JPH10135883A - データ記憶体およびデータアクセス装置 - Google Patents

データ記憶体およびデータアクセス装置

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JPH10135883A
JPH10135883A JP8302555A JP30255596A JPH10135883A JP H10135883 A JPH10135883 A JP H10135883A JP 8302555 A JP8302555 A JP 8302555A JP 30255596 A JP30255596 A JP 30255596A JP H10135883 A JPH10135883 A JP H10135883A
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JP
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Application number
JP8302555A
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English (en)
Inventor
Takafumi Kyomasu
貴文 京増
Katsuyuki Teruyama
勝幸 照山
Masao Oba
正男 大場
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Tokyo Keiki Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IDコードの識別・選出を複数ビット単
位で処理する。 【解決手段】 電磁誘導結合方式通信でのデータ送受に
先だって通信可能な相手装置を一つ識別・出するデータ
記憶体200およびデータアクセス装置100におい
て、IDコードの一部を要求するコマンドを繰り返し送
信するID一部要求送出手段53と、その要求に応じて
自己のIDコードを複数ビットでの分割単位ごとに返送
するID一部返送手段263と、その返送に際して直交
符号に変換する直交符号化手段202と、逆変換を行っ
て復号する復号化演算手段102と、返送・復号された
IDコードの一部について一つを選出するID一部受理
選択手段154と、選出されたIDコードの一部を送信
する選出部分ID送出手段155と、選出・送信された
IDコードの一部を返送部分と比較照合して不一致のと
きには以後の返送を停止させるID一部照合手段264
とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コイルの相互誘
導作用又はアンテナの誘導電磁界を利用した電磁誘導結
合方式で通信するデータ記憶体およびデータアクセス装
置に関し、詳しくは、ICカードやデータキャリア等の
データ記憶体と、これ又はこれらのうち通信可能なとこ
ろまで近接したデータ記憶体に対し通信でアクセスして
接触不要でデータの読み取り,書き込み,又は読み書き
を行うリーダ等のデータアクセス装置とからなるデータ
記憶体およびデータアクセス装置についてのものであ
り、一のデータアクセス装置に対して同時に複数のデー
タ記憶体が交信可能となった際にそれらのデータ記憶体
を順次アクセスするために各データ記憶体を識別して選
択する処理方式の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のデータ記憶体およびデータアクセ
ス装置の具体例として図6に示したデータキャリアシス
テムは、コイルの相互誘導作用又はアンテナの誘導電磁
界を利用した電磁誘導結合方式で通信するリーダライタ
10(データアクセス装置)とデータキャリア20(デ
ータ記憶体)とからなり、通信可能なところまで近接し
たデータキャリア20に対しリーダライタ10が通信で
アクセスしてメモリデータの送受を行うことで接触不要
でデータの読み取りや更新等を行うデータキャリアシス
テムである。これは、電磁誘導結合方式での通信可能範
囲が比較的狭いことから、一台のリーダライタ10に対
して同時に通信可能になるデータキャリア20が1台し
かないということを前提とした、基本的な構成のもので
ある。
【0003】このリーダライタ10は、データキャリア
20とのメモリデータの送受処理の手順制御等をプログ
ラム処理で行うためにマイクロプロセッサを主体として
構成された制御部11と、データキャリア20との通信
をコイルの相互誘導作用を利用した電磁誘導結合方式で
行うために設けられた通信部12とからなる。制御部1
1には、所定の読出コマンドを通信部12経由でデータ
キャリア20へ向けて送出する読出コマンド送出手段1
3と、データキャリア20から通信部12経由で受信し
たメモリデータに対して値の確認や所定のデータ処理を
施して更新する等のデータ処理を行うデータ処理手段1
8とが、プログラム処理としてインプリメントされてい
る。
【0004】なお、通信部12は、読出コマンド送出手
段13からの読出コマンド等をシリアルのビット列にし
これで所定周波数の搬送波にPSK等のデジタル変調を
施す変調回路14と、変調後の搬送波を送信アンプで増
幅しその電流をコイル16に流すことで外部への送信を
行うとともにコイル16に相互誘導作用で誘起した電圧
を受信アンプで増幅することで外部からの受信を行う伝
送部15と、伝送部15の受信アンプからの受信信号に
対して搬送波成分除去等の処理を施してデータキャリア
20からの受信信号成分だけを抽出する復調回路17と
からなっている。
【0005】また、データキャリア20は、リーダライ
タ10との通信をコイルの相互誘導作用を利用した電磁
誘導結合方式で行うために通信部12に対応して設けら
れコイル25を駆動する伝送部24と受信用の復調回路
26と送信用の変調回路29とからなる通信部21と、
マイクロプロセッサを主体として構成された制御部22
と、リーダライタ10との間で送受されるメモリデータ
を保持するEEPROM等のメモリ23とからなる。制
御部22には、リーダライタ10とのメモリデータの送
受処理の手順制御等をプログラム処理で行うために、通
信部21経由で受けたリーダライタ10からの読出コマ
ンドを受理して該当データをメモリ23から読み出す等
の処理を行う読出コマンド受理手段27と、読み出され
たメモリデータを通信部21経由でリーダライタ10へ
返送するデータ返送手段28とが、プログラム処理とし
てインプリメントされている。
【0006】なお、メモリ23には上記のメモリデータ
に加えて例えば32ビットのIDコードが書き込まれて
いる。このIDコードは、各データキャリアごとに順次
