JPH10150981A - 生体触媒固定化用硬化性液状樹脂組成物、及びその硬化方法 - Google Patents

生体触媒固定化用硬化性液状樹脂組成物、及びその硬化方法

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JPH10150981A
JPH10150981A JP8313291A JP31329196A JPH10150981A JP H10150981 A JPH10150981 A JP H10150981A JP 8313291 A JP8313291 A JP 8313291A JP 31329196 A JP31329196 A JP 31329196A JP H10150981 A JPH10150981 A JP H10150981A
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JP
Japan
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meth
acrylate
biocatalyst
resin composition
liquid resin
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JP8313291A
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English (en)
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Hiromi Uchida
弘美 内田
Sachiko Higo
幸呼 肥後
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バイオリアクター、バイオセンサー、診断薬、
アフィニティクロマトグラフィー等に有用な生体触媒固
定化用硬化性樹脂組成物、及びその硬化方法を提供す
る。 【解決手段】(メタ)アクリレート系液状樹脂(A)1
00重量部と、分子中に不飽和二重結合を有する数平均
分子量1,000以下の(メタ)アクリレート系単量体
(B)1〜1,000重量部、及び生体触媒からなり、
(メタ)アクリレート系液状樹脂(A)が、下記の一般
式(1)で示されるアルキレングリコール(メタ)アク
リレート系単量体(a−1)20〜100重量%、及び
上記以外の重合性単量体(a−2)0〜80重量%を共
重合してなる、数平均分子量が10,000〜200,
000、粘度が1〜10,000ポイズ(50℃)の無
溶剤液状樹脂であることを特徴とする、生体触媒固定化
用硬化性液状樹脂組成物。 CH2 =C(R1 )COO(Cn 2nO)m 2 (1) (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は炭素数1
〜5のアルキル基又はフェニル基、nは1〜3の整数、
mは3〜25の整数をそれぞれ表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリレ
ート系液状樹脂と分子中に不飽和二重結合を有する数平
均分子量1,000以下の(メタ)アクリレート系単量
体、及び生体触媒からなる生体触媒固定化用硬化性液状
樹脂組成物、及びその硬化方法に関する。更に詳しく
は、バイオリアクター、バイオセンサー、診断薬、アフ
ィニティクロマトグラフィー等に有用な生体触媒固定化
用硬化性液状樹脂組成物、及びその硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内での様々な反応は、タンパク質で
ある酵素を触媒として行われており、酵素及び様々な酵
素反応の場である微生物、動植物細胞、及び動植物組織
は生体触媒と呼ばれている。この生体触媒が触媒する反
応は、従来の化学反応と比べて、(1)常温常圧下で反
応が進行するので、所要エネルギーは大幅に削減でき
る、(2)特定の構造の化合物の特定の位置に立体選択
的に反応が起こるので、副生成物が少なく収率の向上が
可能であり、また、精製工程の簡略化による精製コスト
の低減も可能である、(3)基質特異性が厳密なため、
種々の化合物の混在下でも特定の化合物のみを選択的に
変化させ得る、などの利点を有している
【0003】このような特徴を生かして、生体触媒は、
バイオリアクター、バイオセンサー、診断薬、アフィニ
ティクロマトグラフィー等に利用されているが、生体触
媒の持つ最大の欠点である不安定性の改善と、反応性や
操作性、反応後の回収のしやすさ等を向上させるため
に、多くの場合生体触媒は様々な方法で固定化される。
【0004】酵素の固定化法については、担体結合法、
架橋法、包括法等が知られている。このうち、担体結合
法は、酵素の活性発現にできるだけ悪影響を与えない部
分を、不溶性の担体に共有結合、イオン結合、疎水結
合、生化学的特異結合などを介して固定化する方法であ
る。固定化担体として、セルロース、デキストラン、ア
ガロースなどの多糖類の誘導体、及びポリアクリルアミ
ドゲルなどが良く用いられている。担体結合法の欠点と
して、(1)酵素が部分的な修飾を受けることによりタ
ンパク質の高次構造や活性中心が部分的に破壊されるお
それがあること、(2)酵素の自由な動きが制限される
ことにより、基質との相互作用が起こりにくくなりその
結果活性の低下が見られること、(3)優れた活性と安
定性をもたらす固定化条件を見つけだすことが難しいこ
と、などが指摘されている。
【0005】架橋法は、2個以上の官能基を有する試薬
を用いて、酵素と酵素を架橋することにより固定化する
方法である。この反応に用いられる試薬としては、グル
タルアルデヒド、トルエンジイソシアナート、ヘキサメ
リレンジイソシアナート、シアヌルクロリド、ビスジア
ゾベンジジン等がある。この方法は、比較的激しい条件
下で架橋反応を行うため、得られた固定化酵素の活性は
比較的低いものが多い。
【0006】包括法には、タンパク質や多糖類のような
天然高分子や種々の合成高分子のゲルの中に生体触媒を
閉じ込める格子型、半透過性の高分子被膜によって包み
込むマイクロカプセル型、リン脂質のような液体膜に酵
素などを包み込むリポソーム型などがある。このうち、
ポリアクリルアミドゲルによる包括法は、アクリルアミ
ドモノマー、架橋剤N,N’−メチレンビスアクリルア
ミド、重合促進剤β−ジメチルアミノプロピオニトリ
ル、及び重合開始剤過硫酸カリウムなどを目的の酵素液
に加えて重合させ、酵素をゲル内に取り込む方法であ
る。近年、アクリルアミドの重合反応の開始エネルギー
としてX線やγ線などの放射線を利用する方法が報告さ
れており、例えば、アクリルアミド、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド、及びトリプシンを緩衝液に溶か
したものに、X線を0℃、2,300rad/hrで3
時間照射することで固定化したトリプシンを調製する方
法が示されている(J. Dobo, Acta Chim. Acad. Sci. H
ung., 63, 453 (1970))。また、多糖類の一つアルギン
酸のナトリウム塩が水に可溶であるのに対し、カルシウ
ム塩やアルミニウム塩が水に不溶であることを利用し
て、アルギン酸ナトリウムの水溶液と生体触媒を混合し
て、これを塩化カルシウムのようなゲル化剤の水溶液中
に滴下することで、生体触媒を固定化する方法が知られ
ている。この方法は、素材の入手が容易なことや固定化
が簡便かつ緩和な条件下で行えることから、広く用いら
れている。
【0007】酵素以外の生体触媒である微生物、動植物
細胞、及び動植物組織の場合にも、酵素の場合と本質的
に同一の方法を用いて固定化することができる。しか
し、これらの持つ生理機能を維持させたまま固定化しな
ければならない場合が多く、これらをアクリルアミドゲ
ルやアルギン酸中に包括させる方法や、物理的に膜に吸
