JPH10145945A - 光ファイバ貫通装置 - Google Patents

光ファイバ貫通装置

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JPH10145945A
JPH10145945A JP30022496A JP30022496A JPH10145945A JP H10145945 A JPH10145945 A JP H10145945A JP 30022496 A JP30022496 A JP 30022496A JP 30022496 A JP30022496 A JP 30022496A JP H10145945 A JPH10145945 A JP H10145945A
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JP
Japan
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optical fiber
sleeve
spacer
low
cylindrical hole
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Application number
JP30022496A
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English (en)
Inventor
Masayuki Matsuo
政幸 松尾
Takeshi Oshima
武 大島
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CHIYOUYOU KK
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
CHIYOUYOU KK
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバケーブル7の被覆7aの一部を剥
がして露出させた光ファイバ6が挿通するスリーブ1の
内筒孔1a内の空隙のガス圧力を圧力計5でモニタする
ことにより、コネクタ9の接続による接続損失を減少さ
せることができる光ファイバ貫通装置(ペネトレーショ
ン)を提供する。 【解決手段】 メタルコートの光ファイバ6を挿通させ
た筒状のスリーブ1の内筒孔1aの中央部に2枚の第1
スペーサ11,11を挿入すると共に、その両端側に第
1と第2の低融点ガラス12、13を充填し、これらの
第1スペーサ11,11の向かい合う溝11a,11a
によって構成される空隙をガス通路1cを介して圧力計
5に連通させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所にお
ける原子炉格納容器の光ファイバ貫通部に用いられるペ
ネトレーション等の光ファイバ貫通装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉は、事故時等に放出される放射性
汚染物質が外部に漏洩しないように、原子炉格納容器内
に収容されている。従って、この原子炉格納容器の内外
に電線や光ファイバを敷設する場合には、隔壁に装着し
たペネトレーションを介してこれらの電線や光ファイバ
を貫通させる必要がある。
【0003】例えばPWR型(加圧水型)の原子炉で用
いられる従来の光ファイバ用のペネトレーションを図1
3に示す。このペネトレーションは、原子炉格納容器の
隔壁21の内外に貫通させて装着した格納容器22を用
いる。格納容器22は、内部に窒素ガスを充填した空間
を有する容器状であり、隔壁21の内側と外側に向けて
開口された貫通孔22a,22aを気密素子23,23
で塞ぐことにより、この内部空間を密閉している。ま
た、この格納容器22には、圧力計5が取り付けられ、
内部空間のガス圧力の変化をモニタできるようになって
いる。
【0004】気密素子23は、筒状の内筒孔に光ファイ
バ6(石英ロットでもよい)を挿通し、この内筒孔内に
エポキシ樹脂(高い耐熱性が不要な場合)又はガラスか
らなるシール材24を充填して封止したものであり、両
端部に光ファイバケーブル7のコネクタ9,9が接続さ
れるようになっている。そして、2個の気密素子23,
23の筒状の先端を格納容器22の内側と外側の貫通孔
22a,22aに挿入し、フランジ部をOリング(メタ
ルOリングの場合もある)を介して格納容器22の両側
