JPH10145105A - 誘電体フィルタおよび複合誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体フィルタおよび複合誘電体フィルタ

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Publication number
JPH10145105A
JPH10145105A JP8301591A JP30159196A JPH10145105A JP H10145105 A JPH10145105 A JP H10145105A JP 8301591 A JP8301591 A JP 8301591A JP 30159196 A JP30159196 A JP 30159196A JP H10145105 A JPH10145105 A JP H10145105A
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JP
Japan
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dielectric
resonance
outer conductor
resonance lines
filter
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JP8301591A
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English (en)
Inventor
Hiromi Ogura
弘己 小倉
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実装先の回路基板による影響や、回路基板へ
の実装状態での他の部品による影響を受けにくくすると
ともに、Qを殆ど悪化させないで所望の特性を容易に得
られるようにした誘電体フィルタを提供する。 【解決手段】 誘電体ブロックに有底穴を設け、その内
面に共振線路3a,3bを形成し、外面に外導体4を形
成するとともに、誘電体ブロック1の共振線路の開放端
に対向する面に外導体の非形成部A1,A2を設けて、
フィルタ特性を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波帯な
どの高周波帯で用いられる誘電体フィルタおよび複数の
誘電体フィルタを一体化した複合誘電体フィルタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘電体ブロックに各種導体を形成して誘
電体フィルタを構成するものとして、例えば特開平7
−66607号公報や特公昭62−60842号公報
に示されているように、誘電体ブロック内に複数の共振
線路を配列形成して複数の共振器を構成するとともに、
それらを例えばコムライン結合させて帯域通過フィルタ
などを構成したものがあった。
【0003】このような単一の誘電体ブロックに複数段
の共振器を設けた誘電体フィルタにおいては、フィルタ
特性の調整を行う場合、上記では共振線路(内導体)
に平行な面の外導体を部分的に削除して各共振器の共振
周波数や共振器間の結合調整を行っている。また上記
の誘電体フィルタでは共振線路(貫通孔内面に形成され
た導電膜)を外導体へ短絡する部分(短絡面)を部分的
に削除することによって、同様にしてフィルタ特性の調
整を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の誘
電体フィルタの場合、その誘電体フィルタを部品の単体
状態で特性調整を行って所定範囲内の特性が得られるよ
うにしても、それを実際の回路基板上に実装した際、回
路基板の誘電率および回路基板上の配線パターンの影響
を受けてフィルタ特性が変動する場合がある。また、回
路基板に対する実装面でない面の外導体を部分的に削除
する方法によれば、回路基板に実装した状態で誘電体フ
ィルタの特性調整を行うことも可能であるが、小型の電
子機器においては、複数の回路基板や部品を筐体に取り
付けた状態で、誘電体フィルタのすぐ上面に他の回路基
板や他の部品が近接する場合があるので、それらの影響
