JPH1017003A - 広口容器のキャップ - Google Patents
広口容器のキャップInfo
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- JPH1017003A JPH1017003A JP8169997A JP16999796A JPH1017003A JP H1017003 A JPH1017003 A JP H1017003A JP 8169997 A JP8169997 A JP 8169997A JP 16999796 A JP16999796 A JP 16999796A JP H1017003 A JPH1017003 A JP H1017003A
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Abstract
ンジ機構を備えた広口容器のヒンジ式キャップを提供す
ることを目的とする。 【構成】 本発明による広口容器のキャップ10におけ
るヒンジ機構16は、キャップスカート12に対してオ
ーバーキャップ14を揺動可能に支持するヒンジ本体3
6と、その両側に配置された1対の弾性片38とを有す
る3点ヒンジである。弾性片38の各端部38a,38
bは、対応のキャップスカート及びオーバーキャップの
外周面に沿って弧又は直線をなして接合される。また、
180度開蓋状態において、弾性片はキャップスカート
とオーバーキャップとの間で略円弧状となり、更に、弾
性片の厚さ全長にわたって等しくされている。かかる構
成においては、全長にわたって厚さが等しい弾性片によ
り、応力集中が生じやすい端部側で、応力分布が分散化
されることとなる。
Description
外すことなくその内容物を取り出すことのできるキャッ
プに関する。ここで、広口容器とは内容物の取り出し口
の大きいものを指し、タッパーウェア(登録商標)のよ
うなものも含む。
の開口部上周縁に嵌着されるキャップスカートと、この
キャップスカートの周縁を覆うオーバーキャップと、オ
ーバーキャップをキャップスカートに対して揺動可能に
支持するヒンジ機構とを合成樹脂で一体的に成形して成
るものが従来から知られている。このようなヒンジ式の
キャップでは、容器の内容物を取り出す際に、オーバー
キャップをヒンジ機構の揺動軸を中心に揺動させるだけ
でよく、キャップ全体を広口容器から取り外す必要がな
い。このため、近年では味噌のようなペースト状食品等
の容器のキャップとして用いられている。
ャップのヒンジ機構として、例えば実開平7−2635
5号公報及び実開平6−78297号公報に開示されて
いるように、キャップスカートに対してオーバーキャッ
プを揺動可能に支持するヒンジ本体と、例えば特公平3
−53182号公報に開示されているように、開蓋状態
又は閉蓋状態にオーバーキャップを揺動させる弾性片と
を有するいわゆるスナップ型のものがある。
ジ機構を有したヒンジ式のキャップが広口容器に用いら
れるためには、次の要件をできるだけ満たすのが好まし
い。すなわち、容器内容物の取り出し口が大きくなるよ
うに、キャップスカートの周縁幅は小さくしなければな
らない。また、例えばキャップを取り付けた容器を収納
する際にヒンジ機構が障害物とならないように、できる
だけキャップの外方に突出することなく設られ、且つ小
さくする必要がある。その上、容器の内容物を取り出す
際に、オーバーキャップが思案点から閉蓋状態又は思案
点から開蓋状態に移動するときの動作特性(スナップ
性)やオーバーキャップが思案点を越える時に感じる抵
抗感(クリック感)において、優れたヒンジ機構である
必要がある。ところが、従来の広口容器のキャップでは
これらの要件は十分に満たしているとは言えない。
能な限り満足する広口容器用のキャップを提供すること
にある
に、本発明による広口容器のキャップは、広口容器の内