面にボルトで締め付けることにより密閉して取り付けら
れる。また、これらの気密素子23,23には、格納容
器22の内部で光ファイバケーブル7が両端のコネクタ
9,9を介して接続される。さらに、原子炉格納容器の
内側に敷設された光ファイバケーブル7は、隔壁21の
内側で格納容器22に取り付けられた気密素子23にコ
ネクタ9を介して接続され、原子炉格納容器の外側に敷
設された光ファイバケーブル7は、隔壁21の外側で格
納容器22に取り付けられた気密素子23にコネクタ9
を介して接続される。これらのコネクタ9は、光ファイ
バケーブル7の光ファイバの端部を気密素子23の光フ
ァイバ6の端部に光軸を合わせて当接させ接続するもの
であり、ある程度の接続損失が生じる。
【0005】上記構成のペネトレーションは、原子炉格
納容器の内側からガスが光ファイバ6を伝ったり気密素
子23,23の密閉封止部を通して外部に漏洩しようと
すると、格納容器22の内部空間のガス圧力が変化する
ので、これを圧力計5で検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ペネトレーションは、格納容器22の内部空間のガス圧
力の変化をモニタするものであるために、この格納容器
22の両側に気密素子23,23を取り付け、これらの
気密素子23,23のそれぞれの両端にコネクタ9を介
して光ファイバケーブル7を接続する構成となる。従っ
て、原子炉格納容器の内側と外側に敷設される光ファイ
バケーブル7,7は、この格納容器22を介してそれぞ
れ4箇所のコネクタ9…により接続されるので、これら
のコネクタ9での接続損失が大きくなりすぎるという問
題があった。
【0007】また、従来のペネトレーションは、広い内
部空間を有する格納容器22を用いるので、装置が大型
化するのを避けることができず、原子炉格納容器の隔壁
21に占めるスペースが大きくなりすぎるという問題も
生じていた。
【0008】なお、上記問題は、原子炉で用いられる光
ファイバ用のペネトレーションに限らず、ガスの漏洩を
モニタする必要のある設備の内外に光ファイバを敷設す
る場合に用いる光ファイバ貫通装置に共通するものであ
る。
【0009】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、光ファイバを挿通させたスリーブ内に形成す
る空隙のガス圧力をモニタすることにより、コネクタに
よる接続損失を減少させることができる光ファイバ貫通
装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、上記課
題を解決するために、施設を外部から隔離する隔壁に
装着され、この隔壁の内外に貫通するスリーブ挿嵌孔の
内部のガス圧力の変化を検出する圧力検出手段が設けら
れた光ファイバ貫通装置において、メタルコートの光フ
ァイバを挿通させた筒状の内筒孔の一端側に第1の低融
点ガラスが充填封止されると共に、この内筒孔における
第1の低融点ガラスよりも他端側に、この第1の低融点
ガラスとの間に空隙を有する高融点ガラスのスペーサが
少なくとも1枚挿入され、このスペーサのさらに他端側
に第2の低融点ガラスが充填封止されたものであって、
内筒孔における第1の低融点ガラスとスペーサとの間の
空隙から外周部に連通するガス通路が形成されたスリー
ブが、外周部におけるこのガス通路の開口部の両端側を
密閉封止されてスリーブ挿嵌孔に嵌着されたことを特徴
とする。
【0011】の手段によれば、スリーブの内筒孔にお
ける第1の低融点ガラスとスペーサとの間の空隙にメタ
ルコートの光ファイバが露出し、この空隙がガス通路を
介してスリーブの外周部とスリーブ挿嵌孔との密閉封止
部の間に連通するので、この空隙の圧力変化を圧力検出
手段によって検出すれば、光ファイバの貫通部の気密状
態を確実に検査することができるようになる。しかも、
このスリーブを介して隔壁の内外の光ファイバケーブル
を直接接続するので、接続に要するコネクタ数を減少さ
せることができる。さらに、このスリーブの一端側を下
向きにして、内筒孔に最初に第1の低融点ガラスを充填
し、次にスペーサを挿入し、最後に第2の低融点ガラス
を充填すれば、容易にこのスリーブにガス圧力検出用の
空隙を形成することができる。また、スリーブの内部に
小さな空隙を形成するので、ガス圧力検出用に大きな空
間を設ける必要がなくなる。
【0012】また、前記のスリーブの内筒孔におけ