昇順で発行された識別番号などの異なる値が割り当てら
れていて、それぞれのデータキャリアが互いに識別可能
なものとなっている。さらに、データキャリア20は、
リーダライタ10との交信時に動作可能であれば十分と
される応用が多いので、内蔵電池を電源として動作した
り、あるいはコイル25の誘導電流を整流して動作電力
を生成するようになっている。
【0007】そして、このようなデータキャリアシステ
ムでは、リーダライタ10から読出コマンド送出手段1
3によって読出コマンドが送出されている時に、その通
信可能範囲内にデータキャリア20が入って来ると、そ
の読出コマンドがデータキャリア20の読出コマンド受
理手段27によって受理されて、メモリ23から該当す
るアドレスのデータが読み出される。さらに、このデー
タがデータ返送手段28によってデータキャリア20か
らリーダライタ10へ送信されてメモリデータの送受が
行われ、最後にデータ処理手段18によって所定の処理
が施されるのである(図6(b)参照)。なお、メモリ
データの更新時には、さらにリーダライタ10からデー
タキャリア20への書込コマンドの送信も伴う。
【0008】図7に示したデータキャリアシステムは、
電磁誘導結合方式での通信可能範囲が狭いとはいっても
応用によって複数のデータキャリアが一台のリーダライ
タ10に対して同時に通信可能になりうる場合もあり、
そのような場合に交信不能に陥るのを防止するために、
メモリデータの送受を行うに際しこのデータ送受に先だ
ってリーダライタが通信可能なデータキャリアを識別す
るとともに複数同時通信可能なときにはそのうちの何れ
か一つのデータキャリアをデータ送受の相手として選出
する識別選択手段が設けられたものである。このリーダ
ライタ30およびデータキャリア40,40a等に設け
られた識別選択手段は、一般的な衝突回避の手段による
ものであり、コマンドに対する応答時間を各データキャ
リアごとに相違させることに基づいている。
【0009】リーダライタ30は、ハードウェア構成が
上記の制御部11と同様の制御部31に対し読出コマン
ド送出手段13及びデータ処理手段18に加えて次ぎの
識別選択手段がプログラム処理としてインプリメントさ
れている点で、上述したリーダライタ10と相違する。
すなわち、リーダライタ30における識別選択手段は、
データキャリア40等に対してそのIDコードを要求す
るコマンドを送信するID要求送出手段32と、データ
キャリア40等から返送されたそれぞれのIDコードを
受け例えば最初に受信したIDコードだけを受理して一
つだけを選出するID受理選択手段33と、この選出さ
れたIDコードをデータキャリア40等へ向けて送信す
る選出ID送出手段34とからなる。
【0010】データキャリア40は、ハードウェア構成
が上記の制御部22と同様の制御部41に対し読出コマ
ンド受理手段27及びデータ返送手段28に加えて次ぎ
の識別選択手段がプログラム処理としてインプリメント
されている点で、上述したデータキャリア20と相違す
る。すなわち、このデータキャリア40における識別選
択手段は、リーダライタ30からIDコード要求のコマ
ンドを受けるとこれに応じてメモリ23の所定アドレス
から自己のIDコード(ID1)を読み出すID読出手
段42と、所定の待ち時間が経過するのを待ってから自
己のIDコードを通信部21経由でリーダライタ30へ
返送するID返送手段43と、この返送後にリーダライ
タ30から送信されてきたIDコードとID返送手段4
3で返送した自己のIDコードとを比較照合して一致し
たときだけ読出コマンド受理手段27及びデータ返送手
段28による処理を継続させ不一致のときには読出コマ
ンド受理手段27及びデータ返送手段28による以後の
処理を停止させるID照合手段44とからなる。他のデ
ータキャリア40a,40bも、IDコード(ID2,
ID3)及び所定の待ち時間がそれぞれ異なることを除
いて、同じ構成である。
【0011】そして、このようなデータキャリアシステ
ムでは、リーダライタ30から読出コマンド送出手段1
3によって読出コマンドが送出される前に先ずID要求
送出手段32によってID要求コマンドが送出される。
このコマンドが送出されている時に、その通信可能範囲
内に複数のデータキャリア40,40a,40bがほぼ
同時に入って来ると、そのID要求コマンドが各データ
キャリア40,40a,40bのID読出手段42によ
って受理されて、それぞれのメモリ23からIDコード
(ID1,ID2,ID3)が読み出される。さらに、
各IDコードがそれぞれのID返送手段43によってデ
ータキャリア40,40a,40bからリーダライタ3
0へ返送されるが、この返送に際しての各待ち時間が相
違するので例えばID1,ID2,ID3の順に時間を
ずらして返送され、これらは総てリーダライタ30によ
って受信される。
【0012】その後、最初のIDコード(ID1)がI
D受理選択手段33によって選出されるとともに選出I
D送出手段34によってデータキャリア40,40a,
40bへ向けて送信される。さらに、読出コマンド送出
手段13による読出コマンドの送出も続くが、データキ
ャリア40以外のデータキャリア40a,40bではI
D照合手段44による比較照合結果が不一致となるので
これらは読出コマンドに応答せず、ID照合手段44に
よる比較照合結果が一致となるデータキャリア40だけ
がリーダライタ30からの読出コマンドに応じてメモリ
データを返送するのである(図7(b)参照)。
【0013】図8に示したデータキャリアシステムは、
M系列によるスペクトラム拡散の回路や信号を利用して
識別選択手段が構成されたものである(特開平8−16
739号公報参照)。このリーダライタ50およびデー
タキャリア60,60a等に設けられた識別選択手段
は、通信時に複数のM系列が衝突した場合でもそれぞれ
のM系列の相関値がいずれも有意となることに基づい
て、データキャリアの識別・選択の段階では衝突を回避
するのではなく衝突したものを識別してその中から一つ
を選出するようになっている。
【0014】リーダライタ50は、制御部51と通信部
52とからなるが、制御部51にプログラム処理として
インプリメントされたID一部要求送出手段53,ID
一部受理選択手段54,選出部分ID送出手段55がI
Dコードを1ビットずつ順に識別・選択処理するように
なっている点、及び通信部52が後述のM系列相関演算
器等の付加されたものとなっている点で、上述したリー
ダライタ30と相違する。
【0015】すなわち、リーダライタ50における識別
選択手段は、データキャリア60等に対してそのIDコ
ードを1ビットずつ要求するコマンドを送信するID一
