JPH10167276A - 清涼飲料水用連結ボトル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸飲料などを入れるボトルに関し、容量の
小さい容器を連結した連結ボトルにおいて、運搬時及び
使用時の取り扱いをより簡便にする。 【解決手段】 口部ないし肩部の外周に雄螺条５を備
え、底面に当該口部ないし肩部の形状に対応する形状の
凹所８を備えるとともに、凹所８の前記雄螺条を設けた
部分に対応する部分に雄螺条５と螺合する雌螺条９を備
え、連結されたボトル１５の上段のものの凹所８の奥面
１２が下段のボトルの口６を密閉することを特徴とす
る。上記構成の連結ボトル１５は、上段のボトルの凹所
８に下段のボトルの上部を差し込み、両者を相対回動さ
せて下段のボトルの雄螺条５を上段のボトルの雌螺条９
に螺合することにより、上段と下段のボトル１５相互を
連結するとともに、下段のボトルの口６が上段のボトル
の凹所の奥面１２で密閉される。最上段のボトルには、
その雄螺条５に螺合するキャップ１６を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、炭酸飲料やジュ
ースのボトルに関するもので、ＰＥＴ（ポリエチレンテ
レフタレート）などの合成樹脂で成形されたボトルに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】炭酸飲料やジュースのボトルには、略コ
ップ一杯分（一人分）を収容する小型のものと、複数杯
分を収容する大型のものとがある。後者のボトルは通常
冷蔵庫の扉の内側に設けられているボトルポケットに丁
度納まる寸法に設計されており、その容量は通常１．５
ないし２リットルである。このような容器に入れられた
清涼飲料水は、冷蔵庫に保管され、数人の者が数日ない
し十数日かけて飲むこととなるが、複数人がいる家庭に
おいて、飲料の嗜好がそれぞれ異なるような場合には、
このようなボトルが冷蔵庫の中に複数本収納されること
になり、また開栓してからある程度の期間にわたって飲
まれるために、炭酸飲料であれば炭酸が抜けたり、ジュ
ースであれば酸化したりして、味が落ちるという問題が
ある。一方小型の容器のものは、運搬や貯蔵に不便であ
り、冷蔵庫に収容したときにも無駄なスペースを生じ
る。

【０００３】この問題を解決する手段として、容量の小
さい容器を複数個連結して運搬及び収容することが実開
平２−１０２７１号公報や実開平４−７４６２９号公報
に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】実開平２−１０２７１
号公報に開示されたボトルは、各ボトルが通常のボトル
を縦方向に分割した形状をしており、口部に嵌着される
１個のキャップにより、複数のボトルが一体化されるよ
うになっている。しかしこのような構造であると、１個
のボトルに入っている飲料を飲もうとすると、他の飲料
が入っているボトルも共に開栓されてしまうという欠点
があり、また飲料を注いだり冷蔵庫にボトルを収容する
ときにボトルの分割操作や連結操作を一々行わなければ
ならないという面倒がある。

【０００５】一方実開平４−７４６２９号公報に開示さ
れているものは、複数のボトルを縦方向に連結するもの
であり、各ボトルの底面には、連結されるボトルのキャ
ップから肩部にかけての部分が嵌まり込む凹所が形成さ
れている。各ボトルはそれぞれがキャップを有してお
り、従って１個のボトルのキャップを外しても、他のボ
トルが開栓されるということはない。しかしながらこの
構造では、上下のボトル相互が単に嵌挿されて連結され
ているだけであるので、上段のボトルをつかんで持ち上
げると、下段のボトルは抜け落ちてしまう。従って連結
したボトルを一体にして搬送するときには、ボトル相互
をテープまたは紐などで緊締して１ブロックとしなけれ
ばならないため、運搬時の扱いが面倒である。また飲料
を飲むときは、連結されたボトルを分離したうえ、さら
にキャップを外さなければならず、手間がかかる。

【０００６】この発明は、以上の従来構造の連結ボトル
の問題を解消することを課題としてなされたものであ
り、容量の小さい容器を連結して、１個の大型の容器と
同様なスペース効率で冷蔵庫等に収容することができる
ようにした連結ボトルにおいて、運搬時の取り扱い及び
飲料を飲むときの手数をより簡便にした連結ボトルを提
供することを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の清涼飲料
水用連結ボトルは、口部ないし肩部の外周に雄螺条５を
備え、底面に当該口部ないし肩部の形状に対応する形状
の凹所８を備えるとともに、当該凹所の前記雄螺条５を
設けた部分に対応する部分に当該雄螺条と螺合する雌螺
条９を備え、連結されたボトル１５、１５の上段のもの
の凹所８の奥面１２が下段のボトルの口６を密閉するこ
とを特徴とするものである。

