JPH10154618A - 磁気抵抗効果素子及びその製造方法 - Google Patents
磁気抵抗効果素子及びその製造方法Info
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Abstract
する。 【解決手段】 第一の磁性層の上下両側に非磁性層を介
して第二の磁性層があり、更にその上下両側に前記第二
の磁性層と接する形で反強磁性層が設けられる構造を持
つ二重構造の磁気抵抗効果素子において、反強磁性層の
少なくとも一方をPdPtMn合金とする。また,Pd
PtMn反強磁性層の上下両側に,第二の磁性層,非磁
性層,第一の磁性層を上下対称に設けて,スピンバルブ
膜を薄くしてもよい。
Description
ヘッド等に用いられる磁気抵抗効果素子(スピンバル
ブ)の構造及びその製造方法に関する。
化に伴い、より大きな出力が得られる巨大磁気抵抗効果
膜が注目されている。その中でもスピンバルブ膜は、比
較的容易に作製でき低磁場での電気抵抗の変化率も大き
いため、最近特に注目されている。スピンバルブ効果は
外部磁場の変化によって生じる2つの磁性薄膜層の磁化
方向のなす角の変化が電気抵抗を変化させる現象で、磁
性薄膜層としてはNiFeなどの軟磁性薄膜が、また外
部磁場の変化によって2つの磁性薄膜層の磁化方向に変
化を生じさせるため、一方の磁性薄膜層上にFeMn反
強磁性層を形成しその磁性薄膜層バイアス磁界を印加し
ている。このスピンバルブ膜を、バイアス磁界が印加さ
れない側の磁性薄膜を共有する形で複数層積層した場
合、電子の平均自由行程内で電子のスピン依存散乱を担
う磁性層/非磁性層界面の数が増すため、非磁性層など
を介して単純に積層した場合に比べより大きな出力を得
ることができる。
用いられているが,しかしFeMnは耐蝕性が悪く、ま
たFeMnは磁性層上部に形成した場合のみ磁性層にバ
イアス磁界を印加できるといった特性を持つ為、層の一
部を共有する形で積層されるスピンバルブ膜に用いるに
は問題があった。また、FeMnの上部に磁性層を形成
した場合、バイアス磁界はFeMnの結晶状態に大きく
左右されるため、FeMnの結晶性を上げる為に100
0Å以上のバッファ層を必要とし、逆にMR特性を下げ
る結果となっていた。
代わるものとして、NiMn反強磁性膜(日本公開特許
公報 特開平6−76247号),PdMn反強磁性膜
(日本特許出願 特願平8−73782号)の検討も行
われているが、NiMnはバイアス磁界を得るためには
熱処理が必要でその処理温度が260℃以上と高いた
め、特に比較的大きな磁気抵抗効果が得られるNiFe
を磁性膜に,Cuを非磁性膜に用いたスピンバルブ膜,
人工格子膜は特性が劣化し、磁気抵抗効果が得られない
といった問題があった。また、PdMnは230℃前後
の比較的低い温度での熱処理によってバイアス磁界が得
られるものの、得られるバイアス値がFeMn,NiM
nに比較して小さいという問題があった。
ンバルブ膜の反強磁性材料をFeMnとしたのでは,耐
蝕性が劣り,かつ積層膜の下層には適用できないという
問題がある。また,NiMn反強磁性膜では高温処理が
必要で,その結果人工格子膜の特性が劣化するという問
題がある。さらに,PdMnはバイアス値が不十分とい
う欠点がある。
Pd−Pt−Mn合金とすることで,積層膜の下層に十
分なバイアス値を得られる反強磁性膜を有する磁気抵抗
素子を提供することを目的とする。
を解決するために、以下の構成を手段とする。すなわ
ち、第一の構成については、1つ以上の磁性膜からなる
第一の磁性層があり、該第一の磁性層の上下両側に非磁
性層を介して1つ以上の磁性膜からなる第二の磁性層が
あり、更に該第一の磁性層,該非磁性層及び該第二の磁
性層を含む積層の上下両側に前記第二の磁性層と接する
形で反強磁性層が設けられる構造を持つ二重構造の磁気
抵抗効果素子において、前記反強磁性層の少なくとも一
方がPd−Pt−Mn合金であることを特徴とする磁気
抵抗効果素子を手段とする。
d−Pt−Mn合金からなる反強磁性層と、前記反強磁
性層の上下両側にそれぞれ密接して設けられた1つ以上
の磁性膜からなる第二の磁性層と、前記第二の磁性層の
