JPH10160149A - 高分子有機材料の加熱処理方法 - Google Patents

高分子有機材料の加熱処理方法

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JPH10160149A
JPH10160149A JP8320200A JP32020096A JPH10160149A JP H10160149 A JPH10160149 A JP H10160149A JP 8320200 A JP8320200 A JP 8320200A JP 32020096 A JP32020096 A JP 32020096A JP H10160149 A JPH10160149 A JP H10160149A
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JP
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gas
furnace
air
combustion
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Withdrawn
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JP8320200A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Nakasuji
正章 中筋
Hiroshi Kato
寛 加藤
Masaaki Kondo
雅昭 近藤
Hiroshi Ishibashi
博 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DENSEN SOGO GIJUTSU CENTER
Furukawa Electric Co Ltd
Fujikura Ltd
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Hitachi Cable Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
SWCC Corp
Original Assignee
DENSEN SOGO GIJUTSU CENTER
Furukawa Electric Co Ltd
Fujikura Ltd
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Hitachi Cable Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Coke Industry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油化原料である高分子有機廃材が無機物を殆
ど含有しないものであっても、高分子有機廃材に対する
加熱処理を確実にかつ効率良く行う。 【解決手段】 ガス発生炉1内に架橋ポリエチレン製の
絶縁被覆廃材等を切断した高分子有機廃材を原料として
充填するに当り、全体に対する容積比で30%以上の量
の多数の片状木材を原料中に混合してガス発生室11内
の原料中に木材が積み重ね状態となって火格子の役割を
果たすように混在させる。炉下部から空気供給手段52
により空気を吹き込みながら燃焼バーナ17により底部
の原料を着火した後、燃焼バーナを停止し、以後、空気
の吹き込みのみ継続して原料の一部の自己燃焼を続けて
その燃焼熱により原料を熱分解させる。熱分解により生
成された乾留ガスを油分回収手段2で気液分離して油分
を回収する。原料が熱溶融により流動しても積み重なっ
た木炭により下方流動がせき止められ、空気が流通する
隙間が確保される上、流動した原料が各木炭を覆って受
熱面積の拡大により熱分解が促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱することによ
り流動性を示す熱可塑性の高分子有機材料を対象として
炉内で加熱処理する高分子有機材料の加熱処理方法に関
し、特に、炉内下部から気体の供給を受けながら熱分解
もしくは焼却を行う場合の加熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の高分子有機材料の加
熱処理方法として、高分子有機廃材から油分を回収する
ために行われるものが知られ、これを実施するためのシ
ステムとして図1に示すような乾留式油化装置が知られ
ている。この乾留式油化装置は、上記高分子有機廃材を
熱分解することにより乾留ガスを発生させるガス発生炉
1と、発生した乾留ガスを冷却することにより乾留ガス