部要求送出手段53と、データキャリア60等から同時
に返送されたそれぞれのIDコードの1ビット部分を通
信部52経由で受けそれが“0”又は“1”のみのとき
はそれを選出し双方を受けたときは“0”か“1”の何
れか一方を選出するID一部受理選択手段54と、この
選出されたIDコードの1ビット分をデータキャリア6
0等へ向けて送信する選出部分ID送出手段55とから
なる。ID一部要求送出手段53によるコマンド送出
は、IDコードのビット数に対応して繰り返され、ID
コードが32ビットの場合には32回に亘って行われる
ようになっている。
【0016】データキャリア60は、通信部61と制御
部62と上述のメモリ23とからなるが、制御部62に
プログラム処理としてインプリメントされたID一部返
送手段63,ID一部照合手段64がIDコードを1ビ
ットずつ順に返送・照合処理するようになっている点、
及び通信部61が後述のM系列発生器等の付加されたも
のとなっている点で、上述したデータキャリア40と相
違する。すなわち、このデータキャリア60における識
別選択手段は、リーダライタ50からIDコード要求の
コマンドを受ける度にID読出手段42保持のIDコー
ド(ID1)から順に1ビットを抽出してこれを直ちに
通信部61経由でリーダライタ50へ返送するID一部
返送手段63と、この返送後にリーダライタ50から送
信されてきたIDコードの1ビットとID一部返送手段
63で返送した自己のIDコードの1ビットとを比較照
合して不一致のときには読出コマンド受理手段27及び
データ返送手段28による以後の処理を停止させるID
一部照合手段64とが設けられたものとなっている。
【0017】そして、このようなデータキャリアシステ
ムでは、リーダライタ50から読出コマンド送出手段1
3による読出コマンドの送出に先立ってID一部要求送
出手段53によるID一部要求コマンドの送出が行われ
る。このコマンドが複数のデータキャリア60,60
a,60bに到達すると、最初はID読出手段42によ
ってそれぞれのメモリ23からIDコード(ID1,I
D2,ID3)が読み出され、さらに各IDコードの先
頭1ビットがそれぞれのID一部返送手段63によって
データキャリア60,60a,60bからリーダライタ
50へ返送され、これらは総て同時にリーダライタ50
によって受信される。
【0018】このときID1,ID2,ID3の先頭ビ
ットが“0”,“0”,“1”とすると、受けたIDコ
ードの1ビット分に“0”,“1”双方が含まれるので
通信部52によってその情報がID一部受理選択手段5
4に通知され、これに応じてID一部受理選択手段54
によって例えば“0”が選出され、この1ビットの値が
選出部分ID送出手段55によってデータキャリア6
0,60a,60bへ向けて送信される。そして、デー
タキャリア60,60a,60bでは、それぞれのID
一部照合手段64による1ビット照合がなされ、照合結
果が不一致となるデータキャリア60bはリーダライタ
50からの以後のコマンドに応答しなくなる。
【0019】これに対し、照合結果が一致となるデータ
キャリア60,60aではコマンドに応答する処理が継
続される。ID1,ID2の相違するビットに至るまで
データキャリア60,60a双方の応答が続き、そこで
ID1が選択されると、データキャリア60aもリーダ
ライタ50からの以後のコマンドに応答しなくなる。こ
うして、IDコードに対する1ビットずつの識別・選択
・照合が32回繰り返されると、最後には一つのデータ
キャリア60だけが応答可能な状態で残り、以後のリー
ダライタ50からの読出コマンド等に対しては単一のデ
ータキャリア60だけがリーダライタ50からの読出コ
マンドに応じてメモリデータを返送するのである(図8
(b)参照)。
【0020】図9に詳細を示したデータキャリア60の
通信部61及びリーダライタ50の通信部52は、送信
パワーの弱いデータキャリア60からリーダライタ50
への送信に際しS/N比向上のためにM系列によるスペ
クトラム拡散を導入したものである。そのために、通信
部61では、変調回路29の直前で送信信号のラインに
対しスペクトラム拡散部65が介挿されて、送信信号が
各ビット毎にその値が“0”,“1”いずれであるかに
応じて15チップのM0 系列“00010011010
1111”,M1 系列“11010111100110
0”に変換・展開されてから変調・送信されるようにな
っている。
【0021】また、通信部52では、復調回路17の直
後で受信信号のラインに対し、A/D変換回路56と、
並列のM0 系列相関演算器57及びM1 系列相関演算器
58と、データ判別器59とが直列に介挿されている。
A/D変換回路56でデジタル信号に変換された受信信
号はM0 系列相関演算器57によってM0 系列との相関
が採られるとともにM1 系列相関演算器58によってM
1 系列との相関が採られる。M0 系列とM1 系列との相
関値は小さいので、受信信号にM0 系列だけが含まれて
いるとM0 系列相関演算器57側の相関値だけが所定の
閾値を超えて大きくなり、受信信号にM1 系列だけが含
まれているとM1 系列相関演算器58側の相関値だけが
大きくなるが、受信信号に双方が含まれている場合、両
方の相関値が共に大きくなる。
【0022】このような相関値に基づいてデータ判別器
59により、受信信号が有ったか否か、そして有ればそ
のビット値が“0”のみ,“1”のみ,双方のいずれで
あるかが判別されて、制御部51のID一部受理選択手
段54へ通知されるようになっている。なお、各相関演
算器57,58は、各チップごとに積和演算を繰り返し
てそのピーク値を抽出するという多量かつ高速の演算を
行う必要があるため、並列に専用の回路が設けられ、そ
の回路規模も大きくなりがちである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10に示
したリーダライタ70の通信部71及びデータキャリア
80の通信部81は、IDコードの送受信時におけるス
ペクトラム拡散を1ビット単位でなく4ビット単位で行
えるように図9の回路を拡張して見たものである。この
場合、4ビットデータの採りうる値が16個あることに
対応してM系列がM00系列〜M15系列の16個必要とな
り、さらにそのことに対応して、通信部81のスペクト
ラム拡散部82におけるM系列発生器および通信部71
におけるM系列相関演算器72a〜72gも、それぞれ
16個並列に設けられることとなる。しかも、同時に使
用されるM系列の個数が増加すると異なるM系列同士の
相関値が大きくなりS/N比の低下を招くので、これを
