JPH10142203A - 剥離診断装置及び剥離診断方法 - Google Patents

剥離診断装置及び剥離診断方法

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JPH10142203A
JPH10142203A JP8305040A JP30504096A JPH10142203A JP H10142203 A JPH10142203 A JP H10142203A JP 8305040 A JP8305040 A JP 8305040A JP 30504096 A JP30504096 A JP 30504096A JP H10142203 A JPH10142203 A JP H10142203A
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JP
Japan
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diagnosis
peeling
diagnostic
tile
sensor
Prior art date
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Application number
JP8305040A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nishimura
正宏 西村
Masaaki Ebihara
正明 海老原
Tatsuo Murayama
達雄 村山
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Publication date
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Publication of JPH10142203A publication Critical patent/JPH10142203A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PCa版表面に埋め込まれたタイルに対する剥
離診断を容易且つ効率よく行い、診断結果をタイル毎に
管理する。 【解決手段】ハンマ等で叩打したときの叩打音に基づき
剥離診断を行う剥離検出センサ13a〜13cが配置さ
れた診断部13を、X軸方向走行装置23及びY軸方向
走行装置24によって、PCa版50上でX及びY軸方
向に移動させる。このとき、剥離検出センサ13a〜1
3cは、X軸方向には、一の剥離検出センサでの診断に
対する制御装置2での処理が終了するまでの時間に応じ
た所定間隔MX 、Y軸方向にはPCa版50のタイルの
Y軸方向の叩打位置間隔MY だけずらして診断部13に
配置する。診断部13をX軸方向に所定速度で移動する
と各剥離検出センサはそれぞれ異なるタイル列上に沿っ
て移動し、剥離検出センサがそれぞれ対向するタイルの
所定の叩打位置にきたときにこれを作動させ、その診断
結果を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物躯体の表面
を覆うタイルや下地モルタル等が、内部で剥離している
か否かを診断する剥離診断装置及び剥離診断方法に関
し、特に、効率よく診断を行うことのできる剥離診断装
置及び剥離診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば工場内で制作されるPC版
表面の打ち込みタイルの下地剥離検査の方法としては、
ストックヤードに仮置きされたPC版に対し、例えば作
業員がPC版表面に打ち込まれたタイルを一点ずつ検査
用ハンマで叩き、その反射音を耳で確認することによ
り、タイル裏面の剥離状態を判断する方法等が用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の剥離診断方法では、作業員が膨大な量のタイルにつ
いて一点ずつ検査を行うことになり、この作業は、単純
作業の繰り返しであり、また、検査時の作業員の姿勢が
不安定となることから、作業員の肉体的負担が大きいと
いう問題がある。
【0004】また、作業員がタイルを叩き、その反射音
により診断を行うようになっているため、タイルを叩く
強さ、或いは反射音による剥離診断基準が作業員毎に異
なることになり、作業員個人の年齢或いは体調等によっ
ても異なり、同一基準での剥離診断を行うことができな
いという問題がある。
【0005】また、タイル一点ずつ順に検査を行うた
め、一枚のPC版に対する診断が全て終了するまでに
は、長時間を要してしまうという問題がある。そこで、
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたものであ
り、作業員の作業環境を向上し、作業員の省力を図り且
つ診断に要する所要時間をより短縮することの可能な剥
離診断装置及び剥離診断方法を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る剥離診断装置は、複数の剥
離検出センサと、当該剥離検出センサを一基準面内の任
意の位置に移動させる移動手段と、前記剥離検出センサ
及び前記移動手段を制御する制御手段と、を備えること
を特徴としている。
【0007】この請求項1の発明によれば、制御手段に
よって移動手段が制御されて複数の剥離検出センサが一
基準面内の任意の位置に移動され、また、制御手段によ
って各剥離検出センサが制御される。よって、例えばP
C版にタイルが打ち込まれた建築用仕上げ面等の貼着面
の剥離状態を検査する場合等には、移動手段により各剥
離検出センサは個別のタイル上に順次移動され、各剥離
検出センサはそれぞれ所定の位置にきたときに作動され
てタイルに対する剥離診断を行う。この剥離検出センサ
では、例えばタイルをハンマ等で叩いてその叩打音を集
音し、叩打音の減衰特性に基づいて診断を行う。以後同
様に、剥離検出センサがタイル上の所定位置にきたとき
に各剥離検出センサが作動されることにより、一枚のP
C版に対して複数の剥離検出センサによる剥離診断が自
動的に行われる。
【0008】また、請求項2に係る剥離診断装置は、複
数の剥離検出センサを備えた剥離検出手段と、当該剥離
検出手段を一基準面内の任意の位置に移動させる移動手
段と、前記剥離検出センサ及び前記移動手段を制御する
制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】この請求項2の発明によれば、制御手段に
より移動手段が制御されて剥離検出手段が一基準面内の
任意の位置に移動され、所定位置にきたときに制御手段
によって各剥離検出センサが作動される。よって、例え
ばPC版にタイルが打ち込まれた建築用仕上げ面等の貼
着面の剥離状態を検査する場合等には、移動手段により
剥離検出手段がタイル上に順次移動され、各剥離検出セ
ンサが例えばそれぞれに対応するタイルの所定の叩打位
置にきたときにこの剥離検出センサが作動される。例え
ば各タイルの配置間隔に応じて各剥離検出センサを剥離
検出手段に配置することにより各剥離検出センサはそれ
ぞれ個別のタイル上に位置するから、剥離検出手段を移
動させることにより複数の剥離検出センサが共に移動さ
れ、複数のタイルに対する剥離診断が行われる。剥離検
出センサでは、例えばタイルをハンマ等で叩いてその叩
打音を集音し、叩打音の減衰特性に基づいて診断を行
う。以後同様に、剥離検出手段がタイル上の所定位置に
きたときに各剥離検出センサが作動されることにより、
一枚のPC版に対して複数の剥離検出センサによる剥離
診断が自動的に行われる。
【0010】また、請求項3に係る剥離診断装置は、診
断箇所は、第1の方向に平行な複数の直線と、前記第1
の方向と交差する第2の方向に平行な複数の直線との交
点にあり、前記移動手段は前記剥離検出手段を、順次前
記第1の方向の一連の診断箇所列に沿って移動した後次
の前記診断箇所列と対向する位置まで前記第2の方向に
移動させることにより、前記第1の方向の診断箇所列毎
に診断を行うようにした剥離診断装置であって、前記診
断箇所の前記第2の方向の間隔に応じて前記複数の剥離
検出センサを前記第2の方向にずらして配置したことを
特徴としている。
【0011】この請求項3の発明によれば、例えば直交
するX及びY軸方向に整列してPC版に貼着されたタイ
ル等、互いに交差する第1及び第2の方向のそれぞれに
平行な複数の直線の交点にある診断箇所に対して、例え
ばX軸方向に配列されたタイル列毎に診断が行われる。
このとき、診断箇所のY軸方向の間隔に応じて複数の剥
離検出センサがY軸方向にずらして配置されているか
