JPH10142306A - 誘導型電力量計の調整方法及びその装置 - Google Patents

誘導型電力量計の調整方法及びその装置

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JPH10142306A
JPH10142306A JP29873396A JP29873396A JPH10142306A JP H10142306 A JPH10142306 A JP H10142306A JP 29873396 A JP29873396 A JP 29873396A JP 29873396 A JP29873396 A JP 29873396A JP H10142306 A JPH10142306 A JP H10142306A
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JP
Japan
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hour meter
inductive
watt
adjustment
disk
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JP29873396A
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Inventor
Ryoichi Takahashi
良一 高橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、各調整装置の相互干渉と呼ばれる現
象に影響されず、各調整装置の必要とする操作量を一度
に決定する。 【解決手段】虚負荷試験器21から誘導型電力量計20
への力率及び電流量を複数に変化したときの誘導型電力
量計20における円板9の回転速度を発光素子24及び
受光素子25により測定する第1の工程と、この円板9
の回転速度の測定結果に基づいて計算機28により誘導
型電力量計20の性能を表す定数群を求める第2の工程
と、この第2の工程により求められた定数群と予め求め
られた誘導型電力量計20に装備された各調整装置、例
えば制動磁石や不平衡負荷調整ネジなどの操作量との関
係に基づいて計算機28により各調整装置の操作量を求
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組立後の誘導型電
力量計の指示値を正確にするために調整工程において、
誘導型電力量計に装備されている不平衡負荷調整ネジな
どの各調整装置を操作するときの操作量を決定する誘導
型電力量計の調整方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は単相3線式の誘導型電力量計の構
成図であって、同図(a) は正面図、同図(b) は側面図で
ある。この誘導型電力量計は、シャーシ1に対し、電圧
コイル2a,2b、電圧コイル鉄芯3a、3b、不平衡
負荷調整ネジ4、電流コイル5a、5b、電流コイル鉄
芯6a、6b、位相調整板7a、7b、軽負荷調整装置
8、円板9、レジスタ10、制動磁石11及び図示しな
い固定部品などを設けた構成となっている。
【0003】図8(a) の正面図に示す左側の電圧コイル
2a、電圧コイル鉄芯3a、電流コイル5a、電流コイ
ル鉄芯6a及び位相調整板7aから構成されるユニット
を1側コイルと呼び、かつ右側の電圧コイル2b、電圧
コイル鉄芯3b、不平衡負荷調整ネジ4、電流コイル5
b、電流コイル鉄芯6b、位相調整板7b及び軽負荷調
整装置8から構成されるユニットを3側コイルと呼ぶ。
【0004】この3側コイルの特徴は、不平衡負荷調整
ネジ4と軽負荷調整装置8とを備えていることである。
図9は単相3線式の誘導型電力量計の配線図を示し、1
側コイルが計量する電力量と3側コイルが計量する電力
量との和が総電力量となる。
【0005】図10は電圧コイル2a、2bが発生する
磁束bv(t) 、電流コイルユニットが発生する磁束bi
(t) 、制動磁石11が発生する磁束Bbを示す。しかる
に、円板9に発生する回転トルクDは、図10に示すよ
うにBvとBiに比例し、かつBbに逆比例する。そし
て、回転トルクDは、bv(t) とbi(t) との位相差が
π/2のとき最大となる。
【0006】又、制動磁石11によるトルクTm は、円
板9の回転数Nに比例するので、 Tm =Km ・N …(1) DとTm とが釣りあったときに円板9の回転数Nは、一
定数Nとなる。
【0007】これにより、必要とする調整を行うことに
より、円板9の回転数Nを負荷が消費する電力に比例さ
せることができ、円板9の回転量をレジスタ10で計量
することで、負荷が消費する積算電力を計量できる。
【0008】このような誘導型電力量計では、その指示
値を正確にするために、一般に以下に示す6種類の調整
装置を操作する。 (a) 重負荷調整 制動磁石11を図8(b) に示すように矢印D方向に動か
すことにより、制動磁石11による制動トルクを変化さ
せる。
【0009】(b) 3側コイルの不平衡負荷調整ネジ4を
回転させる。図11に示すように不平衡負荷調整ネジ4
を回転させることで、電圧コイル鉄芯3a、3bの空間
Bが不平衡負荷調整ネジ4で充填され、これら電圧コイ
ル鉄芯3a、3bの磁気抵抗が減少し、電圧コイル2
a、2bが発生する磁束bv(t) が増加する。
【0010】以上の操作で、3側コイルによる円板9の
駆動トルクを調整し、1側コイルによる駆動トルクと3
側コイルによる駆動トルクのバランスをとる。 (c) 3側コイルの位相調整板7を調整する。
【0011】図12の電流コイルユニットに示すよう
に、電流コイル5a、5b、電流コイル鉄芯6a、6
b、位相調整板7から、かかる電流コイルユニットから
発生する磁束bi(t) は、電流コイル5a、5b上の電
流による磁束と位相調整板7上の電流による磁束の合成
になり、位相調整板7上の電流の大小により、磁束bi
(t) の位相は電流コイル5a、5b上の電流の位相によ
り遅れる。
【0012】そこで、位相調整板7に切込み12を入れ
ることで、図13に示す位相調整板7の等価回路の抵抗
R2が変化し、位相調整板7上の電流を変化させる。こ
れにより、電流コイルユニットが発生する磁束bi(t)
の位相を任意に調整でき、かつ磁束bi(t) の位相と電
圧コイル2a、2bによる磁束bv(t) の位相差を所要
の値に調整できる。
【0013】(d) 1側コイルの位相調整板7を調整す
る。 (e) 軽負荷調整装置8を操作する。 この軽負荷調整装置8は、導体によりリング状に形成さ
れたもので、電圧コイル5a、5bによる磁束bv(t)
に応じて軽負荷調整装置8に電流が流れる。そして、こ
の軽負荷調整装置8が発生する磁束と電圧コイル5a、
5bが発生する磁束との組み合わせで円板9に回転トル
クが発生する。
【0014】この回転トルクは、軽負荷調整装置8と電
圧コイル5a、5bとの位置関係で変化し、両者が同心
のときにゼロになるので、図8(b) に示す矢印C方向に
軽負荷調整装置8の位置をずらすことで調整される。
【0015】なお、この回転トルクは、電流値に関係な
く発生するので、電流値が非常に小さい軽負荷のときに
円板9の回転に大きく影響する。従って、軽負荷状態の
指示値を調整するときには、この軽負荷調整装置8を使
用する。
【0016】次にこれら6種類の調整装置を操作しての
誘導型電力量計の調整方法を、例えば単相3線式電力量
計(定格100V、30A)について説明する。 (a) 重負荷調整(粗調整) 1側コイル、3側コイルに力率1の定格電流と定格電圧
を通電し、円板9の回転速度を測定し、この円板9の回
転速度が正確な値になるように重負荷調整を行う。
【0017】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。 (b) 不平衡負荷調整(粗調整) 3側コイルにだけ、力率1の定格電流と定格電圧を通電
