JPH10156810A - 繊維板及び繊維板の製造方法 - Google Patents

繊維板及び繊維板の製造方法

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JPH10156810A
JPH10156810A JP8334498A JP33449896A JPH10156810A JP H10156810 A JPH10156810 A JP H10156810A JP 8334498 A JP8334498 A JP 8334498A JP 33449896 A JP33449896 A JP 33449896A JP H10156810 A JPH10156810 A JP H10156810A
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JP
Japan
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core layer
plastic
dry
layer material
waste
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Application number
JP8334498A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadaaki Tajiri
忠昭 田尻
Kazuo Ogawa
和男 小川
Toshio Ishida
敏夫 石田
Yasuhiro Kanzawa
泰弘 神沢
Kazuya Yamada
賀寿也 山田
Hiroshi Matsuo
洋志 松尾
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Kimura Chemical Plants Co Ltd
Original Assignee
Kimura Chemical Plants Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾式で繊維板を製造することが可能で、湿式
の製造方法に比べて、設備の小型化を図ることが可能で
あるとともに、排水処理が不要で、しかも、成形工程で
の乾燥負荷が少なく、設備コストやランニングコストを
低減することが可能な繊維板の製造方法を提供する。 【解決手段】 プラスチック含有率が調整された芯層原
料を乾式で解繊することにより得られる乾式解繊芯層材
と、プラスチックを含有しない表層原料を乾式で解繊す
ることにより得られる乾式解繊表層材とを積層して、乾
式解繊芯層材の表裏両面に乾式解繊表層材が積層された
構造の積層体を形成し、この積層体を加熱・加圧して所
定の形状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は繊維板及びその製
造方法に関し、詳しくは、木質チップなどの木質材、使
用済の板紙や古紙などの紙類、使用済の板紙や古紙など
の紙類を解離する際に生じるパルパーかす、スクリーン
かす、クリーナかすなどの製紙廃棄物などから繊維板を
製造する方法及びかかる方法により製造される繊維板に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】木質材
や紙類、あるいは古紙などを解離する際に生じるパルパ
ーかす、スクリーンかす、クリーナかすなどの製紙廃棄
物を原料(パルプ原料)とする繊維板の製造方法として
は、例えば、木質材や古紙、製紙廃棄物などを湿式で解
繊、解砕して異物を除去し、これを洗浄した後脱水し、
得られた脱水原料(脱水パルプ)に、結合剤(接着
剤)、撥水剤、定着剤などの薬剤を添加、混合した後、
この調合原料を脱水しつつ成形する方法が提案されてい
る。
【0003】しかし、上記従来の方法により繊維板を製
造する場合、古紙や製紙廃棄物を湿式で解繊、解砕して
スラリー化するようにしているので、 製造される繊維板の量に対して、原料(スラリー)の
取扱量が多くなり、設備が大型化する 原料スラリーから固形物(繊維)を分離した後の廃液
や、分離固形物(繊維)を洗浄した後の洗浄液を処理す
ることが必要となり、ランニングコストや設備コストが
大きくなる 湿式の繊維板の製造方法においては、通常、原料スラ
リーに結合剤を添加することが行われるが、結合剤をで
きるだけ均一に原料中に分散させることが所望の強度を
有する繊維板を得るために不可欠であることから結合剤
の添加工程では厳密な条件管理が必要となり製造コスト
の増大を招く 所定の形状(繊維板形状)に成形する工程で、水分を
除去することが必要となるため成形に時間がかかり、生
産効率を向上させることが困難であるとともに、製造可
能な繊維板の厚みが制約される というような問題点がある。
【0004】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、乾式で繊維板を製造することが可能で、湿式の製
造方法に比べて、設備の小型化を図ることができるとと
もに、排水処理が不要で、しかも、成形工程での乾燥負
荷が少なく、設備コストやランニングコストを低減する
ことが可能な繊維板の製造方法及び該製造方法から得ら
れる経済性に優れた繊維板を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の繊維板の製造方法は、木質チップなどの
木質材、使用済の板紙や古紙などの紙類、及び使用済の
板紙や古紙などの紙類を解離する際に生じるパルパーか
す、スクリーンかす、クリーナかすなどの製紙廃棄物の