避けるためには各M系列のサイズを上記の15チップよ
りも増やす必要まで生じることとなる。
【0024】このような従来のデータ記憶体およびデー
タアクセス装置は、一対一のみで交信する基本構成の場
合(図6参照)通信可能な範囲に同時に複数のデータ記
憶体が存在して通信伝文が衝突してしまうと通信不能と
なってしまうことから、基本構成に対して識別選択手段
を付加し、この識別選択手段によって通信可能な複数の
相手を識別しそのうちから一つを選出してメモリデータ
の送受を行うが、この識別選択手段として、上述したよ
うに、待ち時間を異ならせて衝突を回避するものや(図
7参照)、衝突の有無を明瞭に検知可能なM系列による
スペクトラム拡散を利用してIDコードを1ビットずつ
識別・選出するもの(図8,9参照)が挙げられ、さら
には多数のM系列によるスペクトラム拡散を利用してI
Dコードを複数ビット単位で識別・選出するもの(図1
0参照)も考えられる。
【0025】しかしながら、待ち時間を異ならせて衝突
回避を図る場合、待ち時間が小さいと通信伝文の衝突が
多発して通信効率が悪化したり通信不能に陥ったりする
一方、衝突を減らすために待ち時間を長くすると応答性
が悪化する。このため、データ記憶体の総数が少ないと
きは簡便で良いが、データ記憶体の総数が多いと待ち時
間が極端に長くなってしまうため速やかにメモリデータ
の送受に取り掛かれなくなってしまう。また、最大の待
ち時間を短くしようとして同じ待ち時間を幾つかのデー
タ記憶体に割り当てると、或る確率で通信伝文の衝突が
発生するのを避けられないが、その際の衝突の態様によ
っては、複数のデータ記憶体の存在にも拘わらずデータ
記憶体が全く存在しないとデータアクセス装置が誤認し
てしまうこともある。
【0026】これに対し、M系列によるスペクトラム拡
散を利用してIDコードを1ビットずつ識別・選出する
場合、そのような不都合は無いが、スペクトラム拡散の
ための回路が設けられていなければならない。このた
め、その回路が付設されていないデータ記憶体およびデ
ータアクセス装置には適用できない。また、IDコード
を1ビットずつ交信して処理することから通信回数が、
かなり多い。そこで、IDコードの識別・選出に際して
通信回数を減らすために1ビットずつでなく複数ビット
単位で処理を行いたいのであるが、上述したように多数
の相関演算器等の追加によって通信部の回路規模が著し
く増大してしまう。
【0027】そこで、データ記憶体のIDコードの識別
・選出に際し、待ち時間を設ける必要が無く、且つスペ
クトラム拡散用回路の有無に拘わらず、複数ビット単位
で処理を行い得るデータ記憶体およびデータアクセス装
置を案出することが課題となる。しかも、複数ビット化
に伴う回路規模の増大はできるだけ抑制したい。
【0028】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、IDコードの識別・選出を複
数ビット単位で処理するデータ記憶体およびデータアク
セス装置を実現することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るためになされた本発明について、その構成および作用
効果を以下に説明する。なお、図1の機能ブロック図の
符号も併記する。
【0030】このデータ記憶体およびデータアクセス装
置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、電磁誘導
結合方式での通信によりデータアクセス装置と1又は2
以上のデータ記憶体との間でメモリデータの送受を行う
システムであって、以下の要件を満たすものである。こ
のデータ記憶体およびデータアクセス装置は、前記メモ
リデータの送受に際し、それに先だって、前記データア
クセス装置(100)と通信可能な1又は2以上の前記
データ記憶体(200,200a、…)を識別するとと
もに、複数同時通信可能なときにはそのうちの何れか一
つのデータ記憶体を前記データアクセス装置との前記デ
ータ送受の相手として選出する識別選択手段が設けられ
たものである。前記データ記憶体(200,200a、
…)には、それぞれ他のデータ記憶体と識別可能な複数
ビットのIDコード(ID1,ID2,…)が割り当て
られている。この複数ビットのIDコードは、さらに複
数ビットごとに分割可能な多数のビットからなる。
【0031】さらに、前記識別選択手段として、前記I
Dコードの一部を要求するコマンドを(前記IDコード
の全ビットが得られるまで)繰り返し送信するID一部
要求送出手段(53)が前記データアクセス装置(10
0)側に設けられ、前記ID一部要求送出手段の要求に
応じて自己のIDコードを複数ビットでの分割単位ごと
に前記データアクセス装置へ返送するID一部返送手段
(263)が、前記データ記憶体(200)側に設けら
れ、前記ID一部返送手段による返送に際してその(前
に,後に,又は並行して少なくとも)返送対象であるI
Dコードの一部を直交符号に変換する直交符号化手段
(202)が、前記データ記憶体(200)側に設けら
れ、前記直交符号化手段の変換処理に対応した逆変換を
行って、返送されたIDコードの一部を復号する復号化
演算手段(102)が、前記データアクセス装置(10
0)側に設けられ、前記ID一部返送手段によって返送
されて前記復号化演算手段によって復号されたIDコー
ドの一部について(それが一個のときはそれを選出し複
数個のときはそのうちの)何れか一つを選出するID一
部受理選択手段(154)が、前記データアクセス装置
(100)側に設けられ、前記ID一部受理選択手段に
よって選出されたIDコードの一部を送信する選出部分
ID送出手段(155)が、前記データアクセス装置
(100)側に設けられ、前記選出部分ID送出手段に
よって送信されたIDコードの一部を(受けこれを)自
己のIDコードのうち前記ID一部返送手段によって返
送した部分と比較照合して不一致のときには前記ID一
部返送手段による(少なくともIDコードの残部につい
ての以後の)返送を停止させるID一部照合手段(26
4)が、前記データ記憶体(200)側に設けられてい
る。
【0032】このようなデータ記憶体およびデータアク
セス装置にあっては、メモリデータの送受に先立って、
データアクセス装置からID一部要求送出手段によって
IDの一部を要求するコマンドの送出が行われ、この要
求に応じて1又は2以上のデータ記憶体からデータアク
セス装置へID一部返送手段263によってそれぞれの
IDコードが複数ビットでの分割単位ごとに返送され、
これを受信したデータアクセス装置ではID一部受理選
択手段154によって返送IDコードの一部について何