し、円板9の回転速度を測定し、この円板9の回転速度
が必要とする値(重負荷調整の2分の1)になるように
不平衡負荷調整ネジ4を回す。
【0018】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。 (c) 軽負荷調整(粗調整) 1側コイル、3側コイルに力率1の定格30分の1の電
流と定格電圧を通電し、円板9の回転速度を測定し、こ
の円板9の回転速度が必要とする値になるように軽負荷
調整装置8を操作する。
【0019】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。 (d) 1側コイル力率負荷調整 1側コイルにだけ、力率0.5の定格電流と定格電圧を
通電し、円板9の回転速度を測定し、この円板9の回転
速度が必要とする値になるように1側コイルの位相調整
板7aに切込み12をいれる。
【0020】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。 (e) 不平衡負荷調整(微調整) 3側コイルにだけ、力率1の定格電流と定格電圧を通電
し、円板9の回転速度を測定し、この円板9の回転速度
が必要とする値になるように不平衡負荷調整ネジ4を回
す。
【0021】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。 (f) 3側コイル力率負荷調整 3側コイルにだけ、力率0.5の定格電流と定格電圧を
通電し、円板9の回転速度を測定し、この円板9の回転
速度が必要とする値になるように3側コイルの位相調整
板7bに切込み12をいれる。
【0022】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。 (g) 重負荷調整(微調整) 1側コイル、3側コイルに力率1の定格電流と定格電圧
を通電し、円板9の回転速度を測定し、この円板9の回
転速度が正確な値になるように重負荷調整を行う。
【0023】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。 (h) 軽負荷調整(微調整) 1側コイル、3側コイルに力率1の定格30分の1の電
流と定格電圧を通電し、円板9の回転速度を測定し、こ
の円板9の回転速度が必要とする値になるように軽負荷
調整装置8を操作する。
【0024】この調整は、普通1回で完了しないため、
3回程度繰り返す。一方、誘導型電力量計の調整方法と
して指示誤差測定法がある。この測定法は、円板9上に
形成されたクリープホールと呼ばれる穴を発光素子及び
受光素子で検出することで円板9の回転速度を測定し、
この回転速度及び標準の電力量から指示誤差を求めて各
調整装置の操作量を決定し、これら調整装置の操作を行
うものとなる。すなわち、調整工程は、指示誤差測定、
各調整装置の操作量の決定、各調整装置の操作を繰り返
すことになる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上のように誘導型電
力量計の調整方法では、粗調整と微調整とがあり、全て
で8種類の調整工程がある。そのうえ、それぞれの調整
工程において3回程度の繰り返しがあるため、合計24
回の測定、調整作業が必要となり、調整作業が非常に煩
雑なものとなる。
【0026】粗調整と微調整とが必要となる理由は、各
調整装置の相互干渉と呼ばれる現象にあり、例えば位相
調整板7a、7bに切込み12を入れたとき、電流コイ
ルユニットが発生する磁束bi(t) の位相だけが変化す
れば問題ないが、位相と同時に磁束bi(t) の大きさも
変化する。このため、位相調整板7a、7bに切込み1
2を入れた後に、不平衡負荷調整ネジ4の操作が必要と
なる。
【0027】又、不平衡負荷調整ネジ4を操作した場合
も、電圧コイル2a、2bが発生する磁束bv(t) の大
きさだけが変化するものでなく位相も変化する。このた
め、不平衡負荷調整ネジ4の操作の後に位相調整が必要
となる。
【0028】このように調整は、再現なく繰り返すこと
になるが、ある程度のところで打ち切る必要があり、上
述の通り粗調整と微調整とを含む8種類の調整工程で調
整を行っている。
【0029】一方、指示誤差測定法を用いた調整方法で
は、指示誤差測定、各調整装置の操作量の決定及び各調
整装置の操作を繰り返し、かつ上記粗調整と微調整との
8種類の調整工程を行うために、その調整に非常に時間
がかかる。
【0030】そのうえ、軽負荷状態の指示誤差を測定す
る場合には、円板9の回転速度が非常に遅いため、例え
ば1回の測定に1分以上の時間がかかり、調整工程は非
常に時間のかかるものとなる。
【0031】そこで本発明は、各調整装置の相互干渉と
呼ばれる現象に影響されず、各調整装置の必要とする操
作量を一度に決定できる誘導型電力量計の調整方法及び
その装置を提供することを目的とする。
【0032】又、本発明は、誘導型電力量計の指示誤差
量を瞬時に測定して、調整時間を大幅に短縮できる誘導
型電力量計の調整方法及びその装置を提供することを目
的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、誘導
型電力量計への力率及び電流量を複数に変化したときの
誘導型電力量計における円板の回転速度を測定する第1
の工程と、円板の回転速度の測定結果に基づいて誘導型
電力量計の性能を表す定数群を求める第2の工程と、こ
の第2の工程により求められた定数群と予め求められた
誘導型電力量計に装備された各調整装置の操作量との関
係に基づいて各調整装置の操作量を求める第3の工程
と、を有する誘導型電力量計の調整方法である。
【0034】請求項2によれば、請求項1記載の誘導型
電力量計の調整方法において、誘導型電力量計の1側コ
イルに加わる電圧をV1 、3側コイルに加わる電圧をV
3 、1側コイルに流れる電流をI1 、3側コイルに流れ
る電流をI3 、1側コイルに対しての負荷に供給される
電圧と電流との位相差をc1、3側コイルに対しての負荷
に供給される電圧と電流との位相差をc3、円板の摩擦ト
ルクをTf 、定数群をK1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、K
L 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3とすると、円板の回
転数Nは、 N={K111 cos((b1-a1)+c1) +K333
cos((b3-a3)+c3) +KL V3 2 −Tf }÷(Km +K
p11 2 +Kp33 2 +Kc11 2 +Kc33 2 ) により表され、このうちの定数群K1 、b1-a1 、K3
b3-a3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3を求め
る。
【0035】請求項3によれば、請求項2記載の誘導型
電力量計の調整方法において、誘導型電力量計に通電さ
れる電圧が略一定の場合、円板の回転数Nを、 N={K111 cos((b1-a1)+c1) +K333
cos((b3-a3)+c3) +Hf }÷(Kp +Kc11 2 +K
c33 2 ) として表し、このうちの定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3
-a3 、Hf 、Kp 、Kc1、Kc3を求める。
【0036】請求項4によれば、請求項2記載の誘導型
電力量計の調整方法において、誘導型電力量計における
制動磁石による制動トルクが電流コイルの磁束による制
動トルクと比較して大きい場合、円板の回転数Nを、 N=K111 cos((b1-a1)+c1) +K333 c
os((b3-a3)+c3) +H として表し、このうちの定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3
-a3 、Hを求める。
【0037】請求項5によれば、請求項2記載の誘導型
