JPH10142056A - 回転型干渉計 - Google Patents

回転型干渉計

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JPH10142056A
JPH10142056A JP30011596A JP30011596A JPH10142056A JP H10142056 A JPH10142056 A JP H10142056A JP 30011596 A JP30011596 A JP 30011596A JP 30011596 A JP30011596 A JP 30011596A JP H10142056 A JPH10142056 A JP H10142056A
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rotation
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rotation axis
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Hiroshi Yokota
博 横田
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Kurashiki Spinning Co Ltd
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Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インタフェログラムデータ採取の効率ひいて
はスペクトル算出の効率を高めることができる回転型干
渉計を提供する。 【解決手段】 回転型干渉計の位相回転板21の回転角
取付角φが、0°より大きく90°より小さい値に設定
され、回転軸配置角ψが、0°より大きく(90°−
φ)より小さい範囲内の値に設定され、これにより、光
路差が、回転軸回転角ωが0°から180°までの範囲
内では単調増加し、ωが180°から360°までの範
囲内では単調減少するようになっている。かくして、位
相回転板21の回転動作の1/2が有効に利用され、回
転動作の1/4のみが有効に利用されるに過ぎない従来
の回転型干渉計に比べて、単位時間内に採取することが
できるインタフェログラムデータの量がほぼ2倍とな
り、インタフェログラムデータ採取の効率ひいてはスペ
クトル算出の効率が大幅に高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビームスプリッタ
と一方の固定反射鏡との間に配置された位相回転板を回
転させることにより光路差を変化させてインタフェログ
ラムをつくり、該インタフェログラムをフーリエ逆変換
することにより原光光線のスペクトルを算出するように
した回転型干渉計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スペクトルを測定すべき原光光線を直接
的には分光せずにその干渉現象を利用してインタフェロ
グラムをつくり、該インタフェログラムをフーリエ逆変
換することにより原光光線のスペクトルを算出するよう
にしたフーリエ変換分光装置は従来より知られている。
かかるフーリエ変換分光装置においては、基本的には、
原光光線を、ビームスプリッタにより第1の反射鏡に向
かう第1の光束と第2の反射鏡に向かう第2の光束とに
分け、何らかの方法で両光束の光路差を変化させながら
該両光束を再び結合させて干渉光を生じさせ、該干渉光
の強度(振幅)を所定の光路差間隔で繰り返し測定して
インタフェログラムデータ(このインタフェログラムデ
ータは、測定すべき原光光線の周波数スペクトルを光学
的にフーリエ変換したものである。)をつくり、このイ
ンタフェログラムデータをコンピュータ等を用いてフー
リエ逆変換して原光光線のスペクトルを求めるようにし
ている。そして、かかるフーリエ変換分光装置は、プリ
ズム分光器あるいは回折格子分光器などといった分散型
分光装置に比べて、測定効率が極めて高く、高感度でか
つ高精度のスペクトル測定を行うことができるといった
利点がある。
【0003】そして、従来のフーリエ変換分光装置にお
いては、普通、2つの反射鏡のうちのいずれか一方を、
光束の進行方向に所定の速度で直線的に移動させること
によって、第1の光束と第2の光束との光路差を変化さ
せるようにしている。具体的には、このようなフーリエ
変換分光装置においては、例えば次のような手順で光路
差が変化させられるようになっている。
【0004】すなわち、図9に示すように、かかるタイ
プのフーリエ変換分光装置(マイケルソン型干渉計)に
おいては、光源101から出た原光光線Rが平行光束に
コリメートされた後、ビームスプリッタ102によって
第1光束R1と第2光束R2とに分けられる。そして、第
1光束R1は、固定鏡103で反射された後、同じ光路
を通って再びビームスプリッタ102に戻される。他
方、第2光束R2は、可動鏡104で反射された後、同
じ光路を通って再びビームスプリッタ102に戻され
る。ビームスプリッタ102に戻された反射後の両光束
1、R2は、相合成されて光強度検出器105に入射さ
れる。ここで、第1光束R1と第2光束R2との光路差
は、可動鏡104をa方向又はb方向すなわち第2光束
2の進行方向に直線的に移動させることにより変化さ
せられる。
【0005】このフーリエ変換分光装置においては、可
動鏡104を直線的に移動させることにより光路差が変
化させられるようになっているが、この直線的な移動に
際して可動鏡104が若干でもふれると、このふれが直
接測定結果に影響を与えるので、可動鏡104の駆動機
構の製作には極めて精度の高い加工が必要とされる。し
かしながら、全くふれのない状態で可動鏡104を直線
的に移動させることが可能な駆動機構を製作するのは、
現実の機械加工の精度に鑑みれば非常にむずかしいとい
った問題がある。
【0006】そこで、可動鏡を直線的に移動させる代わ
りに、この可動鏡を固定鏡とした上で該固定鏡とビーム
スプリッタとの間に、回転軸まわりに自在に回転(又は
回動)することができる、ないしは回転角を自在に調整