前記反強磁性層と接する面の反対面上に、それぞれ非磁
性層を介して設けられた1つ以上の磁性膜からなる第一
の磁性層とを備えた二重構造を持つことを特徴とする磁
気抵抗効果素子を手段とする。
て、上記のそれぞれの要件に加えて、前記二重構造を複
数積層してもよい。あるいは、上記の要件に加えて、磁
場中にて加熱処理を行って、前記反強磁性層と接する前
記第二の磁性層の磁化方向を、前記反強磁性層と接しな
い前記第一の磁性層の磁化方向と直交する方向に向ける
こととしてもよい。さらに、これに付加して、第一の構
成の下層の反強磁性槽をPd−Pt−Mn合金とし、少
なくとも前記反強磁性層と接しない前記磁性層に対して
は、前記熱処理を行なわないこととしてもよい。また,
第二の構成の上側の前記反強磁性層と接しない前記磁性
層に対して前記熱処理を行わなくてもよい。
付加して、前記反強磁性層の組成がPt10〜40原子
量%,Mn47〜53原子量%であるとしてもよい。本
発明の第三の構成については、1つ以上の磁性膜からな
る第一の磁性層があり、その上下両側に非磁性層を介し
て1つ以上の磁性膜からなる第二の磁性層があり、更に
その上下両側に前記第二の磁性層と接する形で少なくと
も一方がPd−Pt−Mn合金からなる反強磁性層が設
けられる構造を持つ二重構造の磁気抵抗効果素子(スピ
ンバルブ)の製造方法において、前記反強磁性層と接す
る前記第二の磁性層の磁化方向を、前記反強磁性層と接
しない前記第一の磁性層の磁化方向と直交する方向に向
けるため、磁場中にて加熱処理を行うことを特徴とする
磁気抵抗効果素子の製造方法を手段とする。
d−Pt−Mn合金からなる反強磁性層と、前記反強磁
性層の上下両側にそれぞれ密接して設けられた1つ以上
の磁性膜からなる第二の磁性層と、前記第二の磁性層の
前記反強磁性層と接する面の反対面上に、それぞれ非磁
性層を介して設けられた1つ以上の磁性膜からなる第一
の磁性層とを備えた二重構造を持つ磁気抵抗効果素子の
製造方法において、前記反強磁性層と接する前記第二の
磁性層の磁化方向を、前記反強磁性層と接しない前記第
一の磁性層の磁化方向と直交する方向に向けるため、磁
場中にて加熱処理を行うことを特徴とする磁気抵抗効果
素子の製造方法を手段とする。
側の反強磁性層をPd−Pt−Mn合金とし、少なくと
も前記反強磁性層と接しない前記磁性層に対しては、前
記熱処理を行なわないこととしてもよく,また,第四の
構成では,上側の前記反強磁性層と接しない前記磁性層
に対しては、前記熱処理を行なわないこととしてもよ
い。
1積層膜を230℃で1時間熱処理した場合のM−H曲
線を、図2はPd32Pt17Mn51/NiFe積層
膜を230℃で1時間熱処理した場合のM−H曲線を示
したものである。図1,図2共に、積層膜は大きなHu
aを示した。
に磁性膜を積層してもバイアス磁界を得ることができ、
2重構造型のスピンバルブを実現することができるとと
もに、230℃以下の低温熱処理でHuaが得られる
為、NiFe/Cu型のスピンバルブにおいても素子の
特性を劣化させることなく用いることができる。また、
FeMnと比較して耐蝕性があるため、素子の信頼性を
向上することができる。
らなる反強磁性層を中心とし,その上下にそれぞれピン
ド層及びフリー層となる第二及び第一の磁性層及び非磁
性層を配置する。この構成では,反強磁性層が一層とな
る。反強磁性層はこれと接する第二の磁性層をピンドと
して機能させるために,磁性層及び非磁性層よりも十分
に厚く形成する必要がある。従って,反強磁性層が一層
の第二の構成の磁気抵抗効果素子は,反強磁性層が上下
に二層必要とする第一の構成のものより薄くすることが
できる。
施例を示す。
る成静止対向スパッタで、30Oeの磁界を印加しなが
らシリコン基板に成膜した。膜構成は、基板1上に下部
バッファ層20としてNb層2を50Å及びNiFe層
3を50Å,反強磁性層4としてPdPtMn層を25
0Å,ピンド層5としてNiFe層を40Å,中間層6
としてCu層を35Å,フリー層8としてNiFe層を
100Å,キャップ層9としてNb層を100Åの順に
積層した。PdPtMnはPd50Mn50合金ターゲ
ット上にPt, Mnチップを配置し、合金膜組成がPd