電力量計の調整方法において、誘導型電力量計における
電圧コイルと電流コイルによる各駆動トルクが非線形性
を持つ場合、円板の回転数Nを、 N=K1111 cos((b1-a1)+c1)+K12(V1
12 cos((b1-a1) + c1)+K3133 cos((b3-a3)
+c3)+K32(V332 cos((b3-a3)+ c3)+H として表し、このうちの定数群K11、K12、b1-a1 、K
31、K32、b3-a3 、Hを求める。
【0038】請求項6によれば、誘導型電力量計に装備
された各調整装置を操作して指示値を調整するときに、
各調整装置の操作量を決定する誘導型電力量計の調整装
置において、標準とする少なくとも電力量を測定する標
準器と、誘導型電力量計の円板の回転速度を検出する回
転速度検出手段と、この回転速度検出手段により検出さ
れた円板の回転速度及び標準器の測定結果に基づいて誘
導型電力量計の性能を表す定数群を求める定数群演算手
段と、この定数群演算手段により求められた定数群と予
め求められた誘導型電力量計に装備された各調整装置の
操作量との関係に基づいて各調整装置の操作量を求める
操作量演算手段と、を備えた誘導型電力量計の調整装置
である。
【0039】請求項7によれば、請求項6記載の誘導型
電力量計の調整装置において、回転速度検出手段は、円
板に形成されたクリープホールを検出する発光素子と受
光素子から成るものである。
【0040】請求項8によれば、誘導型電力量計に装備
された各調整装置を操作して指示値を調整する誘導型電
力量計の調整方法において、誘導型電力量計の円板の回
転速度を検出する第1の工程と、この第1の工程により
検出された円板の回転速度と標準とする電力量とに基づ
いて誘導型電力量計の指示誤差量を測定する第2の工程
と、この第2の工程により測定された指示誤差量に基づ
いて各調整装置を操作する第3の工程と、を有する誘導
型電力量計の調整方法である。
【0041】請求項9によれば、誘導型電力量計に装備
された各調整装置を操作して指示値を調整する誘導型電
力量計の調整装置において、標準とする少なくとも電力
量を測定する標準器と、誘導型電力量計の円板の回転速
度を検出する回転速度検出手段と、この回転速度検出手
段により検出された円板の回転速度と標準器により測定
された電力量とに基づいて誘導型電力量計の指示誤差量
を測定する指示誤差測定手段と、を備えた誘導型電力量
計の調整装置である。
【0042】請求項10によれば、請求項9記載の誘導
型電力量計の調整装置において、回転速度検出手段は、
レーザドップラ速度計である。請求項11によれば、請
求項9記載の誘導型電力量計の調整装置において、回転
速度検出手段は、空間フィルタ法速度計である。
【0043】請求項12によれば、請求項9記載の誘導
型電力量計の調整装置において、回転速度検出手段によ
り検出された前記円板の回転速度の一定時間における平
均値を求めて前記指示誤差測定手段に送る。
【0044】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。なお、図8と同一部分には同一符号を
付してその詳しい説明は省略する。本発明の誘導型電力
量計の調整方法は、図8に示す誘導型電力量計への力率
及び電流量を複数に変化したときの誘導型電力量計にお
ける円板9の回転速度を測定する第1の工程と、この円
板9の回転速度の測定結果に基づいて誘導型電力量計の
性能を表す定数群を求める第2の工程と、この第2の工
程により求められた定数群と予め求められた誘導型電力
量計に装備された各調整装置、例えば制動磁石11や不
平衡負荷調整ネジ4などの操作量との関係に基づいて各
調整装置の操作量を求める第3の工程とを有している。
【0045】図1はかかる調整方法を適用した誘導型電
力量計の調整装置の全体構成図である。被試験器として
の誘導型電力量計20は、図8に示す誘導型電力量計と
同一構成である。この誘導型電力量計20は、虚負荷試
験器21に接続されている。
【0046】この虚負荷試験器21には、誘導型電力量
計20の他に、標準器としての有効電力量計22及び無
効電力計23が接続され、これら誘導型電力量計20、
電力量計22及び無効電力計23に対して同一条件の電
圧値、電流量、力率等で通電を行うものである。
【0047】この場合、虚負荷試験器21は、電圧コイ
ル2a、2bと電流コイル5a、5bに別々に通電を行
い、誘導型電力量計20、電力量計22を駆動するもの
となっている。
【0048】誘導型電力量計20には、円板9の回転速
度を検出する回転速度検出手段としての発光素子24及
び受光素子25が備えられている。これら発光素子24
及び受光素子25は、円板9を介して対向配置され、こ
の円板9の円周縁側に形成されたクリープホール26を
検出して円板9の回転速度に対応した電気信号を発生す
るものとなっている。
【0049】これら発光素子24及び受光素子25によ
り発生した電気信号は、センサアンプ27を通して計算
機28に送られている。この計算機28は、発光素子2
4及び受光素子25により発生した電気信号を入力する
と共に、有効電力量計22及び無効電力量計23により
それぞれ測定された標準値としての有効電力量、無効電
力量に応じた電気信号を入力し、これら電気信号に基づ
いて誘導型電力量計20の性能を表す定数群を求める定
数群演算手段と、この定数群演算手段により求められた
定数群と予め求められた誘導型電力量計20に装備され
た各調整装置、例えば不平衡負荷調整ネジ4の操作量と
の関係に基づいて各調整装置の操作量を求める操作量演
算手段としての機能を有している。
【0050】又、この計算機28は、虚負荷試験器21
に対して誘導型電力量計20に通電する電流、電圧、力
率条件を指示し、自動的に測定を連続して行う機能を有
している。
【0051】なお、計算機28には、表示器29が接続
され、各調整装置の操作量の操作量を表示するものとな
っている。一方、有効電力量計(標準器)22は、V1
1 cos(c1) 、V33 cos(c3)の正確な値を出力し、
無効電力量計23は、無効電力V11 sin(c1) 、V3
3 sin(c3) の値を出力する。この両者の出力から力率
c1、c3の正確な値を計算する。これら電力量計22及び
無効電力量計23の出力は、V11 、V33 、c1、
c3の正確な値として計算機28に入力されるものとなっ
ている。
【0052】ここで、計算機28により算出される誘導
型電力量計20の各調整装置に必要とする操作量を求め
る方法について説明する。先ず、円板9に作用するトル
クについて説明する。この円板9に作用するトルクは次
のものがある。 (a) 1側コイルによる駆動トルクD1 (b) 3側コイルによる駆動トルクD3 (c) 3側コイルの軽負荷調整装置8による駆動トルクT
L (d) 制動磁石11による制動トルクTm (e) 1側電圧コイル2aの磁束による制動トルクTp1 (f) 3側電圧コイル2bの磁束による制動トルクTp3 (g) 1側電流コイル5aの磁束による制動トルクTc1 (h) 3側電流コイル5bの磁束による制動トルクTc3 (i) 摩擦トルクTf 以下、これらトルクについて具体的に説明する。 (a) 1側コイルによる駆動トルクD1 を求める。
【0053】1側コイルの電圧コイル2aに加わる電圧
を次式で表す。 v1 =V1 sin(wt) …(2) 1側コイルの電圧コイル2aは、インダクタンス成分が
大きいので、これに流れる電流の位相は電圧に対してほ
ぼπ/2遅れ、この位相遅れをπ/2+a1と表す。よっ
て、電圧コイル2aが発生する磁束bv(t) は次式で表
される。
【0054】 bv(t) =Bv1 sin(wt−π/2+a1) …(3) 1側コイルの電流コイル5aに流れる電流を次式で表
す。 i1 (t) =I1 sin(wt−c1) …(4) ここで、c1は負荷にかかる電圧と負荷に流れる電流の位
相差であり、力率1のときc1=0rad 、力率0.5のと
きc1=π/3rad である。
