JPH10132807A - タバコ煙の評価方法 - Google Patents

タバコ煙の評価方法

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JPH10132807A
JPH10132807A JP28706996A JP28706996A JPH10132807A JP H10132807 A JPH10132807 A JP H10132807A JP 28706996 A JP28706996 A JP 28706996A JP 28706996 A JP28706996 A JP 28706996A JP H10132807 A JPH10132807 A JP H10132807A
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JP
Japan
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smoke
tobacco
pressure
gas
cigarette
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Withdrawn
Application number
JP28706996A
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English (en)
Inventor
Hiroshige Inada
浩成 稲田
Zenpei Fukuda
全平 福田
Takehiko Narisada
武彦 成定
Megumi Shibata
恵 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Cigarettes, Filters, And Manufacturing Of Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低タール・低ニコチンで香喫味に優れ、タバ
コ内部の空気流入量のバランスに優れたフィルタを設計
するのに有用なタバコ煙の評価方法を提供する。 【解決手段】 タバコのモデル形状,ガス流れに関する
連続方程式・運動方程式・濃度輸送方程式からなる支配
方程式,各種の仮定及び境界条件を設定する。濃度輸送
方程式にはニコチン濃度消失項が考慮される。仮定の一
つとしてフィルタの濾過性能をガス流量のみの関数とし
ている。パフ数に応じたタバコの刻み部の長さを設定す
ると共に、適当な吸口圧力を初期値として与える。次
に、吸口ガス流出量が所定値になるまで、吸口圧力を試
行錯誤的に調整しながら、有限要素法を用いた数値解析
で支配方程式の解を求める。これら一連の処理を与えら
れた全てのパフについて行い、最終的な解析結果からタ
バコ内のガス流量,流線,流速分布,圧力分布,ニコチ
ン濃度分布,積算ニコチン濃度分布などを求めて出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タバコのフィルタ
の構造設計に用いて好適なタバコ煙の評価方法に関し、
さらに詳しくは、タバコ内におけるガス(煙)流れを有
限要素法を用いたコンピュータシミュレーションで解析
するタバコ煙の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年は軽いタバコが好まれる傾向もあっ
て、低タール・低ニコチンのタバコが種々開発されてい
る。ところが、タバコを低タール化・低ニコチン化すれ
ば、どうしてもタバコの味が薄くなってしまい、風味,
味わいが落ちてしまうのは否めない。そこでこうした点
を改善するために、近時は、香喫味の向上を狙った差別
化フィルタの開発が活発になってきている。
【0003】こうしたフィルタの構造を新規に設計する
際は、フィルタ内部における煙やチップベンチレーショ
ン空気の流れであるとか、煙の濃度分布などを把握する
ことが重要になってくる。例えば、タバコの中心部分で
の煙濃度を局所的に濃くするような工夫を施すと、全体
的には薄味のタバコであっても感覚的に味が良く感じら
れると言われている。したがって、煙の濃度分布等をフ
ィルタ構造を与えることで簡単にシミュレーションでき
れば、タバコのフィルタの構造設計にとって非常に有用
であると言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現時点
においては、タバコの煙を吸引させて煙に含まれるター
ルやニコチンの評価を行う喫煙器なるものが開発されて
いる程度である。しかもこうした機器は、ピストンによ
りタバコの煙を吸引させてガラスフィルタなどに吸着さ
せて、吸着されたタールやニコチンを抽出するだけのも
のである。したがって、タバコ内の煙の流れや濃度分布
などは一切分からず、上述したような要求に何ら応えら
れない。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、低タール・低ニコチンで香喫味に優
れ、しかもタバコ内部の空気流入量のバランスに優れた
フィルタを設計するのに特に有用なタバコ煙の評価方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、フィルタ付きのタバコ内
のガスの流れを、前記ガスの流速と圧力と前記ガスに含
まれる煙の濃度に関して、前記ガスの物質収支を表わす
連続方程式,前記ガスの圧力勾配による力を表わす運動
方程式,前記フィルタの濾過作用による煙濃度消失項が
含まれた前記煙の物質収支を表わす濃度輸送方程式から
なる支配方程式で与え、前記支配方程式の解析を行っ
て、前記ガス流速,前記圧力,前記煙濃度の解を算出
し、該算出結果に基づいて前記タバコ内における空気流
入割合,流線,ガス流速分布,圧力分布,煙濃度分布の
うちの少なくとも1つを作成することを特徴としてお
り、好ましくは、煙濃度として非凝縮性ガスのニコチン
成分を対象としている。
【0007】また、請求項2記載の発明は、フィルタ付
きのタバコの各部を多孔質体でモデル化し、前記タバコ
の半径方向をr軸,前記タバコの中心軸方向をz軸,u
r を前記半径方向のガス流速,uz を前記中心軸方向の
ガス流速,μをガス粘度,pを圧力,Cを煙濃度,α0
をガス中における煙粒子の拡散係数×前記多孔質体の空
隙率で表わされる有効拡散係数,Rを前記フィルタの濾