33Pt17Mn50となるようにして作製した。Pd
PtMn反強磁性層4の下のNb層2およびNiFe層
3はPdPtMnの結晶配向性を高めるためのバッファ
層であり、最上層のNb層はNiFeの酸化防止のため
のキャップ層9である。成膜後その後、真空炉において
真空中で2500Oe程度の磁界を印加しながら230
℃で1時間処理を行った。図4にこの様にして得られた
スピンバルブ膜の磁気抵抗変化曲線(MR曲線)を示
す。
バルブの下層に形成した場合でもPdPtMn反強磁性
層を下層に用いた場合でも磁性層の磁化方向を固定する
ことが可能であり、抵抗変化が約1.7%の良好な特性
を得ることができた。
をNb及びNiFeとしているが、これはPdPtMn
からなる反強磁性材料の結晶性を良くするためのもので
あり材料としてはこの限りでは無く、例えばTa,Nb
などの非磁性材料や、NiFe,CoFe,CoNiF
eなどの軟磁性膜などでも可能である。
る磁性膜についても、このNiFeの限りではなく、C
oFe,CoNiFe,Coなどの磁性材料の単層及び
それらの積層膜を用いることが可能である。
他にAg,Auなどの非磁性材料を用いることも出来
る。 第2の実施の形態 図5にPdPtMnを下層に形成したスピンバルブのも
うひとつの実施例を示す。
ンスパッタ法による成静止対向スパッタで、30Oeの
磁界を印加しながらシリコン基板に成膜した。膜構成
は、基板1上にバッファ層20としてNb層2を50Å
及びNiFe層3を50Å,反強磁性層4としてPdP
tMn層を250Å,ピンド層10としてCoFe層を
35Å,中間層6としてCu層を35Å,フリー層とし
てCoFe層11を100Å及びNiFe層12,キャ
ップ層9としてNb層を100Åの順に積層した。Pd
PtMnはPd50Mn50合金ターゲット上にPt,
Mnチップを配置し、合金膜組成がPd33Pt17M
n50となるようにして作製した。PdPtMn反強磁
性層4の下のNb層2及びNiFe層3はPdPtMn
の結晶配向性を高めるためのバッファ層20であり、最
上層のNb層はNiFeの酸化防止のためのキャップ層
9である。成膜後、真空炉において真空中で2500O
e程度の磁界を印加しながら230℃で1時間処理を行
った。図6にこの様にして得られたスピンバルブ膜の磁
気抵抗変化曲線(MR曲線)を示す。
らなる反強磁性層4を下層に用いた場合でも磁性層の磁
化方向を固定することが可能であり、また非磁性層界面
にCo系磁性材料を接する形に形成することにより、抵
抗変化が約6%といったより大きな磁気抵抗効果を得る
ことが出来る。
20をNb及びNiFeとしているが、これはPdPt
Mnからなる反強磁性材料の結晶性を良くするためのも
のであり材料としてはこの限りでは無く、例えばTa,
Nbなどの非磁性材料や、NiFe,CoFe,CoN
iFeなどの軟磁性膜などでも可能である。
る磁性膜についても、このCoFeの限りではなく、C
oNiFe,Coなどの磁性材料の単層及びそれらの積
層膜を用いることが可能である。
他にAg、Auなどの非磁性材料を用いることも出来
る。 第3の実施の形態 図7に本発明をNiFeを磁性層に持つ2重構造スピン
バルブ膜に用いた場合の実施例を示す。試料は、第1の
実施例同様DCマグネトロンスパッタ法による成静止対
向スパッタで、シリコン基板に成膜した。膜構成は、基
板1上にバッファ層20としてNb層2を50Å及びN
iFe層3を50Å,反強磁性層4としてPd32Pt
17Mn51層を250Å,ピンド層5としてNiFe
層を40Å,中間層6としてCu層を35Å,フリー層
7としてNiFe層を90Åの順に積層し、このNiF
eフリー層7を共有する形でこれまでとは逆に中間Cu
層6,NiFeピンド層5,Pd32Pt17Mn51
反強磁性層4を同じ厚さに形成した。下層側のPdPt
Mn反強磁性層の下のNb層及びNiFe層はPdPt
Mnの結晶配向性を高めるためのバッファ層20であ
る。またこの例の場合、スピンバルブ膜の最上層に耐蝕
性に優れた材料であるPdPtMn反強磁性層4が形成
されるため、前2例の様な酸化防止キャップ層を設ける