することができる位相回転板を配設し、該位相回転板と
これを通過する光束との間の角度を変化させて光路差を
変化させるようにした回転型干渉計(回転型フーリエ変
換分光装置)が提案されている(例えば、特開昭58−
727号公報、特公昭48−10102号公報参照)。
そして、かかる従来の回転型干渉計では、普通、光束の
進行方向に垂直な方向に伸びる回転軸まわりに位相回転
板が回転させられ、これにより光束の位相回転板への入
射角が変化させられ、これに伴って該光束の光路長が変
化させられるようになっている。なお、特開昭58−7
27号公報に開示された回転型干渉計では、ビームスプ
リッタと固定鏡との間に2つ(1対)の位相回転板が設
けられている。
【0007】かかる回転型干渉計においては、位相回転
板の両受光面は平行でなければならないが、この平行度
の誤差は、前記の可動鏡の直線的な移動により光路差を
変化させるタイプのフーリエ変換分光装置における可動
鏡のふれに起因する誤差に相当する。ここで、位相回転
板は、ガラスあるいは結晶材質で形成されており、その
平行度は該位相回転板の回転運動により変化することは
ない。したがって、回転型干渉計には、可動鏡を直線的
に移動させて(走査して)光路差を変化させるタイプの
フーリエ変換分光装置に比べて、格段に駆動機構のずれ
等による誤差を受けにくいといった利点がある。また、
一般に駆動機構においては、平行運動よりも回転運動の
方が機構的に扱いやすいことから、該駆動機構にそれほ
ど高い加工精度が要求されないといった利点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図8に、かかる従来の
回転型干渉計(回転型フーリエ変換分光装置)におけ
る、回転軸回転角ωの変化に対する光路差の変化特性を
示す。なお、かかる従来の回転型干渉計においては、基
本的には、位相回転板を透過する光束の進行方向と位相
回転板の受光面の法線とがなす角で定義される受光面傾
斜角θは、回転軸回転角ωと等しくなる。図8から明ら
かなとおり、回転軸回転角ωが0°〜90°の範囲内
(以下、これを「第1位相領域」という)にあるときに
は光路差は単調増加し、90°〜180°の範囲内(以
下、これを「第2位相領域」という)にあるときには光
路差は単調減少し、180°〜270°の範囲内(以
下、これを「第3位相領域」という)にあるときには光
路差は単調増加し、270°〜360°(0°)の範囲
内(以下、これを「第4位相領域」という)にあるとき
には光路差は単調減少する。なお、第3位相領域におけ
る光路差の変化特性は第1位相領域におけるそれとほぼ
同一であり、第4位相領域における光路差の変化特性は
第2位相領域におけるそれとほぼ同一である。また、第
2位相領域における光路差の変化特性は第1位相領域に
おけるそれと、θ=90°に関してほぼ対称であり、第
4位相領域における光路差の変化特性は第3位相領域に
おけるそれと、θ=270°に関してほぼ対称である。
【0009】そして、一般に、光路差が単調増加又は単
調減少する際に1回の光路走査が行われるので、かかる
従来の回転型干渉計においては、理論的には、位相回転
板が360°回転する間に、第1〜第4位相領域でそれ
ぞれ光路走査を行うことができ、したがって4回の光路
走査を行うことができることになる。しかしながら、実
際には、位相回転板の受光面の平行度には微妙なずれが
伴われるので、この4回の光路走査は完全に同一条件で
あるとはいえず、これらの光路走査によって得られる各
インタフェログラムデータは共通なもの(共通処理が可
能なもの)とはいえない。このため、完全に同一条件の
光路走査によって得られるインタフェログラムデータを
累積してスペクトルを算出しようとすれば、位相回転板
を連続的に回転させつつ、第1〜第4位相領域のうちの
いずれか1つの位相領域における光路走査で得られたイ
ンタフェログラムデータのみを採用し、その他の3つの
位相領域における光路走査で得られたインタフェログラ
ムデータは廃棄するといった対応をとるか、あるいは位
相回転板を第1位相領域(0°≦ω≦90°)又はその
一部領域内で往復回転運動(回動)させてインタフェロ
グラムデータを採取するといった対応をとることにな
る。
【0010】ここで、前者の対応をとる場合は、位相回
転板の回転動作の1/4のみが有効に利用されるだけで
あり、その他の3/4の回転動作は無駄となる。したが
って、インタフェログラムデータを累積して用いる場合
等において、単位時間内に多数のインタフェログラムデ
ータを採取しようとするときには、インタフェログラム
データ採取の効率ひいてはスペクトル算出の効率が悪く
なるといった問題が生じる。さらに、回転軸回転角ωが
0°又は180°になるとき(光束の位相回転板への入
射角が0°のとき)には位相回転板の受光面の反射光が
ビームスプリッタを介して干渉光強度検出器に入力さ
れ、回転軸回転角ωが90°又は270°になるとき
(光束の位相回転板への入射角が90°のとき)には位
相回転板のエッジ面の反射光がビームスプリッタを介し
て干渉光強度検出器に入力され、したがって該干渉光強
度検出器に、異常な強度を伴った周期的な光線が入力さ
れることになり、これにより誤差が生じてインタフェロ
グラムデータの精度が悪くなるといった問題が生じる。
【0011】他方、後者の対応をとる場合は、位相回転
板の運動が、往復回転(回動)運動すなわち回転方向が
変わるときに角運動量が変化するような運動になるの
で、位相回転板の運動エネルギーも周期的に変化する。
このため、位相回転板の運動エネルギーと、該エネルギ
を供給するエネルギ供給機構との間に、エネルギの周期
的な流れが生じ、かかるエネルギの流れは振動エネルギ
あるいは熱エネルギとして散逸されることになり、この
ような振動あるいは熱によって測定誤差が引き起こされ
るといった問題が生じる。
【0012】さらに、従来の回転型干渉計においては、
次のようなもうひとつの重要な問題がある。すなわち、
図8から明らかなとおり、回転軸回転角ωと光路差とは
直線的な関係にはない。他方、位相回転板をモータ等で
回転させる場合は、駆動機構が簡素でありコストが低減
されるといったことから、位相回転板を一定の角速度で
