JPH1016971A - 合成樹脂製容器 - Google Patents

合成樹脂製容器

Info

Publication number
JPH1016971A
JPH1016971A JP8174982A JP17498296A JPH1016971A JP H1016971 A JPH1016971 A JP H1016971A JP 8174982 A JP8174982 A JP 8174982A JP 17498296 A JP17498296 A JP 17498296A JP H1016971 A JPH1016971 A JP H1016971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
synthetic resin
reinforcing ribs
rib
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8174982A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Shima
徹 嶋
Takanao Takeuchi
敬直 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP8174982A priority Critical patent/JPH1016971A/ja
Publication of JPH1016971A publication Critical patent/JPH1016971A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stackable Containers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 積み重ね強度、変位量および積み重ね時の安
定性に優れるとともに、蓋締めを容易に行うことができ
る合成樹脂製容器を提供すること。 【解決手段】 蓋30のコーナー部の裏側に補強リブ40を
設け、これらを互いに連結することで、蓋の局部的な剛
性を高め、積み重ね強度を確保しつつ、蓋締めを容易に
行うことができるようにする。補強リブとしては、直接
交差連結される補強リブ41、43のほか、イジェクタピン
受け部39を囲む円筒状の連結リブ49を介して連結される
ようにすることで、干渉の防止ないし設置自由度を確保
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製容器に
関し、廃油、廃酸、あるいは医療用廃棄物等の廃棄物を
回収、収納するための廃棄物用容器などに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、廃油、廃酸、あるいは医療用廃
棄物等の廃棄物を回収、収納するために、ポリエチレン
やポリプロピレン等の合成樹脂により本体と蓋とからな
る容器が製造されている。このような廃棄物用容器は、
複数の容器を積み重ねた状態で保管や運搬を行うことが
多いため、容器には長期間の保管に対応できる強度や積
み重ね時の安定性が要求される。
【0003】つまり、廃棄物用容器は、内容物を収納し
た状態で一ヵ月等の長期間積み重ねられて保管される場
合があり、この場合には蓋に座屈や割れが生じるおそれ
がある。このため、蓋の座屈や割れを防止するために蓋
の肉厚を増したり、あるいは蓋の材料の剛性を増すなど
の方法がとられていた。
【0004】また、容器を積み重ねた状態で運搬を行う
場合には、運搬用車両の振動により容器が荷ずれを起こ
して転倒するおそれがあり、あるいは保管時においても
保管場所の傾斜や地震等により同様な問題が生じるおそ
れがある。このため、本願出願人は、既に実願平4-0152
56号で積み重ね時の安定性を考慮した容器を提案してい
る。この実願平4-015256号に記載した容器には、蓋の表
側の中央に凸部が設けられ、本体底面の中央に凹部が設
けられている。そして、蓋の表側の凸部とこの蓋の上側
に積み重ねられる別の合成樹脂製容器の本体底面の凸部
とを嵌合させて容器の積み重ね時の安定性を確保してい
