JPH10168094A - ポリオール脂肪酸ポリエステルの二段階製造方法 - Google Patents

ポリオール脂肪酸ポリエステルの二段階製造方法

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JPH10168094A JP8358379A JP35837996A JPH10168094A JP H10168094 A JPH10168094 A JP H10168094A JP 8358379 A JP8358379 A JP 8358379A JP 35837996 A JP35837996 A JP 35837996A JP H10168094 A JPH10168094 A JP H10168094A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリオール脂肪酸ポリエステルの二段階製造
方法を提供する。 【解決手段】 この二段階製造方法の第1段階は溶媒ベ
ースのエステル化反応であり、第2段階は本質的に溶媒
を含まないエステル化反応である。第1段階では、溶媒
中のポリオールを、アルカリ性触媒を用い、比較的低温
で脂肪酸低級アルキルエステルと反応させ、所望のエス
テル化度が得られたら、生成した部分的エステル化ポリ
オール脂肪酸ポリエステルと溶媒含有相を分離する。分
離した部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル
を、本質的に溶媒を含まない高温条件を用い、アルカリ
性塩触媒を用いる第2段階において、同一又は異なる脂
肪酸低級アルキルエステルでさらにエステル化し、これ
により、置換度を有意に増加させる。殆どの着色体及び
着色を生じ得る他の汚染物を第1段階で溶媒で除去する
ので、第2段階の高温反応条件ではこれらは存在しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はポリオール脂肪酸ポ
リエステル、特に糖脂肪酸ポリエステル、とりわけ、ス
クロース脂肪酸ポリエステルの2段階製造方法を提供す
る。本発明の方法によって製造されるポリオール脂肪酸
ポリエステルはごく軽度に着色され(即ち、無色〜淡黄
色)、脂肪酸基による高度な置換度を有する。この2段
階方法の第1段階は溶媒に基づくエステル化反応であ
り;第2段階は本質的に溶媒を含まないエステル化反応
である。第1段階では、溶媒中のポリオール又は糖(例
えば、ジメチルスルホキシド中のスクロース)を脂肪酸
低級アルキルエステルと比較的低温においてアルカリ性
塩触媒を用いて反応させる。所望のエステル化度が得ら
れた後に、生じた部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポ
リエステル含有相と溶媒含有相とを分離する。分離した
部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルを第2
段階において同じ又は異なる脂肪酸低級アルキルエステ
ルによってアルカリ性塩触媒で、本質的に溶媒を含まな
い高温条件を用いてさらにエステル化して、それによっ
て置換度を有意に高める。着色体と、発色することがで
きる他の汚染物の大部分は第1段階において溶媒によっ
て除去されるので、第2段階の高温反応状態中には存在
しない。1例としてスクロースを用いると、70%以上
のスクロース脂肪酸オクタエステルを有する殆ど無色の
スクロース脂肪酸ポリエステルを本発明の方法によって
製造することができる。本発明の改良方法によって製造
されるポリオール又は糖脂肪酸ポリエステル特にスクロ
ース脂肪酸ポリエステルは、食品用途及び食品における
脂肪代替物として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】種々な食品中の脂肪をヒトが消費するこ
とは肥満に著しく寄与する。高脂肪食は例えば心臓疾患
及び冠状動脈疾患にも寄与する。人個体群における肥満
及び/又は心臓疾患及び冠状動脈疾患のような疾患を減
ずる1つの方法は、脂肪の消費量を減ずることである。
最近数年間に、脂肪代替物又は低カロリー脂肪は食品の
脂肪含量及びカロリー含量を減ずる方法としてますます
増大する注目を集めている。目的は、食品組成物中に混
入したときに最小の副作用で吸収性と消化性とが低下し
かつ受容される味と口当たり特性を有する食用脂肪を提
供することである。
【0003】吸収性と消化性とが低下した糖ポリエステ
ルを製造するためには、エステル交換反応が用いられて
きた。このような直接エステル交換反応は一般に高温と
溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等)とを用いるものであ
った。得られた糖ポリエステルは一般に非常に暗く着色
しており、しばしば許容されないレベルの溶媒を含有し
ていた。脱色も溶媒の除去も、食品に用いるために要求
される程度又はレベルに達することはできなかった。さ
らに、このような直接的エステル交換方法は一般に、本
質的な完全エステル化脂肪酸ポリエステルを生じなかっ
た。
【0004】さらに最近では、Meyer等の米国特許
第4,840,815号(1986年6月20日発行)
とMeyer等のPCT国際公開公報WO92/036
0(1992年3月5日発行)とは、糖脂肪酸ポリエス
テルの一段階無溶媒低温低圧方法を提供した。Meye
r等の方法は低級アシルエステル糖と脂肪酸低級アルキ
ルエステルとアルカリ金属触媒との混合物を100〜1
25℃の反応温度において、反応混合物上に約15トル
未満の真空を吸引しながら、反応させることを含む。出
発糖上の低級アシルエステル基の少なくとも一部が脂肪
酸低級アルキルエステルからの脂肪酸基によって置換さ
れるようなエステル交換反応によって、糖脂肪酸ポリエ
ステルが形成されると報告されている。用いるエステル
交換反応触媒はアルカリ金属であり、ナトリウム及びカ
リウム金属が最も好ましいとされた。反応温度におい
て、アルカリ金属触媒は溶融した。
【0005】Meyer等が用いたエステル交換反応触
媒(即ち、元素状アルカリ金属)の他に、糖類からの糖
脂肪酸エステルの製造のための他の塩基性エステル交換
触媒が知られている。このような塩基性エステル交換触
媒はアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物及びア
ルカリ金属アルコキシドを包含する。ヤマモト等の米国
特許第4,611,055号(1986年9月9日発
行)は、アルカリ金属炭酸塩触媒とアルカリ金属水酸化
物触媒とが一般にアルカリ金属アルコキシド触媒よりも
大きい収率を与えることを報告する。Volpenhe
inの米国特許第4,517,360号(1985年5
月14日発行)は、アルカリ金属炭酸塩触媒がアルカリ
金属水酸化物触媒及びアルカリ金属アルコキシド触媒よ
りも大きい収率と短い反応時間とを生じることを報告し
ている。これらの塩基性エステル交換触媒(即ち、アル
カリ金属炭酸塩、水酸化物及びアルコキシド)は一般
に、Meyer等のアルカリ金属触媒よりも高い反応温
度(180℃のオーダー)を必要とする。さらに、Ya
mamoto等とVolpenheinとのエステル交
換方法と触媒は、均質な反応混合物を保証するために脂
肪酸金属セッケンを必要とする。Meyer等の方法で
は、このような脂肪酸金属セッケンは用いられず、必要
にもされない。Mieth等のドイツ特許第227,1
37Al号(1985年9月11日公開)は、脂肪代替
物としての使用に適したポリオール−エステル混合物の
製造方法であって、糖を触媒の存在下で短鎖カルボン酸
誘導体によってエステル化又はエステル交換してから、
長鎖カルボン酸誘導体を有するトリグリセリド(即ち、
豚脂肪又は硬質アブラナ脂肪(hard rape fat))と12
0〜140℃の温度において反応させる製造方法を提供
する。このように製造されたポリオールエステル混合物
に対して100〜120℃において長鎖カルボン酸又は
それらのエステルを試薬として用いてさらにエステル交
換反応を行うことができる。Mieth等が用いた触媒
は亜リン酸、アルカリ金属、アルカリアルキレート及び
弱酸のアルカリ塩を包含する。
【0006】これらの公知の溶媒エステル交換方法及び
無溶媒エステル交換方法の各々は、高度に(即ち、強度
に黄色〜暗褐色又は黒色にさえも)着色した糖脂肪酸ポ
リエステルを生じる。これらの生成物はしばしば、標準
脱色方法が適当な糖脂肪酸ポリエステル生成物を生じる
ことができないほど暗色に着色する。さらに、これらの
公知の溶媒エステル交換方法及び無溶媒エステル交換方
法の各々は、有意なレベルの完全に達しないエステル化
生成物を含有する糖脂肪酸ポリエステルを生じる。1例
としてスクロース脂肪酸ポリエステルを用いると、公知
の溶媒エステル交換方法及び無溶媒エステル交換方法は
一般に約60%未満の(しばしば60%より非常に低
い)レベルのスクロース脂肪酸オクタエステルを提供す
る。それ故、脱色処理を全く必要としないか又はせいぜ
いごく軽度に必要にするにすぎない、軽度の着色のポリ
オール又は糖脂肪酸ポリエステルを良好な収率で提供す
ることが望ましい。高レベルの本質的に完全なエステル
