JPH10167987A - 徐放性製剤 - Google Patents

徐放性製剤

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JPH10167987A
JPH10167987A JP9293472A JP29347297A JPH10167987A JP H10167987 A JPH10167987 A JP H10167987A JP 9293472 A JP9293472 A JP 9293472A JP 29347297 A JP29347297 A JP 29347297A JP H10167987 A JPH10167987 A JP H10167987A
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JP
Japan
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sulfate
preparation
release
collagen
glycosaminoglycan
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JP9293472A
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English (en)
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Nobumasa Koseki
宣雅 小関
Akihiko Sano
明彦 佐野
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Koken Co Ltd
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Koken Co Ltd
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療分野で治療または予防に用いるための、
医療上有効な物質の放出性を適宜コントロールし得る放
出制御型製剤を提供する。 【解決手段】 コラーゲンを担体とし、グリコサミノグ
リカンを添加剤として含有する有効成分含有放出制御型
製剤は上記目的に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療分野において治
療あるいは予防を目的として用いられる医薬製剤に関
し、長期かつ持続的に薬物を放出する放出制御型製剤に
関するものである。更に詳しくは、添加されるグリコサ
ミノグリカンが、担体となるコラーゲンの線維形成を制
御することにより、含有される薬物の当該製剤からの放
出を制御する放出制御型製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医薬製剤から有効成分を長期にわたって
徐放させる有用性は有効血中濃度の持続時間の延長によ
る治療効果の向上、最高血中濃度を必要最低限に抑える
ことによる副作用の軽減、さらに投与頻度を減らすこと
による患者の苦痛の軽減等の観点から論じられてきた。
その方法の一つとして本発明者らは、コラーゲンを担体
とする徐放性製剤を開発し、特許出願した(特開昭60
−126217、特開昭60−97918、特開昭60
−84213、特開昭60−89418、特開昭60−
112713、特開昭61−236729、特開昭62
−230729)。
【0003】また、コラーゲンを担体とする製剤からの
薬物の放出挙動は、ヒト血清アルブミンもしくはクエン
酸をはじめとする酸類を添加することにより制御され得
ることも明らかとなった(特公平5−71566、特開
平2−710)。該製剤からの有効成分の放出は、ヒト
血清アルブミンやクエン酸等を添加することにより、薬
物と担体であるコラーゲンとの相互作用(例えばイオン
的相互作用)を変化させ制御を行うものであった。その
ため、該製剤からの薬物放出特性は、添加剤である血清
アルブミンやクエン酸の物性や製剤中の練合量によって
特徴付けられるものであり、添加剤そのものが担体であ
るコラーゲンの特性を積極的に変化させ、これにより薬
物放出を任意に制御し得るものではなかった。
【0004】グリコサミノグリカンは、生体内ではタン
パク質と共有結合してプロテオグリカンの形で存在し、
コラーゲン同様生体組織の細胞間を満たす細胞外基質
(もしくは細胞外マトリックスとも呼ばれる)を構成す
る生体物質である。また、グリコサミノグリカンとコラ
ーゲンは生体内において特異的な相互作用を示すことが
知られている。コラーゲンは通常生体内では線維状タン
パク質として存在しているが、精製したコラーゲンも生
理的条件にさらすと線維を形成する。しかし、同じコラ
ーゲン線維でも、生体外において再構成したコラーゲン
線維の線維径は50nm以下であるのに対して生体内にお
けるコラーゲン線維の線維径は10〜130nmと変化に
富む(Molecular Biology of the Cell、1983)。
この変化の主な原因が、コラーゲンと、同様に組織の間
充織部分に存在しているグリコサミノグリカンとの相互
作用によるものであることも明らかとなっている。実際
に、グリコサミノグリカン存在下に精製したコラーゲン
の線維形成実験をin vitroで行うと、グリコサミノグリ
カンの種類や濃度に応じてコラーゲンの線維形成が促進
あるいは抑制されることは既に知られている(Biochem.