容物の取り出し口となる開口部を有し、且つ曲面部分を
含む外周面を有する環状のキャップスカートと、曲面部
分を含む外周面を有し、且つ、前記キャップスカートの
上周縁を覆って設前記開口部を閉鎖するためのオーバー
キャップと、前記キャップスカートに対して前記オーバ
ーキャップを閉蓋状態と開蓋状態との間で揺動可能に支
持するヒンジ機構とを備え、合成樹脂から一体成形によ
り構成されたキャップにおいて、ヒンジ機構を、キャッ
プスカート及びオーバーキャップを互いに揺動可能に支
持するヒンジ本体と、ヒンジ本体の両側に配置され両端
部がそれぞれキャップスカート及びオーバーキャップに
接合された1対の弾性片とを有する3点ヒンジとし、且
つ、弾性片の各端部を対応のキャップスカート及びオー
バーキャップの外周面に沿って弧をなして接合すること
としている。また、閉蓋状態からオーバーキャップを1
80度揺動させた180度開蓋状態では、弾性片をキャ
ップスカートとオーバーキャップとの間で略円弧状とな
るようにし、更に、弾性片の厚さが全長にわたって等し
くされている。なお、180度開蓋状態は、キャップを
射出成形装置の金型から取り出した直後の状態であり、
弾性片に応力がなく或いは最小となっているため、本明
細書では180度開蓋状態を基準状態としている。
さが等しい弾性片により、応力集中が生じやすい端部側
で、応力分布が分散化されることとなる。
ップの曲面部分はキャップスカート及びオーバーキャッ
プのそれぞれの中心軸線と実質的に平行に延びる軸線に
より規定される円筒面又は円錐面の一部である。このと
き、それぞれの曲面部分では、円筒面又は円錐面の曲率
半径を100mm乃至500mmにするのがよい。これ
によって、広口容器のキャップには、その揺動軸に沿う
領域のヒンジ機構を取り付けることができる。
する中心点(R1,R2)とヒンジ本体の揺動軸(B)
の延長線との間の最短距離(PI,PH)、及び、ヒン
ジ本体の中間点(M)と弾性片の側面との間の距離(L
I,LH)で定まる因子(PI/LI,PH/LH)の
値が0.01乃至0.9、好ましくは0.04乃至0.
3であるとした場合、弾性片の内側面と外側面との間に
おける不均一な伸長変形が防止され、且つまた、開蓋若
しくは閉蓋を確かなものとするスナップ力が得られる。
及びオーバーキャップとの接合面を、ヒンジ本体に向か
って傾斜させた場合も、弾性片の内側面と外側面との間
における不均一な伸長変形を防止することができる。
ンジ本体の上面に揺動軸に沿って凹部を形成してもよ
い。かかる場合、閉蓋時のヒンジ本体の折込みオーバー
キャップの係止に対する抵抗が小さくなる。この抵抗を
閉蓋抵抗感と称し、この閉蓋抵抗感が良いとは、オーバ
ーキャップを閉蓋するときの抵抗が小さいことを示す。
一方、閉蓋抵抗感が不良とは、オーバーキャップを閉蓋
するときの抵抗が大きいことを示すばかりでなく、一度
係止されたオーバーキャップが係止の外れを生じる場合
も示す。
部分の形状は弧となるようにしているが、直線をなすよ
うにしてもよい。
実施形態について詳細に説明する。
式のキャップを示しており、このキャップ10は、キャ
ップスカート12と、オーバーキャップ14と、ヒンジ
機構16とから成る合成樹脂製の一体成形品である。
湾曲された略四角状の環状体からなり、広口容器18に
収容された味噌のようなペースト状のものの取り出し口
となる広口容器開口部22の上周縁に嵌合により直接取
り付けられている。より詳細に述べると、図4及び図5
に示されるように、このキャップスカート12の内周壁
下部には環状の突起部20が周方向で離間して配設さ
れ、この突起部20が広口容器18の上周縁の外周面に
設けられ凹部に嵌合されることで、キャップスカート1
2が実質的に密着状態で広口容器18に取り付けられ
る。この突起部20は、周方向に点状突起、線状突起、
帯状突起又はこれらにアンダーカット部を設けて嵌合に
要する力を軽減する形でもよい。
