複数のスリット
状の縦線や上下左右に交叉した格子模様(市松模様)の
線であってもよいし、また、実線であってもよいし上記
の形状をなす多数の点の集合であってもよい。また、点
列や円形、多角形などコンピュータグラフィックスで表
示可能な図形であればどのようなものでもよい。これら
の移動図形を被検体3の表面へ投射するか、あるいは静
止画像を投射する投影型液晶プロジェクタ2を左右方向
へ低速で移動させるか、または静止画像を投射する投影
型液晶プロジェクタ2を固定したうえ被検体3を左右方
向へ低速で移動させる。この低速移動は、後述する走行
装置20を制御することにより実施する。なお、投射光
発生手段2は、投影型液晶プロジェクタのほか、電球そ
の他の光源やテレビ受像機、映写機等が利用できる。
【0016】このようにして投射光発生手段(投影型液
晶プロジェクタ)2による移動図形の映像を光源とし
て、被検体3の表面に照射し、反射される光像4をカメ
ラ(CCDカメラ)5で撮影して画像処理装置7へ撮影
した二次元画像Pを入力する。二次元画像Pは、たとえ
ば、図2に示すように、各々のスリット光像4a、4
b、4c、4dなどを縦方向(スリットの長手方向)に
512等分分割され、横方向(被検体3の移動方向)に
等分分割された微小な矩形(長方形または正方形)の画
素の集合体の一部として構成される。画像処理装置7で
は入力された二次元画像Pの各々の画素の濃淡データを
256階調の数値にデジタル化する。被検体3の表面で
反射されたスリット光像4a、…は周辺部に比べて格段
に明るく、たとえば二値化処理のように画像処理の手法
を適用して、取り出すことができる。もし被検体3の表
面が完璧な水平面であれば、図4のようにスリット光像
4a、…は決められた位置で完全な長方形(または正方
形)となり、スリット光像4a、…は真直な状態を呈す
る。しかし、通常の物体表面は完全に鏡面状態となる平
面にはなっておらず、なにがしかの凹凸やうねりがあ
り、そのため、たとえば、図6〜図9に示すようなスリ
ット光像となり異常状態を呈することになる。すなわ
ち、スリット光像は図5のように真直状態とはならず本
来の真直の位置からその程度に応じて少しずれた所に観
測される。
【0017】次に、このような異常状態を定量的に把握
する測定原理について説明する。本発明では、異常状態
の定量化に反射角度の偏差を利用している。前述したよ
うに、プラスチック成形品を含む一般物体の表面は、平
面に製作したとしても実際には前述した複数個に分割さ
れた微小領域毎に小さな凹凸やうねりが存在して完璧な
水平面でなく僅かに理想平面に対して傾斜している。す
なわち、このスリット像の左右方向の幅の中心点を選
び、たとえば、図8に示すように、この中心点の位置と
微小領域が水平面(理想平面)であるときにスリット光
像があるべき位置との偏差δを求め、図3の関係に基づ
いて微小領域の傾斜角度βを求める。このようにして、
図3に示すように、この微小領域の傾斜角度βを順次求
めていけば、物体表面の全体に亘り、微小領域の傾斜角
βの分布を測定することができる。
【0018】具体的に言えば、正常平面3aではスリッ
ト光源1Aより発せられた光はスリット板1Bを通過し
て正常平面3aで反射角αで反射してカメラ5に結像す
る。一方、正常平面3aと傾斜角βで傾斜した傾斜平面
3bでは反射角αとは異なる反射角α′で反射し、カメ
ラ5の焦点距離5aでは正常平面3aにおける結像と偏
差δだけずれたところに結像する。一方、この偏差δと
傾斜角βとは、幾何学的な関係により、
【0019】δ≒f・β
【0020】で与えられる。ここで、fは、カメラ5の
焦点距離5a、カメラ5と被検体3との距離、スリット
光源1Aと被検体3との距離によって定まる定数であ
り、あらかじめ設定することができる。以上のような測
定原理を使用して、スリット光像4a、4b、…を順次
スリット幅に相当する分だけ順次ディスプレイ装置画面
1A上の表示図形を移動していくことにより、反射像の
偏差δを測定し、微小領域の傾斜角βを上述した式によ
り演算して求めて行けば、物体表面全体に亘り微小領域
の傾斜角β分布を得ることができる。図9はスリット光
像4a、…毎の傾斜角βの分布変化を示し、図10は表
面の凹凸状態に変換して示した状態を示したものであ
る。
【0021】次に、本発明における物体表面形状の評価