中に含まれる油分を分離回収する油分回収手段2と、油
分を回収した残りの可燃成分を燃焼処理等して無公害化
する排ガス処理手段4とから基本構成されている。ここ
で、上記のガス発生炉1としては特開平5−18042
5号公報および特開昭62−17513号公報により、
上記油分回収手段2における熱交換器22および回収方
法としては特開昭62−1431号公報および特開昭6
2−1432号公報によりによりそれぞれ開示されてい
る。
【0003】そして、このような乾留式油化装置を用い
て原料としての高分子有機廃材を加熱処理する手順は、
まず、傾斜多段式に構成された炉内11の上部の熱分解
部および下部の自己燃焼部内に原料を充填し、その自己
燃焼部に空気供給手段52により外部から空気を供給し
ながらその自己燃焼部内の原料を燃焼バーナ17により
燃焼させる。そして、原料が燃焼し始めた後、上記燃焼
バーナ17を停止する一方、上記の空気の供給を継続し
て原料の一部を自己燃焼させ続け、その燃焼熱により熱
分解部の原料を熱分解させて乾留ガスを生成する。
【0004】次に、この乾留ガスを上記油分回収手段2
に導出して、熱交換器22,23,24に通すことによ
り冷却し、気液分離した油分を油貯蔵タンク27,28
に回収する。そして、上記排ガス処理手段4において、
油分として回収されずに乾留ガス内に残った低炭素数成
分を2次燃焼室41で完全燃焼させ、この2次燃焼室4
1での燃焼排ガスを消煙用の熱交換器42、洗浄集塵用
の洗煙塔43、および、ミストセパレータ44に通し、
これにより無公害化した清浄ガスを煙突45から外気に
排出する。
【0005】以上、要するに、上記の従来の加熱処理方
法は、ガス発生炉1の炉内11の下部から空気を供給し
ながら原料の一部を自己燃焼させ続け、その燃焼熱によ
り残りの原料を熱分解させて乾留ガスを生成するもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
高分子有機材料の加熱処理方法においては、以下の不都
合が生じる。すなわち、原料の一部が自己燃焼している
ため、炉内11の原料は1000℃近くの高温から投入
直後の常温までの比較的広い温度分布を有することにな
る。このため、炉内11の原料の内、例えば400℃の
熱分解温度に達した原料は熱分解する一方、200℃以
上で熱分解温度までには至っていない原料は流動性を示
すようになる。そして、原料である高分子有機廃材が他
の無機物を殆ど含まず100%近くが高分子有機材料で
占められている場合には、その原料が炉内11の下方に
流れ出すことになる。この流れ出した原料が炉内11の
下部に溜まり、原料同士の間の隙間を埋めて原料同士が
互いに接着して一体化してしまうと、炉内11の下部か
ら供給される空気の炉内11を流通する隙間が減少して
吹き込みの抵抗となったり、上記隙間自体が全くなくな
ったりして、所定量の空気の供給が行い得ないことにな
る。この結果、安定した自己燃焼、すなわち、安定した
加熱処理を維持させ得なくなる。その上、上記の流れ出
した原料が炉内で部分的にせよ一体化して大きな固まり
となってしまうと、その固まりの外表面部分でしか熱分
解が進まなくなり、熱分解速度が極端に低下して加熱処
理の大幅な効率低下を招くことになるという不都合があ
る。
【0007】その反面、上記高分子有機廃材が電線の絶
縁被覆の一種であるゴム材料のように炭酸カルシウムや
タルク等の無機物を含有するものであって、その無機物
の含有量が比較的多いものである場合には、純粋なゴム
分が流動する温度まで加熱されてもその流動が上記含有
無機物により抑制されて上記の如く下方に流れ出して一
体化するまでには至らず、上記の如き不都合は生じない
ことが、本発明者により確認されている。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、加熱対象の原
料である高分子有機材料が無機物を殆ど含有しないもの
であっても、その高分子有機材料に対する加熱処理を確
実にかつ効率良く行うことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、炉内に棒状もしくは片状の
高分子有機材料を原料として充填し、炉内下部から気体
を供給しながら上記原料を加熱処理する高分子有機材料
の加熱処理方法を前提とするものである。このものにお
いて、上記炉内に充填する原料に対し、加熱処理されて
も固体形状を維持する材質と所定の大きさとを有する多
数の片状混合物を、原料中に無作為の積み重なり状態で
混在するように混入し、この積み重なり状態にされた混
合物によって、加熱処理により流動する原料の下方への
移動をせき止める一方、上記混合物相互間に上記気体が
