JPH10154573A - 発熱体 - Google Patents

発熱体

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JPH10154573A
JPH10154573A JP31492296A JP31492296A JPH10154573A JP H10154573 A JPH10154573 A JP H10154573A JP 31492296 A JP31492296 A JP 31492296A JP 31492296 A JP31492296 A JP 31492296A JP H10154573 A JPH10154573 A JP H10154573A
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heating element
heating
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self
film
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JP31492296A
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Zenichi Inoue
善一 井上
Takashi Inoue
隆 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に温度変化可能でありかつ高い消磁効果
を奏する、PTC特性の自己温度制御型発熱体を持つ発
熱体を得る。 【解決手段】 シート状の絶縁基材1の両面にPTC特
性の自己温度制御型発熱体によって形成される発熱皮膜
対(2、3、4)が形成されてなる発熱体であって、該
発熱体は、個々の発熱皮膜への通電状態を切り換える手
段を有し、かつ、絶縁基材の一方の面に形成された発熱
皮膜(2A、3A、4A)が他方の面に形成された発熱
皮膜(2B、3B、4B)と面対称とされるとともに、
一方の発熱皮膜に流れる電流の方向と他方の発熱皮膜内
に流れる電流の方向が逆になるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の近くにヒー
タ線が配置される電気毛布、電気敷布、電気カーペット
等の電気暖房具に適用される発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気毛布、電気敷布、電気カーペ
ット等の加熱ヒータとしては、主に、ニクロム線ヒータ
ーやシーズヒーターが用いられ、図16のように布基材
10の間に適宜の間隔で線状発熱線11を配設した後、
別途熱伝導性の良いアルミニューム板などの均熱板12
が使用され、図示しない温度調節器を介して通電し、線
状発熱体11を適当に発熱させることにより人体等を暖
めるようにしている。しかし、このようなヒータ線を用
いた暖気暖房具は発熱線を一定間隔に配設して加熱する
方式のため、発熱線の凹凸による不快感や、均熱性が十
分でない等の不都合が有る。
【0003】近年にいたり、均熱性の向上と加熱面の均
平度の確保、及び温度制御の容易さを一度に改善した発
熱体として、いわゆるPTC特性を持つ自己温度制御型
発熱体を用いた暖房機器が開発されている(例えば、特
開平1−213978号公報等参照)。すなわち、電気
抵抗の温度係数が正である結晶性高分子化合物に対して
導電性粒子(例えばカーボンブラックあるいは金属粒子
等)を分散せしめてなる発熱層(PTC発熱層)を絶縁
シート上に広く面状に配置したものであり、PTC発熱
層そのものが面であることから、均熱性が高く、平坦面
であり、かつ、特別の温度制御回路を用いることなくキ
ューリー点に依存する自己温度制御が容易に達成され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のPTC
特性を持つ自己温度制御型発熱体は、制御温度がキュー
リー点に依存しており電圧変動に直接的には依存しない
ことから、環境に応じて使用温度を変えることは必ずし
も容易でない。さらに、上記のような従来の発熱体に交
流電流が流れると交番磁界が発生することは知られてお
り、電気カーペット等の電気暖房具は、発熱面が広く、
磁界を完全に遮断することが困難であるので、映像、音
声電気製品等のAV製品にノイズを与えるという報告が
なされている。従って、発生する磁界は強度は極弱いも
のであるとはいえ、ヒータ線を消磁型とすることは好ま
しいことである。
【0005】消磁型のヒータ線を用いた電気暖房具の一
例として、暖房器本体に配設された発熱体の発熱線を2
層若しくは平行に2本配設し、それぞれの発熱線に流れ
る電流の方向を逆方向となるように通電し、通電時に発
生する磁界を互いに打ち消すようにして磁界ノイズによ
る悪影響を防止したものが知られている(例えば、特開