方法(円環状積層フィルムの表面形状評価方法)の操作
手順について説明する。図4は操作手順のフローチャー
トを示すもので、まず、円環状積層フィルムMをターン
テーブル10aへ装着し、被検体3(円環状積層フィル
ムMの最外側表面)のタテ、ヨコ寸法などの被検体情報
や測定距離などの情報(光源〜被検体、被検体〜カメラ
の距離や焦点距離)やディスプレイ画面の表示図形の移
動速度、または走行装置20、40の移動速度等をあら
かじめパソコン1へ設定し入力した後、光源を設定し、
スリット光像位置に鏡面を置いてスリット光像を反射さ
せ物体平面が理想平面となる場合の影像をカメラ5で撮
影し、画像処理装置7を介してコンピュータ8にその基
準像位置を記憶させる(これらの操作を「基準像位置入
力」「基準画像」という)。
【0022】次に、試料となる被検体3を、たとえば、
図2の端部のスリット光像4aが測定の開始位置で反射
されるように設定した後(「画像入力開始位置」)、デ
ィスプレイ画面の表示図形を設定した移動速度で横移動
させる。この表示図形の移動中に、カメラ5、画像処理
装置7、コンピュータ8は互いに連動して、図4に示す
2つのループ内の処理を高速演算し順次実施していく。
まず、スリット光像4aをカメラ5で撮影し画像処理装
置を経由してコンピュータ8に入力するとともに(「光
像撮影」)前述したスリット縦方向に分割された微小領
域(たとえば512等分分割)毎に、スリット幅方向に
分割された微小矩形の区画のうち最大の輝度を示す微小
矩形区画の中心の座標位置(図1、または図2のx方
向、y方向の座標位置)を検出し、y方向の座標毎に順
次配列しコンピュータ8へ記憶させる(「スリット幅方
向中央位置検出」)。輝度の判定には前述したディジタ
ル化されたそれぞれ256階調に仕分けされた濃度デー
タを大小比較することで容易にコンピュータ8内で演算
処理される。「スリット幅方向中央位置検出」には、前
述の最大輝度を示す微小矩形区画を検出する方法のほか
に、ディジタル化された256階調の濃度データをあら
かじめ設定された数値以上の微小矩形区画を図領域とし
て選び出し(いわゆる二値化処理をして)、横方向で連
続した図領域の中央の微小矩形区画を検出する方法もあ
る。
【0023】次に、これらの得られた一連の指定座標位
置における理想平面3aの反射角度αによる影像と反射
角度α′を持つ異常平面3bによる焦点距離5aに結像
した影像との偏差δから、前述した演算式により異常平
面3bの傾斜角度βをコンピュータ8で演算処理(「傾
斜角算出」)し、y方向最下端までの処理のループと次
画像であるスリット光像4bやそれ以下のスリット光像
のループを完了して測定は完了するとともに、図8や図
9に示すデータを演算処理作成して結果をモニタテレビ
6や図示し、あるいはプリンタによってプリントアウト
して出力する。このようにして、円環状積層フィルムM
の最外側表面の1箇所の測定が終わると、規定角度だけ
ターンテーブル10aを回転して停止し、再び同様な作
業を繰り返す。すべての面の測定が完了すると、データ
処理によりフィルム幅両側の偏差の平均値を算出し、あ
らかじめ設定した許容偏差と比較して表面形状の良否を
判定する。なお、本実施例では、スリット光源を用いた
例を述べたが、点光源による光を物体表面にy方向にハ
イスピードで走査して上述した手順と同様に画像処理し
てもよい。
【0024】また、本実施例では被検体3やカメラ5に
対して投影型液晶プロジェクタ2による投射図形を移動
図形としたが、表示図形を静止させ、被検体3やカメラ
5を単独あるいは同時に移動して測定することもでき
る。図11や図12のものは、被検体3を移動する方法
における実施例である。また、本実施例では理想的な鏡
面を被検体としたときに得られる反射像の位置を基準像
位置としたが、この基準像位置入力の処理を行わずに、
光像の入力画像毎に前述の方法でスリット幅方向中央位
置を検出した後、y方向の上端より下端までの範囲でス
リット幅方向中央位置の平均値を算出し、この平均値を
該入力画像での基準像位置とすることもできる。なお、
本発明では、従来のスリット光源に対して投影型液晶プ
ロジェクタ2による投射図形を光源としているため、光
源の輝度が大きく、したがってカメラ5で捉えた映像の
分解能が大きく、表面形状の劣悪な物体でもその異常状
態を明確に把握できる。