J. (1988) 252、pp303-323/Biomaterials(1989)10、pp
413-419)。また、グリコサミノグリカンの存在下に再
構成されたコラーゲン線維は、コラーゲン単独よりもよ
り細い線維として形成され、網目様の構造を示すことが
知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記状況のもと、さら
に薬物の放出制御を行う製剤が望まれていた。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明者らは、有効成分の放出
性を適宜コントロールし得る放出制御型製剤を得ること
を目的として鋭意研究を重ねた結果、有効成分を含むコ
ラーゲンを担体とする徐放性製剤に、コンドロイチン硫
酸をはじめとするグリコサミノグリカンを添加すると、
有効成分の放出を制御し得る事を見出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。即ち本発明は、有効
成分を含むコラーゲンを担体とする製剤において、1も
しくはそれ以上のグリコサミノグリカンを放出制御因子
として含む徐放性製剤を提供するものである。
【0007】該製剤に用いられるグリコサミノグリカン
としては、アミノ糖とウロン酸またはガラクト−スから
成る二の糖の繰り返し構造をとるものであればよく、例
えば以下の化学式:
【化1】 [式中、nは正の整数を表す。]
【0008】
【化2】 [式中、nは正の整数を表す。]
【化3】 [式中、nは正の整数を表す。]に示す如く(1a)コ
ンドロイチン6−硫酸、(1b)コンドロイチン4−硫
酸等のコンドロイチン硫酸、(2)ヒアルロン酸、
(3)へパリン、(4)へパラン硫酸、(5)デルマタ
ン硫酸、(6)ケラタン硫酸が挙げられる。製剤からの
有効成分の放出を制御する観点から、最も好ましいのが
コンドロイチン硫酸である。
【0009】グリコサミノグリカンの含有量としては製
剤重量あたり40(重量)%以下、好ましくは1〜10
(重量)%が望ましい。また、コラ−ゲンは製剤重量あ
たり20〜95(重量)%が好ましく、さらに75〜9
1(重量)%が好ましい。これらの含有量に応じて製剤
からの有効成分の放出を促進し、場合によっては有効成
分の初期放出を制御し、所望する放出速度を一定に保つ
ことが適宜可能である。従来のヒト血清アルブミンを添
加剤として用いた際の製剤から放出される有効成分の放
出挙動を調べると、添加剤であるヒト血清アルブミンの
放出に合わせて有効成分も放出されることが明らかとな
った。これに対して、コンドロイチン硫酸を添加剤とし
て使用した際には、有効成分の放出とコンドロイチン硫
酸の放出との間には密接な関係はなかった。添加された
コンドロイチン硫酸の一部は放出後期に至るまで製剤中
に存在していることが明かとなり、これらの結果は、添
加剤として利用される両者の機能が薬物の放出特性にお
いて根本的に異なることを示している。
【0010】本発明はこのコラーゲンとグリコサミノグ
リカンにおける相互作用に着目し、グリコサミノグリカ
ン存在下に形成されるコラーゲンを主構成成分とする薬
物担体により、当該製剤からの有効成分の放出性を制御
する方法を提供するものである。本発明の効果が本質的
にグリコサミノグリカンがコラーゲンマトリックスに及
ぼす影響に基づくものであるため、本発明製剤に含有さ
れる医療上有効な物質、すなわち治療または予防を目的
とする有効成分は特に制限されるものではないが、例え
ばタンパク質、ペプチド、糖タンパク質もしくは多糖等
の生理活性を有する物質、遺伝子、低分子薬物等の物質
が挙げられる。
【0011】タンパク質、ペプチドまたは糖タンパク質
からなる生理活性を有する物質としては、例えばインタ
ーフェロン(IFNもしくはINF)、インターロイキ
ン(IL)、コロニー刺激因子(CSF)、マクロファ
ージ活性化因子(MAF)、マクロファージ遊走阻止因
子(MIF)等が挙げられる。なお、ここでいうインタ
ーフェロンとは、α、β、γその他のいずれのインター
フェロンでもよく、またそれらの組み合わせでもよいこ
とはもちろんである。同様に、インターロイキンは、こ
れまでに報告されたIL−1からIL−12のいずれで
もよく、コロニー刺激因子はmulti−CSF(多能性C
SF)、GM−CSF(顆粒球・単球マクロファージC
SF)、G−CSF(顆粒球CSF)またはM−CSF
(単球マクロファージCSF)、その他のいずれのCS
Fでもよく、またこれらの混合物でもよい。
【0012】さらに、タンパク質、ペプチドまたは糖タ
ンパク質からなる生理活性を有する物質として、例えば
インシュリン、成長ホルモン(GH)、脳下垂体ホルモ
ン、性ホルモン、副腎皮質ホルモン等のホルモン;例え
ばソマトメジン(SM)、上皮細胞成長因子(EG
F)、腫瘍増殖因子(TGF)、線維芽細胞成長因子
(FGF)、エリスロポイエチン(EPO)、血小板由
来成長因子(PDGF)、インシュリン様成長因子(I
GF)または肝細胞増殖因子(HGF)等の成長因子;