平4−278125号公報等参照)が、ヒータ線を用い
るものであるために、発熱線の凹凸による不快感や、均
熱性が十分でない等の不都合を完全には回避できない。
【0006】本発明の目的は、PTC特性を持つ自己温
度制御型発熱体を熱源として用いる発熱体において、そ
の使用時の温度を簡単な動作で多段階に変えることを可
能とすると共に、通電時での発生磁界の低減を図ること
のできる発熱体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一方におい
て、シート状の絶縁基材にPTC特性の自己温度制御型
発熱体によって形成される発熱皮膜を少なくとも2つ以
上独立して配置し、好ましくは個々の発熱皮膜の自己温
度制御型発熱体をキューリー点の異なるものとして、個
々の発熱皮膜への通電状態を切り換えることにより、使
用時の加熱面積及び加熱面温度を簡単な動作で多段階に
変えることを可能とするものであり、他方において、発
生する電磁波が互いに打ち消し合うように発熱皮膜を配
置して消磁気効果を計るか、発熱皮膜の電流密度を押さ
えることにより低磁気化を計ることを可能としたもので
ある。
【0008】すなわち、電磁気は電流が流れている導電
体の周囲に作り出され、電流の流れる方向に対して右ま
わり方向に生じるもので、平行導線間では相互作用を起
こし、異方向の磁界は打ち消す作用が働く。図14を参
照すると、長い直線導体から距離r(m)の点の磁界の
強さH〔A/m〕、 H=I/2πr×D/r 〔A/m〕(空気中) で表される。なお、Iは導電体を流れる電流〔A/
m〕、Dは二導体間の距離〔m〕である。上記理論式よ
り、磁界の強さHは、電流Iに比例し、二導体間の距離
Dに比例し、二導体と検知位置との距離rに反比例する
性質であることがわかる。本発明の消磁気化あるいは低
磁気化は上記の電磁気の性質を利用したものである。
【0009】具体的には、請求項1の発明は、シート状
の絶縁基材の両面にPTC特性の自己温度制御型発熱体
によって形成される発熱皮膜対が少なくとも2体以上独
立して配置されてなる発熱体であって、該発熱体は、前
記各対をなす個々の発熱皮膜への通電状態を切り換える
手段を有し、かつ、前記各対における発熱皮膜の前記絶
縁基材の一方の面に形成された発熱皮膜が前記絶縁基材
の他方の面に形成された発熱皮膜と面対称とされるとと
もに、一方の発熱皮膜に流れる電流の方向と他方の発熱
皮膜内に流れる電流の方向が逆になるように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0010】この発明によれば、大きな突入電流によっ
て発熱皮膜を素早く昇温させることが可能となり、ま
た、発熱皮膜を印刷形成等により薄く平面状又はパター
ン状にシート状の絶縁基材面に配置可能であることか
ら、線ヒーターの場合のような凸凹による不快感はな
く、かつ、発熱面積を広くとることが容易に可能とな
る。そして、各対をなす独立した自己温度制御型発熱体
(発熱皮膜)に対して、例えばスイッチ切り替え等、通
電状態を切り換えるという単純な主動作でもって、発熱
体の発熱面積を容易に変えることができ、かつ、いずれ
の加熱状態にあっても、消磁気効果は達成される。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記各対をなす個々の発熱皮膜の少なくとも一つ
を、他の発熱皮膜とキューリー点が異なる自己温度制御
型発熱体としたことを特徴とするものであり、また、請
求項3の発明は請求項1又は2記載の発熱体が絶縁シー
トを介して複数層積層されていることを特徴とするもの
である。この場合、いずれの発熱体の場合でも、通電さ
れる発熱皮膜の切り替えによって、必要に応じた面積及
び2種類以上の温度を容易に得ることができ、使用環境
により適応した温度制御を容易に達成することができ
る。また、いずれの加熱状態にあっても、消磁効果は達
成される。
【0012】請求項4の発明は、シート状の絶縁基材に
長尺状のPTC特性の自己温度制御型発熱体によって形
成される発熱皮膜が少なくとも2列以上独立して配置さ
れてなる発熱体であって、該発熱体は、前記個々の発熱
皮膜への通電状態を切り換える手段を有し、かつ、前記
各長尺状の発熱皮膜の長手方向両側に該発熱皮膜と平行
に延びる電極を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、前記長尺状の発熱皮膜
をシート状の絶縁基材の表裏面に配置し、かつ、個々の
発熱皮膜への通電状態を切り換え得るようにしたことを
特徴とする。請求項4及び請求5の発明によれば、発熱
皮膜を流れる電流が分散されて電流密度が縮小され、そ
れにより、発生磁界は低減される。また、この場合であ
っても、PTC特性の自己温度制御型発熱体が持つ発熱
体としての機能及び効果は、請求項1〜3に記載の発明