流通し得る上下方向の隙間を維持させながら加熱処理す
る構成とするものである。
【0010】上記の構成の場合、炉内に原料として充填
された高分子有機材料が熱溶融温度まで加熱されても、
混入された多数の混合物は依然として固体形状を維持し
て上記原料中に積み重なり状態で混在している。このた
め、上記熱溶融温度まで加熱されて原料が流動状態にな
るに至っても、上記積み重なり状態で混在している多数
の混合物によって上記原料の下方への流動がせき止めら
れ、これにより、気体が供給される炉内下部に上記流動
状態の原料が一体となって溜まるという現象の発生が阻
止される。加えて、上記原料が流動状態に至っても、そ
の流動した原料が各混合物の表面を覆って拡がることに
なり、これにより、流動状態になっても原料の受熱のた
めの表面積を拡大させて加熱処理の効率化が図られる。
さらに、その積み重なり状態の混合物相互間に残る隙間
を通して上記気体の流通通路が確保されているため、以
後の加熱処理が安定かつ確実に行い得る。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における気体を空気とし、供給される空気により炉内
下部の原料の一部を自己燃焼させ続け、その燃焼熱によ
り上記原料の他部を熱分解させるようにするものであ
る。
【0012】上記の構成の場合、炉内下部の原料の一部
が着火された後、空気の供給を受けて自己燃焼を続け、
この燃焼熱により上方の原料が加熱される。そして、熱
分解温度まで到達すると原料が熱分解されて乾留ガスが
生成される。上記の燃焼熱による加熱の際、熱分解温度
に到達するまでの途中の熱溶融温度段階で、上記燃焼熱
により原料が流動状態になっても、上記の如く、積み重
ね状態の混合物によってその流動状態の原料の下方流動
がせき止められて空気の流通する隙間が確保されている
ため、上記自己燃焼が安定的に維持され熱分解温度まで
の加熱処理を確実に行い得る。しかも、上記原料が流動
状態になってもその原料が各混合物の表面を覆った状態
になって表面積が増大されるため、その広い面積で熱分
解が進み熱分解の効率化が図られる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明における気体を高温ガスとし、この高温ガスを炉内下
部から吹き込むことにより原料を熱分解させるようにす
るものである。
【0014】上記の構成の場合、炉内の原料が下部から
供給される高温ガスによって加熱され、熱分解温度まで
到達すると原料が熱分解されて乾留ガスが生成される。
この加熱の際、熱分解温度に到達するまでの途中の熱溶
融温度段階で、原料が流動状態になっても、上記の如
く、積み重ね状態の混合物によってその流動状態の原料
の下方流動がせき止められて高温ガスの流通する隙間が
確保されているため、高温ガスの原料に対する供給が安
定的に維持されその高温ガスとの接触により熱分解温度
までの加熱処理を確実に行い得る。しかも、上記原料が
流動状態になってもその原料が各混合物の表面を覆った
状態になって高温ガスと接触し得る表面積が増大される
ため、熱分解がより一層進み熱分解の効率化が図られ
る。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明における気体を空気とし、この空気を炉内下部から供
給することにより原料を燃焼させて焼却させるようにす
るものである。
【0016】上記の構成の場合、炉内の原料が下部から
供給される空気により燃焼され焼却される。この焼却過
程において、燃焼による熱を受けて上部の未燃焼の原料
が流動状態になっても、上記の如く、積み重ね状態の混
合物によってその流動状態の原料の下方流動がせき止め
られて空気の流通する隙間が確保されているため、その
空気の供給が安定的に維持され上部の原料を確実に燃焼
させることが可能になる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明における混合物を、炉内の大きさとの関係で予め所定
の大きさに裁断された木材とするものである。また、請
求項6記載の発明は、請求項5記載の発明における木材
として木質廃材を用いるものである。
【0018】上記の構成の場合、原料が炉内に充填され
た状態では、その原料中に片状の多数の木材が積み重ね
状態で混在されている。そして、加熱処理が行われて
も、上記多数の木材は炭化されて木炭となって固体形状
を維持し、上記の積み重ね状態を維持することになる。
これにより、請求項1記載の発明における混合物が具体
的に特定されて、請求項1記載の発明による作用を確実
に得ることが可能になる上、上記木炭を土壌改良材等と