必要は無い。その後、真空炉において真空中で2500
Oe程度の磁界を印加しながら230℃で1時間処理を
行った。図8にこの様にして得られたスピンバルブ膜の
磁気抵抗変化曲線(MR曲線)を示す。今回得られた2
重構造スピンバルブ膜の最大MR比は単純構造型のもの
に比較して2倍以上の値を示しており、大きな出力が得
られることがわかる。
をNb及びNiFeとしているが、これはPdPtMn
は反強磁性材料の結晶性を良くするためのものであり材
料としてはこの限りでは無く、例えばTa,Nbなどの
非磁性材料や、NiFe,CoFe,CoNiFeなど
の軟磁性膜などでも可能である。
る磁性膜についても、このNiFeの限りではなく、C
oFe,CoNiFe,Coなどの磁性材料の単層及び
それらの積層膜を用いることが可能である。
他にAg,Auなどの非磁性材料を用いることも出来
る。 第4の実施の形態 図9に本発明をCoFeを磁性層に持つ2重構造スピン
バルブ膜に用いた場合の実施例を示す。試料は、第1の
実施例同様DCマグネトロンスパッタ法による成静止対
向スパッタで、シリコン基板に成膜した。膜構成は、基
板1上にバッファ層20としてNb層2を50Å及びN
iFe層3を50Å,反強磁性層4としてPdPtMn
層を250Å,ピンド層10としてCoFe層を35
Å,中間層6としてCu層を35Å,フリー層21とし
てCoFe層11を100Å及びNiFe層12の順に
積層し、このフリー層21のNiFe層12を共有する
形でこれまでとは逆にフリー層21のCoFe層11,
Cu中間層6,CoFeピンド層10,Pd32Pt1
7Mn51反強磁性層4を同じ厚さに形成した。この例
の場合、スピンバルブ膜の最上層に耐蝕性に優れた材料
であるPdPtMnが形成されるため、前2例の様な酸
化防止キャップ層を設ける必要は無い。その後、真空炉
において真空中で2500Oe程度の磁界を印加しなが
ら230℃で1時間処理を行った。
ピンバルブ膜の磁気抵抗曲線を示す。本例の二重構造ス
ピンバルブ膜のMR比は実施例1に示す単純構造型のも
のに比較して約130%向上した。
をNb及びNiFeとしているが、これはPdPtMn
は反強磁性材料の結晶性を良くするためのものであり材
料としてはこの限りでは無く、例えばTa,Nbなどの
非磁性材料や、NiFe,CoFe,CoNiFeなど
の軟磁性膜などでも可能である。
る磁性膜についても、このCoFeの限りではなく、C
oNiFe,Coなどの磁性材料の単層及びそれらの積
層膜を用いることが可能である。
他にAg,Auなどの非磁性材料を用いることも出来
る。 第5の実施の形態 図11に第4の実施形態例の磁気抵抗効果素子を磁気ヘ
ッド用として用いた場合の実施例を示す。成膜は第4の
実施形態例と同一とし、熱処理についても第4の実施形
態例と同様、真空炉において真空中で2500Oe程度
の磁界を印加しながら230℃で1時間処理を行ってい
るが、処理中に印加する磁場の方向は成膜時に印加した
磁場方向と直交する方向に向けている。これを、一般的
な薄膜パターニングにより2μmの奥行きと100μm
の長さの素子形状にエッチングし、その後図11に示さ
れる形の端子部を形成する。この端子の材料としては30
00ÅのAuを用いた。測定は図11に示される通り、ピ
ンド層の磁化方向と同一方向に磁場を印加し、その抵抗
率の変化を直流4端子法で測定した。
ブ素子のMR曲線を示す。図に見られる様に抵抗変化が
8%以上といった優れたMR特性を得ることが出来た。 第6の実施の形態 図13に第4の実施形態例と同様にスピンバルブ膜の外
側に反強磁性層が配置され,かつCoFeを磁性層に持
つ2重構造スピンバルブ膜の他の実施形態例を示す。試
料は、第4の実施形態例同様DCマグネトロンスパッタ
法による成静止対向スパッタで、(100)シリコン基
板に成膜した。膜構成は、基板1上にバッファ層20と
してTa層を50Å,反強磁性層4としてPdPtMn
層を250Å,ピンド層10としてCoFe層を35
Å,中間層6としてCu層を35Å,フリー層21とし
てCoFe層11を35Å及びNiFe層12を20Å
の順に積層し、このフリー層21のNiFe層12を共
有する形でこれまでとは逆にフリー層21のCoFe層