ら、剥離検出センサが配置された剥離検出手段をX軸方
向に移動させた場合、各剥離検出センサはそれぞれ異な
るタイル列と対向して移動する。よって、各剥離検出セ
ンサが所定の診断箇所にきたときにこの剥離検出センサ
を作動することによって、剥離検出手段をX軸方向に移
動させることに伴い複数の剥離検出センサによる複数の
タイルに対する診断が行われる。
【0012】また、請求項4に係る剥離診断装置は、前
記複数の剥離検出センサを、前記剥離検出センサでの検
出時間に応じた所定間隔だけ前記第1の方向にずらして
配置したことを特徴としている。
【0013】この請求項4の発明によれば、例えば直交
するX及びY軸方向に整列してPC版に貼着されたタイ
ル等、互いに交差する第1及び第2の方向のそれぞれに
平行な複数の直線の交点にある診断箇所に対して、例え
ばX軸方向に設定されたタイル列毎に診断が行われる。
このとき、複数の剥離検出センサは、X軸方向には剥離
検出センサでの検出時間に応じた所定間隔だけずらして
配置され、Y軸方向には診断箇所のY軸方向の間隔に応
じてずらして配置されている。よって、この剥離検出手
段をX軸方向に移動させた場合、各剥離検出センサはそ
れぞれ異なるタイル列と対向して移動する。よって、各
剥離検出センサが所定の診断箇所と対向するとき剥離検
出センサを作動させれば、剥離検出手段の移動に伴い、
複数のタイルに対しての診断が行われる。このとき、例
えば叩打式の剥離検出センサ等、診断対象物から得られ
る情報に基づいて剥離診断を行うような剥離検出センサ
の場合には、同時に剥離検出センサを作動させると、複
数の反響音が混ざり的確な判断を行うことができないた
め、剥離検出センサでの集音に要する時間等、剥離検出
に要する検出時間の間隔をおいて剥離検出センサを作動
させる必要がある。したがって、例えば各剥離検出セン
サがX軸方向に同一位置に配置され各タイルの同一箇所
の診断を行う場合等には、剥離検出手段をX軸方向に移
動させたとき、それぞれ対応する診断箇所に同時点に到
達するから、例えばこの時点で剥離検出手段を停止させ
て各剥離検出センサを順次作動させる必要があるが、各
剥離検出センサは、X軸方向に所定間隔だけずらして配
置されているから同時に診断箇所にくることはなく、ま
た、剥離検出センサの検出時間に応じた所定間隔をとっ
て配置されているから、剥離検出手段を停止させること
なく診断を行うことが可能となる。
【0014】さらに、請求項5に係る剥離診断方法は、
第1の方向に平行な複数の直線と、前記第1の方向と交
差する第2の方向に平行な複数の直線との交点にある診
断箇所に対し、当該診断箇所から得られる情報をもとに
剥離診断を行う剥離検出センサを用いて診断を行うよう
にした剥離診断方法であって、複数の前記剥離検出セン
サを、当該剥離検出センサでの検出時間に応じた所定間
隔だけ前記第1の方向にずらして配置し、且つ前記診断
箇所の前記第2の方向の間隔に応じて前記第2の方向に
ずらして配置し、前記複数の剥離検出センサが配置され
た剥離検出手段を、順次前記第1の方向の一連の診断箇
所列に沿って移動した後次の診断箇所列と対向する位置
まで前記第2の方向に移動し、前記診断箇所と前記剥離
検出センサとが対向するときこの剥離検出センサを作動
するようにしたことを特徴としている。
【0015】この請求項5の発明によれば、例えばタイ
ルが直交するX及びY軸方向に整列して貼着されたPC
版等、互いに交差する2方向にそれぞれ平行な複数の直
線の交点にある診断箇所に対して診断が行われる。この
とき、複数の剥離検出センサは、例えばX軸方向には剥
離検出センサでの剥離検出に要する検出時間に応じた間
隔だけずらして剥離検出手段に配置され、Y軸方向には
診断箇所のY軸方向の間隔だけずらして剥離検出手段に
配置されている。よって、この剥離検出手段をX軸方向
に移動すると、各剥離検出センサはそれぞれ異なるタイ
ル列上を移動することになり、診断箇所とこれに対応す
る剥離検出センサとが対向するときに剥離検出センサが
作動され診断が行われる。このとき、剥離検出センサは
X軸方向にずれて配置されているから複数の剥離検出セ
ンサが同時に作動することはなく、また、剥離検出セン
サでの検出時間に応じた距離だけずらして配置されてい
るから、例えば叩打式剥離検出センサ等による反響音が
混ざり合うことはなく、的確な診断が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は本発明における剥離診断装置の一例を示
す概略構成図である。
【0017】この剥離診断装置100は、診断対象とし
てのタイル打ち込みPCa(Precast Conc
rete)版50に対して剥離診断を行う診断装置1
と、この診断装置1を前記PCa版50上で移動させて
診断装置1による診断を実行させる制御装置2とから構
成されている。
【0018】そして、図1に示すように、制御装置2か
らの指令に応じて、基準レール11間に載置されたPC
a版50上を、例えばハンマ等で叩打したときの叩打音
に基づいて剥離診断を行う診断部13が搬送機12内で
X及びY軸方向に移動するようになっているが、搬送機
12全体が基準レール11上をX軸方向に移動するよう
になっているから、診断部13は前記PCa版50上で
X及びY軸方向に移動することが可能になっている。そ
して、診断部13がPCa版50上の所定位置にきたと
きに、診断部13においてPCa版50に対する剥離診
断を実行することにより、PCa版50上の所定の位置
における剥離診断が行われるようになっている。この診
断結果は例えば制御装置2に送信されて、制御装置2で
診断結果を一括管理するようになっている。
【0019】なお、前記X軸方向は、前記基準レール1
1と平行な方向であり、前記Y軸方向は、前記X軸方向
と直交する方向である。前記搬送機12は、図2に示す
平面図,図3に示す側面図,図4に示す正面図のよう
に、前記基準レール11上を走行するための車輪21が
取り付けられた、直方体状の外フレーム22Aと、この
外フレーム22Aの四隅に形成された支持部材22a〜
22dにより支持される内フレーム22Bと、内フレー
ム22Bの長手方向両端部付近に内フレーム22Bの長
手方向と直交する方向に配設された一対のX軸方向走行
装置23と、このX軸方向走行装置23にその両端が固
定され、X軸方向と直交するように配置されたY軸方向
走行装置24とから構成され、Y軸方向走行装置24に
前記診断部13が取り付けられている。
【0020】前記X軸方向走行装置23のそれぞれは、
X軸ガイドレール23aと、このX軸ガイドレール23
aと平行に配設された無端状のX軸ベルト23bと、X
軸ベルト23bを回転駆動するX軸モータ23cとから
構成され、このX軸ガイドレール23aが前記内フレー
ム22Bの短辺をそれぞれ形成している。同様に、前記
Y軸方向走行装置24は、Y軸ガイドレール24aと、
このY軸ガイドレール24aと平行に配設された無端状
のY軸ベルト24bと、Y軸ベルト24bを回転駆動す
るY軸モータ24cとから構成されている。
【0021】前記各X軸ベルト23bは、それぞれ両端
がベルトプーリにかけ渡されていて、その下側のベルト
にY軸ガイドレール24aの両端上部がそれぞれ固定さ
れている。そして、X軸ベルト23bがX軸モータ23
cによって回転駆動されることにより、そのX軸ベルト
23bに端部が固定されたY軸ガイドレール24aがX
軸方向に移動する。このとき、Y軸ガイドレール24a
の両端部に固定されたX軸ガイドローラ23dが、Y軸
ガイドレール24aの移動に伴ってX軸ガイドレール2
3a上を転動するようになっているから、Y軸ガイドレ
ール24aはX軸ガイドレール23aと直交する方向、
つまり、内フレーム22Bの長手方向と直交する方向に
スムーズに移動することができるようになっている。
【0022】前記Y軸ベルト24bは、両端がベルトプ
ーリにかけ渡されていて、これに前記診断部13が下向
きに固定されている。したがって、Y軸ベルト24b
が、Y軸ガイドレール24aの適所に配設されたガイド
ローラ24dによりたるみが生じないように案内されな
がらY軸モータ24cにより駆動されると、Y軸ベルト
24bに固定された診断部13がY軸ガイドレール24
aに案内されて移動し、すなわち、診断部13が内フレ
ーム22Bの長手方向に移動するようになっている。よ
って、X軸モータ23c及びY軸モータ24cを駆動制
御することにより、Y軸方向走行装置24の可動範囲及
び診断部13の可動範囲で決定される範囲内で、診断部
13がX軸及びY軸方向に移動できるようになってい
る。
【0023】前記外フレーム22Aの四隅には、外フレ
ーム22Aの高さを調整する高さ調整ハンドル25が取