【0025】なお、本発明では、円環状積層フィルムM
の最外側表面の円周複数箇所(たとえば、4箇所ないし
8箇所)の表面形状を判定することによって、円環状積
層フィルムMの途中の表面形状の判定をすることなく、
積層フィルム全体の表面形状を評価しているが、長尺の
1本のフィルムは同一の製造工程で同一の生産条件によ
り生産されるため、その表面形状の出来具合いは一定の
方向性があり、途中の表面性状と最外側の表面性状とは
それほど大きな差異はなく、最外側表面形状が積層フィ
ルム全体の表面形状をほぼ代表していることが経験的に
知られている。したがって、本発明はこの原理を利用し
て、円環状態のまま最外側表面形状のみを判定すること
によって、積層フィルム全体のフィルム表面の評価を行
なうようにした。
【0026】以上述べたように、本発明では、スクリー
ン画面上の、たとえば、スリット光像による光像の幅の
中心点を選び(図8の矢印で図示した部分)、この中心
点の座標位置と微小領域の矩形区画が水平面(理想平
面)であるときに光像があるべき位置との横ブレ量、す
なわち、偏差δを求め、微小領域の傾斜角度βを求める
ものである(正常平面3aでは傾斜角度βは0とな
る)。そして、これらの演算結果を物体表面全体に亘っ
て拡大して編集して、物体表面全体のうねり状況を測定
結果の分布として把握することができるようにしたもの
である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法にお
いては、たとえば、円環状積層フィルム等のプラスチッ
ク成形品を、巻き戻すことなく、表面形状の測定を自動
化でき、短時間内に精度良く測定することができるとと
もに、光源となる表示図形の変更が容易であり、また、
この評価方法に必要な装置はパソコン、投影型液晶プロ
ジェクタ、CCDカメラ、および画像処理用のパソコン
を備えた制御装置により構成され、成形加工機械の側に
容易に設置し運用することができる。したがって連続的
な自動計測と定量化された評価が実施され、成形品を製
造した後、即時に表面形状を測定し、その結果を製造工
程にフィードバックすれば、成形品の品質を安定化し、
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る円環状積層フィルムの表
面形状評価装置の概略構成図(斜視図)である。
【図2】本発明の実施例に係る円環状積層フィルムの表
面形状評価装置の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る円環状積層フィルムの表
面形状評価方法の原理を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る円環状積層フィルムの表
面形状評価方法のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例に係る正常な測定結果を示す影
像図である。
【図6】本発明の実施例に係る異常状態の1例を示す影
像図である。
【図7】本発明の実施例に係る異常状態の1例を示す影
像図である。
【図8】本発明の実施例に係る異常状態の1例を示す影
像図である。
【図9】本発明の実施例に係る積算された傾斜角度の測
定結果を示すデータ線図である。
【図10】本発明の実施例に係る円環状積層フィルムの
表面の凹凸線図である。
【図11】本発明の実施例に係る円環状積層フィルムの
表面形状評価装置の側面図である。
【図12】本発明の他の実施例に係る円環状積層フィル
ムの表面形状評価装置の側面図である。
【符号の説明】
1 パソコン 1A スリット光源 1B スリット板 2 投射光発生手段(投影型液晶プロジェクタ) 3 被検体 3a 正常平面(理想平面) 3b 異常平面(傾斜平面) 4 光像 4a、4b、4c、4d スリット光像 5 カメラ(CCDカメラ) 5a 焦点距離 6 モニタテレビ 7 画像処理装置(画像入力ボード) 8 コンピュータ(パソコン) 10 ターンテーブル装置 10A 支柱板 10a ターンテーブル 10b 芯棒 10c 減速電動機 20 走行装置 20A 走行車体 20a 車輪 20b レール 20c 可変速減速電動機 30 制御装置 40 走行装置 40A ハウジング 40B ボールねじ機構 40a ボールねじロッド 40b ボールねじナット 40c モータ(可逆転減速電動機) α 反射角度 α′ 反射角度 β 傾斜角度 δ 偏差 M 円環状積層フィルム P 二次元画像 Q 画素