化ポリエステルを有する、このような軽度着色ポリオー
ル糖脂肪酸ポリエステルを提供することも望ましい。少
なくとも70%、好ましくは少なくとも85%のスクロ
ース脂肪酸オクタエステルを有する軽度に着色したスク
ロース脂肪酸ポリエステルを良好な収率で提供すること
が非常に望ましい。本発明の二段階方法はこのようなポ
リオール又は糖の脂肪酸ポリエステルと、このようなス
クロース脂肪酸ポリエステルとを提供する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二段階エス
テル交換反応によってポリオール脂肪酸ポリエステル及
び糖脂肪酸ポリエステル、特にスクロース脂肪酸ポリエ
ステルを製造するための改良方法に関する。本発明の方
法は、先行技術方法によって製造されたポリオール及び
糖の脂肪酸ポリエステルに比べて、有意に改良された色
特性(即ち、無色〜淡黄色)を有するポリオール及び糖
の脂肪酸ポリエステルを提供する。さらに、本発明の方
法は、先行技術方法によって製造されたポリオール及び
糖の脂肪酸ポリエステルに比べて、有意に高いレベルの
完全エステル化ポリエステルを形成する。本発明の改良
方法によって製造されるスクロース脂肪酸ポリエステル
は食品用途及び食品における脂肪代替物として特に有用
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の改良方法は、ポ
リオール又は糖を溶媒中、アルカリ性塩触媒の存在下に
おいて脂肪酸低級アルキルエステルと反応させて、比較
的緩和な反応条件下で部分的エステル化したポリオール
又は糖の脂肪酸ポリエステルを形成する第1段階を含
む。次に、部分的エステル化したポリオール又は糖の脂
肪酸ポリエステルを第1段階反応混合物から分離し、次
に、無溶媒系かつアルカリ性塩触媒の存在下においてよ
り強度な条件(即ち、より高温)を用いて追加の脂肪酸
低級アルキルエステルによってさらにエステル化する。
第2段階のより極端な反応条件下で高度に着色した生成
物を生じる着色体その他の汚染物は一般に、第1段階に
おける溶媒によって除去されて、そのために第2段階の
高温条件に決して暴露されないように思われる。理論に
よって縛られるのを望む訳ではないが、第1段階におけ
るこれらの着色体その他の汚染物の除去が、本発明の生
成するポリオール又は糖脂肪酸ポリエステルの優れた色
特徴の大きな原因であるように思われる。改良された色
特徴の他に、本発明の方法は先行技術方法によって達成
可能であるよりも有意に高度な脂肪酸エステル化を有す
るポリオール又は糖脂肪酸ポリエステルを形成する。例
えば、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約8
5%、最も好ましくは約90%のオクタエステル含量を
有するスクロース脂肪酸ポリエステルを得ることができ
る。一般に、先行技術方法を用いては、約60%未満の
オクタエステル含量が得られるに過ぎない。再び、理論
によって限定されるのを望む訳ではないが、第1段階に
おける溶媒による着色体その他の汚染物(例えば、遊離
有機酸を包含する)の除去が、第2段階のエステル化を
大きな度合いに進行させ、それによって有意に多量の脂
肪酸エステル化生成物を製造すると考えられる。ポリオ
ール又は糖及び/又は脂肪酸低級アルキルエステルの出
発物質中に存在すると考えられる若干の汚染物(又はそ
れから生じる生成物)が脂肪酸のエステル化を遅延さ
せ、それによって、ポリオール又は糖のより完全なエス
テル化を妨害することを少なくとも一部の証拠が示唆す
る。それにも拘わらず、理由の如何を問わずに、本発明
のポリオール及び糖の脂肪酸ポリエステルは先行技術の
方法によって製造されるポリオール及び糖の脂肪酸ポリ
エステルよりも有意に良好な色特徴と有意に高レベルの
完全エステル化ポリエステルとを有する。
【0009】本発明の1つの目的は、完全エステル化ポ
リオール脂肪酸ポリエステルの製造方法であって、第1
段階反応と第2段階反応とを含み、第1段階反応が、 (1)少なくとも4個のヒドロキシル基を有するポリオ
ールを第1脂肪酸低級アルキルエステル組成物と、第1
アルカリ性塩触媒と溶媒との存在下、減圧かつ約105
℃未満の温度において、副生成物の低級アルキルアルコ
ールを除去しながら、第1脂肪酸低級アルキルエステル
組成物からの脂肪酸基によってエステル化されるポリオ
ールに平均して少なくとも50%のヒドロキシル基を有
する部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルが
形成されるまで、反応させる工程と; (2)部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル
を溶媒から分離する工程とを含み;第2段階反応が、 (1)分離した部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリ
エステルを第2脂肪酸低級アルキルエステル組成物と、
第2アルカリ性塩触媒の存在下及び付加的な添加溶媒の
不存在下で、減圧かつ約110℃を越える温度におい
て、副生成物の低級アルキルアルコールを除去しなが
ら、第1又は第2脂肪酸低級アルキルエステル組成物か
らの脂肪酸基によってポリオールの本質的に全てのヒド
ロキシル基がエステル化された少なくとも70重量%の
ポリオール脂肪酸ポリエステルを含有する完全エステル
化ポリオール脂肪酸ポリエステルが形成されるまで、反
応させる工程と; (2)完全エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルを
回収する工程とを含む製造方法を提供することである。
【0010】本発明の他の目的は、完全エステル化スク
ロース脂肪酸ポリエステルの製造方法であって、第1段
階反応と第2段階反応とを含み、第1段階反応が、 (1)スクロースを過剰な第1脂肪酸メチルエステル組
成物と、第1アルカリ性塩触媒と、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドか
ら成る群から選択された溶媒との存在下、約1〜50ト
ルの減圧かつ約60℃〜105℃の温度において、メタ
ノール副生成物を除去しながら、第1脂肪酸メチルエス
テル組成物からの脂肪酸基によってエステル化されるス
クロースに平均して少なくとも50%のヒドロキシル基
を有する部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステ
ルが形成されるまで、反応させる工程と; (2)部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステル
を溶媒から分離する工程とを含み;第2段階反応が、 (1)分離した部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリ
エステルを第2脂肪酸メチルエステル組成物と、第2ア
ルカリ性塩触媒の存在下及び付加的な添加溶媒の不存在
下で、約0.5〜50トルの減圧かつ約110℃〜15
0℃の温度において、メタノール副生成物を除去しなが
ら、スクロースの本質的に全てのヒドロキシル基が第1
又は第2脂肪酸メチルエステル組成物からの脂肪酸基に
よってエステル化された少なくとも70重量%のスクロ
ース脂肪酸ポリエステルを含有する完全エステル化スク
ロース脂肪酸ポリエステルが形成されるまで、反応させ
る工程と; (2)完全エステル化スクロース脂肪酸ポリエステルを
回収する工程とを含む製造方法を提供することである。
【0011】本発明の上記その他の目的及び利益は、本
発明の図面及び好ましい実施態様についての下記の説明
から明らかになると思われる。
【0012】図1Aは反応混合物に乾燥粉末として加え
た炭酸カリウム触媒を示す顕微鏡写真であり、図1Bは
添加直後に又は殆ど直後に水がフラッシュオフするよう
な条件下で水溶液として反応混合物に加えた炭酸カリウ
ム触媒を示す顕微鏡写真である。
【0013】図2は、本発明の二段階方法を一般的に説
明するフローチャートである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、二段階エステル
化方法によるポリオール及び糖の脂肪酸ポリエステルの
改良製造方法を提供する。本発明の方法の第1段階で
は、少なくとも4個の、好ましくは少なくとも6個のヒ
ドロキシル基を含有するポリオール又は糖を溶媒系にお
いて脂肪酸低級アルキルエステルとアルカリ性塩触媒と
を用いて、比較的緩和な条件下で、好ましくは連続的に
かつ迅速に副生成物の低級アルキルアルコールを除去し
ながら、脂肪酸基によって部分的にエステル化する。こ
の第1段階エステル化は、出発ポリオール又は糖中の少
なくとも50%のヒドロキシル基が脂肪酸低級アルキル
エステルからの脂肪酸基によってエステル化されるまで
(即ち、部分的エステル化ポリオール又は糖脂肪酸ポリ
エステルが形成されるまで)続けられる。好ましくは、
第1段階エステル化は出発ポリオール又は糖中のヒドロ
キシル基の約60〜90%がこのような脂肪酸基によっ
てエステル化されるまで続けられる。ポリオールとして
スクロースを用いる場合には、第1段階エステル化は好