る一端側の内径が他端側よりも小さく形成される共に、
前記ガス通路がこの内筒孔の内径の段差部よりも他端側
に開口され、かつ、前記スペーサが、スリーブの内筒孔
の他端側の内径よりも小さく一端側の内径よりも大きい
外径を有すると共に、互いに向かい合う面に溝が形成さ
れたものを2枚合わせてこの内筒孔の段差部の他端側に
挿入して係止させたものであることを特徴とする。
【0013】の手段によれば、2枚のスペーサの互い
に向かい合う面に形成された溝内で光ファイバを挿通さ
せれば、この溝内の空隙に確実にメタルコートの光ファ
イバを露出させることができる。また、これら2枚のス
ペーサは、スリーブの内筒孔の段差部の他端側に係止さ
れるので、この段差部の他端側に開口するガス通路に空
隙を連通させることができる。しかも、一端側を下向き
にしたスリーブの内筒孔に上方から2枚のスペーサを挿
入するだけで、簡単にこれらのスペーサを段差部に係止
させることができる。
【0014】さらに、前記のスリーブの内筒孔にお
ける一端側の内径が他端側よりも小さく形成される共
に、前記ガス通路がこの内筒孔の内径の段差部よりも一
端側に開口され、かつ、前記スペーサが、スリーブの内
筒孔の他端側の内径よりも小さく一端側の内径よりも大
きい外径を有すると共に、この内筒孔の段差部の他端側
に挿入して係止させたものであることを特徴とする。
【0015】の手段によれば、第1の低融点ガラスを
段差部に係止されるスペーサとの間に隙間が開くように
充填すれば、これらの間の空隙にメタルコートの光ファ
イバを露出させると共に、この空隙を段差部の一端側に
開口するガス通路に連通させることができる。しかも、
一端側を下向きにしたスリーブの内筒孔に上方からスペ
ーサを挿入するだけで、簡単にこのスペーサを段差部に
係止させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0017】図1〜図12は本発明の一実施形態を示す
ものであって、図1は光ファイバを挿通させたスリーブ
の縦断面正面図、図2はモジュールの縦断面平面図、図
3はペネトレーション本体の縦半断面正面図、図4はス
リーブの縦断面斜視図、図5はスリーブに最初の第2ス
ペーサを挿入する工程を示す縦断面斜視図、図6はスリ
ーブに第1の低融点ガラスを充填する工程を示す縦断面
斜視図、図7はスリーブに第1スペーサを挿入する工程
を示す縦断面斜視図、図8はスリーブに第2の低融点ガ
ラスを充填する工程を示す縦断面斜視図、図9は他のス
リーブに最初の第2スペーサを挿入する工程を示す縦断
面斜視図、図10は他のスリーブに第1の低融点ガラス
を充填する工程を示す縦断面斜視図、図11は他のスリ
ーブに第1スペーサを挿入する工程を示す縦断面斜視
図、図12は他のスリーブに第2の低融点ガラスを充填
する工程を示す縦断面斜視図である。なお、図13に示
した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号
を付記する。
【0018】本実施形態は、原子力発電所内で用いられ
る光ファイバ用のペネトレーションについて説明する。
このペネトレーションは、図3に示すように、スリーブ
1を2個嵌着したモジュール2をさらにペネトレーショ
ン本体3に3個嵌着して構成される。ペネトレーション
本体3は、ステンレス鋼製の円盤部3aの裏面に円筒部
3bを溶接固着したものであり、原子炉を収容した原子
炉格納容器の図示しない隔壁の取り付け部に外側からこ
の円筒部3bを挿入して外周部を密閉封止することによ
り装着される。このペネトレーション本体3の円盤部3
aには、両端面に開口する3箇所のモジュール挿嵌孔3
cが形成され(図3では断面部に1箇所のモジュール挿
嵌孔3cのみを示す)、各モジュール挿嵌孔3cにそれ
ぞれモジュール2が外側から挿入されて嵌着される。各
モジュール2は、外周部の両端側に外嵌させたOリング
4…によってモジュール挿嵌孔3cの内周面との間を密
閉封止され、取付金具とボルトによって抜けないように
止め付けられる。また、円盤部3aには、圧力計5に繋
がるガス通路3dが形成され、このガス通路3dが各モ
ジュール挿嵌孔3cのほぼ中央部に開口するようになっ
ている。従って、圧力計5は、各モジュール挿嵌孔3c
の内部のガス圧力の変化を検出することができる。この
圧力計5(連成計)は、正負のガス圧力を指針表示する
ことにより、このガス圧力の変化を検出する。
【0019】上記モジュール2は、図2に示すように、