を受けやすい。また外導体の削除部分はアース電流を妨
げるので、共振器のQの悪化原因となる。
【0005】上記の誘電体フィルタの場合、回路基板
や他の部品などの影響を受けにくいものの、電流密度が
通常最も高い領域の外導体を部分的に削除することにな
るため、共振器のQの悪化が著しく、挿入損失が増大す
る。
【0006】この発明の目的は、実装先の回路基板によ
る影響や、回路基板への実装状態での他の部品による影
響を受けにくくするとともに、Qを殆ど悪化させないで
所望の特性を容易に得られるようにした誘電体フィルタ
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の誘電体フィル
タは、回路基板に対して通常実装面とはならない面の外
導体を部分削除し、且つ共振器のQの悪化を防止するた
めに、請求項1に記載のとおり、誘電体ブロックまたは
誘電体板の外面に外導体を設け、前記誘電体ブロックま
たは誘電体板の内部に、それぞれ一端を前記外面に導通
する短絡端とし、他端を前記誘電体ブロックまたは誘電
体板の内部で開放された開放端とする複数の共振線路を
設けるとともに、前記誘電体ブロックまたは誘電体板の
外面の、前記共振線路の開放端に対向する面に外導体の
非形成部を設けて、前記共振線路の先端容量を所定値に
定める。
【0008】このように誘電体ブロックまたは誘電体板
の外面の、共振線路の開放端に対向する面の外導体を部
分的に削除するなどして外導体の非形成部を設けること
によって、共振線路の開放端と外導体間の静電容量が変
化し、フィルタ特性が定められる。その際、共振線路の
開放端は誘電体ブロックまたは誘電体板の内部に設けら
れ、外導体の非形成部は共振線路の開放端に対向する面
に設けられるため、すなわち誘電体ブロックまたは誘電
体板の端面に外導体の非形成部が設けられることになる
ため、この誘電体フィルタを回路基板上に寝かせて表面
実装しても、外導体の非形成部が回路基板またはその他
の部品の影響を受けることが殆どない。また、共振線路
の開放端に対向する面の外導体に非形成部が設けられる
ため、すなわち磁界エネルギーが低く、外導体に流れる
アース電流の電流密度が低い領域に外導体の非形成部が
設けられることになるため、共振器のQの悪化が少な
く、低挿入損失または高減衰量の誘電体フィルタが容易
に得られる。
【0009】この発明の誘電体フィルタは帯域通過フィ
ルタ特性を有する誘電体フィルタにおいて所定のフィル
タ特性を得るために、請求項2に記載のとおり、共振線
路の開放端および短絡端を1方向に揃えて配列し、各共
振線路をコムライン結合させて帯域通過特性をもたせる
とともに、共振線路の開放端に対向する位置の外導体非
形成部の大きさによって、通過帯域の中心周波数を設定
し、互いに隣接する共振線路の開放端に対向するそれぞ
れの位置の中間位置における外導体非形成部の大きさに
よって通過帯域幅を設定する。
【0010】このように複数の配列された共振線路をコ
ムライン結合させるとともに、共振線路の開放端に対向
する位置の外導体非形成部の大きさによって、共振線路
による共振器の共振周波数が定められ、通過帯域の中心
周波数が設定される。また、隣接する共振線路の開放端
に対向するそれぞれの位置の中間位置における外導体非
形成部の大きさによって共振器間の結合係数が定めら
れ、通過帯域幅が設定されることになる。従って、複数
の共振線路の開放端に対向する面に形成されている外導
体における外導体非形成部の位置と大きさによって通過
帯域の中心周波数と帯域幅とを独立して設定可能とな
る。
【0011】この発明の複合誘電体フィルタは、請求項
3に記載のとおり、上記の誘電体フィルタを単一の誘電
体ブロックまたは単一の誘電体板に複数組設けるととも
に、誘電体ブロックまたは誘電体板の内部もしくは外面
に複数組の誘電体フィルタの初段または終段に結合する
3つ以上の入出力用導体を設ける。これにより、単一の
誘電体ブロックまたは単一の誘電体板に複数組の誘電体
フィルタを構成して、例えば送信フィルタと受信フィル
タを共に設けたアンテナ共用器や、複数の送信フィルタ
を設けたダイプレクサやマルチプレクサのように、ある
1つの入出力用導体を兼用して多入力1出力または1入