れか一つが選出され、さらにデータアクセス装置からデ
ータ記憶体へ選出部分ID送出手段155によって選出
IDコードの一部が送信され、これを受けたデータ記憶
体でID一部照合手段264によって返送IDコードの
一部との比較照合等が行われる。こうして、IDコード
が複数ビットごとに識別・照合され、それがIDコード
の全ビットについて繰り返されるとIDコードの識別・
照合が完了し、一のデータ記憶体がメモリデータの送受
相手として選出される。
【0033】また、データ記憶体からデータアクセス装
置へ返送されるIDコードの一部すなわち複数ビット列
は、データ記憶体で直交符号化手段によって直交符号に
変換されてから送信されるともに、これを受信したデー
タアクセス装置では復号化演算手段によって逆変換の演
算が施されて復号される。この直交符号の性質により、
直交通信伝文の衝突が発生したときでも複数ビット列の
全パターンのうち何のパターンが存在するか存在しない
かが一括で判別可能となる。しかも、このときの直交符
号化は、IDコードの一部である複数ビット分を識別可
能なものであれば足りるので、直交符号の個数が少なく
て済み、さらに直交符号のビット数も比較的短くて済
む。これにより、復号化等の演算手段を、小規模の演算
回路かマイクロプロセッサによるプログラム処理によっ
て具現化することが可能となる。
【0034】したがって、この発明によれば、待ち時間
を設けること無く、さらにスペクトラム拡散用回路を必
要ともしないで、しかも回路規模の増大を抑制しなが
ら、IDコードの識別・選出を複数ビット単位で処理す
るデータ記憶体およびデータアクセス装置を実現するこ
とができる。
【0035】
【発明の実施の形態】このような本発明のデータ記憶体
およびデータアクセス装置について、これを実施するた
めの形態を説明する。
【0036】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施
形態は、次のデータアクセス装置や通常多数のデータ記
憶体が組み合わせられて成るものである。データアクセ
ス装置(100)は(、出願当初の請求項2に記載の如
く)、上記のID一部要求送出手段(53)と復号化演
算手段(102)とID一部受理選択手段(154)と
選出部分ID送出手段(155)とを備えたデータアク
セス装置(データ読取装置、データ書込装置、データ読
書装置)である。データ記憶体(200,200a…)
は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記のID
一部返送手段(263)と直交符号化手段(202)と
ID一部照合手段(264)とを備えたデータ記憶体で
ある。個別に又は同時に製造・提供等されるこれらのデ
ータアクセス装置とデータ記憶体とを適宜組み合わせて
使用することにより、上述したデータ記憶体およびデー
タアクセス装置のシステムを構築することができる。
【0037】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
形態は、上述した解決手段および実施形態のデータ記憶
体及び/又はデータアクセス装置であって、データ記憶
体からデータアクセス装置に返送されるIDコードの一
部に対し、直交符号化処理に加えて、M系列等の疑似ラ
ンダム信号を用いたスペクトラム拡散の処理も施すこと
を特徴とする。この場合、直交符号化処理により複数ビ
ットの分割単位でのIDコードの識別・選択が可能にな
るとともに、スペクトラム拡散により通信におけるS/
N比向上が成されるが、両者を結合させたことにより、
IDコードの識別・選択が複数ビットの分割単位で行わ
れるときでも、スペクトラム拡散のための回路規模は単
一ビット分で済ませることができる。
【0038】
【実施例】本発明のデータ記憶体およびデータアクセス
装置の一実施例としてのデータキャリアシステムについ
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
1は、その機能ブロック図であり、図2は、データアク
セス装置としてのリーダライタ100の制御手順のフロ
ーチャートであり、図3は、データ記憶体としてのデー
タキャリア200の制御手順のフローチャートである。
【0039】リーダライタ100は、制御部101と既
述の通信部12とからなるが、この制御部101は、プ
ログラム処理としてインプリメントされたID一部受理
選択手段154,選出部分ID送出手段155がID一
部受理選択手段54,選出部分ID送出手段55のプロ
グラム変更によってIDコードを4ビットずつ順に識別
・選択するようになっている点、及びID一部受理選択
手段154の処理に先だって実行される復号化演算手段
102がプログラム処理として付加されている点で、既
述した制御部51と相違する。
【0040】また、データキャリア200は、既述の通
信部21と制御部201と既述のメモリ23とからなる
が、この制御部201は、プログラム処理としてインプ
リメントされたID一部返送手段263,ID一部照合
手段264がID一部返送手段63、ID一部照合手段
64のプログラム変更によってIDコードを4ビットず
つ順に返送・照合するようになっている点で、既述した
制御部62と相違する。さらに、データキャリア200
は、制御部201と通信部21との間における送信信号
のラインに対して直交符号化手段202の回路が介挿さ
れていて、IDコードの一部である4ビットデータが1
6ビットの直交符号に変換されるようになっている点で
も、既述したデータキャリア60と相違する。データキ
ャリア200a,200bも同様である。以下、重複す
る再度の説明は割愛し、これらの相違点を中心に説明す
る。
【0041】リーダライタ100の制御部101は、プ
ログラムの実行がスタートすると、定期的にダミーのコ
マンド送出等を行って通信可能なデータキャリアが有る
か無いかを確認する(図2のステップS101を参
照)。そして、通信可能なデータキャリアが見つかる
と、総ての通信可能なデータキャリアについて応答を求
めるために応答許可コマンドを通信部12経由で送出し
(ステップS102)、さらに、ID一部要求コマンド
も通信部12経由で送出する(ステップS103)。こ
れにより、リーダライタ100は、データキャリアに対
してIDコードの一部を要求するコマンドを送信するI
D一部要求送出手段53を備えたものとなっている。
【0042】それから、データキャリアからID一部返
送手段によって16ビットの直交符号が返送されて来る
のを待ってこれを受信する(ステップS104)。そし
て、それに対して高速アダマール演算を施して4ビット
のバイナリデータに変換する(ステップS105)。な