少なくとも1種を主成分とする芯層原料を乾式で解繊
し、かつ、プラスチック含有率を乾量基準で5〜40重
量%の範囲に調整した乾式解繊芯層材の表裏両面に、前
記木質材、前記紙類、及び前記製紙廃棄物の少なくとも
1種を主成分とする表層原料を乾式で解繊した、プラス
チックを含有しない乾式解繊表層材を積層して積層体を
形成し、この積層体を加熱・加圧して所定の形状に成形
することを特徴としている。
【0006】なお、本願発明において、乾式で解繊する
とは、「製紙廃棄物や、紙類(例えば古紙)、木質材
(例えば建築廃材を粉砕したときに発生する微細なチッ
プ)などを回転刃により粗破砕した後、これに温水を噴
霧して湿らせ、回転ピンにより2つの固定刃間に押し込
むことにより、ふやけた被解繊材料(製紙廃棄物、古
紙、木質チップなど)をピンの衝撃でささくれさせ、そ
の部分をさらに他の被解繊材料と絡み合わせ、擦れ合わ
せることにより繊維を解きほぐすこと」を意味するもの
であり、例えば、住倉工業株式会社製の乾式紙片解繊機
などを用いることにより行うことができる。
【0007】本願発明のように、木質材、紙類、製紙廃
棄物の少なくとも1種を主成分とする芯層原料を乾式で
解繊し、かつ、プラスチック含有率を乾量基準で5〜4
0重量%に調整した乾式解繊芯層材の表裏両面に、木質
材、紙類、製紙廃棄物の少なくとも1種を主成分とする
表層原料を乾式で解繊した、プラスチックを含有しない
乾式解繊表層材を積層してなる積層体を加熱・加圧して
所定の形状に成形することにより、乾式で繊維板を製造
することが可能になり、湿式の製造方法に比べて、設備
の小型化、ランニングコストの低減を図ることが可能に
なるとともに、排水処理などの負担をなくすことが可能
になる。また、例えば、成形工程で、加熱板を押圧して
積層体を加熱・加圧するホットプレス法を用いる場合、
表層材がプラスチックを含有していないため、加熱板に
繊維板が付着することを防止することが可能になり、生
産効率を向上させることが可能になる。また、湿式の製
造方法の場合のように水分の蒸発(乾燥)の問題がない
ため、厚みの大きい繊維板を製造することが可能にな
る。なお、プラスチック含有率を乾量基準で5〜40重
量%の範囲とするのが好ましいのは、プラスチック含有
率が5重量%未満の場合、プラスチック含有による結合
力向上や撥水性向上への寄与割合が小さくなり、40重
量%を越えた場合、繊維板内部に割れが発生することに
よる。
【0008】なお、本願発明の繊維板の製造方法におい
ては、プラスチック含有率の調整は、芯層原料の解繊の
前または後のいずれに行ってもよいが、プラスチックを
効率よく分散させる見地からは、通常、解繊の前にプラ
スチックの含有率の調整を行っておくことが好ましい。
【0009】また、本願発明の繊維板の製造方法は、プ
ラスチック含有率が乾量基準で5〜40重量%の範囲に
調整された前記芯層原料を乾式で解繊する工程(芯層材
解繊工程)と、前記芯層材解繊工程以降に、芯層原料と
接着剤とを混合する工程と、前記表層原料を乾式で解繊
する工程(表層材解繊工程)と、前記表層材解繊工程以
降に、表層原料と接着剤とを混合する工程と、前記接着
剤が混合された乾式解繊芯層材と、前記接着剤が混合さ
れた乾式解繊表層材を積層することにより、プラスチッ
クを前記割合で含有する乾式解繊芯層材の表裏両面にプ
ラスチックを含有しない乾式解繊表層材が積層された構
造を有する積層体を形成する積層工程と、前記積層工程
から得られた積層体を加熱・加圧して所定の形状に成形
する成形工程とを具備することを特徴としている。
【0010】なお、「芯層材解繊工程以降に、芯層原料
と接着剤とを混合する」とは、「芯層材解繊工程を含ん
で、それ以降の段階で、解繊されつつあるか又は解繊さ
れた芯層原料に接着剤を混合する」ことを意味する。ま
た、「表層材解繊工程以降に、表層原料と接着剤とを混
合する」とは、「表層材解繊工程を含んで、それ以降の
段階で、解繊されつつあるか又は解繊された表層原料に
接着剤を混合する」ことを意味する。プラスチック含有
率を乾量基準で5〜40重量%の範囲に調整した芯層原
料を乾式で解繊するとともに、芯層材解繊工程以降に芯
層原料に接着剤を混合し、かつ、表層原料を乾式で解繊
するとともに、表層材解繊工程以降に表層原料を接着剤
と混合し、接着剤と混合された乾式解繊芯層材と、接着
剤と混合された乾式解繊表層材を積層して、乾式解繊芯
層材の表裏両面に乾式解繊表層材が積層された構造の積
層体を形成し、この積層体を所定の形状に成形するよう
にした場合、解繊された芯層材及び表層材に接着剤を十
分に混合、分散させることが可能になるとともに、接着
剤が十分に分散された芯層原料と表層原料を確実に一体
化することが可能になるため、機械的強度や撥水性など
に関し、優れた特性を有する繊維板を確実に製造するこ
とができるようになる。
【0011】また、本願発明の繊維板の製造方法は、前
記芯層材解繊工程で用いられる接着剤が、イソシアネー
ト系の接着剤であることを特徴としている。芯層材解繊
工程で用いられる接着剤として、イソシアネート(MD
I)系の接着剤を用いた場合、十分な接着強度が得られ
るため機械的強度などの特性に優れた繊維板を確実に製
造することができるようになる。また、ホルマリンなど
の有害物質の発生がなく安全性の面でも優れた繊維板を
得ることができるようになる。
【0012】なお、イソシアネート(MDI)には、モ
ノメリックMDIとポリメリックMDIがあるが、本願
発明においては、ポリメリックMDI系の接着剤を用い
ることが好ましい。これは、ポリメリックMDIの方が
接着性能が高く、高強度の繊維板を得ることが可能にな
