JPH10136545A - 通信ケーブル等の補強体およびその製造方法 - Google Patents

通信ケーブル等の補強体およびその製造方法

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JPH10136545A
JPH10136545A JP28856696A JP28856696A JPH10136545A JP H10136545 A JPH10136545 A JP H10136545A JP 28856696 A JP28856696 A JP 28856696A JP 28856696 A JP28856696 A JP 28856696A JP H10136545 A JPH10136545 A JP H10136545A
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JP
Japan
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coating layer
outer peripheral
resin material
synthetic resin
peripheral surface
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Withdrawn
Application number
JP28856696A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Tamura
吉弘 田村
Masao Sasagawa
柾男 笹川
Yoshio Tsuchisaki
良雄 土崎
Yasushi Mita
恭嗣 三田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗張力体と、熱可塑性合成樹脂材からなる被
覆層との滑りが生じるのを効果的に防止する。 【解決手段】 高抗張力性を有する線条体からなる抗張
力体2と、この抗張力体2の外周部を被覆する硬質合成
樹脂材からなる第1被覆層3と、この第1被覆層3の外
周部を被覆する熱可塑性合成樹脂材からなる第2被覆層
4とを有し、上記第1被覆層3の外周面および第2被覆
層4の内周面に相対応する凹凸部5を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバケーブ
ルまたは絶縁電線を有する通信ケーブル等を補強する通
信ケーブル等の補強体およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】通信ケーブルの製造工程中あるいは敷設
工程中、または通信ケーブルの使用時等に、大きな引張
り力が作用して通信ケーブルが損傷するのを防止するた
め、鋼線、ガラス繊維強化プラスチック材(FRP)あ
るいはアラミド(芳香族ポリアミド)樹脂繊維束等から
なる抗張力体の外周部に、ポリオレフィン系またはポリ
塩化ビニル(PVC)系等の熱可塑性合成樹脂材を塗布
することによって被覆層を形成し、この被覆層を通信ケ
ーブル等を補強するのに適した形状および寸法に成形し
てなる補強体を、上記通信ケーブルの内部または外部等
に配設することにより、この補強体に上記引張り力を負
担させることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記補強体を構成する
抗張力体は、通常円形断面を有する線条体によって構成
されているため、その使用時に大きな張力が作用する
と、上記抗張力体と、その外周部に設置された上記被覆
層との滑りが生じ、補強体としての機能が損なわれるこ
とになる。これは、上記熱可塑性合成樹脂材からなる被
覆層を形成する際に発生した残留応力によって被覆層が
収縮する等により、上記抗張力体と熱可塑性合成樹脂材
層との間に隙間が形成されるとともに、補強体の使用時
に作用する張力によって上記抗張力体が引き伸ばされ、
その外径が減少することに起因して上記抗張力体と被覆
層との密着力および両者の間に作用する摩擦力が減少す
るためである。
【0004】本発明は、このような事情に鑑み、抗張力
体と、熱可塑性合成樹脂材からなる被覆層との滑りが生
じるのを効果的に防止することができる通信ケーブル等
の補強体およびその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
高抗張力性を有する線条体からなる抗張力体と、この抗
