JPH1014963A - 整体用牽引装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて簡単な構造により、家庭でも首や腰の
牽引を寝ながら行なうことができる整体用牽引装置を提
供するものである。 【解決手段】 背当て部20と、尻支え部21とからなり、
椅子状の座となる前記尻支え部21が、上部を開口した支
持枠２の左右両側23、23に夫々ラックギア６、６を傾斜
して取付けると共に、ローラー支持枠18に複数本のロー
ラー３…を平行に取付けて、このローラー３の両端にギ
ア13を一体に取付け、前記ローラー３にベルト19を巻回
してベルトコンベアー状の回転移動部17を形成し、この
ギア13を前記支持枠２のラックギア６に噛合させて回転
移動部17のベルト19が回転しながら移動して腰を牽引す
るようにしたことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は首の頸椎や腰の腰椎
を牽引する整体用牽引装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に頸椎や腰椎などの脊椎がずれて変
形すると、脊椎には臓器につながる多数の神経系が通っ
ているため、これらの神経が圧迫され、頭痛や腰痛、各
部位の知覚障害などの種々の病気をひきおこす原因とな
る。このような脊椎の変形を治療するため、ベッドに滑
車を通して重りを取付け、顎や足首に荷重をかけて首や
腰を牽引することが行なわれている。しかしながらこの
装置は、病院などに設置されているが、治療のために通
院するのは時間がかかり、首や腰が少し痛い時にでも家
庭で簡単に牽引できる装置はなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、極めて簡単な構造により、家庭でも首や腰の牽引
を寝ながら行なうことができる整体用牽引装置を提供す
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
整体用牽引装置は、上部を開口した支持枠の左右両側に
夫々ラックギアを傾斜して取付けると共に、ローラーの
両端にギアを一体に取付け、このギアを前記ラックギア
に噛合させてローラーが回転しながら移動するようにし
たことを特徴とするもので、傾斜したラックギアに噛合
するギアがローラーと共に回転しながら、首を前方に牽
引するようにしたものである。

【０００５】また請求項２記載の整体用牽引装置は、上
部を開口した支持枠の左右両側に夫々ラックギアを傾斜
して取付けると共に、ローラー支持枠に複数本のローラ
ーを平行に取付けて、このローラーの両端にギアを一体
に取付け、前記ローラーにベルトを巻回してベルトコン
ベアー状の回転移動部を形成し、このギアを前記支持枠
のラックギアに噛合させて回転移動部のベルトが回転し
ながら移動するようにしたことを特徴とするものであ
る。

【０００６】また請求項３記載の整体用牽引装置は、背
当て部と、尻支え部とからなり、前記尻支え部がラック
ギアを傾斜して取付けた支持枠と、回転移動部とで構成
され、腰を牽引するようにしたことを特徴とするもので
ある。更に請求項４記載の整体用牽引装置は、尻支え部
が座となり、背当て部が支持枠に回動自在に取付けられ
てリクライニングシート状に形成され、座りながら腰を
牽引するようにしたことを特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図１
ないし図３を参照して詳細に説明する。図において１は
枕で、支持枠２とローラー３とで構成されている。支持
枠２は底面板４と左右の側板５、５とで上部が開口した
構造となっている。また左右の側板５、５には傾斜した
長孔が形成され、この底部にラックギア６が傾斜して取
付けられている。

【０００８】またローラー３は、左右の円形側板８、８
の外周に、間隔をおいて桐やひのきなどの木材で形成さ
れた複数本の横板９…が取付けられてスノコ状の枕部10
が形成されている。また両円形側板８、８は図２に示す
ように、内側外周が斜めに形成され、また前記横板９の
底面には梱包用などに使用する引張り強度の高いプラス
チックテープ11が貼付され、両端が釘12、12で固定され
ている。

【０００９】またローラー３の側板８、８の中心には、
夫々ギア13、13が一体に取付けられ、このギア13、13を
ラックギア６に噛合させて、ローラー３が回転しながら
前後に移動するようになっている。

【００１０】上記構成の枕１は、図３に示すようにロー
ラー３を回転させて手前側に手で引き寄せた状態で、ス
ノコ状の枕部10に頭15を載せて寝る。枕部10に首16を載
せると頸椎が伸ばされる。手を離すとラックギア６が傾
斜しているので、ローラー３は頭15の重さによりギア1
3、13が回転して前方に転動し、力のバランスが取れた
所で停止する。