り付けられ、また、内フレーム22Bの適所には、高さ
調整ハンドル25での高さ調整時の指標となる搬機セッ
ト指標26が固定されている。そして、搬機セット指標
26と内フレーム22Bの下方に載置されたPCa版5
0との相対位置関係に基づいて高さ調整ハンドル25を
調整することにより、外フレーム22Aを支持する脚の
長さが変わり、外フレーム22Aが上下動することによ
って診断部13とPCa版50との間の距離が調整さ
れ、調整部13と剥離診断対象のタイルとの間が適切な
距離に調整できるようになっている。
【0024】また、外フレーム22Aの適所には、コン
トロールボックス28が取り付けられている。このコン
トロールボックス28には、診断開始スイッチ、原点復
帰スイッチ等のスイッチが設けられ、これらスイッチを
押下することにより、その指令信号が制御装置2に伝達
されるようになっている。
【0025】そして、Y軸ガイドレール24aの適所に
は、PCa版50の長手方向、つまりX軸方向のタイル
の目地位置を検出するX軸位置センサ29xが取り付け
られ、診断部13の適所には、PCa版50のY軸方向
のタイルの目地位置を検出するY軸位置センサ29yが
取り付けられている。これらX軸及びY軸位置センサ2
9x及び29yは、例えば、レーザセンサ等で構成さ
れ、レーザの反射光に基づいて、PCa版50の目地位
置或いはPCa版50の有無等を検出するようになって
いる。また、X軸ガイドレール23a及びY軸ガイドレ
ール24aの適所には、例えばX軸ベルト23b,Y軸
ベルト24bの移動量、つまり、診断部13のX軸方向
及びY軸方向の移動量に応じてカウントアップする図示
しないパルスカウンタが、それぞれ取り付けられてい
る。
【0026】さらに、例えば診断部13,或いは,X軸
又はY軸ガイドレール23a,23b等の適所には、例
えば、予めPCa版50の長辺の一方に取り付けられた
突起物等、Y軸方向の進行方向前方の障害物を検出す
る、例えばレーザセンサ等で構成された図示しない端部
検出センサが取り付けられている。そして、これらX軸
及びY軸の位置センサ29x,29y及び端部検出セン
サの検出信号,各パルスカウンタのカウント値はそれぞ
れ制御装置2に供給されるようになっている。
【0027】また、前記外フレーム22A及び内フレー
ム22Bの適所には、前記診断装置1と前記制御装置2
との間を接続するケーブルを支持する、例えば可撓式の
X軸ケーブルラック30x及びY軸ケーブルラック30
yが取り付けられ、ケーブルが、診断部13或いは、Y
軸方向走行装置24の走行を妨害しないようになってい
る。
【0028】前記内フレーム22Bは、前記支持部材2
2a〜22dにより外フレーム22A上に支持され、さ
らに、支持部材22aと内フレーム22Bとがピン等で
結合されている。この支持部材22aと隣接する支持部
材22dで支持される内フレーム22B部分には、外フ
レーム22Aと内フレーム22Bとの間の距離を調整す
るY軸ガイドレール調整用ハンドル27が取り付けら
れ、このY軸ガイドレール調整用ハンドル27を操作す
ることにより、支持部材22d部分における外フレーム
22Aと内フレーム22Bとの間の距離が変化し、これ
に伴い前記ピン結合されたヒンジ部22sを支点とし
て、外フレーム22Aに対して内フレーム22Bが回動
し、外フレーム22Aの長手方向と内フレーム22Bの
長手方向つまりY軸ガイドレール24aとの間の角度を
微調整できるようになっている。
【0029】なお、このY軸ガイドレール調整用ハンド
ル27と内フレーム22Bとは、例えばユニバーサルジ
ョイント等を介して結合され、外フレーム22Aに対し
て内フレーム22Bが回動することに伴う、Y軸ガイド
レール調整用ハンドル27のハンドル軸と内フレーム2
2Bのナット部とのY軸方向のずれを吸収するようにな
っている。
【0030】前記診断部13は、例えば、特公平6−6
8486号公報に記載の建築物仕上げ面の剥離診断方法
を用いて構成され、健全タイルを叩打したときの打音波
形信号と、剥離タイルを叩打したときの打音波形信号と
では、減衰特性が異なることからその減衰特性をもとに
剥離タイルであるか否かを診断するようにしている。こ
の診断部13は、同一構成の例えば3基の打撃センサ1
3a,13b,13cから構成されている。
【0031】各打撃センサ13a〜13cはそれぞれ、
発信部と受信部とから構成され、発信部は、タイルの仕
上げ面を叩く叩打ハンマと、この叩打ハンマを駆動する
と共に前記受信部での受信のタイミングを調整する調整
回路等とから構成される。また、受信部は、前記調整回
路からの指令に応じて仕上げ面を叩打した時の反響音を
集音して電気信号に変換するマイクロフォンと、その電
気信号に対して、増幅処理,フィルタ処理等の所定の処
理を行う信号処理回路と、信号処理回路から出力される
時系列信号の最高レベル値(最大振幅値)又は積分値を
取り、基準値と比較して剥離の有無を判断する判断回路
等とから構成される。
【0032】前記各打撃センサ13a〜13cは、前記
制御装置2からハンマトリガ信号を受信すると、発信部
が作動して叩打ハンマを駆動する。また、前記受信部が
作動し、叩打ハンマがタイルを叩打したときの反響音を
集音し、その反響音に対して所定の処理を行った後の打
音波形信号と、制御装置2から予め通知された診断対象
のPCa版50に対応した健全タイルの打音波形信号と
を比較し、健全タイルの減衰特性と一致するか否かによ
り、剥離タイルであるか否かを診断し、その診断結果を
前記制御装置2に通知する。
【0033】そして、診断部13ではPCa版50に対
して例えばX軸方向に配列されたタイル列毎に順に診断
を行うものとすると(以後、この方向を診断方向とい
う。)、各打撃センサ13a〜13cは、図5に示すよ
うに、診断方向、この場合X軸方向に、所定間隔MX
つずれた位置に、右側から順に打撃センサ13a,13
b,13cの順に配置される。また、Y軸方向には、P
Ca版50に貼着されたタイルの叩打位置をX軸方向の
辺の1/3及び2/3の位置であり且つY軸方向の中央
である位置H1 ,H2 とすると、タイル一つ挟んで隣合
うY軸方向のタイルの中央部間の距離MY だけずれた位
置に配置されている。
【0034】前記所定間隔MX は、診断部13の診断方
向への移動速度Vと、制御装置2での打撃センサ13a
〜13cからの診断結果に対し所定の処理を実行するの
に要する処理時間tとで決定される次式(1)を満足す
る値であり、且つ、次式(2)を満足する値である。な
お、hは叩打位置H1 及びH2 間の診断方向の距離h 1
と診断方向に隣接するタイルの叩打位置H1 及びH2
の診断方向の距離h2との何れか短い方である。
【0035】MX =V×t ……(1) h>MX ……(2) 前記制御装置2は、図6に示すように、少なくともパー
ソナルコンピュータ等の演算装置2aと、キーボード等
の入力装置2bと、CRTディスプレイ等の表示装置2
cと、プリンタ等の出力装置2dと、フレキシブルディ
スク,コンパクトディスク,ハードディスク等の記憶装
置2eと、前記のX軸及びY軸のモータ23c及び24
cを駆動するX軸用駆動部2f及びY軸用駆動部2gと
から構成されている。そして、これらは台車等に載置さ
れた筐体内に収められ、搬送機12の移動と共に移動で
きるようになっている。
【0036】前記記憶装置2eには、診断処理及び診断
結果の管理処理等を実行する所定の処理プログラム等が
格納されていると共に、PCa版の種類,サイズ,タイ
ル割り付け情報,PCa版の種類毎の健全タイルの打音
波形信号等、剥離タイルの診断基準等がデータベースと
して記憶されている。
【0037】前記演算装置2aは、X軸位置センサ29
x,Y軸位置センサ29y,端部検出センサ31からの
検出信号、X軸パルスカウンタのカウント値,Y軸パル
スカウンタのカウント値等を入力し、これら信号をもと
に、診断部13の現在位置を認識する。また、X軸パル
スカウンタ及びY軸パルスカウンタのカウント値に基づ
く現在位置とX軸位置センサ29x及び29yとに基づ
く現在位置とをもとに、これら現在位置が一致しない場
合には異常発生として通知する等、異常監視を行う。そ
して、X軸モータ23c及びY軸モータ24cの駆動制
御信号を形成し、これをX軸用駆動部2f及びY軸用駆
動部2gを介して、X軸モータ23c及びY軸モータ2
4cに供給し、これらモータを駆動制御する。また、コ
ントロールボックス28からの指令信号を入力し、これ
に基づき所定の処理を実行する。また、端部検出センサ
31からの検出信号に基づいて、診断部13が障害物に
衝突する危険性があるときには、例えばX及びY軸モー
タ23c,24cを停止させると共に、警報音等を発生