【0055】1側電流コイル5aには、位相調整板7a
があり、これにより1側電流コイル5aが発生する磁束
の位相は、これに流れる電流の位相よりb1でけ遅れる。
よって、1側電流コイルユニットが発生する磁束は次式
で表される。
【0056】 bi(t) =Bi1 sin(wt−b1−c1) …(5) 電圧コイルによる磁束と電流コイルユニットによる磁束
の位相差をδとすると、この位相差δは次式で表され
る。
【0057】 δ=π/2+a1−(b1+c1) …(6) 電圧コイルによる磁束と電流コイルユニットによる磁束
により円板9に作用するトルクD1 は、Bv1 とBi1
に比例し、位相差δがπ/2のとき最大となる。比例定
数K1 として、トルクD1 を式で表すと次式となる。
【0058】 D1 =K111 sin (π/2+a1−(b1+c1)) =K111 cos (a1−(b1+c1)) =K111 cos((a1−b1) −c1) …(7) cos内の符号を反対にして、 D1 =K111 cos((b1−a1) +c1) …(8) (b) 3側コイルによる駆動トルクD3 1側コイルによる駆動トルクD1 と同様に、3側コイル
による駆動トルクD3は、比例定数K3 として次式で表
される。
【0059】 D3 =K333 cos((b3−a3) +c3) …(9) (c) 3側コイルの軽負荷調整装置8による駆動トルクT
L この駆動トルクTL は、次式で表される。
【0060】 TL =KL V3 2 …(10) ここで、比例定数をKL とし、3側電圧コイルに印加さ
れる電圧をV3 とする。 (d) 制動磁石11による制動トルクTm この制動トルクTm は、次式で表される。
【0061】 Tm =Km N …(11) ここで、比例定数をKm とし、円板9の回転数をNとす
る。 (e) 1側電圧コイル2aの磁束による制動トルクTp1 この制動トルクTp1は、次式で表される。
【0062】 Tp1=Kp1NV1 2 …(12) ここで、比例定数をKp1とし、1側電圧コイル2aに印
加される電圧をV1 とする。 (f) 3側電圧コイル2bの磁束による制動トルクTp3 この制動トルクTp3は、次式で表される。
【0063】 Tp3=Kp3NV3 2 …(13) ここで、比例定数をKp3とする。 (g) 1側電流コイル5aの磁束による制動トルクTc1 この制動トルクTc1は、次式で表される。
【0064】 Tc1=Kc1NI1 2 …(14) ここで、比例定数をKc1とし、1側電圧コイル2aに流
れる電流をI1 とする。 (h) 3側電流コイル5bの磁束による制動トルクTc3 この制動トルクTc3は、次式で表される。
【0065】 Tc3=Kc3NI3 2 …(15) ここで、比例定数をKc3とし、3側電圧コイル2bに流
れる電流をI3 とする。 (i) 摩擦トルクはTf により表す。
【0066】以上、(a) 〜(h) に示す各トルクが釣り合
った状態で円板9は回転する。従って、トルクの釣り合
い式は次式で表される。 D1 +D3 +TL =Tm +Tp1+Tp3+Tc1+Tc3+Tf …(16) この式に上記式(8) 〜(15)を代入して、 K111 cos((b1−a1) +c1) +K333 cos((b3−a3) +c3)+KL V2 =Km N+Kp1NV1 2 +Kp3NV3 2 +Kc1NI1 2 +Kc3NI3 2 +Tf …(17) この式より円板9の回転数Nを求めると、 N={K111 cos((b1-a1)+c1) +K333 cos((b3-a3)+c3) +KL V3 2 −Tf } ÷(Km +Kp11 2 +Kp33 2 +Kc11 2 +Kc33 2 ) …(18) により表される。
【0067】一方、単相3線式の電力量は、次式で表さ
れる。 P=V11 cos(c1)+V33 cos(c3) …(19) しかるに、誘導型電力量計20の各調整装置を操作する
ことで、上記式(18)の定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a
3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3を変化させ、
上記式(18)を可能な限り式(19)に近付けると、円板9の
回転数Nが電力Pに比例することになり、誘導型電力量
計20の指示値が負荷で消費される電力量に一致し、電
力量計として機能することになる。
【0068】従って、誘導型電力量計20に通電する力
率と電流値とを変化させた数種類の条件下で、誘導型電
力量計20の円板9の回転速度を測定し、この測定結果
から誘導型電力量計20の性質を表す定数群K1 、b1-a
1 、K3 、b3-a3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、K
c3が求められる。
【0069】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。計算機28は、自動的に測定を連続して
行うために、虚負荷試験器21に対して誘導型電力量計
20に通電する電流、電圧、力率条件を指示する。
【0070】虚負荷試験器21は、誘導型電力量計2
0、標準器としての有効電力量計22及び無効電力量計
23に対し、同一条件の電圧値、電流量、力率等で通電
を行い、これを数種類の電流値、力率に変化させる。
【0071】このような力率と電流値とを変化させた数
種類の条件下で、誘導型電力量計20は、円板9が回転
する。このときの円板9の回転を発光素子24及び受光
素子25により検出し、その電気信号をセンサアンプ2
7を通して計算機28に送り、円板9の回転数Nを測定
する。
【0072】ここで、定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a
3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3である未知数
は10個あるので、誘導型電力量計20に与える虚負荷
試験器21からの力率と電流値とを変化させた10種類
の条件下で、円板9の回転数Nの測定を行う。
【0073】一方、力率と電流値とを変化させた10種
類の条件下で、標準器としての電力量計22の電力量及
び無効電力量計23の力率も計算機28に送られる。こ
の計算機28は、発光素子24及び受光素子25により
発生した電気信号を入力すると共に、電力量計22及び
無効電力量計23によりそれぞれ測定された標準値とし
ての電力量、力率に応じた電気信号を入力し、これら電
気信号に基づいて誘導型電力量計20の性能を表す定数
群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、KL、Km 、Kp1、K
p3、Kc1、Kc3を求める。
【0074】すなわち、このときの測定条件と測定値
は、以下のようになる。 1回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)1 回転数N1 2回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)2 回転数N2 3回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)3 回転数N : : 10回目の測定条件(V 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)10 回転数N10 測定条件の数をnとすると、この場合n=10である。
【0075】上記した10種類のデータを上記式(18)に
代入すると、10元連立方程式ができ、上記計算機28
は、この10元連立方程式を解くことで定数群K1 、b1
-a1、K3 、b3-a3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1
c3を求める。