着させる方法などが良く用いられている。
【0008】今日、臨床検査用の診断薬の分野におい
て、酵素を分析用の試薬として用いて血液等の体液成分
を測定する酵素法は、臨床検査のかなりの部分を担って
いる。このうち、ドライケミストリーと呼ばれる検査方
法は、乾燥状態にある試薬キットに血液や尿などの検体
を供給するだけで結果が得られる、使い捨てタイプの分
析素子を用いる方法であり、多くの場合、酵素反応によ
り生じた色素の濃度を吸光度分析で測定する方法が取ら
れている。この方法においては、分析に用いられる酵素
の固定化が非常に重要である。例えば、特公昭63−1
4302号公報には、ゼラチン、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム、ヘマトキシリン等よりなる水溶液にウ
レアーゼを混合したものを、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に塗布し、尿素分析用のドライケミストリ
ー分析素子の酵素の固定化を行っている。
【0009】生体触媒の固定においては、生体触媒の有
する機能を低下させないことが最も重要であり、このた
めには、固定化材料に生体触媒に有害な作用を及ぼすも
のが含まれないこと、穏和な条件で固定化を行うことが
不可欠である。また、特にドライケミストリー分析素子
用の固定化材料としては、透明性が高いことも重要であ
る。
【0010】ところで、放射線による樹脂の硬化方法
は、加熱等の処理を必要としない比較的穏和な硬化方法
であるが、従来の放射線硬化性樹脂組成物は、大量の低
分子量成分を添加することにより樹脂組成物の粘度を制
御している。このため、臭気等の問題や、硬化時の体積
収縮、硬化塗膜の脆弱化等の欠点を有している。この硬
化時の体積収縮を改善するために、比較的分子量の高い
モノマー成分を用いたり、高分子量成分を添加するなど
の工夫がなされてきたが、樹脂組成物を適正な粘度範囲
に収めるためには添加できる量が限られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バイオリア
クター、バイオセンサー、診断薬、アフィニティクロマ
トグラフィー等に有用な生体触媒固定化用硬化性液状樹
脂組成物、及びその硬化方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために様々な樹脂系の構造と粘度との相関性等
について鋭意研究を行った結果、高分子量でありながら
従来の造膜方法で造膜できる粘度範囲内にあり、なおか
つ従来からある硬化方法により高速度で硬化させること
ができる硬化性液状樹脂組成物を見出した。更に、この
硬化性液状樹脂組成物及びその硬化物の中で、生体触媒
の有する機能が低下しないことが認められ本発明に至っ
た。即ち本発明は、(メタ)アクリレート系液状樹脂
(A)100重量部と、分子中に不飽和二重結合を有す
る数平均分子量1,000以下の(メタ)アクリレート
系単量体(B)1〜1,000重量部、及び生体触媒か
らなり、(メタ)アクリレート系液状樹脂(A)が、下
記の一般式(1)で示されるアルキレングリコール(メ
タ)アクリレート系単量体(a−1)20〜100重量
%、及び上記以外の重合性単量体(a−2)0〜80重
量%を共重合してなる、数平均分子量が10,000〜
200,000、粘度が1〜10,000ポイズ(50
℃)の無溶剤液状樹脂であることを特徴とする、生体触
媒固定化用硬化性液状樹脂組成物を提供する。 CH2 =C(R1 )COO(Cn 2nO)m 2 (1) (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は炭素数1
〜5のアルキル基又はフェニル基、nは1〜3の整数、
mは3〜25の整数をそれぞれ表す。)
【0013】更に本発明は、(メタ)アクリレート系単
量体(B)の粘度が0.01〜60ポイズ(50℃)で
あることを特徴とする、上記樹脂組成物を提供する。
【0014】更に本発明は、R1 が水素原子であること
を特徴とする、上記樹脂組成物を提供する。
【0015】更に本発明は、粘度が0.1〜5,000
ポイズ(50℃)であることを特徴とする、上記樹脂組
成物を提供する。
【0016】更に本発明は、生体触媒が酵素であること
を特徴とする、上記樹脂組成物を提供する。
【0017】更に本発明は、生体触媒が微生物であるこ
とを特徴とする、上記樹脂組成物を提供する。
【0018】更に本発明は、生体触媒が動植物細胞又は
動植物組織であることを特徴とする、上記樹脂組成物を
提供する。
【0019】更に本発明は、生体触媒が水を含むことを
特徴とする、上記樹脂組成物を提供する。
【0020】更に本発明は、放射線を照射することを特
徴とする、上記樹脂組成物の硬化方法を提供する。
【0021】本発明の、(メタ)アクリレート系液状樹
脂と分子中に不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレ
ート系単量体、及び生体触媒からなる生体触媒固定化用
液状樹脂組成物、及びその硬化方法を用いれば、生体触
媒の有する機能を低下させることなく、穏和な条件で生
体触媒の固定化を行うことが可能であり、バイオリアク
ター、バイオセンサー、診断薬、アフィニティクロマト
グラフィー等に有用な固定化生体触媒を容易に得ること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明における(メタ)アクリレ
ート系液状樹脂(A)は、アルキレングルコール(メ
タ)アクリレート系単量体(a−1)、及びそれ以外の
重合性単量体(a−2)を共重合してなる無溶剤液状樹
脂で、樹脂組成物を液状化させるための成分であり、ま
た、硬化後の生体触媒固定化物に強靭性と柔軟性を付与
する役割を果たす。
【0023】本発明において、一般式(1)で示される
アルキレングリコール(メタ)アクリレート系単量体
(a−1)は、(メタ)アクリレート系樹脂(A)を液
状にするために使用される。一般式(1)で示されるア
ルキレングリコール(メタ)アクリレート系単量体(a
−1)として、例えば、メトキシテトラエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレング
リコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテ
トラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペ
ンタキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アク
リレート、エトキシテトラプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、プロポキシテトラプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシ
テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メ
トキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、又はフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)
アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることが
できる。このうち、特に繰り返し単位が3〜25、好ま
しくは4〜22であるポリオキシアルキレン側鎖を有す
る(メタ)アクリレート系単量体を使用することによ
り、共重合体の粘度を効果的に下げることができる。ま
た、得られた共重合体により、生体触媒は安定に保持さ
れる。さらに、放射線の照射により硬化させる場合に、
ポリオキシアルキレン側鎖間の架橋反応が効果的に進行