ステンレス鋼製のほぼ円柱形であり、両端面に開口する
2箇所のスリーブ挿嵌孔2aが形成されている(図2は
平面図であるためこのスリーブ挿嵌孔2aは2箇所に表
れる)。各スリーブ挿嵌孔2aには、スリーブ1が外側
から挿入されて嵌着される。スリーブ1は、外周部の両
端側に外嵌させたOリング4…によってスリーブ挿嵌孔
2aの内周面との間を密閉封止され、取付金具とボルト
によって抜けないように止め付けられる。また、このモ
ジュール2には、外周中央部に開口するガス通路2bが
形成され、このガス通路2bが各スリーブ挿嵌孔2aの
ほぼ中央部に開口するようになっている。従って、上記
ペネトレーション本体3の圧力計5は、図3に示す各モ
ジュール挿嵌孔3cに嵌着されたモジュール2の密閉封
止された外周部と、図2に示すこのモジュール2の各ス
リーブ挿嵌孔2aの内部のガス圧力の変化を検出するこ
とができる。
【0020】上記スリーブ1は、図1に示すように、両
端に開口する内筒孔1aを有するステンレス鋼製の筒状
であり、両端部の外径が小さくなってそれぞれ接続部1
b,1bが設けられている。このスリーブ1の内筒孔1
aには、光ファイバ6が挿通されている。この光ファイ
バ6は、光ファイバケーブル7の被覆7aを途中で剥が
し露出させたものである。また、この露出した光ファイ
バ6には、アルミニウム等によるメタルコート(金属被
覆)が施されている。メタルコートは、光ファイバ6を
母材から線引きした直後にメタル層用浴湯にディッピン
グすることにより形成されたものである。ただし、光フ
ァイバ6が未コートの光ファイバケーブル7を用いる場
合には、例えば被覆7aを剥がして露出させたこの光フ
ァイバ6の表面(クラッド層の表面)にまず蒸着法によ
り数μmの厚さのアルミニウム等の金属薄膜を形成し、
次にこの金属薄膜を電極として電解メッキを行うことに
より数百μmのアルミニウム等の金属膜を形成してメタ
ルコートを施すようにしてもよい。このようなメタルコ
ートを施した光ファイバ6は、機械的強度を向上させる
と共に、耐熱性及びハーメチック性(水密性)を高める
ことができる。光ファイバケーブル7は、被覆7aの外
周にステンレス鋼板を蛇腹状にした保護チューブ7bを
嵌めて、図3に示すように、両端にコネクタ9,9を取
り付けたものである。そして、図1に示すように、光フ
ァイバ6の露出部の両端では、保護チューブ7b,7b
を除去した被覆7a,7aの外周とスリーブ1の接続部
1b,1bの外周とをそれぞれパイプ状の接続金具1
0,10でねじ止めしている。
【0021】上記スリーブ1は、光ファイバ6を挿通さ
せた内筒孔1aの中央部に高融点ガラスの第1スペーサ
11,11が2個挿入されている。これらの第1スペー
サ11,11は、それぞれ高融点ガラスを厚い円盤状に
形成したものであり、中央部に光ファイバ6をわずかな
隙間を開けて挿通させている。また、これらの第1スペ
ーサ11,11は、互いに向かい合う面に溝11a,1
1aが形成され、当接部に空隙が生じるようになってい
る。これら第1スペーサ11,11の両端側には、それ
ぞれ第1と第2の低融点ガラス12,13が充填され
て、光ファイバ6が挿通する内筒孔1a内を封止してい
る。そして、第1の低融点ガラス12のさらに一端側
(図1の右側)には、高融点ガラスの第2スペーサ14
を介してエポキシ樹脂15が充填されている。第2スペ
ーサ14は、高融点ガラスを円盤状に形成したものであ
り、中央部に光ファイバ6をわずかな隙間を開けて挿通
させている。エポキシ樹脂15は、光ファイバ6の折損
防止用に充填するものであり、このために他の樹脂やそ
の他の材質のスペーサを充填/挿入することもできる。
また、折損の心配がなければ、第2スペーサ14の一端
側に光ファイバ6を露出させたままにしたり、第2スペ
ーサ14を一端側の端に配置して低融点ガラス12を端
部まで充填してもよい。さらに、第2スペーサ14を挿
入せずに、低融点ガラス12をそのまま一端側の端部ま
で充填してもよい。第2の低融点ガラス13の他端側
(図1の左側)には、エポキシ樹脂16が充填されてい
る。このエポキシ樹脂16も、光ファイバ6の折損防止
用に充填するものであり、このために他の樹脂やその他
の材質のスペーサを充填/挿入することもできる。ま
た、折損の心配がなければ、低融点ガラス13の他端側
に光ファイバ6を露出させたままにしたり、この低融点
ガラス13をそのまま他端側の端部まで充填してもよ
い。
【0022】また、上記スリーブ1には、中央部に直径