【0076】又、他に定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a
3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3を求める方法
として最小二乗法を用いる方法がある。上記方法と同様
に、誘導型電力量計20に与える虚負荷試験器21から
の力率と電流値とを変化させたn種類の条件下での測定
を行う。この場合、未知数が10個あるので、nは10
以上の値をとることが望ましい。
【0077】i回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V
3 、I3 、c3)i で測定し、このときの回転数をNi と
する。i=1〜nであり、n組のデータがあるとする。
【0078】上記式(18)を変形し、i番目の測定の誤差
項Ei を次式で表す。 Ei =[{K111 cos((b1−a1) +c1) +K333 cos((b3−a3) +c3)+KL V3 2 −Tf } ÷(Km +Kp11 2 +Kp33 2 +Kc11 2 +Kc33 2 }] −Ni …(20) ここで、V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3は、i番目の
測定条件である。
【0079】誤差項Ei の総和Fは、次式で表される。 F=E1 +E2 +……+Ei+……+En …(21) ここで、誤差項Ei の総和Fが最小となるような定数群
1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、KL 、Km 、Kp1
p3、Kc1、Kc3の組み合わせを求める。このためには
計算機28において下記の10元連立方程式を解くこと
で求まる。
【0080】
【数1】
【0081】以上の手順で求まる値が、必要とする定数
群の値である。又、別の方法として誤差項Ei の総和F
が最小となるような定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3
、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3の組み合わせ
を数値的に求めてもよい。
【0082】次に計算機28は、上記の如く求めた定数
群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、KL 、Km 、Kp1、K
p3、Kc1、Kc3から、重負荷調整に必要な量、必要とす
る不平衡負荷調整ネジ4の回転量、必要とする位相調整
板7a、7bの切込み量、必要とする軽負荷調整装置8
の操作量を求める。
【0083】先ず、予め各調整装置、すなわち重負荷調
整、不平衡負荷調整ネジ4、2個の位相調整板7a、7
b、軽負荷調整装置8を操作したときに、これらの定数
群がどの様に変化するかを求めておく。
【0084】これは、各調整装置を実際に操作し、その
状態での定数群K1 、b1-a1 、K3、b3-a3 、KL 、K
m 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3を上述した方法で求めても
よいし、誘導型電力量計20の磁場解析を行い解析的に
求めてもよい。
【0085】図2及び図3はこのようにして求めたデー
タのイメージを示しており、図2は不平衡負荷調整ネジ
4の回転量を変化させたときのK3 とb3-a3 の変化を示
し、図3は位相調整板7a、7bの切込み量を変化させ
たときのK3 とb3-a3 の変化を示す。
【0086】説明を簡単にするために、ここでは3側コ
イルの不平衡負荷調整ネジ4と位相調整板7aの調整量
の求め方について説明する。図2及び図3に示すように
不平衡負荷調整ネジ4と位相調整板7aにより変化する
定数はK3 とb3-a3 である。
【0087】調整前のK3 とb3-a3 は、目標値から外れ
ている。図2及び図3に示すデータを用いれば、これら
定数K3 、b3-a3 を目標値に一致させるために必要な不
平衡負荷調整ネジ4の回転量と位相調整板7aの切込み
量の組み合わせを求めることができる。
【0088】すなわち、図2に示すように不平衡負荷調
整ネジ4の調整前の回転量と調整後の回転量との差から
必要な不平衡負荷調整ネジ4の回転量が求められ、図3
に示すように位相調整板7aの調整前の切込み量と調整
後の切込み量との差から必要な位相調整板7aの切込み
量が求められる。
【0089】この方法によれば、不平衡負荷調整ネジ4
の回転量と位相調整板7aの切込み量とを一度で求める
ことができ、従来の問題である調整装置の相互干渉で必
要となっていた粗調整と微調整が不要となり、調整工程
の手間が大幅に低減される。
【0090】ここで、定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a
3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、K c3の目標値は、計
器定数から理論的に決定することもできるし、調整が完
了した標準器としての電力量計22の定数を上述した方
法で測定することから決定することもできる。定数b1-a
1 、b3-a3 の目標値は通常ゼロである。
【0091】なお、ここでは不平衡負荷調整ネジと位相
調整板7aとについて説明したが、同様にして、全ての
調整装置、すなわち重負荷調整、不平衡負荷調整ネジ
4、2個の位相調整板7a、7b、軽負荷調整装置8に
ついて上述した方法で定数群を求め、かつ図2及び図3
に示すようなデータを用いることで、各調整装置の必要
とする操作量を決定できる。
【0092】このように上記第1の実施の形態によれ
ば、従来のように8種類の調整工程を繰り返すことな
く、力率及び電流値を変化させた数回の連続した測定と
予め求められた誘導型電力量計20の各調整装置の操作
量との関係についてのデータ解析とに基づき、各調整装
置の相互干渉と呼ばれる現象に影響されず、一度に全て
の調整装置の操作量を決定することができる。 (2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0093】この発明は、第1の実施の形態において、
誘導型電力量計20の定数群の数を減らしてデータ処理
の手間を簡略化したものである。上記式(18)において誘
導型電力量計20に通電される電圧は、ほぼ一定である
ので、KL V3 2 とKp11 2 +Kp33 2 を一定値と
考えることができる。従って、上記式(18)は、次式のよ
うに変形される。
【0094】Hf =KL V3 2 −Tf 、Kp =Km +K
p11 2 +Kp33 2 とおいて、円板9の回転数Nは、 N={K111 cos((b1-a1)+c1) +K333 cos((b3-a3)+c3) +Hf } ÷(Kp +Kc11 2 +Kc33 2 ) …(22) となる。
【0095】この円板9の回転数Nの式から、誘導型電
力量計20の定数群は、K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、
f 、Kp 、Kc1、Kc3の8個に減ることになる。この
結果、これらの定数群を求めるために必要な測定条件の
数をn=8に減らすことができる。
【0096】すなわち、測定条件と測定値は、以下のよ
うになる。 1回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)1 回転数N1 2回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)2 回転数N2 3回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)3 回転数N3 : : 8回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)8 回転数N8 これら8種類のデータを上記式(22)に代入すると、8元