る。
【0005】更に、積み重ね強度および積み重ね時の安
定性に優れるとともに、蓋の開閉を容易に行えるように
するために、実願昭5-038739号を提案している。この実
願昭5-038739号に記載した容器では、蓋の裏側に補強リ
ブを設けることで蓋の強度を高め、蓋の座屈や割れを防
止し、これにより容器としての積重ね強度を確保してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のような合成樹脂
製容器においては、一層の多段積層性の向上が要求され
ている。例えば、廃棄物を収容するために用いられる場
合、廃棄物の処理コストの低減要求、保管スペースの高
密度化要求などにより、容器の多段積層が一層要求され
るようになっている。そして、積層段数をより多くする
べく、蓋の強度向上が一層要求されることになる しかし、材料の強度等により蓋の全体的な剛性を高めた
場合、積層可能段数が大きくなるものの、蓋締め容易性
が低下する。一方、蓋締め容易性を優先すれば、蓋の変
形が大きく、積層段数を大きくできないという問題があ
る。
【0007】また、前述した補強リブによる蓋の補強を
図る場合には、局部的な剛性向上が可能であるが、特定
の部位に設けられる補強リブが蓋の裏側に他の機能との
干渉を生じることがある。例えば、蓋の成形時に必要な
エジェクタピンを受ける位置には補強リブを設置するこ
とができず、有効な補強ができないことがあり、このた
め前述の積層段数の向上が図れなくなるという問題もあ
った。
【0008】本発明の目的は、積み重ね強度および積み
重ね時の安定性に優れるとともに、蓋締めを容易に行う
ことができるとともに、実質再開封ができないような合
成樹脂製容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、蓋の裏側にコ
ーナー部を主体として補強リブを設け、かつ各コーナー
部においてこれらの補強リブを互いに連結させること
で、蓋の局部的な剛性を高め、これにより前記目的を達
成しようとするものである。具体的には、本発明の合成
樹脂製容器は、略矩形状の開口部を有する本体と、前記
開口部を覆う略矩形状の蓋とを備えた合成樹脂製容器で
あって、前記蓋は前記開口部の開口面と略平行に配置さ
れる上面部と、この上面部と交差する側面部とを有し、
前記蓋の裏側には少なくともコーナー部に複数本の補強
リブが設けられ、これらの各補強リブはそれぞれ一端が
前記上面部および前記側面部に交差しかつ一部が他の補
強リブと連結されていることを特徴とする。
【0010】ここにおいて、蓋および開口部の略矩形と
は、正方形や長方形、あるいはこれらの各角部に丸みを
持たせた概略正方形や長方形等の形状が該当する。この
ようにすれば、各補強リブによりコーナー部をはじめと
する蓋の各部の局部的な補強が行えるとともに、各補強
リブどうしの連結により互いの荷重伝達が行われ、一層
効果的に剛性向上を図ることができる。
【0011】前記コーナー部分に設けられた補強リブの
何れかは互いに交差連結され、この交差位置は蓋の上面
側の前記コーナー部分近傍に形成されて他の容器が載置
される受け部の位置に対応されていることが望ましい。
このようにすれば、最も簡単な構造で補強リブの相互連
結による荷重伝達を行うことができる。
【0012】前記コーナー部分に設けられた補強リブの
何れかは前記蓋の裏側に設けられた連結リブを介して他
の補強リブに連結されていることが望ましい。このよう
にすれば、互いに交差しない補強リブの連結、あるいは
補強リブを交差配置できない場合等でも連結による荷重
伝達を行うことができ、補強リブの配置自由度を高める
ことができる。
【0013】前記連結リブは環状に形成され、この環状
の連結リブの内部には前記蓋の成型時のエジェクタピン
を受ける受け部が形成されていることが望ましい。環状
の連結リブとしては、円筒状、角筒状などの蓋の上面部
に沿った方向の断面が環状となる各種形状が利用でき
る。このようにすれば、環状の補強リブの内部には、蓋
の上面部の裏面が平坦なままで残されるため、この部分
をエジェクタピンの受け部とすることができ、相互の干