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状に巻回された積層のフィルムの表
    面形状を判定する円環状積層フィルムの表面形状評価方
    法であって、 パソコンと接続された投射光発生手段を使用して、スリ
    ット状あるいは格子模様の線もしくは点からなる図形を
    該パソコンを介して連続的に移動させて該円環状積層フ
    ィルムの最外側表面の複数箇所に投射し、その反射像を
    カメラで撮影して画像処理装置に入力して動画像処理し
    て平均値を算出し、該最外側表面に存在する凹凸やうね
    りに起因する異常状態を該最外側表面における入射光の
    反射角度の正常値に対する偏差として捕捉することを特
    徴とする円環状積層フィルムの表面形状評価方法。
  2. 【請求項2】 反射光を撮影して得られた二次元画像を
    あらかじめ格子状に区画された微小矩形の集合体として
    設定し、該微小矩形領域毎に反射角度を演算出力する請
    求項1記載の円環状積層フィルムの表面形状評価方法。
  3. 【請求項3】 円環状に巻回された積層のフィルムの表
    面形状を判定する円環状積層フィルムの表面形状評価方
    法であって、 パソコンと接続された投射光発生手段を使用して、スリ
    ット状あるいは格子模様の線もしくは点からなる図形を
    該パソコンを介して連続的に移動させて該円環状積層フ
    ィルムの最外側表面の複数箇所に投射し、その反射像を
    カメラで撮影して画像処理装置に入力して動画像処理し
    て平均値を算出するとともに、該最外側表面をあらかじ
    め格子状に区画された微小矩形領域の集合体として設定
    し、該相対運動中に該最外側表面に照射した光の反射像
    の位置と該最外側表面が理想平面と想定したときの反射
    像の結像位置との偏差を該微小矩形領域毎に順次測定
    し、該偏差の各々から該微小矩形領域の各々の理想平面
    に対する傾斜角度を算出し、該該最外側表面に存在する
    凹凸やうねりに起因する異常状態を評価することを特徴
    とする円環状積層フィルムの表面形状評価方法。
  4. 【請求項4】 円環状に巻回された積層フィルムの表面
    形状を判定する円環状積層フィルムの表面形状評価装置
    であって、 円環状積層フィルムを装填され、該円環状積層フィルム
    の円周方向に回転自在で、かつ、任意の角度位置に停止
    自在なターンテーブル装置と、該ターンテーブル装置を
    搭載し、該ターンテーブル装置に装填された円環状積層
    フィルムの横幅方向に進退動自在な走行装置と、該円環
    状積層フィルムの最外側表面へ投射光を照射する投射光
    発生手段と、その反射像を撮影するカメラと、撮影され
    た画像を入力して動画像処理を行なう動画像処理装置
    と、前記投影型液晶プロジェクタに接続されプログラム
    入力、演算、データ処理、出力表示等の機能を備えたパ
    ソコンを含む制御装置とからなる円環状積層フィルムの
    表面形状評価装置。
JP33405296A 1996-12-13 1996-12-13 円環状積層フィルムの表面形状評価方法および装置 Pending JPH10170246A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117215180A (zh) * 2023-11-09 2023-12-12 海门市知行包装制品有限公司 基于模糊pid的塑料膜包装智能调控系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117215180A (zh) * 2023-11-09 2023-12-12 海门市知行包装制品有限公司 基于模糊pid的塑料膜包装智能调控系统
CN117215180B (zh) * 2023-11-09 2024-02-13 海门市知行包装制品有限公司 基于模糊pid的塑料膜包装智能调控系统

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