過作用による煙濃度消失項,κを前記多孔質体の透過係
数として、前記タバコ内のガス流れの支配方程式を連続
方程式
【数5】 と、運動方程式
【数6】 及び
【数7】 と、濃度輸送方程式
【数8】 により与え、前記モデル化されたタバコについて有限要
素法により前記支配方程式を解き、前記半径方向のガス
流速ur ,前記中心軸方向のガス流速uz ,前記圧力
p,前記煙濃度Cの解を算出し、該算出結果に基づいて
前記タバコ内における空気流入割合,流線,ガス流速分
布,圧力分布,煙濃度分布のうちの少なくとも1つを作
成することを特徴としている。
【0008】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記支配方程式の解析に際して、E
を煙濾過率[−],Lを前記フィルタの長さ[cm],Q
をガス流量[cm3/sec],C0,C1,C2をそれぞれ所定
の定数としたときに、ln(1−E)=−C0L−C1
Q−C2LQ-2/3 なる関係式を用いて前記煙濃度消失項
Rを計算することを特徴としている。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項2又
は3記載の発明において、前記タバコの吸口における圧
力を変化させて、該吸口におけるガス流量が所定値とな
るまで前記支配方程式の解析を繰り返し行うことを特徴
としている。また、請求項5記載の発明は、請求項2〜
4の何れかの項記載の発明において、前記フィルタ部分
のチップベンチレーションの有無とパフの回数に応じ、
前記タバコの刻み部の長さを前記パフ毎に設定したこと
を特徴としている。
【0010】また、請求項6記載の発明は、請求項2〜
5の何れかの項記載の発明において、前記支配方程式の
解析に際して、 a) 前記タバコの燃焼コーンの空気流
入部における圧力を大気圧とし、 b) 前記タバコのシ
ガレット巻紙の外壁面における煙濃度がゼロで圧力を大
気圧とし、 c) 前記タバコのチップベンチレーション
の空気流入部における煙濃度がゼロで圧力を大気圧と
し、 d) 前記タバコのチップペーパの内壁面における
半径方向の煙濃度勾配が無くガス流速をゼロとし、
e) 前記タバコの中心軸における半径方向の煙濃度勾
配が無く半径方向のガス流速をゼロとし、 f) 前記タ
バコの吸口における中心軸方向の煙濃度勾配を無いとし
た境界条件を付与したことを特徴としている。
【0011】また、請求項7記載の発明は、請求項2〜
6の何れかの項記載の発明において、前記支配方程式の
解析に際して、 a) 前記多孔質体を一定の通気抵抗を
有する均質な多孔質体とし、 b) 前記タバコ内におけ
るガスの流れを定常流れ且つ等温流れとし、 c) 前記
タバコの刻み部の長さをパフ毎に一定とし、 d) 前記
タバコ内を流れるガスを非圧縮性ガスとし、 e) 前記
煙粒子の体積及び質量が無く、 f) 前記タバコの燃焼
コーンから流出する煙濃度を一定とし、 g)前記煙粒
子の拡散係数を一定とし、 h) 前記タバコの刻み部に
おける煙の濾過が無いとした各条件を付与したことを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明するが、まずはフィルタを含めた
タバコの構造を簡単に説明しておく。図2は1本のタバ
コ(紙巻煙草)の外観を示す図であって、図示したよう
に中心軸Cを中心とした円筒形状をしている。同図にお
いて、刻み1には刻んだタバコの葉がシガレット巻紙2
によって封入されている。この刻み1の吸口3方向に
は、タールやニコチン等の成分を濾過するためのフィル
タ4が接合されている。最近では二重構造になったフィ
ルタをよく見かけるが、本実施形態で用いているフィル
タ4はいわゆるプレーンフィルタであって、単一素材の
無垢なフィルタである。
【0013】チップペーパ5はフィルタ4を包む紙であ
る。また、図示したタバコでは、フィルタ4の真ん中付
近には、その円周方向にミシン目状に孔の空いたチップ
ベンチレーション6が設けられている。このチップベン
チレーション6は希釈空気導入孔であって、タバコを吸
った際に吸引された空気がフィルタ4の内部へ流入す
る。なお、タバコの種類によってはチップベンチレーシ
ョンが設けられていないものも有る。そして、本実施形
態ではチップベンチレーションが有っても無くても良
く、これら双方のタイプのタバコを対象としている。
【0014】〔計算モデル〕後述するように、本実施形
態では有限要素法を用いたコンピュータシミュレーショ
ンによりタバコ煙の評価を行っているが、そのためには
タバコの形状をモデル化する必要がある。そこで以下、
本実施形態で採用しているタバコの計算モデルについて
説明する。
【0015】本来、タバコのモデル形状は図2のような
円筒形そのままが好ましい。しかし、計算時間及びシミ
ュレーションに要するコンピュータのメモリ容量を節約
するために、図2の形状のタバコをさらに図3のような
扇形で無限に薄い切片でモデル化する。なお、図3にお
いて図2と同じの構成要素には同一の符号を付してあ
り、ここではその説明を省略する。
【0016】図3は中心軸Cから上半分をタバコの側面
から見た断面図であって、解析対象であるタバコは中心
軸Cを中心とした2次元軸対称としてモデル化されてい
る。このように、本実施形態ではタバコの形状を2次元
軸対称としているために、チップベンチレーション6は
円周に沿って連続した「線」でモデル化される。この点
において、本実施形態は実際のタバコの構造と相違して
いる。なお、モデル化に際して各切片は隣接する切片と
の間で物質や熱の収受が一切無いものとしている。
【0017】また、図3では切片をz軸及びr軸から成
る2次元座標で表現しており、中心軸Cに平行にz軸を
とると共に中心軸Cと垂直な半径方向にr軸をとってい
る。さらに、図中の燃焼コーン7はタバコの先端の燃焼
部であって厚みのある円柱形をしており、燃焼コーン7
はニコチン等の煙粒子を吸着しない。さらに、刻み1,
シガレット巻紙2,フィルタ4,チップベンチレーショ
ン6,燃焼コーン7は何れも均質な(即ち、異方性の無
い)多孔質体としてモデル化されている。
【0018】なお、図3に示すように各部の寸法は、半
径が0.39[cm],燃焼前の刻み1の刻み長さLaが5.9
[cm],フィルタ4の長さが2.5[cm],チップベンチ
レーション6の孔の直径が0.3[cm] ,吸口3からチッ
プベンチレーション6の吸口3側の端部までの距離が1.