して異常を外部に通知する。
【0038】そして、演算装置2aでは、作業員の入力
装置2bでの初期設定操作により、診断対象のPCa版
の種類等、所定の項目が指定されると、これに対応する
PCa版のサイズ或いはタイル割り付け情報、健全タイ
ルの打音波形信号等を、前記記憶装置2eから読み出す
等、所定の初期設定処理を行う。
【0039】また、演算装置2aでは、X軸位置センサ
29x,Y軸位置センサ29yからの検出信号,X軸及
びY軸のパルスカウンタのカウント値をもとにX軸モー
タ23c及びY軸モータ24cを駆動制御し、診断部1
3を予め設定した診断部の原点位置、例えば図7に示す
ように、診断部13の内フレーム22B内で移動可能な
範囲つまり、診断可能な範囲AR内の最上左端部AR0
に移動させる。
【0040】次いで、コントロールボックス28での操
作等により作業員によって診断開始が指示されると、演
算装置2aでは、X軸位置センサ29x,Y軸位置セン
サ29yからの検出信号に基づいて、X軸モータ23c
及びY軸モータ24cを駆動し、診断対象のPCa版5
0を、診断部13が内フレーム22B内で移動可能な範
囲に応じて、複数の範囲に分割した診断範囲AAN (N
=1〜4)内の最左上端のタイル等、予め設定したPC
a版50上の最初に診断を行うタイルを検出する。そし
て、このタイルの叩打位置H1 を通るX軸方向に平行な
直線とタイルの左端の辺との交点、つまり、タイルの左
端の辺の中央部等、所定の診断開始位置PS と打撃セン
サ13aとが対向する位置に、診断部13を移動する。
【0041】このとき、各打撃センサ13a〜13cは
Y軸方向に所定量MY の間隔をあけて診断部13に配置
されているから、診断開始位置PS を基点として診断部
13を診断方向、つまりX軸方向に移動すると、図8に
示すように各打撃センサ13a〜13cはそれぞれ1,
3,5列目のタイル上を移動することになる。次いで、
図8において左から右へ診断部13を移動させるX軸方
向への往の診断が終了したとき、診断部13を一列分だ
けY軸方向に移動させ、今度は診断部13を右から左へ
と移動させる復の診断を行う。これにより、診断部13
をX軸方向に往復移動することによって、往の診断と復
の診断とでY軸方向に6列分の診断を行うようになって
いる。つまり、診断部13をX軸方向に往復移動させ、
往の診断時のタイル列群QR と復の診断時のタイル列群
L とからなる打撃センサ数の2倍のタイル列からなる
診断群Qの単位で診断を行うようにしている。
【0042】そして、X軸方向に診断部13を例えば定
速移動させ、各種センサの検出値に基づき各打撃センサ
13a〜13cがそれぞれ対応するタイル列の所定の叩
打位置上にきたことを検出したとき、対応する打撃セン
サの発信部に対してハンマトリガ信号を送信し、これに
対応する打撃センサからの診断結果を入力し、打撃セン
サと診断部13の現在位置とから特定される診断を行っ
たタイルと叩打位置と入力した診断結果とを対応させて
所定の記憶領域に格納する。
【0043】このとき、診断部13をX軸方向に移動さ
せる場合に、例えば図8に示すように、Y軸方向のタイ
ル列数Lが打撃センサの数の2倍の数(この場合6)で
割り切れない場合には、X軸方向に診断部13を往復移
動させた場合、診断対象物のタイル列上を移動しない打
撃センサが存在する。このような打撃センサについて
は、作動させないようになっている。
【0044】ここで、叩打位置H1 ,H2 が診断箇所に
対応し、診断部13が剥離検出手段に対応し、打撃セン
サ13a〜13cが剥離検出センサに対応し、X軸方向
走行装置23及びY軸方向走行装置24が移動手段に対
応し、制御装置2が制御手段に対応している。
【0045】次に、上記実施の形態の動作を説明する。
作業員は、まず、クレーン等で、診断対象のPCa版5
0を基準レール11間に配置し、このとき、PCa版5
0の長手方向と基準レール11とが平行となるように配
置する。次に、例えば図7に示すように、PCa版50
に予め設定した基準位置PPと、外フレーム22Aに設
定した基準位置PP′とが一致する位置に、搬送機12
を押すなどによって移動させ、車輪21をストッパ等で
固定する。この場合、まず、診断範囲AA1 に対する剥
離診断を行うから、基準位置PP 1 とPP′とを一致さ
せる。さらに、Y軸ガイドレール調整用ハンドル27を
操作して、PCa版50の長辺とX軸ガイドレール23
aとが平行となり、また、PCa版50の短辺とY軸ガ
イドレール24aとが平行となるように微調整を行う。
【0046】また、高さ調整ハンドル25を操作して、
打撃センサ13a〜13cによる剥離診断が可能な位置
まで、例えば搬機セット指標26に基づいて外フレーム
22Aの高さを調整し、また、PCa版50に対して内
フレーム22Bが平行となるように調整を行う。このと
き、診断部13が診断部13の原点位置AR0 に復帰し
ていない場合には、コントロールボックス28で原点復
帰スイッチを押下する。これにより、制御装置2では、
各種センサからの検出値をもとに、X軸モータ23c及
びY軸モータ24cを駆動して、診断部13を原点位置
AR0 に復帰させる。
【0047】続いて作業員が制御装置2の入力装置2b
において、診断対象のPCa版50の種類等所定の項目
を設定すると、制御装置2では、その記憶装置2eに予
め保持しているデータベースから、指定されたPCa版
の種類に応じた、サイズ、或いは、タイル割り付け情報
等を読み出す。そして、例えばタイルの大きさに基づい
て叩打位置を決定したり、指定されたPCa版に対応す
る健全タイルの打音波形信号を診断部13の受信部に通
知する。また、タイル割り付け情報から、診断方向と直
交する方向、この場合Y軸方向のタイル列数Lを検出す
る。そして、タイル列数Lを打撃センサ数の2倍、この
場合6で割った商を診断部13の往復移動回数つまり診
断群Qの数とし、その余りを最終診断群QLASTに含まれ
るタイル列数として認識する。
【0048】そして、これら所定の初期設定処理が終了
し、作業員のコントロールボックス28での操作、或い
は、入力装置2bでの操作等により診断開始が指示され
ると、制御装置2では、図9のフローチャートに示すよ
うに、X軸及びY軸の位置センサ29x,29y,パル
スカウンタ等各種センサの検出信号に基づいてX軸モー
タ23c及びY軸モータ24cを駆動し、診断開始位置
S に診断部13を移動する(ステップS1)。これは
例えば、PCa版50の最左上端の角、つまり、基準位
置PP1 を検出しその位置から検索すること等によっ
て、X軸及びY軸の位置センサ29x,29yの検出値
に基づいてタイルの目地位置を検出し、その目値位置と
予め設定されたタイルの大きさとパルスカウンタのカウ
ント値とをもとに、診断を行うべき最初のタイル、この
場合、図7において、最左上端のタイルの左上端を検出
する。そして、このタイルの左端の辺の中央部である診
断開始位置PS と、打撃センサ13aの叩打ハンマとが
対向する位置に診断部13を移動する。
【0049】次いで、この診断開始位置PS を基点とし
て、診断部13のX軸方向への所定の移動速度Vでの移
動を開始する(ステップS2)。これによって、各打撃
センサ13a〜13cは、図8に示すようにそれぞれ
1,3,5列目のタイル列と対向して移動することにな
る。そして、例えば、X軸位置センサ29xからの検出
信号に基づくタイルの目地位置と、その目地位置からの
パルスカウンタのカウント数とに基づいて、まず、診断
部13が所定位置、この場合、まず打撃センサ13aが
長手方向1/3の位置H1 と対向する位置となったこと
を検出したとき(ステップS3,4)、例えば診断部1
3の位置情報から作動する打撃センサを特定する(ステ
ップS4a)。この場合、打撃センサ13aを作動セン
サとして特定し、最終診断群QLASTに対する診断ではな
いから(ステップS4b)、この打撃センサ13aに対
してハンマトリガ信号を出力する(ステップS5)。
【0050】このとき、打撃センサ13a〜13cは互
いにX軸方向にそれぞれ所定間隔M X だけずれた位置に
配置されているから、図5に×印で示すように、打撃セ
ンサ13aがタイルT(1,1)の叩打位置H1 と対向
する位置に到達したとき、打撃センサ13b,13cは
それぞれ対応するタイルT(1,3),T(1,5)の
叩打位置H1 と対向する位置に到達していないので、打
撃センサ13b及び13cは作動しない。
【0051】打撃センサ13aでは、ハンマトリガ信号
を受信すると叩打ハンマを駆動してタイルを叩打し、そ
の反響音を受信部で集音する。そして、集音した反響音
に対して所定の信号処理を行い、この打音波形信号と、
例えば制御装置2から初期設定処理時に通知された診断