して有効利用することが可能になる。特に、上記木材と
して間伐材、伐採された未利用立木、ダムに滞積した流
木、電線巻き付け用木製ドラム、梱包用木材、もしく
は、解体木材等の木質廃材を用いることにより、省資源
化及び資源の有効利用、さらには、廃材処分に要する省
エネルギー化を図り得る。
【0019】さらに、請求項7記載の発明は、請求項5
記載の発明において、木材を炉内の原料に対し容積比で
全体の30%以上混入させるようにするものである。
【0020】上記の構成の場合、原料中に積み重ね状態
の片状混合物が確実に混在することになり、流動状態の
原料のせき止め、及び、気体が流通する隙間の確保等が
効果的に得られる。この混合物の混入は、炉内に充填前
の原料に対し行ってもよいし、炉内に原料と混合物とを
交互に投入してサンドイッチ構造の層状に充填すること
により行ってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0022】本実施形態は、本発明の高分子有機材料の
加熱処理方法を、高分子有機廃材から油分を回収する乾
留式油化方法に適用したものであり、図1はその乾留式
油化方法を実施するための油化装置を示す。
【0023】同図において、1はガス発生炉、2はこの
ガス発生炉1で発生した乾留ガスから油分を分離回収す
る油分回収手段、4は排ガス処理手段である。
【0024】以下、上記油化装置の各構成要素について
説明すると、上記ガス発生炉1は、鉛直筒状の原料導入
部10と、乾留ガスを発生させるガス発生室11と、残
渣燃焼室12と、残渣回収部13とから基本構成された
ものであり、上記の原料導入部10を頂部としてガス発
生室11から残渣燃焼室12および残渣回収部13にか
けて各底面が階段状でかつ下り勾配にされて全体として
傾斜多段式に構成されている。そして、上記ガス発生室
11は、下部の自己燃焼部と、上部の乾留ガスを発生さ
せる熱分解部とを備えている。
【0025】上記原料導入部10の頂部には原料を供給
するバケットコンベア14が連結されており、また、内
部には各一対の開閉板が略V字状配置で相対向するよう
に構成された3つの開閉ダンパー15a,15b,15
cが所定の上下間隔毎に設けられている。そして、上記
バケットコンベア14により搬送された原料が上記頂部
から閉状態の上側開閉ダンパー15a上に投入され、3
つの開閉ダンパー15a,15b,15cの3段階の開
閉作動により外気の侵入を可及的に防止しかつ原料の予
熱乾燥を図った状態で原料を上記ガス発生室11に充填
するようになっている。
【0026】上記ガス発生室11は、上記原料導入部1
0側が各開閉ダンパー15a,15b,15cにより、
残渣燃焼室12側が開閉ゲート16aによりそれぞれ仕
切られて密閉状態になるようにされている。上記ガス発
生室11の下部には、燃焼バーナ17が設けられるとと
もに、空気供給手段52の下流端が接続されている。ま
た、上記ガス発生室11の最上部には、乾留ガス導出管
20の上流端が図示省略の開閉弁を介して接続されてい
る。
【0027】上記残渣燃焼室12は、ガス発生室11側
の開閉ゲート16aと、残渣回収部13側の開閉ゲート
16bとにより密閉可能になっており、内部で上記の熱
分解された後の残渣を外気導入下で燃焼させるようにな
っている。また、上記残渣回収部13には冷却水槽13
aと図示省略の回収コンベアとが設けられ、上記残渣燃
焼室12での燃焼後の残渣が上記冷却水槽13aで冷却
されて回収されるようになっている。なお、上記残渣燃
焼室12には図示省略の排ガス導出管が接続されてお
り、この排ガス導出管によって燃焼排ガスを排ガス処理
手段4の2次燃焼室41に送給するようにされている。
【0028】なお、図1中18a,18b,18cはそ
れぞれプッシャーであり、プッシャー18a,18bは
ガス発生室11内の原料の撹拌および残渣の残渣燃焼室
12への押し出しを行い、プッシャ18cは残渣燃焼室
12内の残渣の撹拌および燃焼後の残渣の残渣回収部1
3への押し出しを行うようになっている。
【0029】上記油分回収手段2は、乾留ガス導出管2
0を通して導出された乾留ガスに含まれる炭塵を除去す
るカーボンサイクロン21と、炭塵除去後の乾留ガスを
冷却して油分を分離回収する第1,第2および第3の各
熱交換器22,23,24と、この各熱交換器22,2
3,24で回収しきれなかった場合の油分回収及び後述
の2次燃焼室41からのガスの逆流防止を行うバブリン
グ槽25と、乾留ガスの吸引,圧送を行うブロワ26と
から構成されている。そして、上記第1熱交換器22を
通すことにより分離された油分が油タンク27に貯蔵さ
れる一方、上記第2および第3熱交換器23を通すこと
により分離された油分が油タンク28に貯蔵されるよう
