JPH10161525A - 光の入射，反射角学習具及び動画生成学習具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の入射，反射角が等しいことを簡易に学習
できる学習具と該学習具の構成を利用した動画生成学習
具を提供する。 【解決手段】 底部壁９と、底部壁に軸支された円盤５
と、円筒壁４、外部壁１、及び仕切り壁２によりなる側
壁と、反射板６と、円盤の角度を自在に設定できる回転
手段とを含んでなり、側壁の外部から円盤の軸心に光を
入射させるようにした穴３ａ，３ｂを側壁に設けるとと
もに、軸心を中心とした角度目盛を円盤上に設け、反射
板６で反射した入射光が側壁の内部に投影光として投影
されるようにすることにより、反射板における光の入
射，反射角を読み取ることができるようにする。また、
円筒壁内部に連続動作を表す複数のコマよりなるイメー
ジ（図示せず）を設けることにより、円盤の回転動作に
伴って外部から穴３ａ，３ｂを通して動画（パラパラま
んが）を見ることができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、教育産業の学生向
け教材に関し、例えば、小学校低学年の理科の授業で、
光の性質を鏡で実験するときの学習教材として利用でき
る光の入射，反射角学習具及び動画生成学習具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】小学校低学年の理科の授業で、光の入射
角，反射角は相等しいという光の性質を鏡を用いて実験
する場合、例えば、教室で任意の所に鏡を配置し、その
鏡に対してある方向より光（太陽光もしくは人工光源
光）を当てる。そして、分度器の中心を鏡面に置き、鏡
に対する入射光の入射角及び天井や壁に写し出された反
射光の反射角を分度器で測定するが、その場合、測定す
る角度は不正確であるといえる。すなわち、天井や壁に
写し出された光は拡大されているため、正確な反射光の
光路を決めにくいことと、また、光源よりの入射した光
についても、測定しようとする入射角度の延長線にある
光源（太陽光、ライト）の径が大きいため、正確な入射
光路を決めにくいことが測定の不正確の要因となってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように従来は、鏡
を使って光の入射角及び反射角は相等しいという光の性
質を観る実験では、その測定値が不正確であり、簡便か
つ適当な実験を行なうことができる学習具がなかった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、
鏡を使った光の入射角及び反射角は相等しいという光の
性質を観る実験を簡易かつ正確にできる光の入射，反射
角学習具と、このような学習具の構成を利用して連続的
なコマに描かれたイメージを動画としてみることができ
る動画生成学習具を提供することをその解決すべき課題
とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、底部
壁と、該底部壁に正逆に回転可能に軸支された円盤と、
該円盤の周囲を囲んで設けられる側壁と、前記円盤上に
垂設され前記円盤の軸心上に反射面を有する反射板と、
前記円盤を回転させて前記反射板の角度を自在に設定で
きる回転手段とを含んでなり、前記側壁の外部から前記
円盤の軸心に光を入射させることができるようにした穴
または切り欠きを前記側壁に設けるとともに、前記軸心
を中心とした角度目盛を前記円盤上に設けるようにし、
前記側壁の外部から入射した入射光が前記反射板で反射
し、前記側壁の内部に投影光として投影されるようにす
ることにより、前記反射板における光の入射角及び反射
角を前記角度目盛により読み取ることができるようにし
たことを特徴とするもので、もって、入射角及び反射角
を読み取る実験を容易にかつ精度高く行なうことができ
るようにしたものである。

【０００５】請求項２の発明は、請求項１記載の光の入
射，反射角学習具において、前記側壁は前記底部壁の周
囲に沿って設けられた外部壁と、該外部壁に囲まれた空
間を仕切る仕切壁と、前記円盤の周囲に内面が隣接して
設けられる円筒形状の円筒壁とにより構成され、前記投
影光が前記円筒壁の内面に投影されるようにしたことを
特徴とするもので、もって、入射角及び反射角を読み取
る実験を容易にかつ精度高く行なうことができるように
したものである。

【０００６】請求項３の発明は、請求項１または２記載
の光の入射，反射角学習具において、前記底部壁，前記
側壁，前記円盤及び前記反射板を支える反射板支えの展
開図と該展開図の折り目を描いた用紙から、前記各展開
図を切り抜いて、前記用紙とは別に用意される前記反射
板と前記回転手段とにより、組み立てることができるよ
うにしたことを特徴とするもので、もって、遊持性をも
含み、製作コストも安価な学習具を得るようにしたもの
である。

【０００７】請求項４の発明は、請求項１または２記載
の光入射，反射角測定器において、アンダーカット加工
の必要がない形状とすることにより、樹脂による成形加
工を容易化するようにしたことを特徴とするもので、も
って、安価な学習具を得るようにしたものである。