対象のPCa版に対応する健全タイルの打音波形信号と
を比較して剥離診断を行い、これら打音波形信号の減衰
特性が一致するか否かにより、剥離タイルであるか否か
を検出し、その診断結果を制御装置2に通知する。制御
装置2では、打撃センサ13aから診断結果を受信する
と(ステップS6)、打撃センサ13aと診断部13の
現在位置とから、診断したタイルとその診断位置とを特
定し、特定したタイルと叩打位置と診断結果とを対応さ
せて所定の記憶領域に格納する。
【0052】続いて、診断部13がさらにX軸方向に移
動し、各種センサの検出値に基づいて、打撃センサ13
bがタイルT(1,3)の叩打位置H1 と対向する位置
に到達したことを検出すると(ステップS3,4)、打
撃センサ13bに対してハンマトリガ信号を送信する
(ステップS4a,S4b,S5)。打撃センサ13b
では、前記打撃センサ13aと同様にタイルを叩打し、
その反響音に基づいて剥離診断を行い、その診断結果を
制御装置2に送信する。制御装置2では受信した診断結
果とタイル及び叩打位置とを対応させて所定の記憶領域
に格納する(ステップS6)。
【0053】このとき、打撃センサ13a及び13c
は、図5に○印で示すように、それぞれ叩打位置H1
対向する位置に到達していないから、これら打撃センサ
13a,13cは作動しない。
【0054】続いて、診断部13がさらに移動して、打
撃センサ13cがタイルT(1,5)の叩打位置H1
対向する位置に到達したことを検出すると(ステップS
3,4)、打撃センサ13cに対してハンマトリガ信号
を送信する(ステップS4a,S4b,S5)。打撃セ
ンサ13cでは上記と同様にして剥離診断を行いその診
断結果を制御装置2に送信する。
【0055】そして、診断部13がさらに移動し、打撃
センサ13aがタイルT(1,1)の長手方向2/3の
位置の叩打位置H2 と対向する位置にくると、ハンマト
リガ信号を打撃センサ13aに出力し、その診断結果を
得る。
【0056】この操作を繰り返し行い、各打撃センサ1
3a〜13cがそれぞれ対応するタイルの所定の叩打位
置H1 及びH2 に到達したことを検出したとき、対応す
る打撃センサに対してハンマトリガ信号を出力し、その
診断結果を得る。
【0057】そして、予め検出した診断範囲AA1 内の
X軸方向のタイルについて剥離診断が終了すると(ステ
ップS3)、X軸方向への診断部13の定速移動を停止
する(ステップS7)。この時点で、図8において、
1,3,5列目のタイル列からなるタイル列群QR1につ
いての診断が終了したことになる。次いで、X軸方向の
往の診断が終了したので、診断部13をY軸方向に一列
分だけ移動する(ステップS8,S9,S9a)。そし
て、診断部13のX軸方向の移動方向を反転し(ステッ
プS10)、今度は図8において右から左へと、診断部
13を移動する(ステップS2)。これによって、打撃
センサ13a〜13cは2,4,6列目のタイル列から
なるタイル列群QL1上を移動することになる。
【0058】そして、上記と同様に、診断部13がそれ
ぞれ所定位置に到達したときにそれぞれ対応する打撃セ
ンサ13a〜13cを作動させてタイル列群QL1の各タ
イル毎に叩打位置H1 及びH2 での剥離診断を行い、そ
の診断結果を所定の記憶領域に格納する。診断範囲AA
1 内のX軸方向の所定のタイルについて診断が終了する
と、この時点では、タイル列群QR1及びQL1からなる1
番目の診断群Q1 に対しての診断が終了したことにな
る。
【0059】次に、2番目の診断群Q2 に対しての診断
を行うから、今度は、診断部13をY軸方向に5列分移
動させ(ステップS8)、図8において左から右へと診
断部13を移動させ、所定位置で剥離診断を実行する。
これによって、各打撃センサ13a〜13cは7,9,
11列目のタイル列群QR2上を移動することになる。タ
イル列群QR2の所定のタイルについて診断が終了する
と、上記と同様に、診断部13をY軸方向に一列分移動
させ、8,10,12列目のタイル列群QL2上を移動さ
せて診断を行う。これにより、2番目の診断群Q2 に対
する診断が終了する。
【0060】同様にして各診断群に対する診断を行い、
図8において、診断群Qm-1 についての診断が終了する
と、Y軸方向に5列分移動する(ステップS8)。そし
て、例えば、初期設定処理時に検出した診断群Qの数
と、Y軸方向に5列分移動する毎にカウントする等によ
って検出した診断を行った診断群の数と等から、次の診
断群Qm が最終診断群QLASTであることを検出すると
(ステップS9a)、最終フラグFをF=1に設定し
(ステップS9b)、X軸方向の移動方向を反転して
(ステップS10)、診断部13の定速移動を開始す
る。
【0061】これによって、診断部13はタイル列群Q
Rm上を移動する。そして、診断部13が所定位置にきた
ときに(ステップS4)、まず最初に叩打位置H1 上に
到達するのは打撃センサ13aであるからこれを作動セ
ンサとして選択し(ステップS4a)、最終フラグはF
=1であるから(ステップS4b)、ステップS4aで
選択した打撃センサ13aが、休止センサであるか否か
を判定する(ステップS4a)。これは例えば、初期設
定処理時に検出した、最終診断群QLASTに含まれるタイ
ル列数に基づいて判断する。この場合、最終診断群Q
LASTである診断群Qm には、タイル列K〜K+2の3列
が含まれ、往の診断では、奇数列目のタイル列からなる
タイル列群QRmについての診断を行う。
【0062】この場合、タイル列群QRmには、タイル列
KとK+2の2列が含まれる。よって、打撃センサ13
aはタイル列Kと対向することになるから、打撃センサ
13aは作動させるセンサであるものと判定し、打撃セ
ンサ13aに対してハンマトリガ信号を出力し(ステッ
プS5)、その診断結果を受信して所定の処理を行う
(ステップS6)。
【0063】次に、診断部13が所定位置にきたことを
検出すると(ステップS4)、次に作動させるのは打撃
センサ13bであるからこれを作動センサとして選択
し、打撃センサ13bが休止センサであるか否かを判定
する(ステップS4a〜S4c)。上記と同様に、タイ
ル列群QRmには、K,K+2の2つのタイル列が含まれ
るから、打撃センサ13bは、タイル列K+2と対向す
ると判定し、休止センサではないものとしてこれに対し
てハンマトリガ信号を出力し、所定の処理を行う。
【0064】そして、次に診断部13が所定位置にきた
ときには(ステップS4)、打撃センサ13cを作動さ
せることになるが、タイル列群QRmには、2つのタイル
列しか含まれない。よって、打撃センサ13cと対向す
る位置にタイル列はなく、休止センサであるものと判断
し(ステップS4c)、打撃センサ13cに対してハン
マトリガ信号を出力しない。よって、打撃センサ13c
を作動しない。
【0065】したがって、図8において、タイル列群Q
Rm上で診断部13を移動させた場合、打撃センサ13a
及び13bはそれぞれタイル列K,K+2と対向する位
置を移動し、これに対して所定の叩打位置H1 及びH2
において剥離診断を行うが、打撃センサ13cは、対向
するタイル列がないから剥離診断は行わない。
【0066】そして、X軸方向右端まで到達すると(ス
テップS3)、往の診断を行ったから、Y軸方向に一行
分だけ診断部13を移動し、復の診断を行う。このと
き、タイル列群QLmには、タイル列K+1のみしか含ま
れないから、打撃センサ13aのみがK+1列目のタイ
ル列と対向するものと判定し、打撃センサ13aのみを
作動し、打撃センサ13b及び13cについては叩打位
置H1 及びH2 上にきた場合でも作動させない。
【0067】そして、タイル列QLmに対しての診断が終
了したとき(ステップS3)、診断部13のX軸方向の
移動を停止させて(ステップS7)、Y軸方向に移動さ
せるが、診断範囲AA1 内のY軸方向の所定のタイルに
ついても診断が終了したから(ステップS8,9)、診
断部13を原点位置AR0 に復帰させる(ステップS1
1)。
【0068】この時点で、PCa版50の左端の診断範
囲AA1 についての剥離診断が行われたことになり、次
に診断範囲AA2 についての剥離診断を行うから、搬送
機12を移動させて、今度はPCa版50の基準位置P
2 と、外フレーム22Aの基準位置PP′とが一致す
る位置に搬送機12を移動させる。そして、前記と同様
にY軸ガイドレール調整用ハンドル27、高さ調整ハン
ドル25により調整を行う。そして、例えばコントロー
ルボックス28の診断開始スイッチを再度操作すると、
制御装置2ではこれを受けて(ステップS12,1
3)、上記と同様に各種センサの検出値をもとに、例え