1[cm] となっている。そして、刻み1の刻み長さLa
はタバコが燃焼するのに伴って図4に示すように順次変
化してゆく。
【0019】図4において、「パフ(puff)」とは喫煙
者がタバコを吸う動作を意味している。ここで、タバコ
の評価では如何なる態様でタバコを吸うのかについて国
際的にはコレスタ(CORESTA)法が一般的であ
り、それによると、2秒間吸い込んだ後に58秒間休む
動作を1分毎に繰り返すように決められている。その
際、2秒間で吸い込む量は35[cm3] に規定されてい
る。こうした規定によれば通常は5パフ〜6パフ程度で
1本のタバコを吸い終わることになる。なお、パフ毎の
刻み長さLaは実験値に基づいてその平均値を採用して
おり、各パフにおける刻み長さLaは一定値である。
【0020】また、図4における「Vf」はチップベン
チレーション比のことである。Vfの値が75%とは、
吸いこんだ空気量のうちの75%がチップベンチレーシ
ョン6から入り、残りの25%がシガレット巻紙2,燃
焼コーン7等から流入することを意味してする。したが
って、Vfが0%であるとはチップベンチレーション6
自体がフィルタ4に設けられていないことを意味する。
【0021】なお、Vfの値はタバコに火を点けずに吸
った状態のものが算出されている。そのため、実際に火
を点けた場合は、燃焼部分の抵抗が大きくなってチップ
ベンチレーション6から入ってくる空気量はこれよりも
っと多くなる。また図中、チップベンチレーション6が
無いVf=0%の場合は、6パフ目における刻み長さL
aが記載されていない。これはチップベンチレーション
6が有る時に比べてより多くの空気量を吸い込むため、
必然的に燃焼が速くなって5パフで1本のタバコを吸い
終わるためである。
【0022】一方、モデル化の際に考慮した刻み1,シ
ガレット巻紙2,フィルタ4,燃焼コーン7について通
気抵抗,及び,有効拡散係数に関連のある空隙率をそれ
ぞれ図5に示す。これらのうち通気抵抗は実測データに
基づいている。燃焼コーン7の通気抵抗は一定としてあ
り、燃焼コーン7から流出するニコチン濃度は通気量に
依存せず一定である。なお、本実施形態ではタバコの葉
の1枚1枚をモデル化していないが、オーバーオールで
見れば上述したモデル化を行えば十分である。
【0023】〔支配方程式〕本実施形態では、解析の基
礎となる計算式として以下に示す偏微分方程式を用い
る。なお、タバコの煙には数千もの成分が含まれている
が、本実施形態では主としてタール・ニコチンといった
粒子成分を解析対象としており、以下ではニコチンに着
目して説明を行う。 連続方程式
【数9】 運動方程式
【数10】
【数11】 濃度輸送方程式
【数12】
【0024】ここで、urは半径方向のガス流速,uz
軸方向のガス流速,μはガス粘度,pは圧力,Cはニコ
チン濃度(煙濃度),α0 は煙粒子の有効拡散係数であ
る。ここで、後述するように、本実施形態ではタバコ内
のガス流れとして20゜Cの等温流れを想定しており、
ガス粘度μは20゜Cにおける空気の粘度を用いてい
る。また、有効拡散係数α0 は、拡散係数×多孔質体の
空隙率(図5参照)で算出されるもので、これらのうち
の拡散係数は後述するような一定値にしてある。
【0025】一方、(4)式の「R」はニコチン濃度消
失項であって、ニコチンがフィルタ4に捕捉されること
を示しており、計算上は「捕捉」ではなく「消失」とし
て扱っている。またκは多孔質体の透過係数であって、
ガス流速をu,多孔質体をある長さΔxだけ透過した際
の圧力損失をΔpとおくと、次式の関係が成立する。 κ=−(μ・u・Δx)/Δp ……(5)
【0026】他方、上述した偏微分方程式において、連
続方程式はガスの物質収支を表わしており、また、運動
方程式は圧力の勾配によってガスを流す力が生じること
を表現したものである。さらに、ニコチン(煙)の濃度
輸送方程式は煙の物質収支を表わしており、上記のよう
にフィルタ4の濾過作用による消失項「R」を含んでい
る点が特徴的である。
【0027】〔仮定〕本実施形態では上述したモデル化
に加えて以下の条件を仮定して解析を行う。 定常流れ 実際のタバコの吸い方から考えればガスの流れは非定常
現象であるが、計算量等の観点から本実施形態ではこれ
を定常流れとして扱う。つまり、タバコを吸っている間
は常に吸いっ放しの状態になり、上述したように2秒間
で35[cm3] の量を吸い込むことが規定されているか
ら、吸口3には17.5[cm3/sec] の一定なガス流量(以
下、「標準条件」と呼ぶ)が与えられることになる。
【0028】等温流れ 実際のタバコでは燃焼部分の温度は最高800゜Cにも
達するが、本実施形態では20゜Cの等温流れを仮定し
ている。というのは、ニコチンは液的な性質があり、燃
焼したニコチンが凝縮して液化する際の温度変化まで考
慮することは徒に計算を複雑化させるだけだからであ
る。もっとも、燃焼直後でも温度が数10゜C程度まで
下がることが知られており、実際の所はこうした仮定で
問題ないと言える。
【0029】パフ毎の刻み長さ 上述したように、刻み1の刻み長さLaはパフ毎に一定
とし、図4に示した値を用いる。 非圧縮性ガス 密度に対して圧力の影響の無い非圧縮性ガスを仮定す
る。
【0030】煙粒子の体積,質量 タバコの煙粒子は体積も質量も無いものとする。したが