連立方程式ができ、これを計算機28において解くこと
で定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、Hf 、Kp 、K
c1、Kc3が求められる。
【0097】以下、計算機28は、このように求められ
た定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、Hf 、Kp 、K
c1、Kc3から、上記同様に、例えば図2及び図3に示す
データを用いて、重負荷調整に必要な量、必要とする不
平衡負荷調整ネジ4の回転量、必要とする位相調整板7
a、7bの切込み量、必要とする軽負荷調整装置8の操
作量を求める。
【0098】このように上記第2の実施の形態によれ
ば、上記第1の実施の形態と同様に、従来のように8種
類の調整工程を繰り返すことなく、力率及び電流値を変
化させた数回の連続した測定と予め求められた誘導型電
力量計20の各調整装置の操作量との関係についてのデ
ータ解析とに基づき、各調整装置の相互干渉と呼ばれる
現象に影響されず、一度に全ての調整装置の操作量を決
定することができる。
【0099】そのうえ、誘導型電力量計20の定数群の
数を8個に減らしてデータ処理の手間を簡略化できる。 (3) 次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0100】この発明は、第1の実施の形態において、
誘導型電力量計20の定数群の数を第2の実施の形態よ
りも減らしてデータ処理の手間を簡略化したものであ
る。制動磁石11による制動トルクTm は、電流コイル
5a、5bの磁束による制動トルクTc1、Tc3と比較し
てはるかに大きいので、電流コイル5a、5bの磁束に
よる制動トルクTc1、Tc3の項を無視する。従って、上
記式(22)は、次のように変形される。
【0101】Tm >>Tc1+Tc3からKc11 2 +Kc3
3 2 =0と考え、Kpc=Kp +Kc11 2 +Kc33
2 とおいて、 N={K111 cos((b1-a1)+c1) +K333 cos((b3-a3)+c3) +Hf }÷Kpc …(23) K1 =K1 /Kpc、K3 =K3 /Kpc、H=Hf /Kpc
とおいて、円板9の回転数Nは、N=K111 cos
((b1-a1)+c1) +K333 cos((b3-a3)+c3) +H
…(24)として表される。
【0102】従って、測定条件と測定値は、以下のよう
になる。 1回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)1 回転数N1 2回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)2 回転数N2 3回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)3 回転数N3 : : 5回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)5 回転数N5 これら5種類のデータを上記式(24)に代入すると、5元
連立方程式ができ、これを計算機28において解くこと
で定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、Hが求められ
る。
【0103】以下、計算機28は、このように求められ
た定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、Hから、上記同
様に、例えば図2及び図3に示すデータを用いて、重負
荷調整に必要な量、必要とする不平衡負荷調整ネジ4の
回転量、必要とする位相調整板7a、7bの切込み量、
必要とする軽負荷調整装置8の操作量を求める。
【0104】このように上記第3の実施の形態によれ
ば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することが
でき、そのうえ、誘導型電力量計20の定数群の数を5
個に減らしてデータ処理の手間をさらに簡略化できる。 (4) 次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0105】この発明は、第1の実施の形態において、
電圧コイルと電流コイルによる駆動トルクD1 、D3
非線形性を持つ場合についてである。コイルの鉄心が磁
気的に飽和している場合にこのモデル化が有効である。
【0106】上記第3の実施の形態と同様に、制動磁石
11による制動トルクTm は、電流コイル5a、5bの
磁束による制動トルクTc1、Tc3と比較してはるかに大
きいので、各電流コイル5a、5bの磁束による制動ト
ルクTc1、Tc3の項を無視する。
【0107】駆動トルクD1 、D3 の非線形性を考慮し
た場合、上記式(24)は次のように変形される。すなわ
ち、円板9の回転数Nは、 N=K1111 cos((b1-a1)+c1) +K12(V112 cos((b1-a1) + c1) +K3133 cos((b3-a3)+c3) +K32(V332 cos((b3-a3)+ c3)+H …(2
5) として表される。
【0108】この式(25)から定数群は、7個の定数
群K11、K12、b1-a1 、K31、K32、b3-a3 、Hとな
る。従って、測定条件と測定値は、以下のようになる。
【0109】 1回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)1 回転数N1 2回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)2 回転数N2 3回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)3 回転数N3 : : 7回目の測定条件(V1 、I1 、c1、V3 、I3 、c3)7 回転数N7 これら7種類のデータを上記式(25)に代入すると、7元
連立方程式ができ、これを計算機28において解くこと
で定数群K11、K12、b1-a1 、K31、K32、b3-a3 、H
が求められる。
【0110】以下、計算機28は、このように求められ
た定数群K11、K12、b1-a1 、K31、K32、b3-a3 、H
から、上記同様に、例えば図2及び図3に示すデータを
用いて、重負荷調整に必要な量、必要とする不平衡負荷
調整ネジ4の回転量、必要とする位相調整板7a、7b
の切込み量、必要とする軽負荷調整装置8の操作量を求
める。
【0111】このように上記第4の実施の形態によれ
ば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することが
でき、そのうえ、誘導型電力量計20の定数群の数を7
個に減らしてデータ処理の手間を簡略化でき、さらに電
圧コイルと電流コイルによる駆動トルクD1 、D3 が非
線形性を持つ場合に調整精度を大幅に向上できる。 (5) 次に本発明の第5の実施の形態について説明する。
なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0112】本発明の誘導型電力量計の調整方法は、誘
導型電力量計20の円板9の回転速度を検出する第1の
工程と、この第1の工程により検出された円板9の回転
速度と標準とする電力量とに基づいて誘導型電力量計の
指示誤差量を測定する第2の工程と、この第2の工程に
より測定された指示誤差量に基づいて各調整装置を操作
する第3の工程とを有している。
【0113】図4はかかる調整方法を適用した誘導型電
力量計の調整装置の全体構成図である。虚負荷試験器2
1は、誘導型電力量計20及び標準器としての電力量計
22が接続され、これら誘導型電力量計20及び電力量
計22に対して同一条件の電圧値、電流量、力率等で通
電を行うものである。
【0114】誘導型電力量計20には、レーザドップラ
速度計30が備えられている。このレーザドップラ速度