お、この高速アダマール演算は直交符号化手段202の
変換処理の逆変換に相当する積和演算であり、その演算
結果として、16ビットの直交符号から4ビット列の1
6パターンの総てについて単独で又は重畳して含まれて
いたか否かが一括して検出される。これにより、リーダ
ライタ100は、返送されたIDコードの一部を復号す
る復号化演算手段102をプログラム処理として具現化
することで備えたものとなっている。
【0043】次ぎに、検出されたIDコードの一部が1
個のみのときはその4ビットを選出し(ステップS10
6)、複数個のときはその中から何れか1つの4ビット
を選出する(ステップS107)。これにより、リーダ
ライタ100は、ID一部返送手段によって返送されて
復号化演算手段102によって復号されたIDコードの
一部について何れか一つを選出するID一部受理選択手
段154を備えたものとなっている。
【0044】このID一部受理選択手段154によって
選出されたIDコードの一部4ビットは、通信部12経
由で送出される(ステップS108、選出部分ID送出
手段155)。そして、IDコードの32ビット総ての
選出が確定するまで、ステップS103〜S108の処
理が8回繰り返される(ステップS109)。これによ
り、ID一部要求送出手段53,復号化演算手段10
2,ID一部受理選択手段154,及び選出部分ID送
出手段155は、データキャリアのIDコードの全ビッ
トが得られるまで送信等の処理を繰り返すものとなって
いる。
【0045】その後は、メモリデータの読出コマンドを
通信部12経由で送出し(ステップS110)、リーダ
ライタからのデータ返送を待ってこれを受信し(ステッ
プS111)、データ内容の確認や更新等のアプリケー
ション対応の処理が行われる(ステップS112)。こ
れにより、リーダライタ100は、読出コマンド送出手
段13及びデータ処理手段18も備えたものとなってい
る。
【0046】データキャリア200の制御部201は、
プログラムの実行がスタートすると、リーダライタから
応答許可コマンドが送信されて来るのを待つ(図3のス
テップS201を参照)。そして、それを受信するとメ
モリ23の所定のアドレスから自己のIDコードの32
ビット総てを読み出しておく(ステップS202、ID
読出手段42)。なお、IDコードの読み出しは次のI
D一部返送手段263の一部として繰り返し行うように
してもよい。
【0047】それから、リーダライタからID一部要求
送出手段によってID一部要求コマンドが送信されて来
るのを待つ(ステップS203)。そして、それを受信
すると、既に読み出されている自己のIDコード32ビ
ットのうち未送信となっている部分を4ビットだけ直交
符号化手段202及び通信部21経由でリーダライタへ
返送する(ステップS204)。これにより、データキ
ャリア200は、ID一部要求送出手段の要求に応じて
自己のIDコードを複数ビットでの分割単位ごとにデー
タアクセス装置へ返送するID一部返送手段263を備
えたものとなっている。
【0048】次ぎに、リーダライタから選出部分ID送
出手段によって選出された部分のIDコード4ビットが
送信されて来るのを待ち(ステップS205)、それを
受信すると、先ほどID一部返送手段263で送出した
自己のIDコードの一部4ビットと比較照合する(ステ
ップS206)。そして、それらが一致していないとき
は、以後の処理を省いてステップS201の応答許可待
ちの処理に戻る(ステップS207)。これに対し、送
受したIDコードの一部4ビットが一致し続けていると
きは、IDコードの32ビット総ての照合が完了するま
で、ステップS203〜S207の処理が8回繰り返さ
れる(ステップS208)。これにより、データキャリ
ア200は、選出部分ID送出手段によって送信された
IDコードの一部を受けこれを自己のIDコードのうち
ID一部返送手段によって返送した部分と比較照合して
不一致のときにはID一部返送手段による少なくともI
Dコードの残部についての以後の返送を停止させるID
一部照合手段264を備えたものとなっている。
【0049】その後は、リーダライタからメモリデータ
の読出コマンドを受信すると(ステップS209)、そ
のコマンドでの指定アドレスに記憶されているメモリ2
3のメモリデータを読み出し(ステップS210)、こ
れを通信部21経由でリーダライタへ返送する(ステッ
プS211)。これにより、データキャリア200は、
読出コマンド受理手段27及びデータ返送手段28も備
えたものとなっている。
【0050】直交符号化手段202は、その回路が制御
部201と通信部21との間における送信信号のライン
に介挿されたことにより、ID一部返送手段による返送
に際してその返送対象であるIDコードの一部を変換す
るものとなっているが、さらに、16行×16列のアダ
マール行列の各行ベクトルに対して4ビットデータの値
を行アドレスとして適用することにより、IDコードの
一部である4ビットデータを16ビットの直交符号に変
換するものとなっている。
【0051】この実施例のデータ記憶体およびデータア
クセス装置について、その使用態様及び動作を、図4の
交信ダイアグラムを引用して説明する。
【0052】このようなリーダライタ100及びデータ
キャリア200からなるデータキャリアシステムでは、
リーダライタ100から読出コマンド送出手段13によ
る読出コマンドの送出に先立って先ず応答許可コマンド
の送出が行われる。このコマンドが複数のデータキャリ
ア200,200a,200bに到達すると、最初はI
D読出手段42によってそれぞれのメモリ23から32
ビットのIDコード(ID1,ID2,ID3)が読み
出される。
【0053】次に、リーダライタ100からID一部要
求送出手段53によってID一部要求コマンドの送出が
行われ、これがデータキャリア200,200a,20
0bによって受信されると、各IDコードの先頭4ビッ
トがそれぞれのID一部返送手段263によってそれぞ
れの直交符号化手段202に送られて16ビットの直交
符号に変換されてからそれぞれの通信部21を介してデ
ータキャリア200,200a,200bからリーダラ
イタ100へ返送され、これらは総て同時にリーダライ
タ100によって受信される。
【0054】そして、リーダライタ100では、復号化
演算手段102によって復号化の演算が行われて、16
ビットの直交符号から4ビットのIDコード部分が3組
復元される。このときID1,ID2,ID3の先頭4
ビットが“0000”,“0000”,“0101”と
すると、これら3組が復元され、その情報がID一部受
理選択手段154に通知され、これに応じてID一部受