11,Cu中間層6,CoFeピンド層10,Pd32
Pt17Mn51反強磁性層4を同じ厚さに形成した。
その他の製造方法及び条件は,第4の実施形態例と同様
である。
磁性層及び中間層の厚さ230Åに,上下の合計500
Åの反強磁性層4の厚さを加えた730Åとなる。一般
に,スピンバルブ膜の膜厚は薄いことが望ましい。なぜ
なら,スピンバルブ膜が厚い場合には,このスピンバル
ブ膜を使用した磁気ヘッドのギャプが大きくなるため,
媒体に記録された磁区幅を広くせざるを得ず媒体の信号
記録密度が低下するからである。さらに,反強磁性層4
が厚いと,スピンバルブ膜に占める磁気抵抗効果に寄与
しない反強磁性層4の割合が高くなるため,シャント効
果が大きくなり磁気抵抗効果が低下するという弊害を生
ずる。従って,反強磁性層4は薄いことが望ましい。し
かし,反強磁性層4が250Åより薄くては,ピンド層
10の磁化方位を適切に保持できない。これらの理由か
ら,本実施形態例における反強磁性層4の厚さは,25
0Åとすることが好ましい。
バルブのMR曲線を示す。第4実施形態例と同様に8%
以上のMR比が実現されている。 第7の実施の形態 本発明の第7の実施形態例は,反強磁性層を中心に,そ
の上下に上下対称に磁性層及び中間層を積層したスピン
バブル膜に関する。
ピンバルブの断面構造を示す。図14を参照して,(1
00)面を主面とするSi基板1上に,バッファ層20
として50ÅのTa層,フリー層21として20ÅのN
iFe層12の上に55ÅのCoFe層11を積層した
磁性層,非磁性の中間層6として35ÅのCu層,ピン
ド層10として35ÅのCoFe層を,この順に積層し
た。次いで,前記のピンド層10上に反強磁性層4とし
て250ÅのPd33Pt17Mn50を堆積した。次いで,
反強磁性層4上に,ピンド層10として35ÅのCoF
e層,中間層6として35ÅのCu層,フリー層21と
して20ÅのNiFe層12の上に55ÅのCoFe層
11を積層した磁性層をこの順に積層した。これによ
り,反強磁性層4を中心とする上下対称の2重構造が形
成された。さらに,酸化を防止するために,キャップ層
9として50ÅのTa層を堆積した。なお,これらの層
の堆積方法及び条件は第4の実施形態例と同様であり,
30Oeの磁界中でなされた。次いで,2000Oeの
磁界中で230℃,3時間の真空熱処理をし,PdPt
Mn反強磁性層4の規則格子化を進行させた。なお,本
実施形態例のスピンバルブ膜の膜厚は,250Åの反強
磁性層4が一層と,その上下に対称に配置された上下そ
れぞれ145Åの厚さの中間層及びフリー層及びピンド
層とを合わせた,合計540Åである。
バルブのMR曲線を示す。本実施形態例のスピンバルブ
膜は,12%以上の磁気抵抗効果を有する。これを,図
15に示す第6実施形態例の中間層,フリー層及びピン
ド層の積層した層の外側に反強磁性層を配置するスピン
バルブのMR曲線と比較すると,4%改善されている。
さらに,本第7実施形態例のスピンバルブ膜は,540
Åと第6実施形態例の730Åより90Å薄い。従っ
て,本第7実施形態例のスピンバルブ膜を使用した磁気
ヘッドは,検出感度が高くかつ高密度の磁区を検出する
ことができるから,高密度の磁気記録媒体の読み出し用
ヘッドとして優れた特性を有する。
り、高出力で高信頼性の磁気抵抗効果素子を得ることが
できる。
膜のM−H曲線。
のM−H曲線。
ルブの実施形態例。
ルブのMR曲線。
ルブの実施形態例。
ルブのMR曲線。
バルブの実施形態例。
バルブのMR曲線。
バルブの実施形態例。
ンバルブのMR曲線。
の実施形態例
のMR曲線
ンバルブの他の実施形態例。
スピンバルブの実施形態例。
型スピンバルブ素子のMR曲線。
のMR曲線。 図中、 1は基板 20 バッファ層 2 Nb層 3 NiFe層 4 反強磁性層 5,10 ピンド層 6 中間層 7,8,21 フリー層 9 キャップ層 11 CoFe層 12 NiFe層
Claims (10)
- 【請求項1】1つ以上の磁性膜からなる第一の磁性層が
あり、該第一の磁性層の上下両側に非磁性層を介して1
つ以上の磁性膜からなる第二の磁性層があり、更に該第