力多出力の複合誘電体フィルタとして用いることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態に係る
誘電体フィルタの構成を図1〜図4を参照して以下に説
明する。
【0013】図1は誘電体フィルタの斜視図および断面
図である。同図に示すように、六面体形状の誘電体ブロ
ック1に対して、断面円形の有底穴2a,2bを形成し
ていて、この有底穴2a,2bの内面にAg導体膜を形
成して、これを共振線路3a,3bとしている。また誘
電体ブロック1の外面にはAg導体膜から成る5a,5
bで示す入出力用導体を設けていて、入出力用導体5
a,5bを除く誘電体ブロック1の外面(六面)には、
Ag導体膜から成る外導体4を形成している。有底穴2
a,2bの開口部において共振線路3a,3bは外導体
4に接続されるため、この部分が共振線路の短絡端とな
り、有底穴2a,2bの底部(図1においては有底穴2
a,2bの上端部分)が共振線路3a,3bの開放端と
なり、(B)に示すように外導体4との間に先端容量C
sがそれぞれ形成される。また、この共振線路3a,3
bの開放端付近と入出力用導体5a,5bとの間には外
部結合容量Ceがそれぞれ形成され、外部回路との間で
容量結合する。この誘電体フィルタを回路基板に実装す
る場合、(A)の左手前の面を回路基板に対向させて表
面実装する。
【0014】図2は図1に示した誘電体フィルタの等価
回路図である。図中のCs,Ceは図1に示した各静電
容量に対応し、Ze,θは共振線路3a,3bのイーブ
ンモードの特性インピーダンスおよび電気長、Zk,θ
は2つの共振線路間の結合特性インピーダンスおよび電
気長である。Csdは共振器の結合をZk,θの結合線
路で表したことによる仮想的な(マイナスの容量を有す
る結合補正用の)容量である。ここでフィルタの中心角
周波数は単体の共振器で考えた場合、 Za・tanθo=1/(ωoCs) θo=ωo√(εr)L/vc で表されるωoである。ここでZaは共振器の特性イン
ピーダンス、εrは誘電体ブロックの比誘電率、vcは
光速、Lは共振線路長である。
【0015】また、隣接する2つの共振器のイーブンモ
ードとオッドモードについて表せば、上式は、 Zeven・tanθeven=1/(ωeven・Cseven) Zodd ・tanθodd =1/(ωodd ・Csodd ) となる。
【0016】また、フィルタの通過帯域幅は中心周波数
が一定であれば共振器間の結合係数に比例し、イーブン
モードとオッドモードの各々の共振角周波数を上式のよ
うにωeven,ωodd とすれば、結合係数kは次の関係で
表される。
【0017】 k=2|ωodd −ωeven|/(ωodd +ωeven) ここでωeven,ωodd ,ωoは次の関係にある。 ωeven<ωo<ωodd 図3の(A)はイーブンモードの電界分布および共振器
の等価回路、(B)はオッドモードの電界分布および共
振器の等価回路をそれぞれ示す。
【0018】図4は図1に示した誘電体フィルタにおい
て外導体の部分削除位置の例を示す図であり、(A)は
図1に示した状態での上面図、(B)はその縦断面図で
ある。また(C)は(A),(B)とは異なる位置に外
導体の非形成部を設けた場合の上面図、(D)はその縦
断面図である。
【0019】図4の(A),(B)に示すように、2つ
の共振線路3a,3bの開放端に対向するそれぞれの位
置の中間位置に外導体非形成部A1を設ければ、この位
置は図3の(A)に示したように、イーブンモードでは
磁気壁に相当する部分であるために、外導体の部分削除
によっても電界の状態が殆ど変化せず、そのためにCs
evenの値も殆ど変化しないが、図3の(B)のように、
オッドモードでは電気壁に相当する部分であるため、外
導体の部分削除によってCsodd の値が小さくなる。従
ってωevenが変化せず、ωodd が高くなるので、結合係
数kが大きくなり(誘導性結合が強くなり)通過帯域幅
が広くなる。また、図4の(C),(D)に示すよう
に、誘電体ブロック1の外面の、共振線路3aの開放端
に対向する面にA2で示す外導体の非形成部を設けた場
合、上記CsevenおよびCsodd が共に小さくなり、こ
れによりωevenおよびωodd が共に大きくなるため、結