張力体の外周部を被覆する硬質合成樹脂材からなる第1
被覆層と、この第1被覆層の外周部を被覆する熱可塑性
合成樹脂材からなる第2被覆層とを有し、上記第1被覆
層の外周面および第2被覆層の内周面に相対応する凹凸
部を形成したものである。
【0006】上記構成によれば、抗張力体が硬質合成樹
脂材からなる第1被覆層によって強固に保持されるとと
もに、この第1被覆層の外周面に形成された凹凸部と、
その外周部に形成された熱可塑性合成樹脂材からなる第
2被覆層の内周面に形成された凹凸部とが相係合される
ことによって両者が強固に結合されることになる。
【0007】請求項2に係る発明は、高抗張力性を有す
る線条体からなる抗張力体の外周部を硬質合成樹脂材に
より被覆して第1被覆層を形成するとともに、その外周
面に凹凸部を形成した後、この第1被覆層の外周部を軟
化状態の熱可塑性合成樹脂材により被覆して第2被覆層
を形成した後、この第2被覆層を冷却して硬化させるよ
うにした通信ケーブル等の補強体の製造方法である。
【0008】上記構成によれば、軟化状態の熱可塑性合
成樹脂材を第1被覆層の外周部に押出成形する等によ
り、第1被覆層の外周面に形成された凹凸部を抱持する
第2被覆層が形成され、この第2被覆層と、上記抗張力
体を保持する第1被覆層とが強固に結合された補強体が
得られることになる。
【0009】請求項3に係る発明は、高抗張力性を有す
る線条体からなる抗張力体の外周部を硬質合成樹脂材に
より被覆して第1被覆層を形成するとともに、その外周
面に凹凸部を形成した後、この第1被覆層の外周部を軟
化状態の熱可塑性合成樹脂材により被覆して第2被覆層
を形成しつつ、この第2被覆層を、その軟化温度に維持
した状態で、光ファイバケーブルを構成する光ファイバ
素線等の設置溝を成形加工するための突部を有するダイ
ス内に導入し、このダイスを回転させることによって第
2被覆層の外周面に、上記光ファイバ素線等が設置され
る螺旋状の設置溝を形成した後、上記第2被覆層を冷却
して硬化させるようにしたものである。
【0010】上記構成によれば、軟化状態の熱可塑性合
成樹脂材を第1被覆層の外周部に押出成形することによ
り、第1被覆層の外周面に形成された凹凸部を抱持する
第2被覆層が形成され、この第2被覆層と、上記抗張力
体を保持する第1被覆層とが強固に結合され、かつ第2
被覆層の外周面に光ファイバ素線の設置溝が螺旋状に形
成された補強体が得られることになる。
【0011】請求項4に係る発明は、高抗張力性を有す
る線条体からなる抗張力体の外周部を硬質合成樹脂材に
よって被覆して第1被覆層を形成するとともに、その外
周面に凹凸部を形成した後、これを複数本配設して各第
1被覆層の外周部を軟化状態の熱可塑性合成樹脂材によ
り包括的に被覆して平板状の第2被覆層を形成し、この
第2被覆層を、一対の加圧ローラ間に導入して加圧しつ
つ、一方の加圧ローラの側辺部に形成された雄型刃と、
他方の加圧ローラの側辺部に形成された雌型刃とによっ
て第2被覆層の側辺部を部分的に剪断することにより、
誘導通信ケーブル等を構成する絶縁電線の固定部となる
切欠部を所定間隔で形成した後、上記第2被覆層を冷却
して硬化させるようにしたものである。
【0012】上記構成によれば、複数本の抗張力体をそ
れぞれ個別に被覆する第1被覆層の外周部に軟化状態の
熱可塑性合成樹脂材を押出成形する等により、各第1被
覆層の表面に形成された凹凸部を包括的に抱持する平板
状の第2被覆が形成され、この第2被覆層と、複数本の
線条体からなる抗張力体を保持する上記第1被覆層とが
強固に結合され、かつ所定の厚さおよび幅寸法を有する
上記第2被覆層の側辺部に誘導通信ケーブルの絶縁電線
の固定部となる切欠部が形成された補強体が得られるこ
とになる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に係る
通信ケーブル等の補強体1の実施形態を示している。こ
の補強体1は、円形断面を有する鋼線、ガラス繊維強化
プラスチック材(FRP)あるいはアラミド(芳香族ポ
リアミド)樹脂繊維束等の単線または撚り線からなる抗
張力体2と、その外周部に被覆された熱硬化性硬質合成
樹脂材または紫外線硬化型硬質合成樹脂材からなる第1
被覆層3と、その外周部に被覆されたポリオレフィン系
またはポリ塩化ビニル(PVC)系等の熱可塑性合成樹
脂材からなる第2被覆層4とからなっている。
【0014】上記第1被覆層3の外周面および第2被覆
層4の内周面には、相対応する凹凸部5が形成され、こ