回転させるのが普通である。かくして、位相回転板が一
定の角速度で回転させられる場合は、回転軸回転角ωの
値に応じて光路差の変化率が変化することになる。つま
り、光路差は、回転軸回転角ωの変化に対して、ひいて
は時間に対して、曲線的に変化することになる。したが
って、一定の光路差間隔で干渉光の強度を測定してイン
タフェログラムをつくる場合、干渉光強度を測定する時
間間隔は時々刻々変化する。他方、干渉光の強度を検出
する干渉光強度検出器及びその電気回路の周波数特性は
フラットではないので、このように干渉光強度を測定す
る時間間隔が変化すると、干渉光強度の検出値に誤差が
生じやすくなる。このため、インタフェログラムデータ
を逆フーリエ変換して算出されたスペクトルにゴースト
が現れるなどといった誤差が惹起されることになる。
【0013】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、インタフェログラムデータ採
取の効率ひいてはスペクトル算出の効率を高めることが
でき、位相回転板の受光面あるいはエッジ面の反射光が
ビームスプリッタを介して干渉光強度検出器に入力され
るのを防止することができ、さらには光路差が回転軸回
転角ωに対して実質的に直線的に変化する状態でインタ
フェログラムデータを得ることができる回転型干渉計を
提供することを解決すべき課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の第1の態様は、スペクトルを測定す
べき原光光線を、第1の反射鏡に向かう第1の光束と第
2の反射鏡に向かう第2の光束とに分ける一方、第1の
反射鏡で反射された第1の光束と第2の反射鏡で反射さ
れた第2の光束とを受け入れて該両光束を同一方向に進
ませつつ相互に干渉させて干渉光を生じさせるビームス
プリッタと、上記干渉光の強度を測定する干渉光強度測
定手段と、ビームスプリッタと第1の反射鏡との間に配
置され、回転軸まわりに回転し、その回転角に応じて第
1の光束の光路長を変化させる位相回転板と、第1の光
束と第2の光束との光路差を測定する光路差測定手段
と、干渉光強度測定手段によって測定された干渉光の強
度と、光路差測定手段によって測定された光路差とに基
づいてインタフェログラムをつくり、該インタフェログ
ラムをフーリエ逆変換することにより原光光線のスペク
トルを算出するスペクトル算出手段とが設けられている
回転型干渉計であって、位相回転板の回転軸の軸線と位
相回転板の受光面の法線とがなす角で定義される回転軸
取付角φが、0°より大きく90°より小さい範囲内の
値に設定される一方、位相回転板の回転軸の軸線と第1
の光束の進行方向とがなす角で定義される回転軸配置角
ψが90°に設定されていることを特徴とするものであ
る。
【0015】この回転型干渉計においては、回転軸回転
角ωがどのような値であっても、位相回転板の受光面の
法線と第1の光束の進行方向とがなす角で定義される受
光面傾斜角θが0°又は180°になることがないの
で、換言すれば第1の光束の位相回転板への入射角(以
下、これを「光束入射角」という)が0°にはならない
ので、位相回転板の受光面の反射光がビームスプリッタ
を介して干渉光強度測定手段に入力されることがない。
したがって、該反射光に起因して干渉光強度測定手段に
異常な強度を伴った周期的な光線が入力されるといった
従来の回転型干渉計の場合のような不具合が生じない。
このため、インタフェログラムの測定精度が高められ
る。
【0016】ここで、いかなる場合においても受光面傾
斜角θが0°又は180°にはならない(光束入射角が
0°にはならない)理由は、およそ次のとおりである。
すなわち、受光面傾斜角θは、一般に、次の式1に示す
とおり、回転軸回転角ωと回転軸取付角φと回転軸配置
角ψとによって一義的に決定される。
【数1】 θ=cos-1(sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψ)…………………式1 そして、この回転型干渉計においては、ψ=90°であ
るので、θ=cos-1(sinφ・cosω)となる。また、0°
<φ<90°であるので、0<sinφ<1である。他
方、−1≦cosω≦1であるので、結局−1<sinφ・cos
ω<1となる。よって、sinφ・cosωが1又は−1とな
ることはないので、cos-1(sinφ・cosω)すなわちθが
0°又は180°となることはない。
【0017】本発明の第2の態様は、上記の第1の態様
にかかる回転型干渉計において、上記回転軸取付角φ
が、0°より大きく90°より小さい範囲内の値には設
定されずに、90°に設定され、かつ、上記回転軸配置
角ψが、90°には設定されずに、0°より大きく90
°より小さい範囲内の値に設定されていることを特徴と
するものである。この場合も、基本的には上記第1の態
様にかかる回転型干渉計の場合と同様の作用及び効果を
奏する。けだし、この場合は、φ=90°であるので、
式1によりθ=cos-1(sinψ・cosω)となるが、0°<
ψ<90°すなわち0<sinψ<1であるので、結局−
1<sinψ・cosω<1となり、cos-1(sinψ・cosω)す
なわちθが0°又は180°となることはないからであ
る。
【0018】また、本発明の第3の態様は、上記の第1
の態様にかかる回転型干渉計において、回転軸配置角ψ
が、90°には設定されず、0°より大きく(90°−
φ)より小さい範囲内の値に設定されていることを特徴
とするものである。なお、この回転型干渉計において
は、回転軸取付角φと回転軸配置角ψとが、互いに異な
る値に設定されるのが好ましい。
【0019】この回転型干渉計においては、回転軸回転
角ωが0°から180°までの範囲内(以下、これを
「第1回転角領域」という)にあるときにはωの増加に
伴って受光面傾斜角θが0°より大きく90°より小さ
い範囲内で単調増加し、他方回転軸回転角ωが180°
から360°までの範囲内(以下、これを「第2回転角
領域」という)にあるときにはωの増加に伴って受光面
傾斜角θが上記範囲内で単調減少する。したがって、第
1回転角領域ではωの増加に伴って光路差が単調増加
し、第2回転角領域ではωの増加に伴って光路差が単調