と同様に奏される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明による発熱体を電気
カーペットに適用した実施形態について、図面を参照し
ながら説明する。先ず、図1、図2に基づいて本発明の
第1の実施形態を説明する。この発熱体H1では、基材
としてのシート状の絶縁基材1の両面に、PTC特性の
キューリー点が異なる自己温度制御型発熱体による3対
の発熱皮膜2(2A、2B)、3(3A、3B)、4
(4A、4B)が、面対称として配置される。絶縁基材
1は、例えば、ポリエステル、ポリイミド等の絶縁性樹
脂シート材料、あるいは、例えば、アルミナ、コージラ
イト、ムライト等のセラミックスシート材料等であって
よく、厚みは、絶縁を保ち熱伝導を妨げない必要から、
例えば電気カーペット製品の発熱源として用いる場合に
は、最も薄いシートとして34μm程度のものが用いら
れる。
【0015】絶縁基材1の両面に配置されるPTC特性
の自己温度制御型発熱体は、従来知られた方法により製
造されたものでよく、例えば厚み10μm程度の膜厚と
なるようにスクリーン印刷、転写印刷あるいはインクジ
ェット印刷等の手法により、発熱皮膜として絶縁基材1
の両面に焼き付け形成される。さらに、各発熱皮膜の一
方端にはAg、Cu、Ni等からなる電極(5a、5
b、5c)、(5A、5B、5C)が設けられ、他方端
には両面の発熱皮膜を短絡する銅箔テープ状の電極6
a、6b、6cが設けられて、それにより表裏面の発熱
皮膜は電気的に接合された構成とされる。
【0016】自己温度制御型発熱体は、一例として、材
料例としては、第1のポリマーであるポリエチレンと、
第1のポリマーとは完全には相溶しない融点又は熱変形
温度が第1のポリマーの融点より高い第2のポリマーと
してのポリプロピレンと、導電性粒子としてのカーボン
ブラックとを混練してなる成形材料を用いて得ることが
できる。主として導電性粒子の添加量を調整することに
より、例えば、図15に示すようなキューリー点(温
度)T(T1 〜T4 )の異なる自己温度制御型発熱体A
〜Dが得られる。
【0017】図3は前記発熱体H1の電気回路であり、
発熱皮膜2のキューリー点をT1 、発熱皮膜3のキュー
リー点をT2 、発熱皮膜4のキューリー点をT3 とした
場合に、それぞれの発熱皮膜2、3、4の温度は、それ
ぞれのキューリー点T1 、T2 、T3 を越えたときに急
激に抵抗が増加することから、該キューリー点で定まる
一定温度域に保持される。従って、回路図からスイッチ
S1〜S3の切り替えによって3段階の温度が必要に応
じて容易に得られることがわかる。また、各発熱皮膜
2、3、4としてキューリー点の同じものを用いる場合
には、同じ温度で発熱面積のみを変化させることができ
る。
【0018】この実施形態において、各発熱皮膜へのス
イッチをオンすると、表面側の発熱皮膜(2A、3A、
4A)と裏面側の発熱皮膜(2B、3B、4B)には逆
方向の電流が流れ、発熱皮膜(2A、3A、4A)を流
れる電流によって発生する磁界は、発熱皮膜(2B、3
B、4B)を流れる電流によって発生する磁界によって
打ち消される。図14に示すように、導体Aに電流が流
れることにより発生する磁界のベクトルaと、導体Bに
逆向きに電流が流れることにより発生する磁界のベクト
ルbのP点の合成磁界はcとなる。導体A、B間の距離
Dが大きくなるほどA、b間の角度eは小さくなり、合
成磁界cは大きくなっていき、究極はベクトルaの絶対
量とベクトルbの絶対量の和に近似する。逆に導体間距
離Dが小さくなるほど角度eは大きくなって合成磁界c
は小さくなっていく。導体間距離Dが0の場合、ベクト
ルa.bの向きは逆になり、合成磁界cは0となる。従
って図1、図2の両面の発熱皮膜の距離は小さいことが
好ましく、この場合、導体間距離は絶縁基材1の厚みt
に相当し、例えば、tが125μmのような極めて小さ
い値である場合には、大きな消磁効果が期待できる。
【0019】上記のとおりであり、この実施形態による
発熱体H1によれば、消磁されながら必要に応じた加熱
面積及び面温度を容易に得ることができる。なお、発熱
皮膜(2A、3A、4A)、(2B、3B、4B)の形
状は特に限定されず、面対称であることを条件にパター
ン状であってもよい。
【0020】図4は本発明による発熱体の他の実施形態
を示しており、この発熱体H2は、図1、図2に示した
発熱体H1と同様な構成である発熱体H1’が1縁シー
ト5を介して多層化(図示の例では3層化)されてお
り、同一層での各独立した発熱皮膜はキューリー点の同
じ自己温度制御型発熱体が用いられるが、各層(第1
層、第2層、第3層・・・)での自己温度制御型発熱体
のキューリー点は異なっている。この例では、1層目は
キューリー点T1 である自己温度制御型発熱体2Aとさ
れ、2層目はキューリー点T2 である自己温度制御型発
熱体3Aとされ、3層目はキューリー点T3 である自己
温度制御型発熱体4Aとされている。