ましくは、平均エステル化度が約5〜7に達するまで続
けられる。
【0015】第1段階エステル化の完了時に、部分的エ
ステル化ポリオール又は糖脂肪酸ポリエステルと溶媒と
を慣用的方法を用いて分離する。大抵の場合に、第1段
階エステル化の完了時に、反応混合物の上層に部分的エ
ステル化ポリオール又は糖脂肪酸ポリエステルが含ま
れ、溶媒は主として下層に含まれる。従って、部分的エ
ステル化ポリオール又は糖脂肪酸ポリエステルと溶媒と
の分離は好ましくは上層と下層とを簡単に分離すること
によって行うことができる。場合によっては、反応混合
物への水の添加を利用して、別々の相の形成を助成し又
は容易にして、次にこれらの相を分離することができ
る。出発物質としてスクロースを用いた場合には、分離
した部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステルは
通常、主としてテトラエステル、ペンタエステル、ヘキ
サエステル、ヘプタエステル及びオクタエステルから成
り、約5〜7の好ましい平均置換度を有し;痕跡量のモ
ノエステル、ジエステル及びトリエステルは溶媒相中に
残留し、溶媒相によって除去される傾向を有する。一般
に、相の分離時に、80%を越える溶媒が下層によって
除去される。上層中に残留する溶媒は必要な場合には上
層の蒸留によって除去することができる。溶媒を第1段
階エステル化反応へ再循環するために慣用的方法(例え
ば、蒸留)を用いて処理又は洗浄することが好ましい。
【0016】第1段階から分離した部分的エステル化ポ
リオール又は糖脂肪酸ポリエステルに対して次に第2段
階においてより強度な又は激しい条件下でさらにエステ
ル化を実施する。第2段階エステル化は本質的に無溶媒
エステル化であり、無溶媒エステル化とは第2段階にお
いて反応混合物にもはや溶媒を加えないことを意味す
る。もちろん、当業者が認識するように、第1段階から
の溶媒の一部は部分的エステル化糖脂肪酸ポリエステル
と共に存在するか又は一緒になりがちである;しかし、
このような溶媒の量は比較的少量であり、第2段階エス
テル化の初期部分中に(蒸留によって)除去される傾向
がある。分離したポリエステル相と溶媒相との形成を助
けるために水を第1段階で加える場合には、水の大部分
は上層と下層との分離によって除去される。残留水分は
第2段階の初期部分において蒸留によって迅速に除去さ
れることができる。触媒は粉末、懸濁液又は溶液として
加えることができる。触媒を水溶液として加えることが
好ましい。このような水溶液と共に加えられる水は、添
加量が比較的少量であり、殆ど直ちにフラッシュオフさ
れ、系から除去されるので、その後のエステル化反応に
有意に影響するとは思われない。
【0017】第1段階からの部分的エステル化糖脂肪酸
ポリエステルを脂肪酸低級アルキルエステルと、アルカ
リ性塩触媒の存在下で、副生成物の低級アルキルアルコ
ールを好ましくは連続的かつ迅速に除去しながら、反応
させることによって、第2段階エステル化は行われる。
第2段階における脂肪酸低級アルキルエステル反応物は
新たに添加した脂肪酸低級アルキルエステルと、第1段
階から持ち越される第1段階脂肪酸低級アルキルエステ
ルとを包含する。第2段階の脂肪酸低級アルキルエステ
ルは0〜100%の第1段階からの持ち越し脂肪酸低級
アルキルエステルから構成され得る。第2段階で用いら
れる脂肪酸低級アルキルエステルは第1段階で用いられ
る脂肪酸低級アルキルエステルと同じものでも、異なる
ものでもよい。第2段階で用いられるアルカリ性塩触媒
は第1段階で用いられるアルカリ性塩触媒と同じもので
も、異なるものでもよい;好ましくは、第1段階と第2
段階の両方において同じアルカリ性塩触媒を用いる。最
も好ましくは、第1段階と第2段階の両方においてアル
カリ性塩触媒として炭酸カリウムを用いる。
【0018】完全エステル化ポリオール又は糖脂肪酸ポ
リエステルが得られるまで、第2段階エステル化を続け
る。本発明の目的のために、完全エステル化ポリオール
又は糖脂肪酸ポリエステルは、ポリオール又は糖の本質
的に全てのヒドロキシル基が第1段階と第2段階とで用
いられる脂肪酸低級アルキルエステルからの脂肪酸基に
よってエステル化された少なくとも70重量%のポリオ
ール又は糖脂肪酸ポリエステルを有するポリエステルで
ある。好ましくは、このような完全エステル化ポリオー
ル又は糖脂肪酸ポリエステルは、第1段階と第2段階と
で用いられる脂肪酸低級アルキルエステルから誘導され
る脂肪酸基によってポリオール又は糖の本質的に全ての
ヒドロキシル基がエステル化された、少なくとも85重
量%のポエステルを有する。例えば、完全エステル化ス
クロース脂肪酸ポリエステルは出発スクロースのヒドロ
キシル基の各々が脂肪酸基によってエステル化された、
少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量
%のスクロース脂肪酸オクタエステルを含有する。出発
スクロースのヒドロキシル基の各々が脂肪酸基によって
エステル化された、90重量%を越えるスクロース脂肪
酸オクタエステルを含有する完全エステル化スクロース
脂肪酸ポリエステルが本発明の二段階方法を用いて得ら
れている。
【0019】本発明の二段階方法並びに各個々の段階は
バッチ式、半連続式又は連続式で実施することができ
る。好ましくは本発明の二段階方法は半連続式又は連続
式で操作される。本発明の二段階方法は、第1段階で用
いる溶媒と、第1段階と第2段階とで用いる脂肪酸低級
アルキルエステルとを回収し、プロセス内で再循環させ
るように、操作することが好ましい。
【0020】本発明のポリオール出発物質は少なくとも
4個の、好もしくは少なくとも6個のヒドロキシル基を
有するポリヒドロキシルアルコール及び糖を包含する。
適当なポリヒドロキシルアルコールは例えば一般式:H
OCH2(CHOH)nCH2OH[式中、nは2以上の
整数である]の線状アルコールを包含する。糖出発物質
は単糖類、二糖類、及びそれ以上の多糖類であることが
できる。適当な単糖類はフルクトース、グルコース、ガ
ラクトース、マンノース、リブロース、ラムノース、キ
シルロース、キシロース、リボース及びアラビノースを
包含する;グルコースとガラクトースとが好ましい単糖
類である。適当な二糖類はメリビオース、ラクトース、
マルトース、スクロース、トレハロース及びセロビオー
スを包含する;スクロースが好ましい二糖である。これ
以上の適当な多糖類はラフィノース、ゲンチオビオー
ス、4’−ガラクトシルラクトース、ガラクトース、マ
ンノース、グルコース及びフルクトースの三糖類、スタ
キオース、ベルバスコース、マルトデキストリン、コー
ンシロップ固形物、キシラン、グリコーゲン、セルロー
ス、アミロース、アガロース、ガラクタン及びマンナン
を包含する。スクロース、非還元二糖が最も好ましい出
発ポリオール及び/又は糖である。
【0021】非還元糖(例えば、スクロース)は本発明
に直接用いることができる。還元糖(即ち、ヘミアセタ
ール又はヘミケタールを形成する糖)は最初に、第1段
階の初期エステル化反応の前に、非還元形に転化すべき
であり;このような転化は慣用的手段を用いて実施する
ことができる。非還元糖がひと度形成されたならば、残
留ヒドロキシル基を本発明の非還元糖と同じ方法で処理
することができる。天然生成非還元糖と、還元糖から製
造される非還元糖との両方は本発明に同じように用いら
れる。
【0022】本発明に用いられる脂肪酸低級アルキルエ
ステルは一般式:RCOOR’[式中、Rは一般に炭素
数3〜約23の飽和又は不飽和脂肪族基であり、R’は
炭素数1〜3の低級アルキル基である]を有する。好ま
しくは、Rは炭素数約7〜23の長鎖飽和又は不飽和脂
肪族基であり、R’はメチル基である。第1段階と第2
段階とに同じ又は異なる脂肪酸低級アルキルエステルを
用いることができる。第1段階と第2段階とに異なる脂
肪酸低級アルキルエステルを用いると、特に便利な方法
で非常に異なる脂肪酸基を導入することができる。例え
ば、比較的短い脂肪酸基(例えば、C8−C10脂肪酸
基)を有する脂肪酸低級アルキルエステルを第1段階に
用いることができ、比較的長い脂肪酸基(例えば、C12
−C22脂肪酸基)を有する脂肪酸低級アルキルエステル
を第2段階に用いて、短い脂肪酸基と長い脂肪酸基の両
方を有するポリオール脂肪酸ポリエステルを製造するこ
とができる。比較的短い脂肪酸基を第1段階で導入する
ことが好ましい、この理由はこのような脂肪酸低級アル
キルエステルは第2段階反応混合物から第2段階のより
強度な条件(即ち、より低い圧力とより高い温度)のた
めに留去されるからである。他の脂肪酸基(例えば、比
較的長いか中程度の長さのもの)は第1段階又は第2段
階のいずれかで導入することができる。
【0023】脂肪酸低級アルキルエステルは対応脂肪酸
に由来するものであることが好ましい。脂肪酸低級アル
キルエステルを形成するための適当な脂肪酸の例は酪
酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、
パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノ
ール酸、リノール酸、オレオステリン酸、アラキジン