方向に貫通するガス通路1cが形成され、このガス通路
1cの内筒孔1aへの開口部が第1スペーサ11,11
の溝11a,11aによって構成される空隙に連通する
ようになっている。従って、上記圧力計5は、図3に示
すペネトレーション本体3の各モジュール挿嵌孔3cに
嵌着されたモジュール2の密閉封止された外周部に加え
て、図2に示すモジュール2の各スリーブ挿嵌孔2aに
嵌着されたスリーブ1の密閉封止された外周部と、図1
に示すこのスリーブ1の内筒孔1a内における第1スペ
ーサ11,11の溝11a,11aの空隙のガス圧力の
変化を検出することができる。
【0023】上記スリーブ1の内筒孔1aに第1スペー
サ11,11や第1と第2の低融点ガラス12,13等
を挿入充填する方法を図5〜図8に基づいて説明する。
このスリーブ1の内筒孔1aは、実際には図4に示すよ
うに、一端側(図4の右側)の内径d1が他端側の内径
d2よりも小さく形成されている。そして、ガス通路1
cは、この内筒孔1aの内径の段差部1dよりも少し他
端側に開口するようになっている。なお、このガス通路
1cは、スリーブ1の外周中央の凹状のガス流通溝1e
内に開口し、その両側に2状ずつ形成されたOリング溝
にOリング4…を外嵌させている。従って、このガス通
路1cは、スリーブ1の外周のガス流通溝1eの空間を
介して、図2に示すスリーブ挿嵌孔2aに開口するモジ
ュール2のガス通路2bに確実に連通することができ
る。また、このモジュール2のガス通路2bと図3に示
すペネトレーション本体3のガス通路3dも、同様の構
成により確実に連通することができる。
【0024】上記スリーブ1は、まず図5に示すよう
に、一端側を下方に向けて光ファイバ6が挿通する内筒
孔1aの下端に治具17を挿入し、この治具17上に高
融点ガラスの第2スペーサ14を挿入載置する。第2ス
ペーサ14の外径は、内筒孔1aの下端側(一端側)の
内径との間にほとんど隙間が生じないような大きさに形
成される。治具17は、この第2スペーサ14を適当な
高さ位置に支持するための筒状であり、カーボン等のよ
うに耐熱性が高く熱膨張率の小さいものを用いる。な
お、内筒孔1aの下端側の内径をさらに小さくする等の
方法により第2スペーサ14を適当な高さ位置に係止さ
せることができれば、この治具17は不要となる。ま
た、第2スペーサ14を内筒孔1aの下端側の端に配置
する場合や、この第2スペーサ14を用いずに内筒孔1
aの下端を他の部材で塞ぐ場合にも、治具17は不要と
なる。
【0025】次に、図6に示すように、第1の低融点ガ
ラス12を内筒孔1aの段差部1dよりも少し下方まで
充填する。ただし、ここでは、粉状の低融点ガラスを円
筒形に仮焼成した第1の低融点ガラス12を第2スペー
サ14の上に挿入するだけであり、後の工程でこれを加
熱溶融して実際の充填を行う。なお、この第1の低融点
ガラス12は、2個の断面C形状の半円筒形のものを光
ファイバ6を挟んで合わせて挿入するようにしてもよ
い。この第1の低融点ガラス12の挿入が完了すると、
2個の第1スペーサ11,11を内筒孔1aに挿入し、
図7に示すように、段差部1dの上に係止させる。従っ
て、これらの第1スペーサ11,11の外径は、内筒孔
1aの下端側(一端側)の内径よりも大きく、上端側
(他端側)の内径よりもわずかに小さく形成される。こ
の挿入の際には、第1スペーサ11,11の溝11a,
11aの空隙がガス通路1cの開口部に連通するように
して係止させる。このため、スリーブ1のガス通路1c
は、例えば1本ではなく直径方向に角度を変えて複数本
形成して、いずれかのガス通路1cに連通できるように
してもよい。
【0026】第1スペーサ11,11が挿入されると、
図8に示すように(図8は縦断面をガス通路1cに沿っ
た角度に変えて示す)、第2の低融点ガラス13を内筒
孔1aの上側の第1スペーサ11の上に充填する。この
第2の低融点ガラス13の充填も、第1の低融点ガラス
12と同様に、まず粉状の低融点ガラスを円筒形に仮焼
成したものを第1スペーサ11の上に挿入する。そし
て、第1と第2の低融点ガラス12,13の融点よりは
高温であり、高融点ガラスの第1スペーサ11,11と
第2スペーサ14の融点よりは低温となる温度まで一旦
加熱する。すると、第2の低融点ガラス13は、第1ス
ペーサ11の上で溶融し、上端側の内筒孔1aの内壁と
光ファイバ6のメタルコート外面に融着した後に硬化し