合係数kは殆ど変化せずに通過帯域の中心周波数が高く
なる。従って、通過帯域幅を広げるためには、図4の
(A),(B)のように、2つの共振線路3a,3bの
開放端に対向するそれぞれの位置の中間位置に外導体非
形成部A1を設け、その大きさを調整すればよく、中心
周波数を上昇させるためには、図4の(C),(D)の
ように、誘電体ブロック1の外面の、共振線路3aの開
放端に対向する面に外導体非形成部A2を設け、その大
きさを調整すればよい。
【0020】上述したように、図1に示した誘電体フィ
ルタは(A)の左手前の面を回路基板に対向させて表面
実装するため、外導体の非形成部は実装先の回路基板ま
たは他の回路基板や他の部品に対向することがなく、そ
れらの影響を受けることが殆どない。また、共振線路の
開放端に対向する面の外導体に非形成部が設けられるた
め、すなわち磁界エネルギーが低く、外導体に流れるア
ース電流の電流密度が低い領域に外導体の非形成部が設
けられることになるため、共振器のQの悪化が少ない。
【0021】図5は第2の実施形態に係る誘電体フィル
タの構造を示す図であり、(A)は正面図、(B)は底
面図である。この例では、六面体形状の誘電体ブロック
1に対して2a,2b,2c,2d,2eで示す5つの
有底穴を、図に示すように底部が互い違いに並ぶように
形成している。各有底穴の内面には第1の実施形態の場
合と同様に共振線路を設けている。誘電体ブロック1の
外面には有底穴2a,2eの開口部において共振線路か
ら連続する入出力用導体5a,5eを形成していて、こ
の2つの入出力用導体を除く外面(六面)に外導体4を
形成している。
【0022】このように共振線路を誘電体ブロック1内
に配置したことにより、隣接する共振線路間がそれぞれ
インターディジタル結合し、5段の共振器から成る帯域
通過フィルタが得られる。図中のAb,Ac,Adは有
底穴2b,2c,2dのそれぞれの内面に形成した共振
線路の開放端に対向する位置であり、Ab部分の外導体
を削除すれば有底穴2bによる共振器の共振周波数が上
昇し、同様にAc,Ad部分を削除すれば有底穴2c,
2dによるそれぞれの共振器の共振周波数が上昇する。
これにより通過帯域の中心周波数を調整できるようにな
る。
【0023】図6は第3の実施形態に係る複合誘電体フ
ィルタの構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)
は底面図である。この例では、誘電体ブロック1に対し
て2b,2c,2d,2f,2gで示す5つの有底穴と
2a,2e,2hで示す3つの貫通孔を設けるととも
に、それぞれの内面に導体を設けて共振線路としてい
る。誘電体ブロック1の外面には貫通孔2a,2e,2
hによるそれぞれの共振線路から連続する入出力用導体
5a,5e,5hをそれぞれ設けるとともに、この3つ
の入出力導体を除く領域に外導体4を形成している。
【0024】この構成により、有底穴2f,2gによる
共振線路はコムライン結合し、有底穴2e,2fによる
共振線路はインターディジタル結合し、有底穴2g,2
hによる共振線路間はインターディジタル結合する。こ
れにより入出力用導体5eと5hとの間が帯域通過フィ
ルタとして作用する。一方、貫通孔2a,2eと有底穴
2cによる共振線路間がそれぞれインターディジタル結
合し、また有底穴2bと貫通孔2aによる共振線路間が
インターディジタル結合し、更に有底穴2c,2dによ
る共振線路間がインターディジタル結合する。これによ
り、2つのトラップ回路が貫通孔2aおよび有底穴2c
を介してπ/2ずつ移相結合し、入出力用導体5aと5
e間が帯域阻止フィルタとして作用する。このような構
成によって入出力用導体5aをTx端子、5hをRx端
子、5eをANT端子として、上記帯域通過フィルタを
受信フィルタ、上記帯域阻止フィルタを送信フィルタと
するアンテナ共用器として用いることができる。そし
て、受信フィルタの中心周波数はAfまたはAgで示す
部分の外導体を部分削除することによって上昇方向に調
整し、通過帯域幅はAfgで示す部分の外導体を部分削
除することによって広帯域化方向に調整することができ
る。また送信フィルタについては主にAb,Adで示す
部分の外導体を部分削除することによって減衰極(トラ