の凹凸部5において上記第1被覆層3と第2被覆層4と
が密着した状態で互いに結合されている。そして、上記
補強体1は、図外の光ファイバケーブルまたは絶縁電線
を有する通信ケーブル等の内部に挿入され、あるいは外
部に設置される等により、上記通信ケーブル等に作用す
る引張り荷重を支持するように構成されている。
【0015】上記補強体1の製造に使用する製造装置の
具体例を図3に基づいて説明する。この製造装置は、線
条体からなる抗張力体2の供給装置6と、この供給装置
6から繰り出された抗張力体2の外周部に、軟化状態ま
たは流動状態の熱硬化性硬質合成樹脂材を塗布して第1
被覆層3を形成する塗布装置7と、上記第1被覆層3の
外周面に凹凸部5を形成する一対のローラを有する凹凸
形成装置8と、凹凸部5が形成された第1被覆層3を加
熱して硬化させる硬化装置9とを有している。
【0016】また、上記補強体1の製造装置には、第1
被覆層3の外周部に、軟化状態の熱可塑性合成樹脂材を
押し出して被覆することにより第2被覆層4を形成する
押出成形機からなる被覆装置10と、上記第2被覆層4
を冷却して硬化させる冷却槽11と、この冷却槽11か
ら補強体1を引き出す引出装置12と、引き出された補
強体1を巻き取る巻取装置13とが設けられている。
【0017】上記被覆装置10は、図4に示すように、
その押出ヘッド10aの出口部に設けられたダイス14
により、上記第2被覆層4を正確な円形等の所定の形状
に加工し、かつ、その外径寸法を所定値に仕上げるよう
に構成されている。そして、上記被覆装置10を構成す
る押出成形機は、第2被覆層4を第1被覆層3の外周部
に密着させて強固に結合させるように構成されている。
つまり、上記第2被覆層4を構成する熱可塑性合成樹脂
材を、第1被覆層3の外周部に形成された凹凸部5に行
き渡らせることにより、この凹凸部5に対応する凹凸部
5が第2被覆層4の内周面に形成されて両被覆層3,4
が強固に密着されるように、上記熱可塑性合成樹脂材の
押出温度、押出量、上記抗張力体2の送り速度、ダイス
14の寸法、構造および形状等からなる押出条件が設定
されている。
【0018】上記製造装置を使用して補強体1を製造す
るには、上記供給装置6から繰り出された抗張力体2を
塗布装置7に導入し、この抗張力体2の外周部に軟化状
態または流動状態の硬質合成樹脂材を被覆させて第1被
覆層3を形成するとともに、上記凹凸形成装置8により
第1被覆層3の外周面に凹凸部5を形成した後、上記硬
化装置9において第1被覆層3を加熱して硬化させるこ
とにより、上記抗張力体2の外周面に第1被覆層3を強
固に密着させる。
【0019】次いで、第1被覆層3によって被覆された
抗張力体2を被覆装置10に導入し、上記第1被覆層3
の外周部に軟化状態の熱可塑性合成樹脂材を被覆して第
2被覆層4を形成した後、この第2被覆層4を冷却槽1
1で冷却して硬化させることにより、上記第1被覆層3
の外周面に第2被覆層4を強固に密着させる。このよう
にして製造された補強体1を引出装置12により引き出
し、巻取装置13においてドラム上に巻き取り製品とし
て搬出する。
【0020】上記のように高抗張力性を有する線条体か
らなる抗張力体2の外周部に硬質合成樹脂材を被覆して
第1被覆層3を形成するとともに、その外周面に凹凸部
5を形成した後、この第1被覆層3の外周部に軟化状態
の熱可塑性合成樹脂材を被覆して第2被覆層4を形成し
た後、この第2被覆層4を冷却して硬化させるように構
成したため、上記第1被覆層3の外周面に形成された凹
凸部5に対応した凹凸部5が第2被覆層4の内周面に形
成され、上記第1被覆層3によって保持された抗張力体
2と、上記第2被覆層4とが強固に結合された補強体1
を得ることができる。
【0021】すなわち、上記抗張力体2の外周部を被覆
する第1被覆層3を熱硬化性硬質合成樹脂材によって構
成したため、この熱硬化性硬質合成樹脂材を抗張力体2
の外周部に塗布した後に加熱して硬化させることによ
り、上記抗張力体2の外周面に第1被覆層3を強固に密
着させ、この第1被覆層3に抗張力体2を確実に保持さ
せることができる。また、上記第1被覆層3の外周部を
被覆する第2被覆層4を熱可塑性合成樹脂材によって構
成したため、この熱可塑性合成樹脂材の軟化温度に維持
した状態で、第2被覆層4の外周面を上記ダイス14等
によって容易かつ適正に仕上げ加工することができる。
【0022】そして、上記第1被覆層3の外周面および