渉を防止しつつ所望の補強を行うことができ、容器とし
ての多段積層性を高めつつ蓋の成型時の離型性を確保す
ることができる。
【0014】前記補強リブの何れかは蓋を横断する配置
とされていることが望ましい。このようにすれば、蓋の
全長または全幅に及ぶ補強も行うことができる。
【0015】前記蓋および各リブは合成樹脂材料で一体
形成され、この合成樹脂材料の引張弾性率は400〜900MP
a、好ましくは600〜800MPaである。これら合成樹脂材料
としては、耐薬品性、強度、焼却廃棄性などの点から、
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状エチ
レン−α−オレフィン共重合体(LLDPE)、(軟質)ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、あるいはこれ
らの混合物、さらにはこれらにエチレン−α−オレフィ
ン共重合体エラストマー等のエラストマーを配合するこ
とによって引張弾性率を適宜調整したものを用いること
ができる。
【0016】なかでも、密度が0.924〜0.944g/cm3、好
ましくは0.930〜0.940g/cm3のポリエチレン系樹脂、特
にエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく用いら
れる。これらの樹脂の採用により、強度、剛性、蓋締め
容易性のバランスを保つことができる。なお、容器本体
としては、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、これらの混合物、あ
るいはこれらに各種エラストマーを添加した樹脂などが
用いられ、ポリプロピレン・ブロック共重合体が好まし
く用いられる。これらの樹脂には、各種安定剤、着色
剤、帯電防止剤、無機充填剤などの公知の添加剤が配合
されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る容器10の
蓋30を開けた状態の全体構成を示す斜視図、図2は蓋30
の裏側を示す平面図、図3は容器10を積み重ねた状態の
部分的な断面図、図4は裏側からみた蓋30の部分的な平
面図、図5は本体20の底面を示す図である。図1ないし
図3において、合成樹脂製の容器10は、上面に開口部21
を有する略直方体形状の本体20と、この本体20の開口部
21を塞ぐ蓋30とを備えている。
【0018】本体20は、略長方形形状の底面部22と、こ
の底面部22の周縁から上方に立ち上がった側板部23とを
有している。蓋30は、開口部21の開口面(本体20の上
面)に平行に配置される略長方形形状の上面部31と、こ
の上面部31の周縁に接続されて上面部31と交差する側面
部32と、さらに側面部32の外側に設けられた略逆U字断
面形状の湾曲部33とを備えている。
【0019】本体20の側板部23の上端縁、つまり開口部
21の周縁には、外側(図3中左側)に向かって突出する
鉤状部24が設けられ、一方、蓋30の湾曲部33の端縁に
は、内側(図3中右側)に向かって突出する係止段部34
が設けられている。そして、蓋30は、図3に示すよう
に、係止段部34を鉤状部24に引っ掛けることにより本体
20に固定係止されるようになっている。また、湾曲部33
の内部には、パッキン35が設けられており、蓋30を閉じ
た際には、本体20の鉤状部24がこのパッキン35に押し付
けられるようになっており、これにより蓋30を閉じた際
の容器10の密閉性が確保されている。
【0020】本体20の側板部23の上部には、外側に張り
出す鍔部25が側板部23の全周に渡り設けられており、こ
の鍔部25に手をかけて容器10を持ち運ぶことができるよ
うになっている。また、図1に示すように、鍔部25に
は、蓋30の湾曲部33の外側に設けられた係止部36を挿入
可能な孔26が設けられており、容器10はこの孔26に矢印
Pの方向に係止部36を挿入することによって蓋30を開い
たままの状態で本体20に保持可能な構成となっている。
【0021】図2ないし図3において、蓋30の裏側には
複数の補強リブ40および円筒状の連結リブ49が設けられ
