JPH10147073A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH10147073A
JPH10147073A JP8308150A JP30815096A JPH10147073A JP H10147073 A JPH10147073 A JP H10147073A JP 8308150 A JP8308150 A JP 8308150A JP 30815096 A JP30815096 A JP 30815096A JP H10147073 A JPH10147073 A JP H10147073A
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JP
Japan
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thermal transfer
recording medium
transfer recording
wax
resin
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JP8308150A
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English (en)
Inventor
Shigeki Takahashi
茂樹 高橋
Koji Tanaka
幸司 田中
Shuji Maruyama
修司 丸山
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱溶融性インク層の剥離性と転写像の定着性
・堅牢性という相反する特性を満足し得る熱転写記録媒
体を提供すること。 【解決手段】 基材シートと熱溶融性インク層との間に
剥離層が設けられた本発明の熱転写記録媒体は、該剥離
層が下記式(1)で表されるエチレン−シリコン−エチ
レン共重合体を含有することを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録媒体に関
するものであり、更に詳しくは熱溶融性インク層の剥離
性及び転写像の定着性・堅牢性等が向上した熱転写記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱転写
記録方式は、シート状の基材上に少なくとも一層の熱溶
融性インク層を設けてなる熱転写記録媒体を用い、該熱
溶融性インク層と被転写体とが当接するように重ね合わ
せ、熱転写記録媒体の基材側から加熱ヘッドにより該熱
溶融性インク層を加熱溶融して被転写体上に転写像を得
る記録方式である。熱転写記録方式は、使用する装置が
低騒音であり、また、操作性及び保守性に優れ、しかも
被転写体として普通紙が使用可能であるため、近年広く
用いられている。
【0003】このような熱転写記録方式を用いて、普通
紙等に転写像を形成するときには、例えばサーマルヘッ
ドを備えた熱転写プリンターが一般に用いられる。しか
し、熱転写プリンターの高性能化が進むにつれ、印字に
必要な熱エネルギーをできるだけ低く抑えることが望ま
れるようになった。この理由は、印字に必要な熱エネル
ギーを従来よりも低く抑えることによって、ヘッドの加
熱・放冷サイクルタイムが短縮され、ヘッドの熱劣化を
防止でき、特にラインプリンタにおいては電源小型化等
が可能になる為である。また、基材の耐熱性不足も補う
ことができる為である。しかしながら、印字に必要な熱
エネルギーを低く抑えるためにインク組成物の融点を低
く設計すると、熱溶融性インク層の剥離性は向上するも
のの、普通紙上への印字に際してワックスの低融点成分
に起因する地肌汚れが発生し、転写像の定着性・堅牢性
も低下する他、保存中に環境温度が上昇すると、所謂ブ
ロッキング現象も発生するという問題が生じてきた。
【0004】これらの問題を解決するために従来は、熱
溶融性インク層の結合剤への樹脂成分の導入(特開昭5
4−87234号公報、同54−163044号公報、
同56−98269号公報、同62−130887号公
報)、或いは、ワックスインクへの樹脂系オーバーコー
ト層の塗布(特開昭61−242893号公報)等で対
処したきたが、熱溶融性インク層の剥離性と転写像の定