第2被覆層4の内周面に相対応する凹凸部5を形成した
ため、上記熱可塑性合成樹脂材の被覆加工時に発生した
残留応力によって第2被覆層4が収縮して第1被覆層3
との間に多少の隙間が形成されたとしても、この第2被
覆層4と第1被覆層3との結合状態が完全に離脱すると
いう事態の発生を防止し、第1被覆層3によって保持さ
れた抗張力体2と、上記第2被覆層4とを強固に結合す
ることができる。
【0023】したがって、上記補強体1が一体的に設け
られた通信ケーブル等の製造工程中あるいは敷設工程
中、または通信ケーブル等の使用時に、大きな引張り力
が作用した場合においても、この引張り力のほとんど全
てを上記補強体1に負担させることにより、通信ケーブ
ル等が上記引張り力によって損傷するのを効果的に防止
することができる。なお、上記実施形態では、熱硬化性
硬質合成樹脂材によって第1被覆層3を構成した例につ
いて説明したが、この第1被覆層3を紫外線硬化型硬質
合成樹脂材によって構成し、この紫外線硬化型硬質合成
樹脂材を上記抗張力体2の外周部に塗布してその外周面
に凹凸部5を形成した後に、紫外線を照射することによ
り硬化させるようにしてもよい。
【0024】また、上記抗張力体2の外周部にエポキシ
接着剤等からなる硬質合成樹脂材、または上記第2被覆
層4を構成する素材よりも軟化点温度の高い熱可塑性硬
質合成樹脂材を塗布し、これを加熱することなく自然乾
燥により硬化させて第1被覆層3を構成することもでき
るが、製造時間の短縮化を図るためには、上記熱硬化性
硬質合成樹脂材からなる第1被覆層3を加熱して硬化さ
せ、あるいは紫外線硬化型硬質合成樹脂材からなる第1
被覆層3に紫外線を照射して硬化させるように構成する
ことが望ましい。このように構成した場合には、第1被
覆層3を形成する上記塗布装置7と、第2被覆層4を形
成する上記被覆装置10とを連設することにより、第1
被覆層3と第2被覆層4とを連続して形成することがで
き、製造時間の短縮化と製造コストの低減化とを図るこ
とができるという利点がある。
【0025】また、図5に示すように光ファイバケーブ
ルを構成するファイバ素線等の設置溝を成形加工するた
めの突部15を有するダイス14を、押出ヘッド10a
の出口部に回転自在に取り付け、補強体1を所定速度で
搬送しつつ上記ダイス14を回転させることにより、上
記第2被覆層4の外周面に、光ファイバケーブルを構成
する光ファイバ素線が設置される螺旋状の設置溝16を
形成するようにしてもよい。そして、上記第2被覆層4
の外周面に上記設置溝16を形成する際に、第2被覆層
4を構成する熱可塑性合成樹脂材をその軟化点温度に維
持した状態で、上記ダイス14内に導入して搬送しつ
つ、このダイス14を回転させるように構成した場合に
は、第2被覆層4の形成作業と上記設置溝16の成形作
業を同時に行うことができる。
【0026】また、上記実施形態では、抗張力体2と同
軸上に円筒状の第1被覆層3および第2被覆層4を配設
した例について説明したが、この第1,第2被覆層3,
4の形状等は上記実施形態に限定されることなく、種々
変更可能である。例えば、図6に示すように、並列に配
列された複数本の抗張力体2と、その外周部をそれぞれ
個別に被覆する複数の第1被覆層3とを設けるととも
に、各第1被覆層3を包括的に被覆する平板状の第2被
覆層17を設けた構造としてもよい。
【0027】上記実施形態に係る平板状の第2被覆層1
7を有する補強体18は、主として平板型断面の通信ケ
ーブル用として使用され、さらに上記第2被覆層17の
側辺部には、所定幅の切欠部19が所定間隔で形成され
ている。そして、車両または列車等の移動体に設けられ
たアンテナと、地上局との間で通信を行うために、線路
または道路等に沿って設置される誘導通信ケーブル等を
構成する絶縁電線が、上記切欠部19に引掛られて固定
されるようになっている。
【0028】上記構成の補強体18は、図7および図8
に示すように、一対の加圧ローラ20,21を有する加
圧成形装置22を、図9に示すように、被覆装置10と
冷却槽11との間に設置し、上記被覆装置10´を構成
する平型ダイスから熱可塑性合成樹脂材を第1被覆層3
の外周部に押出成形することによって平板状の第2被覆
層17を形成し、この第2被覆層17を上記両加圧ロー
ラ20,21間に導入して加圧した後、上記第2被覆層
17を冷却槽11で冷却して硬化させることにより容易
に製造することができる。
【0029】すなわち、上記加圧成形装置22を構成す
る上方のローラ20の側辺部には、雄型刃23が所定間