ている。連結リブ49は、蓋30の四つのコーナー部(長方
形の角部近傍)37の近傍に配置され、その中心位置はコ
ーナー部37の辺縁丸みの曲率中心に一致されている。こ
の連結リブ49に囲まれた内側は、蓋30の裏面が平坦な状
態で残されており、この部分が蓋30の成型時のエジェク
タピンを受ける受け部39となっている。
【0022】補強リブ40のうち、一部は連結リブ49の外
周面から蓋30の辺縁に向けて略放射状に形成されてい
る。補強リブ41は、連結リブ49の周面から蓋30の角隅へ
向けて延びている。補強リブ42は、連結リブ49の周面か
ら蓋30の角隅を横断するように一対が形成されている。
補強リブ43は、連結リブ49の周面から蓋30の最寄の辺縁
に向けてこの辺縁と直交する方向に延びている。
【0023】これらの各補強リブ41、42、43は、それぞれ
蓋30の辺縁側の端部が他の部分より漸次高くなるように
形成されている。そして、各々の同側端部は蓋30の側面
部32に接続されている。また、各補強リブ41、42、43は、
連結リブ49の中央付近を中心として略放射状に配置され
ている。これらの各補強リブ41、42、43は、それぞれ連結
リブ49を介して互いに連結されている。
【0024】補強リブ41の両側にはそれぞれ補強リブ44
が設けられている。補強リブ44は、補強リブ43と平行に
配置され、一端が補強リブ41と同様に側面部32に接続さ
れているとともに、他端が補強リブ41に連結されてい
る。この補強リブ44、41の連結位置は、蓋30の表面に形
成される円弧状の外側凸部51(後述)の曲率中心位置に
略一致され、積層時に他の容器を受ける位置59に一致す
るように設定されている。
【0025】補強リブ40のうち、他の一部は蓋30を横断
または縦断するように形成されている。補強リブ451
は、蓋30の長手方向に複数平行に横断する配置とされ、
各々の両端は蓋30の側面部32に接続されている。補強リ
ブ452は、蓋30の幅方向に複数平行に配置され、各々の
両端は蓋30の側面部32に接続されている。
【0026】補強リブ453は、蓋30の長手方向に配置さ
れ、各々の両端は連結リブ49に接続されている。補強リ
ブ454は、蓋30の幅方向に配置され、各々の両端は連結
リブ49に接続されている。これらの補強リブ453、454
は、それぞれ前述した補強リブ43の延長線上にあり、各
補強リブ43と合わせて途中の連結リブ49を挟んで蓋30を
横断または縦断するように形成されている。
【0027】これらの補強リブ451、452、453、454は、蓋3
0の中間部において互いに交差連結されている。さら
に、前述した補強リブ41の延長線上には連結リブ49を挟
んで反対側に補強リブ455が設けられ、この補強リブ455
は他端が中央の補強リブ451と最も外側の補強リブ452と
の交点に連結されている。これらの各補強リブ41〜455
は、内側凸部50(後述)に対応して段差状に形成され、
各部での高さが略同じになっている。また、各補強リブ
41〜455および連結リブ49の厚みは、蓋30の上面部31の
厚み以下となっている。
【0028】蓋30の上面部31の中央には、容器10の外部
側に突出する内側凸部50が設けられている。蓋30の四つ
のコーナー部37の各々には、容器10の外部側に突出する
略L字形状の外側凸部51が設けられており、これらの外
側凸部51の断面形状は、かまぼこ状となっている。
【0029】一方、図3および図5に示すように、本体
20の底面部22の中央には、容器10の内部側に窪んだ凹部
52が設けられている。蓋30に設けられた内側凸部50は、
本体20に設けられた凹部52に応じた平面形状を有してお
り、これらの内側凸部50と凹部52とは、容器10を上下に
積み重ねた時に互いに嵌合されるようになっている。
【0030】また、本体20の底面部22の中央に凹部52が
設けられているため、この凹部52の周囲には、容器10の
外部側に突出する周辺凸部53が形成されている。この本
体20の周辺凸部53は、容器10を上下に積み重ねた時に、
蓋30に設けられた内側凸部50と外側凸部51とにより挟み
込まれるようになっている。