着性・堅牢性という相反する特性をバランスよく満たす
程の熱転写記録媒体は得られていなかった。
【0005】特に、熱転写記録方式の内、インクが溶融
している状態で剥離して記録を行う、いわゆる熱時剥離
方式により段ボール箱等にバーコードを印刷したような
場合には輸送中等に段ボール箱同士が擦れ合って該バー
コードが剥がれることがしばしばある。このような剥が
れは、バーコードの読み取りにエラーを来したり最悪の
場合には読みとりを不可能にするので、剥がれが起こら
ないような高い堅牢性を達成する熱転写記録媒体が要求
されている。
【0006】従って、本発明の目的は、熱溶融性インク
層の剥離性と転写像の定着性・堅牢性という相反する特
性を満足し得る熱転写記録媒体を提供することにある。
また、本発明の目的は、粗表面を有する被転写体に対す
る転写性が良好な熱転写記録媒体を提供することにあ
る。更に、本発明の目的は、地肌汚れやブロッキングの
発生を防止し得る熱転写記録媒体を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、基材シートと熱溶融性インク層との間に設けら
れた剥離層に特定の変性シリコーンを含有させることに
より、上記目的を達成しうる熱転写記録媒体が得られる
ことを知見した。
【0008】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、基材シートと熱溶融性インク層との間に剥離層が設
けられた熱転写記録媒体において、該剥離層が下記式
(1)で表されるエチレン−シリコン−エチレン共重合
体を含有することを特徴とする熱転写記録媒体を提供す
ることにより上記目的を達成したものである。
【0009】
【化2】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写記録媒体は、基材
シート、熱溶融性インク層、及び該基材シートと該熱溶
融性インク層との間に設けられた剥離層を具備してい
る。そして、該剥離層が、特定の変性シリコーンとして
上記式(1)で表されるエチレン−シリコン−エチレン
共重合体(以下、この共重合体を「ESE」という)を
含有することを特徴とするものである。
【0011】上記式(1)で表されるESEは、分子の
両末端に直鎖アルキル基を有する変性シリコーンであ
り、該式(1)中、R1 及びR2 はそれぞれC1 〜C
1000の炭化水素基を表し、好ましくはC1 〜C6 のアル
キル基又はC6 〜C10の芳香族炭化水素基を表す。R1
及びR2 の具体例としては、メチル基、エチル基等のア
ルキル基、アルケニル基やフェニル基等が挙げられる。
1 及びR2 は同一でもよく又は異なっていてもよい。
【0012】また、上記式(1)中、mは0〜1000
の整数を表し、好ましくは1〜600の整数を表す。m
が1000を超えると耐擦すれ性能(耐擦過性)の低下
をきたすおそれがある。更に、上記式(1)中、nは2
〜60の整数を表し、好ましくは14〜60の整数を表
す。nが2に満たないと上記ESEがオイル状となり上
記熱溶融性インク層の塗膜の安定性が低下するおそれが
ある。また、nが60を超えると上記熱溶融性インク層
の剥離性の低下により転写感度が低下(融点上昇の為)
することもある。尚、該式(1)中、nは同一でもよく
又は異なっていてもよい。
【0013】上記式(1)におけるm及びnの範囲はそ
れぞれ上述の通りであり、更にm及びnは両者間に10
-4≦〔m/(m+n)〕≦0.6なる関係を有すること
が望ましい。〔m/(m+n)〕は(1分子中の)シリ
コーン単位含有量/シロキサン結合量の尺度(指標)と
なるものであり、〔m/(m+n)〕が10-4に満たな
いと剥離性向上の効果が認められなくなる虞れがあり、
0.6を超えると常温(室温)でオイル状となり上記熱
溶融性インク層の塗膜を形成することが困難になる場合
がある。〔m/(m+n)〕は10-4〜0.4であるこ
とが好ましく、10-4〜0.1であることが更に好まし
い。
【0014】上記式(1)で表されるESEは、従来公
知の方法、例えば、特開平7−278309号公報の第
6欄14行〜第9欄33行に記載の方法に従い合成する
ことができる。
【0015】本発明の熱転写記録媒体においては、上記
剥離層は上記式(1)で表されるESEのみから実質的