って、ニコチンがフィルタ4に捕捉(吸着)されてもガ
スの全体量は変わらないことになる。 燃焼コーン出口における煙濃度 燃焼コーン7の出口におけるニコチン濃度(煙濃度)は
一定とする。したがって、ガスの流量に比例しただけの
ニコチンが発生することになる。
【0031】煙粒子の拡散係数 例えば実際のニコチンの場合、最初のうちは小さい粒子
が流れにつれて凝集して徐々に大きな粒子になるため、
流れに伴って拡散係数は次第に小さくなってゆくはずで
ある。しかしながら、本実施形態ではガス中における煙
粒子の拡散係数を一定値0.065[cm2/sec]としている。
なお、この値は文献「Dilution of Mainstream Tobacco
Smoke and its Effects upon the Evaporation and Di
ffusionof Nicotine, Lewis,D.A., I.Colbeck and D.C.
Mariner, J.Aerosol Sci. Vol.26 No.5 pp.841-846, 19
95.」に基づいている。
【0032】刻みでのニコチン(煙)の吸着(濾過)
なし 実際のタバコでは刻み1の葉の部分でも煙が吸着される
ために、吸着された煙粒子が続くパフにおいて再燃焼す
る。しかし、煙粒子がどの程度まで葉に吸着されるかに
ついて確かなデータが無く、本実施形態では刻み1での
煙粒子の吸着が無いものとして扱う。したがって、本実
施形態では先行するパフで吸着された煙粒子の再燃焼を
後続するパフで考慮する必要はない。
【0033】フィルタのニコチン(煙)濾過性能(吸
着率)の経時変化なし フィルタ4に捕捉物が蓄積されるにつれてその濾過性能
が低下することが考えられる。しかしながら、実際のフ
ィルタの濾過性能は非常に大きく、タバコを1本吸った
程度では実質的にその性能は劣化しない。そこで、フィ
ルタ4の濾過性能に経時変化はないものとしている。
【0034】本実施形態では、フィルタ4の濾過性能は
ガス流速(ガス流量)のみの関数としており、ガス流量
17.5[cm3/sec] における濾過率が実測で0.52であるこ
とに基づき、次式で推定している。 ln(1−E)=−C0L−C1LQ−C2LQ-2/3 …… (6) このガス流量とニコチン濾過率の関係式は、(4)式に
おけるニコチン濃度消失項「R」としてガス流れ解析の
計算に組み込まれて使用される。
【0035】なお、Eはニコチン濾過率[−](無次元
単位、以下同様),Lはフィルタ長さ[cm](図3から
2.5[cm]),Qはガス流量[cm3/sec],C0=0.28862
[−],C1=-0.003001[−],C2=0.38741[−],
lnは自然対数である。なお、この関係式は文献「The
Efficiencies of Cellulose Acetate Filters, Dwyer,
R.W. and Abel,S.G., Beitraege zur Tabakforschung I
nternational Vol.13 No.5 pp.243-253, 1986.」に依っ
ている。
【0036】そしてこの関係式から、ガス流量に対する
ニコチン濾過率は図6に示すようになる。同図に示され
るように、ガス流量が「0」の場合はガスが無限時間フ
ィルタ4に滞留するのと同じで、フィルタ4にニコチン
が100%捕捉されてフィルタ4の濾過率は「1」にな
る。一方、ガス流速が速くなってガス流量が増大するに
つれてフィルタ4の濾過性能は徐々に落ちてゆく。
【0037】〔境界条件〕計算にあたってのタバコの各
部における境界条件を以下のように設定する。 燃焼コーン入口 燃焼コーン7の流入部では、ニコチン濃度C=1,半径
方向ガス流速ur =free(即ち制限なし、以下同様),
軸方向ガス流速uz =free,圧力p=0(即ち大気圧)
とする。ここで、ニコチン濃度Cは燃焼コーン7の出口
の濃度を「1」と定義した無次元濃度である。
【0038】シガレット巻紙の外壁面 シガレット巻紙2の流入部では、ニコチン濃度C=0,
半径方向ガス流速ur=free,軸方向ガス流速uz=free
,圧力p=0とする。つまり、シガレット巻紙2の外
側ではニコチン濃度をゼロ(空気)とする。
【0039】チップベンチレーションの流入部 チップベンチレーション6の流入部では、シガレット巻
紙2の外壁面と同様に、ニコチン濃度C=0,半径方向
ガス流速ur=free,軸方向ガス流速uz=free,圧力p
=0とする。 チップペーパの内壁面 チップペーパ5の内壁面では半径方向の煙濃度勾配がな
く、ガス流速は「0」とする。即ち、∂C/∂r=0,
且つ,半径方向ガス流速ur =軸方向ガス流速uz=0
とする。
【0040】中心軸 中心軸C上では半径方向に煙濃度勾配がなく、半径方向
のガス流速は「0」とする。即ち、∂C/∂r=0,且
つ,半径方向ガス流速ur=0とする。 吸口 吸口3では軸方向に煙濃度勾配がなく、また、ガス流速
には制限を付さない。すなわち、∂C/∂z=0,半径
方向ガス流速ur=free ,且つ,軸方向ガス流速uz=f
ree とする。
【0041】〔解析手順〕以下、本実施形態によるタバ
コ煙の評価方法について説明する。ここで、図7は同方
法を実現するための装置構成例のブロック図であって、