ることによる。なお、MDI系の接着剤は、通常、水と
混合し、エマルジョン化して用いることが望ましい。ま
た、MDI系の接着剤の添加割合は、乾量基準で、乾式
解繊芯層材の3〜15重量%の範囲とすることが好まし
い。これは、添加量が3重量%未満の場合、接着強度が
不十分になること、添加量が15重量%を越えても特性
向上に顕著な改善がみられず、いたずらにコストの増大
を招くことによる。
【0013】また、本願発明の繊維板の製造方法は、前
記芯層材に含有されるプラスチックが、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂の少なくとも1種を主成分とするもので
あることを特徴としている。プラスチックとして、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フェノール
樹脂などを主成分として用いることにより、これらプラ
スチックを結合材として十分に機能させ、機械的強度や
撥水性などに関して優れた特性を得ることができるよう
になる。
【0014】また、本願発明の繊維板の製造方法は、前
記積層体を加圧・加熱して成形する方法として、ホット
プレス法を用いることを特徴としている。積層体を加圧
・加熱して成形する方法としては、加熱板を圧締して積
層体の加熱と加圧を同時に行うホットプレス法を用いる
ことが有利である。そして、その場合、表層材がプラス
チックを含有していないため、加熱板に繊維板が付着す
ることがないこと、湿式法の場合のように、多量の水分
を蒸発させる必要がないことなどの理由から、生産効率
を向上させることができる。また、水分の蒸発(乾燥)
の問題がないため、厚みの大きい繊維板を製造すること
が可能になる。
【0015】また、本願発明の繊維板の製造方法は、前
記積層体を加圧・加熱する際の温度を140〜200℃
としたことを特徴としている。積層体を加圧・加熱する
際の温度を140〜200℃としたのは、140℃未満
では、確実に所望の形状に成形することが困難であり、
また、200℃を越えると繊維板表面に焦げが発生する
ことによる。
【0016】また、本願発明の繊維板の製造方法は、前
記芯層原料として、前記木質材、前記紙類、及び前記製
紙廃棄物の少なくとも1種を主として用い、(a)前記芯
層原料が、乾式解繊芯層材中のプラスチック含有率が前
記範囲内となるような割合でプラスチックを含有してい
る場合には、別途プラスチックを配合することはせず、
(b)前記芯層原料が、乾式解繊芯層材中のプラスチック
含有率が前記範囲を越えるような割合でプラスチックを
含有している場合には、芯層原料中のプラスチックの一
部を除去してプラスチック含有率が前記範囲となるよう
にし、(c) 前記芯層原料が、乾式解繊芯層材中のプラ
スチック含有率が前記範囲を下回るような割合でプラス
チックを含有している場合には、別途プラスチックを添
加してプラスチック含有率が前記範囲となるようにする
ことを特徴としている。
【0017】このように、木質材や紙類、製紙廃棄物な
どの繊維板原料として、プラスチックを含有するものを
用い、乾式解繊芯層材中のプラスチック含有率が前記範
囲を越える場合には、繊維板原料中のプラスチックの一
部を分離、除去して含有率が前記範囲内になるように
し、さらに、乾式解繊芯層材中のプラスチックの含有率
が前記範囲を下回る場合には、別途プラスチックを添加
して含有率が前記範囲内になるようにした場合、木質材
や紙類、製紙廃棄物中に含まれるプラスチックを有効利
用しつつ、芯層材中のプラスチック含有量を所定の範囲
内に維持して安定した品質を有する繊維板を確実に製造
することが可能になる。
【0018】また、本願発明の繊維板の製造方法は、前
記乾式解繊芯層材がプラスチックを含有する前記製紙廃
棄物を主成分とし、前記乾式解繊表層材がプラスチック
を含有しない前記木質材及び前記紙類の少なくとも一方
を主成分とすることを特徴としている。乾式解繊芯層材
の主成分として、プラスチックを含有する前記製紙廃棄
物を用い、乾式解繊表層材の主成分として、プラスチッ
クを含有しない木質材及び紙類の少なくとも一方を用い
るようにした場合、製紙廃棄物にはプラスチックを含有
するものが多いことから、製紙廃棄物に含まれるプラス
チックを有効に利用して製造コストの低減を図ることが
可能になるとともに、木質材及び紙類には、プラスチッ
クを含有しないものが多いことから、プラスチックの除
去などに大きなコストをかけることを回避して効率よく
繊維板を製造することが可能になる。
【0019】また、本願発明の繊維板の製造方法は、前
記乾式解繊芯層材として、プラスチックを含有する前記
製紙廃棄物を乾式解繊したものを用いる場合において、
前記芯層材解繊工程より前に加熱、乾燥を行って、所定
の含水率としたものを用いることを特徴としている。
【0020】芯層材解繊工程より前に製紙廃棄物を乾燥
しておくことにより、乾式解繊工程での乾燥(水分蒸
発)の負荷を減らして、効率よく乾式解繊を行うことが
可能になる。
【0021】また、本願発明の繊維板は、上記本願発明
の繊維板の製造方法により製造された繊維板であって、
木質チップなどの木質材、使用済の板紙や古紙などの紙
類、及び使用済の板紙や古紙などの紙類を解離する際に
生じるパルパーかす、スクリーンかす、クリーナかすな
どの製紙廃棄物の少なくとも1種を解繊した材料を主成
分とし、かつ、プラスチックを乾量基準で5〜40重量
%の割合で含有する芯層材と、前記芯層材を挟むように
その表裏両面側に積層された、前記木質材、前記紙類、
及び前記製紙廃棄物の少なくとも1種を解繊した材料を
主成分とし、かつ、プラスチックを含有しない表層材と