【0021】図5の回路図に示すように各層毎に個別の
スイッチ(Sa、Sb、Sc)がさらに設けられてお
り、そのスイッチの切り替えによって、必要に応じた各
種温度(T1.2.3.・・・)を容易に得ることができ
る。この場合でも、どのようにスイッチを切り換えて
も、いずれの絶縁基材における個々の表面側の発熱皮膜
と裏面側の発熱皮膜には逆方向の電流が流れ、発生磁界
は消磁される。それにより、消磁されながら必要に応じ
た加熱面積及び面温度をより細かく設定することが可能
となる。
【0022】次に、図6〜図13に基づき、本発明によ
る発熱体のさらに他の実施形態を説明する。以下に説明
する実施形態では、基本的に、長尺状のPTC特性の自
己温度制御型発熱体を用い、その長手方向両側に電極を
設けることにより、自己温度制御型発熱体を流れる電流
を分散させて電流密度を縮小し、それにより、発生磁界
を低減するようにしている。
【0023】図6にその一例を示すように、基板シート
31の表面に長尺状(長尺テープ状)のPTC特性の自
己温度制御型発熱体である発熱皮膜32を形成し、その
両辺に前記した実施形態と同じような電極33、34を
形成して、電流を流す。この発熱皮膜32において、電
流は図6の矢印の方向に流れ、図7の等価回路に示すよ
うに複数の抵抗35が並列に接続された並列抵抗回路と
なる。それにより、電流が分散されるので、電流密度の
縮小が図れ、発生磁界は少なくなる。
【0024】例えば、20kΩ/cm2 の自己温度制御
型発熱体で幅10mmの長尺テープ状発熱皮膜を有する
長さ5mの長尺テープ状発熱体をカーペット等の平面発
熱面に張りめぐらし、100Vにて通電すると、合成電
力は約250W/2.5Aになるが、電極1cm当たり
の電流は約5mAとなって500分の1に低下し、発生
磁界を極端に押さえることができる。同じ条件で、10
kΩ/cm2 の自己温度制御型発熱体で幅5mmの発熱
皮膜を用いる場合には、電極1cm当たりの電流は約
1.5mAとなり、さらに発生磁界は抑えられる。
【0025】図8、図9は上記の形態の発熱体た本発明
の他の実施形態であり、この発熱体H3は、シート状の
絶縁基材31の表面に、長尺テープ状の自己温度制御型
発熱体の長手方向両側辺に平行電極33、34を設けて
形成した3個の発熱皮膜(32a、32b、32c)が
互いに独立してコーティング又は印刷により配置されて
いる。電気回路は図3に示したもの同様でよい。この態
様の発熱体によれば、発生磁界を極端に押さえた状態
で、もし、3個の発熱皮膜(32a、32b、32c)
が同じ温度のキューリー点を持つ場合には、個別にスイ
ッチ切り替えによって容易に加熱面積を変更することが
でき、また、異なる温度のキューリー点を持つ場合に
は、個別にスイッチ切り替えによって容易に必要に応じ
た加熱面積及び面温度を得ることができる。
【0026】図10、図11はさらに他の実施形態であ
り、この発熱体H4は、図6、図7に基づき説明した電
流密度を低くおさえた低電磁波型の発熱皮膜32a、3
2bが絶縁基材31の表裏両面にコーティング又は印刷
により形成され、それぞの自己温度制御型発熱体は異な
る温度のキューリー点を持つ。この構成では、図示しな
い電気回路によるスイッチの切り替えにより、2段階の
温度切り替えが、発生磁界を極端に押さえた状態で、必
要に応じて容易に得られる。
【0027】図12はさらに他の実施形態であり、この
発熱体H5は、前記図8、図9に示した形態の発熱体H
3が多層化(図示の例では3層化)されている。この場
合に、各層の発熱皮膜を構成する自己温度制御型発熱体
のキューリー点を異ならせることにより、図示しない個
別のスイッチの切り替えによって必要に応じた加熱面積
及び面温度が得られる。
【0028】図13はさらに他の実施形態であり、この
発熱体H6は、図6に示した長尺テープ状の発熱皮膜3
2を断熱シート50上に蛇行状に配設した発熱体51を
複数層(図示の例では3層)積層して発熱体としてい
る。この場合も、各層の発熱皮膜32を構成する自己温
度制御型発熱体のキューリー点を異ならせることによ
り、単に個別のスイッチの切り替えによって、発生磁界
を極端に押さえた状態で、必要に応じた面温度を得るこ
とができる。
【0029】なお、本発明による発熱体の使用例とし
て、例えば、電気カーペット製品に用いる場合に、導電
面周囲の絶縁処理が必要となると共に、通常の電気カー
ペットでは表面温度は20℃〜50℃の範囲が必要であ
り、この時の自己温度制御型発熱体としてはキューリー
温度Tの異なる4種類の自己温度制御型発熱体を用いる
ことが有効であり、そのキューリー温度Tとしては、T
1 :20℃、T2 :30℃、T3 :40℃、T4 :50
℃程度とすることが考えられる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明による発熱体は、P
TC特性を持つ自己温度制御型発熱体を熱源として用い