実際には一般的なエンジニアリングワークステーション
で構成される。同図において、入力部10はキーボー
ド,マウスなどの入力手段であって、上述したタバコの
モデル形状に関する情報,支配方程式,仮定,境界条件
等を入力する手段である。
【0042】記憶部11は入力部10から設定される情
報を格納すると共に、解析部12が算出した解析結果等
を記憶するための一時記憶としても用いられ、RAM
(ランダムアクセスメモリ)及び大容量磁気ディスク装
置などを有している。解析部12は、入力部10が記憶
部11に設定した情報に従ってタバコ煙の流れ解析を行
い、得られた解析結果を随時記憶部11に記憶させる。
グラフ生成部13は、記憶部11に記憶された解析結果
に基づいて、後述する各種のグラフや分布図のイメージ
を生成する。出力部14は、ディスプレイ装置,プリン
タ装置或いはプロッタ等の出力手段であって、グラフ生
成部13が作成したイメージを可視情報として出力す
る。
【0043】さて、図1は本実施形態によるタバコ煙の
評価方法の手順を示すフローチャートである。まずステ
ップS1にて、上述したモデル形状,支配方程式,〔仮
定〕の〜,〔境界条件〕の〜をそれぞれ入力部
10に設定する。また、チップベンチレーション比Vf
の値(0%若しくは75%)に対応した刻み長さLaの
値(図4参照)を全てのパフ数について予め入力部10
に設定する。そして、入力部10は設定された全ての情
報を記憶部11に格納する。
【0044】次に、ステップS2にて、最初の1パフ目
に関する刻み長さLaを以後の計算に使用するように設
定する。次に、ステップS3にて、適当な吸口圧力を初
期条件として入力部10に設定してこれを記憶部11に
格納させる。なお、吸口圧力は吸口3の全面において一
定値であるとしている。
【0045】次に、ステップS4にて、解析部12は記
憶部11に格納されたモデル形状,仮定,境界条件に従
って、周知の有限要素法によって上記支配方程式(1)
〜(4)の定常計算を行う。有限要素分割数は半径
(r)方向に62分割,中心軸(z)方向に258分割
とした直交格子状メッシュとして、全要素数を62×2
58=15996とする。
【0046】有限要素法を用いた非線形連立方程式の解
法には様々なものがある。本実施形態では、必要とされ
る計算時間及び記憶部11の記憶容量を節約するために
非線形解法として分離型解法を用いている。この点につ
いて簡単に説明すれば、初めに適当な初期解を予測し、
これを基にして反復計算を行って次々に解ベクトルを得
て、解ベクトルが収束するまで反復して計算を行う。そ
の際、各々の計算では有効な自由度(即ち、ガス流速u
r及びuz,圧力p,ニコチン濃度C)のそれぞれについ
て順次に且つ別々に解く。
【0047】そして本実施形態では、解析部12が以下
の収束基準を満たすまでガス流速u r及びuz,圧力p,
ニコチン濃度Cの各々について解ベクトルを繰り返し算
出して、得られた算出結果を記憶部11に記憶する。 ‖(Ai−Ai-1)/Ai‖≦0.001 …… (7) ここで、Ai はi番目に生成された解ベクトルであり、
‖・‖はモデルの全方程式について総和をとった2乗平
均平方根ノルムである。つまり、連続して生成された解
ベクトルの偏差が0.001以下に収束するまで反復計
算を行う。その際、ガス流速ur及びuz,圧力p,ニコ
チン濃度Cの全ての解が(7)式を満たした時点で計算
が収束したものと見なして、1パフ目の計算を終了させ
る。
【0048】次に、ステップS5にて、解析部12は記
憶部11に格納されている最終的なガス流速ur及び
z,圧力p,ニコチン濃度Cの解ベクトルから吸口3
におけるガス流出量を算出する。次に、ステップS6に
て、算出された吸口ガス流出量が標準条件である17.5
[cm3/sec] になっているかを判断する。この条件を満
足しない場合、ステップS7にて、算出された吸口ガス
流出量と標準条件値との大小関係に従って、先にステッ
プS3で設定した吸口圧力を増減させて吸口圧力を再調
整する。なお、ステップS6及びステップS7における
判断は人間が行ってもよく、また、解析部12をこのよ
うな判断手段を備えたものとして構成しても良い。
【0049】そしてこれ以後はステップS4〜S7の手
順を繰り返しながら、吸口ガス流出量が標準条件となる
まで吸口圧力を試行錯誤的に変えてゆく。こうして、吸
口ガス流出量が標準条件の値になると、ステップS8
で、解析部12は最終的な1パフ目の解析結果を記憶部
11の所定領域に退避する。
【0050】次いで、ステップS9にて、全てのパフに
ついて解析を行ったかどうかを判断し、もしそうでなけ
れば、ステップS2に戻って2パフ目に対応する刻み長
さLaを設定してステップS3〜S9の手順を繰り返
し、引き続き3パフ目以降について同様の手順を繰り返
す。そして、設定した全パフについて解析が終了した段
階で、グラフ生成部13に対してグラフ・分布図の作成
指示を出す。これにより、グラフ生成部13は、記憶部
11に退避されている各パフの解析結果を基に、以下に
詳述するようなグラフ或いは分布図を生成し、これを出
力部14から出力させる。
【0051】〔解析結果〕以下では、出力部14が出力
するグラフ或いは分布図について説明する。 シガレット通気抵抗 図8に、吸口3のガス流量が17.5[cm3/sec] となるよ