【０００８】請求項５の発明は、底部壁と、該底部壁に
正逆に回転可能に軸支された円盤と、前記円盤の周囲に
内面が隣接して設けられる円筒形状の円筒壁を含み、前
記円盤筒の周囲を囲んで設けられる側壁と、前記円盤上
に垂設され前記円盤の軸心上に反射面を有する反射板
と、前記円盤を回転させる回転手段とを含んでなり、前
記側壁の外部から前記反射面を視認できるように穴また
は切り欠きを前記側壁に設け、前記円筒壁の内面の周方
向に、複数のコマによって連続動作を表現する絵または
写真を設けることにより、前記回転手段を動作させるこ
とによって発生する前記円盤の回転に伴って、前記穴ま
たは切り欠きを通して前記反射板に写し出される前記複
数のコマを前記連続動作として見ることができるように
したことを特徴とするもので、もって、簡便で遊持性の
ある動画生成学習具を得るようにしたものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明による光の入射，反
射角学習具及び動画生成学習具の実施形態を添付された
図面を参照して具体的に説明する。なお、実施形態を説
明するための全図において、同一の作用をする部分には
同一の符号が付してあり、その繰り返しの説明は省略す
る。

【００１０】図１は、本発明による光の入射，反射角学
習具の一実施形態を説明するための学習具の斜視図で、
図中、１は外部壁、２は仕切壁、３ａ，３ｂは溝穴、４
は円筒壁、５は円盤、６は反射板、７は標線、８は反射
板支え、９は底部壁である。外部壁１と仕切壁２には光
を通過させるための溝穴３ａ，３ｂが設けられている。
この溝穴３ａ，３ｂを通過した光は、底部壁９に対して
正逆に回転可能に取り付けられた円盤５上に設けられた
反射板６に反射する。図示しない円盤の回転手段によ
り、円盤の回転軸を中心にして回転させ、反射板６を任
意の角度に設定することにより、反射する光の角度も追
従し、反射光は中空な円筒４の内面に溝穴３の形状の投
影光を映し出す。映し出された溝穴形状の投影光の位置
と、円盤５の表面に設けられている反射角度割り出し目
盛りにより反射板６における反射角の角度を読む。次
に、仕切壁２の溝穴３ｂの中心に設けられている標線７
により入射角を読み、光の入射角と、反射角は相等しい
ことを使用者が学習する。

【００１１】図２は、図１に示した学習具の円盤と、該
円盤上に設けられた反射板と反射角及び入射角割り出し
目盛りを示す図であり、円盤を含む要部の平面図を
（Ａ）に、側面図を（Ｂ）に示すものである。図中、５
１は反射角目盛、５２は入射角目盛、１０はつまみであ
る。円盤５は、反射度及び入射角割り出し用の目盛り５
１，５２を備え、円盤５の回転手段であるつまみ１０に
よって任意の角度に動かすことができる。つまみ１０の
中心線に一致する円盤５の回転軸を中心として、円盤５
の表面に反射角目盛５１及び入射角目盛５２を９０度ず
つ割り振って設けてある。反射板６は、その反射面が円
盤５の回転軸に沿うように設置され、反射板６が円盤５
に対して直角を保つように反射板支え８で支えられてい
る。

【００１２】次いで、図３及び図２を参照して入射，反
射角性質を観察するための実験例について説明する。図
３は、図１及び図２に示した本発明の学習具により実験
を行ったときの一例を示す学習具の斜視図で、図中、１
１は入射光、１２は反射光、１３は投影光、Ｓは光源で
ある。光源Ｓより発射され学習具に入射した入射光１１
は、２カ所の溝穴３ａ，３ｂを通過して、該入射光１１
に対して３０度傾けた反射板６の中央部に当たり反射す
る。反射光１２は、円筒壁４の内面に溝穴形状の投影光
１３を映し出す。その投影光１３の位置から反射角度目
盛り５１を用いて、その反射角度が３０度であることを
読む。また、仕切壁２の溝穴３ｂの中心に設けてある標
線７から入射角度用目盛り５２を用いて入射角度が３０
度であることを読みとる。このとき円筒壁４の内面は光
を映し出しやすくするために着色してある。