減少する。
【0020】かくして、この回転型干渉計では、理論的
には、位相回転板が360°回転する間に、第1〜第2
回転角領域でそれぞれ光路走査を行うことができ、した
がって2回の光路走査を行うことができることになる。
しかしながら、実際には完全に同一条件で光路走査を行
って共通なインタフェログラムデータを得るために、位
相回転板を連続的に回転させつつ、第1〜第2回転角領
域のうちのいずれか一方における光路走査で得られたイ
ンタフェログラムデータのみを採用し、他方の回転角領
域における光路走査で得られたインタフェログラムデー
タは廃棄することになるので、結局位相回転板の回転動
作の1/2が有効に利用されることになる。前記したと
おり、従来の回転型干渉計においては、位相回転板の回
転動作の1/4のみが有効に利用されるだけであり、そ
の他の3/4の回転動作は無駄となっていたのであるか
ら、本発明にかかるこの回転型干渉計では、単位時間内
に採取することができるインタフェログラムデータの量
は従来のほぼ2倍となり、インタフェログラムデータ採
取の効率ひいてはスペクトル算出の効率が大幅に高めら
れる。
【0021】ここで、受光面傾斜角θないしは光路差
が、第1回転角領域(0°≦ω≦180°)では単調増
加し、第2回転角領域(180°≦ω≦360°)では
単調減少する理由はおよそ次のとおりである。すなわ
ち、前記の式1に示すように、θ=cos-1(sinφ・sinψ
・cosω+cosφ・cosψ)であるが、φ及びψは定数であ
るので、sinφ・sinψ及びcosφ・cosψは定数である。し
たがって、sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψは、簡潔に
あらわせば、A・cosω+B(A、Bは定数)の形の三角
関数であり、基本的には、第1回転角領域ではωの増加
に伴って単調減少し、第2回転角領域ではωの増加に伴
って単調増加する。そして、ψ+φ<90°であるの
で、sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψは、ωのいかんに
かかわらず、0よりも大きい値となる。けだし、cosω
の最小値は−1(ω=180°の場合)であるが、この
場合は、sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψ=−sinφ・si
nψ+cosφ・cosψ=cos(φ+ψ)となり、ここでφ+
ψ<90°であるので、結局cos(φ+ψ)>0となる
からである。つまり、第1回転角領域では、sinφ・sin
ψ・cosω+cosφ・cosψが正の値の範囲内で単調減少す
るので、cos-1(sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψ)す
なわちθは単調増加することになる。他方、第2回転角
領域では、sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψが正の値の
範囲内で単調増加するので、cos-1(sinφ・sinψ・cosω
+cosφ・cosψ)すなわちθは単調減少することにな
る。
【0022】また、この回転型干渉計においては、回転
軸回転角ωがどのような値であっても、受光面傾斜角θ
(光束入射角)が90°になることはない。換言すれ
ば、位相回転板のエッジ面が第1の光束の進行方向と垂
直にならない。このため、位相回転板のエッジ面の反射
光がビームスプリッタを介して干渉光強度測定手段に入
力されることがない。したがって、該反射光に起因して
干渉光強度測定手段に異常な強度を伴った周期的な光線
が入力されるといった従来の回転型干渉計の場合のよう
な不具合が発生せず、インタフェログラムの測定精度が
高められる。
【0023】なお、受光面傾斜角θが90°にならない
理由は、およそ次のとおりである。すなわち、前記した
とおり、sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψの最小値は0
より大きく、したがって0になることはないので、cos
-1(sinφ・sinψ・cosω+cosφ・cosψ)すなわちθが9
0°になることはありえない。
【0024】この回転型干渉計において、回転軸取付角
φと回転軸配置角ψとが、好ましく互いに異なる値に設
定されている場合は、回転軸回転角ωがどのような値で
あっても、受光面傾斜角θ(光束入射角)が0°となる
ことはない。換言すれば、位相回転板の受光面が第1の
光束の進行方向と垂直にならない。したがって、位相回
転板の受光面の反射光がビームスプリッタを介して干渉
光強度測定手段に入力されることがない。このため、干
渉光強度測定手段に異常な強度を伴った周期的な光線が
入力されるといった現象が完全に防止され、インタフェ
ログラムの測定精度が一層高められる。
【0025】なお、受光面傾斜角θが0°にならない理
由は、およそ次のとおりである。すなわち、sinφ・sin
ψ・cosω+cosφ・cosψは、ωの値のいかんにかかわら
ず1より小さい値となる。けだし、cosωの最大値は1
(ω=0°又は360°のとき)であるが、この場合、
θ=cos-1(sinφ・sinψ+cosφ・cosψ)=cos-1[cos
(φ−ψ)]となり、したがってcos(φ−ψ)=1の
場合すなわちφ=ψの場合にのみθ=0°となりうる
が、φ≠ψであるので、θ=0°となることはありえな
い。
【0026】上記の各回転型干渉計においては、位相回
転板が一定の角速度で回転している場合であって、受光
面傾斜角θが0°から90°までの範囲内にあるとき
に、第1の光束の光路長を回転軸回転角ωで2次微分し
て得られる2次微分値(すなわち、光路長を時間で2次
微分して得られる2次微分値)が、インタフェログラム
がつくられる回転軸回転角ωの範囲内では実質的に0と
なるように、回転軸取付角φと回転軸配置角ψとが設定
されているのが好ましい。この場合、上記2次微分値が
完全に0となる回転軸回転角ωが、インタフェログラム
のセンターバーストに対応するように、回転軸取付角φ
と回転軸配置角ψとが設定されるのがさらに好ましい。