計30は、レーザ干渉計の基本原理を利用して、円板9
の回転速度の瞬時値を検出する回転速度検出手段として
の機能を有している。
【0115】このレーザドップラ速度計30の具体的な
構成は、図5に示すように例えば3.17MHzのレー
ザ光を出力するレーザ光源31が備えられている。この
レーザ光源31から出力されるレーザ光路上にビームス
プリッタBS1 を配置し、ここで参照光32と物体光3
3とに分岐している。
【0116】このうち参照光32の光路上には、プリズ
ムPが配置され、このプリズムPの反射光路上に音響光
学式変調器(BRAGG CELL)34、ビームスプ
リッタBS2 及びデテクタ35が配置されている。
【0117】このうち音響光学式変調器34は、参照光
32に常に40Nhzの周波数シフトを与えて、振動方
向を区別している。又、物体光の光路上には、ビームス
プリッタBS3 及び集光レンズ36が配置され、さらに
この光路の延長上に測定物、すなわち円板9が配置され
るものとなっている。
【0118】なお、ビームスプリッタBS3 の分岐光路
上には、ビームスプリッタBS2 が配置されている。そ
して、ビームスプリッタBS2 の分岐光路上には、デテ
クタ38が配置されている。
【0119】各デテクタ35、38の出力端子は、演算
増幅器39の各入力端子に接続され、これらデテクタ3
5、38から出力された各電気信号を速度信号として増
幅出力するものとなっている。
【0120】このような構成であれば、レーザ光源31
から出力されたレーザ光は、ビームスプリッタBS1
より参照光32と物体光33とに分割される。このうち
物体光33は、ビームスプリッタBS2 を通過し、集光
レンス36により測定物、すなわち円板9に集光され
る。
【0121】この円板9からの散乱光は、同一光路を戻
り、偏光の作用によりビームスプリッタBS2 で反射さ
れ、ビームスプリッタBS3 に進む。一方、参照光は、
プリズムPで反射し、音響光学式変調器34で周波数シ
フトが行われ、ビームスプリッタBS3 に進む。
【0122】このビームスプリッタBS3 上において、
円板9からの散乱戻り光と参照光とが入射するが、これ
ら散乱戻り光と参照光との間には周波数差があるので強
度変調が発生し、これが各デテクタ35、38に入射す
る。
【0123】すなわち、振動物体(円板9)からの散乱
戻り光は、振動速度に比例したドップラシフトが発生し
ているので、ドップラ効果の基本公式に従って、振動物
体の速度を求めることができる。例えば3.17MHz
のレーザ光のドップラシフトは、1m/sの振動速度に
相当する。
【0124】これらデテクタ35、38は、それぞれ入
射した光強度に応じた各電気信号に変換し、演算増幅器
39に送る。なお、2つのデテクタ35、38を用いて
いるのは、ノイズとドリフトを抑えるためである。
【0125】この演算増幅器39は、各デテクタ35、
38から出力された各電気信号を速度信号として増幅出
力する。一方、計算機40は、レーザドップラ速度計3
0からの速度信号及び標準器としての電力量計22によ
り測定された電力量とに基づいて誘導型電力量計20の
指示誤差量を測定する指示誤差測定手段としての機能を
有している。
【0126】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。虚負荷試験器21は、誘導型電力量計2
0及び電力量計22に対して同一条件の電圧値、電流
量、力率等で通電を行う。
【0127】これにより、誘導型電力量計20は、通電
された電圧値、電流量に応じた回転速度で円板9が回転
する。又、電力量計22は、通電された電圧値、電流量
及び力率に応じた正確な電力量を測定する。
【0128】この状態に、レーザドップラ速度計30
は、誘導型電力量計20で回転している円板9の回転速
度の瞬時値を検出し、これに応じた速度信号を出力す
る。計算機40は、レーザドップラ速度計30からの速
度信号及び標準器としての電力量計22により測定され
た電力量とを入力し、これら速度信号及び標準の電力量
に基づいて誘導型電力量計20の指示誤差量を求め、こ
の指示誤差量や円板9の回転速度を表示器29に表示す
る。
【0129】従って、操作者は、表示器29に表示され
た誘導型電力量計20の指示誤差量に従って誘導型電力
量計20の各調整装置、すなわち制動磁石11を操作、
不平衡負荷調整ネジ4を回転、位相調整板7a、7bを
切込み、軽負荷調整装置8を操作して、誘導型電力量計
20の指示値を誤差のないものとする。
【0130】すなわち、操作者は、表示器29に表示さ
れる指示誤差量や円板9の回転速度を見ながら誘導型電
力量計20の各調整装置の調整ができ、あたかもラジオ
のボリュームを回して所要の音量に合わせるような感覚
で、誘導型電力量計20の調整が実施できる。
【0131】このように上記第5の実施の形態によれ
ば、誘導型電力量計20の円板9の回転速度をレーザド
ップラ速度計30により検出し、この検出された円板9
の回転速度と標準とする電力量とに基づいて誘導型電力
量計20の指示誤差量を表示し、この指示誤差量に基づ
いて各調整装置を操作するようにしたので、従来のよう
に指示誤差測定、各調整装置の操作量の決定及び各調整
装置の操作を繰り返し作業する必要がなく、表示される
指示誤差量や円板9の回転速度を見ながら誘導型電力量
計20の各調整装置の調整ができて、その調整時間を大
幅に短縮できる。さらに、容易に指示誤差量がゼロにな
るまで調整操作を続行できる。
【0132】なお、上記第5の実施の形態は、回転速度
検出手段としてレーザドップラ速度計30の代わりに図
6に示すような空間フィルタ法速度計を用いてもよい。
この空間フィルタ法速度計は、ランプ40及びセンサ4
1を光源・信号処理装置42に接続し、測定物(円板
9)43の回転速度を測定するものとなる。
【0133】この空間フィルタ法速度計の動作原理は、
次の通りである。図7に示すように測定物(円板9)4
3の表面には、自然光や投影光によるランダムな光ムラ
が分布している。
【0134】この測定物43の移動方向に対し、直角方
向に一定間隔で配列されたスリット列(空間フィルタ)
44を配置し、レンズ45を通して測定物43面にスリ
ット列を写し出す。
【0135】このようにして測定物43の表面にスリッ
ト列を配置することにより、測定物43の表面に存在す
る大小の光ムラ成分のうち、スリット44のピッチ幅と
同じ大きさのムラ成分だけを抽出する。
【0136】この抽出された成分によって発生する反射
光量の変動をパルス信号に変換し、演算処理すること
で、測定物43の速度及び距離Hが求められる。又、上
記第5の実施の形態は、レーザドップラ速度計30又は
空間フィルタ法速度計により検出された円板9の回転速
度の一定時間における平均値を求め、この平均の回転速
度と標準とする電力量とに基づいて誘導型電力量計20
の指示誤差量を求めるようにしてもよい。
【0137】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、各
調整装置の相互干渉と呼ばれる現象に影響されず、各調
整装置の必要とする操作量を一度に決定できる誘導型電
力量計の調整方法及びその装置を提供できる。
【0138】又、本発明によれば、誘導型電力量計の指
示誤差量を瞬時に測定して、調整時間を大幅に短縮でき
る誘導型電力量計の調整方法及びその装置を提供でき
る。を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる誘導型電力量計の調整装置の第
1の実施の形態を示す構成図。
【図2】不平衡負荷調整ネジの回転量を変化させたとき
の定数K3 とb3-a3 の変化を示す図。
【図3】位相調整板の切込み量を変化させたときの定数
3 とb3-a3 の変化を示す図。
【図4】本発明に係わる誘導型電力量計の調整装置の第
5の実施の形態を示す構成図。
【図5】レーザドップラ速度計の具体的な構成図。
【図6】空間フィルタ法速度計の構成図。