12の上面全体を覆って、キャップスカート開口部24
を閉じるためのものであり、ヒンジ機構16を介してキ
ャップスカート12に対して揺動可能に取り付けられて
いる。また、本実施形態では、図5及び図6に明示され
るように、オーバーキャップ14の周縁及びキャップス
カート12の上周縁に、それぞれ、階段状の端部26及
び階段状部分28が形成されている。これらの部分2
6,28は互いに相補的形状となっているため、オーバ
ーキャップ14をキャップスカート12に被せると、こ
れらは係合しキャップスカート開口部24を閉鎖する。
また、図6に示されるように、オーバーキャップ14の
端部26の内面には凹部30が設けられている。この凹
部30は、ヒンジ機構16の取り付け部分とほぼ対向し
た位置にある。一方、図5に示されるように、キャップ
スカート12の垂直外面には凸部32が設けられてい
る。この凸部32は閉蓋時に凹部30と嵌合するよう配
置されている。このように、閉蓋時、凸部32と凹部3
0とが嵌合し且つ階段状部分26,28が互いに係合す
るので、キャップ10の閉蓋状態が維持され、内容物の
漏出が防止される。
ジ本体32と、このヒンジ本体32の両側に配置された
弾性片34とから構成されている。ヒンジ本体32は、
図3及び図4に明示するように、キャップスカート12
の環状体の上縁部に沿って外方に突設された部分32a
と、オーバーキャップの上縁部(閉蓋時にキャップスカ
ート12と接する側の縁部)に沿って外方に突設された
部分32bとを備え、これらの部分32a,32bは面
Aの位置で一体結合されている。そして、オーバーキャ
ップ14は、この結合面A上の水平軸線を揺動軸Bとし
て揺動されるようになっている。この実施形態では、図
4に示すように、ヒンジ本体32の各部分32a,32
bは相対する略三角柱形状をなし、結合部分が最も薄く
なるようにしている。また、結合部分の上面には揺動軸
Bの方向に沿って凹部32cが形成されているが、この
凹部32cにより、閉蓋時のヒンジ本体32の折込みと
オーバーキャップの係止に対する抵抗が小さくなる。
ぞれ、キャップスカート12及びオーバーキャップ14
に接合されている。より詳細に述べるならば、180度
開蓋状態において、図2、図3及び図7〜図9に示すよ
うに、弾性片34の両端部はそれぞれキャップスカート
12及びオーバーキャップ14の外周面に沿って弧をな
して接合されている。各接合端部34a,34bが接合
されるキャップスカート12及びオーバーキャップ14
の外周面の曲面は、キャップスカート12及びオーバー
キャップ14の中心軸線X,Yと平行な軸線により規定
される略円筒面(円筒面のみならず、円錐面も含む)の
一部をなしている。従って、各接合端部34a,34b
の作る弧の中心はその曲面部分の軸線上を通っている。
また、図7に示すように、弾性片34の中央部分の断面
形状は略矩形形状とされている。
4の内側(ヒンジ本体32側)の側面(以下、「内側
面」という)34cとその反対側の側面(以下、「外側
面」という)34dは、それぞれ、ヒンジ本体36の中
間点Mとキャップスカート12又はオーバーキャップ1
4の中心軸線とで形成される垂直な基準面Pと相対する
面(図3の面C及び面B)上に置かれている。
本体32の揺動軸Bの方向から見た場合、弾性片34の
形状は略円弧形状となっている。より詳細には、図3又
は図7のVI−VI線に沿っての端面図である図8、及び図
3又は図7のVII-VII 線に沿っての端面図である図9に
示すように、弾性片34の上面及び下面は一方の接合端
部34aから他方の接合端部34bにかけて同心状の円
弧形状をなしている。従って、弾性片の厚さは全長にわ
たって等しい。
プ14を180度開蓋状態から閉蓋状態に揺動させる場
合、接合端部34a,34b間の直線距離が思案点まで
は徐々に長くなっていく。弾性片34は、弾性材料から