を具備することを特徴としている。
【0022】本願発明の繊維板は、木質材、紙類、製紙
廃棄物などを解繊した材料を主成分とし、プラスチック
を乾量基準で5〜40重量%の割合で含有する芯層材の
表裏両面に、木質材、紙類、製紙廃棄物などを解繊した
材料を主成分とする表層材を積層した構造を有してお
り、プラスチックが結合材として機能するため、機械的
強度や撥水性などに関し優れた特性が得られる。また、
例えば、成形工程で、加熱板を圧締して積層体を加熱・
加圧するホットプレス法を用いる場合、表層材がプラス
チックを含有していないため、加熱板に繊維板が付着す
ることを防止することが可能になり、生産効率を向上さ
せることが可能になる。
【0023】また、本願発明の繊維板は、前記芯層材及
び前記表層材には接着剤が添加されており、かつ、前記
芯層材に添加されている接着剤がイソシアネート系の接
着剤であることを特徴としている。イソシアネート系の
接着剤は接着力に優れているため、機械的強度などの特
性の向上が実現される。特に、芯層材の接着剤としてイ
ソシアネート(MDI)系の接着剤を用いた場合、十分
な接着強度が得られるとともに、ホルマリンなどの有害
物質の発生がなく安全性の面でも優れた特性を得ること
ができるようになる。
【0024】また、本願発明の繊維板は、芯層材がプラ
スチックを含有する製紙廃棄物を主成分とし、前記表層
材がプラスチックを含有しない木質材及び紙類の少なく
とも一方を主成分としている。製紙廃棄物にはプラスチ
ックを含有するものが多いことから、製紙廃棄物に含ま
れるプラスチックを有効に利用して製造コストの低減を
図ることが可能になるとともに、木質材及び紙類には、
プラスチックを含有しないものが多いことから、プラス
チックの除去などに大きなコストをかけることを回避し
て効率よく繊維板を製造することが可能になる。
【0025】また、本願発明の繊維板は、前記芯層材に
含有されるプラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂の少なくとも1種を主成分とするものであることを
特徴としている。プラスチックとして、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、フェノール樹脂などを
主成分として用いることにより、プラスチックが結合材
として機能し、機械的強度や撥水性などに関し、優れた
特性が得られるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。図
1は本願発明の一実施の形態にかかる繊維板(古紙ボー
ド)の製造方法を示すフローシートである。なお、この
実施形態では、芯層原料として製紙廃棄物を、表層原料
として古紙を用いる場合を例にとって説明する。
【0027】この実施形態にかかる繊維板の製造方法
は、図1に示すように、主要な工程として、芯層原料で
ある製紙廃棄物を解砕する芯層原料解砕工程(A)と、
解砕された芯層原料にプラスチックを混合するプラスチ
ック混合工程(B)と、プラスチック含有量が調整され
た芯層原料を乾式で解繊する芯層材解繊工程(C)と、
解繊芯層材に接着剤を混合、分散させる接着剤混合工程
(M)と、芯層材表層材料である古紙を解砕工程P5で
粗粉砕した後、接着剤と混合しつつ解繊する表層材解繊
工程(D)と、接着剤混合工程(M)で接着剤が混合さ
れた乾式解繊芯層材と、表層材解繊工程(D)から得ら
れた接着剤が混合された乾式解繊表層材を積層すること
により、プラスチックを含有する乾式解繊芯層材の表裏
両面にプラスチックを含有しない乾式解繊表層材が積層
された積層体を形成する積層工程(E)と、積層工程
(E)から得られた積層体を加熱・加圧して所定の形状
に成形する成形工程(F)と、成形体を最終製品(繊維
板)にまで仕上げる製品仕上工程(G)とを備えてい
る。
【0028】芯層原料解砕工程(A)は、製紙廃棄物を
使用済の板紙や古紙などを再生する際に生じるパルパー
かす、スクリーンかす、クリーナかすなどの製紙廃棄物
(水分含有量約60重量%)を解砕する工程であって、
乾式解繊機に供給できる形状まで粗粉砕を行う。但し、
原料によっては、解砕が不要な場合もある。
【0029】また、プラスチック混合工程(B)は、芯
層原料が、乾式解繊芯層材中のプラスチック含有率が所
定の範囲を下回るような割合でプラスチックを含有して
いるか、又はプラスチックを含有していない場合に、プ
ラスチック原料(廃プラスチック)を解砕工程P1で解
砕したプラスチックを添加して、乾式解繊芯層材中のプ
ラスチック含有率が所定の範囲(5〜40重量%)とな
るようにする工程である。そして、プラスチック混合工
程(B)の後には、重量金物類や小石などの異物を除去
する異物除去工程P2が設けられている。
【0030】また、芯層材解繊工程(C)は、プラスチ
ック含有量が調整された芯層原料を乾式で解繊する工程
である。なお、この実施形態においては、解繊は2段で
行われるように構成されている。また、解繊工程では、
大気空気により解繊対象物である芯層原料中の水分があ
る程度除去される。なお、芯層材解繊工程(C)の前に
は、芯層原料(解繊芯層材)を所定の水分含有率になる
まで乾燥する乾燥工程P3が配設されている。また、芯
層材解繊工程(C)の後には、イソシアネート系の接着
剤(ポリメリックMDI系の接着剤)を解繊芯層材に添
加、混合する接着剤混合工程(M)が設けられており、
この接着剤混合工程(M)において、解繊芯層材と接着
剤とが十分に混合される。なお、接着剤混合工程(M)
の後には、積層工程(E)に供される解繊材料を一時的
