JPH10131873A - ベーン式流体ポンプ - Google Patents

ベーン式流体ポンプ

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JPH10131873A
JPH10131873A JP30348996A JP30348996A JPH10131873A JP H10131873 A JPH10131873 A JP H10131873A JP 30348996 A JP30348996 A JP 30348996A JP 30348996 A JP30348996 A JP 30348996A JP H10131873 A JPH10131873 A JP H10131873A
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JP
Japan
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vane
rotor
housing
hole
fluid pump
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Application number
JP30348996A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Nomura
和央 野村
Kimio Nemoto
公夫 根本
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C21/00Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
    • F01C21/08Rotary pistons
    • F01C21/0809Construction of vanes or vane holders

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーン式流体ポンプにおいて、ベーン・ロー
タの摺動面での摩擦力の発生を減少させ、摩擦による損
失トルク及び発熱を低減させることを課題とする。 【解決手段】 ベーン式流体ポンプにおいて、第1ハウ
ジング21と第2ハウジング22とによって孔部33が形成さ
れ、孔部33内の偏心位置にロータ41が回転可能に装着さ
れ、ロータ41に形成されたベーン溝42にベーン40が摺動
自在に挿入され、孔部33のカム面34に吸入溝及び排出溝
が形成されている。第1ハウジング21、第2ハウジング
22及びベーン40が非磁性材料で製作され、磁性材料で製
作されたロータ41が磁化を受けて第1永久磁石とされて
いる。ベーン40の両側部に第2永久磁石46a,46b が内設
され、孔部33の両内側面に環状の第3永久磁石44a,44b
が配設され、第3永久磁石44a,44b の内側面に対して第
1永久磁石及び第2永久磁石46a,46b の対向面が同極と
なるように配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の真空ポン
プ等に使用されるベーン式流体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】図8〜9には、自動車のバッテリーの直
流電源を利用し、分割巻線形2相ブラシレスモータによ
り駆動されるベーン式流体ポンプが示されている(実開
平3−77273号公報参照)。モータ本体1とポンプ
本体2とがブラケット8を介して直結され、モータ本体
1及びポンプ本体2の内部にはモータ軸とポンプ軸との
共用シャフト9が軸支されている。モータ本体1内にお
いて、共用シャフト9に2極のロータマグネット5がス
プライン結合され、ロータマグネット(永久磁石)5の
外側にステータ6が配設され、ステータ6には4個の磁
極6A・ステータコイル6Bと2個のホール素子3が配
置されている。モータ本体1の一端部に基板7が配設さ
れ、基板7には図9に示すトランジスタ回路4が組み込
まれている。
【0003】ポンプ本体2内において、共用シャフト9
にロータ11がスプライン結合され、ロータ11のベーン溝
にベーン12が摺動自在に挿入され、ロータ11の回転によ
りベーン12の先端がハウジング10の内周面(カム面)10
Aに押しつけられるように構成されている。ハウジング
10の他端にはエンドプレート13が連結され、ハウジング