ップ周波数)を調整することができる。また、Acで示
す部分の外導体を部分削除することによっても、少しで
はあるが減衰極を調整することができる。
【0025】図7は第4の実施形態に係る誘電体フィル
タの構成を示す図であり、(B)は上面図、(A)は左
側面図、(C)は右側面図、(D)は正面断面図であ
る。これまでに示した実施形態では誘電体ブロックに有
底穴を設けて共振線路を構成したが、この第4の実施形
態では、2枚の誘電体板11a,11bを用いる。この
2枚の誘電体板11a,11bの間には13a,13
b,13c,13dで示す共振線路を形成していて、外
面には共振線路13a,13dの所定部分から連続する
入出力導体5a,5dを形成するとともに、その他の領
域に外導体4を形成している。
【0026】この構成により、共振線路13a,13
b,13c,13dがそれぞれインターディジタル結合
し、4段の共振器から成る帯域通過フィルタとして作用
する。そして、Aa,Ab,Ac,Adで示す、共振線
路の開放端に対向する面の外導体を部分削除することに
よって、各共振器の共振周波数を上昇方向に調整するこ
とができ、通過帯域の中心周波数を調整することができ
る。
【0027】図8は第5の実施形態に係る複合誘電体フ
ィルタの構成を示す図であり、(A)は上面図、(B)
は正面断面図、(C)は正面図、(D)は底面図であ
る。この例では、(B)に示すように、4層の誘電体板
の各層の間に、13a〜13iで示す共振線路および1
4a,14bで示すアース導体をそれぞれ配列してい
る。誘電体板11の外面には共振線路13a,13e,
13hの一方端から連続する入出力用導体5a,5e,
5hを設けるとともに、これらの入出力用導体を除く領
域に外導体4を形成している。
【0028】この構成により、共振線路13f,13g
間がコムライン結合し、共振線路13e,13f間およ
び13g,13h間がそれぞれインターディジタル結合
し、入出力用導体5eと5hとの間が帯域通過フィルタ
として作用する。また、共振線路13h,13i間がイ
ンターディジタル結合し、1段のトラップとして作用す
る。一方、共振線路13a,13c,13e間がそれぞ
れインターディジタル結合し、また共振線路13a,1
3b間がインターディジタル結合し、更に共振線路13
c,13d間がインターディジタル結合する。これによ
り、2つのトラップ回路が共振線路13a,13cを介
してπ/2ずつ移相結合し、入出力用導体5aと5e間
が帯域阻止フィルタとして作用する。なお、アース導体
14aは共振線路13b,13d間の結合を阻止し、ア
ース導体14bは共振線路13d,13f間の結合を阻
止する。このような構成によって入出力用導体5aをT
x端子、5hをRx端子、5eをANT端子として、上
記帯域通過フィルタを受信フィルタ、上記帯域阻止フィ
ルタを送信フィルタとするアンテナ共用器として用いる
ことができる。受信フィルタの通過帯域の中心周波数は
AfまたはAgで示す部分の外導体を部分削除すること
によって上昇方向に調整し、通過帯域幅はAfgで示す
部分の外導体を部分削除することによって広帯域化方向
に調整することができる。また、受信フィルタのトラッ
プ周波数はAiで示す部分の外導体を部分削除すること
によって調整することができる。送信フィルタについて
はAb,Ac,Adで示す部分の外導体を部分削除する
ことによって減衰極(トラップ周波数)を調整すること
ができる。
【0029】なお、上に示した幾つかの実施形態におい
ては、共振線路のコムライン結合部分が2段のものにつ
いてのみ示したが、3段以上についても同様であり、共
振線路の開放端に対向する位置の外導体非形成部の大き
さによって、通過帯域の中心周波数を設定し、互いに隣
接する共振線路の開放端に対向するそれぞれの位置の中
間位置における外導体非形成部の大きさによって通過帯
域幅を設定すればよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、共振線路
の開放端は誘電体ブロックまたは誘電体板の内部に設け
られ、外導体の非形成部は共振線路の開放端に対向する
面に設けられるため、すなわち誘電体ブロックまたは誘
電体板の端面に外導体の非形成部が設けられることにな