にホールドしたりするための原料調整工程P4が設けら
れている。
【0031】また、表層材解繊工程(D)は、プラスチ
ックを含有していない新聞紙や雑誌などの古紙(紙類)
を乾式で解砕する工程である。なお、この実施形態で
は、表層材解繊工程(D)においてフェノール樹脂系な
どの接着剤を添加するように構成されており、表層材が
解繊されるとともに接着剤と十分に混合される。なお、
接着剤としては、フェノール樹脂系のものに限らず、ユ
リア・メラミン樹脂系、あるいはイソシアネート系その
他の接着剤を用いることが可能である。また、イソシア
ネート系の接着剤としては、ホットプレス工程で加熱板
に付着しないように、離型剤を配合したものを用いるこ
とが可能であり、また、離型剤を含まないものを用いる
一方で、積層体表面に離型剤を塗布するようにしてもよ
い。なお、表層材解繊工程(D)の後には、金属などの
異物を除去するための異物除去工程P6、防腐剤を混合
する混合工程P7が設けられている。
【0032】また、積層工程(E)は、解繊表層材及び
解繊芯層材を、例えば、図2に示すように、解繊表層材
21a,解繊芯層材22,解繊表層材21bの順に積層
して、解繊芯層材22の表裏両面に、解繊表層材21
a,21bが積層された積層体23を形成する工程であ
る。
【0033】さらに、成形工程(F)は、積層工程
(E)で得られた積層体を加熱・加圧して所定の形状に
成形する工程であり、連続的に供給される積層体を予備
的に成形するプリプレス工程F1,積層体を長手方向に
所定の間隔をおいて切断する切断工程F2、ホットプレ
スを用いて加熱・加圧することにより積層体を固化させ
て所定の形状に成形するホットプレス工程F3とを備え
ている。
【0034】なお、ホットプレス工程F3では、積層体
に含まれる水分が蒸発、除去される。
【0035】また、製品仕上工程(G)は、成形体を最
終製品(繊維板)に仕上げる工程であって、周辺をトリ
ミングする切断工程G1と、冷却を行う冷却工程G2
と、オートストッカーによる養生、保管を行う養生・保
管工程G3と、検査工程G4とを備えている。
【0036】さらに、上記切断工程G1より発生した加
工屑(細片)は集塵工程P8で集塵されて芯層材解繊工
程(C)の前の段階に戻されるように構成されている。
【0037】次に、使用済の板紙や古紙などの紙類を解
離する際に生じるパルパーかす、スクリーンかす、クリ
ーナかすなどの製紙廃棄物(芯層原料)と、新聞紙、雑
誌、ダンボール紙などの古紙(表層原料)から繊維板を
製造する方法について説明する。
【0038】まず、芯層原料解砕工程(A)において製
紙廃棄物を解砕する。
【0039】次いで、プラスチック原料(廃プラスチッ
ク)の解砕工程P1で解砕したプラスチックを、プラス
チック混合工程(B)で混合し、乾式解繊芯層材中のプ
ラスチック含有率が20重量%になるようにプラスチッ
ク含有率を調整する。それから、異物除去工程P2で異
物除去を行い、乾燥工程P3において、解繊芯層材を乾
燥させた後、芯層材解繊工程(C)において芯層原料を
乾式解繊する。それから、接着剤混合工程(M)におい
て、水と混合してエマルジョンとしたイソシアネート系
の接着剤(ポリメリックMDI系の接着剤)を乾量基準
で5重量%となるような割合で添加、混合して、分散さ
せる。
【0040】また、新聞紙、雑誌、ダンボール紙などの
古紙(表層原料)については、解砕工程P5において粗
粉砕した後、表層材解繊工程(D)において、乾式で解
繊を行う。このとき、フェノール樹脂系の接着剤を添加
して、解繊表層材と接着剤とを十分に混合する。それか
ら、異物除去工程P6で異物除去を行い、混合工程P7
で防腐剤を混合する。
【0041】そして、解繊芯層材と解繊表層材を積層工
程(E)で積層した後、成形工程(F)のプリプレス工
程F1で加圧して連続的に供給される積層体を予備的に
成形する。それから、切断工程F2で積層体を長手方向
に所定の間隔をおいて切断した後、ホットプレス工程F
3において、ホットプレス法により140〜200℃に
加熱しつつ加圧して、水分を蒸発させるとともに接着剤
を硬化させ、成形体を固化させて所定の形状に成形す
る。
【0042】次いで、製品仕上工程(G)の切断工程G
1で成形体の周辺を切断した後、冷却工程G2で冷却
し、オートストッカーによる養生、保管を行う(養生・
保管工程G3)。なお、切断工程G1で発生した加工屑
(細片)は集塵工程P8で集塵され、芯層材解繊工程
(C)の前の段階に戻される。そして、このようにして
製造された繊維板は、検査を行った後(G4)出荷され
る。
【0043】上記実施形態においては、プラスチック含
有率が乾量基準で5〜40重量%に調整され、かつ、乾
式で解繊された製紙廃棄物を主成分とする乾式解繊芯層
材の表裏両面に、古紙を主成分とする表層原料を乾式で
解繊した、プラスチックを含有しない乾式解繊表層材を
積層した後、積層体を加熱・加圧して所定の形状に成形
するようにしているので、乾式で繊維板を製造すること
が可能になり、湿式の製造方法に比べて、設備の小型
化、ランニングコストの低減を図ることができるととも
に、排水処理などの負担を大幅に削減することができ
る。
【0044】また、上記実施形態においては、接着剤混
合工程で、解繊芯層材にイソシアネート系の接着剤を添
加するようにしているので、ホルマリンなどの有害物質
の発生を招くことなく、十分な接着強度を得ることが可
能になり、機械的強度や撥水性などの特性に優れた繊維
板を確実に製造することが可能になる。
【0045】また、ホットプレス法により成形する場
合、表層材がプラスチックを含有していないため、ホッ