10には吸込孔14及び吐出孔15が形成されている。図9の
分割巻線形2相ブラシレスモータでは、ホール素子3が
ロータマグネット5の磁極5Aとステータ6の磁極6A
との位置関係を検知し、トランジスタ回路4で励磁電流
のスイッチングを行わせて、ロータマグネット5の磁極
5Aとステータ6の磁極6Aとの間に電磁力を発生さ
せ、共用シャフト9を回転させる。共用シャフト9の回
転により、ロータ11がハウジング10の内周面10Aに偏心
した位置で回転し、ベーン12が遠心力で内周面10Aに押
しつけられ、ベーン12と内周面10A及びロータ11で囲ま
れた部分の容積が変化し、流体の吸込、吐出が繰り返さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のベーン式流体ポ
ンプでは、ロータ11が回転するとき、遠心力によりベー
ン12の先端がハウジング10の内周面10Aに接触し、また
ベーン12の両側面がハウジングの内側面(エンドプレー
トの内側面)と接触する。これらの接触面間(摺動面)
に動摩擦が生じ、動摩擦により損失トルクが大きくな
り、発熱が発生する。そして、ベーン12の質量及び回転
角速度が一定のとき、ベーン12が受ける遠心力は、ベー
ン12先端の回転半径に比例するので、ハウジング10の内
周面10Aの動摩擦はロータの中心軸から離れた箇所で大
きく、ロータの中心軸に近い箇所では小さい。本発明
は、ベーン式流体ポンプにおいて、ベーン・ロータの摺
動面での摩擦力の発生を減少させ、摩擦による損失トル
ク及び発熱を低減させることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1ハウジン
グ(21)と第2ハウジング(22)とによって孔部(33)が形成
され、孔部(33)内の偏心位置にロータ(41)が回転可能に
装着され、ロータ(41)に形成されたベーン溝(42)にベー
ン(40)が摺動自在に挿入され、孔部(33)のカム面(34)に
吸入溝及び排出溝が形成されたベーン式流体ポンプにお
いて、第1ハウジング(21)、第2ハウジング(22)及びベ
ーン(40)が非磁性材料で製作され、磁性材料で製作され
たロータ(41)が磁化を受けて第1永久磁石とされ、ベー
ン(40)の両側部に第2永久磁石(46a,46b) が内設され、
孔部(33)の両内側面に環状の第3永久磁石(44a,44b) が
配設され、第3永久磁石(44a,44b) の内側面に対して第
1永久磁石及び第2永久磁石(46a,46b) の対向面が同極
となるように配置されたことを第1の構成とする。本発
明は、第1ハウジング(21)と第2ハウジング(22)とによ
って孔部(33)が形成され、孔部(33)内の偏心位置にロー
タ(41)が回転可能に装着され、ロータ(41)に形成された
ベーン溝(42)にベーン(40)が摺動自在に挿入され、孔部
(33)のカム面(34)に吸入溝及び排出溝が形成されたベー
ン式流体ポンプにおいて、ベーン(40)の中心側に磁性体
(49)が内設され、ロータ(41)のベーン溝(42)の中心側に
電磁石(52a〜52c)が配設され、ベーン(40)に作用する遠
心力に対応した値の電流を前記電磁石(52a〜52c)のコイ
ル(50a〜50c)に流し、前記電流により生ずる吸引力をベ
ーン(40)の磁性体(49)に作用させ、ベーン(40)がカム面
(34)に対して略一定の低荷重を作用させるようにしたこ
とを第2の構成とする。本発明は、第1の構成におい
て、ベーン(40)の中心側に磁性体(49)が内設され、ロー
タ(41)のベーン溝(42)の中心側に電磁石(52a〜52c)が配
設され、ベーン(40)に作用する遠心力に対応した値の電
流を前記電磁石(52a〜52c)のコイル(50a〜50c)に流し、
前記電流により生ずる吸引力をベーン(40)の磁性体(49)
に作用させ、ベーン(40)がカム面(34)に対して略一定の
低荷重を作用させるようにしたことを第3の構成とす
る。本発明は、第2又は第3の構成において、ロータ(4
1)とスプライン結合されたシャフト(25)の一端にブラシ
レスモータ(55)の回転子(26)が配設され、回転子(26)の
磁極の一つを検出するホール素子(59a〜59c)が回転子(2
6)の近傍に配置され、1個のホール素子(59a〜59c)から
の出力信号に応じてベーン制御波形信号を発生させ、ベ
ーン制御波形信号の位相をずらして前記電磁石(52a〜52
c)の数と同数のベーン制御波形信号を出力させ、これら