るため、この誘電体フィルタを回路基板上に寝かせて表
面実装しても、外導体の非形成部が回路基板またはその
他の部品の影響を受けることが殆どない。また、共振線
路の開放端に対向する面の外導体に非形成部が設けられ
るため、すなわち磁界エネルギーが低く、外導体に流れ
るアース電流の電流密度が低い領域に外導体の非形成部
が設けられることになるため、共振器のQの悪化が少な
く、低挿入損失または高減衰量の誘電体フィルタが容易
に得られる。
【0031】請求項2に係る発明によれば、複数の配列
された共振線路をコムライン結合させて帯域通過フィル
タを構成する場合に、複数の共振線路の開放端に対向す
る面に形成されている外導体における外導体非形成部の
位置と大きさによって通過帯域の中心周波数と帯域幅を
独立して設定可能となる。
【0032】請求項3に係る発明によれば、単一の誘電
体ブロックまたは単一の誘電体板に複数組の誘電体フィ
ルタを設けて、アンテナ共用器やマルチプレクサを構成
する場合に、回路基板や他の部品の影響を受けることな
く、Qの悪化もなく、各フィルタの特性を容易に調整す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体フィルタの斜視図
および断面図である。
【図2】同誘電体フィルタの等価回路図である。
【図3】同誘電体フィルタのイーブンモードとオッドモ
ードにおける電界分布などを示す図である。
【図4】同誘電体フィルタの特性調整状態を示す図であ
る。
【図5】第2の実施形態に係る誘電体フィルタの正面図
および底面図である。
【図6】第3の実施形態に係る複合誘電体フィルタの正
面図および底面図である。
【図7】第4の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を
示す図である。
【図8】第5の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を
示す図である。
【符号の説明】
1−誘電体ブロック 2−有底穴 3−共振線路 4−外導体 5−入出力用導体 11−誘電体板 13−共振線路 14−アース導体 A−外導体非形成部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体ブロックまたは誘電体板の外面に
    外導体を設け、前記誘電体ブロックまたは誘電体板の内
    部に、それぞれ一端を前記外面に導通する短絡端とし、
    他端を前記誘電体ブロックまたは誘電体板の内部で開放
    された開放端とする複数の共振線路を設けるとともに、
    前記誘電体ブロックまたは誘電体板の外面の、前記共振
    線路の開放端に対向する面に外導体の非形成部を設け
    て、前記共振線路の先端容量を所定値に定めたことを特
    徴とする誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記共振線路の開放端および短絡端を1
    方向に揃えて配列し、各共振線路をコムライン結合させ
    て帯域通過特性をもたせるとともに、前記共振線路の開
    放端に対向する位置の外導体非形成部の大きさによっ
    て、通過帯域の中心周波数を設定し、互いに隣接する共
    振線路の開放端に対向するそれぞれの位置の中間位置に
    おける外導体非形成部の大きさによって通過帯域幅を設
    定したことを特徴とする請求項1に記載の誘電体フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の誘電体フィル
    タを単一の誘電体ブロックまたは単一の誘電体板に複数
    組設けるとともに、前記誘電体ブロックまたは前記誘電
    体板の内部もしくは外面に前記複数組の誘電体フィルタ
    の初段または終段に結合する3つ以上の入出力用導体を
    設けたことを特徴とする複合誘電体フィルタ。
JP8301591A 1996-11-13 1996-11-13 誘電体フィルタおよび複合誘電体フィルタ Pending JPH10145105A (ja)

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