になっている。
【0030】上記バブリング槽25はガス入口から導入
された乾留ガスを液中に気泡状態で通すことにより、そ
の乾留ガス中に含まれる水溶性成分を除去し、回収しき
れていない場合の油成分を回収し、かつ、ブロワ26側
からのガスの逆流を阻止するようになっている。そし
て、乾留ガスは、ガス出口からブロワ26に吸引され
て、その吐出側に接続された導管40を通して排ガス処
理手段4に送られるようになっている。
【0031】上記排ガス処理手段4は、上述の導管40
の下流端が接続された2次燃焼室41と、この2次燃焼
室41での燃焼により生じた燃焼排ガスの冷却を行う消
煙用熱交換器42と、冷却後の排ガスの洗浄集塵を行う
洗煙塔43と、ミストセパレータ44と、清浄ガスを外
気に排出させる煙突45とを備えている。
【0032】上記2次燃焼室41は、導管40を通して
導入される乾留ガスを空気供給下で燃焼させ、これによ
り、常温で気体であるため上記油分回収手段2で回収さ
れない、乾留ガス中に残った低炭素数成分を完全燃焼さ
せるようになっている。
【0033】次に、上記構成の油化装置を用いた油化処
理の手順を以下に説明する。
【0034】まず、ガス発生炉1のガス発生室11内
に、原料として高分子有機廃材を適当な長さ,大きさに
裁断して、原料導入部10を通して充填する。本実施形
態が好適に適用される原料は、熱可塑性を有する高分子
有機材料の全般であるが、特にポリエチレン,架橋ポリ
エチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリ
塩化ビニルの他、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム,クロロプレンゴム等であって純粋のもしくは添加物
を殆ど含有しない合成ゴム等が対象とされる。具体的に
は、廃棄電線から除去された、上記材料により形成され
た絶縁被覆材や保護被覆材等の廃材が原料として用いら
れる。なお、無機添加物が大量(例えば30〜70重量
%)に添加された電線被覆材そのものや、スチールワイ
ヤやカーボンを含むタイヤ等は、油化対象とはなるもの
の、その油化処理に際し本発明の混合物を混入した状態
で加熱を行う必要性に乏しく混合物を混入せずに材料そ
のままで油化処理の原料にすればよい。
【0035】また、上記の原料の充填に際し、ガス発生
室11のサイズに応じて適当な大きさに切断して片状と
した多数の木材を混合物として所定の容積比で上記原料
に混合する。この混合の方法は、上記原料のガス発生炉
1への投入前に原料と上記木材とを混ぜ合わせ、混合さ
れたものをガス発生炉1に投入するようにする、また
は、ガス発生炉1への投入を原料と木材とに別けて交互
に行って、ガス発生室11内に原料と木材とがサンドイ
ッチ状に層をなして充填されるようにする、のいずれを
採用してもよい。そして、この際、上記原料/木材の容
積比が70/30よりも木材が多くなるように混合する
のが好ましい。また、上記充填の際に、ガス発生室11
の空気供給手段52からの空気の吹き込み位置よりも下
側のいわゆるデッドスペースには原料を充填せずに木材
のみを余分に充填させておくのが好ましい。このデッド
スペースに原料を充填せずに木材をスペーサとしての役
割を果たすように充填させることにより、このデッドス
ペースに原料を充填した場合にその原料が後述の自己燃
焼や熱分解もされずに残留してしまうという事態が発生
することを防止することが可能となる。
【0036】以上で前準備が終了し、上記の如く投入さ
れることにより、ガス発生室11ではその上下範囲にわ
たり原料中に木材が互いに積み重なった状態で混在する
ことになる。
【0037】次に、起動段階では、ブロワ52aを作動
させて空気供給手段52から空気を吹き込みながらタン
ク51の燃料(灯油)により燃焼バーナ17を燃焼させ
てガス発生室11の自己燃焼部にある原料を着火させ
る。この燃焼バーナ17を所定時間(30分程度)燃焼
させることによりガス発生室11内の温度が上昇し上記
原料の一部が自己燃焼しだせば、上記燃焼バーナ17を
停止する。そして、以後は定常運転に移行し、この定常
運転では、上記の空気の吹き込みのみを継続させて原料
の一部(例えば全体の10〜15%)を自己燃焼させる
続けることにより、その燃焼熱により上方の熱分解部に
ある原料を熱分解させて乾留ガスを生成させ、油分回収
手段2において上記乾留ガスから油分を回収する。
【0038】この際、上記燃焼バーナ17の燃焼による
燃焼熱及び自己燃焼部の原料の自己燃焼による燃焼熱に
よって上方の熱分解部が加熱され昇温する。この加熱に
より熱溶融温度(例えば200℃以上)に達すると上記