のベーン制御波形信号を前記電磁石(52a〜52c)の各コイ
ル(50a〜50c)にそれぞれ入力させるようにしたことを第
4の構成とする。本発明は、第4の構成において、ロー
タ(41)の端面に複数個のスリップリング(70a〜70d)が同
心上に配設され、前記電磁石(52a〜52c)のコイル(50a〜
50c)の一端が共通のスリップリング(70d) に接続され、
かつ前記電磁石(52a〜52c)のコイルの他端が各々のスリ
ップリング(70a〜70c)に接続され、前記孔部(33)の内側
面から突出する複数個のブラシ(71)が各スリップリング
(70a〜70d)に接触され、ブラシ(71)とスリップリング(7
0a〜70d)を通して前記ベーン制御波形信号が前記電磁石
(52a〜52c)の各コイル(50a〜50c)に伝送されるようにさ
れたことを第5の構成とする。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図7は、本発明のベーン式
流体ポンプの実施の形態を示す。図1に示されるよう
に、第1ハウジング21の左側面に、第2ハウジング22の
右側面が当接され、その当接面はシールにより密封さ
れ、不図示のボルトにより第1ハウジング21と第2ハウ
ジング22とが連結されている。第2ハウジング22には左
側のブラシレスモータ55を装着するスペースと右側のベ
アリング24を装着するスペースとがあり、これらのスペ
ースの間には挿通孔30付の隔壁が設けられている。右側
のスペースにベアリング24が装着され、ベアリング24の
抜け出しが止め輪により防止されている。第2ハウジン
グ22の左側から隔壁の挿通孔30を通してシャフト25が挿
入され、シャフト25の大径の支持部がベアリング24の内
輪に嵌合され、止め輪によりシャフト25の抜け出しが防
止されている。2極が形成された円板状の回転子26がシ
ャフト25の左端(一端)に配設され、回転子26は挿通孔
30内に位置する連結部を介して、シャフト25と一体に形
成されている。なお、シャフト25・回転子26は非磁性材
で製造され、永久磁石を回転子26の非磁性材と一体成形
して2極を形成する。
【0007】図1・図2に示すように、第1ハウジング
21の壁部の内側に盲孔31が形成されており、シャフト25
の右端の先端小径部27が盲孔31に回転自在に軸支され、
盲孔31はシャフト25のすべり軸受として機能する。シャ
フト25の大径の支持部と先端小径部27との間にスプライ
ン軸部28があり、スプライン軸部28にロータ41の中央の
スプラインボスがスプライン結合されている。第1ハウ
ジング21と第2ハウジング22とによって断面円形の孔部
33が構成され、孔部33内の偏心位置に、ロータ41がシャ
フト25により軸支されており、シャフト25の回転により
ロータ41が回転する。ロータ41には中心方向に向けられ
た3個のベーン溝42が形成されており、ベーン溝42にベ
ーン40が摺動自在に挿入されており、ロータ41が回転す
るとき、遠心力の作用によりベーン40の先端は孔部33の
カム面34に押し付けられながら回転する。
【0008】孔部33のカム面34に吸入溝及び排出溝が形
成されており、吸入溝はチェック弁35を介して吸入口36
に連通され、排出溝は排出通路37を介して第2ハウジン
グ22に形成された排出口37aに連通されている。吸入口
36は真空タンク等に連通され、排出口37aは大気に連通
されている。
【0009】図1・図3に示すように、ロータ41は磁性
材で製造され、両側端(図3の左右端)に2極が形成さ
れ永久磁石となっている。第1ハウジング21及び第2ハ
ウジング22は樹脂材等の非磁性材料で製造され、ロータ
41の両側面と対向する第2ハウジング22・第1ハウジン
グ21の内面(孔部33の両内側面)に、リング状の第3磁
石44a及び第3磁石44b(ともに永久磁石)が配設され
ている。ロータ41と第3磁石44a及び第3磁石44bとは
反発力が働くように同極が対向しており、図3では第3
磁石44aのN極とロータ41の左端部のN極が対向し、ロ
ータ41の右端部のS極と第3磁石44bのS極とが対向し
ている。第3磁石44a及び第3磁石44bは、インサート
形成により第2ハウジング22及び第1ハウジング21と一
体に成形されてもよく、あるいは第2ハウジング22及び
第1ハウジング21の環状溝に固定されてもよい。ロータ
41と第3磁石44a・第3磁石44bとの対向箇所において
は、ロータ41と第3磁石44a・第3磁石44bとが極めて