る発熱体において、簡単な動作で加熱面積及び面温度を
多段階に変えることを可能とすると共に、通電時での発
生磁界の低減をも図ることのできる。そのために、暖房
機器としての使い勝手がよくなることに加えて、他の電
気機器への悪影響や、人体が電磁界に暴露されることに
よる健康への悪影響を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発熱体の一実施形態を示す説明用
平面図。
【図2】図1に示す発熱体のII−II線による断面
図。
【図3】図1に示す発熱体の電気回路。
【図4】本発明による発熱体の他の実施形態を示す説明
用側面図。
【図5】図4に示す発熱体の電気回路。
【図6】本発明による発熱体のさらに他の実施形態を説
明する模式図。
【図7】図6に発熱体の等価回路。
【図8】本発明による発熱体のさらに他の実施形態を示
す説明用平面図。
【図9】図8に示す発熱体の説明用断面図。
【図10】本発明による発熱体のさらに他の実施形態を
示す説明用平面図。
【図11】図10に示す発熱体の説明用側面図。
【図12】本発明による発熱体のさらに他の実施形態を
示す説明用側面図。
【図13】本発明による発熱体のさらに他の実施形態を
示す説明用分解図。
【図14】本発明による消磁の原理を説明するための説
明図。
【図15】自己温度制御型発熱体の抵抗−温度特性を示
すグラフ。
【図16】従来の電気暖房器具を説明する図。
【符号の説明】
1、31…シート状絶縁基材、2、3、4、32…自己
温度制御型発熱体からなる発熱皮膜、5、6、33、3
4…電極、T(T1 〜T4 )…キューリー点(温度)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の絶縁基材の両面にPTC特性
    の自己温度制御型発熱体によって形成される発熱皮膜対
    が少なくとも2体以上独立して配置されてなる発熱体で
    あって、該発熱体は、前記各対をなす個々の発熱皮膜へ
    の通電状態を切り換える手段を有し、かつ、前記各対に
    おける発熱皮膜の前記絶縁基材の一方の面に形成された
    発熱皮膜が前記絶縁基材の他方の面に形成された発熱皮
    膜と面対称とされるとともに、一方の発熱皮膜に流れる
    電流の方向と他方の発熱皮膜内に流れる電流の方向が逆
    になるように構成したことを特徴とする発熱体。
  2. 【請求項2】 前記各対をなす個々の発熱皮膜の少なく
    とも一つは、他の発熱皮膜とキューリー点が異なる自己
    温度制御型発熱体であることを特徴とする請求項1記載
    の発熱体。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2記載の発熱体が絶縁
    シートを介して複数層積層されてなることを特徴とする
    発熱体。
  4. 【請求項4】 シート状の絶縁基材に長尺状のPTC特
    性の自己温度制御型発熱体によって形成される発熱皮膜
    が少なくとも2列以上独立して配置されてなる発熱体で
    あって、該発熱体は、前記個々の発熱皮膜への通電状態
    を切り換える手段を有し、かつ、前記各長尺状の発熱皮
    膜の長手方向両側には該発熱皮膜と平行に延びる電極を
    設けたことを特徴とする発熱体。
  5. 【請求項5】 シート状の絶縁基材の両面に長尺状のP
    TC特性の自己温度制御型発熱体によって形成される発
    熱皮膜が独立して配置されてなる発熱体であって、該発
    熱体は、前記個々の発熱皮膜への通電状態を切り換える
    手段を有し、かつ、前記各長尺状の発熱皮膜の長手方向
    両側には該発熱皮膜と平行に延びる電極を設けたことを
    特徴とする発熱体。
  6. 【請求項6】 前記各長尺状をなす発熱皮膜の少なくと
    も一つは、他の長尺状発熱皮膜とキューリー点が異なる
    自己温度制御型発熱体であることを特徴とする請求項4
    又は5記載の発熱体。
  7. 【請求項7】 前記請求項4ないし6いずれか記載の発
    熱体が絶縁シートを介して複数層積層されていることを
    特徴とする発熱体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007185415A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 暖房便座装置

Cited By (1)

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JP2007185415A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 暖房便座装置

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