熱分解部にある原料が溶融して流動し始め、熱分解温度
(例えば400℃以上)に達するとその原料が熱分解し
始める一方、上記熱分解部の原料中に混在している木材
はその表面が流動状態の原料により覆われて蒸し焼きの
状態になり上記400℃程度以上で炭化されて木炭とな
る。従って、上記木材は原料に対する加熱処理の全ての
工程において固体形状を維持して上記原料中に積み重な
り状態で混在していることになる。このため、上記熱溶
融温度まで加熱されて原料が流動状態になるに至って
も、上記積み重なり状態で混在している各木材の表面に
付着してその木材を覆うように流動はするものの、上記
原料の下方への流動がせき止められる。
【0039】そして、各木材の表面に拡がって受熱面積
が拡大した原料が上記燃焼熱を受けて効率的に昇温さ
れ、熱分解温度に達すれば各木材(木炭)の表面の全体
で原料の熱分解が生じる。以後も混合された木材が木炭
に変わりはするものの、積み重なり状態の木炭相互間に
空気が流通する隙間を維持し、この隙間を通じての燃焼
ガスの移動が確保される結果、空気供給手段52からの
空気の吹き込み抵抗を増大させることなく所定量の空気
の吹き込みが安定して維持されて、自己燃焼による加熱
を確実に継続して行い得る。
【0040】つまり、上記積み重なった多数の木材が、
原料の下方流動をせき止め、かつ、下からの空気を通過
させる火格子のような役割を果たすことになる。
【0041】従って、このような火格子のない場合に原
料が下方に流動して互いに接着することにより大きな固
まり状態になるという事態の発生が防止されて熱分解反
応の低下が防止されるとともに、流動状態の原料が各木
材(木炭)の表面を覆って受熱面積が拡大する結果、上
記熱分解反応の促進が図られるという効果を得ることが
できる。
【0042】また、上記木材としては乾燥している必要
はなく濡れて水分を含むものであっても使用することが
できるため、例えばダムに滞積した流木を用いることに
より廃棄資源の有効利用及び省資源化を図ることがで
き、さらに廃材処分の途を与えることができる。その
上、そのような廃材を木炭にして、土壌改良材等として
利用することができ、加熱処理の効率化,確実化に加
え、同時に有用資源の生成をも併せて行うことができ
る。
【0043】<他の実施形態>本発明は上記実施形態に
限らず、他の種々の実施形態をも包含するものである。
すなわち、上記実施形態では、加熱処理のための熱量を
起動段階に燃焼バーナ17の燃焼により、定常運転段階
に原料の一部の自己燃焼によりそれぞれ得ているが、こ
れに限らず、定常運転段階では、それまでに生成された
乾留ガスを燃焼させることにより得られる高温ガスを、
起動段階の空気吹き込みに変えてガス発生炉1の下部か
ら吹き込み、この高温ガスの熱により原料をほぼ無酸素
状態で原料のほぼ全量を熱分解させるようにしてもよ
い。この場合には、図2に示すように、乾留ガス燃焼手
段3を、ブロワ26からの乾留ガスを導入する乾留ガス
導入管30と、この乾留ガス導入管30により導入され
た乾留ガスを燃焼して無酸素状態の高温ガス(燃焼排ガ
ス)を生成する乾留ガス燃焼炉31と、この乾留ガス燃
焼炉31で生成された高温ガスをガス発生炉1のガス発
生室11に吹き込む高温ガス導出管32とで構成し、空
気の供給を遮断した状態でこの乾留ガス燃焼手段3によ
り高温ガスをガス発生炉1の下部から吹き込むようにす
ればよい。なお、図2中33は開閉弁、34はバブリン
グ槽、35は開閉弁弁36及びバブリング槽37を介し
て乾留ガスを2次燃焼室41にリターンさせて乾留ガス
の導入量を調整するリターン配管である。
【0044】また、上記の場合、高温ガスを乾留ガスの
燃焼排ガスにより得るようにしているが、これに限ら
ず、独立した高温ガス発生手段を別途設け、起動段階及
び定常運転段階のいかんを問わず、上記高温ガス発生手
段からの無酸素状態の高温ガスを吹き込むことにより、
原料の熱分解を完全乾留式で行なわせるようにしてもよ
い。この場合、上記の独立した高温ガス発生手段とし
て、例えばコークス炉もしくは灯油の燃焼炉等により構
成し、石炭,コークス,灯油もしくは液化石油ガス等を
燃料として、これらを燃焼させて得られる二酸化炭素
(CO2 )、一酸化炭素(CO)および窒素(N2 )等
からなる燃焼排ガスによって、高温で酸素ガスを含まな
い高温ガスを発生させるようにすればよい。
【0045】そして、このような高温ガス吹き込み方式
での加熱処理においても、木材の原料への混合により実
施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0046】また、上記実施形態では、高分子有機材料
から油分回収を目的として加熱処理を行う場合を説明し