接近しているが、磁石の反発力が作用して接触すること
が殆どなく、この対向箇所での摩擦力の発生は極めて少
なく、摩擦による損失トルク及び発熱は殆ど存在しな
い。
【0010】3個のベーン40は樹脂材等の非磁性材料で
製造され、ベーン40の両側部(図1でベーン40の左端部
及び右端部) に板状の第2磁石46a及び第2磁石46b
(ともに永久磁石)が、樹脂材の一体成形等により内設
されている。第2磁石46a・第2磁石46bと第3磁石44
a・第3磁石44bとは反発力が働くように同極が対向し
ており、図1では第3磁石44aのN極とベーン40の左端
部の第2磁石46aのN極が対向し、ベーン40の右端部の
第2磁石46bのS極と第3磁石44bのS極とが対向して
いる。ロータ41の場合と同様に、第1ベーン40の両端と
第3磁石44a・第3磁石44bとの対向箇所においては、
ベーン40と第3磁石44a・第3磁石44bとが極めて接近
しているが、磁石の反発力が作用して接触することがな
く、この対向箇所での摩擦力の発生は極めて少なく、摩
擦による損失トルク及び発熱は殆ど存在しない。
【0011】ロータ41の回転に従ってベーン40に遠心力
が作用して、ベーン40の先端から第1ハウジング21のカ
ム面34に向けて高荷重が作用するのを避けるため、ベー
ン40の中心側に板状の磁性体49が樹脂材の一体成形等に
より内設されている。そして、ロータ41のベーン溝(ス
リット部)42の中心側の位置に、棒状磁性体51a〜cの
まわりにコイル50a〜cを巻いた電磁石52a〜cが組み
込まれ配設されている。ベーン40に遠心力が作用すると
きに、コイル50a〜cに通電して電磁石52a〜cの吸引
力をベーン40の磁性体49に作用させ、ベーン40がカム面
34に対して略一定の低荷重を作用させるようにする。
【0012】図1・図2・図5に示されているように、
ロータ41の右端面には環状で導体のスリップリング70a
〜dが、相互に絶縁状態を維持するように、かつ同心上
に配設されている。棒状磁性体51a〜cはロータ41の軸
心と略平行に配置され、棒状磁性体51a〜cに巻いたコ
イル50a〜cの一端が共通のスリップリング70dに接続
され、コイル50a〜cのそれぞれの他端がスリップリン
グ70a〜cにそれぞれ接続されている。孔部33の右内側
面の突出面75に4個の挿入孔73が開口され、挿入孔73に
はスプリング72及びブラシ71が挿入されており、スプリ
ング72の弾発力によって4個のブラシ71の先端が、孔部
33の突出面75から突出され、スリップリング70a〜dの
いずれかに接触されるように配置されている。
【0013】ベーン40の質量をm、ベーン40の回転半径
をR、角速度をω、重力加速度をgとすると、遠心力F
1 と電磁石52の磁力(吸引力)F2 との関係は次のとお
りである。 |F2 |≦mRω2 /g=F1 ところで、カム面34の中心に対してロータ41は偏心して
いるので、ベーン40に作用する遠心力F1 の大きさは、
ベーン40の回転半径Rすなわちベーン40の位置( 角度)
によって異なる。そこで、ベーン40の位置を検出し、回
転半径Rが最大で遠心力F1 の大きさが最大のときに、
電磁石52の吸引力を最大にすることが必要である。
【0014】図1に示されているように、第2ハウジン
グ22の左側のスペースにブラシレスモータ55が装着され
ており、回転子26の左側部(外側部)に固定子56が配設
されている。固定子56には3個の鉄心57a〜cが同一円
周上に等間隔に配置され、各鉄心57a〜cにはステータ
コイル58a〜cがそれぞれ巻回され、鉄心57a〜cの先
端は回転子26に対向している。図1・図4に示すよう
に、回転子26の磁極を検出可能な回転子26の近傍位置
で、同一円周上に等間隔で3個のホール素子59a〜cが
配置されている。ホール素子59a〜cの出力は増幅器61
a〜cで増幅されて、スイッチング機能を有するトラン
ジスタ60a〜cのベースに入力されるように接続されて
いる。電源62の陽極が配線63、ステータコイル58a〜c
及びトランジスタ60a〜cのコレクタ・エミッタを通し
て電源62の陰極に流れ得るように接続されている。
【0015】1つのホール素子59aの出力が、増幅器61
aで増幅され配線64を通して周波数シンセサイザー69に
入力され、周波数シンセサイザー69でベーン制御波形信
号が発生される。周波数シンセサイザー69の出力は移相
回路76で位相差がつけられ、基準波に対して0°、12