このようにすれば、光路差が回転軸回転角ωすなわち時
間に対して実質的に直線的に変化する状態でインタフェ
ログラムデータを得ることができる。つまり、位相回転
板が一定速度で回転運動しているときに、時間に関する
変化率が一定である光路差変化が得られ、インタフェロ
グラムデータの測定精度が向上する。
【0027】上記回転型干渉計においては、受光面傾斜
角θが、ビームスプリッタの受光面の法線と第1の光束
の進行方向とがなす角で定義されるビームスプリッタ傾
斜角と一致するときに、上記2次微分値が完全に0とな
るように、回転軸取付角φと回転軸配置角ψとが設定さ
れているのが一層好ましい。なお、ビームスプリッタ傾
斜角は、一般に45°とされる。したがって、この場合
は、受光面傾斜角θが45°のときに、上記2次微分値
が0になるようにし、かつインタフェログラムのセンタ
ーバーストをこの点に一致させることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、本発
明にかかる回転型干渉計(回転型フーリエ変換分光器)
の構成を示す模式図である。図1に示すように、この回
転型干渉計においては、赤外光源1から放射された原光
光線Eが、アパーチャ2を通過しさらに第1レンズ3を
透過した後、第1反射ミラー4により反射されてその進
行方向を90°変えられ、ピンホール5に集光される。
さらに、この原光光線Eは、第2レンズ6によりコリメ
ートされてビームスプリッタ7に入射され、このビーム
スプリッタ7によって、第1光束E1及び第2光束E2
2つの光束に分割される。ここで、第1光束E1は、位
相回転板装置8の位相回転板21を透過して第1固定鏡
9に向かい、この第1固定鏡9によって反射された後、
再び位相回転板21を透過してビームスプリッタ7に入
射される。他方、第2光束E2は、第2固定鏡10に向
かい、この第2固定鏡10で反射された後、再びビーム
スプリッタ7に入射される。
【0029】そして、それぞれ第1固定鏡9と第2固定
鏡10とによって反射されてビームスプリッタ7に再入
射された第1光束E1と第2光束E2とは、該ビームスプ
リッタ7によって同一方向に向けられ、両光束E1、E2
は再結合されて互いに干渉しあい干渉光E3となる。こ
の干渉光E3は、第3レンズ11を透過した後、第2反
射ミラー12によって反射されてその進行方向を変えら
れ、サンプル13に集光される。このサンプル13を透
過した干渉光E3は、第4レンズ14によって焦電型の
光センサ15に集光される。なお、光センサ15は、こ
れに入射された干渉光E3の強度に対応する電気信号を
出力する。
【0030】前記の第1反射ミラー4の中央部には、該
第1反射ミラー4を貫通する第1穴部16が形成されて
いる。そして、レーザ光源17からHe−Neレーザ光線
Bが放射され、このレーザ光線Bは、第1穴部16を通
過した後、原光光線Eの光束のほぼ中央部を該原光光線
Eと同一方向に進む。このレーザ光線Bは、ピンホール
5と第2レンズ6とを通過した後、ビームスプリッタ7
に入射され、該ビームスプリッタ7によって第1レーザ
光線B1と第2レーザ光線B2とに分割される。ここで、
第1レーザ光線B1は、位相回転板21を透過して第1
固定鏡9に向かい、この第1固定鏡9によって反射さ
れ、再び位相回転板21を透過してビームスプリッタ7
に入射される。他方、第2レーザ光線B2は、第2固定
鏡10に向かい、この第2固定鏡10で反射された後、
再びビームスプリッタ7に入射される。
【0031】そして、それぞれ第1固定鏡9と第2固定
鏡10とによって反射されてビームスプリッタ7に再入
射された第1レーザ光線B1と第2レーザ光線B2とは、
該ビームスプリッタ7によって同一方向に向けられ、両
レーザ光線B1、B2は再結合されて互いに干渉しあい干
渉レーザ光B3となる。この干渉レーザ光B3は、第3レ
ンズ11を透過して第2反射ミラー12に向かい、第2
反射ミラー12の中央部に該第2反射ミラー12を貫通
して形成された第2穴部18を通過してレーザ光センサ
19(シリコンフォトダイオード)に入射される。な
お、レーザ光センサ19は、これに入射された干渉レー
ザ光B3の強度に対応する電気信号を出力する。
【0032】ビームスプリッタ7と第1固定鏡9との間
に配置された位相回転板装置8は、その位相回転板21
を回転軸L3(図2参照)まわりに一定の角速度で回転
させ、回転軸回転角ω(図2参照)に応じて第1光束E
1の光路長を変化させ、これによって第1光束E1と第2
光束E2の光路差を変化させるようになっている。そし
て、この回転型干渉計は、従来の回転型干渉計の場合と
ほぼ同様に、光センサ15によって検出された干渉光E
3の強度と、レーザ光センサ19によって検出された干
渉レーザ光B3の強度から得られる第1光束E1と第2光
束E2との間の光路差とに基づいてインタフェログラム
をつくり、該インタフェログラムをフーリエ逆変換する
ことによりスペクトルを算出するようになっている。
【0033】図2に示すように、第1光束E1の光路長
を左右する位相回転板21の配置状態ないしは姿勢は、
基本的には、回転軸L3の回転位相角である回転軸回転
角ωと、回転軸L3と位相回転板受光面法線L2とがなす
角である回転軸取付角φと、回転軸L3と第1光束E1
進行方向とがなす角である回転軸配置角ψと、位相回転
板受光面法線L2と第1光束E1の進行方向とがなす角で
ある受光面傾斜角θとによって特徴づけられる。ここ
で、位相回転板21は、両受光面が平行となるように形
成された、所定の厚みを有する平行平面基板であり、そ
の材質はCaF2である。また、ビームスプリッタ7の
材質及び厚みは、位相回転板21のそれらと同一とさ
れ、さらに図1中での位置関係においてビームスプリッ
タ7の第1固定鏡9側の受光面にアルミ蒸着が施され、
これによりビームスプリッタ7がビームスプリット機能
を備えるようになっている。
【0034】以下、位相回転板装置8の具体的な構造を
説明する。図3は、位相回転板装置8の機械構造を示す
図である。図3に示すように、この位相回転板装置8に
は、リング状のベアリング22が設けられ、このベアリ
ング22の外輪部は取付部材23を介してベース24
(基部)に固定されている。他方、ベアリング22の内