する。繰り返し単位2以下の場合、低粘度の液状樹脂が
得られにくく、また26以上になると重合度が上がりに
くく、得られた液状樹脂が固体となり生体触媒の混合が
難しくなるため好ましくない。
【0024】斯るアルキレングリコール(メタ)アクリ
レート系単量体(a−1)は、共重合体中に20〜10
0重量%、好ましくは40〜95重量%含まれることが
望ましい。共重合体中のアルキレングリコール(メタ)
アクリレート系単量体(a−1)が40重量%、特に2
0重量%より少なくなると、好ましい粘度を保つことが
難しくなる。また、生体触媒の共重合体中での安定性に
おいても問題が生じる。
【0025】本発明において、アルキレングルコール
(メタ)アクリレート系単量体(a−1)以外の重合性
単量体(a−2)は、硬化後の生体触媒固定化物の物性
を向上させるために使用される。この重合性単量体に
は、分子中にカルボキシル基、アミド基、あるいは水酸
基を有するラジカル重合性単量体、及びその他の重合性
ビニル単量体が含まれる。
【0026】分子中にカルボキシル基を有するラジカル
重合性単量体としては、例えば、無水マレイン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、また
は、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステ
ル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエス
テル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモ
ノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエ
チルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシ
エチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、けい皮酸などを挙げることができる。
【0027】分子中にアミド基を有するラジカル重合性
単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ペントキシメチル(メタ)アクリルアミドな
どのモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジ(メチロール)(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジ(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミ
ド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポ
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(プロ
ポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ
メチル−N−(プロポキシメチル)(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチ
ル)(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N
−(ペントキシメチル)(メタ)アクリルアミドなどの
ジアルキロール(メタ)アクリルアミドを挙げることが
できる。
【0028】分子中に水酸基を有するラジカル重合性単
量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)ア
クリレート、N−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリ
ルアミド、N−(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリル
アミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等の水酸
基を有する(メタ)アクリルアミドを挙げることができ
る。また、例えば、アリルアルコール、4−ヒドロキシ
−1−ブテン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−ヒ
ドロキシエチルスチレン、1,4−ジヒドロキシ−2ブ
テン等の一級水酸基を含有するビニルモノマーなども使
用できる。
【0029】その他の重合性ビニル単量体としては、例
えば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノマー、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート等のアルキル基を有する(メ
タ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール
(メタ)アクリレート等のアルコキシ基、フェノキシ基
を含む(メタ)アクリレートなどを挙げることができ
る。
【0030】斯るアルキレングリコール(メタ)アクリ
レート系単量体(a−1)以外の重合性単量体(a−
2)は、共重合体中に0〜90重量%、好ましくは5〜
60重量%含まれることが望ましい。共重合体中のアル
キレングリコール(メタ)アクリレート系単量体(a−
1)以外の重合性単量体(a−2)が60重量%、特に
80重量%より多くなると液状樹脂の粘度が高くなり好
ましくない。
【0031】本発明の樹脂組成物を、電子線を照射する
ことより硬化せしめる場合には、一般式(1)のR1
水素原子であることが好ましい。またこの場合、共重合
に用いるアルキレングリコール(メタ)アクリレート系
単量体(a−1)以外の重合性単量体(a−2)は、ア
クリート系単量体、スチレンなど共重合せしめた際に主
鎖に4級炭素を持たないものであることが好ましい。
【0032】本発明の(メタ)アクリート系液状樹脂
(A)は、数平均分子量が10,000〜200,00
0、好ましくは11,000〜100,000であるこ
とが望ましい。数平均分子量が上記の値より小さくなる
と、重合溶媒中から液状樹脂を単離するのが困難である
と同時に、硬化後の生体触媒固定化物の物性が低下する
ので好ましくない。また、数平均分子量が上記の値より
大きくなると、液状樹脂の粘度を低くするために多量の
低分子量化合物を添加する必要が生じるため好ましくな
い。
【0033】本発明の(メタ)アクリレート系液状樹脂
(A)は、上記の単量体の混合物をラジカル重合開始剤
の存在下溶媒中に溶解する方法、あるいは単量体の混合
物を滴下する方法を用いて、ラジカル重合により製造す
ることができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化
ベンゾイル、t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペ
ルオキシド、過酸化ラウロイル、その他の有機過酸化物
(例えば、大成社「架橋剤ハンドブック」p520〜5
35に記載の過酸化物)、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシクロヘキサンニトリルなどのアゾ化合
物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸
系開始剤など、既知の化合物を使用することができる。
【0034】重合に用いる溶剤としては、例えば、酢酸
エチル、トルエン、メチルエチルケトン、ベンゼン、ジ
オキサン、n−プロパノール、メタノール、イソプロパ
ノール、テトラヒドロフラン、n−ブタノール、sec
−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノー
ル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカル
ビトール、エチルカルビトール、メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテート、ダイアセトンア
ルコールなどを挙げることができる。
【0035】本発明においては、合成時に用いた溶剤
を、合成後沈澱精製、留去等の方法で除くことにより無
溶剤の液状樹脂を得る。得られた液状樹脂は、50℃で
の粘度が1〜10,000ポイズ、好ましくは10〜
1,000ポイズであることが望ましい。50℃での粘
度が1ポイズより低い場合は、硬化後の生体触媒固定化
物が脆弱となるため好ましくない。逆に50℃での粘度
が10,000ポイズより高い場合は、硬化に多くの放
射線量を要し、また低粘度化のために多くの(メタ)ア
クリレート系単量体(B)を加えることになるため好ま
しくない。
【0036】本発明において、分子中に不飽和二重結合
を有する数平均分子量1,000以下の(メタ)アクリ
レート系単量体(B)は、(メタ)アクリレート系液状
樹脂(A)に混合して、その粘度や硬化性を調節するた
めに使用される。
【0037】(メタ)アクリレート系単量体(B)とし
ては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート
系単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−{(メ
タ)アクリロキシ・エトキシ}フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−{(メタ)アクリロキシ・ジエトキ
シ}フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−{(メ
タ)アクリロキシ・ポリエトキシ}フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−{(メタ)アクリロキシ・プロ
ポキシ}フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
{(メタ)アクリロキシ・ジプロポキシ}フェニル]プ
ロパン、2,2−ビス[4−{(メタ)アクリロキシ・
ポリプロポキシ}フェニル]プロパン等の2官能(メ
タ)アクリレート系単量体、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)
アクリレート系単量体などを挙げることができる。この
うち、ポリオキシアルキレン部位を有する(メタ)アク
リレート系単量体を用いることは、放射線の照射により
硬化させる場合にポリオキシアルキレン部位の架橋反応
が効果的に進行するため好ましい。また、ポリオキシア
ルキレン部位は、固定化物中での生体触媒の安定性にも
寄与する。
【0038】斯る(メタ)アクリレート系単量体(B)
の粘度は0.01〜60ポイズ(50℃)、好ましくは
0.1〜50ポイズ(50℃)であることが望ましい。
粘度がこれより低いものは、低分子量のものが多く添加
された生体触媒への影響が大きくなり、逆に粘度がこれ
より高いものは、(メタ)アクリレート系液状樹脂の粘
度調節剤としての役割が乏しくなるため好ましくない。
【0039】本発明において、(メタ)アクリレート系
液状樹脂(A)と(メタ)アクリレート系単量体(B)
との配合率は、(メタ)アクリレート系液状樹脂(A)
100重量部に対し、(メタ)アクリレート系単量体
(B)1〜1,000重量部、好ましくは2〜500重
量部であることが望ましい。配合率がこれより少ない場
合は樹脂組成物の粘度変化が乏しく、またこれより多く
配合した場合、硬化後の残留モノマー量が多くなる、硬
化時の体積収縮が著しい、硬化物が脆くなるなどの理由
で好ましくない。
【0040】本発明において、生体触媒とは、酵素及び
様々な酵素反応の場である微生物、動植物細胞、及び動
植物組織のことを指す。酵素については、バイオリアク
ター、バイオセンサー、診断薬、アフィニティクロマト
グラフィー等の用途により異なるが、例えば、バイオリ
アクターのために用いられる酵素としては、L−アミノ
酸オキシダーゼ、チロシナーゼ等の酸化還元反応を触媒
する酵素、デキストランスクラーゼ、ホスホリラーゼ、
ポリヌクレオチドホスホリラーゼ、カルバミン酸キナー
ゼ等の転移反応を触媒する酵素、アミノアシラーゼ、α
−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、インベ
ルターゼ、カルボキシペプチダーゼ、ロイシンアミノペ
プチダーゼ、ペニシリンアミダーゼ、AMPデアミナー
ゼ、パパイン等の加水分解反応を触媒する酵素、D−オ
キシニトリラーゼ、アスパルターゼ等のリアーゼ反応
(不斉合成反応)を触媒する酵素、グルコースイソメラ
ーゼ等の異性化反応を触媒する酵素などを挙げることが
できる。バイオセンサー及び診断薬用の酵素としては、
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、グルコース−6−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、コレステロ
ールオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミ
ン酸デヒドロゲナーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、D
−アミノ酸オキシダーゼ、L−グルタミン酸オキシダー
ゼ、サルコシンオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダ
ーゼ、ペルオキシダーゼ等の酸化還元反応を触媒する酵
素、コレステロールエステルヒドロラーゼ、アルカリホ
スファターゼ、リゾチーム、β−グルコシダーゼ、β−
D−ガラクトシダーゼ、アスパラギナーゼ、グルタミナ
ーゼ、ウレアーゼ、ペニシリナーゼ、クレアチニナー
ゼ、クレアチナーゼ、クレアチンデイミナーゼ等の加水
分解反応を触媒する酵素、L−チロシンデカルボキシラ
ーゼ等のリアーゼ反応(不斉合成反応)を触媒する酵
素、ムタロターゼ等の異性化反応を触媒する酵素などを
挙げることができる。また、アフィニティクロマトグラ
フィー用の酵素としては、デオキシリボヌクレアーゼ
I、ヌクレアーゼ、α−キモトリプシン、トリプシン、
カリクレイン、エラスターゼ等の加水分解反応を触媒す
る酵素、ヒスチジル−tRNAシンテターゼ等のシンテ
ターゼ反応(リン酸結合の開裂に共役して二つの分子を
結合させる反応)を触媒する酵素などを挙げることがで
きる。
【0041】微生物には、細菌としては、例えば、Pseu
domonas alcaligenes 、P. putida、P. dacunhae 等のP
seudomonas 属のグラム陰性細菌、Gluconobacter melan
ogenes 、G. oxydans等のGluconobacter 属のグラム陰
性細菌、Alcaligenes eutrophus 等のAlcaligenes 属の
グラム陰性細菌、Acetobacter suboxydans等の酢酸菌、
Escherichia coli、E. freundii 、Enterobacter aerog
enes等の大腸菌群細菌、Erwinia carotovora、Serratia
marcescens 、Protaminobacter rubrum、Proteus mira
bilis 等のその他のグラム陰性細菌などを挙げることが
できる。また、Streptococcus faecalis、Leuconostoc
mensenteroides、Lactobacillus delbruckii等の乳酸
菌、Bacillus subtilis 、B. megaterium 等のBacillus
属のグラム陽性細菌、Clostridium acetobutylicum、C.