【0031】なお、本体20は、MI(230度C、2.16kg
f)が14g/10分のポリプロピレンブロック共重合体材料
で成形されている。蓋30は、各リブを含めてポリエチレ
ン材料で一体形成されているが、このポリエチレン材料
の引張弾性率は400〜900MPa、好ましくは600〜800MPa、
密度は0.924〜0.944g/cm3、更に望ましくは0.930〜0.94
0g/cm3の範囲とされ、蓋30の蓋締めが容易になるように
なっている。
【0032】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、容器10の蓋30の周辺部の裏側
に補強リブ40が設けられ、各補強リブ40を直接相互に連
結し、または連結リブ49を介して連結したので、互いの
荷重伝達により剛性を高めることができ、容器10を長期
間積み重ねる際に生じる蓋30の座屈や割れを防止するこ
とができる。そして、補強リブ40により必要な部分の局
部的な剛性確保により容器10の積み重ね強度を確保した
ので、従来のような蓋の肉厚や蓋の材料の剛性を増して
積み重ね強度を確保する場合に比べ、蓋30の蓋締めを容
易に行うことができる。
【0033】補強リブ40として、縦横の格子状に延びる
補強リブ451〜454およびコーナー部37に向う斜めの455
により蓋30の全体的な剛性向上が図られるとともに、蓋
30のコーナー部37に密集して形成された補強リブ41〜44
および連結リブ49によりコーナー部分37の局部的な剛性
向上が図られる。特に、補強リブ41、44は上部に積層さ
れる他の容器を受ける部分59を中心に放射状に形成され
るため、この部分59にかかる荷重を適切に分散させるこ
とができ、積層による蓋30の変形ないし破損を確実に防
止できる。また、補強リブ41〜44はコーナー部37の辺縁
の曲率中心から放射状に延びる形状となっているため、
コーナー部37の剛性向上に有効である。
【0034】さらに、この部分の補強は、連結リブ49に
よりエジェクタピンの受け部39を避けつつ実現できるた
め、蓋30の成型時の離型性をも確保することができる。
特に、連結リブ49は円筒状とされ、断面環状で閉じた形
状であるため、中央に空間を確保しながらその周囲に十
分な強度を得ることができる。
【0035】一方、各補強リブ40は互いに連結されてい
るので、蓋30の成形時に蓋30の中央付近の一点ゲートか
ら供給される樹脂の流れを各補強リブ40に沿って円滑に
導くことができ、成形性を良好にすることができる。そ
して、一般にリブの深さ(高さ)が大きすぎると成形時
の金型からの離型が困難になるが、これらの補強リブ40
の各々は、側面部32と接続する端部のみ高さが高くなっ
て側面部32との接続強度確保がなされているが、他の部
分では高さが一定以下に抑えられ、蓋30の必要強度を確
保つつ成形後の金型からの離型を容易に行うことができ
る。
【0036】また、補強リブ40は、側面部32と接続する
端部のみ高さが高く、他の部分は高さが低くなるように
したので、図6のように、蓋30どうしを積み重ねる際
に、上側に位置する蓋30に設けられた補強リブ40と下側
に位置する蓋30との干渉を防止できる。さらに、補強リ
ブ40の厚みは、蓋30の上面部31の厚み以下となっている
ので、補強リブ40が接続された部分の蓋30の上面部31の
表面側が陥没するというヒケの現象が現れることはな
い。
【0037】また、容器10を上下に積み重ねる際には、
本体20の凹部52と蓋30の内側凸部50との嵌合に加え、本
体20の周辺凸部53が、蓋30に設けられた内側凸部50と外
側凸部51とにより挟み込まれるようになっているので、
容器10の積み重ね時の安定性をより向上することがで
き、運搬時等の容器10の荷ずれによる転倒などの不都合
を未然に防止することができる。なお、この凹凸の組合
わせは一組に限らず、二組以上とすることにより、容器
の方向を変えて段積み可能にすることもできる。この場
合は放射状の補強リブを長辺側中央付近に設けることに
より、段積安定性を向上させることができる。
【0038】さらに、蓋30に設けられた外側凸部51は略