うに設定した場合のパフ毎の吸口圧力(即ち、シガレッ
ト通気抵抗)を示す。図示したように、シガレット通気
抵抗は、Vf=75%ではパフ数が変化してもほぼ一定
であるが、Vf=0%ではパフ数の増加に伴って減少し
てゆく。その理由であるが、Vf=75%の場合は、チ
ップベンチレーション6からの空気流入が支配的である
ために刻み1の抵抗の変化を受けにくいためであると推
定される。これに対し、Vf=0%ではパフ数が大きく
なって刻み1やシガレット巻紙2が短くなるにつれ、こ
れらの抵抗が低下した影響を受けるものと推定される。
【0052】ベンチレーション流量割合 図9(a)にVf=0%の場合のシガレット巻紙2及び
燃焼コーン7のガス流量のパフによる変化を示す。な
お、図ではガス流量を空気流入割合に換算して表示して
いる。図示したように、1パフ目では燃焼コーン7,シ
ガレット巻紙2からの空気流入割合はそれぞれ約65
%,約35%であるが、5パフ目には燃焼コーン7,シ
ガレット巻紙2からの空気流入割合はそれぞれ約94
%,約6%になる。
【0053】また、図9(b)にVf=75%の場合の
シガレット巻紙2,チップベンチレーション6,燃焼コ
ーン7のガス流量のパフによる変化を示す。この場合、
チップベンチレーション6からの空気流入割合は約80
%とほぼ一定であるが、燃焼コーン7からの空気流入割
合はパフが進むにつれて漸増し、シガレット巻紙2から
の空気流入割合はパフが進むにつれて漸減する。
【0054】流線 図10に1パフ目におけるタバコ内の煙の流線を示す。
同図(a)はVf=0%の場合、同図(b)はVf=7
5%の場合である。ここで流線は、その接線が流れ場の
速度ベクトル方向と一致する曲線として定義されるか
ら、解析により得られたガス流速から流線を描くことが
できる。これらの図から煙粒子が如何なる経路で流れて
ゆくかが分かる。Vf=0%の場合は刻み1ではシガレ
ット巻紙2からの空気流入の影響があるものの、フィル
タ4では中心軸Cにほぼ平行な流れとなる。これに対
し、Vf=75%の場合はチップベンチレーション6か
らの空気流入によりフィルタ4で流線が大きく変化す
る。
【0055】流速分布 図11に1パフ目におけるタバコ内のガス流速分布を示
す。同図(a)はVf=0%の場合、同図(b)はVf
=75%の場合である。Vf=0%の場合はシガレット
巻紙2からの空気流入によって刻み1においては徐々に
流速が増大する。また、フィルタ4ではほぼ均一な流速
分布となり、その平均流速は36.6[cm/sec]になる。こ
れに対し、Vf=75%では刻み1における流速の変化
は緩やかで、フィルタ4の流入部における平均流速は8
[cm/sec] になる。しかし、チップベンチレーション
6からの空気流入によってその近傍でガス流速が急激に
増大する。これに対し、その後の吸口3付近では均一な
流速分布となり、その流速は36.6[cm/sec]となる。
【0056】圧力分布 図12に1パフ目におけるタバコ内のガス圧力分布を示
す。同図(a)はVf=0%の場合、同図(b)はVf
=75%の場合である。Vf=0%の場合はフィルタ4
内ではガス圧力がほぼ均等に変化してゆく。これに対
し、Vf=75%ではチップベンチレーション6以降の
吸口3側においてガス圧力が大きく変化する。
【0057】タバコ内ニコチン濃度分布 図13に1パフ目から最終パフ迄のタバコ内ニコチン濃
度分布を示す。同図(a)はVf=0%の場合、同図
(b)はVf=75%の場合である。何れの分布におい
ても、刻み1ではシガレット巻紙2のベンチレーション
の影響で半径方向にニコチン濃度分布を持つ。また、V
f=0%ではVf=75%の場合に比ベてフィルタ4へ
の流入部でのニコチン濃度が高い。さらに、Vf=0%
ではフィルタ内濾過による濃度低下はほぼ一様である
が、Vf=75%ではチップベンチレーション6から流
入する空気の影響で半径方向のニコチン濃度勾配が大き
い。
【0058】中心軸上のニコチン濃度変化 図14に中心軸C上のニコチン濃度の変化を示す。同図
(a)はVf=0%の場合、同図(b)はVf=75%
の場合である。Vf=0%の場合、フィルタ4内でのニ
コチン濃度低下の傾きはパフが変化してもほぼ同等であ
る。これに対し、Vf=75%の場合はフィルタ4への
流入部のニコチン濃度が大きく変化しており、ニコチン
濃度が低下する際の傾きはパフによって異なる。
【0059】また、チップベンチレーション流入部(図
中の横軸が+1.1〜+1.4[cm]の領域)を境にしてニコチ
ン濃度が低下する傾きが変化している。すなわち、チッ
プベンチレーション6に流入した後に比べると、流入す
る前はニコチン濃度低下が大きいと言える。これは、ガ
ス流量(ガス流速)が低下するほどニコチン濾過率が上
昇するという図6の関係を反映している。
【0060】吸口ニコチン濃度分布 図15は吸口3における半径方向のニコチン濃度分布を
パフ毎に示している。同図(a)はVf=0%の場合、
同図(b)はVf=75%の場合である。なお、これら
の図の横軸は、計算で得られたニコチン濃度を中心軸C
を対称として反転させたもので、横軸の0[cm]の所が
中心軸Cである。
【0061】Vf=0%の場合パフの増加によって吸口
ニコチン濃度は上昇する。また、パフが進んで刻み1が