たが、これに限らず、熱可塑性の高分子有機廃材を炉の
下部から空気を供給しながら焼却する場合に本発明を適
用してもよい。この場合においても、原料としての上記
高分子有機廃材に混合した木材によって、上記実施形態
と同様の作用が得られ、その焼却を確実に行うことがで
き、かつ、その効率化を図ることができる。
【0047】さらに、上記実施形態では混合物として片
状の木材を用いているが、これに限らず、加熱処理され
ても固体形状を維持する材質と所定の大きさとを有する
片状の固体であって、上記実施形態で説明した火格子の
ような役割を果たすものであれば、有機物や金属等の無
機物を問わずいずれのものも用いることができる。しか
も、特別なものである必要はなく、例えばスチール製の
空き缶等の種々の廃棄物を用いればよい。
【0048】
【実施例】架橋ポリエチレン(XLPE)製の絶縁被覆
材を所定長さの片状にしたものを原料として実施形態で
説明した自己燃焼による燃焼熱で加熱処理して油化処理
を行う場合について、混合する木材の量を容積比で原料
/木材の値を100/0、50/50、及び、70/3
0の3通りにしてそれぞれ試験した。
【0049】その結果、原料/木材の値が100/0の
場合には、熱溶融して流動した原料がガス発生炉1の底
部に溜まって大きな固まりとなって、自己燃焼させるた
めの空気の吹き込み抵抗が運転途中で増大し、このた
め、空気が吹き込み難くなってその空気の吹き込み量を
所定量よりも減らさざるを得なくなり、油化処理時間も
比較的長くなった。そして、試験終了後にガス発生炉1
内を確認したところ、原料であるXLPEが溶融後、炉
底部に一体となって固結して大きな固まりの状態で残っ
た。
【0050】一方、上記の原料/木材の値が50/5
0、及び、70/30の各場合には、運転途中で空気の
吹き込み量を減らす必要もなく安定して吹き込むことが
でき、試験終了後においてもXLPEがガス発生炉1内
に全く残存することはなく充填したXLPEは完全に熱
分解されていた。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における高分子有機材料の加熱処理方法によれば、原
料中に積み重なり状態で混在した多数の混合物が、熱溶
融して流動状態になるに至った原料の下方への流動をせ
き止め、かつ、気体の流通する隙間を確保する火格子の
役割を果たすため、下方に流動した原料が接着して大き
な固まりとなって炉底部に溜まってしまうという事態の
発生を防止することができる上、以後の加熱処理を安定
かつ確実に行うことができる。しかも、流動した原料が
各混合物の表面を覆って原料の受熱のための表面積を拡
大させて加熱処理の効率化を図ることができる。
【0052】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加え、炉内下部の原料の一部を自
己燃焼させ続けることにより原料を熱分解させる場合の
加熱処理においても、その自己燃焼を安定的に維持して
熱分解温度までの加熱処理を確実に行うことができる。
しかも、流動状態となった原料の受熱面積の拡大により
熱分解を効率的に行うことができる。
【0053】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加え、炉内の原料を下部から供給
される高温ガスによって加熱して熱分解させる場合の加
熱処理においても、原料が流動状態になっても上記高温
ガスの供給の維持及び供給された高温ガスと原料との接
触を維持して原料の熱分解温度までの加熱処理を確実に
行うことができる。しかも、流動状態となった原料の高
温ガスと接触し得る表面積の増大により、熱分解を促進
させて熱分解の効率化を図ることができる。
【0054】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加え、炉内の原料を下部から供給
される空気により燃焼して焼却する場合の加熱処理にお
いても、原料が流動状態になっても空気の供給を安定的
に維持して原料全体を確実に燃焼させて焼却させること
ができる。
【0055】また、請求項5記載の発明によれば、請求
項1記載の発明による効果に加え、加熱処理が行われて
も、木材は炭化されて木炭となって固体形状及び積み重
ね状態を維持して火格子としての役割を果たすため、請
求項1記載の発明による効果を簡易かつ確実に得ること
ができる上、上記木炭を土壌改良材等として有効利用す
ることが可能になる。特に、上記木材として請求項6記
載の発明の如く木質廃材を用いることで、省資源化及び
資源の有効利用、さらには、廃材処分に要する省エネル
ギー化を図ることができる。