L字形状を有しているので、本体20に設けられた周辺凸
部53の角部を二面で確実に係止することができ、荷ずれ
防止機能をより確実に得ることができる。そして、外側
凸部51の断面形状は、かまぼこ状となっているので、容
器10の積み重ね脱着を人手により容易に行うことができ
る。
【0039】また、湾曲部33の内部にパッキン35が設け
られているので、蓋30を閉じた際に容器10を確実に密閉
することができ、容器10が転倒した場合にも内容物の漏
れを防止することができる。さらに、蓋30の係止部36を
本体20の孔26に挿入することにより、蓋30を開いたまま
の状態で本体20に保持できるようになっているので、内
容物の収納の際の蓋30の紛失を防止することができる。
【0040】
【実施例】なお、本発明の効果を確かめるために、以下
のような比較実験を行った。全体形状が前記実施形態の
ような略直方体形状の容器本体20(500mm×360mm×400m
m深さ、肉厚2.2mm、ポリプロピレンブロック共重合体
(MI(230度C、2.16kgf):14g/10分)製)を用い、
補強リブの配置、本数を変えた各蓋30(厚み2.2mm、リ
ブ厚み2mm、エチレン−オクテン−l共重合体(MI(1
90度C、2.16kgf):25g/10分)製、引張弾性率700MPa、
密度0.936g/cm3)を用い、各々に20リットルの水を入れ
た状態で5段積み重ね、最下段の蓋にかかる最大応力を
有限要素法により求めた。5段積み重ね時の合計荷重は
88kgfである。また、成形した容器を2缶重ねて、圧縮試
験機(圧縮速度10mm/分)により、5段積み相当の荷重を
かけた時の下段の蓋の最大変形量を測定した。
【0041】(比較例1)図7のように、長方形の蓋30
の四つのコーナー部37に5本の補強リブ401を設けた。
各補強リブ401は連結されていない。 (比較例2)図8のように、比較例1の蓋30に、長手方
向の縦断補強リブ402を形成した。各補強リブ401、402は
何れも独立していて互いに連結されていない。
【0042】(実施例1)図9のように、長方形の蓋の
四つのコーナー部37に5本の補強リブ401を設け、これ
らを互いに連結し、蓋30を長手方向に縦断する補強リブ
402を形成した。 (実施例2)図10のように、実施例1に対してリブの
配置を変更して補強リブを形成した。
【0043】(実施例3)図11のように、エジェクタ
ピン受け部39を囲む円筒状の連結リブ49を設け、さらに
前記実施形態の補強リブ41、43、44、451、453、455を形成し
た。 (実施例4)図12のように、実施例3に補強リブ42、4
54を追加し、前述の実施形態と略同じ形状とした。
【0044】
【表1】
【0045】表1には、評価結果が示されている。この
結果によれば、補強リブを連結させた実施例1〜4で
は、連結させない比較例1、2に比べ、最大変形量の値
が小さくなっている。従って、補強リブを連結させる本
発明の有効性がこの結果からも理解できる。また、円筒
状の連結リブを設けた実施例3、4では、比較例1、2
および実施例1、2に比べ、最大応力の値が小さくなっ
ている。この結果から、補強リブを連結させたうえ、環
状の連結リブを併用することが望ましいことが理解でき
る。
【0046】また、前述した実施例4の蓋について、材
料(低密度ポリエチレン)の引張弾性率と密度とを変化
させた6通りの製品について、それぞれの蓋閉め容易性
の確認試験、5段積み時の蓋座屈試験を行い、それぞれ
の性能を評価した。蓋閉め容易性確認試験は、圧縮試験
機により直径10mmの円板状圧縮板で蓋30を押して蓋が閉
まる時の荷重を測定し、荷重55kg以下を良好と判定し
た。温度条件は23℃である。蓋座屈試験は、20リットル
の水を入れた容器10を5段に積み重ねて温度条件23℃で
2日間(48時間)放置し、蓋30の座屈の有無を検査し
た。
【0047】
【表2】
【0048】表2には、各試験の結果が示されている。
この結果によれば、密度0.932g/cm3のもの、密度0.936g
/cm3、0.940g/cm3のものでは蓋締め容易性および蓋座屈
の各々について良好な結果が得られたのに対し、密度0.