【００１１】この結果、常時、前方に回転しようとして
いる枕部10に頭15が接触しているので、首16が引っ張ら
れて、首16を伸ばす力が作用する。このため、枕１に寝
ているだけで首16の頸椎が伸ばされ、首の痛みや肩の痛
みを治すことができる。またスノコ状の枕部10は、図２
に示すように頭15の荷重が加わると仮想線で示すように
横板９が撓み、左右の側板８、８の上面内側が斜めに形
成されているので大きく撓む。また前記横板９の底面に
は梱包用などに使用する引張り強度の高いプラスチック
テープ11が貼付されているので破断することなく大きく
撓むのでクッション性があり首16を載せても痛くない。

【００１２】なお上記説明では左右の側板５、５を開口
してここにラックギア６を設けた場合について示した
が、左右の側板５、５の内側に凹溝を傾斜して形成し、
ここにラックギア６を取付け、外部から見えないように
して指が挟まれるのを防止した構造でも良い。また横板
９は木材に限らず、プラスチック板やゴム板、アルミニ
ウム板など人体になじんで、加工し易い材料で形成して
も良い。

【００１３】図４および図５は本発明の他の実施の形態
を示すもので、この枕１は支持枠２とベルトコンベアー
状の回転移動部17とで構成されている。支持枠２は底面
板４に取付けた左右の側板５、５の内壁側にラックギア
６ａ、６ｂが傾斜して取付けられている。また回転移動
部17は、ローラー支持枠18に金属パイプで形成された小
径のローラー３ａと大径のローラー３ｂとが回転自在に
支持され、この小径のローラー３ａと大径のローラー３
ｂにベルト19が巻回されベルトコンベアー状に形成され
ている。

【００１４】更に小径のローラー３ａの両端に小径のギ
ア13ａが一体に取付けられ、また大径のローラー３ｂの
両端に大径のギア13ｂが一体に取付けられている。この
回転移動部17を支持枠２の内側に挿入して図５に示すよ
うに、ギア13ａをラックギア６ａに、ギア13ｂをラック
ギア６ｂに噛合させたものである。

【００１５】上記構成の枕１は、図５に示すようにベル
トコンベアー状の回転移動部17を手前側に手で引き寄せ
た状態で、大径のローラー３ｂに首16を載せるようにし
てベルト19の上に頭15を載せて寝る。手を離すとラック
ギア６ａ、６ｂが傾斜しているので、頭15の重さにより
ギア13、13が回転してローラー３ａ、３ｂと共に回転
し、ここに巻回したベルト19が前方に移動していき、力
のバランスが取れた所で停止する。

【００１６】この結果、ベルト19に載せた頭15が常時、
前方に引っ張られ、首16を伸ばす力が作用する。このた
め、枕１に寝ているだけで首16の頸椎が伸ばされ、首の
痛みや肩の痛みを治すことができる。

【００１７】図６は腰を牽引する本発明の他の実施の形
態を示すものである。この腰牽引装置は、背当て部20
と、尻支え部21および足支え部22とから平板状に構成さ
れている。背当て部20は側板23、23の上面に横板24…が
スノコ状に取付けられた支持枠２の上に枕25が固定され
ていると共に、支えベルト26が取付けられている。

【００１８】また支持枠２の長手方向に沿った中間部の
左右側板23、23の内壁面には、図７に示すようにラック
ギア６が傾斜して取付けられている。また三角形状をな
すローラー支持枠18には３個のローラー３…が各コーナ
ー部に取付けられ、上部の２個が水平になっている。ま
た27は補助ローラーで、これらローラー３…はローラー
支持枠18に回転自在に支持されて、外側にベルト19が巻
回されベルトコンベアー状に形成されている。

【００１９】更に上部の一方のローラー３と下部のロー
ラー３の両端には小径のギア13、13が一体に取付けら
れ、この回転移動部17を支持枠２の内側に挿入してギア
13を、傾斜したラックギア６に噛合させて尻支え部21が
構成されている。また足支え部22も同様にベルトコンベ
アー状の回転移動部17が、傾斜したラックギア６に取付
けられている。

【００２０】上記構成の腰牽引装置は、図６に示すよう
に床の上に置いてこの上に仰向けに寝る。この時、首16
を枕25の上に載せると共に、尻32は尻支え部21の上に載
せ、足33のふくらはぎの部分を足支え部22の上に載せ
る。次に支えベルト26を両わきの下を通して胸の上で留
める。この後、尻32を浮かせて両手で尻支え部21の回転
移動部17を引き寄せてから、尻32をベルト19の上に降ろ
して手を離すと、ラックギア６が傾斜しているので、体
重が加わって尻支え部21のギア13、13が回転して、ベル
ト19の上面が水平を保持して、前方に回転しながら移動
していき、力のバランスが取れた所で停止する。またこ
の時、足33を載せた足支え部22のベルト19も同様に回転
する。