作られており、180度開蓋状態において応力が最小の
状態になっているため、接合端部34a,34b間の距
離が伸びる程、弾性復元力が大きくなっていく。従っ
て、180度開蓋状態から思案点までは、オーバーキャ
ップ14には180度開蓋状態に戻そうとする引張り力
が作用することになる。
弾性片34の接合端部34a,34b間の距離は最大と
なる。この時、弾性片34はほぼ直線状態となる。そし
て、更にオーバーキャップ14を揺動させると、オーバ
ーキャップ14には閉蓋状態となる方向への引張り力が
作用する。これにより、手をオーバーキャップ14から
離しても、自動的にオーバーキャップ14は閉蓋状態の
方向に揺動する。ヒンジ本体32の抵抗力により完全な
閉蓋状態となることはないが、最終的には、オーバーキ
ャップ14をキャップスカート12に強制的に嵌合させ
ることで、閉蓋状態となる。この際、弾性片34は外方
に突出した状態となる。
0度開蓋状態に揺動させる場合も、思案点まではオーバ
ーキャップ14の揺動に抵抗が加わり、思案点を越える
と、自動的にオーバーキャップ14は開蓋状態(必ずし
も180度開蓋状態とはならない)に揺動してその状態
で安定する。
せる場合、本発明に係るヒンジ機構16では、弾性片3
4の内側面34c及び外側面34d、特に内側面34c
及び外側面34dの端部が、ヒンジ本体32の中間点M
を通る基準面Pと平行な面C,D上で移動するため、弾
性片32には殆ど捩れが生じない。このため、捩れによ
る引張り力のロスがなく、より良好なスナップ性ないし
はクリック感を得ることができる。また、捩れによる応
力が生じないという効果もある。
片34の厚さが全長にわたって等しくされている。オー
バーキャップ14を揺動させる場合、弾性片34は接合
端部34a,34bほど大きな応力が生じる。弾性片3
4の厚さが全長にわたって等しい弾性片34の形状を定
めるとき、閉蓋時の抵抗力を抑制すると共に、接合端部
34a,34bへの応力集中が分散され、好適である。
びクリック感を得るためには、ヒンジ機構が揺動軸の軸
長方向に沿って大きな領域を占める必要がある。従っ
て、ヒンジ機構が適用される広口容器のキャップ10で
は、ヒンジ機構16が取り付けられるキャップスカート
12及びオーバーキャップ14それぞれの曲面部分をな
す略円筒面の曲率半径が100mm乃至500mmであ
ればより好適である。
はそれぞれキャップスカート12及びオーバーキャップ
14の外周面に接合されている。このとき、弾性片34
の内側面34cと外側面34dの全長の差が予め大きく
して形成されているが、これは弾性片34の内側面34
cについての接合端部34a,34b間の最大伸び量と
外側面34dについての接合端部34a,34b間の最
大伸び量との違いから生ずる応力集中を抑制することを
目的としているからである。
点Mから弾性片34の内側面34c及び外側面34dま
での揺動軸方向の距離を、それぞれ、LI、LHとし
(図3参照)、ヒンジ本体32の揺動軸Bの延長線から
弾性片34の内側面34c及び外側面34dの円弧を規
定する中心点R1,R2までの最短距離をそれぞれP
I,PHとし(図8及び図9参照)、これらの距離で定
まる因子(PI/LI)及び(PH/LH)が0.01
乃至0.9の範囲内にあるようにした。この因子(PI
/LI)及び(PH/LH)は実験的に求めたものであ
るが、0.01よりも小さい場合、スナップ力が小さ
く、オーバーキャップ14が思案点を越えるときの抵抗
感、即ちクリック感が小さいばかりか、開蓋状態におけ
るオーバーキャップ14の位置が定まらず、不安定とな
る。また、因子(PI/LI)及び(PH/LH)が
0.9を越えると、弾性片34は伸長方向に不均一に延
ばされた形状となり、弾性片34の引張り力にロスが生
じてしまい、スナップ性が悪くなる。従って、この因子
(PI/LI)及び(PH/LH)は0.01乃至0.