輪部は、位相回転板21を保持している略円柱形の位相
回転板保持部材29の外周部に固定されている。つま
り、位相回転板保持部材29は、ベアリング22を介し
て、取付部材23ひいてはベース24に取り付けられ、
回転軸L3まわりに自在に回転できるようになってい
る。
【0035】さらに、位相回転板保持部材29の外周部
には第1プーリ25が取り付けられ、他方ベース24に
固定されたモータ26の駆動軸には第2プーリ27が取
り付けられている。そして、第1プーリ25と第2プー
リ27とにはベルト28が巻きかけられている。つま
り、モータ26によって位相回転板保持部材29が回転
軸L3まわりに一定の角速度で回転させられ、ひいては
位相回転板21が回転軸L3まわりに一定の角速度で回
転させられるようになっている。ここで、位相回転板2
1は、その受光面法線L2が回転軸L3に対して角度φ
(回転軸取付角)だけ傾斜するようにして位相回転板保
持部材29内に配置されている。なお、位相回転板保持
部材29ひいては位相回転板21の回転速度は、例えば
5Hzに設定される。
【0036】以下、第1光束E1の光路長ないしは光路
差を左右する、位相回転板装置8ないしは位相回転板2
1の回転軸取付角φ及び回転軸配置角ψ等の設定方法に
ついて説明する。 (1)回転軸取付角φ及び回転軸配置角ψは、いずれも
0°より大きい値に設定しなければならない。けだし、
回転軸取付角φ又は回転軸配置角ψが0°の場合は、回
転軸回転角ωの変化に対して第1光束E1の光路長が変
化しないからである。その理由はおよそ次のとおりであ
る。すなわち、前記の式1において、φ=0°とすれ
ば、θ=cos-1(cosψ)となるが、cosψは一定である
ので、受光面傾斜角θすなわち第1光束E1の位相回転
板21に対する入射角が、回転軸回転角ωの値のいかん
にかかわらず一定となるからである。また、ψ=0°の
場合も、θ=cos-1(cosφ)となるので、同様である。
【0037】(2)回転角取付角φが、0°より大きく
90°より小さい場合においては、回転軸配置角ψは9
0°に設定されてもよい。この場合は、回転軸回転角ω
がどのような値であっても、受光面傾斜角θが0°又は
180°になることがないので、換言すれば第1光束E
1の位相回転板21への入射角(以下、これを「第1光
束入射角」という)が0°にはならないので、位相回転
板21の受光面の反射光がビームスプリッタ7を介して
光センサ15に入力されることがない。したがって、該
反射光に起因して光センサ15に異常な強度を伴った周
期的な光線が入力されるといった不具合が生じない。こ
のため、インタフェログラムの測定精度が高められる。
なお、いかなる場合においても受光面傾斜角θが0°又
は180°にはならない(光束入射角が0°にはならな
い)理由は、前記の段落[0016]で説明したとおり
である。
【0038】(3)回転角配置角ψが、0°より大きく
90°より小さい場合においては、回転軸取付角φは9
0°に設定されてもよい。この場合も、回転軸回転角ω
がどのような値であっても、受光面傾斜角θが0°又は
180°になることがないので、位相回転板21の受光
面の反射光がビームスプリッタ7を介して光センサ15
に入力されることがなくなり、インタフェログラムの測
定精度が高められる。なお、いかなる場合においても受
光面傾斜角θが0°又は180°にはならない理由は、
前記の段落[0017]で説明したとおりである。
【0039】(4)回転角取付角φが、0°より大きく
90°より小さい場合においては、回転軸配置角ψは、
0°より大きく(90°−φ)より小さい範囲内の値に
設定されてもよい。なお、回転軸取付角φと回転軸配置
角ψとは、互いに異なる値に設定されるのが好ましい。
この場合は、回転軸回転角ωが0°から180°までの
範囲内にある第1回転角領域では、ωの増加に伴って受
光面傾斜角θが0°より大きく90°より小さい範囲内
で単調増加し、他方回転軸回転角ωが180°から36
0°までの範囲内にある第2回転角領域では、ωの増加
に伴って受光面傾斜角θが上記範囲内で単調減少する。
したがって、第1回転角領域ではωの増加に伴って光路
長が単調増加し、第2回転角領域ではωの増加に伴って
光路長が単調減少する。かくして、この場合は、理論的
には、位相回転板21が360°回転する間に、第1〜
第2回転角領域でそれぞれ光路走査を行うことができ
る。しかしながら、実際には完全に同一条件で光路走査
を行って共通なインタフェログラムデータを得るため
に、第1〜第2回転角領域のうちのいずれか一方におけ
る光路走査で得られたインタフェログラムデータのみを
採用し、他方の回転角領域における光路走査で得られた
インタフェログラムデータは廃棄することになる。この
場合は、位相回転板21の回転動作の1/2が有効に利
用されることになり、回転動作の1/4のみが有効に利
用されるに過ぎない従来の回転型干渉計に比べて、単位
時間内に採取することができるインタフェログラムデー
タの量はほぼ2倍となり、インタフェログラムデータ採
取の効率ひいてはスペクトル算出の効率が大幅に高めら
れる。なお、受光面傾斜角θないしは光路差が、第1回
転角領域では単調増加し、第2回転角領域では単調減少
する理由は、前記の段落[0021]で説明したとおり
である。
【0040】また、この場合は、回転軸回転角ωがどの
ような値であっても、受光面傾斜角θ(光束入射角)が
90°になることはない。換言すれば、位相回転板21
のエッジ面が第1光束E1の進行方向と垂直にならな
い。このため、位相回転板21のエッジ面の反射光がビ
ームスプリッタ7を介して光センサ15に入力されるこ
とがない。したがって、該反射光に起因して光センサ1
5に異常な強度を伴った周期的な光線が入力されるとい
った不具合が発生せず、インタフェログラムの測定精度
が高められる。なお、受光面傾斜角θが90°にならな
い理由は、前記の段落[0023]で説明したとおりで
ある。
【0041】ここで、回転軸取付角φと回転軸配置角ψ
とが、好ましく互いに異なる値に設定されている場合
は、回転軸回転角ωがどのような値であっても、受光面
傾斜角θ(光束入射角)が0°となることはない。換言
すれば、位相回転板21の受光面が第1光束E1の進行