トプレスの加熱板に繊維板が付着することを確実に防止
できるようになり、生産効率を向上させることが可能に
なる。また、湿式の製造方法の場合のように水分の蒸発
(乾燥)の問題がないため、厚みの大きい繊維板を製造
することが可能になる。
【0046】なお、上記実施形態では、芯層原料として
製紙廃棄物を用いた場合について説明したが、芯層原料
はこれに限られるものではなく、新聞紙や雑誌などの紙
類、木質チップなどの木質材を用いることも可能であ
る。また、上記実施形態では、プラスチックを含有する
製紙廃棄物を用いたが、プラスチックを含有しない原料
(製紙廃棄物,紙類、木質材など)を用いることも可能
であり、その場合には、所定量のプラスチックを添加す
ることが必要になる。
【0047】また、上記実施形態では、表層原料として
紙類を用いた場合について説明したが、木質材や製紙廃
棄物を用いることも可能である。なお、表層原料がプラ
スチックを含有している場合には、前もってプラスチッ
クを除去することにより使用することができる。
【0048】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施形態に限定されるものではなく、製紙廃棄物、
紙類、木質材などの原料の性状、解砕工程、異物除去工
程、乾燥工程、解繊工程、接着剤混合工程、成形工程、
仕上工程などの各工程の具体的な条件などに関し、発明
の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加えること
が可能である。
【0049】
【発明の効果】上述のように、本願発明の繊維板の製造
方法においては、木質材、紙類、製紙廃棄物の少なくと
も1種を主成分とする芯層原料を乾式で解繊し、かつ、
プラスチック含有率を乾量基準で5〜40重量%に調整
した乾式解繊芯層材の表裏両面に、木質材、紙類、製紙
廃棄物の少なくとも1種を主成分とする表層原料を乾式
で解繊した、プラスチックを含有しない乾式解繊表層材
を積層してなる積層体を加熱・加圧して所定の形状に成
形するようにしているので、乾式で繊維板を製造するこ
とが可能になり、湿式の製造方法に比べて、設備の小型
化、ランニングコストの低減を図ることが可能になると
ともに、排水処理などの負担をなくすことが可能にな
る。また、例えば、成形工程で、加熱板を押圧して積層
体を加熱・加圧するホットプレス法を用いる場合、表層
材がプラスチックを含有していないため、加熱板に繊維
板が付着することを防止することが可能になり、生産効
率を向上させることができる。また、湿式の製造方法の
場合のように水分の蒸発(乾燥)の問題がないため、厚
みの大きい繊維板を製造することができる。
【0050】また、プラスチック含有率を乾量基準で5
〜40重量%の範囲に調整した芯層原料を乾式で解繊す
るとともに、芯層材解繊工程以降に芯層原料に接着剤を
混合し、かつ、表層原料を乾式で解繊するとともに、表
層材解繊工程以降に表層原料を接着剤と混合し、接着剤
と混合された乾式解繊芯層材と、接着剤と混合された乾
式解繊表層材を積層して、乾式解繊芯層材の表裏両面に
乾式解繊表層材が積層された構造の積層体を形成し、こ
の積層体を所定の形状に成形するようにした場合、解繊
された芯層材及び表層材に接着剤を十分に混合、分散さ
せることが可能になるとともに、接着剤が十分に分散さ
れた芯層原料と表層原料を確実に一体化することが可能
になるため、機械的強度や撥水性などに関し、優れた特
性を有する繊維板を確実に製造することができる。
【0051】また、芯層材解繊工程で用いられる接着剤
として、イソシアネート系の接着剤(特にポリメリック
MDI系の接着剤)を用いた場合、ホルマリンなどの有
害物質の発生がなく、しかも、十分な接着強度が得られ
るため、機械的強度などの特性に優れた繊維板を確実に
製造することができるようになる。
【0052】また、芯層材に含有されるプラスチックと
して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などを主成分とす
るものを用いることにより、これらプラスチックを結合
材として十分に機能させ、機械的強度や撥水性などに関
して優れた特性を得ることができるようになる。
【0053】また、積層体を加圧・加熱して成形する方
法としてホットプレス法を用いた場合、表層材がプラス
チックを含有していないため、加熱板に繊維板が付着す
ることがないこと、湿式法の場合のように、多量の水分
を蒸発させる必要がないことなどの理由から、生産効率
を向上させることができる。また、水分の蒸発(乾燥)
の問題がないため、厚みの大きい繊維板を製造すること
が可能になる。
【0054】また、本願発明の繊維板の製造方法におい
て、積層体を加圧・加熱する際の温度を140〜200
℃とした場合、プラスチックを溶融させて所望の形状の
繊維板を確実に形成することが可能になるとともに、接
着剤を効率よく硬化させることが可能になり、生産効率
を向上させることができる。
【0055】また、本願発明の繊維板の製造方法におい
て、紙類や製紙廃棄物などの繊維板原料として、プラス
チックを含有するものを用い、乾式解繊芯層材中のプラ
スチック含有率が前記範囲を越える場合には、繊維板原
料中のプラスチックの一部を分離、除去して含有率が前
記範囲内になるようにし、さらに、乾式解繊芯層材中の
プラスチックの含有率が前記範囲を下回る場合には、別
途プラスチックを添加して含有率が前記範囲内になるよ
うにした場合、紙類や製紙廃棄物中に含まれるプラスチ
ックを有効利用しつつ、芯層材中のプラスチック含有量
を所定の範囲内に維持して安定した品質の繊維板を確実