0°及び240°の位相差のある波形A〜Cの出力が端
子A〜Cから出力される。端子A〜Cの出力は、アンプ
77a〜c、スプリング72、ブラシ71、スリップリング70
a〜cを通してコイル50a〜cに流れるように構成され
ている。なお、スリップリング70dに接触するブラシ71
は、電源62の陰極に接続されている。また、3個あるベ
ーン40に対応させ、位相差のある3個の波形A〜Cを準
備した。
【0016】次に不図示のスイッチをオンにして、ブラ
シレスモータ55を回転させる。ホール素子59a〜cのい
ずれか、例えばホール素子59cが回転子26の磁極の一つ
(例えばS極)を検出すると、その出力が増幅器61cで
増幅されてトランジスタ60cのベースに入力される。そ
のときトランジスタ60cのコレクタとエミッタとの間の
抵抗が低くなり、電流が電源62から配線63、コイル58c
を通ってトランジスタ60cに流れ、電磁力が発生して、
回転子26を図4の矢印方向に移動させる。次にホール素
子59b,aが順次に前記の磁極を検出してトランジスタ
60b,aに電流が流れ、回転子26が回転する。回転子26
の1回転に1回だけ、周波数シンセサイザー69にホール
素子59aの出力が伝送され、周波数シンセサイザー69で
ベーン制御波形信号が発生される。
【0017】周波数シンセサイザー69のベーン制御波形
信号の出力は移相回路76で位相差がつけられ、基準波に
対して0°、120°及び240°の位相差のある波形
A〜Cの信号が端子A〜Cから出力され、コイル50a〜
cのそれぞれへ伝送される。コイル50a〜cには図4
(b) ・図6のA〜Cで示す波形の電流が流れ、波形A〜
Cに応じた磁気力がそれぞれ発生し、ベーン40の磁性体
49を吸引する。基準となるベーン40aについて、遠心力
1 と電磁石52の磁力(吸引力)F2 との関係をみる
と、図6(a) にベーン40aに作用する遠心力F1 が示さ
れ、図6(b) にコイル50aに流れる電流が示されてお
り、遠心力F1 と電流とは位相が同じである。図6(c)
にコイル50aに流れる電流により発生する吸引力−F2
が示されており、吸引力|F2 |は遠心力F1 よりも所
定量小さくなるように設定されている。そのため、図6
(d) に示すように、遠心力F1 と吸引力−F2 とを合成
した結果は、略一定の低荷重(設定量の小さい力)F1
−F2 であり、この力がカム面34に作用する。
【0018】ベーン40b・40cについても、ベーン40a
と同様に略一定の低荷重(設定量の小さい力)F1 −F
2 であり、この力がカム面34に作用する。このように、
各ベーン40がカム面34に対して略一定の低荷重を作用さ
せるので、ベーン40とカム面34との間の摺動面での摩擦
力の発生が減少し、摩擦による損失トルク及び発熱を低
減される。従来は、遠心力の作用が大きい部分の摩耗が
多く、遠心力の作用が小さい部分の摩耗が少ないため、
カム面34が徐々に変形したが、本発明の実施形態では遠
心力の大きさが略一定でありしかも小さいので、カム面
34の変形は生じない。
【0019】前記のとおり、ロータ41と第3磁石44a・
第3磁石44bとの対向箇所及びベーン40の両端と第3磁
石44a・第3磁石44bとの対向箇所での摩擦力の発生は
極めて少なく、摩擦による損失トルク及び発熱は殆ど存
在しない。そして、ベーン40とカム面34との間の摺動面
での摩擦力の発生が減少し、摩擦による損失トルク及び
発熱を低減される。従って、本発明の実施の形態のベー
ン式流体ポンプは、摩擦による損失トルク及び発熱が極
めて少ないので、オイルレスの真空ポンプとして使用す
ることが可能である。
【0020】図7は本発明の実施の形態の変形例を示
し、図7では基準波に対して0°、90°、180°及
び270°の位相差のある波形a〜dの信号が端子a〜
dから出力される。この変形例では、ロータにベーン溝
が4個形成され、そのベーン溝に4個のベーンが摺動自
在に挿入されて、各ベーン溝の中心側の位置に、棒状磁
性体のまわりにコイルを巻いた電磁石が組み込まれ配設
されている。4個のベーンに遠心力が作用するときに、
4個のコイルに通電して各電磁石の吸引力をベーンの磁
性体に作用させ、ベーンがカム面に対して略一定の低荷
重を作用させるようにする。
【0021】
【発明の効果】本発明は、ベーン式流体ポンプにおい
て、第1ハウジング、第2ハウジング及びベーンが非磁
性材料で製作され、磁性材料で製作されたロータが磁化