【０００８】請求項２記載の発明は、請求項１記載の清
涼飲料水用連結ボトルにおいて、２個または３個以上連
結されたボトルの最下段のもの１５は、前記凹所８及び
雌螺条９を備えていないことを特徴とするものである。

【０００９】請求項３の発明は、請求項１または２記載
の清涼飲料水用連結ボトルにおいて、雌螺条９は円周方
向に分割された複数の螺条要素１３の集合からなること
を特徴とするものである。

【００１０】

【作用】上記構成の連結ボトル１５は、上段のボトルの
凹所８に下段のボトルの上部を差し込み、両者を相対回
動させて下段のボトルの雄螺条５を上段のボトルの雌螺
条９に螺合することにより、上段と下段のボトル１５、
１５相互が連結されるとともに、下段のボトルの口６が
上段のボトルの凹所の奥面１２に押接されて下段のボト
ル１５が密閉される。最上段のボトルには、その雄螺条
５に螺合するキャップ１６を設ける。

【００１１】最下段のボトルは、その下方に連結される
ボトルを有しないので、凹所及び雌螺条を設けなくても
よい。なお、ここで言う凹所は、ボトルの首部から肩部
にかけての形状に対応する形状の雌螺条９を有する凹所
のことであって、ワインの壜の底に設けられているよう
な単なる凹所はここで言う凹所ではない。

【００１２】上段のボトルと下段のボトルとは、その連
結部の強度及び剛性を確保するために、雄螺条５と雌螺
条９を螺合して連結したときに、下段のボトルの肩部が
上段のボトルの底面に密着するようにすべきである。一
方下段のボトルの口を密閉するためには、下段のボトル
の口６と上段のボトルの凹所の奥面１２が密着する必要
がある。すなわち上段のボトルと下段のボトルとは、そ
の中心部と周縁部とにおいて密着する必要があり、その
点を考慮してボトルの形状及び寸法精度を設計するべき
である。しかしボトルの首部から肩部にかけて及びこれ
に対応する形状の凹所８は、ある程度の弾力を備えてい
るので、口部と肩部との両者を密着させることは、さし
て困難なことではない。

【００１３】雄螺条５は、ボトルの口６に近い部分、す
なわち首部に設けるのが、ボトルを密閉するうえで都合
が良い。一方雌螺条９は、肩部に設けるのが成形が容易
である。雌雄の螺条９、５を首部から肩部にかけての何
処に設けるかは、密閉性と成形性を考慮して定められ
る。雌螺条９を円周方向に複数に分割した螺条要素１３
の集合で形成した構造は、射出成形やブロー成形でボト
ルを成形するときの雌螺条９の成形を容易にする。雌螺
条９の成形を容易にする他の構造として、雌雄の螺条
９、５をわずかに傾斜した円錐面上に形成する構造を挙
げることができる。前者の構造の場合は、分割した螺条
成形ピースを円周方向に進退させて、螺条要素１３の成
形及び脱型を行うことができる。また後者の場合は、螺
条成形ピースを螺条に沿って回しながら脱型するときの
脱型を容易にする。

【００１４】なお、最下段のボトルにも雌螺条を備えた
凹所を設けた上段のボトルと同じ構造としておけば、ボ
トルの形状が一種類で済み、従って金型が一種類で済む
ために金型コストを安くできるとともに、ボトルの連結
個数を任意に増減できるという特徴がある。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１及び図２は、本発明の第１実
施例を示したものである。本実施例の連結ボトルは、ポ
リエチレンテレフタレート製の一体成形品であり、円筒
形の胴部１と胴部の上縁の肩部２から上方中心に向けて
緩く絞られた口部３を備えている。口部３の外周には鍔
４と雄螺条５とが設けられており、口部３の上端は開放
されて注口６となっている。連結ボトルは、その底面７
に逆椀形に凹んだ凹所８を備えており、凹所８は肩部２
ないし口部３の形状に対応する形状である。凹所の奥側
には周面に雌螺条９を有するくぼみ１１が設けられてお
り、くぼみの底１２にパッキンが固着されている。雌螺
条９のピッチは、口部３の雄螺条５のピッチと同一であ
る。

【００１６】図２は凹所の雌螺条９を下方から見た図で
あり、雌螺条９のねじ山１３は円周方向に１２０度離れ
た位置に分割して形成されており、ねじ山相互間の間隙
１４の長さとねじ山１３の長さとは略同一である。この
ように雌螺条９を複数のねじ山１３に分割した構造とす
れば、脱型が容易になる。