隔が形成され、下方のローラ21の側辺部には、上記雄
型刃23に対応する雌型刃24が形成されている。そし
て、上記両加圧ローラ20,21間に、上記第2被覆層
4を導入して加圧することにより、上記第2被覆層4の
厚みおよび幅寸法が精密に仕上げ加工されるとともに、
上記雄型刃23と、雌型刃24とによって第2被覆層4
の側辺部を部分的に剪断することにより、誘導通信ケー
ブルを構成する絶縁電線の固定部となる上記切欠部19
が所定間隔で形成されることになる。
【0030】なお、上記雄型刃23と、雌型刃24とに
よって剪断された第2被覆層4の切欠片は、上記雌型刃
24を構成する透孔から、中空体からなる下方の加圧ロ
ーラ21内に落下し、この加圧ローラ21の側方部に形
成された開口部から外部に排出されるようになってい
る。また、上記加圧成形装置22に切欠部19等の加工
は、第2被覆層4を構成する熱可塑性合成樹脂材の冷却
後に行ってもよいが、上記加工を容易できるようにする
ためには、上記熱可塑性合成樹脂材を軟化温度に維持し
た状態で行うことが望ましい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明は、高抗張力性を有する線条体からなる抗張力体と、
この抗張力体の外周部を被覆する硬質合成樹脂材からな
る第1被覆層と、この第1被覆層の外周部を被覆する熱
可塑性合成樹脂材からなる第2被覆層とを有し、上記第
1被覆層の外周面および第2被覆層の内周面に相対応す
る凹凸部を形成したため、熱可塑性合成樹脂材の被覆加
工時に発生した残留応力によって第2被覆層が収縮して
第1被覆層との間に多少の隙間が形成されたとしても、
この第2被覆層と第1被覆層との結合状態が完全に離脱
することを防止し、上記第1被覆層によって保持された
抗張力体と、上記第2被覆層とを強固に結合することが
できる。したがって、上記補強体によって補強された通
信ケーブル等の製造工程中あるいは敷設工程中、または
通信ケーブル等の使用時に、大きな引張り力が作用した
場合においても、この引張り力を上記補強体に負担させ
ることによって上記通信ケーブル等の損傷を効果的に防
止できるという利点がある。
【0032】また、請求項2に係る発明は、高抗張力性
を有する線条体からなる抗張力体の外周部を硬質合成樹
脂材により被覆して第1被覆層を形成するとともに、そ
の外周面に凹凸部を形成した後、この第1被覆層の外周
部を軟化状態の熱可塑性合成樹脂材により被覆して第2
被覆層を形成した後、この第2被覆層を冷却して硬化さ
せるようにしたため、上記第1被覆層の外周面に形成さ
れた凹凸部に対応した凹凸部を第2被覆層の内周面に形
成することができる。したがって、上記第1被覆層によ
って保持された抗張力体と、上記第2被覆層とが強固に
結合された補強体を容易に製造することができるととも
に、上記熱可塑性合成樹脂材からなる第2被覆層の外周
面を容易かつ適正に仕上げ加工することができるという
利点がある。
【0033】また、請求項3に係る発明は、高抗張力性
を有する線条体からなる抗張力体の外周部を硬質合成樹
脂材により被覆して第1被覆層を形成するとともに、そ
の外周面に凹凸部を形成した後、この第1被覆層の外周
部を軟化状態の熱可塑性合成樹脂材により被覆して第2
被覆層を形成しつつ、この第2被覆層を、その軟化温度
に維持した状態で、光ファイバケーブルを構成する光フ
ァイバ素線等の設置溝を成形加工するための突部を有す
るダイス内に導入して、ダイスを回転させることによっ
て第2被覆層の外周面に、光ファイバ素線等が設置され
る螺旋状の設置溝を形成した後、この第2被覆層を冷却
して硬化させるようにしたため、第2被覆層の外周面に
上記設置溝が形成された補強体を容易に製造することが
できる。
【0034】また、請求項4に係る発明は、高抗張力性
を有する線条体からなる抗張力体の外周部を硬質合成樹
脂材によって被覆して第1被覆層を形成するとともに、
その外周面に凹凸部を形成した後、これを複数本配設し
て各第1被覆層の外周部を軟化状態の熱可塑性合成樹脂
材により包括的に被覆して平板状の第2被覆層を形成
し、この第2被覆層を、一対の加圧ローラ間に導入して
加圧しつつ、一方の加圧ローラの側辺部に形成された雄
型刃と、他方の加圧ローラの側辺部に形成された雌型刃
とによって第2被覆層の側辺部を部分的に剪断すること
により、誘導通信ケーブル等を構成する絶縁電線の固定
部となる切欠部を所定間隔で形成した後、上記第2被覆