酸、ベヘン酸、エルカ酸、アラキドン酸及びリグノセリ
ン酸を包含する。純粋な脂肪酸又は天然生成脂肪及び油
(例えば、大豆油、サフラワー油、コーン油、落花生油
及び棉実油に存在)を用いることができる。部分的水素
化天然脂肪及び油が本発明に用いるために特に適する。
慣用的方法を用いて、脂肪酸を対応脂肪酸低級アルキル
エステルに転化させることができる。単独の脂肪酸低級
アルキルエステル又は混合物の脂肪酸低級アルキルエス
テルの両方を本発明の方法に用いることができる。従っ
て、本発明の目的のために、(第1段階又は第2段階反
応のための)脂肪酸低級アルキルエステル組成物は単独
の脂肪酸低級アルキルエステルと混合物の脂肪酸低級ア
ルキルエステルの両方を包含する。
【0024】先行技術方法とは対照的に、出発ポリオー
ル又は脂肪酸低級アルキルエステルを処理して、有機遊
離酸を除去することは一般に不必要である。大抵の先行
技術方法では、出発試薬を処理して、水と有機遊離酸と
を最小にすることが一般に必要であるか、又は少なくと
も非常に好ましかった。本発明の二段階方法では、比較
的高レベルの遊離有機酸(即ち、約0.5〜0.7重量
%まで)を有する脂肪酸低級アルキルエステルが使用可
能であることが一般に判明している。このような有機遊
離酸は第1段階における分離溶媒層によって一般に除去
されるように思われる。もちろん、必要な場合には、慣
用的な方法(例えば、アルカリ抽出)を用いて、2段階
の一方又は両方に用いる試薬から遊離有機酸を除去する
ことができる;しかし、有機遊離酸が過剰(即ち、一般
に約0.7重量%を越えるレベル)でないかぎり、この
ような除去は不要である。
【0025】一般に、第1段階と第2段階の両方におけ
る脂肪酸低級アルキルエステルは第1段階における出発
ポリオールの遊離ヒドロキシル含量又は第2段階におけ
る部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルの遊
離ヒドロキシル含量に対して過剰に用いられる。好まし
くは、脂肪酸低級アルキルエステルは両段階において遊
離ヒドロキシルに対して約50モル%以上過剰に存在す
る。従って、1例としてその8ヒドロキシル基を有する
スクロースを用いる場合には、スクロースの各モルに対
して、第1段階は少なくとも8モルの脂肪酸低級アルキ
ルエステルを含有し、好ましくは少なくとも12モル
(50%過剰)の脂肪酸低級アルキルエステルを含有す
る。そしてさらに、第1段階から生じる部分的エステル
化スクロース脂肪酸ポリエステルがそのヒドロキシル基
の約1/2をエステル化されたと想定するならば、第2
段階は部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステル
の各モルに対して、少なくとも4モルの脂肪酸低級アル
キルエステルを含有し、好ましくは少なくとも6モル
(50%過剰)の脂肪酸低級アルキルエステルを含有す
る。もちろん、このモル比は異なるポリオール及び異な
る部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルによ
っては、存在する遊離ヒドロキシル基数が異なるために
変化する。上記で提供した一般的ガイドラインの範囲内
でより低い又はより高いモル比を用いることが可能であ
る。
【0026】本発明に用いる触媒は例えばアルカリ金属
炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキ
シド及びアルカリ土類金属アルコキシドのようなアルカ
リ性塩であり、これらは通常エステル交換反応の触媒と
して用いられる。特に好ましい触媒は炭酸ナトリウムと
炭酸カリウムとを包含し、炭酸カリウムが最も好まし
い。触媒の混合物も使用可能である。触媒は一般に約5
重量%未満の量で、好ましくは約0.5〜2.5重量%
の範囲内の量で用いられる。
【0027】一般的に、表面積の大きい微粉状触媒が好
ましい。触媒は乾燥粉末として加えることができ、この
場合に粒度は好ましくは約10〜50ミクロンの範囲内
である。触媒は有機溶媒中の懸濁液として加えることも
できる。懸濁液として加える場合には、好ましくは高度
に粉砕した触媒を第1段階で用いる溶媒と同じ溶媒中に
懸濁させることが好ましい。さらに好ましくは、特に第
2段階への添加に関して、触媒を水溶液として添加す
る。水溶液として添加する場合には、このような水溶液
中の触媒の濃度は通常約5〜70重量%、好ましくは約
5〜40重量%、より好ましくは約5〜20重量%であ
る。水溶液として添加する場合に、水が添加時に殆ど即
座に本質的にフラッシュオフされるか又は急激に蒸発す
るように、触媒を反応温度において(即ち、減圧かつ高
温において)反応混合物に加えることが好ましい。水相
のフラッシュオフ(flashing off)又は急激な蒸発は高度
に多孔質の、表面積の大きい、殆ど“ゲル様”触媒構造
を生じる。
【0028】第2段階の反応系(圧力約5トル、温度約
130℃)に水溶液として加える炭酸カリウム触媒のゲ
ル様構造を図1Bに示す。比較のために、粉状炭酸カリ
ウム触媒を図1Aに示す。粉状触媒(図1A)は個々の
規則的な粒子を有し;水溶液から形成された触媒(図1
B)は“ひも様”の相互接続を有するゲル様構造を有す
る。従って、図1に示すように、水溶液としての触媒添
加は有意に大きい表面積を有する非常に異なる構造を生
じる。このようなゲル様触媒は例えば図1Aに示す粉状
触媒に比べて有意に大きいエステル化効率を提供する。
このような水溶液と共に加えられる水は殆ど即座に気化
し、反応系から非常に迅速に除去されがちである(第1
段階からの残留溶媒と共に)。反応器内の減圧を破壊又
は中断せずにこのような触媒水溶液を添加することがで
きる方法が一般に好ましい。例えば、触媒水溶液は、反
応器に(直接又は配管を介して)触媒容器と反応器との
間の弁が迅速に開放し所定量の水溶液が簡単にかつ迅速
に(そして好ましくは反応混合物の表面の下方で)反応
器中に吸引されることができるように取り付けた触媒容
器を介して導入することができる。或いは、触媒水溶液
を中隔に覆われた(septum-covered)入口を介して直接に
反応器中に(好ましくは、反応混合物の表面の下方に)
注入することができる。粉状触媒を用いることができる
が、図1Bに示す触媒構造に類似した触媒構造が得られ
るように触媒を水溶液として加えることが一般に(特に
第2段階に対して)好ましい。
【0029】基本的出発物質(ポリオール、脂肪酸低級
アルキルエステル、溶媒及びアルカリ性塩触媒)から形
成される第1段階反応混合物は無水であることも有機酸
を含まないことも必要ではない。しかし、初期反応混合
物の遊離有機酸含量が脂肪酸低級アルキルエステルの重
量に基づいて約0.7重量%、又は特に約0.5重量%
未満であることが一般に好ましい。これらのレベル未満
に有機酸を除去することが有利である(即ち、第1段階
エステル化がより滑らかにさらに進行することができ
る)と考えられるが、必ずしも必要ではない。第1段階
に存在する大抵の有機酸は溶媒相によって除去されるの
で、第2段階に持ち越されることはない。
【0030】第1段階では、反応物(ポリオール、脂肪
酸低級アルキルエステル、アルカリ性塩触媒)と溶媒と
を反応器中で混合し、減圧(約1〜50トル)下で反応
温度(約105℃未満、好ましくは約60〜105℃)
に加熱して、本質的に均質な反応混合物を形成する。好
ましくは、特にスクロースが出発ポリオールである場合
には、反応温度は約85〜95℃であり、圧力は約10
〜20トルであり;より好ましくは、反応温度は約90
℃であり、圧力は約20トルである。反応物は同時に又
は逐次加えることができる。反応物を混合してから、反
応温度にまで加熱することができるか又は一部の反応物
を、反応温度であるか若しくは反応温度に近い温度であ
る他の反応物若しくは成分に(例えば、溶媒に)加える
ことができる。好ましい順序は、最初にポリオールを溶
媒に加え、溶解が完了したならば、脂肪酸低級アルキル
エステルを加え、その後に触媒を加えることである。
【0031】溶媒は第1段階に、反応条件においてポリ
オールの均質な溶液を得るために充分な量で加えられ
る。適当な溶媒は、例えば、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を包含
し、ジメチルスルホキシドが好ましい。溶媒添加量は、
第1段階エステル化を通して本質的に均質なポリオール
溶液を形成するために充分な溶媒が用いられるかぎり、
決定的ではない。この第1段階のエステル化中の反応条
件は、溶媒が還流状態下に維持され、副生成物の低級ア
ルキルアルコールが留去されるような反応条件で有るこ
とが好ましい。エステル化反応が進行するにつれて、比
較的低分子量の非脂肪酸含有低級アルキルアルコール副
生成物が除去されて、平衡がエステル化に駆動される。
副生成物が形成されると殆ど同様に迅速に除去されるこ
とが好ましい。さらに好ましくは、還流条件下に溶媒を
維持するように反応条件を調節し、それによって少量
(約2〜10%)の溶媒がエステル化反応の過程中に除
去され;溶媒の一部の除去がエステル化反応中の副生成
物のアルコールの完全で確実な除去を助長する。必要な