に構成されていてもよく、或いは該式(1)で表される
ESEに加えて本発明の効果を損なわない範囲で必要に
応じてワックス成分を含有していてもよい。そして、何
れの場合においても熱溶融性インク層の剥離性と転写像
の定着性・堅牢性の双方が共に向上する。
【0016】該ワックス成分としては、剥離性を有する
ものであれば、その種類に特に制限なく用いることがで
きるが、特に合成ワックス及び天然ワックスから成る群
から選択される一種又は二種以上のワックスを用いるこ
とができる。該合成ワックスとしては、ポリエチレンワ
ックス、パラフィンワックス、米糠ロウ、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、セラックワック
ス、モンタンワックス、フィッシャー−トロプシュワッ
クス、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド及び高級アルコー
ル等並びにこれらの変性ワックス、水素化ワックス等を
用いることができる。一方、該天然ワックスとしては、
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワ
ックス、木蝋、蜜蝋、鯨蝋ラノリン、モンタンワック
ス、オゾケライト、セレシンワックス、パラフィンワッ
クス、ホホバ油等を用いることができる。これらのワッ
クス成分は、全く使用しなくてもよいが、使用するなら
ば上記剥離層中に最大でも10重量%程度含有されるよ
うにした方がよい。
【0017】また、本発明の熱転写記録媒体における上
記剥離層には、該剥離層の塗膜強度や柔軟性を向上させ
るために、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、ポリエチレン及び石油樹脂等の樹脂類を含有させる
ことが好ましい。該樹脂類は単独で用いてもよく又は二
種以上併用してもよい。該樹脂類は、上記剥離層中に少
なくとも5重量%含有されることが好ましく、最大でも
50重量%程度とすることがよい。
【0018】上記剥離層は、その厚さが0.1〜5.0
μmであることが好ましく、0.1〜3.0μmである
ことが更に好ましい。該剥離層の厚さがこの範囲内であ
れば、剥離力の低下により、熱溶融性インク層の転写感
度が一層向上するからである。
【0019】次に、上記熱溶融性インク層について説明
する。該熱溶融性インク層は、着色剤と樹脂(結合剤)
とを含有し、加熱によって軟化・溶融して、被転写体へ
移行するものである。特に、該熱溶融性インク層の該被
転写体への移行、即ち、熱転写記録方法が熱時剥離方式
(該熱溶融性インク層が溶融している状態で剥離して記
録が行われる)であることが好ましい。
【0020】上記着色剤としては、カーボンブラック、
オイルブラック、黒鉛等の黒色系染顔料;C.I.ピグ
メント・イエロー1、同3、同74、同97、同98等
のアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄顔料(ファス
トイエロー);C.I.ピグメント・イエロー12、同
13、同14等のアセト酢酸アリールアミド系ビスアゾ
黄顔料;C.I.ソルベント・イエロー19、同77、
同79、C.I.ディスパーズ・イエロー164等の黄
染料;C.I.ピグメント・レッド8、同49:1、同
53:1、同57:1、同81、同122、同5等の赤
顔料;C.I.ソルベント・レッド52、同58、同8
等の赤色系染料;C.I.ピグメント・ブルー15:3
等の銅フタロシアニン及びその誘導体・変性体等の染顔
料が使用でる。また、有色又は無色の昇華性染料、従来
の印刷用インク、その他の着色用途で周知の染顔料も使
用出来る。これら染顔料は単独でも二種以上を混合して
用いてもよい。更に、これらの染顔料と体質顔料や白色
顔料と混を合し、色調を調整してもよい。更に、上記樹
脂(結合剤)に対する分散性を改善するために該着色剤
の表面を界面活性剤やシランカップリング剤等のカップ
リング剤や高分子材料で処理したり、該着色剤として高
分子系染料や高分子グラフト顔料を用いてもよい。該着
色剤は、上記熱溶融性インク層中に通常1〜50重量%
含有され、10〜45重量%含有されることが好まし
く、更に好ましくは10〜30重量%である。