一の磁性層,該非磁性層及び該第二の磁性層を含む積層
の上下両側に前記第二の磁性層と接する形で反強磁性層
が設けられる構造を持つ二重構造の磁気抵抗効果素子に
おいて、 前記反強磁性層の少なくとも一方がPd−Pt−Mn合
金であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 【請求項2】前記二重構造を複数積層したことを特徴と
する請求項1記載の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項3】Pd−Pt−Mn合金からなる反強磁性層
と、 前記反強磁性層の上下両側にそれぞれ密接して設けられ
た1つ以上の磁性膜からなる第二の磁性層と、 前記第二の磁性層の前記反強磁性層と接する面の反対面
上に、それぞれ非磁性層を介して設けられた1つ以上の
磁性膜からなる第一の磁性層とを備えた二重構造を持つ
ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 【請求項4】前記二重構造を複数積層したことを特徴と
する請求項3記載の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項5】磁場中にて加熱処理を行って、前記反強磁
性層と接する前記第二の磁性層の磁化方向を、前記反強
磁性層と接しない前記第一の磁性層の磁化方向と直交す
る方向に向けたことを特徴とする請求項1又は3記載の
磁気抵抗効果素子。 - 【請求項6】下層側をPd−Pt−Mn合金とし、少な
くとも前記反強磁性層と接しない前記第一の磁性層に対
しては、前記熱処理を行なわないことを特徴とする請求
項5記載の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項7】前記反強磁性層の組成がPt10〜40原
子量%,Mn47〜53原子量%であることを特徴とす
る請求項1乃至6の何れかの請求項に記載の磁気抵抗効
果素子。 - 【請求項8】1つ以上の磁性膜からなる第一の磁性層が
あり、該第一の磁性層の上下両側に非磁性層を介して1
つ以上の磁性膜からなる第二の磁性層があり、更に該第
一の磁性層,該非磁性層及び該第二の磁性層を含む積層
の上下両側に前記第二の磁性層と接する形で少なくとも
一方がPd−Pt−Mn合金からなる反強磁性層が設け
られる構造を持つ二重構造の磁気抵抗効果素子(スピン
バルブ)の製造方法において、 前記反強磁性層と接する前記第二の磁性層の磁化方向
を、前記反強磁性層と接しない前記第一の磁性層の磁化
方向と直交する方向に向けるため、磁場中にて加熱処理
を行うことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 【請求項9】Pd−Pt−Mn合金からなる反強磁性層
と、前記反強磁性層の上下両側にそれぞれ密接して設け
られた1つ以上の磁性膜からなる第二の磁性層と、前記
第二の磁性層の前記反強磁性層と接する面の反対面上
に、それぞれ非磁性層を介して設けられた1つ以上の磁
性膜からなる第一の磁性層とを備えた二重構造を持つ磁
気抵抗効果素子の製造方法において、 前記反強磁性層と接する前記第二の磁性層の磁化方向
を、前記反強磁性層と接しない前記第一の磁性層の磁化
方向と直交する方向に向けるため、磁場中にて加熱処理
を行うことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 【請求項10】下層側をPd−Pt−Mn合金とし、少
なくとも前記反強磁性層と接しない前記磁性層に対して
は、前記熱処理を行なわないことを特徴とする請求項8
又は9記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
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JP25706896 | 1996-09-27 | ||
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-
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