928g/cm3のものでは蓋締め容易性は良好だが蓋座屈が大
きくなり、密度0.944g/cm3のものでは蓋座屈はないが蓋
締め容易性に難があることが解る。これらの実験結果よ
り、本発明の効果が顕著に現れていることがわかる。
【0049】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記実施形態では、蓋30の四つ
のコーナー部37の各々に各種の補強リブ41〜44、455が
設けられているが、これらの補強リブの設置本数は任意
であり、要求強度等に応じて何れかを適宜省略してもよ
い。
【0050】但し、各コーナー部37には剛性確保が必要
であり、補強リブ41〜44による補強が十分になされるよ
うに配慮することが望ましい。また、蓋30としては、長
手方向に横断する補強リブ451のうち中央のもの、各コ
ーナー37に向う斜めの補強リブ455ないし連結リブ49を
挟んで延長上にある補強リブ41が剛性確保に有効であ
り、これらはなるべく設けることが望ましい。
【0051】また、各補強リブ40の厚みは、前記実施形
態のように蓋30の上面部31が陥没しない程度の厚み、つ
まり蓋30の上面部31の厚み以下となっていることが好ま
しいが、これに限定されるものではない。そして、各補
強リブ40は、全部が同じ厚みである必要はなく、それぞ
れ異なる厚みを有していてもよい。
【0052】また、各補強リブ41〜44は、コーナー部37
の辺縁曲率中心つまりエジェクタピン受け部39を中心に
配置され、補強リブ41、43は上方に載置される他の容器
の受け部59を中心に載置されているが、このような配置
に限定されるものではない。しかし、各荷重集中部分を
中心に略放射状に配置しておくことが好ましく、そうす
ることで集中荷重の緩和を良好にすることができる。
【0053】さらに、補強リブ41〜44、455等を円筒状の
連結リブ49で連結し、内側にエジェクタピンの受け部39
を確保しつつ相互の連結による荷重伝達を確保したが、
エジェクタピン位置が異なる位置の場合、連結リブ49は
適宜省略してもよい。あるいは、円筒形状により剛性が
高められるため、他の部分に円筒状の補強リブを設けて
もよい。
【0054】前記実施形態における連結リブ49は円筒状
としたが、内部に受け部39を確保できれば角筒状等でも
よく、環状に限らず半円形状等でもよく、連結だけなら
直線状であってもよい。
【0055】また、前記実施形態では、容器10を上下に
積み重ねた時に、本体20の周辺凸部53が、蓋30に設けら
れた内側凸部50と外側凸部51とにより挟み込まれるよう
になっているが、これらの嵌合構造はなくてもよく、要
するに補強リブ40が設置されていればよい。しかし、こ
れらの嵌合構造を容器10に設けておくことが好ましく、
そうすることで容器10の積み重ね時の安定性を確保する
ことができる。
【0056】さらに、蓋30に設けられた外側凸部51は、
略L字形状となっているが、この形状に限定されるもの
ではなく、要するに内側凸部50との間に本体20の周辺凸
部53を挟み込むことができる形状であればよく、例え
ば、L字を分割して単なる直線状の凸部を略直角に配置
したものとしてもよい。そして、容器10の材質は、合成
樹脂であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン等任意で
ある。
【0057】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、蓋
の裏側に複数本の補強リブを設け、これらを互いに連結
したので、補強リブの有効性を高めることができ、蓋閉
め容易性を確保しながら蓋の積み重ね強度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体斜視図。
【図2】前記実施形態の蓋の裏側形状を示す平面図。
【図3】前記実施形態の要部を示す断面図。
【図4】前記実施形態の要部を示す平面図。
【図5】前記実施形態の容器の本体底面を示す斜視図。
【図6】前記実施形態の容器の蓋どうしを積み重ねた状
態の断面図。
【図7】比較例1の形状を示す平面図
【図8】比較例2の形状を示す平面図
【図9】実施例1の形状を示す平面図
【図10】実施例2の形状を示す平面図
【図11】実施例3の形状を示す平面図
【図12】実施例4の形状を示す平面図
【符号の説明】
10 容器 20 本体 22 底面部 21 開口部 30 蓋 31 上面部 32 側面部 39 他の容器の受け部 40、41〜455 補強リブ 49 連結リブ 50 内側凸部 51 外側凸部 52 凹部 53 周辺凸部 59 エジェクタピンの受け部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略矩形状の開口部を有する本体と、前記
    開口部を覆う略矩形状の蓋とを備えた合成樹脂製容器で
    あって、 前記蓋は前記開口部の開口面と略平行に配置される上面
    部と、この上面部と交差する側面部とを有し、 前記蓋の裏側には少なくともコーナー部に複数本の補強
    リブが設けられ、これらの各補強リブはそれぞれ一端が
    前記上面部および前記側面部に交差しかつ一部が他の補
    強リブと連結されていることを特徴とする合成樹脂製容
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した合成樹脂製容器にお
    いて、前記コーナー部分に設けられた補強リブの何れか
    は互いに交差連結され、この交差位置は蓋の上面側の前
    記コーナー部分近傍に形成されて他の容器が載置される
    受け部の位置に対応されていることを特徴とする合成樹
    脂製容器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した合成
    樹脂製容器において、前記コーナー部分に設けられた補
    強リブの何れかは前記蓋の裏側に設けられた連結リブを
    介して他の補強リブに連結されていることを特徴とする
    合成樹脂製容器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した合成樹脂製容器にお
    いて、前記連結リブは環状に形成され、この環状の連結