9の範囲内にあることが好ましいが、より好ましくは
0.04乃至0.3としたときには、更に鋭いクリック
感を得て、且つ、繰り返し揺動で不均一に伸長される形
状になり難いので、なお一層好適である。
0を実際に製造したが、合成樹脂としては、ポリプロピ
レン系樹脂であって、密度0.90g/cm3、メルト
インデックス30、結晶融解温度145℃の物性を有す
るものを用いて、射出成形を行った。射出成形工程で
は、住友重機械工業製の商品名ネトマットシリーズ型式
N800/200射出成形機を用い、これに1個取り金
型を装着して、型締め力200ton、ノズル設定温度
220℃、サイクル時間12秒で成形を行った。
状とし、キャップスカート12及びオーバーキャップ1
4の一辺を約130mmとした。また、ヒンジ機構16
の特性を調べるために3種類のキャップ10を製造し
た。各キャップ10は、ヒンジ機構16の因子(PI/
LI)及び因子(PH/LH)の平均値を変えたもので
あり、それぞれ、0.04、0.18、0.60とし
た。
蓋するときのスナップ性及びクリック感において若干の
差があったが、全て、実用的な範囲内のものであった。
また、開蓋と閉蓋を500回繰り返した後も、十分な実
用性能を有していることが、実験の結果、明かとなっ
た。
からなるシート体をプラグアシスト深絞り成形した絞り
成形体を広口容器として用い、その開口部上周縁に上記
のキャップ10のキャップスカート12を嵌着して組み
付けた。なお、絞り成形体は、底面が略矩形であり、側
面及び隅取り部が曲面とされた図2と同様な形状を有す
るものである。
の成形体に8割程度詰めて、キャップ10を閉蓋した。
この充填容器を室温で1週間暗所で保管したとき、発生
する炭酸ガスにより容器の膨れやキャップ外れは生じな
かった。
10のキャップスカート12は、その内容物をできるだ
け多く取り出すために、大きな開口部を有する必要があ
る。これによって、キャップスカート12を構成する環
状体の幅はできるだけ小さい方がよい。従来の技術の欄
に述べた公報のキャップでは、開口部を大きくするだけ
でなく、本発明のようなスナップ性やクリック感を得る
ために、環状体の幅を小さくして円弧状の弾性片の中心
軸をヒンジ本体の揺動軸と一致させる必要がある。とこ
ろが、その幅を小さくしたことにより強度が低下してし
まう。このため、オーバーキャップの開蓋及び閉蓋時に
はキャップスカートがヨーイング(yawing)といった一種
の捩れ運動を受け、キャップの破損に至る恐れもある。
しかし、本実施形態のヒンジ機構16は、環状体の強度
を保持しながら、その幅をできるだけ小さくして揺動軸
と対称に取り付けられているので、環状体が強度低下に
よる破損を受けることはない。
の揺動軸と一致させるために、ヒンジ機構全体をオーバ
ーキャップ及びキャップスカートの外方に大きく突出し
て設けることも考えられるが、その場合には、キャップ
の操作性及び取り扱い性の低下、さらには見栄え又はス
ムーズ性の低下につながる。これに対して、本実施形態
では、小型の弾性片34を揺動軸と対称に配置させるこ
とによって、その弾性復元力を効率よく利用できるよう
にしたので、キャップ10に対してヒンジ機構16を小
さくすることができる。従って、オーバーキャップ12
及びキャップスカート14の外方に大きく突出すること
はない。
に開示されたキャップでは、ヒンジ機構の取り付け部分
に凹部を設けることにより、揺動機構を実現させてい
た。このため、その凹部に切り欠き部分が存在すること
となり、閉蓋状態でのキャップの密閉性を良くするた
め、オーバーキャップの内面の周縁に溝部を設け、且つ
キャップスカートの上面にそれと嵌合する階段状部分を
設けていた。ところが、キャップスカートの開口部を大
きくする必要があるために、ヒンジ機構の取り付け部分
には溝部及び階段状部分が設けることができないので、
密閉性が不十分となる。一方、本実施形態ではキャップ
の内方にヒンジ機構を設けていないので、そのような切
り欠き部分が存在しない。このため、キャップに閉蓋状
態において十分な密閉性が容易に実現されると共に、キ
ャップスカートの開口部とヒンジ機構とで形成される区
間を、合成樹脂からなるキャップスカート及びオーバー
キャップの剛性に応じて機械強度を得るようにこの区間
の幅を設けることができる。従って、これまでは広口容
器に収容されるものは流動性の全く或いはほとんどない
ペースト状のものに限定してきたが、粉末状、顆粒状、
又は液状のような流動性のあるものでも良い。
よって、炭酸ガス等の気体が放出されることもある。例
えば上に述べた味噌では常温で流通できるようにその中
に含まれる酵母を加熱処理するのが一般的であるが、近
年、加熱処理をしない生味噌と呼ばれる味にこだわった
味噌が流通されている。この生味噌はその代謝により炭
酸ガスが発生して、密閉容器では内部に炭酸ガスが充満
して、容器又はキャップは大きな負荷を受ける恐れがあ
る。本実施形態ではこの場合に、キャップスカート12
及びオーバーキャップ14が、離間して配設された凹部
28及び凸部30によってのみ閉蓋時に嵌合している。
そのとき炭酸ガスが発生してある圧力以上になっても、
キャップスカート12及びオーバーキャップ14の単な
る係合部分から外部と通気できるようになるので、その