beijerinckii 等のClostridium 属のグラム陽性細菌、
Arthrobacter simplex等のArthrobacter属のグラム陽性
細菌、Corynebacterium glutamicum、Brevibacterium a
mmoniagenes 、B. flavum 、Propionibacterium sp. 等
のその他のグラム陽性細菌などを挙げることができる。
【0042】さらに、Nocardia rhodocrous 、Streptom
yces phaeochromogenes 、S. rimosus、S. roseochromo
genes 、S. tendae 、S. rimosus等の放線菌、Saccharo
myces sp. 、Hansenula jadinii 、Candida tropicali
s、Rhodotorula minuta等の酵母、Rhizopus nigrican
s、R. stolonofer 、Curvularia lunata 、Aspergillus
ochraceus 、A. niger、Penicillium chrysogenum 等の
糸状菌などを挙げることができる。
【0043】動植物細胞、動植物組織には、例えば、Da
ucus carota 、Digitalis lanata、Papaver sommiferu
m、Catharanthus roseus 、Morinda citrifola 、Lavan
dulavera等の植物の細胞あるいは組織、ハイブリドーマ
LSP21細胞等のハイブリドーマ、ヒト肝培養細胞、
ヒト肺培養細胞、肝臓組織、上皮細胞組織等の動物細胞
あるいは動物組織などを挙げることができる。
【0044】これらの生体触媒を、(メタ)アクリレー
ト系液状樹脂(A)と(メタ)アクリレート系単量体
(B)との混合物に添加することで、本発明の樹脂組成
物を得ることができる。生体触媒の添加量は、(メタ)
アクリレート系液状樹脂(A)と(メタ)アクリレート
系単量体(B)との混合物100重量部に対し、0.0
1〜500重量部であることが望ましい。生体触媒を添
加する際、生体触媒の安定化のために、蒸留水、各種の
緩衝液、微生物や動植物細胞、動植物組織培養用の培地
等を加えても良い。これらの添加量は、(メタ)アクリ
レート系液状樹脂(A)と(メタ)アクリレート系単量
体(B)との混合物100重量部に対し、0.1〜1,
000重量部であることが望ましい。また、必要に応じ
て、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NA
D)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
(NADP)、S−アデノシルメチオニン、テトラヒド
ロ葉酸(THF)、チアミン二リン酸(TPP)、補酵
素A(CoA)、ウリジル二リン酸グルコース(UDP
−Glc)等の補酵素を加えても良い。さらに、特に、
バイオセンサーや診断薬の用途には、生体触媒が触媒す
る反応と共役して発色、化学発光等を生じさせる基質等
を加えてもよい。このための基質としては、例えば、フ
ェノール、ジヒドロキシナフタレン、4−アミノアンチ
ピリン、1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,3−
ジメチル−4−アミノ−3−ピラゾリン−5−オン等の
ロイコイミダゾール色素、ブロムフェノールブルー、ブ
ロムチモールブルー等のpH指示薬、ルミノール、ルシ
ゲニン等の化学発光物質などを挙げることができる。
【0045】本発明において、得られる樹脂組成物の粘
度は、0.1〜5,000ポイズ(50℃)、好ましく
は1〜1,000ポイズ(50℃)であることが望まし
い。これより粘度の低い樹脂組成物を得るためには、さ
らに多くの(メタ)アクリレート系単量体を添加するこ
とが必要であり好ましくない。また、これより粘度の高
い樹脂組成物は、加工性等に乏しいため好ましくない。
【0046】本発明において、得られる生体触媒固定化
物の物性を良好にするために、必要に応じて相溶化剤、
界面活性剤等を添加しても良い。これらの配合量は、樹
脂組成物100重量部に対し、20重量部以下、好まし
くは10重量部以下であることが望ましい。また、アル
ミナやシリカ系微粒子、雲母等の無機物、セルロース等
の有機物を添加しても良い。放射線の照射によってより
有効に硬化させるために、公知の光重合増感剤や開始剤
を添加することも可能である。
【0047】本発明の樹脂組成物に放射線を照射して硬
化させることによって、生体触媒固定化物を得ることが
できるが、硬化の際の操作性や照射する放射線量の低減
のためには、樹脂組成物を各種鋼板、アルミニウム板等
の金属板、プラスチックフィルム、紙、プラスチックフ
ィルムラミネート紙等の基材に、バーコーター、ロール
コーター、ナイフコーターなどで塗工してから、X線、
γ線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射線を
照射して硬化させることが望ましい。。電子線の照射に
よって硬化させる場合には、好ましくは10〜1,00
0KeV、更に好ましくは30〜300KeVの範囲の
エネルギーを持つ電子線照射装置を用いることが望まし
い。電子線の照射線量(DOSE)は、好ましくは0.
1〜100Mrad、更に好ましくは0.5〜20Mr
adの範囲であることが望ましい。照射線量がこれより
少ない場合は充分な硬化物が得られにくく、またこれよ
り大きい場合は樹脂や生体触媒に対するダメージが大き
くなるため好ましくない。
【0048】得られた生体触媒硬化物は、例えば、バイ
オセンサーや診断薬等の用途には、基材上で硬化させた
生体触媒固定化物をそのまま用いることが可能である。
また、バイオリアクターやアフィニティクロマトグラフ
ィー等の用途には、基材から剥した生体触媒固定化物を
適当な大きさに切断したもの、あるいは基材ごと切断し
たものを用いることも可能である。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】◎本実施例における数平均分子量、および
粘度の測定方法を以下に示す。 1)数平均分子量:ゲル透過クロマトグラフィー(東ソ
ー製:SC−8020)によって測定されたポリスチレ
ン換算値を用いた。 2)粘度:レオメーター(レオメトリクス社製:RDS
−II型及びRFS−II型レオメーター)によって測
定された、ズリ速度1〜10sec−1における定常流
粘度の値を用いた。 ◎電子線照射装置と照射条件を以下に示す。 1)エリアビーム型電子線照射装置(日新ハイボルテー
ジ社製:CuretronEBC−200−20−3
0) 電子線加速度:200KeV DOSE:電流量により調節 2)MIN−EB(AIT社製) 電子線加速度: 60KeV DOSE:ベルトコンベア速度により調節
【0051】(合成例1) (メタ)アクリレート系液状樹脂(1) 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサ
ーを備えた500ml容四つ口丸底フラスコに、モノマ
ーとしてメトキシポリエチレングリコールアクリレート
(前述の一般式(1)においてm=9である)、溶媒と
してイソプロパノール(仕込み時のモノマー濃度は33