短くなってくると、シガレット巻紙2のベンチレーショ
ンが減少する影響で中心部と外周部の濃度差は小さくな
ってゆく。これに対し、Vf=75%の場合はパフの増
加により中心部のニコチン濃度は上昇するものの、外周
部のニコチン濃度はチップベンチレーション4から流入
する空気の影響でどのパフにおいてもほぼ「0」であ
る。
【0062】積算ニコチン濃度分布 図16は吸口ニコチン濃度を全てのパフについて積算し
た結果を示しており、つまりはタバコ1本分のニコチン
濃度の分布である。同図より、Vf=0%,75%の何
れの場合にも中心部にピークを持ったニコチン濃度分布
が得られる。なお、Vf=75%では吸口ニコチン濃度
を積算しても、中心軸Cから0.3[cm]よりも外側のニ
コチン濃度はほぼ「0」になっている。
【0063】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、チップベンチレーション6が有る場合でも無い場合
でも、シガレット巻紙2,チップベンチレーション6,
燃焼コーン7の空気流入割合などが予測できる。また、
タバコ内におけるガス流速分布や圧力分布についての知
見が得られ、さらには、タバコ内ニコチン濃度分布や吸
口ニコチン濃度分布等の解析結果も得られる。
【0064】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。すなわち、フィルタはプレーンフィ
ルタに限らず、二重構造をしたものなどでも良い。ま
た、チップベンチレーションは図2のような1列のもの
に限らず、これを複数列設けるようなタバコであっても
良い。また、上記の説明では有限要素法の解析は分離型
解法としたが、理論上は如何なる解法でも良く、解析を
行うのに用いられるハードウェアの価格,性能に見合っ
た解法を適宜選択すれば良い。さらには、刻みにおける
煙成分の濾過や燃焼コーンにおける非定常的な燃焼現象
をモデル化しても良く、そうした場合はさらに精度の高
い解析を実現できる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
タバコ内のガス流れを連続方程式,運動方程式,濃度輸
送方程式からなる支配方程式で与え、その際にフィルタ
の濾過作用による煙濃度消失項を濃度輸送方程式に含ま
せ、この支配方程式を解析することによってガス流速,
圧力,煙濃度の解を算出して、空気流入割合,流線,ガ
ス流速分布,圧力分布,煙濃度分布を作成している。
【0066】これにより、フィルタやチップベンチレー
ションの構造設計に関する詳細な評価結果が得られ、低
タール・低ニコチンでなお且つ香喫味に優れたタバコの
設計を容易化できるという効果がある。さらに、刻み
部,シガレット巻紙,フィルタ,チップベンチレーショ
ンといった各部の通気抵抗を設計する際に詳細な評価結
果が得られるため、内部の空気流入量のバランスに優れ
たタバコの設計が可能となるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるタバコ煙の評価方
法の手順を説明したフローチャートである。
【図2】 プレーンフィルタを持つタバコの外観を示す
図である。
【図3】 同実施形態によるタバコのモデル形状及び代
表的な寸法を示す図である。
【図4】 チップベンチレーション比Vfが0%及び7
5%の場合につき、各パフ数に対応した刻み長さLaの
設定値を示す図である。
【図5】 燃焼コーン,刻み,シガレット巻紙,フィル
タについてそれぞれの通気抵抗及び空隙率を示す図であ
る。
【図6】 ガス流量とニコチン濾過率の関係を表わすグ
ラフである。
【図7】 同方法を実現するための装置構成例を示すブ
ロック図である。
【図8】 計算により得られたパフ毎のシガレット通気
抵抗を示すグラフである。
【図9】 計算により得られたパフ毎の空気流入割合を
示すグラフであって、(a)はVfが0%の場合,
(b)はVfが75%の場合である。
【図10】 計算により得られたガス(タバコ煙)の流
線を示す図であって、(a)はVfが0%の場合,
(b)はVfが75%の場合である。
【図11】 計算により得られたガス(タバコ煙)の流
速分布を示す図であって、(a)はVfが0%の場合,
(b)はVfが75%の場合である。
【図12】 計算により得られたガス(タバコ煙)の圧
力分布を示す図であって、(a)はVfが0%の場合,
(b)はVfが75%の場合である。
【図13】 計算により得られたパフ毎のニコチン濃度
分布を示す図であって、(a)はVfが0%の場合,
(b)はVfが75%の場合である。
【図14】 計算により得られた中心軸C上のニコチン
濃度分布を各パフについて示したグラフであって、
(a)はVfが0%の場合,(b)はVfが75%の場
合である。
【図15】 計算により得られた吸口ニコチン濃度分布
を各パフについて示したグラフであって、(a)はVf
が0%の場合,(b)はVfが75%の場合である。
【図16】 図15に示す吸口ニコチン濃度を全パフに
ついて積算した積算ニコチン濃度分布を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…刻み、2…シガレット巻紙、3…吸口、4…フィル
タ、5…チップペーパ、6…チップベンチレーション、