【００１３】次いで、本発明による入射，反射角学習具
の他の実施形態を図４及び図５を参照して説明する。図
４は、本発明による学習具の他の実施形態を説明するた
めの学習具を組み立てる用紙を示す図で、図中、１４は
壁部構成部材である。図５は、図４に示した用紙から本
発明による学習具の他の実施形態を組み立てたときの学
習具の斜視図である。図４に示すように、光の入射，反
射角学習具を展開図と該展開図における輪郭線，縁取り
に沿った切り抜き（ミシン目）と、折り目（谷折り，山
折り）を予め設けてある用紙を用いて、必要な各部材を
切り抜いて紙工作により学習具を組立てる。この実施形
態は、遊びと学習をかねた教材であり部品点数が少ない
ので、短時間で組み立てて、図５に示すような完成品と
することが可能である。教材用紙は、壁部構成部材１
４，円筒壁４，円盤５及び反射板支え８により構成され
別部品として、反射板６及び中心軸（つまみ）１０の部
品が付属している。また、反射板支え８には反射作用を
する物（印刷，アルミ箔，銀紙，鏡，その他）を付加し
てもよい。

【００１４】次いで、図６及び図７を参照してアンダー
カット加工をなくして樹脂により成形を容易化した光の
入射，反射角学習具の実施形態を説明する。図６は、本
発明による学習具の更に他の実施形態を説明するための
学習具の斜視図である。図６に示すように、この実施形
態では、光の入射，反射角学習具をプラスチックで作り
やすいようにアンダーカット加工をなくした。その具体
的な内容として、 （１）円筒壁４を含む壁部全体を一体で成形し、このと
き２カ所の溝穴３ａ，３ｂを上部に開口した溝形状とし
た。 （２）円盤５と中心軸（つまみ）１０及び、反射板支え
８を一体にした。上記のように構成されているので完成
品キットとして提供できる。

【００１５】図７は、本発明による学習具の更に他の実
施形態を説明するための学習具の斜視図で、図中、１５
は光を通す溝部（照準部）である。図７に示すように、
この実施形態においても、図６に示す実施形態と同様に
アンダーカット加工をなくし、一体成形を図っている。
すなわち、円筒壁４と光を通す溝部（照準部）１５を含
む壁部全体を一体で成形した部品と、円盤５と中心軸
（つまみ）１０及び、反射板支え８を一体で成形した部
品（図６参照）と、反射板６（図６参照）の３つの部品
で構成し完成品キットとして提供できる。

【００１６】図８は、本発明による動画生成学習具の一
実施形態を説明するための学習具の斜視図で、動画用の
画像を内面に設けた円筒壁を示す側面図と平面図を
（Ａ）に、円筒壁の内側に設けられる画像例を（Ｂ）
に、動画生成学習具全体の斜視図を（Ｃ）に示すもので
ある。図中、１６は薄膜、１７は円筒内面に設けられた
画像である。この実施形態は、前述してきた光の入射，
反射角学習具の構成を用いて、反射板に映る動画（パラ
パラまんがのようなもの）を見ることができる遊技性を
持った教材を構成するものである。図８（Ａ）に示すよ
うに、円筒壁４の内面に動画を見るための画像１７を設
け、円筒壁４の上面には薄膜１６を設置する。この薄膜
は、円筒内部の照明手段として日光及び蛍光灯，電灯の
光が通過して絵の内容が伴るような膜（例、白紙，雲り
硝子のように光を通す材質の薄膜、その他）を使用す
る。また、画像１７は、図８（Ｂ）に示すように、連続
動作をコマごとに描写したまんが、もしくは写真を表面
に貼付ないし印刷した紙片のような部材であり、円筒壁
４の内面形状に合わせて設計され、円筒壁４の内面に対
して着脱自在であるように設けられる。使用者は、溝穴
３ａを矢印Ｖの方向から覗き込んで、図示しないつまみ
（前記入射，反射角学習具におけるつまみ１０に該当す
るもの）を持って、反射板６を自在に回すことにより、
特別なコマ送り装置などは必要とせず、指先で自在に絵
を見るスピードをコントロールするように回す動作を行
うことにより、反射板６に連続的に写し出される円筒壁
４の内面の画像が、例えば、パラパラまんがのような動
画として見ることができる。また、前述の薄膜１６を設
けることにより円筒壁４の画像が外側からみえにくくな
り、より遊技性が高まる機能を有している。

【００１７】

【発明の効果】

請求項１，２の発明の効果：本発明による光の入射，反
射角学習具により、例えば、小学校低学年の理科で、光
の性質（光の入射角及び反射角は相等しい）を観る場合
に、容易かつ高精度に実験することができる学習具が得
られる。

【００１８】請求項３の発明の効果：光の入射，反射角
学習具を用紙表面に展開図と該展開図の輪郭線，縁取り
に沿った切り抜き（ミシン目）及び折り目をつけた用紙
を用いて、紙工作で組立てられるようにしたことによ
り、教育，遊技性を含む教育用教材であり、製作コスト
も安価な学習具が得られる。