    リブの内部には前記蓋の成型時のエジェクタピンを受け
    る受け部が形成されていることを特徴とする合成樹脂製
    容器。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までの何れかに記
    載した合成樹脂製容器において、前記補強リブの何れか
    は蓋を横断する配置とされていることを特徴とする合成
    樹脂製容器。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までの何れかに記
    載した合成樹脂製容器において、前記蓋および各リブは
    合成樹脂材料で一体形成され、この合成樹脂材料の引張
    弾性率は400〜900MPaであることを特徴とする合成樹脂
    製容器。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までの何れかに記
    載した合成樹脂製容器において、前記蓋および各リブは
    ポリエチレン材料で一体形成され、このポリエチレン材
    料の密度は0.924〜0.944g/cm3の範囲内であることを特
    徴とする合成樹脂製容器。
JP8174982A 1996-07-04 1996-07-04 合成樹脂製容器 Withdrawn JPH1016971A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8174982A JPH1016971A (ja) 1996-07-04 1996-07-04 合成樹脂製容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8174982A JPH1016971A (ja) 1996-07-04 1996-07-04 合成樹脂製容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1016971A true JPH1016971A (ja) 1998-01-20

Family

ID=15988158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8174982A Withdrawn JPH1016971A (ja) 1996-07-04 1996-07-04 合成樹脂製容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1016971A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017042319A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 株式会社トプコン キャリングケース
JP2020523021A (ja) * 2017-06-15 2020-08-06 プロティ−ファーム アール アンド ディー ビー.ヴイ. 容器および容器と産卵構造との組み合わせ
JP2020142818A (ja) * 2019-03-05 2020-09-10 株式会社サンカ 収納容器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017042319A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 株式会社トプコン キャリングケース
US10357089B2 (en) 2015-08-25 2019-07-23 Kabushiki Kaisha Topcon Carrying case
JP2020523021A (ja) * 2017-06-15 2020-08-06 プロティ−ファーム アール アンド ディー ビー.ヴイ. 容器および容器と産卵構造との組み合わせ
JP2022106898A (ja) * 2017-06-15 2022-07-20 プロティ-ファーム アール アンド ディー ビー.ヴイ. 容器および容器と産卵構造との組み合わせ
JP2020142818A (ja) * 2019-03-05 2020-09-10 株式会社サンカ 収納容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0219367Y2 (ja)
US6247594B1 (en) Fluid tank assembly
US6129267A (en) Bulk box container with supporting side beams
US5103973A (en) Lid for can-shaped container
EP2325094A1 (en) Container assembly having stacking means
KR101124086B1 (ko) 패키징 케이스
US8418329B2 (en) Urn with latch
US4520941A (en) Water bottle crate
JPH0440265B2 (ja)
CA2655462C (en) Stackable crate
US8875937B2 (en) Plastic dumpster
US8631940B2 (en) Plastic dumpster
JPH1016971A (ja) 合成樹脂製容器
CN217754609U (zh) 一种便于堆放的泡沫箱
GB2429687A (en) Stackable and nestable container
JP2504535Y2 (ja) 廃棄物用容器
EP2631196A1 (en) Dispensing valve locator and container therewith
JP2599474Y2 (ja) 合成樹脂製容器
WO1993018975A1 (en) Attached lid container
JP2004161319A (ja) 運搬用容器
JP3166384U (ja) コンテナ
JP3304230B2 (ja) 液体用容器
JP3847860B2 (ja) 合成樹脂製容器
JPH0520667Y2 (ja)
JP2003341640A (ja) 補強リブを有したプラスチック容器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031007