【００２１】この結果、上半身は支えベルト26で固定さ
れ、腰から下の部分が足33側に向かって常時、引っ張ら
れて腰を伸ばす力が作用する。このため腰の腰椎が伸ば
され、腰や足の痛みを治すことができる。なおこの場
合、背当て部20に取付けた枕25を図１に示す回転スライ
ド型の枕１にすれば、寝ているだけで首16の頸椎も同時
に伸ばすことができる。

【００２２】図８は腰を牽引する本発明の他の実施の形
態を示すものである。この腰牽引装置の背当て部20は、
支持枠２ａの上に枕25と枕状の腰当て37が取付けられ、
腰側の底面にアジャスター34が取付けられている。また
支持枠２ｂの左右側板23、23の内壁面には、図９に拡大
して示すように３本のラックギア６ａ、６ｂ、６が間隔
をおいて傾斜して取付けられている。またローラー支持
枠18には２個のローラー３、３が回転自在に支持され
て、外側にベルト19が巻回されベルトコンベアー状に形
成されている。

【００２３】更に両ローラー３の両端にはギア13ａ、13
ｂが一体に取付けられ、この回転移動部17を支持枠２ｂ
の内側に挿入してギア13ａ、13ｂを、傾斜したラックギ
ア６ａ、６ｂに噛合させて尻支え部21が構成されてい
る。また足支え部22も同様にローラー３の両端に小径の
ギア13が取付けられ、このギア13を傾斜したラックギア
６に噛合させて構成されている。また支持枠２ｂの腰側
の底面にはアジャスター34が取付けられ、支持枠２ｂの
傾斜角度を調整できるようになっている。

【００２４】上記構成の腰牽引装置は、図８に示すよう
に床の上に置いて、アジャスター34、34を回転させて背
当て部20と、尻支え部21とが逆Ｖ型状になるように傾斜
角度を調整する。この後、仰向けに寝て首16を枕25の上
に載せると共に、背中の下側を枕状の腰当て37の上に載
せる。また尻32をベルトコンベアー状の尻支え部21に載
せ、足33のふくらはぎの部分を足支え部22のローラー３
の上に載せる。

【００２５】この状態で、上半身と下半身は腰の所で逆
Ｖ型状になり上半身は移動しない。この後、尻32を浮か
せて両手で尻支え部21の回転移動部17を引き寄せてか
ら、尻32をベルト19の上に降ろして手を離すと、ラック
ギア６ａ、６ｂ、６が傾斜しているので、体重が加わっ
て尻支え部21のベルト19が前方に回転しながら移動して
いき、力のバランスが取れた所で停止する。またこの
時、足33を載せた足支え部22のローラー３も同様に回転
する。この結果、腰から下の部分が足33側に向かって常
時、引っ張られて腰を伸ばす力が作用する。

【００２６】図１０は腰を牽引するリクライニングシー
ト型の他の実施の形態を示すものである。この腰牽引装
置は、支持枠となる椅子35の座の部分が尻支え部21とな
っており、これは図７と同様に、左右側板23、23の内壁
面にラックギア６、６が傾斜して取付けられ、ここにベ
ルトコンベアー状の回転移動部17に設けたギア13、13が
噛合している。

【００２７】また背当て部20は枠状に形成され、ここに
背当てシート36、36が張り渡されていると共に、枕25と
枕状の腰当て37が上下に調整自在に取付けられている。
また背当て部20の下部は軸39で支持枠となる椅子35に回
動自在に支持され、下端部にコイルスプリング43が連結
され、背当て部20を上方に引き起こすようになってい
る。

【００２８】また椅子35の背面両側には階段状の角度調
整板40が取付けられている。更に前記背当て部20の背面
にはストッパー板41がヒンジ42で回動自在に取付けら
れ、更にこのストッパー板41はコイルスプリング43で前
方に引っ張られ、ストッパー板41が角度調整板40の段部
に係合するようになっている。また44は後部側上面が湾
曲した解除レバーで、軸45で椅子35に回動自在に支持さ
れ、湾曲部がストッパー板41を上方に引き上げて、スト
ッパーを解除するようになっている。また椅子35の前方
には足支えローラ46を回転自在に支持した足支え部22が
設けられている。