ような負荷は抑制される。このように炭酸ガス等の気体
が放出されたとしても、容器の内容物が何ら問題なく保
存、保管されることは、前述の実験結果からも明らかで
あろう。なお、このような炭酸ガス等を発生する食品は
生味噌以外に、皮剥きにんにく、山芋、加熱処理されて
いないナチュラルチーズ又は焙煎したコーヒー豆等があ
る。
細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない
ことは言うまでもない。例えば、上記実施形態では、図
8又は図9に示すように、弾性片34の接合端部34
a,34bは両面側ともキャップ10の中心軸を中心と
した円弧となっているが、片面側のみ円弧となるように
してもよく、また、外周面に凹部を設けて弾性片をその
中に配置させるようにしてもよい。このような形態を本
明細書では、「外周面に沿って弧をなす」と称してい
る。
bの形状は円弧形状とする必要はなく、キャップ10の
外周面の形状に応じて、キャップスカート12又はオー
バーキャップ14の外周面に沿って直線をなすようにし
てもよい。この「外周面に沿って直線をなす」とは、弾
性片34の少なくとも一方の面の水平断面形状がキャッ
プの中心軸を中心とした弦となる態様又は弾性片34の
少なくとも一方の面の水平断面形状が直線となる態様を
いう。勿論、一方の面側で弧をなし、他方の面側で直線
をなすような構成を採ることもできる。ここで、「外周
面に沿って」とは、実質的に外周面に沿うことをいい、
例えば滑り止め用にローレット加工が施されるときは、
この加工の無い平坦な面を想定しての外周面に沿うの意
である。
を伸長した場合、略矩形形状となるが、応力分布の分散
化を図る観点からは、幅が中間部で最も狭く、端部ほど
幅が大きくなるような形状としても良い。
ンジ機構の弾性片の捩れが防止されるので、弾性片に生
ずる弾性復元力をオーバーキャップを引っ張るためのス
ナップ力として効率よく利用することが可能となる。従
って、良好なスナップ性及びクリック感を得ることがで
きる。
性片を設け、その弾性復元力を効率よく利用することに
よって弾性片の小型化が可能となる。このため、キャッ
プに対してヒンジ機構を小さくすることができる。これ
は取扱い性ないしは操作性を向上させるものであり、し
かも、見栄え又はスムーズ性が良い(即ち、ヒンジ機構
がキャップ外周面の外方に突出する割合が小さい)とい
う点において優れた効果を与える。
関連して、キャップスカートの開口部の大口径化やキャ
ップの密閉性も容易に実現される。
力の分布が分散化されるため、繰返しの使用にも十分に
耐えることができる。
蓋状態における上面図である。
上面図である。
拡大部分断面図である。
拡大部分断面図である。
拡大部分断面図である。
図、及びその上面図のIII-III線に沿っての断面図であ
る。
線に沿っての端面図である。
I 線に沿っての端面図である。
バーキャップ、16…ヒンジ機構、18…広口容器、2
2…広口容器開口部、24…キャップスカート開口部、
32…ヒンジ本体、34…弾性片。
Claims (8)
- 【請求項1】 広口容器の上周縁に直接取り付けられ、
前記広口容器の内容物の取り出し口となる開口部を有
し、且つ曲面部分を含む外周面を有する環状のキャップ
スカートと、曲面部分を含む外周面を有し、且つ、前記
キャップスカートの上周縁を覆って前記開口部を閉鎖す
るためのオーバーキャップと、前記キャップスカートに
対して前記オーバーキャップを閉蓋状態と開蓋状態との
間で揺動可能に支持するヒンジ機構とを備え、合成樹脂
から一体成形により構成されたキャップにおいて、 前記ヒンジ機構は、前記キャップスカート及び前記オー
バーキャップを互いに揺動可能に支持するヒンジ本体
と、前記ヒンジ本体の両側に配置され両端部がそれぞれ
前記キャップスカート及び前記オーバーキャップに接合
された1対の弾性片とを有し、 前記弾性片の各端部が対応の前記キャップスカート及び
前記オーバーキャップの前記曲面部分に沿って弧をなし
て接合されており、 閉蓋状態から前記オーバーキャップを180度揺動させ
た180度開蓋状態には、前記弾性片が前記キャップス
カートと前記オーバーキャップとの間で略円弧状とな
り、 前記弾性片の厚さが全長にわたって等しい、ことを特徴
とする広口容器のキャップ。 - 【請求項2】 広口容器の上周縁に直接取り付けられ、
前記広口容器の内容物の取り出し口となる開口部を有
し、且つ曲面部分を含む外周面を有する環状のキャップ
スカートと、曲面部分を含む外周面を有し、且つ、前記
キャップスカートの上周縁を覆って前記開口部を閉鎖す
るためのオーバーキャップと、前記キャップスカートに
対して前記オーバーキャップを閉蓋状態と開蓋状態との
間で揺動可能に支持するヒンジ機構とを備え、合成樹脂
から一体成形により構成されたキャップにおいて、 前記ヒンジ機構は、前記キャップスカート及び前記オー
バーキャップを互いに揺動可能に支持するヒンジ本体
と、前記ヒンジ本体の両側に配置され両端部がそれぞれ
前記キャップスカート及び前記オーバーキャップに接合
された1対の弾性片とを有し、 前記弾性片の各端部が対応の前記キャップスカート及び
前記オーバーキャップの前記曲面部分に沿って直線をな