場合には、比較的少量の蒸留溶媒(例えば、ジメチルス
ルホキシド)と副生成物(例えば、メタノール)を、最
初に溶媒を室温以上において凝縮させ、次にアルコール
を急冷(chilled)温度(約10℃以下)において凝縮す
ることによって、分離することができる。分離した溶媒
は直接第1段階エステル化に再循環することができる、
又は分離した溶媒を第1段階の終了時に溶媒相として分
離された溶媒と一緒にして、再循環することができる。
【0032】第1段階エステル化は部分的エステル化ポ
リオール脂肪酸ポリエステルが形成されるまで続ける。
このような部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエス
テルは、平均して少なくとも50%の、脂肪酸基によっ
てエステル化された出発ポリオールの有効ヒドロキシル
基を有する。さらに好ましくは、このような部分的エス
テル化ポリオール脂肪酸ポリエステルは、約60〜90
%の、脂肪酸基によってエステル化された有効ヒドロキ
シル基を有する。1例としてスクロースを用いた場合に
は、好ましい部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエ
ステルは少なくとも5の平均置換度、さらに一層好まし
くは約5〜7の平均置換度を有する。スクロース及び脂
肪酸メチルエステルを炭酸カリウム触媒及び溶媒として
のジメチルスルホキシドと約20トル及び約90℃にお
いて反応させると、このような部分的エステル化スクロ
ース脂肪酸ポリエステルが約3〜6時間の反応時間内に
得られる。場合によっては、より短い又はより長い反応
時間が受容され、好ましいことさえある。
【0033】第1段階エステル化が完了したならば、部
分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルを慣用的
方法を用いて溶媒から分離する。大抵の場合には、部分
的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルが反応混合
物の上層において主として得られ、溶媒が下層又は溶媒
層を形成する。従って、部分的エステル化ポリオール脂
肪酸ポリエステルと溶媒とは慣用的相分離方法を用いて
容易に分離されることができる。場合によっては、例え
ば比較的短い鎖の脂肪酸低級アルキルエステルを第1段
階に用いる場合には、部分的エステル化ポリオール脂肪
酸ポリエステルと溶媒とは分離相を形成しない傾向があ
る。このような場合には、反応混合物への水の添加がし
ばしば二相系を形成し、次にこの二相系を上記と同様に
処理することができる。相分離以外の方法を用いること
ができるが、溶媒相は一般に着色体その他の発色性汚染
物を含み、これらは次にプロセスから効果的に除去され
るので、部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステ
ル相と溶媒相との物理的分離が好ましい。第2段階のよ
り強度な条件にさらす前にこのような着色体その他の発
色性汚染物を除去することは、第2段階におけるより淡
色でより高度にエステル化したポリオール脂肪酸ポリエ
ステルの形成を可能にする。大抵の場合に、約80%を
越える溶媒が下層又は溶媒層中に見いだされ、約20%
未満が上層又は部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリ
エステル層に付随する。この部分的エステル化ポリオー
ル脂肪酸ポリエステルを第2段階で用いる前に、この部
分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル層に付随
する溶媒を除去する必要はない。しかし、必要な場合に
は、第2段階の前に又は第2段階反応の初期部分中に慣
用的方法(例えば、蒸留)を用いて、このような溶媒を
除去することができる。
【0034】着色体及びその他の発色性汚染物の他に、
遊離酸及び低エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル
が溶媒層中に分割されるか又は回収される傾向がある。
例えば、スクロースの第1段階エステル化から分離した
溶媒は一般に着色体、他の発色性汚染物、及び主として
1個、2個及び3個の脂肪酸エステル基を有するスクロ
ース脂肪酸ポリエステルを含有する。好ましくは、溶媒
を慣用的方法(例えば、抽出、蒸留等)によって精製し
てから、第1段階エステル化プロセスに再循環させる。
【0035】第1段階から分離した部分的エステル化ポ
リオール脂肪酸ポリエステルを次に第2段階のより強度
のエステル化条件下で脂肪酸低級アルキルエステルによ
ってさらにエステル化する。部分的エステル化ポリオー
ル脂肪酸ポリエステルと脂肪酸低級アルキルエステルと
は一般に、反応条件において溶媒を必要とせずに、均質
な反応混合物を形成する。アルカリ性塩触媒、好ましく
は炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムは粉末として、有機
溶媒中の懸濁液として又はより好ましくは水溶液として
加えることができる。水溶液として加える場合には、好
ましくは、(図1Bに示すような)ゲル様触媒構造が得
られ、水性キャリヤーが迅速に除去されるような、所望
のエステル化反応条件において又はこれに近い反応条件
において触媒を反応物に加えるべきである。
【0036】第2段階エステル化は約110℃より高
い、好ましくは約110〜150℃の反応温度及び約
0.5〜50トルの減圧において、副生成物の低級アル
キルアルコールを除去しながら行われる。好ましくは、
副生成物の低級アルキルアルコールを連続的にかつ迅速
に除去する。好ましくは、特にスクロースが出発ポリオ
ールである場合には、反応温度は約130℃であり、圧
力は約5トルである。第2段階エステル化の初期部分中
で、第1段階からの残留溶媒(部分的エステル化ポリオ
ール脂肪酸ポリエステルと共に導入)は蒸留によって除
去することができる。蒸留した溶媒を回収して、必要な
場合には、精製して、第1段階で再使用するために再循
環する。
【0037】第2段階エステル化は、完全エステル化ポ
リオール脂肪酸ポリエステルが得られるまで続ける。こ
のような完全エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル
は、ポリオールの本質的に全てのヒドロキシル基が第1
段階及び第2段階エステル化の脂肪酸低級アルキルエス
テルからの脂肪酸基によってエステル化された、少なく
とも70重量%のポリオール脂肪酸ポリエステルを含有
する。さらに好ましくは、ポリオールの本質的に全ての
ヒドロキシル基が第1段階及び第2段階エステル化の脂
肪酸低級アルキルエステルからの脂肪酸基によってエス
テル化された、少なくとも85重量%のポリオール脂肪
酸ポリエステルを含有する。1例としてスクロースを用
いる場合には、このような完全エステル化スクロース脂
肪酸ポリエステルは少なくとも70%のスクロース脂肪
酸オクタエステル、好ましくは少なくとも85%のスク
ロース脂肪酸オクタエステルを含有する。典型的な第1
段階エステル化からの典型的な部分的エステル化スクロ
ース脂肪酸ポリエステルと脂肪酸メチルエステルとを、
炭酸カリウム触媒を水溶液として加えて約5トル及び約
130℃において反応させると、このような完全エステ
ル化スクロース脂肪酸ポリエステルを通常約6〜24時
間の反応時間内に得ることができる。場合によっては、
より短い又はより長い反応時間が受容され、好ましいこ
とさえある。
【0038】第2段階エステル化反応がひと度完了した
ならば、反応混合物を冷却させ、ポリオール脂肪酸ポリ
エステルを回収し、必要な場合には精製する。慣用的精
製方法を用いることができる。例えば、得られる第2段
階反応混合物を濾過し、有機溶媒(例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、これらと水との混
合物等)によって抽出し、次に蒸留する。本発明のポリ
オール脂肪酸ポリエステルは一般にごく軽度に着色して
いるが(即ち、無色〜淡黄色)、必要な場合には、標準
方法を用いてさらに脱色することができる。所望のポリ
オール又は糖脂肪酸ポリエステルを、非限定的に標準蒸
留、水蒸気蒸留及び分子蒸留を包含する慣用的方法を用
いてさらに精製することができる。
【0039】完全エステル化ポリオール脂肪酸ポリエス
テル中に存在する溶媒量(第1段階エステル化からの)
は一般にごく小量である。溶媒の大部分(約80%を越
える)を第1段階の終了時に部分的エステル化ポリオー
ル脂肪酸ポリエステルから分離する。第2段階に入る溶
媒について、この溶媒の大部分を第2段階エステル化中
に蒸留によって除去することができる。この溶媒レベル
は第2段階からの完全エステル化ポリオール脂肪酸ポリ
エステルの回収及び精製中にさらに減少させ得る。得ら
れる完全エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルは通
常、約2ppm未満の溶媒レベルを有する。必要な場合
には、他の慣用的精製方法を用いて、残留溶媒レベルを
さらに低い値にまで減ずることができる。