ば基準位置PP2 を検出しこの位置から検索する等によ
って、診断範囲AA2 における診断開始位置PS を検出
してこの位置に診断部13を移動する(ステップS
1)。そして、診断部13をX軸方向に定速移動させ、
タイル上の所定位置にきたときに対応する打撃センサを
作動させて剥離診断を実行する。
【0069】そして、最終診断群Qm に対して診断を行
う場合には、作動させるべき打撃センサであるか否かを
判定し休止センサである場合には作動させない。そし
て、上記と同様にして診断範囲AA2 内のタイルについ
て全ての処理が終了したら、再度、搬送機12を移動さ
せ、今度はPCa版50の基準位置PP3 と搬送機12
の基準位置PP′とを一致させて上記と同様にして診断
範囲AA3 についても診断を行う。同様に、診断範囲A
4 についても診断を行う。
【0070】診断範囲AA4 については、その診断範囲
AA4 が、診断部13での診断可能範囲ARよりも小さ
いが、診断対象のPCa版50の大きさ情報等から、診
断範囲AA4 におけるX軸方向のタイル数を制御装置2
で認識しているから、所定数のタイルについて診断を行
ったとき、次の行に移行することになる。
【0071】そして、診断範囲AA1 〜AA4 の全ての
タイルについて診断が終了し、例えばコントロールボッ
クス28において終了指示を行うことにより、制御装置
2では、一枚のPCa版50に対して剥離診断が終了し
たものとして診断部13による診断操作を終了し(ステ
ップS12)、所定の記憶領域に格納した診断結果を、
PCa版50に対する診断結果として管理し、例えば図
10に示すように、表示装置2cにPCa版50上のタ
イルの配置図を表示し、異常箇所を点滅表示する等を行
って異常箇所を作業員に明示させると共に、異常箇所の
位置情報、異常箇所数等、PCa版50の種類、また、
作業員の氏名、診断日時等所定の情報を表示する。そし
て、これら診断情報をPCa版50毎にファイルを形成
して記憶装置2eに格納すると共に、作業員の指示に応
じて出力装置2dに出力し(ステップS14)、処理を
終了する。この際にも、例えば異常箇所には、赤マーク
を付加する等により異常箇所を明示する。
【0072】したがって、上述のように、作業員は入力
装置2bで初期設定を行い、ある診断範囲AAN につい
ての剥離診断が終わったときに、搬送機12を次の診断
範囲AAN+1 に移動させるだけでよいから、従来のよう
に、作業員が各タイル一つずつに対して処理を行う必要
がない。よって、作業員の肉体的負担を大幅に軽減する
ことができると共に、タイル一つ当たりに要する診断時
間は短時間ですむから、PCa版に対する診断時間を大
幅に削減することができる。
【0073】また、例えば複数の打撃センサをX軸方向
同一となる診断部13上の位置に配置した場合、複数の
打撃センサは同時に叩打位置上に到達することになる。
このとき複数の打撃センサを同時に作動させると互いの
反響音が混ざって正確な剥離診断を行うことができない
ため、時間差を設けて打撃センサを作動させる必要があ
る。すなわち、診断部13を一旦停止させ、順次各打撃
センサを作動させた後、再度診断部13を移動させるこ
とになる。
【0074】しかしならが、上記実施の形態の場合、打
撃センサ13a〜13cをX軸方向に所定間隔MX だけ
ずらして配置しているから、複数の打撃センサが同時に
叩打位置上に到達することはない。よって、診断部13
を停止させることなく診断を行うことができるから、処
理効率を向上させることができる。また、一度の診断部
13のX軸方向の移動に伴い、複数のタイルについて診
断を行うことができるから、より処理効率を向上させる
ことができる。また、診断部13を移動することにより
同時に複数の打撃センサを移動させることができるか
ら、制御装置2での打撃センサの移動制御に伴う処理負
荷を軽減することができる。
【0075】また、このとき、所定間隔MX は、ある打
撃センサで診断を行ってからその診断結果に対して制御
装置2での処理が終了するまでの処理時間tの間に、診
断部13が移動する距離が設定され、また、叩打位置間
隔hよりも短い間隔に設定されているから、打撃センサ
を作動させる間隔が処理時間tよりも短くなることはな
い。よって、複数の打撃センサによる反響音が混ざりあ
うことはなく、的確な剥離診断を行うことができる。
【0076】また、最終診断群QLASTに対して診断を行
う場合には、診断対象のタイル列がないものについて
は、打撃センサを作動させないようにしたから、例え
ば、診断対象のタイルがないのに打撃センサを作動させ
ることによって本来の反響音とは異なる反響音を集音
し、これに基づき剥離タイルとして誤認識することを防
止することができる。また、作動させる必要のない打撃
センサを作動させるような無駄を省くことができる。
【0077】また、剥離診断は打撃センサ13a〜13
cにより行うようにしたから、全てのタイルに対して同
一条件で診断を行い、また同一基準で剥離判断を行うこ
とになる。よって、従来のように、作業員の年齢或いは
体調など作業員によって診断条件或いは診断基準等が変
化することがなく、的確な剥離診断を行うことができ
る。
【0078】また、各タイル毎の剥離診断の結果を、P
Ca版毎に記憶装置2eに格納するようにしたから、タ
イル単位での診断結果を容易に管理することができ、P
Ca版における異常箇所を点滅表示させる等、明示する
ことにより、作業員に異常箇所を明示することができ
る。よって、作業員にPCa版における異常箇所を容易
に認識させることができ、異常箇所の改修時等迅速に処
理することができる。また、例えば、PCa版毎の異常
箇所数の把握、或いは、異常箇所の生じやすい箇所の把
握等、複数のPCa版についても、統計的に診断結果を
管理することができ、剥離診断結果を容易に管理するこ
とができると共に、剥離診断結果を有効に活用すること
ができる。
【0079】また、Y軸ガイドレール調整用ハンドル2
7を操作することによって、外フレーム22Aに対する
内フレーム22Bの相対位置関係を調整できるようにし
たから、診断部13の診断方向とPCa版50のタイル
の並び方向とを容易に一致させることができる。よっ
て、例えば、図11に示すように、基準レール11と平
行な方向とこれと直交する方向とで決まる外フレーム2
2Aの座標系を(X22A,Y22A )とし、Y軸ガイドレ
ール調整用ハンドル27での操作量だけ外フレーム22
Aの座標系(X22A ,Y22A )に対して傾いた内フレー
ム22Bの座標系を(X22B ,Y22B )とし、PCa版
50の座標系を(X50,Y50)としたとき、基準レール
11に対して診断対象のPCa版50を斜めに載置した
場合には、外フレーム22Aと内フレーム22Bとが一
体であるときは、診断部13は基準レール11と平行な
方向及びこれと直交する方向に移動するから、診断部1
3の移動方向、つまり内フレーム22Bの座標系(X
22B ,Y22B )とPCa版50の座標系(X50,Y50
とが一致しない。よって、各タイルについて同一位置を
叩打することができず、的確な位置の剥離診断を行うこ
とができない。
【0080】しかしながら、上記実施の形態では、Y軸
ガイドレール調整用ハンドル27を操作することによっ
て、外フレーム22Aに対する内フレーム22Bの相対
位置関係を調整することができるから、内フレーム22
Bの座標系(X22B ,Y22B)とPCa版50の座標系
(X50,Y50)とを一致させることができ、基準レール
11に対してPCa版50を斜めに載置した場合でも、
各タイルに対して同一位置における剥離診断を行うこと
ができる。
【0081】よって、クレーン等でPCa版50を載置
するような場合、PCa版50を基準レール11に対し
て平行に載置することはとても手間がかかることである
が、PCa版50を基準レール11間に載置する場合に
それほど精度を要しないから、PCa版50の載置を容
易に行うことができ、処理効率を向上させることができ
る。
【0082】また、X軸位置センサ29x及びY軸位置
センサ29yを設け、診断開始時には、X軸位置センサ
29x及びY軸位置センサ29yに基づいて、例えばP
Ca版50の診断範囲AAN のうちの最左上端のタイル
上の所定の位置等、予め設定したPCa版50上の診断
開始位置PS を検出し、この位置を基点として診断部1
3を移動させるようにしたから、Y軸ガイドレール調整
用ハンドル27を操作することによって、内フレーム2
2BとPCa版50との相対位置関係がずれた場合、或
いは、PCa版50の載置位置等に係わらず、確実に所
定の診断開始位置PS から診断を開始させることができ
る。
【0083】特に、Y軸ガイドレール調整用ハンドル2