方向と垂直にならない。したがって、位相回転板21の
受光面の反射光がビームスプリッタ7を介して光センサ
15に入力されることがない。このため、光センサ15
に異常な強度を伴った周期的な光線が入力されるといっ
た現象が完全に防止され、インタフェログラムの測定精
度が一層高められる。なお、受光面傾斜角θが0°にな
らない理由は、前記の段落[0025]で説明したとお
りである。
【0042】(5)回転軸取付角φと回転軸配置角ψと
は、位相回転板21が一定の角速度で回転している場合
において、受光面傾斜角θが0°から90°までの範囲
内にあるときに、第1光束E1の光路長(光路差)を回
転軸回転角ωで2次微分して得られる2次微分値、すな
わち光路長(光路差)を時間で2次微分して得られる2
次微分値が、インタフェログラムがつくられる回転軸回
転角ωの範囲内では実質的に0となるように設定される
のが好ましい。なお、上記2次微分値が完全に0となる
回転軸回転角ωが、インタフェログラムのセンターバー
ストに対応するように、回転軸取付角φと回転軸配置角
ψとが設定されるのがさらに好ましい。このようにすれ
ば、光路長(光路差)が回転軸回転角ωすなわち時間に
対して実質的に直線的に変化する状態でインタフェログ
ラムデータを得ることができる。つまり、位相回転板2
1が一定の角速度で回転運動しているときに、時間に関
する変化率が一定である光路長(光路差)変化が得ら
れ、インタフェログラムデータの測定精度が向上する。
【0043】(6)回転軸取付角φと回転軸配置角ψと
は、受光面傾斜角θが、ビームスプリッタ7の受光面の
法線と第1光束E1の進行方向とがなす角であるビーム
スプリッタ傾斜角と一致するときに、上記2次微分値が
完全に0となるように設定されるのが一層好ましい。な
お、ビームスプリッタ傾斜角は、一般に45°とされ
る。したがって、この場合は、受光面傾斜角θが45°
のときに、上記2次微分値が0になるようにし、かつイ
ンタフェログラムのセンターバーストをこの点に一致さ
せることになる。
【0044】以下、回転軸取付角φ及び回転軸配置角ψ
を所定の好ましい値に設定して受光面傾斜角θ、第1光
束E1の光路長(光路差)及び該光路長(光路差)の2
次微分値の変化特性を求めた結果について説明する。な
お、ここでは、第1光束E1の光路長は、所定の基準値
(回転軸回転角ωを0°とした場合における第1光束E
1の光路長)に対する差(光路差)であらわされてい
る。
【0045】図4は、受光面傾斜角θすなわち位相回転
板21の受光面法線軸と光束方向軸のなす角をY軸にと
り、回転軸回転角ωをX軸にとってつくられたグラフで
あり、θのωに対する関係ないしは変化特性を示してい
る。この例では、回転角取付角φは35°に設定され、
回転軸配置角ψは22°に設定されている。なお、受光
面傾斜角θと、回転軸回転角ωと、回転軸取付角φと、
回転軸配置角ψとの間に成立する一般的な関係は、前記
の式1に示すとおりである。図4から明らかなとおり、
受光面傾斜角θは、回転軸回転角ωが0°から180°
までの範囲内(第1回転角領域)では、ωの増加に伴っ
ておよそ12°から57°まで単調増加し、他方回転軸
回転角ωが180°から360°までの範囲内(第2回
転角領域)ではωの増加に伴っておよそ57°から12
°まで単調減少している。
【0046】図5は、第1光束E1の光路長(光路差)
をY軸にとり、回転軸回転角ωをX軸にとってつくられ
たグラフであり、光路長(光路差)のωに対する関係な
いしは変化特性を示している。この例では、回転位相板
21の屈折率nは1.331(1130cm-1)に設定さ
れ、その厚みdは5mmに設定されている。なお、光路差
Δと、位相回転板厚みdと、位相回転板屈折率nと、空
気の屈折率n0(=1)との間には、次の式2で示すよ
うな関係が成り立つ。
【数2】 Δ=2d・[SQRT(n2−sin2θ)−cosθ−n+n0]…………………式2 図5から明らかなとおり、光路長(光路差)は、回転軸
回転角ωが0°から180°までの範囲内では、ωの増
加に伴っておよそ0.1mmから1.6mmまで単調増加し、
他方回転軸回転角ωが180°から360°までの範囲
内では、ωの増加に伴っておよそ1.6mmから0.1mmま
で単調減少している。
【0047】図6は、第1光束E1の光路長(光路差)
の回転軸回転角ω(ひいては時間)に関する2次微分値
をY軸にとり、回転軸回転角ωをX軸にとってつくられ
たグラフであり、上記2次微分値のω(ひいては時間)
に対する関係ないしは変化特性を示している。また、図
7は、第1光束E1の光路長(光路差)の回転軸回転角
ω(ひいては時間)に関する2次微分値をY軸にとり、
受光面傾斜角θをX軸にとってつくられたグラフであ
り、上記2次微分値のθに対する関係ないしは変化特性
を示している。
【0048】この例では、回転軸取付角φと回転軸配置
角ψとが、受光面傾斜角θが45°のときに、光路長
(光路差)のωに対する2次微分値が0になるように設
定されている。この場合、回転軸取付角φは35°とな
り、回転軸配置角ψは22°となる。上記2次微分値が
0になる回転軸回転角ωでは、光路長(光路差)のωひ
いては時間に対する変化率が一定となる。つまり、この
近辺の回転軸回転角領域では、光路差変化率がほぼ一定
となるので、インタフェログラムのセンターバーストを
この付近に一致するように光学系を調整すれば、精度の
高いインタフェログラム測定が可能になる。
【0049】このように、受光面傾斜角θが45°のと
きに、光路長(光路差)のωに対する2次微分値が0に
なるように設定して、ここにセンターバーストを一致さ
せる理由はおよそ次のとおりである。すなわち、ビーム
スプリッタ傾斜角が45°に設定され、かつビームスプ
リッタ7の一方の受光面にアルミ蒸着が施されているの
で、受光面傾斜角θが45°のときに、回転位相板21
が位相補正板の役目を有効に果たして、インタフェログ
ラムの強度と左右対称性とを向上させるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる回転型干渉計(回転型フーリ
エ変換分光装置)のシステム構成を示す模式図である。