【0040】第1段階と第2段階の両方において生じる
副生成物の低級アルキルアルコールは、形成されるや否
やできるかぎり迅速に除去することが好ましい。副生成
物のアルコールは両段階におけるエステル化反応中に本
質的に連続的に製造されるので、それの除去も連続的で
あることが好ましい。真空方法、薄フィルム方法(例え
ば、回転真空装置)及び/又は不活性ガスストリッピン
グ又はスパージングを用いて、副生成物をそれが形成さ
れるにつれて除去することができる。不活性ガスストリ
ッピング又はスパージングと組合せた真空方法が第1段
階と第2段階の両方において一般に好ましい。激しい不
活性ガスストリッピング又はスパージングと組合せた真
空方法がさらに一層好ましい。約1〜10ml/分/g
反応物の速度での不活性ガススパージングが一般に充分
である。適当な不活性ガスは窒素、アルゴン、二酸化炭
素等を包含するが、一般には、窒素が主として経済的考
慮から好ましい。最も好ましくは、第1段階と第2段階
の両方における反応は不活性ガス(好ましくは窒素)の
不活性な減圧流下で第1段階では約50トル未満の真空
において、第2段階でも約50トル未満の真空において
実施する。
【0041】図2は本発明の2段階方法を一般的に説明
する。出発ポリオール12、脂肪酸エステル14、触媒
16及び溶媒18を、第1段階エステル化反応器10に
おいて一緒にし、比較的緩和な条件下で、副生成物の低
級アルキルアルコール22を除去しながら反応させる。
所望の部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル
20がひと度得られたならば、これらを溶媒層24から
好ましくは相分離方法を用いて分離する。溶媒層24は
溶媒26を回収するために処理するのが好ましい。部分
的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル20、任意
の脂肪酸エステル32及び触媒34を第2段階反応器3
0において一緒にし、より強度な条件(第1段階エステ
ル化に比べて)下で、副生成物の低級アルキルアルコー
ル36を除去しながら反応させる。第2段階エステル化
中で、さらに溶媒40(部分的エステル化ポリオール脂
肪酸ポリエステル20を介して第2段階エステル化に入
る)を除去し、好ましくは、第1段階エステル化からの
回収溶媒26と一緒にする。好ましくは、第1段階と第
2段階の両方からの回収溶媒26をライン46を介して
再循環させ、第1段階エステル化10に溶媒18として
再使用する。粗完全エステル化ポリオール脂肪酸ポリエ
ステル38を第2段階エステル化30から回収し、慣用
的精製方法にさらして、精製完全エステル化ポリオール
脂肪酸ポリエステル44を得る。好ましくは、第2段階
エステル化30からの過剰な(即ち、未反応の)脂肪酸
エステル42も回収し、再使用する。回収した脂肪酸エ
ステル42は第1段階及び/又は第2段階エステル化1
0と30に再循環させることができる。精製は好ましく
は約2ppm未満の溶媒18を含有する精製済み完全エ
ステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル44を生じる。
【0042】一般に、本発明によって得られるポリオー
ル脂肪酸ポリエステル、特に糖脂肪酸ポリエステル、と
りわけスクロース脂肪酸ポリエステルは脂肪代替物又は
低カロリー脂肪として有用である。これらのポリオール
及び糖脂肪酸ポリエステルは、出発ポリオール又は糖か
らのヒドロキシル基の本質的に全てが脂肪酸基によって
エステル化された、特に高い割合のポリエステルを有す
るので、特に有用である。本発明の糖脂肪酸ポリエステ
ルはヒト消費用に予定された食品中の脂肪代替物又は低
カロリー脂肪として有用である。これらの糖脂肪酸ポリ
エステルを食品組成物中にブレンド又は混合して、製造
された食品中に総カロリー含量を減ずることができる。
液体、半固体又は固体のポリオール又は糖脂肪酸ポリエ
ステル(又はこれらの組合せ)を脂肪代替物として用い
ることができる。固体ポリオール又は糖脂肪酸ポリエス
テル(即ち、約37℃を越える融点)は本発明の液体ポ
リオール又は糖脂肪酸ポリエステルと共に用いるための
アンチ−アナルリーク剤(anti-anal leakage agent)と
しても機能することができる。
【0043】
【実施例】本発明を限定するためではなく、説明するた
めに下記実施例を提供する。他に指定しないかぎり、こ
の明細書に記載する全ての%は重量によるものである。
【0044】実施例1.還流条件下で作動する回転蒸発
器(BuchiモデルEL−131R)を第1段階反応
に用いた。回転蒸発器に取り付けた1000mlフラス
コ中でスクロース(10.12g)とジメチルスルホキ
シド(DMSO;85g)とを混合し、痕跡量の水を除
去するために、90℃±2℃及び15トルにおいて冷却
管温度約21℃で約20分間還流させた。メチルパルミ
テート(100g)と粉状炭酸カリウム(1.04g;
80%が325メッシュ未満)とを反応混合物に加え
た;揮発性副生成物を回転蒸発器を介して除去しなが
ら、還流を同じ条件を用いて約4〜6時間続けた。生じ
た反応混合物を分液ロートに移し、層が分離するまで、
約40℃において放置した。主として溶媒DMSO並び
に着色体とモノー、ジー及びトリエステルから成る下層
は取り出した。ほぼ無色の上層は部分的エステル化スク
ロース脂肪酸ポリエステル(一般にテトラエステルと、
それ以上の高度エステル)を含有した。部分的エステル
化スクロース脂肪酸ポリエステルの分析は質量分光分析
法(MS)と高性能液体クロマトグラフィー(HPL
C)方法とを用いて行った。総置換度は約5.6であっ
た。次の典型的な結果が得られた(表中の“nd”は
“検出されず”を意味する)。
【0045】
【表1】
【0046】回転蒸発によってDMSOを除去した後
に、この部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステ
ルを、触媒形が変化した幾つかの第2段階反応に用い
た。3個の50ml反応フラスコの各々に、5.5gの
部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステルと6.
2gのメチルステアレートとを入れた。各フラスコには
スターラーと、45℃のジャケット付き還流冷却管と、
窒素ブリードラインとを備えた。撹拌した反応混合物を
油浴によって130℃に加熱した。反応温度がひと度1
30℃に達したならば、炭酸カリウム触媒(150m
g)を加えた。触媒を3種類の異なる形態:(1)顆粒
状(平均粒度約500μm)、(2)粉状(平均粒度約
50μm)、及び(3)溶解形(約50重量%の触媒を
含有する水溶液)で加えた。触媒の添加後に、反応を減
圧(約5トル)下で18時間続けた。次の結果が得られ
た。
【0047】
【表2】 第2段階反応は18時間の終了時に完成しなかったが、
触媒の形態が重要な役割を果たすことは明らかである。
一般に、触媒の有効表面積が増大すると、同じ反応条件
下で高度ポリエステル(higher polyester)の総収率が増
大する。さらに、これらの結果は第2段階反応が少なく
とも触媒の導入に用いる水に耐性であることを実証す
る。
【0048】実施例2.この実施例は種々な濃度の水溶
液としての炭酸カリウム触媒の添加の効果を説明する。
第1段階及び第2段階反応は、第2段階反応中の触媒の
添加と第2段階反応中の副生成物の除去のための窒素ス
パージ系の使用とを除いて、本質的に実施例1に述べた
通りに実施した。第2段階では、実施例1におけるのと
同じ総量の触媒を加えた(約1.3重量%);但し、触
媒を70%、40%又は10%水溶液として加えた。第
2段階反応混合物を6時間目と21時間目にサンプル採
取して、質量分光法によって分析した。次の結果が得ら
れた。
【0049】
【表3】 最大に希釈した触媒溶液(10%)が最も効果的であ
り、僅か6時間の反応時間内に70%を越えるオクタエ
ステルを生成した。理論によって限定されるのを望む訳
ではないが、触媒の単位あたりにより多くの水を添加す
ることは、水のより激しいフラッシュオフを生じ、した
がって、大きい表面積の触媒を生じるのであろう。
【0050】実施例3.第1段階及び第2段階反応の両
方を単一の2リットルシリンダー反応器において行っ
た。反応温度は温度制御装置付き加熱マントルと、反応
混合物中の熱電対とによって調節した。反応圧力は真空
ポンプと、毛管メータリング型(capillary metering ty
pe)“ブリード”弁とによって調節した。反応混合物を
可変速度タービン型スターラーによって撹拌した。約3
0psigの入口圧力によるロトメータによって制御さ
れる窒素スパージを用いて、副生成物を除去する。この
反応系は一端を減圧下の反応混合物中に浸漬し、他端を
大気圧下の触媒溶液中に浸漬した微細孔配管を介しての
触媒水溶液(第2段階のみで使用)の導入を可能にす
る;触媒溶液は系を他の点で撹乱することなく加えるこ
とができる。反応系は還流及び蒸留条件下で反応を妨害
することなく操作することができる。約18℃に冷却し
た冷却管を用いて、還流と蒸留とが達成される。
【0051】第1段階反応.顆粒状スクロース(50.