7を操作して内フレーム22BとPCa版50とが平行
になるように調整した場合には、搬送機12を次の診断
範囲に移動させる毎に、内フレーム22BとPCa版5
0の診断開始位置PS との相対位置関係がずれることに
なるが、X軸位置センサ29x及びY軸位置センサ29
yに基づき所定の診断開始位置PS を検出することがで
き、容易に診断を開始することができる。
【0084】また、搬送機12は移動可能に形成され、
複数の診断範囲について連続して診断を行うことができ
るから、診断対象のPCa版50の基準レール11の方
向の長さに応じて搬送機12を移動させ、例えば、PC
a版50が小さく、診断部13での診断可能範囲ARよ
りも小さい場合には、搬送機12を一度位置決めするだ
けで剥離診断を行うことができ、また、PCa版が長い
場合には搬送機12を複数回移動させることによって、
診断対象のPCa版50の大きさに係わらず、容易に剥
離診断を行うことができる。
【0085】さらに、高さ調整ハンドル25によって、
外フレーム22Aの高さ調整を行うことができるように
なっているから、例えば、搬送機12を移動させる場合
等には、外フレーム22Aを上昇させた後移動させるこ
とによって、例えばPCa版50と診断部13とが接触
することを防止することができる。また、PCa版50
の載置位置によっては、PCa版50と内フレーム22
Bとが平行とならないことがあるが、この場合には、各
高さ調整ハンドル25を操作することによって、PCa
版50と内フレーム22Bとを平行に位置させることが
でき、診断部13の移動可能面とPCa版50とが平行
となるように調整することによって、より適切な剥離診
断を行うことができる。
【0086】なお、上記実施の形態においては、3基の
打撃センサを診断部13に設けた場合について説明した
が、これに限らず1つ又はそれ以上の打撃センサを設け
るようにすることも可能である。また、打撃センサを診
断部13に固定配置した場合について説明したが、例え
ば、診断部13内でX軸及びY軸方向に移動可能に配設
し、診断対象のPCa版のタイルの配置状況等診断対象
物に応じてその配置位置を変更するようにすれば、診断
対象物に応じた的確な剥離診断を行うことができる。
【0087】また、上記実施の形態においては、打撃セ
ンサ13a〜13cをY軸方向にそれぞれタイル一つ分
間をあけて配置するようにしているが、これはタイルに
対して打撃センサ13a〜13cの方が大きく、隣接す
る3つのタイルに対向する位置に3基の打撃センサ13
a〜13cを配設することができないために、このよう
に配置しているものである。よって、例えば、打撃セン
サのY軸方向の長さに対してタイルのY軸方向の長さが
短い場合には、打撃センサを隣接する3つのタイルと対
向する位置に配置することができる。
【0088】また、上記実施の形態においては、診断部
13を移動させることにより、3基の打撃センサ13a
〜13cを移動させるようにした場合について説明した
が、これに限らず、各打撃センサを個別に移動できるよ
うにし、例えば前記所定間隔MX だけずらして移動させ
る、或いは、所定の時間間隔をあけて打撃センサを作動
させる等、互いの打撃センサによる反響音が混ざり合わ
ないように移動させるようにした場合でも上記と同等の
作用効果を得ることができる。
【0089】また、上記実施の形態においては、Y軸ガ
イドレール調整用ハンドル27を操作することによっ
て、内フレーム22Bを調整するようにした場合につい
て説明したが、例えば、PCa版50のX軸方向と平行
な辺の端部を検出する、レーザセンサ等からなるセンサ
を診断部13に設け、これによって、内フレーム22B
の座標系(X22B ,Y22B )とPCa版50の座標系
(X50,Y50)とが一致するか否かを検出し、これに応
じて、外フレーム22Aの長辺と内フレーム22Bの長
辺との間の距離を調整することによって、自動的に調整
するようにしてもよい。
【0090】同様に、診断部13とPCa版50の表面
との間の距離を検出するセンサ等を設け、このセンサの
検出値に基づいて、自動的に外フレーム22Aの高さ調
整を行うようにしてもよい。なお、上記実施の形態で
は、外フレーム22Aの高さを調整することにより、診
断部13とPCa版50との間の距離調整を行うように
しているが、例えば診断部13とY軸ベルト24bとの
間,或いはX軸方向走行装置23とY軸方向走行装置2
4との間,外フレーム22Aと内フレーム22Bとの間
等、これら間の距離を調整するようにしてもよい。
【0091】また、搬送機12についても、例えば搬送
機12を基準レール11に沿って移動させる駆動装置を
搬送機12に設け、例えば診断可能範囲AR内のタイル
について診断が終了した時点で、前記駆動装置により搬
送機12を所定量だけ移動させ、次の、診断対象範囲上
に搬送機12を移動させるようにし、PCa版に対する
全ての診断を自動的に行うようにすることも可能であ
る。
【0092】また、上記実施の形態においては、搬送機
12の移動と共に制御装置2を台車等で移動させるよう
にした場合について説明したが、これに限らず、例え
ば、制御装置2をストックヤード外に設け、遠隔操作に
より診断装置1を作動させるようにすることも可能であ
る。
【0093】また、上記実施の形態では、1つのタイル
について二箇所づつ叩く場合について説明したが、これ
に限るものではなく、タイルの大きさに応じて叩打箇所
数を変更したり、また、叩く位置を変更したりすること
も可能であり、このようにすることによって、より的確
な診断を行うことができる。
【0094】また、上記実施の形態においては、診断部
13に、特公平6−68486号公報に記載の建築物仕
上げ面の剥離診断方法を適用し、ハンマ等による叩打に
伴うその反響音をもとに、その減衰特性に基づいて、剥
離タイルであるか否かを検出するようにした場合につい
て説明したが、これに限らず、例えば、特公平6−79
017号公報に記載の空隙探査器等を適用し、その叩打
に伴う反響音の音圧に基づき剥離タイルであるか否かを
検出するようにすることもできる。また、叩打式の診断
部に限らず、超音波,赤外線を用いる方法,叩打したと
きに叩打具に生じる反発加速度による方法等、その外の
方法でも適用することができる。
【0095】また、上記実施の形態においては、X軸方
向のタイル毎に順に診断を行うようにした場合について
説明したが、これに限らず、Y軸方向のタイル毎に順に
診断を行うようにしてもよく、タイルの形状、タイルの
配置状況等に応じて診断方向を設定するようにすればよ
り効率よく診断を行うことができる。この場合、各打撃
センサ13a〜13cは、Y軸方向には所定間隔MX
X軸方向には、タイルのX軸方向の長さと叩打位置とで
決定される上記の所定量MY の間隔だけずらして診断部
13に配置し、また、各診断範囲AAN のX軸方向のタ
イル数に基づいて診断群Q,休止センサ等を設定すれば
よい。
【0096】また、上記実施の形態においては、診断部
13をX軸方向に定速で移動させながら剥離診断を行う
ようにした場合について説明したが、処理効率は低下す
るが、診断部13をタイル上の所定位置で停止させてか
ら診断を行うようにしてもよく、この場合には、打撃セ
ンサは診断方向に同一位置に配置するようにした方が効
率がよい。また、PCa版上のタイルについて順に診断
を行うようにした場合について説明したが、これに限る
ものはなく、診断対象物、タイルの配置状況、打撃セン
サの配置位置等に応じて、診断順を設定すればより効率
よく診断を行うことができる。また、全てのタイルにつ
いて診断を行う必要はなく、診断対象物に応じて診断順
或いは診断するタイルを設定することができる。
【0097】また、上記実施の形態では診断対象として
タイル打ち込みのPCa版を適用した場合について説明
したが、これに限らず、例えば、タイル以外のものが貼
着さているものでも適用することができ、また、一枚の
貼着物が全面にわたって貼着されている場合でも適用す
ることができる。
【0098】また、上記実施の形態では、地面に載置し
た診断対象に対して診断を行う場合について説明した
が、例えば、診断部13を壁面に沿って移動させるよう
にすれば、壁面にタイル等が貼着されている場合でも診
断を行うことができる。
【0099】また、上記実施の形態では、X軸方向走行
装置23及びY軸方向走行装置24を駆動制御すること
によって、診断部13をPCa版上で移動させる場合に
ついて説明したが、これに限らず、例えば、PCa版上
に、XY軸方向に自由に移動可能な走行装置を設け、こ
の走行装置に診断部13を固定することによって、診断
部13をPCa版上で移動させるようにすることも可能