【００２９】上記構成の腰牽引装置は、椅子35の座とな
る尻支え部21に座り、背中を背当て部20に当て、枕25に
首16を載せると共に枕状の腰当て37を腰に当てる。また
足33のふくらはぎの部分を足支えローラ46に載せてお
く。この状態で尻32を浮かせて両手で尻支え部21の回転
移動部17を引き寄せてから、尻32をベルト19の上に降ろ
して手を離すと、ラックギア６が傾斜しているので体重
が加わり、尻支え部21のギア13、13が回転して、ベルト
19の上面が水平を保持して、前方に回転しながら移動し
ていき、力のバランスが取れた所で停止する。またこの
時、足33を載せた足支えローラ46も回転する。

【００３０】この結果、上半身は枕25と枕状の腰当て37
とで滑りが規制された状態で、腰から下の尻32が足33側
に向かって常時、引っ張られて腰を伸ばす力が作用し、
腰椎が伸ばされる。また背当て部20の角度を変える時に
は、解除レバー44の先端を手に持って下げると、後部側
の湾曲部がストッパー板41を上方に回動させて、角度調
整板40の段部から外れ、ストッパー板41が角度調整板40
を滑って任意の位置の段部で係合し、角度を調整できる
ようになっている。

【００３１】なおストッパーの解除方式は自動車の座席
のリクライニング方式にみられる、レバー引き寄せや、
プッシュ方式を用いた構造でも良い。また上記説明では
ローラー３を金属パイプで形成した場合について示した
が、金属パイプの外周に、ゴムシートや発泡プラスチッ
クシートを巻付けて、クッション性を持たせた構造でも
良い。

【００３２】

【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る整体用牽
引装置によれば、支持枠の左右両側に夫々ラックギアを
傾斜して取付けると共に、ローラーの両端に取付けたギ
アを噛合させた極めて簡単な構造により、ローラーが転
動し、この上に載せた首や、ローラーに巻回したベルト
の上に載せた尻が前方に牽引されて、家庭でも寝ながら
首や腰の牽引を容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態による枕を示す斜視図で
ある。

【図２】図１に示す枕の断面図である。

【図３】図１に示す枕に寝て首を牽引している状態を示
す側面図である。

【図４】本発明の他の実施の形態による枕を構成する支
持枠とベルトコンベアー状の回転移動部を分解して示す
斜視図である。

【図５】図４に示す枕に寝て首を牽引している状態を示
す側面図である。

【図６】本発明の他の実施の形態による平板型の整体用
牽引装置で腰を牽引している状態を示す側面断面図であ
る。

【図７】図６に示す整体用牽引装置の尻支え部を拡大し
て示す側面断面図である。

【図８】本発明の他の実施の形態による平板型の整体用
牽引装置で腰を牽引している状態を示す側面断面図であ
る。

【図９】図８に示す整体用牽引装置の尻支え部と足支え
部を拡大して示す側面断面図である。

【図１０】本発明の他の実施の形態によるリクライニン
グシート型の整体用牽引装置で腰を牽引している状態を
示す側面断面図である。

【符合の説明】

１ 枕 ２ 支持枠 ３ ローラー ４ 底面板 ５ 側板 ６ ラックギア ８ 円形側板 ９ 横板 10 スノコ状の枕部 13 ギア 16 首 17 回転移動部 18 ローラー支持枠 19 ベルト 20 背当て部 21 尻支え部 22 足支え部 23 側板 26 支えベルト 32 尻 33 足 35 椅子 39 軸 40 角度調整板 41 ストッパー板 44 解除レバー 46 足支えローラ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部を開口した支持枠の左右両側に夫々
   ラックギアを傾斜して取付けると共に、ローラーの両端
   にギアを一体に取付け、このギアを前記ラックギアに噛
   合させてローラーが回転しながら移動するようにしたこ
   とを特徴とする整体用牽引装置。
2. 【請求項２】 上部を開口した支持枠の左右両側に夫々
   ラックギアを傾斜して取付けると共に、ローラー支持枠
   に複数本のローラーを平行に取付けて、このローラーの
   両端にギアを一体に取付け、前記ローラーにベルトを巻
   回してベルトコンベアー状の回転移動部を形成し、この
   ギアを前記支持枠のラックギアに噛合させて回転移動部
   のベルトが回転しながら移動するようにしたことを特徴
   とする整体用牽引装置。
3. 【請求項３】 背当て部と、尻支え部とからなり、前記
   尻支え部がラックギアを傾斜して取付けた支持枠と、回
   転移動部とで構成されていることを特徴とする請求項２
   記載の整体用牽引装置。
4. 【請求項４】 尻支え部が座となり、背当て部が支持枠
   に回動自在に取付けられてリクライニングシート状に形
   成されていることを特徴とする請求項３記載の整体用牽
   引装置。