して接合されており、 閉蓋状態から前記オーバーキャップを180度揺動させ
た180度開蓋状態には、前記弾性片が前記キャップス
カートと前記オーバーキャップとの間で略円弧状とな
り、 前記弾性片の厚さが全長にわたって等しい、ことを特徴
とする広口容器のキャップ。 - 【請求項3】 前記キャップスカートの曲面部分及び前
記オーバーキャップの曲面部分は前記キャップスカート
及びオーバーキャップのそれぞれの中心軸線と実質的に
平行に延びる軸線により規定される円筒面又は円錐面の
一部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の広
口容器のキャップ - 【請求項4】 前記キャップスカートの曲面部分及び前
記オーバーキャップの曲面部分では、円筒面又は円錐面
の曲率半径が100mm乃至500mmであることを特
徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の広口容器
のキャップ。 - 【請求項5】 前記キャップスカートの曲面部分及び前
記オーバーキャップの曲面部分には凹部が形成されてお
り、前記弾性片の端部が前記凹部にて接合されているこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の広
口容器のキャップ。 - 【請求項6】 前記弾性片の円弧状部分の円弧を規定す
る中心点(R1,R2)と前記ヒンジ本体の揺動軸
(B)の延長線との間の距離(PI,PH)、及び、前
記ヒンジ本体の中間点(M)と前記弾性片の側面との間
の距離(LI,LH)で定まる因子(PI/LI,PH
/LH)の値が0.01乃至0.9であることを特徴と
する請求項1〜5のいずれか1項に記載の広口容器のキ
ャップ。 - 【請求項7】 前記弾性片の各端部と対応の前記キャッ
プスカート及び前記オーバーキャップとの接合面が、前
記ヒンジ本体に向かって傾斜していることを特徴とする
請求項1〜6のいずれか1項に記載の広口容器のキャッ
プ。 - 【請求項8】 180度開蓋状態において、前記ヒンジ
本体の上面に前記揺動軸に沿って凹部を形成したことを
特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の広口容
器のキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169997A JPH1017003A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 広口容器のキャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169997A JPH1017003A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 広口容器のキャップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1017003A true JPH1017003A (ja) | 1998-01-20 |
Family
ID=15896682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8169997A Pending JPH1017003A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 広口容器のキャップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1017003A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302286A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Idemitsu Unitech Co Ltd | 蓋付容器 |
WO2023042465A1 (ja) * | 2021-09-15 | 2023-03-23 | 太平洋工業株式会社 | 容器 |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP8169997A patent/JPH1017003A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302286A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Idemitsu Unitech Co Ltd | 蓋付容器 |
WO2023042465A1 (ja) * | 2021-09-15 | 2023-03-23 | 太平洋工業株式会社 | 容器 |
JP2023043091A (ja) * | 2021-09-15 | 2023-03-28 | 太平洋工業株式会社 | 容器 |
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A521 | Written amendment |
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