理選択手段154によって例えば“0000”が選出さ
れ、さらに、この4ビットの値が選出部分ID送出手段
155によってデータキャリア200,200a,20
0bへ向けて送信される。そして、データキャリア20
0,200a,200bでは、それぞれのID一部照合
手段264による4ビット照合がなされ、照合結果が不
一致となるデータキャリア200bはリーダライタ10
0からの以後のコマンドに応答しなくなる。
【0055】これに対し、照合結果が一致となるデータ
キャリア200,200aではコマンドに応答する処理
が継続される。ID1,ID2の相違するビット列に至
るまでデータキャリア200,200a双方の応答が続
き、そこでID1が選択されると、データキャリア20
0aもリーダライタ100からの以後のコマンドに応答
しなくなる。こうして、IDコードに対する4ビットず
つの識別・選択・照合が8回繰り返されると、最後には
一つのデータキャリア200だけが応答可能な状態で残
り、以後のリーダライタ100からの読出コマンド等に
対しては単一のデータキャリア200だけがリーダライ
タ100からの読出コマンドに応じてメモリデータを返
送する。
【0056】こうして、このデータキャリアシステムで
は、電磁誘導結合方式での通信可能範囲内に複数のデー
タキャリアが入って一台のリーダライタ10に対して同
時に通信可能になったような場合に交信不能に陥るのを
防止するために、メモリデータの送受を行うに際しこの
データ送受に先だってリーダライタが通信可能なデータ
キャリアを識別するとともに複数同時通信可能なときに
はそのうちの何れか一つのデータキャリアをデータ送受
の相手として選出するが、データキャリアの識別・選択
の段階では衝突を回避するのではなく衝突したものを識
別してその中から一つを選出する。しかも、そのこと
を、M系列によるスペクトラム拡散の回路や信号を利用
しないで、且つIDコードの識別・選択のための交信を
32回ではなく8回繰り返すだけで完遂することができ
るのである。
【0057】図5に示した本発明のデータ記憶体および
データアクセス装置としてのデータキャリアシステムに
ついて説明する。先ず、図5(a)のデータキャリア4
00は、上述の制御部201に代わる制御部401が、
制御部201を構成するマイクロプロセッサよりも小形
で低機能ないわゆるマイクロシーケンサを用いてマイク
ロプログラムによって具体化されたものである。そし
て、その機能の一部が個別回路で具体化されている。
【0058】すなわち、32ビットシフトレジスタを有
し制御部401の制御に従って応答許可コマンド受信時
にメモリ23からIDコードをそのシフトレジスタへロ
ードしておくとともにID一部要求コマンド受信時およ
び選出部分IDの受信時にそのシフトレジスタから4ビ
ットを送出およびシフトするID読出部402と、ID
読出部402から送出された4ビットに対応する16ビ
ットの直交符号を発生しこれをビットシリアルで変調回
路29へ送出する直交符号発生器403と、4ビットの
コンパレータを有し選出部分IDの受信時に選出部分I
D4ビットとID読出部402から送出の4ビットとを
そのコンパレータで比較して比較結果を制御部401へ
送出するID照合部404とが、個別回路で構成されて
いる。
【0059】次に、図5(b)のリーダライタ500及
びデータキャリア600は、上述のリーダライタ100
における通信部12を既述のリーダライタ50における
通信部52で置換するとともに、上述のデータキャリア
200における通信部21を既述のデータキャリア60
における通信部61で置換することで、構成されたもの
である。これにより、データ記憶体からデータアクセス
装置に返送されるIDコードの一部に対し、直交符号化
処理に加えて、疑似ランダム信号を用いたスペクトラム
拡散の処理も施される。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のデータ記憶体およびデータアクセス装置にあっては、
データ記憶体のIDコードの識別・選出を複数ビット単
位で処理するに際して直交符号化の処理を結合させたこ
とにより、待ち時間を設けることなく、且つスペクトラ
ム拡散用回路の有無に拘束されることなく、さらには回
路規模も大して増大することなく、複数ビット単位で識
別等の処理を行うデータ記憶体およびデータアクセス装
置を実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のデータ記憶体およびデータアクセス
装置の一実施例としてのデータキャリアシステムについ
て、その機能ブロック図である。
【図2】 そのリーダライタの制御手順のフローチャ
ートである。
【図3】 そのデータキャリアの制御手順のフローチ
ャートである。
【図4】 それらの交信ダイアグラムである。
【図5】 本発明のデータ記憶体およびデータアクセス
装置としてのデータキャリアシステムについて、他の構
成例である。
【図6】 従来のデータキャリアシステムの基本構成で
ある。
【図7】 従来の一般的な衝突回避手段を備えた例であ
る。
【図8】 従来のスペクトラム拡散を利用した例であ
る。
【図9】 そのスペクトラム拡散に関する回路ブロッ
ク図である。
【図10】 そのスペクトラム拡散の回路を拡張したと
きの図である。
【符号の説明】
10 リーダライタ(データアクセス装置) 11 制御部 12 通信部 13 読出コマンド送出手段(アクセス手段;メモリデ
ータ送受信手段) 14 変調回路 15 伝送部 16 コイル(電磁誘導結合子) 17 復調回路 18 データ処理手段(アクセス手段;メモリデータ送
受信手段) 20 データキャリア(データ記憶体) 21 通信部 22 制御部 23 メモリ 24 伝送部 25 コイル(電磁誘導結合子) 26 復調回路 27 読出コマンド受理手段(応答手段;メモリデータ
送受信手段) 28 データ返送手段(応答手段;メモリデータ送受信