て、これらの間を封止する。また、これと同時に、第1
の低融点ガラス12も、第2スペーサ14の上で溶融
し、下端側の内筒孔1aの内壁と光ファイバ6のメタル
コート外面に融着した後に硬化して、これらの間を封止
する。例えば第1スペーサ11と第2スペーサ14に融
点が1500°C程度の高融点ガラスを使用し、第1と
第2の低融点ガラス12,13に融点が1000°C以
下の低融点のガラスを使用した場合には、1000〜1
500°Cの間の適当な温度に加熱することにより、第
1と第2の低融点ガラス12,13のみを溶融させる。
【0027】上記第2の低融点ガラス13は、内筒孔1
aの上端よりも少し下方まで充填する。そして、最後
に、内筒孔1aの下端部の第2スペーサ14の下方と、
上端部のこの第2の低融点ガラス13の上方に、必要に
応じて上記図1で説明したエポキシ樹脂15とエポキシ
樹脂16を充填して完成する。
【0028】上記構成のペネトレーションは、スリーブ
1の内筒孔1aにおける第1スペーサ11,11の溝1
1a,11aの空隙にメタルコートの光ファイバ6が露
出する。そして、この空隙がスリーブ1のガス通路1c
と図2に示すモジュール2のガス通路2bと図3に示す
ペネトレーション本体3のガス通路3dを介して圧力計
5に繋がるので、この空隙の圧力変化をモニタすること
により、光ファイバ6を伝った放射性汚染物質のガスの
漏洩を検出することができる。また、スリーブ1の外周
部とスリーブ挿嵌孔2aとの間やモジュール2の外周部
とモジュール挿嵌孔3cとの間の密閉封止部からのガス
の漏洩も検出することができる。
【0029】しかも、光ファイバケーブル7の一部の光
ファイバ6をスリーブ1に貫通させてペネトレーション
を構成できるので、このペネトレーションでのコネクタ
9による接続損失を低減させることができる。即ち、例
えば原子炉格納容器の内部に敷設した光ファイバケーブ
ル7の端部の光ファイバ6にペネトレーションを構成す
れば、外部の光ファイバケーブル7との間を1箇所のコ
ネクタ9のみで接続することができる。また、ペネトレ
ーションを形成した独立の1本の光ファイバケーブル7
を介して内部と外部の他の光ファイバケーブル7,7同
士を接続する場合であっても、コネクタ9の接続は2箇
所で済むことになる。
【0030】さらに、スリーブ1の内筒孔1aに2個の
高融点ガラスによる第1スペーサ11,11を挿入した
り第1と第2の低融点ガラス12,13を充填する工程
によって、容易に光ファイバ6を露出させる空隙を形成
できるので、ペネトレーションの生産性を向上させ製造
コストの低減化を図ることができる。また、2個の第1
スペーサ11,11の溝11a,11aを向かい合わせ
ることによって、この空隙を確実に形成することができ
る。
【0031】なお、上記実施形態では、2個の第1スペ
ーサ11,11の溝11a,11aによって空隙を形成
したが、1個の第1スペーサ11と第1の低融点ガラス
12との間に空隙を形成することもできる。この場合の
第1スペーサ11や第1と第2の低融点ガラス12,1
3等の挿入充填方法を図9〜図12に基づいて説明す
る。このスリーブ1は、図9に示すように、ガス通路1
cが内径の段差部1dよりも少し下端側(一端側)に開
口するようになっている。そして、まず一端側を下方に
向けて光ファイバ6が挿通する内筒孔1aの下端に治具
17を挿入し、この治具17上に高融点ガラスの第2ス
ペーサ14を挿入載置する。第2スペーサ14や治具1
7は、図5に示したものと同様のものでよい。
【0032】次に、図10に示すように、第1の低融点
ガラス12を内筒孔1aの段差部1dよりも下方であ
り、かつ、ガス通路1cの開口部よりも少し下方まで充
填する。この第1の低融点ガラス12の充填も、図6に
示した場合と同様に、粉状の低融点ガラスを円筒形又は
半円筒形に仮焼成したものを第2スペーサ14の上に挿
入することにより行う。また、この第1の低融点ガラス
12の挿入が完了すると、図11に示すように、1個の
高融点ガラスによる第1スペーサ11を内筒孔1aに挿
入し、段差部1dの上に係止させる。この第1スペーサ
11は、中央部にわずかな隙間を開け光ファイバ6を挿
通させた薄い円盤状のものでよく、この外径は内筒孔1
aの下端側(一端側)の内径よりも大きく、上端側(他
端側)の内径よりもわずかに小さく形成される。従っ
て、この第1スペーサ11の下方には、第1の低融点ガ
ラス12との間に空隙が形成され、この空隙にガス通路