重量%)を入れ、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)を開始剤(全モノマー濃度の1重量%)とし、85
℃の湯浴中で6時間反応させた後、さらにAIBNを
0.1重量%添加して2時間加熱・撹拌を続けた。反応
後、反応器とコンデンサーの間に分流管を取付け、湯浴
温度を95℃に上げ、常圧で撹拌を続けながら溶媒を留
去し、さらに、同温度条件下で40mmHg以下まで減
圧して溶媒を完全に留去し、粘稠な液状樹脂(1)を得
た。得られた液状樹脂の数平均分子量は22,100、
50℃における粘度は132ポイズであった。
【0052】(合成例2) (メタ)アクリレート系液状樹脂(2) モノマーとして、メトキシポリエチレングリコールアク
リレート(前述の一般式(1)においてm=9である)
と4−ヒドロキシブチルアクリレート(重量比=80:
20)を用いた以外は、合成例1と同様な操作を行い、
粘稠な液状樹脂(2)を得た。得られた液状樹脂の数平
均分子量は18,800、50℃における粘度は154
ポイズであった。
【0053】(合成例3) (メタ)アクリレート系液状樹脂(3) モノマーとして、メトキシポリエチレングリコールアク
リレート(前述の一般式(1)においてm=9である)
とアクリル酸(重量比=95:5)を用いた以外は、合
成例1と同様な操作を行い、粘稠な液状樹脂(3)を得
た。得られた液状樹脂の数平均分子量は19,500、
50℃における粘度は211ポイズであった。
【0054】(合成例4) (メタ)アクリレート系液状樹脂(4) モノマーとして、メトキシテトラエチレングリコールア
クリレートと4−ヒドロキシブチルアクリレート、及び
スチレン(重量比=75:20:5)を用いた以外は、
合成例1と同様な操作を行い、粘稠な液状樹脂(4)を
得た。得られた液状樹脂の数平均分子量は16,10
0、50℃における粘度は163ポイズであった。
【0055】(合成例5) (メタ)アクリレート系液状樹脂(5) モノマーとして、フェノキシポリエチレングリコールア
クリレート(前述の一般式(1)においてm=9であ
る)とアクリル酸(重量比=95:5)を用いた以外
は、合成例1と同様な操作を行い、粘稠な液状樹脂
(5)を得た。得られた液状樹脂の数平均分子量は2
0,400、50℃における粘度は7,430ポイズで
あった。
【0056】(合成例6) (メタ)アクリレート系液状樹脂(6) モノマーとして、メトキシポリエチレングリコールメタ
アクリレート(前述の一般式(1)においてm=9であ
る)を用いた以外は、合成例1と同様な操作を行い、粘
稠な液状樹脂(6)を得た。得られた液状樹脂の数平均
分子量は23,000、50℃における粘度は145ポ
イズであった。
【0057】(実施例1)上記の(メタ)アクルレート
系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体と
してポリエチレングリコールジアクリレート(数平均分
子量=508、粘度=0.36ポイズ(50℃))、及
び100mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.
5)に溶解したグルコアミラーゼ(Rhizopus属の糸状菌
由来)を添加し、生体触媒固定化用硬化性液状樹脂組成
物を調製した。該樹脂組成物の粘度は10ポイズ(50
℃)であった。これを、PETフィルム上に、10ミル
のバーコーターを用いて塗工後、エリアビーム型電子線
照射装置を用いて電子線を照射し(DOSE=5Mra
d)硬化させた。得られた生体触媒固定化物をPETフ
ィルムごと約5mm角に切断し、内径3cm×長さ15
cmのカラムに詰め、バイオリアクターを調製した。こ
れに、液化型アミラーゼによって部分加水分解したデン
プン水溶液をぜん動式ポンプで通液し、55℃でデンプ
ンの加水分解を行った。カラムを通過した液の組成を薄
層クロマトグラフィーで分析し、また、グルコース濃度
をベルトラン法で測定した結果、3週間連続した操作を
行ってもグルコアミラーゼの失活がなくグルコースが連
続して得られることが認められ、このバイオリアクター
がグルコースの製造に有効であることが示された。
【0058】(実施例2)(メタ)アクリレート系液状
樹脂(1)の代わりに液状樹脂(2)を用いた以外は、
実施例1と同様な操作を行い生体触媒固定化物を得た。
これをPETフィルムごと約5mm角に切断し、内径3
cm×長さ15cmのカラムに詰め、バイオリアクター
を調製した。これに、液化型アミラーゼによって部分加
水分解したデンプン水溶液をぜん動式ポンプで通液し、
55℃でデンプンの加水分解を行った。カラムを通過し
た液の組成を薄層クロマトグラフィーで分析し、また、
グルコース濃度をベルトラン法で測定した結果、3週間
連続した操作を行ってもグルコアミラーゼの失活がなく
グルコースが連続して得られることが認められ、このバ
イオリアクターがグルコースの製造に有効であることが
示された。
【0059】(実施例3)(メタ)アクリレート系液状
樹脂(1)の代わりに液状樹脂(3)を用いた以外は、
実施例1と同様な操作を行い生体触媒固定化物を得た。
これをPETフィルムごと約5mm角に切断し、内径3
cm×長さ15cmのカラムに詰め、バイオリアクター
を調製した。これに、液化型アミラーゼによって部分加
水分解したデンプン水溶液をぜん動式ポンプで通液し、
55℃でデンプンの加水分解を行った。カラムを通過し
た液の組成を薄層クロマトグラフィーで分析し、また、
グルコース濃度をベルトラン法で測定した結果、3週間
連続した操作を行ってもグルコアミラーゼの失活がなく
グルコースが連続して得られることが認められ、このバ
イオリアクターがグルコースの製造に有効であることが
示された。
【0060】(実施例4)(メタ)アクリレート系液状
樹脂(1)の代わりに液状樹脂(4)を用いた以外は、
実施例1と同様な操作を行い生体触媒固定化物を得た。
これをPETフィルムごと約5mm角に切断し、内径3
cm×長さ15cmのカラムに詰め、バイオリアクター
を調製した。これに、液化型アミラーゼによって部分加
水分解したデンプン水溶液をぜん動式ポンプで通液し、
55℃でデンプンの加水分解を行った。カラムを通過し
た液の組成を薄層クロマトグラフィーで分析し、また、
グルコース濃度をベルトラン法で測定した結果、3週間
連続した操作を行ってもグルコアミラーゼの失活がなく
グルコースが連続して得られることが認められ、このバ
イオリアクターがグルコースの製造に有効であることが
示された。
【0061】(実施例5)(メタ)アクリレート系液状
樹脂(1)の代わりに液状樹脂(5)を用いた以外は、
実施例1と同様な操作を行い生体触媒固定化物を得た。
これをPETフィルムごと約5mm角に切断し、内径3
cm×長さ15cmのカラムに詰め、バイオリアクター
を調製した。これに、液化型アミラーゼによって部分加
水分解したデンプン水溶液をぜん動式ポンプで通液し、
55℃でデンプンの加水分解を行った。カラムを通過し
た液の組成を薄層クロマトグラフィーで分析し、また、
グルコース濃度をベルトラン法で測定した結果、3週間
連続した操作を行ってもグルコアミラーゼの失活がなく
グルコースが連続して得られることが認められ、このバ
イオリアクターがグルコースの製造に有効であることが
示された。
【0062】(実施例6)(メタ)アクリレート系液状
樹脂(1)の代わりに液状樹脂(6)を用いた以外は、
実施例1と同様な操作を行い生体触媒固定化物を得た。