6g)とDMSO(412.6g)とを反応器に加え、
次に約20トルの圧力、約2ml/分/g反応物のスパ
ージ速度及び約460rpmのスターラー速度において
約30分間、約90℃に加熱した。大豆メチルエステル
(500g)と微粉状炭酸カリウム(5.2g)とを加
えた。反応を直前に述べた反応条件下(但し、スパージ
速度を約5ml/分/g反応物に上昇させた)の還流条
件下(反応器を通過した約3%のDMSOをコールドト
ラップに回収して、真空ポンプを保護する)で約5時間
進行させた。5時間の反応時間後に、反応混合物を動揺
させずに一晩放置することによって室温に冷却した。
【0052】一晩冷却する間に、反応混合物は2層に分
離した。第1段階に用いた総DMSOの約88%を含有
した暗色のDMSO層を流し出した。必要な場合には、
下層のDMSOを再使用のために回収することができ
る。反応器中に保留された淡色の上層を分析して、主と
してスクロース脂肪酸ポリエステルと未反応大豆メチル
エステルとを痕跡量の残留溶媒及び不溶性の粒状物質と
共に含有することを発見した。スクロース脂肪酸ポリエ
ステルは約49%のオクタエステル、約37%のヘプタ
エステル、約11%のヘキサエステル及び約2%のペン
タエステルを含有した。
【0053】第2段階反応.反応器中にまだ含まれる、
第1段階からのスクロース脂肪酸ポリエステルを蒸留条
件下で約5トルの圧力、約5ml/分/g反応物のスパ
ージ速度及び約460rpmのスターラー速度で約13
0℃に加熱した。残留DMSOの殆どが蒸留によって除
去されたときに、約6.1gの炭酸カリウムを20%水
溶液として約0.002g溶液/分/g反応物の速度で
細孔配管を介して加えた。触媒の添加後に、反応系を還
流モードに戻して、回収容器(触媒添加からのDMSO
と水の殆どを含有)を系から取り出した。反応を約24
時間、約130℃において還流条件下、約5トルの圧
力、約5ml/分/g反応物のスパージ速度及び約46
0rpmのスターラー速度で続けた。
【0054】24時間の反応時間後に、高温反応混合物
から濾過手段(filtration aid)を用いて濾過によって残
留触媒を除去した。濾過済み反応混合物は油状淡黄色液
体(約440g)であり、これは分析時に主として完全
エステル化スクロース脂肪酸ポリエステル、未反応大豆
メチルエステル(約23%)及び痕跡量の残留溶媒を含
有することが判明した。完全エステル化スクロース脂肪
酸ポリエステルは約84%のオクタエステル、約12%
のヘプタエステル、及び約4%のヘキサエステルを含有
した。
【0055】実施例4.第2段階反応における触媒添加
を変更した以外は、全ての材料の面で実施例3を繰り返
した。触媒を水溶液として加えるのではなく、粉状炭酸
カリウム触媒をDMSO中の懸濁液として加えた。粉状
炭酸カリウム触媒(約6.2g;80%が325メッシ
ュ未満)を少量のDMSO(約20ml)中に懸濁させ
てから、細孔配管を介して第2段階反応に加えた。他の
点では、第1段階と第2段階の両方の反応を実施例3と
同じやり方で実施して、本質的に同じ結果を得た。
【0056】実施例5.この実施例は乳脂肪とほぼ同じ
機能性(functionality)を有するスクロース脂肪酸ポリ
エステルの製造を説明する。種々な水素化三糖から誘導
された脂肪酸メチルエステル(FAME)のブレンドを
用いて所望の脂肪酸機能性を得た。
【0057】FAMEの製造.好適なFAMEを下記脂
肪酸組成を有する、完全水素化大豆油と2種類の部分的
水素化大豆油とから誘導した。
【0058】
【表4】
【0059】FAMEは各油(3000g)を20リッ
トルフラスコ中で70℃において溶融し、次にメタノー
ル中1重量%のNaOH(450gの溶液)を加えた後
に、1050gのメタノールを加えることによって製造
した。反応混合物を68℃において撹拌しながら4時間
還流させ、その後に塩基性触媒をリン酸によって中和し
た。FAME上層をメタノール下層から分離し、次に回
転蒸発でさらに処理して、残留メタノールを除去した。
回収したFAMEを15%NaOH水溶液によるアルカ
リ抽出によって処理して、残留遊離脂肪酸含量を約0.
1%未満に減じた。抽出済みFAMEを短路蒸留装置を
用いる蒸留によってさらに精製した。
【0060】第1段階反応.スクロース(30g)とD
MSO(250g)とを90℃かつ20トルにおいて回
転蒸発器中で混合した;約30分間後に、スクロースは
完全に溶解した。スクロース/DMSO溶液にFAME
の混合物(310g)を加え、次に粉状炭酸カリウム
(3g)を加えた。FAME混合物は約30%の完全水
素化大豆油誘導FAMEと、約35%の部分的水素化大
豆油#1誘導FAMEと、約35%の部分的水素化大豆
油#2誘導FAMEとを含有した。DMSOを連続還流
下に維持するのに適した減圧下で90℃において、反応
を約5時間続けた。反応混合物を次に分液ロートに移
し、分液ロートで50℃において約16時間層を分離さ
せた。DMSO層を分離し除去した。上層を濾過して、
残留触媒を除去し、70℃かつ0.2トルにおいて蒸留
して、残留DMSOを除去した。生じた上層は主として
部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステルと未反
応FAMEとから成るものであった。部分的エステル化
脂肪酸ポリエステルを質量分光法によって測定して、約
6.3の平均置換度を有し、約11%のオクタエステル
と、34%のヘプタエステルと、38%のヘキサエステ
ルと、13%のペンタエステルと、4%のテトラエステ
ルと、検出不能なレベルのより低度なエステルとを含有
することが判明した。
【0061】第2段階反応.約300gの第1段階反応
からの上層(主として部分的エステル化スクロース脂肪
酸ポリエステルと未反応FAMEとから成る)を100
0mlの丸底フラスコに入れた。この上層は部分的エス
テル化スクロース脂肪酸ポリエステル中の有効ヒドロキ
シル基を基準として約2.3倍モル過剰のFAMEを含
有した。したがって、この第2段階反応には追加のFA
MEが不必要であった。この反応系は副生成物を除去す
るための窒素スパージと、還流条件下で操作する250
mlのVigreuxカラムとを備えた。炭酸カリウム
触媒を添加する前に、反応混合物を5トル圧力下で13
0℃に加熱した。触媒は水溶液(20%炭酸カリウム水
溶液約20ml)として細孔管から高温反応混合物中に
直接加えた。反応は24時間続けた。
【0062】反応の完了後に、触媒を濾過によって除去
して、残留FAMEを分子蒸留によって約0.1%未満
に減じた。生じた完全エステル化スクロース脂肪酸ポリ
エステルを質量分光法によって分析して、約94%のオ
クタエステルと、4%のヘプタエステルと、2%のヘキ
サエステルと、検出不能なレベルのより低度なエステル
とから成ることを発見した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは反応混合物に乾燥粉末として加えた炭
酸カリウム触媒を示す顕微鏡写真であり、図1Bは、添
加直後に又は殆ど直後に水がフラッシュオフするような
条件下で水溶液として反応混合物に加えた炭酸カリウム
触媒を示す顕微鏡写真である。
【図2】図2は本発明の二段階方法を一般的に説明する
フローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591001880 Three Lakes Drive,N orthfield,Illinois 60093,United States o f America (72)発明者 ロバート・チャールズ・ディンウッディー アメリカ合衆国イリノイ州60025,グレン ヴュー,ロビン・クレスト・レーン 2324 (72)発明者 リチャード・スチュワート・シルヴァー アメリカ合衆国イリノイ州60091,ウィル メット,ライデン・レーン 838

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1段階反応と第2段階反応とを含み、
    第1段階反応が、 (1)少なくとも4個のヒドロキシル基を有するポリオ
    ールを第1脂肪酸低級アルキルエステル組成物と、第1
    アルカリ性塩触媒と溶媒との存在下、減圧かつ約105
    ℃未満の温度において、副生成物の低級アルキルアルコ
    ールを除去しながら、第1脂肪酸低級アルキルエステル
    組成物からの脂肪酸基によってエステル化されるポリオ
    ールに平均して少なくとも50%のヒドロキシル基を有
    する部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルが
    形成されるまで、反応させる工程と; (2)部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステル
    を溶媒から分離する工程とを含み;第2段階反応が、 (1)分離した部分的エステル化ポリオール脂肪酸ポリ
    エステルを第2脂肪酸低級アルキルエステル組成物と、
    第2アルカリ性塩触媒の存在下及び付加的な添加溶媒の
    不存在下で、減圧かつ約110℃を越える温度におい
    て、副生成物の低級アルキルアルコールを除去しなが
    ら、第1又は第2脂肪酸低級アルキルエステル組成物か
    らの脂肪酸基によってポリオールの本質的に全てのヒド
    ロキシル基がエステル化された少なくとも70重量%の
    ポリオール脂肪酸ポリエステルを含有する完全エステル
    化ポリオール脂肪酸ポリエステルが形成されるまで、反
    応させる工程と; (2)完全エステル化ポリオール脂肪酸ポリエステルを
    回収する工程とを含む完全エステル化ポリオール脂肪酸
    ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 第2脂肪酸低級アルキルエステル組成物
    が第1段階反応から持ち越された0〜100重量%の第
    1脂肪酸低級アルキルエステル組成物を含む、請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 ポリオールが少なくとも6個のヒドロキ
    シル基を有する糖であり、溶媒がジメチルスルホキシド
    である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリオールがスクロースである、請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリオールがスクロースである、請求項
    3記載の方法。
  6. 【請求項6】 第1及び第2脂肪酸低級アルキルエステ
    ル組成物中の低級アルキル基がメチル基であり、第1段
    階及び第2段階反応における副生成物の低級アルキルア
    ルコールがメタノールである、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 第1及び第2脂肪酸低級アルキルエステ
    ル組成物中の低級アルキル基がエチル基であり、第1段
    階及び第2段階反応における副生成物の低級アルキルア
    ルコールがエタノールである、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 第1段階反応を約1〜50トルの圧力及
    び約60〜105℃の温度において実施する、請求項1
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 第2段階反応を約0.5〜50トルの圧
    力及び約110〜150℃の温度において実施する、請