1cが連通する。そして、図12に示すように、この内
筒孔1aの第1スペーサ11の上に第2の低融点ガラス
13を充填する。この第2の低融点ガラス13の充填
も、図8に示した場合と同様に、まず粉状の低融点ガラ
スを円筒形又は半円筒形に仮焼成したものを第1スペー
サ11の上に挿入する。また、第1と第2の低融点ガラ
ス12,13の融点よりは高温であり、高融点ガラスの
第1スペーサ11と第2スペーサ14の融点よりは低温
となる温度まで一旦加熱することにより、これら第1と
第2の低融点ガラス12,13を溶融させた後に硬化さ
せ封止する。そして、最後に、内筒孔1aの下端部の第
2スペーサ14の下方と、上端部のこの第2の低融点ガ
ラス13の上方に、必要に応じて上記図1で説明したエ
ポキシ樹脂15とエポキシ樹脂16を充填して完成す
る。
【0033】この場合には、1個の第1スペーサ11を
挿入するだけで、この第1スペーサ11と第1の低融点
ガラス12との間に光ファイバ6が露出する空隙を形成
することができ、この空隙のガス圧力の変化をガス通路
1c,2b,3dを介して圧力計5によりモニタするこ
とができる。
【0034】また、本実施形態では、スリーブ1をモジ
ュール2に嵌着し、このモジュール2をペネトレーショ
ン本体3に嵌着したペネトレーションについて説明した
が、モジュール2を省略してペネトレーション本体3に
直接スリーブ1を嵌着したり、モジュール2をさらに複
数に階層化した構成(例えば第1のモジュール2内に第
2のモジュール2を嵌着する)としたものであっても同
様に実施可能である。しかも、ペネトレーション本体3
へのモジュール2の嵌着数や、モジュール2へのスリー
ブ1の嵌着数は、上記実施形態に限定されない。
【0035】さらに、本実施形態では、原子力発電所内
で用いられる光ファイバ用のペネトレーションについて
説明したが、その他のガスの漏洩をモニタする必要のあ
る設備の内外に光ファイバを敷設する場合に用いる光フ
ァイバ貫通装置にも同様に実施可能である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の光ファイバ貫通装置によれば、第1の低融点ガラスと
スペーサとの間の空隙の圧力変化を圧力検出手段によっ
て検出することにより、光ファイバの貫通部の気密状態
を確実に検査することができるようになる。また、スリ
ーブを介して隔壁の内外の光ファイバケーブルを直接接
続することができるので、コネクタによる光ファイバの
接続損失を減少させることができる。さらに、スリーブ
の内部に小さな空隙を形成するので、ガス圧力検出用に
大きな空間を設ける必要がなくなり、光ファイバ貫通装
置を小型化することができる。
【0037】しかも、このようなスリーブ内の空隙は、
スペーサを介して第1と第2の低融点ガラスを順に挿入
し同時に溶融させて充填することにより容易に形成する
ことができる。また、2枚のスペーサの互いに向かい合
わせとなる面に形成された溝により、確実にこの空隙を
形成することができる。さらに、第1の低融点ガラスと
スペーサとの間に隙間を開けることによっても、容易に
この空隙を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、光フ
ァイバを挿通させたスリーブの縦断面正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、モジ
ュールの縦断面平面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、ペネ
トレーション本体の縦半断面正面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであって、スリ
ーブの縦断面斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態を示すものであって、スリ
ーブに最初の第2スペーサを挿入する工程を示す縦断面
斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態を示すものであって、スリ
ーブに第1の低融点ガラスを充填する工程を示す縦断面
斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態を示すものであって、スリ
ーブに第1スペーサを挿入する工程を示す縦断面斜視図
である。
【図8】本発明の一実施形態を示すものであって、スリ