であり、要は、診断部13がPCa版上の全面上を移動
することができればよい。
【0100】また、上記実施の形態においては、PCa
版のタイル割り付け情報、或いはサイズ等の情報をデー
タベースとして持っている場合について説明したが、キ
ーボード等の入力装置から作業員が入力するようにして
もよい。
【0101】また、例えば初期設定時等に、診断対象の
PCa版上を走査して、各種センサによりタイルの割り
付け状態を検出し、これに基づき診断部13を移動させ
るようにしてもよく、このようにすれば、不等間隔にタ
イルが配置されている場合でも確実にタイルの剥離診断
を行うことができる。
【0102】さらに、上記実施の形態においては、診断
部13において剥離診断を行いその結果だけを制御装置
2に通知するようにした場合について説明したが、これ
に限らず、例えば診断部13から所定の信号処理を施し
た処理後の信号を制御装置2に送信し、制御装置2側で
診断を行うようにしてもよい。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る剥離診断装置は、移動手段及び複数の剥離検出セ
ンサを制御手段により制御して、各剥離検出センサがそ
れぞれ一基準面内の所定位置にきたとき剥離検出センサ
による診断を実行させ、この操作を順次繰り返し行うよ
うにしたから、剥離検出センサを診断対象物と平行な面
内で移動させることによって、診断対象物の所定箇所の
剥離診断を、自動的に且つ複数の剥離検出センサにより
効率よく行うことができると共に、各診断箇所に対して
同一基準で剥離診断を行うことができる。
【0104】また、本発明の請求項2に係る剥離診断装
置は、制御手段によって移動手段及び複数の剥離検出セ
ンサを制御して、剥離検出手段が所定の位置にきたとき
に所定の剥離検出センサを作動させて剥離診断を行うよ
うにしたから、剥離検出手段を診断対象物と平行な面内
で移動させることによって、剥離検出手段を移動するこ
とにより複数の剥離検出センサを移動させることがで
き、診断対象物の所定箇所の剥離診断を、自動的に且つ
複数の剥離検出センサにより効率よく行うことができる
と共に、各診断箇所に対して同一基準で剥離診断を行う
ことができる。
【0105】また、本発明の請求項3に係る剥離診断装
置は、第1の方向の診断箇所列毎に診断を行う場合、剥
離検出センサは第1の方向と交差する第2の方向に診断
箇所列の間隔に応じてずらして配置したから、第1の方
向に剥離検出手段を移動させて診断を行ったとき、各剥
離検出センサはそれぞれ異なる診断箇所列に沿って移動
することになり、剥離検出手段を移動することにより複
数の診断箇所列に対する診断を行うことができる。
【0106】また、本発明の請求項4に係る剥離診断装
置は、第1の方向の診断箇所列毎に診断を行う場合、剥
離検出センサは第1の方向には剥離検出センサの検出時
間に応じた間隔だけずらして配置し、第1の方向と交差
する第2の方向には第2の診断箇所列の間隔だけずらし
て配置したから、複数の診断箇所列に対して診断を行う
ことができると共に、診断箇所からの情報に基づき診断
を行うような剥離検出センサである場合でも、複数の剥
離検出センサに対する診断箇所からの情報が混ざり合う
ことなく、且つ、剥離検出手段を移動させたままで診断
を行うことができ、より処理効率を向上させることがで
きる。
【0107】さらに、本発明の請求項5に係る剥離診断
方法は、複数の剥離検出センサを、第1の方向には剥離
検出センサでの剥離検出に要する検出時間に応じた間隔
だけずらし、第2の方向には診断箇所列の間隔だけずら
して剥離検出手段に配置したから、第1の方向の診断箇
所列毎に診断を行うことにより、診断箇所からの情報を
もとに剥離診断を行うような場合でも、複数の診断箇所
に対して的確に剥離診断を行うことができ、従来に比較
して大幅に処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における剥離診断装置の一例を示す概略
構成図である。
【図2】診断装置1の平面図である。
【図3】診断装置1の側面図である。
【図4】診断装置1の正面図である。
【図5】打撃センサ13a〜13cの配置を説明する説
明図である。
【図6】制御装置2の概略構成を表すブロック図であ
る。
【図7】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図8】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図9】制御装置2の処理手順を示すフローチャートの
一例である。
【図10】診断結果の表示形態の一例である。
【図11】本発明の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
1 診断装置 2 制御装置 12 搬送機 13 診断部 13a〜13c 打撃センサ 22A 外フレーム 22B 内フレーム 23 X軸方向走行装置 23a X軸ガイドレール 23c X軸モータ 24 Y軸方向走行装置 24a Y軸ガイドレール 24c Y軸モータ 25 高さ調整ハンドル 27 Y軸ガイドレール調整用ハンドル 29x X軸位置センサ 29y Y軸位置センサ 31 端部検出センサ 50 PCa版 100 剥離診断装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の剥離検出センサと、当該剥離検出
    センサを一基準面内の任意の位置に移動させる移動手段
    と、前記剥離検出センサ及び前記移動手段を制御する制
    御手段と、を備えることを特徴とする剥離診断装置。
  2. 【請求項2】 複数の剥離検出センサを備えた剥離検出
    手段と、当該剥離検出手段を一基準面内の任意の位置に
    移動させる移動手段と、前記剥離検出センサ及び前記移
    動手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とす
    る剥離診断装置。
  3. 【請求項3】 診断箇所は、第1の方向に平行な複数の
    直線と、前記第1の方向と交差する第2の方向に平行な
    複数の直線との交点にあり、前記移動手段は前記剥離検
    出手段を、順次前記第1の方向の一連の診断箇所列に沿
    って移動した後次の前記診断箇所列と対向する位置まで
    前記第2の方向に移動させることにより、前記第1の方
    向の診断箇所列毎に診断を行うようにした剥離診断装置
    であって、前記診断箇所の前記第2の方向の間隔に応じ
    て前記複数の剥離検出センサを前記第2の方向にずらし
    て配置したことを特徴とする請求項2記載の剥離診断装
    置。
  4. 【請求項4】 前記複数の剥離検出センサを、前記剥離
    検出センサでの検出時間に応じた所定間隔だけ前記第1
    の方向にずらして配置したことを特徴とする請求項3記
    載の剥離診断装置。
  5. 【請求項5】 第1の方向に平行な複数の直線と、前記
    第1の方向と交差する第2の方向に平行な複数の直線と
    の交点にある診断箇所に対し、当該診断箇所から得られ
    る情報をもとに剥離診断を行う剥離検出センサを用いて
    診断を行うようにした剥離診断方法であって、複数の前
    記剥離検出センサを、当該剥離検出センサでの検出時間
    に応じた所定間隔だけ前記第1の方向にずらして配置
    し、且つ前記診断箇所の前記第2の方向の間隔に応じて
    前記第2の方向にずらして配置し、前記複数の剥離検出
    センサが配置された剥離検出手段を、順次前記第1の方
    向の一連の診断箇所列に沿って移動した後次の診断箇所
    列と対向する位置まで前記第2の方向に移動し、前記診
    断箇所と前記剥離検出センサとが対向するときこの剥離
    検出センサを作動するようにしたことを特徴とする剥離
    診断方法。
JP8305040A 1996-11-15 1996-11-15 剥離診断装置及び剥離診断方法 Pending JPH10142203A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019178953A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社フジタ 検査対象物の状態評価装置
CN111537611A (zh) * 2020-05-19 2020-08-14 东莞市唯美陶瓷工业园有限公司 一种板状陶瓷超声回弹值自动测试装置、方法及存储介质

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