例えば神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子
(BDNF)、NT−3、NT−4、グリア細胞由来神
経栄養因子(GDNF)ならびに毛様体由来神経栄養因
子(CNTF)等の神経栄養因子;例えばエンドルフィ
ン、ネオエンドルフィンあるいはダイノルフィン等のオ
ピオイド;例えば第I因子であるフィブリンをはじめと
してこれまでに報告されている第VIII因子の他、プロテ
アーゼであるトロンビン等の血液凝固因子;例えばトロ
ンビンの作用を抑えるヒルジン等の血液凝固阻止因子;
例えば血栓溶解作用を有する酵素(例えば組織プラスミ
ノーゲン活性化因子(t-PA)、ウロキナーゼ(U
K)等)の他、溶菌作用を有するリソザイム等の酵素が
代表的な物質として挙げられる。
【0013】以上本発明製剤において特に有効物質とな
るものを、生理活性なタンパク質、ペプチドおよび糖タ
ンパク質としてサイトカイン、ホルモン、成長因子、増
殖因子、神経栄養因子、オピオイド、血液凝固因子、血
液凝固阻止因子および酵素等に分類して例示したが、こ
れらのうち、その作用の多様性により明確な分類がなさ
れないものもある。本発明はこれらの分類およびその例
に限定されるものではなく、上記に例示した物の他、例
えばコラゲナーゼ阻害剤であるティシュインヒビターオ
ブメタロプロテアーゼ(TIMP)等の酵素阻害剤、骨
形成因子(BMP)、あるいは、ある種の抗体等、今後
医薬品としての開発が期待されるペプチド、タンパク質
および糖タンパク質等に広く適用が可能である。
【0014】遺伝子としてはRNA(リボ核酸)、DN
A(デオキシリボ核酸)あるいはそれらを組み込んだ発
現ベクターからなる組換え型遺伝子等が挙げられる。低
分子薬物としては、神経伝達物質が挙げられ、アセチル
コリン、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミ
ン、セロトニン等のアミン類、グルタミン酸、グリシ
ン、γ−アミン酪酸等のアミノ酸類が挙げられる。本発
明においては、これらの有効成分を単独で、もしくは二
以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0015】担体として用いられているコラーゲンは、
無脊椎動物、脊椎動物を問わず、動物界に広く分布して
いるタンパク質であり、哺乳動物の全タンパク質量の約
1/3を占めている。最近の研究によれば、その種類も
多く、これまでに明らかにされた分子種はI型からXVI
型までにおよぶ。本発明の製剤に用いられるコラーゲン
は、特にその起源および分子種を限定するものではない
が、哺乳動物由来のI型コラーゲンを用いることが好ま
しい。コラーゲンは既に手術糸等に用いられており、そ
の安全性は知られているが、より安全性を高める目的
で、主たる抗原部位であるテロペプチドを除去して抗原
性を極めて低くしたアテロコラーゲンを本発明に用いて
もよい。また、ゼラチン等の成分が一部混在していても
よい。
【0016】本発明徐放製剤の製造法は特に限定される
ものではないが、例えば、有効成分、コラーゲンおよび
グリコサミノグリカンを含む混合水溶液を凍結乾燥した
後に粉砕し、得られた粉末を型に入れ圧縮成型すること
により固形製剤として得ることができる。得られる製剤
形状も、針状、棒状、同心円状、球状、ディスク状、フ
ィルム状等、投与方法および投与部位に適合した形状に
成型することができる。あるいは有効成分、コラーゲン
およびグリコサミノグリカン、また他の添加剤からなる
混合物を適量の水または緩衝剤とともに混練した後、射
出成型等により針状または棒状に成型し、それを再度乾
燥させる等の方法により製造することができる。コラー
ゲンは中性条件下で線維化し不溶性となる性質を有する
が、酸性条件下では溶液として存在するため、有効成分
およびグリコサミノグリカンとの混合は容易に溶液にて
行うことが可能であり、その混合順序に特に制限はな
い。また製剤上の必要に応じ、薬学上許可される添加物
を適当量添加してもよい。
【0017】本発明製剤の投与法は特に限定されるもの
ではないが、非経口的投与法、特に注射、挿入、埋めこ
み、手術時の留置等固形のままで生体中に直接投与する
ことで優れた効果が期待される。また、フィルム状ある
いはシート状に成型した製剤を患部に直接適用すること
も可能であり、内用のみならず外用剤的用法も可能であ
る。このように本発明の製剤は様々な形状および投与方
法が可能である。従って、期待される効果によって全身
的あるいは局所的な使用が可能である。
【0018】
【発明の効果】本発明の徐放性製剤は、グリコサミノグ
リカンの種類および含有量に応じて、所望する有効成分
の持続的な放出性を制御し得るので、ヒトまたは家畜を
適切に治療または処置することができ、極めて有用であ
る。しかも、コラーゲンおよびグリコサミノグリカン
は、いずれも生体由来の物質であるため、有効成分の放
出後における生分解性に優れ、安全性の高い、優れた医
薬製剤である。
【0019】