手段) 29 変調回路 30 リーダライタ(データアクセス装置) 31 制御部 32 ID要求送出手段(識別選択手段) 33 ID受理選択手段(識別選択手段) 34 選出ID送出手段(識別選択手段) 40 データキャリア(データ記憶体) 40a,40b データキャリア 41 制御部 42 ID読出手段(識別選択手段) 43 ID返送手段(識別選択手段) 44 ID照合手段(識別選択手段) 50 リーダライタ(データアクセス装置) 51 制御部 52 通信部 53 ID一部要求送出手段(識別選択手段) 54 ID一部受理選択手段(識別選択手段) 55 選出部分ID送出手段(識別選択手段) 56 A/D変換回路 57 M0 系列相関演算器 58 M1 系列相関演算器 59 データ判別器 60 データキャリア(データ記憶体) 60a,60b データキャリア 61 通信部 62 制御部 63 ID一部返送手段(識別選択手段) 64 ID一部照合手段(識別選択手段) 65 スペクトラム拡散部 70 リーダライタ(データアクセス装置) 71 通信部 72a,…,72g M系列相関演算器 73 データ判別器 80 データキャリア(データ記憶体) 80a,80b データキャリア 81 通信部 82 スペクトラム拡散部 100 リーダライタ(データアクセス装置) 101 制御部 102 復号化演算手段(識別選択手段) 154 ID一部受理選択手段(識別選択手段) 155 選出部分ID送出手段(識別選択手段) 200 データキャリア(データ記憶体) 200a,200b データキャリア 201 制御部 202 直交符号化手段(識別選択手段) 263 ID一部返送手段(識別選択手段) 264 ID一部照合手段(識別選択手段) 400 データキャリア(データ記憶体) 401 制御部 402 ID読出部(ID読出手段;ID一部返送手
段;識別選択手段) 403 直交符号発生器(直交符号化手段;識別選択手
段) 404 ID照合部(ID一部照合手段;識別選択手
段) 500 リーダライタ(データアクセス装置) 600 データキャリア(データ記憶体)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁誘導結合方式での通信によりメモリデ
    ータの送受を行うに際しこのデータ送受に先だって通信
    可能な相手装置を識別するとともに複数同時通信可能な
    ときには何れか一つを前記データ送受の相手として選出
    する識別選択手段を備えたデータ記憶体およびデータア
    クセス装置において、前記データ記憶体は、他のデータ
    記憶体と識別可能な複数ビットのIDコードが割り当て
    られたものであり、前記識別選択手段は、前記データア
    クセス装置に設けられ前記IDコードの一部を要求する
    コマンドを繰り返し送信するID一部要求送出手段と、
    前記データ記憶体に設けられ前記ID一部要求送出手段
    の要求に応じて自己のIDコードを複数ビットでの分割
    単位ごとに前記データアクセス装置へ返送するID一部
    返送手段と、前記データ記憶体に設けられ前記ID一部
    返送手段による返送に際してその返送対象であるIDコ
    ードの一部を直交符号に変換する直交符号化手段と、前
    記データアクセス装置に設けられ前記直交符号化手段の
    変換処理に対応した逆変換を行ってIDコードの一部を
    復号する復号化演算手段と、前記データアクセス装置に
    設けられ前記ID一部返送手段によって返送されて前記
    復号化演算手段によって復号されたIDコードの一部に
    ついて何れか一つを選出するID一部受理選択手段と、
    前記データアクセス装置に設けられ前記ID一部受理選
    択手段によって選出されたIDコードの一部を送信する
    選出部分ID送出手段と、前記データ記憶体に設けられ
    前記選出部分ID送出手段によって送信されたIDコー
    ドの一部を自己のIDコードのうち前記ID一部返送手
    段によって返送した部分と比較照合して不一致のときに
    は前記ID一部返送手段による返送を停止させるID一
    部照合手段とを備えたことを特徴とするデータ記憶体お
    よびデータアクセス装置。
  2. 【請求項2】電磁誘導結合方式での通信によりメモリデ
    ータの送受を行うに際しこのデータ送受に先だって通信
    可能なデータ記憶体を識別するとともに複数同時通信可
    能なときには何れか一つを前記データ送受の相手として
    選出する識別選択手段を備えたデータアクセス装置にお
    いて、前記識別選択手段は、前記IDコードの一部を要
    求するコマンドを繰り返し送信するID一部要求送出手
    段と、直交符号に変換されて返送された前記データ記憶
    体のIDコードの一部を逆変換して復号する復号化演算
    手段と、この復号されたIDコードの一部について何れ
    か一つを選出するID一部受理選択手段と、この選出さ
    れたIDコードの一部を送信する選出部分ID送出手段
    とを備えたことを特徴とするデータアクセス装置。
  3. 【請求項3】電磁誘導結合方式での通信によりメモリデ
    ータの送受を行うに際しこのデータ送受に先だって通信
    可能なデータアクセス装置によって識別されるとともに
    前記データ送受の相手として選出された否かを確認する
    識別選択手段を備えたデータ記憶体において、前記識別
    選択手段は、他のデータ記憶体と識別可能に割り当てら
    れた自己の複数ビットのIDコードに対してその一部を
    要求するコマンドを前記データアクセス装置から受ける
    とこれに応じて自己のIDコードを複数ビットでの分割
    単位ごとに前記データアクセス装置へ返送するID一部
    返送手段と、このID一部返送手段による返送に際して
    その返送対象であるIDコードの一部を直交符号に変換
    する直交符号化手段と、前記ID一部返送手段の返送後
    に前記データアクセス装置から送信されたIDコードの
    一部を受けこれを自己のIDコードのうち前記ID一部
    返送手段によって返送した部分と比較照合して不一致の
    ときには前記ID一部返送手段による返送を停止させる
    ID一部照合手段とを備えたことを特徴とするデータ記
    憶体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007004806A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Samsung Electronics Co Ltd 読取り装置、タグ、電波識別システム、および電波識別システムにおけるタグの識別方法

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JP2007004806A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Samsung Electronics Co Ltd 読取り装置、タグ、電波識別システム、および電波識別システムにおけるタグの識別方法

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