【0021】一方、上記樹脂(結合剤)としては、上記
着色剤を均一に分散させることができ且つ熱によって溶
融し得るものが用いられる。該樹脂(結合剤)は、上記
熱溶融性インク層中に、通常5〜80重量%配合され、
好ましくは10〜50重量%配合され、更に好ましくは
10〜40重量%配合される。
【0022】上記樹脂(結合剤)としては、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、アミノスチレン等のスチレン、その誘導体及び置換
体の単独重合体及び共重合体を用いることができる。ま
た、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート及びヒドロキシメタクリレート等の
メタクリル酸エステル及びメタクリル酸;メチルアクリ
レート及び2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリ
ル酸エステル及びアクリル酸;ブタジエン及びイソプレ
ン等のジエン類;アクリロニトリル、ビニルエーテル
類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイ
ン酸、ケイ皮酸並びに塩化ビニル等のビニル系単量体;
の単独重合体又は他の単量体との共重合体も用いること
ができる。また、該樹脂(結合剤)がビニル系ポリマー
の場合には、ジビニルベンゼン等の多官能単量体を用い
て架橋ポリマーとなしてもよい。更に、該樹脂(結合
剤)としてポリカーボネート、ポリエステル、シリコー
ン系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂、テンペン樹
脂、石油樹脂、水添石油樹脂、アルキド樹脂、ケトン樹
脂及びセルロース誘導体等を用いてもよい。これらの樹
脂(結合剤)を共重合体の形で使用する場合、該共重合
体の共重合様式は、ランダム共重合体の他、要求用途に
応じて、交互共重合体、ブロック共重合体及び相互貫入
型共重合体等であってもよい。また、二種以上の樹脂
(結合剤)を混合して用いる場合には、溶融混合、溶液
混合及びエマルジョン混合等の機械的混合法の他、重合
時における共存重合や多段重合法等の化学的混合法によ
って混合してもよい。
【0023】上記熱溶融性インク層には、従来の熱転写
記録媒体における熱溶融性物質として用いられているよ
うなワックス類、オイル類、(液体)可塑剤類、又は樹
脂等を必要に応じて含有させてもよいが、特にワックス
類及び樹脂(結合剤)は含有させた方がよい。上記熱溶
融性インク層が、主として着色剤、ワックス及び樹脂を
含有することが好ましい。この場合、上記熱溶融性イン
ク層中に該ワックス類は20〜60重量%、該樹脂は5
〜50重量%、上記着色剤は10〜50重量%配合され
るように使用するとよい。更に、25℃における針進入
度が10以下のワックス及びガラス転移点が70℃以下
の樹脂(結合剤)を選択的に用いると、地汚れを更に減
少させることができる。また、該熱溶融性インク層に、
エチレンやプロピレン等のオレフィン系単独重合体又は
共重合体、有機酸グラフトオレフィン系共重合体、塩素
化パラフィン、低分子ウレタン化合物、常温で固体の可
塑剤、界面活性剤等の帯電制御・防止剤、導電化剤、酸
化防止剤、熱伝導率向上剤、磁性体、強誘電体、防腐
剤、香料、ブロッキング防止剤、補強充填剤、離型剤、
発泡剤、昇華性物質、及び赤外線吸収剤等も必要に応じ
て含有させてもよい。
【0024】上記熱溶融性インク層は、転写感度、リボ
ン巻径、基材シートへの定着性(粉落ち)の点から、そ
の厚さが0.1〜10.0μmであることが好ましく、
0.3〜5.0μmであることが更に好ましい。
【0025】次に、上記基材シートについて説明する。
上記基材シートの材質としては、耐熱強度を有し、寸法
安定性及び表面平滑性の高いものが好ましく、従来から
熱転写記録媒体の基材シートに主として使われているコ
ンデンサ紙、グラシン紙及び合成紙等の紙類、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイミド及びポリアミド等の樹
脂フィルムの薄膜シートやフィルム類等が用いられる。
該基材シートは、その厚さが0.01〜12μmである