層を冷却して硬化させるようにしたため、上記両加圧ロ
ーラによって第2被覆層の厚み等を精密に仕上げ加工す
ることができるとともに、その側辺部に上記切欠部を所
定間隔で容易かつ正確に形成することができるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信ケーブル等の補強体の実施形
態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】上記補強体の製造装置の構成を示す説明図であ
る。
【図4】上記補強体の製造工程を示す斜視図である。
【図5】上記補強体の別の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図6】上記補強体のさらに別の実施形態を示す斜視図
である。
【図7】加圧成形装置の構成を示す説明図である。
【図8】図7のB−B線断面図である。
【図9】図6に示す補強体の製造装置の構成を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 補強体 2 抗張力体 3 第1被覆層 4 第2被覆層 5 凹凸部 16 設置溝 17 第2被覆層 18 補強体 19 切欠部 20,21 加圧ローラ 23 雄型刃 24 雌型刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土崎 良雄 大阪市此花区島屋1−1−3 住友電気工 業株式会社内 (72)発明者 三田 恭嗣 大阪市此花区島屋1−1−3 住友電気工 業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高抗張力性を有する線条体からなる抗張
    力体と、この抗張力体の外周部を被覆する硬質合成樹脂
    材からなる第1被覆層と、この第1被覆層の外周部を被
    覆する熱可塑性合成樹脂材からなる第2被覆層とを有
    し、上記第1被覆層の外周面および第2被覆層の内周面
    に相対応する凹凸部を形成したことを特徴とする通信ケ
    ーブル等の補強体。
  2. 【請求項2】 高抗張力性を有する線条体からなる抗張
    力体の外周部を硬質合成樹脂材により被覆して第1被覆
    層を形成するとともに、その外周面に凹凸部を形成した
    後、この第1被覆層の外周部を軟化状態の熱可塑性合成
    樹脂材により被覆して第2被覆層を形成した後、この第
    2被覆層を冷却して硬化させるようにしたことを特徴と
    する通信ケーブル等の補強体の製造方法。
  3. 【請求項3】 高抗張力性を有する線条体からなる抗張
    力体の外周部を硬質合成樹脂材により被覆して第1被覆
    層を形成するとともに、その外周面に凹凸部を形成した
    後、この第1被覆層の外周部を軟化状態の熱可塑性合成
    樹脂材により被覆して第2被覆層を形成しつつ、この第
    2被覆層を、その軟化温度に維持した状態で、光ファイ
    バケーブルを構成する光ファイバ素線等の設置溝を成形
    加工するための突部を有するダイス内に導入し、このダ
    イスを回転させることによって第2被覆層の外周面に、
    上記光ファイバ素線等が設置される螺旋状の設置溝を形
    成した後、上記第2被覆層を冷却して硬化させるように
    したことを特徴とする通信ケーブル等の補強体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 高抗張力性を有する線条体からなる抗張
    力体の外周部を硬質合成樹脂材によって被覆して第1被
    覆層を形成するとともに、その外周面に凹凸部を形成し
    た後、これを複数本配設して各第1被覆層の外周部を軟
    化状態の熱可塑性合成樹脂材により包括的に被覆して平
    板状の第2被覆層を形成し、この第2被覆層を、一対の
    加圧ローラ間に導入して加圧しつつ、一方の加圧ローラ
    の側辺部に形成された雄型刃と、他方の加圧ローラの側
    辺部に形成された雌型刃とによって第2被覆層の側辺部
    を部分的に剪断することにより、誘導通信ケーブル等を
    構成する絶縁電線の固定部となる切欠部を所定間隔で形
    成した後、上記第2被覆層を冷却して硬化させるように
    したことを特徴とする通信ケーブル等の補強体の製造方
    法。
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