に製造することが可能になる。
【0056】また、乾式解繊芯層材がプラスチックを含
有する前記製紙廃棄物を主成分とし、前記乾式解繊表層
材がプラスチックを含有しない木質材及び紙類の少なく
とも一方を主成分とするようにした場合、製紙廃棄物に
はプラスチックを含有するものが多いことから、製紙廃
棄物に含まれるプラスチックを有効に利用して製造コス
トの低減を図ることが可能になるとともに、木質材及び
紙類には、プラスチックを含有しないものが多いことか
ら、プラスチックの除去などに大きなコストをかけるこ
とを回避して効率よく繊維板を製造することが可能にな
る。
【0057】また、前記乾式解繊芯層材として、プラス
チックを含有する製紙廃棄物を乾式解繊したものを用い
る場合において、芯層材解繊工程より前に加熱、乾燥を
行うようにした場合、乾式解繊工程における乾燥(水分
蒸発)の負荷を減らして、効率よく乾式解繊を行うこと
が可能になる。
【0058】また、本願発明の繊維板は、木質材、紙
類、製紙廃棄物などを解繊した材料を主成分とし、プラ
スチックを乾量基準で5〜40重量%の割合で含有する
芯層材の表裏両面に、木質材、紙類、製紙廃棄物などを
解繊した材料を主成分とする表層材を積層した構造を有
しており、プラスチックが結合材として機能するため、
機械的強度、撥水性などに関し優れた特性が得られる。
また、例えば、成形工程で、加熱板を圧締して積層体を
加熱・加圧するホットプレス法を用いる場合、表層材が
プラスチックを含有していないため、加熱板に繊維板が
付着することを防止することが可能になり、生産効率を
向上させることができる。
【0059】また、芯層材に、イソシアネート系の接着
剤(特にポリメリックMDI系の接着剤)を添加した繊
維板にあっては、ホルマリンなどの有害物質の発生を招
いたりすることなく、機械的強度などの特性を向上させ
ることが可能になる。
【0060】また、芯層材に、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂などを主成分とするものを含有させたものにおい
ては、これらプラスチックが結合材として十分に機能す
るため、機械的強度や撥水性などの特性の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態にかかる繊維板の製造方法
を示すフローシートである。
【図2】本願発明の実施形態にかかる繊維板の構造を模
式的に示す断面図である。
【符号の説明】
(A) 芯層原料解砕工程 (B) プラスチック混合工程 (C) 芯層材解繊工程 (D) 表層材解繊工程 (E) 積層工程 (F) 成形工程 F1 プリプレス工程 F2 切断工程 F3 ホットプレス工程 (G) 製品仕上工程 G1 切断工程 G2 冷却工程 G3 養生・保管工程 G4 検査工程 (M) 接着剤混合工程 P1 解砕工程 P2 異物除去工程 P3 乾燥工程 P4 原料調整工程 P5 古紙の解砕工程 P6 異物除去工程 P7 混合工程 P8 集塵工程 21a,21b 解繊表層材 22 解繊芯層材 23 積層体
フロントページの続き (72)発明者 神沢 泰弘 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番2号 木 村化工機株式会社内 (72)発明者 山田 賀寿也 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番2号 木 村化工機株式会社内 (72)発明者 松尾 洋志 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番2号 木 村化工機株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質チップなどの木質材、使用済の板紙や
    古紙などの紙類、及び使用済の板紙や古紙などの紙類を
    解離する際に生じるパルパーかす、スクリーンかす、ク
    リーナかすなどの製紙廃棄物の少なくとも1種を主成分
    とする芯層原料を乾式で解繊し、かつ、プラスチック含
    有率を乾量基準で5〜40重量%の範囲に調整した乾式
    解繊芯層材の表裏両面に、 前記木質材、前記紙類、及び前記製紙廃棄物の少なくと
    も1種を主成分とする表層原料を乾式で解繊した、プラ
    スチックを含有しない乾式解繊表層材を積層して積層体
    を形成し、この積層体を加熱・加圧して所定の形状に成
    形することを特徴とする繊維板の製造方法。
  2. 【請求項2】プラスチック含有率が乾量基準で5〜40
    重量%の範囲に調整された前記芯層原料を乾式で解繊す
    る工程(芯層材解繊工程)と、 前記芯層材解繊工程以降に、芯層原料と接着剤とを混合
    する工程と、 前記表層原料を乾式で解繊する工程(表層材解繊工程)
    と、 前記表層材解繊工程以降に、表層原料と接着剤とを混合
    する工程と、 前記接着剤が混合された乾式解繊芯層材と、前記接着剤
    が混合された乾式解繊表層材を積層することにより、プ
    ラスチックを前記割合で含有する乾式解繊芯層材の表裏
    両面にプラスチックを含有しない乾式解繊表層材が積層
    された構造を有する積層体を形成する積層工程と、 前記積層工程から得られた積層体を加熱・加圧して所定
    の形状に成形する成形工程とを具備することを特徴とす
    る請求項1記載の繊維板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記芯層材解繊工程で用いられる接着剤