【００１７】図３は前記実施例の連結ボトルの使用状態
を示したものである。連結ボトル１５は、３個縦方向に
連結されており、上段及び中段のボトル１５、１５は図
１に示した構造である。下段のボトルはその底面７に凹
所８及び雌螺条９が設けられておらず、平坦な底面を備
えている。上段のボトル１５に例えば炭酸飲料を入れて
キャップ１６を締め、中段のボトルに例えばジュースを
入れてその雄螺条５を上段のボトルの雌螺条９に螺合す
る。下段のボトル１５に例えばワインを入れてその雄螺
条５を中段のボトル１５の雌螺条９に螺合する。このよ
うに連結されたボトルは一体化しており、ホトル相互を
テープや紐等で緊締する必要がない。また、中段及び下
段のボトルの注口６が上段及び中段のくぼみの底１２の
パッキンにより密閉されており、たとえば中段のボトル
のジュースを飲みたくなったら、上段のボトルと中段の
ボトルとを相対回動して、上段のボトルを取り外す。こ
れにより中段のボトルの注口６が開放され、コップ等に
注ぎ込むことができる。注ぎ終わったら、上段のボトル
の雌螺条９に中段のボトルの雄螺条５を螺合させること
により、両者を一体化するとともに中段のボトルの注口
６を密閉する。

【００１８】図４は本発明の第２実施例を示したもので
ある。本実施例の連結ボトル１５は肩部２にテーパ状の
雄螺条５を備えており、口部３に雄螺条５を備えていな
い。ボトルの凹所の奥側には、口部３に嵌合するくぼみ
１１が設けられており、くぼみの周面に雌螺条９が設け
られていない。凹所８の中間位置（肩部の雄螺条に対向
する位置）には逆テーパ状の雌螺条９が設けられてお
り、この雌螺条９のピッチと肩部９の雄螺条５のピッチ
は同一である。下段のボトルの口部３を上段のボトルの
くぼみ１１に嵌装させ、上段のボトルの雌螺条９に下段
のボトルの雄螺条５を螺合して連結する。最上段のボト
ル１５の口部は、裁頭円錐形のキャップ１６によって密
閉される。このキャップ１６はその下部内側にボトルの
雄螺条５に螺合する雌螺条１７が設けられており、内面
奥側中央に口部３に螺合する嵌合孔１８が設けられてい
る。嵌合孔の底には注口６を密閉するパッキンが固着さ
れている。

【００１９】

【発明の効果】この発明の連結ボトルを用いれば、各ボ
トルにそれぞれ種類の異なる清涼飲料水を入れておくこ
とにより、嗜好に合わせた飲料の組み合わせを選択する
ことができ、たとえば炭酸飲料とジュースがともに必要
であるという場合に、１本の連結ボトルでその要求を満
足することができ、購入する際のボトルの運搬が容易に
なるとともに、冷蔵庫の貯蔵スペースを小さくすること
ができる。また、上段のボトルをつかんで持ち上げて
も、下のボトルが落下するということがないし、ボトル
の口を開閉するときは、下段のものを容器、上段のもの
を蓋という感覚で開閉できるので、ボトル内の飲料をコ
ップに注いだり、ボトルの口を密閉して冷蔵庫に戻す際
の手数も少なくて済む。また１個のボトルを開けても他
のボトルは密閉されたままであり、かつ連結単位となる
各ボトルは従来の大型ボトルより容量が小さいので、最
初に開栓されてから、長期間ボトルの中に残ることによ
って、炭酸が抜けたり酸化したりする程度を軽減するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のボトルの断面図

【図２】ボトルの雌螺条の下面図

【図３】ボトルの連結状態を示す斜視図

【図４】第２実施例のボトルの断面図

【符号の説明】

３ 口部 ５ 雄螺条 ６ 注口 ８ 凹所 ９ 雌螺条 12 くぼみの底 13 ねじ山 15 ボトル

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 口部ないし肩部の外周に雄螺条(5) を備
   え、底面に当該口部ないし肩部の形状に対応する形状の
   凹所(8) を備えるとともに、当該凹所の前記雄螺条(5)
   を設けた部分に対応する部分に当該雄螺条と螺合する雌
   螺条(9) を備え、連結されたボトル(15,15) の上段のも
   のの凹所(8) の奥面(12)が下段のボトルの口(6) を密閉
   することを特徴とする、清涼飲料水用連結ボトル。
2. 【請求項２】 ２個または３個以上連結されたボトルの
   最下段のもの(15)は、前記凹所(8) 及び雌螺条(9) を備
   えていないことを特徴とする、請求項１記載の清涼飲料
   水用連結ボトル。
3. 【請求項３】 雌螺条(9) は円周方向に分割された複数
   の螺条要素(13)の集合からなることを特徴とする、請求
   項１または２記載の清涼飲料水用連結ボトル。