【００１９】請求項４の発明の効果：光の入射，反射角
学習具をプラスチックで作る場合、アンダーカット部が
あると金型の製作コストが高くなると共に、型の寿命が
短くなるが、この発明でアンダーカットをなくした形状
にしたことにより、学習具の製作コストが安価になる。

【００２０】請求項５の発明の効果：連続動作の１コマ
まんが、または、写真を円筒壁の内面に施し、溝穴より
覗きながら反射板を回すことにより反射板に映し出され
たまんが、または、写真の動画（パラパラまんが）を見
ることができ、簡便で遊技性ある動画生成学習具が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による光の入射，反射角学習具の一実
施形態を説明するための学習具の斜視図である。

【図２】 図１に示した学習具の円盤と、該円盤上に設
けられた反射板と反射角及び入射角割り出し目盛りを示
す図である。

【図３】 図１及び図２に示した本発明の学習具により
実験を行ったときの一例を示す学習具の斜視図である。

【図４】 本発明による学習具の他の実施形態を説明す
るための学習具を組み立てる用紙を示す図である。

【図５】 図４に示した用紙から本発明による学習具の
他の実施形態を組み立てたときの学習具の斜視図であ
る。

【図６】 本発明による学習具の更に他の実施形態を説
明するための学習具の斜視図である。

【図７】 本発明による学習具の更に他の実施形態を説
明するための学習具の斜視図である。

【図８】 本発明による動画生成学習具の一実施形態を
説明するための学習具の斜視図である。

【符号の説明】

１…外部壁、２…仕切壁、３ａ，３ｂ…溝穴、４…円筒
壁、５…円盤、６…反射板、７…標線、８…反射板支
え、９…底部壁、１０…つまみ、１１…入射光、１２…
反射光、１３…投影光、１４…壁部構成部材、１５…光
を通す溝部（照準部）、１６…薄膜、１７…円筒内面に
設けられる画像、５１…反射角目盛、５２…入射角目
盛、Ｓ…光源、Ｖ…矢印。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部壁と、該底部壁に正逆に回転可能に
   軸支された円盤と、該円盤の周囲を囲んで設けられる側
   壁と、前記円盤上に垂設され前記円盤の軸心上に反射面
   を有する反射板と、前記円盤を回転させて前記反射板の
   角度を自在に設定できる回転手段とを含んでなり、前記
   側壁の外部から前記円盤の軸心に光を入射させることが
   できるようにした穴または切り欠きを前記側壁に設ける
   とともに、前記軸心を中心とした角度目盛を前記円盤上
   に設けるようにし、前記側壁の外部から入射した入射光
   が前記反射板で反射し、前記側壁の内部に投影光として
   投影されるようにすることにより、前記反射板における
   光の入射角及び反射角を前記角度目盛により読み取るこ
   とができるようにしたことを特徴とする光の入射，反射
   角学習具。
2. 【請求項２】 前記側壁は前記底部壁の周囲に沿って設
   けられた外部壁と、該外部壁に囲まれた空間を仕切る仕
   切壁と、前記円盤の周囲に内面が隣接して設けられる円
   筒形状の円筒壁とにより構成され、前記投影光が前記円
   筒壁の内面に投影されるようにしたことを特徴とする請
   求項１記載の光の入射，反射角学習具。
3. 【請求項３】 前記底部壁，前記側壁，前記円盤及び前
   記反射板を支える反射板支えの展開図と該展開図の折り
   目を描いた用紙から、前記各展開図を切り抜いて、前記
   用紙とは別に用意される前記反射板と前記回転手段とに
   より、組み立てることができるようにしたことを特徴と
   する請求項１または２記載の光の入射，反射角学習具。
4. 【請求項４】 アンダーカット加工の必要がない形状と
   することにより、樹脂による成形加工を容易化するよう
   にしたことを特徴とする請求項１または２記載の光の入
   射，反射角学習具。
5. 【請求項５】 底部壁と、該底部壁に正逆に回転可能に
   軸支された円盤と、前記円盤の周囲に内面が隣接して設
   けられる円筒形状の円筒壁を含み、前記円盤筒の周囲を
   囲んで設けられる側壁と、前記円盤上に垂設され前記円
   盤の軸心上に反射面を有する反射板と、前記円盤を回転
   させる回転手段とを含んでなり、前記側壁の外部から前
   記反射面を視認できるように穴または切り欠きを前記側
   壁に設け、前記円筒壁の内面の周方向に、複数のコマに
   よって連続動作を表現する絵または写真を設けることに
   より、前記回転手段を動作させることによって発生する
   前記円盤の回転に伴って、前記穴または切り欠きを通し
   て前記反射板に写し出される前記複数のコマを前記連続
   動作として見ることができるようにしたことを特徴とす
   る動画生成学習具。