    が、イソシアネート系の接着剤であることを特徴とする
    請求項2記載の繊維板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記芯層材に含有されるプラスチックが、
    ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フェノ
    ール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂の少なくとも1種を主成
    分とするものであることを特徴とする請求項1又は2記
    載の繊維板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記積層体を加圧・加熱して成形する方法
    として、ホットプレス法を用いることを特徴とする請求
    項1又は2記載の繊維板の製造方法。
  6. 【請求項6】前記積層体を加圧・加熱して成形する際の
    温度を140〜200℃としたことを特徴とする請求項
    1又は2記載の繊維板の製造方法。
  7. 【請求項7】前記芯層原料として、前記木質材、前記紙
    類、及び前記製紙廃棄物の少なくとも1種を主として用
    い、 (a)前記芯層原料が、乾式解繊芯層材中のプラスチック
    含有率が前記範囲内となるような割合でプラスチックを
    含有している場合には、別途プラスチックを配合するこ
    とはせず、 (b)前記芯層原料が、乾式解繊芯層材中のプラスチック
    含有率が前記範囲を越えるような割合でプラスチックを
    含有している場合には、芯層原料中のプラスチックの一
    部を除去してプラスチック含有率が前記範囲となるよう
    にし、 (c) 前記芯層原料が、乾式解繊芯層材中のプラスチッ
    ク含有率が前記範囲を下回るような割合でプラスチック
    を含有している場合には、別途プラスチックを添加して
    プラスチック含有率が前記範囲となるようにすることを
    特徴とする請求項1又は2記載の繊維板の製造方法。
  8. 【請求項8】前記乾式解繊芯層材がプラスチックを含有
    する前記製紙廃棄物を主成分とし、前記乾式解繊表層材
    がプラスチックを含有しない前記木質材及び前記紙類の
    少なくとも一方を主成分とすることを特徴とする請求項
    1又は2記載の繊維板の製造方法。
  9. 【請求項9】前記乾式解繊芯層材として、プラスチック
    を含有する前記製紙廃棄物を乾式解繊したものを用いる
    場合において、前記芯層材解繊工程より前に加熱、乾燥
    を行って、所定の含水率としたものを用いることを特徴
    とする請求項8記載の繊維板の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の繊維板
    の製造方法により製造された繊維板であって、 木質チップなどの木質材、使用済の板紙や古紙などの紙
    類、及び使用済の板紙や古紙などの紙類を解離する際に
    生じるパルパーかす、スクリーンかす、クリーナかすな
    どの製紙廃棄物の少なくとも1種を解繊した材料を主成
    分とし、かつ、プラスチックを乾量基準で5〜40重量
    %の割合で含有する芯層材と、 前記芯層材を挟むようにその表裏両面側に積層された、
    前記木質材、前記紙類、及び前記製紙廃棄物の少なくと
    も1種を解繊した材料を主成分とし、かつ、プラスチッ
    クを含有しない表層材とを具備することを特徴とする繊
    維板。
  11. 【請求項11】前記芯層材及び前記表層材には接着剤が
    添加されており、かつ、前記芯層材に添加されている接
    着剤がイソシアネート系の接着剤であることを特徴とす
    る請求項10記載の繊維板。
  12. 【請求項12】前記芯層材がプラスチックを含有する前
    記製紙廃棄物を主成分とし、前記表層材がプラスチック
    を含有しない前記木質材及び前記紙類の少なくとも一方
    を主成分としていることを特徴とする請求項10又は1
    1記載の繊維板。
  13. 【請求項13】前記芯層材に含有されるプラスチック
    が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フ
    ェノール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂の少なくとも1種を
    主成分とするものであることを特徴とする請求項10記
    載の繊維板。
JP8334498A 1996-11-29 1996-11-29 繊維板及び繊維板の製造方法 Withdrawn JPH10156810A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010241094A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Hokkaido Research Organization 繊維板およびその製造方法

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JP2010241094A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Hokkaido Research Organization 繊維板およびその製造方法

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