これをPETフィルムごと約5mm角に切断し、内径3
cm×長さ15cmのカラムに詰め、バイオリアクター
を調製した。これに、液化型アミラーゼによって部分加
水分解したデンプン水溶液をぜん動式ポンプで通液し、
55℃でデンプンの加水分解を行った。カラムを通過し
た液の組成を薄層クロマトグラフィーで分析し、また、
グルコース濃度をベルトラン法で測定した結果、3週間
連続した操作を行ってもグルコアミラーゼの失活がなく
グルコースが連続して得られることが認められ、このバ
イオリアクターがグルコースの製造に有効であることが
示された。
【0063】(実施例7)上記の(メタ)アクルレート
系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体と
して2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキ
シ)フェニル]プロパン(数平均分子量=560、粘度
=17.0ポイズ(50℃))、及び100mM酢酸−
酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に溶解したグルコ
アミラーゼ(Rhizopus属の糸状菌由来)を添加し、生体
触媒固定化用硬化性液状樹脂組成物を調製した。該樹脂
組成物の粘度は100ポイズ(50℃)であった。これ
を、PETフィルム上に、10ミルのバーコーターを用
いて塗工後、エリアビーム型電子線照射装置を用いて電
子線を照射し(DOSE=5Mrad)硬化させた。得
られた生体触媒固定化物をPETフィルムごと約5mm
角に切断し、内径3cm×長さ15cmのカラムに詰
め、バイオリアクターを調製した。これに、液化型アミ
ラーゼによって部分加水分解したデンプン水溶液をぜん
動式ポンプで通液し、55℃でデンプンの加水分解を行
った。カラムを通過した液の組成を薄層クロマトグラフ
ィーで分析し、また、グルコース濃度をベルトラン法で
測定した結果、3週間連続した操作を行ってもグルコア
ミラーゼの失活がなくグルコースが連続して得られるこ
とが認められ、このバイオリアクターがグルコースの製
造に有効であることが示された。
【0064】(実施例8)上記の(メタ)アクルレート
系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体と
してポリエチレングリコールジアクリレート(数平均分
子量=508、粘度=0.36ポイズ(50℃))、及
び100mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解したア
ミノアシラーゼを添加し、生体触媒固定化用硬化性液状
樹脂組成物を調製した。該樹脂組成物の粘度は10ポイ
ズ(50℃)であった。これを、PETフィルム上に、
10ミルのバーコーターを用いて塗工後、エリアビーム
型電子線照射装置を用いて電子線を照射し(DOSE=
5Mrad)硬化させた。得られた生体触媒固定化物を
PETフィルムごと約5mm角に切断し、内径3cm×
長さ15cmのカラムに詰め、バイオリアクターを調製
した。これに、0.2Mのアセチル−DL−メチオニン
水溶液をぜん動式ポンプで通液し、50℃で反応を行っ
た。カラムを通過した液を光学分割クロマトグラフィー
で分析した結果、液中にはアセチル−DL−メチオニン
とL−メチオニンのみが認められ、このバイオリアクタ
ーがL−アミノ酸の製造に有効であることが示された。
【0065】(実施例9)上記の(メタ)アクルレート
系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体と
してポリエチレングリコールジアクリレート(数平均分
子量=508、粘度=0.36ポイズ(50℃))、及
び蒸留水に溶解したグルコースイソメラーゼを添加し、
生体触媒固定化用硬化性液状樹脂組成物を調製した。該
樹脂組成物の粘度は10ポイズ(50℃)であった。こ
れを、PETフィルム上に、10ミルのバーコーターを
用いて塗工後、エリアビーム型電子線照射装置を用いて
電子線を照射し(DOSE=5Mrad)硬化させた。
得られた生体触媒固定化物をPETフィルムごと約5m
m角に切断し、内径3cm×長さ15cmのカラムに詰
め、バイオリアクターを調製した。これに、10%グル
コース水溶液をぜん動式ポンプで通液し、55℃で反応
を行った。カラムを通過した液を薄層クロマトグラフィ
ーで分析した結果、液中にはグルコースとフルクトース
がほぼ同量含まれることが認められ、このバイオリアク
ターが異性化糖の製造に有効であることが示された。
【0066】(実施例10)上記の(メタ)アクルレー
ト系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体
としてポリエチレングリコールジアクリレート(数平均
分子量=508、粘度=0.36ポイズ(50℃))、
及び蒸留水に懸濁させたEscherichia coliの菌体を添加
し、生体触媒固定化用硬化性液状樹脂組成物を調製し
た。該樹脂組成物の粘度は10ポイズ(50℃)であっ
た。これを、PETフィルム上に、10ミルのバーコー
ターを用いて塗工後、エリアビーム型電子線照射装置を
用いて電子線を照射し(DOSE=1Mrad)硬化さ
せた。得られた生体触媒固定化物をPETフィルムから
剥し約2mm角に切断し、内径1cm×長さ5cmのカ
ラムに詰め、バイオリアクターを調製した。これに、1
Mフマル酸アンモニウム水溶液をぜん動式ポンプで通液
し、37℃で反応を行った。カラムを通過した液を光学
分割クロマトグラフィーで分析した結果、液中にはフマ
ル酸アンモニウムとL−アスパラギン酸含まれることが
認められ、このバイオリアクターが不斉合成反応による
L−アスパラギン酸の製造に有効であることが示され
た。
【0067】(実施例11)上記の(メタ)アクルレー
ト系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体
としてポリエチレングリコールジアクリレート(数平均
分子量=508、粘度=0.36ポイズ(50℃))、
及び以下のような組成を有する60mMリン酸緩衝液
(pH7.1)を添加し、生体触媒固定化用硬化性液状
樹脂組成物を調製した。該樹脂組成物の粘度は10ポイ
ズ(50℃)であった。 ムタロターゼ(ブタ腎臓由来) 1.3単位/ml グルコースオキシダーゼ(Penicillium 属の糸状菌由来) 90単位/ml ペルオキシダーゼ(西洋ワサビ由来) 6.5単位/ml アスコルビン酸オキシダーゼ(カボチャ由来) 27単位/ml フェノール 5.3mmol/L 4−アミノアンチピリン 5.0mmol/L これを、PETフィルム上に、10ミルのバーコーター
を用いて塗工後、MIN−EBを用いて電子線を照射し
(DOSE=5Mrad)硬化させ、透明な生体触媒固
定化物を得た。得られた固定化物をPETフィルムごと
約1cm角に切断し、これに20μlの血清を滴下して
室温で30分間放置後、分光光度計を用いて505nm
における吸光度を測定した。別に濃度既知のグルコース
溶液を用いて作成した検量線から、血清中のグルコース
濃度を求めた。これを、和光純薬製グルコースB−テス
トワコーを用いて測定した値と比較した結果、両者はほ
ぼ等しい値を示し、この固定化物が血糖値測定用の診断
薬として有効であることが認められた。
【0068】(実施例12)上記の(メタ)アクルレー