【図7】空間フィルタ法速度計の動作原理を示す図。
【図8】単相3線式の誘導型電力量計の構成図。
【図9】単相3線式の誘導型電力量計の配線図。
【図10】電圧コイル、電流コイルユニット及び制動磁
石が発生する磁束を示す図。
【図11】不平衡負荷調整ネジの作用を示す図。
【図12】位相調整板の作用を示す図。
【図13】位相調整板への切込み作用を示す図。
【符号の説明】
2a,2b…電圧コイル 4…不平衡負荷調整ネジ、 5a,5b…電流コイル、 7a,7b…位相調整板、 8…軽負荷調整装置、 9…円板、 11…制動磁石、 20…誘導型電力量計、 21…虚負荷試験器、 22…電力量計(標準器)、 23…力率計、 24…発光素子、 25…受光素子、 26…クリープホール、 28,40…計算機、 30…レーザドップラ速度計。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導型電力量計への力率及び電流量を複
    数に変化したときの前記誘導型電力量計における円板の
    回転速度を測定する第1の工程と、 前記円板の回転速度の測定結果に基づいて前記誘導型電
    力量計の性能を表す定数群を求める第2の工程と、 この第2の工程により求められた前記定数群と予め求め
    られた前記誘導型電力量計に装備された各調整装置の操
    作量との関係に基づいて前記各調整装置の操作量を求め
    る第3の工程と、を有することを特徴とする誘導型電力
    量計の調整方法。
  2. 【請求項2】 前記誘導型電力量計の1側コイルに加わ
    る電圧をV1 、3側コイルに加わる電圧をV3 、1側コ
    イルに流れる電流をI1 、3側コイルに流れる電流をI
    3 、前記1側コイルに対しての負荷に供給される電圧と
    電流との位相差をc1、前記3側コイルに対しての負荷に
    供給される電圧と電流との位相差をc3、前記円板の摩擦
    トルクをTf 、前記定数群をK1 、b1-a1 、K3 、b3-a
    3 、KL 、Km 、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3とすると、前
    記円板の回転数Nは、 N={K111 cos((b1-a1)+c1) +K333
    cos((b3-a3)+c3) +KL V3 2 −Tf }÷(Km +K
    p11 2 +Kp33 2 +Kc11 2 +Kc33 2 ) により表され、このうちの前記定数群K1 、b1-a1 、K
    3 、b3-a3 、KL 、Km、Kp1、Kp3、Kc1、Kc3を求
    めることを特徴とする請求項1記載の誘導型電力量計の
    調整方法。
  3. 【請求項3】 前記誘導型電力量計に通電される電圧が
    略一定の場合、前記円板の回転数Nを、 N={K111 cos((b1-a1)+c1) +K333
    cos((b3-a3)+c3) +Hf }÷(Kp +Kc11 2 +K
    c33 2 ) として表し、このうちの定数群K1 、b1-a1 、K3 、b3
    -a3 、Hf 、Kp 、Kc1、K c3を求めることを特徴とする
    請求項2記載の誘導型電力量計の調整方法。
  4. 【請求項4】 前記誘導型電力量計における制動磁石に
    よる制動トルクが電流コイルの磁束による制動トルクと
    比較して大きい場合、前記円板の回転数Nを、 N=K111 cos((b1-a1)+c1) +K333 c
    os((b3-a3)+c3) +Hとして表し、このうちの定数群K
    1 、b1-a1 、K3 、b3-a3 、Hを求めることを特徴とす
    る請求項2記載の誘導型電力量計の調整方法。
  5. 【請求項5】 前記誘導型電力量計における電圧コイル
    と電流コイルによる各駆動トルクが非線形性を持つ場
    合、前記円板の回転数Nを、 N=K1111 cos((b1-a1)+c1)+K12(V1
    12 cos((b1-a1) + c1)+K3133 cos((b3-a3)
    +c3)+K32(V332 cos((b3-a3)+ c3)+H として表し、このうちの定数群K11、K12、b1-a1 、K
    31、K32、b3-a3 、Hを求めることを特徴とする請求項
    2記載の誘導型電力量計の調整方法。
  6. 【請求項6】 誘導型電力量計に装備された各調整装置
    を操作して指示値を調整するときに、前記各調整装置の
    操作量を決定する誘導型電力量計の調整装置において、 標準とする少なくとも電力量を測定する標準器と、 前記誘導型電力量計の円板の回転速度を検出する回転速
    度検出手段と、 この回転速度検出手段により検出された前記円板の回転
    速度及び前記標準器の測定結果に基づいて前記誘導型電
    力量計の性能を表す定数群を求める定数群演算手段と、 この定数群演算手段により求められた前記定数群と予め
    求められた前記誘導型電力量計に装備された各調整装置
    の操作量との関係に基づいて前記各調整装置の操作量を
    求める操作量演算手段と、を具備したことを特徴とする
    誘導型電力量計の調整装置。
  7. 【請求項7】 前記回転速度検出手段は、前記円板に形
    成されたクリープホールを検出する発光素子と受光素子
    から成ることを特徴とする請求項6記載の誘導型電力量
    計の調整装置。
  8. 【請求項8】 誘導型電力量計に装備された各調整装置
    を操作して指示値を調整する誘導型電力量計の調整方法
    において、 前記誘導型電力量計の円板の回転速度を検出する第1の
    工程と、 この第1の工程により検出された前記円板の回転速度と
    標準とする電力量とに基づいて前記誘導型電力量計の指
    示誤差量を測定する第2の工程と、 この第2の工程により測定された前記指示誤差量に基づ
    いて前記各調整装置を操作する第3の工程と、を有する
    ことを特徴とする誘導型電力量計の調整方法。
  9. 【請求項9】 誘導型電力量計に装備された各調整装置
    を操作して指示値を調整する誘導型電力量計の調整装置
    において、 標準とする少なくとも電力量を測定する標準器と、 前記誘導型電力量計の円板の回転速度を検出する回転速
    度検出手段と、 この回転速度検出手段により検出された前記円板の回転
    速度と前記標準器により測定された電力量とに基づいて
    前記誘導型電力量計の指示誤差量を測定する指示誤差測
    定手段と、を具備したことを特徴とする誘導型電力量計
    の調整装置。
  10. 【請求項10】 前記回転速度検出手段は、レーザドッ
    プラ速度計であることを特徴とする請求項9記載の誘導
    型電力量計の調整装置。
  11. 【請求項11】 前記回転速度検出手段は、空間フィル
    タ法速度計であることを特徴とする請求項9記載の誘導
    型電力量計の調整装置。
  12. 【請求項12】 前記回転速度検出手段により検出され
    た前記円板の回転速度の一定時間における平均値を求め
    て前記指示誤差測定手段に送ることを特徴とする請求項
    9記載の誘導型電力量計の調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101063348B1 (ko) 2009-10-09 2011-09-07 한국기계전기전자시험연구원 디지털 전력량계의 검사장치
CN103675750A (zh) * 2013-11-14 2014-03-26 深圳市航天泰瑞捷电子有限公司 实现计量芯片校表的方法与装置
WO2014114150A1 (zh) * 2013-01-22 2014-07-31 国家电网公司 电能表动态计量周期电能序列比例分配校验法

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