7…燃焼コーン、10…入力部、11…記憶部、12…
解析部、13…グラフ生成部、14…表示部、C…中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 恵 富山県富山市海岸通り3番地 三菱レイヨ ン株式会社富山事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルタ付きのタバコ内のガスの流れ
    を、前記ガスの流速と圧力と前記ガスに含まれる煙の濃
    度に関して、前記ガスの物質収支を表わす連続方程式,
    前記ガスの圧力勾配による力を表わす運動方程式,前記
    フィルタの濾過作用による煙濃度消失項が含まれた前記
    煙の物質収支を表わす濃度輸送方程式からなる支配方程
    式で与え、 前記支配方程式の解析を行って、前記ガス流速,前記圧
    力,前記煙濃度の解を算出し、 該算出結果に基づいて前記タバコ内における空気流入割
    合,流線,ガス流速分布,圧力分布,煙濃度分布のうち
    の少なくとも1つを作成することを特徴とするタバコ煙
    の評価方法。
  2. 【請求項2】 フィルタ付きのタバコの各部を多孔質体
    でモデル化し、 前記タバコの半径方向をr軸,前記タバコの中心軸方向
    をz軸,ur を前記半径方向のガス流速,uz を前記中
    心軸方向のガス流速,μをガス粘度,pを圧力,Cを煙
    濃度,α0 をガス中における煙粒子の拡散係数×前記多
    孔質体の空隙率で表わされる有効拡散係数,Rを前記フ
    ィルタの濾過作用による煙濃度消失項,κを前記多孔質
    体の透過係数として、前記タバコ内のガス流れの支配方
    程式を連続方程式 【数1】 と、運動方程式 【数2】 及び 【数3】 と、濃度輸送方程式 【数4】 により与え、 前記モデル化されたタバコについて有限要素法により前
    記支配方程式を解き、前記半径方向のガス流速ur ,前
    記中心軸方向のガス流速uz ,前記圧力p,前記煙濃度
    Cの解を算出し、 該算出結果に基づいて前記タバコ内における空気流入割
    合,流線,ガス流速分布,圧力分布,煙濃度分布のうち
    の少なくとも1つを作成することを特徴とするタバコ煙
    の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記支配方程式の解析に際して、 Eを煙濾過率[−],Lを前記フィルタの長さ[cm],
    Qをガス流量[cm3/sec],C0,C1,C2をそれぞれ所
    定の定数としたときに、 ln(1−E)=−C0L−C1LQ−C2LQ-2/3 なる関係式を用いて前記煙濃度消失項Rを計算すること
    を特徴とする請求項2記載のタバコ煙の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記タバコの吸口における圧力を変化さ
    せて、該吸口におけるガス流量が所定値となるまで前記
    支配方程式の解析を繰り返し行うことを特徴とする請求
    項2又は3記載のタバコ煙の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ部分のチップベンチレーシ
    ョンの有無とパフの回数に応じ、前記タバコの刻み部の
    長さを前記パフ毎に設定したことを特徴とする請求項2
    〜4の何れかの項記載のタバコ煙の評価方法。
  6. 【請求項6】 前記支配方程式の解析に際して、 a) 前記タバコの燃焼コーンの空気流入部における圧
    力を大気圧とし、 b) 前記タバコのシガレット巻紙の外壁面における煙
    濃度がゼロで圧力を大気圧とし、 c) 前記タバコのチップベンチレーションの空気流入
    部における煙濃度がゼロで圧力を大気圧とし、 d) 前記タバコのチップペーパの内壁面における半径
    方向の煙濃度勾配が無くガス流速をゼロとし、 e) 前記タバコの中心軸における半径方向の煙濃度勾
    配が無く半径方向のガス流速をゼロとし、 f) 前記タバコの吸口における中心軸方向の煙濃度勾
    配を無いとした境界条件を付与したことを特徴とする請
    求項2〜5の何れかの項記載のタバコ煙の評価方法。
  7. 【請求項7】 前記支配方程式の解析に際して、 a) 前記多孔質体を一定の通気抵抗を有する均質な多
    孔質体とし、 b) 前記タバコ内におけるガスの流れを定常流れ且つ
    等温流れとし、 c) 前記タバコの刻み部の長さをパフ毎に一定とし、 d) 前記タバコ内を流れるガスを非圧縮性ガスとし、 e) 前記煙粒子の体積及び質量が無く、 f) 前記タバコの燃焼コーンから流出する煙濃度を一
    定とし、 g) 前記煙粒子の拡散係数を一定とし、 h) 前記タバコの刻み部における煙の濾過が無いとし
    た各条件を付与したことを特徴とする請求項2〜6の何
    れかの項記載のタバコ煙の評価方法。
JP28706996A 1996-10-29 1996-10-29 タバコ煙の評価方法 Withdrawn JPH10132807A (ja)

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