【実施例】以下に参考例、実施例および実験例を挙げ、
本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれら
の実施例ならびに実験例により限定されるものではな
い。尚、以下の記載において、パーセント(%)は、特
に断らない限り重量%を表す。 参考例1 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液と、有効成分たる
インターフェロンαを含む溶液を混合した後凍結乾燥す
る。更に得た凍結乾燥品に適当量の蒸留水を加え、練合
した後にシリンジに入れ押し出しを行い、乾燥した。こ
れにより製剤重量当り1000万国際単位(10MI
U)のインターフェロンαを含有する円柱状の製剤を得
た。
【0020】参考例2 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液と、有効成分たる
リソザイムを含む溶液とを混合した後凍結乾燥する。更
に得た凍結乾燥品に適当量の蒸留水を加え、練合した後
にシリンジに入れ押し出しを行い、乾燥した。これによ
り製剤重量当り6.7%のリソザイムを含有する円柱状
の製剤を得た。
【0021】実施例1 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液にコンドロイチン
6−硫酸溶液を添加し、インターフェロンα溶液と混合
した。その後凍結乾燥し、得られた凍結乾燥品に適当量
の蒸留水を加え、練合後押し出しを行い乾燥した。これ
により製剤重量当り10MIUのインターフェロンα、
1%のコンドロイチン硫酸を含有する円柱状の製剤を得
た。
【0022】実施例2 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液にコンドロイチン
6−硫酸溶液を添加し、インターフェロンα溶液と混合
した。その後凍結乾燥し、得られた凍結乾燥品に適当量
の蒸留水を加え、練合後押し出しを行い、乾燥した。こ
れにより製剤重量当り10MIUのインターフェロン
α、3%のコンドロイチン硫酸を含有する円柱状の製剤
を得た。
【0023】実施例3 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液にコンドロイチン
6−硫酸溶液を添加し、インターフェロンα溶液と混合
した。その後凍結乾燥し、得られた凍結乾燥品に適当量
の蒸留水を加え、練合後押し出しを行い、乾燥した。こ
れにより製剤重量当り10MIUのインターフェロン
α、10%のコンドロイチン硫酸を含有する円柱状の製
剤を得た。
【0024】実施例4 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液にコンドロイチン
6−硫酸溶液を添加し、リソザイム溶液と混合した。そ
の後凍結乾燥し、得られた凍結乾燥品に適当量の蒸留水
を加え、練合後押し出しを行い、乾燥した。これにより
製剤重量当り6.7%のリソザイム、3%のコンドロイ
チン硫酸を含有する円柱状の製剤を得た。
【0025】実施例5 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液にヘパリンを添加
し、リソザイム溶液と混合した。その後凍結乾燥し、得
られた凍結乾燥品に適当量の蒸留水を加え、練合後押し
出しを行い、乾燥した。これにより製剤重量当り6.7
%のリソザイム、3%のヘパリンを含有する円柱状の製
剤を得た。
【0026】実施例6 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液にコンドロイチン
6−硫酸溶液を添加し、インターフェロンα溶液と混合
した。その後凍結乾燥し、得られた凍結乾燥品に適当量
の蒸留水を加え練合した。更に押し出す際に、二重構造
ノズルを使用して、別途調製したコラーゲン練合液を同
時に押し出し、次いで乾燥することにより、製剤の外層
をコラーゲンで被覆した同心円柱状の製剤を得た。
【0027】実施例7 2%(w/v)アテロコラーゲン溶液にコンドロイチン
6−硫酸溶液、ヒアルロン酸溶液、ヘパリン溶液、ヘパ
ラン硫酸溶液、デルマタン硫酸溶液、あるいはケラタン
硫酸溶液を個別に添加した溶液をそれぞれ調製した。そ
の後凍結乾燥し、得られた凍結乾燥品に適当量の蒸留水
を加え、練合後押し出しを行い乾燥した。これにより製
剤重量当たり5%のコンドロイチン硫酸、ヒアルロン
酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、あるい
はケラタン硫酸を含有する円柱状の製剤をそれぞれ得
た。
【0028】実験例1 コラーゲンよりなる製剤とその製剤に10%のコンドロ
イチン6−硫酸を含む製剤とにおける形態観察を走査型
電子顕微鏡レベルで行った。その結果を図1に示した。
コンドロイチン硫酸無添加処方(図1−A)と添加処方
(図1−B)を比較すると、無添加処方ではコラーゲン
の太い線維束が押し出された方向に沿って配向している