ト系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体
としてポリエチレングリコールジアクリレート(数平均
分子量=508、粘度=0.36ポイズ(50℃))、
及び60mMコカジルカリウム緩衝液(pH7.0)に
溶解したヒスチジル−tRNAシンテターゼを添加し、
生体触媒固定化用硬化性液状樹脂組成物を調製した。該
樹脂組成物の粘度は10ポイズ(50℃)であった。こ
れを、PETフィルム上に、10ミルのバーコーターを
用いて塗工後、MIN−EBを用いて電子線を照射し
(DOSE=2Mrad)硬化させ、得られた生体触媒
固定化物をPETフィルムから剥し約2mm角に切断
し、内径1cm×長さ5cmのカラムに詰めた。Escher
ichia coliを懸濁させた60mMコカジルカリウム緩衝
液(pH7.0)をホモジナイザーで摩砕し、これを遠
心分離して得た上清を、上記カラムにぜん動式ポンプで
通液し、さらに該緩衝液を流してカラムを洗浄した。そ
の後、酢酸を含む3.0M塩化ナトリウム水溶液(pH
3.0)をカラムに通液して、溶出した液を回収した。
この液を透析、濃縮後アガロースゲル電気泳動を行った
結果、溶出液にはヒスチジル−tRNAのみが認めら
れ、この固定化物がアフィニティクロマトグラフィー担
体として有効であることが示された。
【0069】(実施例13)上記の(メタ)アクルレー
ト系液状樹脂(1)に、(メタ)アクリレート系単量体
としてポリエチレングリコールジアクリレート(数平均
分子量=508、粘度=0.36ポイズ(50℃))、
及び蒸留水に溶解したグルコアミラーゼ(Rhizopus属の
糸状菌由来)を添加し、生体触媒固定化用硬化性液状樹
脂組成物を調製した。該樹脂組成物の粘度は0.5ポイ
ズ(50℃)であった。これを、ビーカーに移しγ線を
照射して(DOSE=10KGy)硬化させた。得られ
た生体触媒固定化物を取り出して粉砕後、内径3cm×
長さ15cmのカラムに詰め、バイオリアクターを調製
した。これに、液化型アミラーゼによって部分加水分解
したデンプン水溶液をぜん動式ポンプで通液し、55℃
でデンプンの加水分解を行った。カラムを通過した液の
組成を薄層クロマトグラフィーで分析し、また、グルコ
ース濃度をベルトラン法で測定した結果、3週間連続し
た操作を行ってもグルコアミラーゼの失活がなくグルコ
ースが連続して得られることが認められ、このバイオリ
アクターがグルコースの製造に有効であることが示され
た。
【0070】
【発明の効果】本発明は、(メタ)アクリレート系液状
樹脂と分子中に不飽和二重結合を有する(メタ)アクリ
レート系単量体、及び酵素、微生物、動植物細胞、動植
物組織等の生体触媒からなる生体触媒固定化用硬化性液
状樹脂組成物を得る方法であり、さらに、これをX線、
γ線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射線を
照射して硬化させ、生体触媒固定化物を得る方法であ
る。本発明の樹脂組成物及びその硬化方法を用いれば、
生体触媒の有する機能を低下させることなく、バイオリ
アクター、バイオセンサー、診断薬、アフィニティクロ
マトグラフィー等に有用な生体触媒固定化物を得ること
ができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリレート系液状樹脂(A)
    100重量部と、分子中に不飽和二重結合を有する数平
    均分子量1,000以下の(メタ)アクリレート系単量
    体(B)1〜1,000重量部、及び生体触媒からな
    り、(メタ)アクリレート系液状樹脂(A)が、下記の
    一般式(1)で示されるアルキレングリコール(メタ)
    アクリレート系単量体(a−1)20〜100重量%、
    及び上記以外の重合性単量体(a−2)0〜80重量%
    を共重合してなる、数平均分子量が10,000〜20
    0,000、粘度が1〜10,000ポイズ(50℃)
    の無溶剤液状樹脂であることを特徴とする、生体触媒固
    定化用硬化性液状樹脂組成物。 CH2 =C(R1 )COO(Cn 2nO)m 2 (1) (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は炭素数1
    〜5のアルキル基又はフェニル基、nは1〜3の整数、
    mは3〜25の整数をそれぞれ表す。)
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリレート系単量体(B)の
    粘度が0.01〜60ポイズ(50℃)であることを特
    徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 R1 が水素原子であることを特徴とす
    る、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 粘度が0.1〜5,000ポイズ(50
    ℃)であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記
    載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 生体触媒が酵素であることを特徴とす
    る、請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 生体触媒が微生物であることを特徴とす
    る、請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 生体触媒が動植物細胞又は動植物組織で
    あることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載の樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 生体触媒が水を含むことを特徴とする、
    請求項1〜7いずれか記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 放射線を照射することを特徴とする、請
    求項1〜8いずれか記載の樹脂組成物の硬化方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0999229A1 (de) * 1998-11-03 2000-05-10 Goldschmidt AG Verfahren zur Herstellung von Acrylsäuereestern und/oder Methacrylsäureestern von Polyoxyalkylenen und deren Verwendung
JP2004213940A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Nippon Soda Co Ltd 高分子固体電解質用組成物
JP2019182991A (ja) * 2018-04-10 2019-10-24 東洋インキScホールディングス株式会社 ラジカル重合性組成物
JP2020066706A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線重合性組成物

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