ことが好ましく、0.1〜6.0μmであることが更に
好ましい。
【0026】本発明の熱転写記録媒体においては、上記
剥離層が上記式(1)で表されるESEを含有している
ので、転写像の定着性・堅牢性が高くなる。従って、本
発明の熱転写記録媒体は、高い堅牢性が要求されるバー
コード印刷用熱転写記録媒体として特に好適である。
【0027】本発明の熱転写記録媒体においては、その
耐熱性や走行性を向上させるために、上記基材シートの
面のうち上記熱溶融性インク層が設けられる面とは反対
の面上に、シリコン系化合物やフッ素系化合物からなる
バックコート層を設けてもよい。また、上記式(1)で
表されるESEを上記熱溶融性インク層中に含有させて
もよい。また、粗表面を有する被転写体に対する転写性
を向上させるために、該熱溶融性インク層上にエチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アイオノマ
ー、アクリル系共重合体、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド、及びエチルセルロースからなる群より選ばれた一種
または二種以上の感熱接着性の樹脂と、石油樹脂、ロジ
ン、水添ロジン、ロジンエステル、ケトン樹脂、及びフ
エノール樹脂からなる群より選ばれた一種または二種以
上の粘着付与性の樹脂とを含んで構成されたトップコー
ト層を設けてもよい。更に、本発明の熱転写記録媒体の
何れかの部分に通電発熱用抵抗層を設けてもよい。
【0028】次に、本発明の熱転写記録媒体の好ましい
製造方法について説明する。本発明の熱転写記録媒体を
製造するには、まず、上記基材シート上に上記式(1)
で表されるESEを塗布して剥離層を形成する。塗布方
法に特に制限はなく、例えばワイヤーコーターによって
塗布することができる。
【0029】次いで、剥離層が形成された基材シート上
に熱溶融性インク塗料を塗布して、熱溶融性インク層を
形成する。該熱溶融性インク塗料は、上記樹脂(結合
剤)を溶解又は安定に分散し得る溶媒又は分散媒を用い
て上記着色剤を含有する該樹脂(結合剤)の溶液又は分
散エマルジョンを形成し、次いでボールミル、サンドミ
ル、アトライター、ダイノミル又は3本ロール等の混合
分散機を用いて該溶液又は該分散エマルジョンを混合・
分散させることにより調製することができる。また、着
色剤の分散を上記の方法で行った後、微粒子を添加し、
ホモミキサー、ディスパー又はデッゾルバー等により攪
拌混合してもよい。更に、上記溶媒等を用いることな
く、3本ロール、ニーダー、サンドミル又はアトライタ
ー等で上記着色剤及び上記樹脂(結合剤)を含有する混
合物を溶融・混合してもよい。
【0030】このようにして調製された熱溶融性インク
塗料は、剥離層が形成された上記基材シート上にグラビ
アコーターやワイヤーバー等を用いて溶液又は溶融コー
ト法で塗布・印刷される。また、該熱溶融性インク塗料
をスプレードライ法により粉砕し、その後、静電コート
法等によって該剥離層上に粉体コートしてもよい。この
場合、粉体コート後更に必要に応じて、加熱、加圧及び
溶剤処理等を行い、該記熱溶融性インク塗料の粉体を該
剥離層上に定着させてもよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明の熱転
写記録媒体の有効性を例示する。しかしながら、本発明
の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
【0032】〔実施例1〕下記化学式(A)で表される
ESE80部とエチレン−酢酸ビニル共重合体20部と
をボールミルを用いてトルエン溶剤中に分散して剥離層
用塗料を調製した。そして、この剥離層用塗料をワイヤ
ーバーコーターを用いて、シリコーン系バックコートを
塗布した厚さ4.5μmのPETフィルム(基材シー
ト)上に塗布し、厚さ1.5μmの剥離層を設けた。次
に、下記の配合物をトルエン溶剤中に固形分20wt%
にて仕込み、ボールミルにて20時間分散して熱溶融性
インクを調製した。そして、得られた熱溶融性インクを
上記剥離層の上にワイヤバーコーターを用いて塗工し、
乾燥させて固形分のみとし、厚さ3μmの熱溶融性イン