が、ここにコンドロイチン硫酸が存在するとコラーゲン
線維が細くなり、更にそれぞれに線維が無方向に入り組
んだ網の目を形成して存在しているのが観察される。
【0029】実験例2 参考例1と実施例1、実施例2ならびに実施例3におけ
る製剤を用いて、PBS+0.3%Tween20溶液
中でIFNのin vitro放出試験を行った。その結果を図
2に示した。その結果、本剤から放出されるIFN量は
コンドロイチン硫酸の増加量に伴い、増加することが示
された。
【0030】実験例3 参考例2と実施例4において得られたリソザイムの放出
試験を実験例2と同様の条件により行った。その結果を
図3に示した。リソザイムの放出は、コンドロイチン硫
酸無添加の製剤(コントロール)の場合、経時的放出速
度の低下と放出期間7日間における累積放出率が40%
であるのに対して、製剤重量当たり3%のコンドロイチ
ン硫酸を含む製剤においては、放出速度が低下すること
なく、一定割合の薬物放出が継続し、7日目までに約8
0%の累積放出量を得た。
【0031】実験例4 実験例1と同様に、製剤中5%の各グリコサミノグリカ
ンを含む製剤における形態観察を走査型電子顕微鏡レベ
ルで行った。その結果を図4〜9に示した。コンドロイ
チン硫酸処方(図4)と同様に、ヒアルロン酸(図
5)、ヘパリン(図6)、ヘパラン硫酸(図7)、デル
マタン硫酸(図8)、あるいはケラタン硫酸(図9)添
加処方においていずれも、無方向に入り組んだ網の目を
形成していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はコンドロイチン硫酸無添加処方(図1
−A)と添加処方(図1−B)製剤中のコラーゲンの結
晶構造の走査型電子顕微鏡写真の模写図である。
【図2】 参考例1、実施例1、実施例2並びに実施例
3によって得られた製剤におけるin vitro放出試験の結
果を示すグラフである。7日間の放出期間に本製剤から
放出されたIFN量を累積放出量として計算し、それを
製剤中の練合量に対する割合として累積放出率として示
した。
【図3】 参考例2(コントロール)と実施例4(CS)
における製剤を用いて、in vitro放出試験を行った結果
を示すグラフである。
【図4】 図4は走査型電子顕微鏡を使用して、コンド
ロイチン硫酸を添加した製剤における製剤内部の形態を
示す。
【図5】 図5は走査型電子顕微鏡を使用して、ヒアル
ロン酸を添加した製剤における製剤内部の形態を示す。
【図6】 図6は走査型電子顕微鏡を使用して、ヘパリ
ンを添加した製剤における製剤内部の形態を示す。
【図7】 図7は走査型電子顕微鏡を使用して、ヘパラ
ン硫酸を添加した製剤における製剤内部の形態を示す。
【図8】 図8は走査型電子顕微鏡を使用して、デルマ
タン硫酸を添加した製剤における製剤内部の形態を示
す。
【図9】 図9は走査型電子顕微鏡を使用して、ケラタ
ン硫酸を添加した製剤における製剤内部の形態を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/27 A61K 37/02 38/43 37/36 38/46 37/465 38/55 37/54 39/395 37/64

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コラーゲンを担体とする、医療上有効な
    物質を含有する製剤において、添加剤としてグリコサミ
    ノグリカンを含有することを特徴とする徐放性製剤。
  2. 【請求項2】 グリコサミノグリカンがコンドロイチン
    硫酸、ヒアルロン酸、へパリン、へパラン硫酸、デルマ
    タン硫酸またはケラタン硫酸である請求項1記載の徐放
    性製剤。
  3. 【請求項3】 グリコサミノグリカンがコンドロイチン
    6−硫酸である請求項2記載の徐放性製剤。
  4. 【請求項4】 グリコサミノグリカンがヘパリンである
    請求項2記載の徐放性製剤。
  5. 【請求項5】 医療上有効な物質が生理活性を有するタ
    ンパク質、ペプチド、糖タンパク質、多糖もしくは遺伝
    子である請求項1、2、3、または4記載の徐放性製
    剤。
JP9293472A 1996-10-09 1997-10-09 徐放性製剤 Pending JPH10167987A (ja)

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CZ300775B6 (cs) * 2007-11-16 2009-08-05 Hypro Otrokovice, S. R. O. Prípravek pro podporu hojení a/nebo náhradu granulacní a epitelizacní tkáne na ranách
WO2012050184A1 (ja) 2010-10-15 2012-04-19 国立大学法人京都大学 徐放性医薬組成物

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