【0056】さらに、請求項7記載の発明によれば、請
求項5記載の発明による効果に加え、原料中に積み重ね
状態の片状混合物が確実に混在することになり、流動状
態の原料をせき止め、及び、気体が流通する隙間を確保
するという火格子としての役割を効果的に果たさせるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を実施するための油化装置を
示す概略構成図である。
【図2】他の実施形態を実施するための油化装置を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
1 ガス発生炉(炉) 3 高温ガス発生手段 11 ガス発生室(炉内) 52 空気供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23G 5/02 ZAB F23G 5/02 ZABD 5/027 ZAB 5/027 ZABA 5/44 ZAB 5/44 ZABB // C10G 1/02 C10G 1/02 (71)出願人 000005120 日立電線株式会社 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号 (71)出願人 000002255 昭和電線電纜株式会社 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 (71)出願人 593047426 社団法人電線総合技術センター 静岡県浜松市新都田1丁目4番4号 (72)発明者 中筋 正章 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪研究所内 (72)発明者 加藤 寛 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 近藤 雅昭 静岡県浜松市新都田一丁目4番4号 社団 法人電線総合技術センター内 (72)発明者 石橋 博 静岡県浜松市新都田一丁目4番4号 社団 法人電線総合技術センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内に棒状もしくは片状の高分子有機材
    料を原料として充填し、炉内下部から気体を供給しなが
    ら上記原料を加熱処理する高分子有機材料の加熱処理方
    法において、 上記炉内に充填する原料に対し、加熱処理されても固体
    形状を維持する材質と所定の大きさとを有する多数の片
    状混合物を、原料中に無作為の積み重なり状態で混在す
    るように混入し、この積み重なり状態にされた混合物に
    よって、加熱処理により流動する原料の下方への移動を
    せき止める一方、上記混合物相互間に上記気体が流通し
    得る上下方向の隙間を維持させながら加熱処理すること
    を特徴とする高分子有機材料の加熱処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 気体は空気であり、 供給される空気により炉内下部の原料の一部を自己燃焼
    させ続け、その燃焼熱により上記原料の他部を熱分解さ
    せるようにすることを特徴とする高分子有機材料の加熱
    処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 気体は高温ガスであり、 この高温ガスを炉内下部から吹き込むことにより原料を
    熱分解させるようにすることを特徴とする高分子有機材
    料の加熱処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 気体は空気であり、 この空気を炉内下部から供給することにより原料を燃焼
    させて焼却させるようにすることを特徴とする高分子有
    機材料の加熱処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 混合物は、炉内の大きさとの関係で予め所定の大きさに
    裁断された木材であることを特徴とする有機材料の加熱
    処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 木材として木質廃材を用いることを特徴とする高分子有
    機材料の加熱処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、 木材を炉内の原料に対し容積比で全体の30%以上混入
    させることを特徴とする高分子有機材料の加熱処理方
    法。
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