    求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 第1及び第2アルカリ性塩触媒が炭酸
    カリウムであり、第2アルカリ性塩触媒の添加時に水が
    本質的にフラッシュオフされるように、第2アルカリ性
    塩触媒を水溶液として加える、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 第1及び第2アルカリ性塩触媒が炭酸
    カリウムであり、添加時に水が本質的にフラッシュオフ
    されるように、第2アルカリ性塩触媒を水溶液として加
    える、請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 第1段階反応の副生成物の低級アルキ
    ルアルコールを生成直後に真空を用いて除去する、請求
    項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 第1段階反応の副生成物の低級アルキ
    ルアルコールを生成直後に真空を用いて除去する、請求
    項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 第1段階反応と第2段階反応の両方に
    おける副生成物の低級アルキルアルコールを生成直後
    に、真空と強度の不活性ガスストリッピング又はスパー
    ジングとの組合せを用いて除去する、請求項1記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 第1段階反応と第2段階反応の両方に
    おける副生成物の低級アルキルアルコールを生成直後
    に、真空と強度の不活性ガスストリッピング又はスパー
    ジングとの組合せを用いて除去する、請求項11記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 第1脂肪酸低級アルキルエステル組成
    物が比較的短い脂肪酸基を有するエステルから主として
    成り、第2脂肪酸低級アルキルエステル組成物が比較的
    長い脂肪酸基を有するエステルから主として成る、請求
    項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 第1脂肪酸低級アルキルエステル組成
    物が比較的短い脂肪酸基を有するエステルから主として
    成り、第2脂肪酸低級アルキルエステル組成物が比較的
    長い脂肪酸基を有するエステルから主として成る、請求
    項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 約2ppm未満の第1段階反応で用い
    た溶媒を含有するように、回収された完全エステル化ポ
    リオール脂肪酸ポリエステルを精製する、請求項1記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 約2ppm未満の第1段階反応で用い
    た溶媒を含有するように、回収された完全エステル化ポ
    リオール脂肪酸ポリエステルを精製する、請求項3記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 約2ppm未満の第1段階反応で用い
    た溶媒を含有するように、回収された完全エステル化ポ
    リオール脂肪酸ポリエステルをさらに精製する、請求項
    17記載の方法。
  21. 【請求項21】 第1段階反応からの分離溶媒を第1段
    階反応に再使用するために充分に精製し、精製済み溶媒
    を第1段階反応に再循環する、請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 第1段階反応からの分離溶媒を第1段
    階反応に再使用するために充分に精製し、精製済み溶媒
    を第1段階反応に再循環する、請求項3記載の方法。
  23. 【請求項23】 第1段階反応からの分離溶媒を第1段
    階反応に再使用するために充分に精製し、精製済み溶媒
    を第1段階反応に再循環する、請求項20記載の方法。
  24. 【請求項24】 第1段階反応と第2段階反応とを含
    み、第1段階反応が、 (1)スクロースを過剰な第1脂肪酸メチルエステル組
    成物と、第1アルカリ性塩触媒と、ジメチルアセトアミ
    ド、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドか
    ら成る群から選択された溶媒との存在下、約1〜50ト
    ルの減圧かつ約60℃〜105℃の温度において、メタ
    ノール副生成物を除去しながら、第1脂肪酸メチルエス
    テル組成物からの脂肪酸基によってエステル化されるス
    クロースに平均して少なくとも50%のヒドロキシル基
    を有する部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステ
    ルが形成されるまで、反応させる工程と; (2)部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリエステル
    を溶媒から分離する工程とを含み;第2段階反応が、 (1)分離した部分的エステル化スクロース脂肪酸ポリ
    エステルを第2脂肪酸メチルエステル組成物と、第2ア
    ルカリ性塩触媒の存在下及び付加的な添加溶媒の不存在
    下で、約0.5〜50トルの減圧かつ約110℃〜15
    0℃の温度において、メタノール副生成物を除去しなが
    ら、スクロースの本質的に全てのヒドロキシル基が第1
    又は第2脂肪酸メチルエステル組成物からの脂肪酸基に
    よってエステル化された少なくとも70重量%のスクロ
    ース脂肪酸ポリエステルを含有する完全エステル化スク
    ロース脂肪酸ポリエステルが形成されるまで、反応させ
    る工程と; (2)完全エステル化スクロース脂肪酸ポリエステルを
    回収する工程とを含む完全エステル化スクロース脂肪酸
    ポリエステルの製造方法。
  25. 【請求項25】 第2脂肪酸低級メチルエステル組成物
    が第1段階反応から持ち越される第1脂肪酸低級メチル
    エステル組成物の0〜100重量%を占める、請求項2
    4記載の方法。
  26. 【請求項26】 溶媒がジメチルスルホキシドであり、
    第1段階反応におけるメタノール副生成物を生成直後に
    真空を用いて除去する、請求項24記載の方法。
  27. 【請求項27】 溶媒がジメチルスルホキシドであり、
    第1段階と第2段階反応の両方におけるメタノール副生
    成物を生成直後に真空と強度の不活性ガスストリッピン
    グ又はスパージングとの組合せを用いて除去する、請求
    項24記載の方法。
  28. 【請求項28】 第1及び第2アルカリ性塩触媒が炭酸
    カリウムであり、第2アルカリ性塩触媒の添加時に水が
    本質的にフラッシュオフされるように、第2アルカリ性
    塩触媒を水溶液として加える、請求項24記載の方法。
  29. 【請求項29】 第1及び第2アルカリ性塩触媒が炭酸
    カリウムであり、第2アルカリ性塩触媒の添加時に水が
    本質的にフラッシュオフされるように、第2アルカリ性
    塩触媒を水溶液として加える、請求項26記載の方法。
  30. 【請求項30】 第1及び第2アルカリ性塩触媒が炭酸
    カリウムであり、第2アルカリ性塩触媒の添加時に水が
    本質的にフラッシュオフされるように、第2アルカリ性
    塩触媒を水溶液として加える、請求項27記載の方法。
  31. 【請求項31】 溶媒と、第1段階反応で生じた部分的
    エステル化スクロース脂肪酸ポリエステルが別々の層を
    形成し、これらの層を分離することによって部分的エス
    テル化スクロース脂肪酸ポリエステルを溶媒から分離す
    る、請求項24記載の方法。
  32. 【請求項32】 溶媒と、第1段階反応で生じた部分的
    エステル化スクロース脂肪酸ポリエステルが別々の層を
    形成し、これらの層を分離することによって部分的エス
    テル化スクロース脂肪酸ポリエステルを溶媒から分離す
    る、請求項28記載の方法。
  33. 【請求項33】 第1脂肪酸メチルエステル組成物が比
    較的短い脂肪酸基を有するエステルから主として成り、
    第2脂肪酸メチルエステル組成物が比較的長い脂肪酸基
    を有するエステルから主として成る、請求項24記載の
    方法。
  34. 【請求項34】 第1脂肪酸メチルエステル組成物が比
    較的短い脂肪酸基を有するエステルから主として成り、
    第2脂肪酸メチルエステル組成物が比較的長い脂肪酸基
    を有するエステルから主として成る、請求項28記載の
    方法。
  35. 【請求項35】 水を加えて、部分的エステル化スクロ
    ース脂肪酸ポリエステル層と溶媒層とを形成し、次に、
    これらの層を分離することによって、部分的エステル化
    スクロース脂肪酸ポリエステルを溶媒から分離する、請
    求項33記載の方法。
  36. 【請求項36】 水を加えて、部分的エステル化スクロ
    ース脂肪酸ポリエステル層と溶媒層とを形成し、次に、
    これらの層を分離することによって、部分的エステル化
    スクロース脂肪酸ポリエステルを溶媒から分離する、請
    求項34記載の方法。
  37. 【請求項37】 部分的エステル化スクロース脂肪酸ポ
    リエステルが約5〜7の平均置換度を有し、完全エステ
    ル化スクロース脂肪酸ポリエステルが、スクロースの本
    質的に全てのヒドロキシル基が第1又は第2脂肪酸メチ
    ルエステル組成物からの脂肪酸基によってエステル化さ
    れた、少なくとも85重量%のスクロース脂肪酸ポリエ
    ステルを含有する、請求項24記載の方法。
  38. 【請求項38】 部分的エステル化スクロース脂肪酸ポ
    リエステルが約5〜7の平均置換度を有し、完全エステ
    ル化スクロース脂肪酸ポリエステルが、スクロースの本
    質的に全てのヒドロキシル基が第1又は第2脂肪酸メチ
    ルエステル組成物からの脂肪酸基によってエステル化さ
    れた、少なくとも85重量%のスクロース脂肪酸ポリエ
    ステルを含有する、請求項29記載の方法。
  39. 【請求項39】 部分的エステル化スクロース脂肪酸ポ
    リエステルが約5〜7の平均置換度を有し、完全エステ
    ル化スクロース脂肪酸ポリエステルが、スクロースの本
    質的に全てのヒドロキシル基が第1又は第2脂肪酸メチ
    ルエステル組成物からの脂肪酸基によってエステル化さ
    れた、少なくとも85重量%のスクロース脂肪酸ポリエ
    ステルを含有する、請求項30記載の方法。
  40. 【請求項40】 約2ppm未満の第1段階反応で用い
    た溶媒を含有するように、回収された完全エステル化ポ
    リオール脂肪酸ポリエステルを精製する、請求項24記
    載の方法。
  41. 【請求項41】 約2ppm未満の第1段階反応で用い
    た溶媒を含有するように、回収された完全エステル化ポ
    リオール脂肪酸ポリエステルを精製する、請求項38記
    載の方法。
  42. 【請求項42】 約2ppm未満の第1段階反応で用い
    た溶媒を含有するように、回収された完全エステル化ポ
    リオール脂肪酸ポリエステルを精製する、請求項39記
    載の方法。
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