ク層を有する目的の熱転写記録媒体を得た。 カーボンブラック(着色剤) 20部 パラフィンワックス〔針進入度(25℃)=6〕 50部 エチレン−酢酸ビニル共重合体(ガラス転移点=−27℃) 30部 トルエン(溶剤) 400部 このようにして得られた熱転写記録媒体について、感熱
転写プリンタ〔松下電器産業(株)製、FW−U195
360DPI〕によって普通紙(BEKK平滑度16
0秒)の上に印字を行い、転写像の濃度を測定した。印
字エネルギーと転写像濃度との関係を調べるために、濃
度調整レバーを操作して印加電圧を30.0〜36.5
Vの間で変化させ、転写濃度をマクベス濃度計(RD5
14型)で測定した。その結果、濃度1.2の転写像を
得るのに必要な印加電圧は33Vであった。印字に際し
て地肌汚れは認められなかった。また、上記熱転写記録
媒体(インクリボン)の走行性は良好であった。
【0033】
【化3】
【0034】〔実施例2〕下記化学式(B)で表される
ESE80部とエチレン−酢酸ビニル共重合体20部と
から形成される剥離層を用いた以外は実施例1と同様の
操作を行い熱転写記録媒体を作製した。得られた熱転写
記録媒体(インクリボン)について実施例1と同様の印
字を試みた。転写後の濃度をマクベス濃度計(RD51
4型)で測定した結果、濃度1.2の転写像を得るのに
必要な印加電圧は34Vであった。また、上記熱転写記
録媒体(インクリボン)の走行性は特に良好であった。
【0035】
【化4】
【0036】〔比較例1〕下記化学式(C)で表される
ESE80部とエチレン−酢酸ビニル共重合体20部と
から形成される剥離層を用いた以外は実施例1と同様の
操作を行い熱転写記録媒体を作製し、印字を試みた。転
写後の濃度をマクベス濃度計で測定した結果、濃度1.
2の転写像は得られなかった。また、上記熱転写記録媒
体(インクリボン)の走行性は特に印字開始直後におい
て不安定であった。
【0037】
【化5】
【0038】〔比較例2〕下記化学式(D)で表される
ポリエチレンワックス80部とエチレン−酢酸ビニル共
重合体20部とから形成される剥離層を用いた以外は実
施例1と同様の操作を行い、熱転写記録媒体を作製し、
印字を試みた。転写後の濃度をマクベス濃度計で測定し
た結果、濃度1.2の転写像を得るのに必要な印加電圧
は36.5Vであった。また、上記熱転写記録媒体(イ
ンクリボン)の走行性は特に印字開始直後において不安
定であった。
【0039】
【化6】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体によれば、熱溶
融性インク層の剥離性と転写像の定着性・堅牢性という
相反する特性を満足することができる。また、本発明の
熱転写記録媒体によれば、粗表面を有する被転写体に対
する転写性が良好となる。更に、本発明の熱転写記録媒
体によれば、地肌汚れやブロッキングの発生が防止され
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと熱溶融性インク層との間に
    剥離層が設けられた熱転写記録媒体において、 該剥離層が下記式(1)で表されるエチレン−シリコン
    −エチレン共重合体を含有することを特徴とする熱転写
    記録媒体。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記熱溶融性インク層が、主として着色
    剤、ワックス及び樹脂を含有する、請求項1記載の熱転
    写記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記ワックスの25℃における針進入度
    が10以下であり、上記樹脂のガラス転移点が70℃以
    下である、請求項2記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記熱溶融性インク層が、上記着色剤1
    0〜50重量%、上記樹脂5〜50重量%、及び上記ワ
    ックス20〜60重量%からなる、請求項2記載の熱転
    写記録媒体。
  5. 【請求項5】 熱転写記録方法が熱時剥離方式である、
    請求項1乃至4の何れかに記載の熱転写記録媒体。
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