【図2】 図1に示す回転型干渉計に用いられている位
相回転板における各要素の位置関係を示す図である。
【図3】 図1に示す回転型干渉計に用いられている位
相回転板装置の機械構造を示す立面図である。
【図4】 受光面傾斜角θの回転軸回転角ωに対する変
化特性を示すグラフである。
【図5】 第1光束の光路長(光路差)の回転軸回転角
ωに対する変化特性を示すグラフである。
【図6】 第1光束の光路長(光路差)の回転軸回転角
ωに関する2次微分値の、回転軸回転角ωに対する変化
特性を示すグラフである。
【図7】 第1光束の光路長(光路差)の回転軸回転角
ωに関する2次微分値の、受光面傾斜角θに対する変化
特性を示すグラフである。
【図8】 従来の回転型干渉計における、光路差の回転
軸回転角ωに対する変化特性を示すグラフである。
【図9】 移動鏡を直線的に移動させることにより光路
差を変化させるようにした従来のフーリエ変換分光装置
の模式図である。
【符号の説明】
1…赤外光源、2…アパーチャ、3…第1レンズ、4…
第1反射ミラー、5…ピンホール、6…第2レンズ、7
…ビームスプリッタ、8…位相回転板装置、9…第1固
定鏡、10…第2固定鏡、11…第3レンズ、12…第
2反射ミラー、13…サンプル、14…第4レンズ、1
5…光センサ、16…第1穴部、17…レーザ光源、1
8…第2穴部、19…レーザ光センサ、21…位相回転
板、22…ベアリング、23…取付部材、24…ベー
ス、25…第1プーリ、26…モータ、27…第2プー
リ、28…ベルト、29…位相回転板保持部材。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトルを測定すべき原光光線を、第
    1の反射鏡に向かう第1の光束と第2の反射鏡に向かう
    第2の光束とに分ける一方、第1の反射鏡で反射された
    第1の光束と第2の反射鏡で反射された第2の光束とを
    受け入れて該両光束を同一方向に進ませつつ相互に干渉
    させて干渉光を生じさせるビームスプリッタと、 上記干渉光の強度を測定する干渉光強度測定手段と、 ビームスプリッタと第1の反射鏡との間に配置され、回
    転軸のまわりに回転し、その回転角に対応して第1の光
    束の光路長を変化させる位相回転板と、 第1の光束と第2の光束との光路差を測定する光路差測
    定手段と、 干渉光強度測定手段によって測定された干渉光の強度
    と、光路差測定手段によって測定された光路差とに基づ
    いてインタフェログラムをつくり、該インタフェログラ
    ムをフーリエ逆変換することにより原光光線のスペクト
    ルを算出するスペクトル算出手段とが設けられている回
    転型干渉計であって、 位相回転板の回転軸の軸線と位相回転板の受光面の法線
    とがなす角で定義される回転軸取付角φが、0°より大
    きく90°より小さい範囲内の値に設定される一方、 位相回転板の回転軸の軸線と第1の光束の進行方向とが
    なす角で定義される回転軸配置角ψが90°に設定され
    ていることを特徴とする回転型干渉計。
  2. 【請求項2】 上記回転軸取付角φが、0°より大きく
    90°より小さい範囲内の値には設定されずに、90°
    に設定され、 かつ、上記回転軸配置角ψが、90°には設定されず
    に、0°より大きく90°より小さい範囲内の値に設定
    されていることを特徴とする、請求項1に記載された回
    転型干渉計。
  3. 【請求項3】 上記回転軸配置角ψが、90°には設定
    されず、0°より大きく(90°−φ)より小さい範囲
    内の値に設定されていることを特徴とする、請求項1に
    記載された回転型干渉計。
  4. 【請求項4】 回転軸取付角φと回転軸配置角ψとが互
    いに異なる値に設定されていることを特徴とする、請求
    項3に記載された回転型干渉計。
  5. 【請求項5】 位相回転板が一定の角速度で回転してい
    る場合において、位相回転板の受光面の法線と第1の光
    束の進行方向とがなす角で定義される受光面傾斜角θが
    0°から90°までの範囲内にあるときに、第1の光束
    の光路長を回転軸回転角ωで2次微分して得られる2次
    微分値が、インタフェログラムがつくられる回転軸回転
    角ωの範囲内で実質的に0となるように、回転軸取付角
    φと回転軸配置角ψとが設定されていることを特徴とす
    る、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載された回
    転型干渉計。
  6. 【請求項6】 上記2次微分値が完全に0となる回転軸
    回転角ωが、インタフェログラムのセンターバーストに
    対応するように、回転軸取付角φと回転軸配置角ψとが
    設定されていることを特徴とする、請求項5に記載され
    た回転型干渉計。
  7. 【請求項7】 受光面傾斜角θが、ビームスプリッタの
    受光面の法線と第1の光束の進行方向とがなす角で定義
    されるビームスプリッタ傾斜角に一致するときに上記2
    次微分値が完全に0となるように、回転軸取付角φと回
    転軸配置角ψとが設定されていることを特徴とする、請
    求項5又は請求項6に記載された回転型干渉計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012124294A1 (ja) * 2011-03-17 2012-09-20 コニカミノルタセンシング株式会社 フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法

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WO2012124294A1 (ja) * 2011-03-17 2012-09-20 コニカミノルタセンシング株式会社 フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法
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