ーブに第2の低融点ガラスを充填する工程を示す縦断面
斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態を示すものであって、他の
スリーブに最初の第2スペーサを挿入する工程を示す縦
断面斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態を示すものであって、他
のスリーブに第1の低融点ガラスを充填する工程を示す
縦断面斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態を示すものであって、他
のスリーブに第1スペーサを挿入する工程を示す縦断面
斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態を示すものであって、他
のスリーブに第2の低融点ガラスを充填する工程を示す
縦断面斜視図である。
【図13】従来例を示すものであって、ペネトレーショ
ンの構造を示す縦断面斜視図である。
【符号の説明】
1 スリーブ 1a 内筒孔 1c ガス通路 1d 段差部 2a スリーブ挿嵌孔 5 圧力計 6 光ファイバ 11 第1スペーサ 11a 溝 12 第1の低融点ガラス 13 第2の低融点ガラス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 施設を外部から隔離する隔壁に装着さ
    れ、この隔壁の内外に貫通するスリーブ挿嵌孔の内部の
    ガス圧力の変化を検出する圧力検出手段が設けられた光
    ファイバ貫通装置において、 メタルコートの光ファイバを挿通させた筒状の内筒孔の
    一端側に第1の低融点ガラスが充填封止されると共に、
    この内筒孔における第1の低融点ガラスよりも他端側
    に、この第1の低融点ガラスとの間に空隙を有する高融
    点ガラスのスペーサが少なくとも1枚挿入され、このス
    ペーサのさらに他端側に第2の低融点ガラスが充填封止
    されたものであって、 内筒孔における第1の低融点ガラスとスペーサとの間の
    空隙から外周部に連通するガス通路が形成されたスリー
    ブが、外周部におけるこのガス通路の開口部の両端側を
    密閉封止されてスリーブ挿嵌孔に嵌着されたことを特徴
    とする光ファイバ貫通装置。
  2. 【請求項2】 前記スリーブの内筒孔における一端側の
    内径が他端側よりも小さく形成される共に、前記ガス通
    路がこの内筒孔の内径の段差部よりも他端側に開口さ
    れ、かつ、 前記スペーサが、スリーブの内筒孔の他端側の内径より
    も小さく一端側の内径よりも大きい外径を有すると共
    に、互いに向かい合う面に溝が形成されたものを2枚合
    わせてこの内筒孔の段差部の他端側に挿入して係止させ
    たものであることを特徴とする請求項1に記載の光ファ
    イバ貫通装置。
  3. 【請求項3】 前記スリーブの内筒孔における一端側の
    内径が他端側よりも小さく形成される共に、前記ガス通
    路がこの内筒孔の内径の段差部よりも一端側に開口さ
    れ、かつ、 前記スペーサが、スリーブの内筒孔の他端側の内径より
    も小さく一端側の内径よりも大きい外径を有すると共
    に、この内筒孔の段差部の他端側に挿入して係止させた
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイ
    バ貫通装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106094144A (zh) * 2016-08-29 2016-11-09 中天海洋系统有限公司 一种附加薄膜电容的海底有缘光缆的直通连接装置
JP2020174434A (ja) * 2019-04-08 2020-10-22 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 電気配線用貫通部構造

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CN106094144B (zh) * 2016-08-29 2022-09-06 中天海洋系统有限公司 一种附加薄膜电容的海底有缘光缆的直通连接装置
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