を受けて第1永久磁石とされ、ベーンの両側部に第2永
久磁石が内設され、孔部の両内側面に環状の第3永久磁
石が配設され、第3永久磁石の内側面に対して第1永久
磁石及び第2永久磁石の対向面が同極となるように配置
されている。従って、孔部の両内側面の第3永久磁石に
対してロータの第1永久磁石とベーンの両側部に第2永
久磁石が反発するので、ロータとベーンの両側面と孔部
の両内側面(第1ハウジングと第2ハウジングの内側
面)との間の摺動面での摩擦力の発生が減少し、摩擦に
よる損失トルク及び発熱が低減する。
【0022】本発明は、ベーン式流体ポンプにおいて、
ベーンの中心側に磁性体が内設され、ロータのベーン溝
の中心側に電磁石が配設され、ベーンに作用する遠心力
に対応した値の電流を前記電磁石のコイルに流し、前記
電流により生ずる吸引力をベーンの磁性体に作用させ、
ベーンがカム面に対して略一定の低荷重を作用させるよ
うにされている。従って、ベーンとカム面との間の摺動
面での摩擦力の発生が減少し、摩擦による損失トルク及
び発熱が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベーン式流体ポンプの実施の形態を示
す断面図(図2のA−A線の)であり、制御回路の一部
が含まれている。
【図2】図1の一部断面の右側面図である。
【図3】図1のロータ及び第3磁石の斜視図である。
【図4】図4(a) は本発明の実施の形態に用いられる制
御回路の主要部を示す図であり、図4(b) はベーン制御
波形を示す図である。
【図5】図5(a) は図1のロータの断面図であり、図5
(b) は図1のロータの右側面図である。
【図6】遠心力、吸引力の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例の制御回路の要部
を示す図である。
【図8】図8(a) は従来のベーン式流体ポンプの横断面
図であり、図8(b) は図8(a)のポンプ本体の断面図で
ある。
【図9】従来のベーン式流体ポンプの電気回路図であ
る。
【符号の説明】
21 第1ハウジング 22 第2ハウジング 25 シャフト 26 回転子 33 孔部 34 カム面 40 ベーン 41 ロータ 42 ベーン溝 44a,b 第3磁石 46a,b 第2磁石 49a〜c 磁性体 50a〜c コイル 52a〜c 電磁石 55 ブラシレスモータ 59a〜c ホール素子 70a〜d スリップリング 71 ブラシ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ハウジングと第2ハウジングとによ
    って孔部が形成され、孔部内の偏心位置にロータが回転
    可能に装着され、ロータに形成されたベーン溝にベーン
    が摺動自在に挿入され、孔部のカム面に吸入溝及び排出
    溝が形成されたベーン式流体ポンプにおいて、第1ハウ
    ジング、第2ハウジング及びベーンが非磁性材料で製作
    され、磁性材料で製作されたロータが磁化を受けて第1
    永久磁石とされ、ベーンの両側部に第2永久磁石が内設
    され、孔部の両内側面に環状の第3永久磁石が配設さ
    れ、第3永久磁石の内側面に対して第1永久磁石及び第
    2永久磁石の対向面が同極となるように配置されたこと
    を特徴とするベーン式流体ポンプ。
  2. 【請求項2】 第1ハウジングと第2ハウジングとによ
    って孔部が形成され、孔部内の偏心位置にロータが回転
    可能に装着され、ロータに形成されたベーン溝にベーン
    が摺動自在に挿入され、孔部のカム面に吸入溝及び排出
    溝が形成されたベーン式流体ポンプにおいて、ベーンの
    中心側に磁性体が内設され、ロータのベーン溝の中心側
    に電磁石が配設され、ベーンに作用する遠心力に対応し
    た値の電流を前記電磁石のコイルに流し、前記電流によ
    り生ずる吸引力をベーンの磁性体に作用させ、ベーンが
    カム面に対して略一定の低荷重を作用させるようにした
    ことを特徴とするベーン式流体ポンプ。
  3. 【請求項3】 ベーンの中心側に磁性体が内設され、ロ
    ータのベーン溝の中心側に電磁石が配設され、ベーンに
    作用する遠心力に対応した値の電流を前記電磁石のコイ
    ルに流し、前記電流により生ずる吸引力をベーンの磁性
    体に作用させ、ベーンがカム面に対して略一定の低荷重
    を作用させるようにした請求項1記載のベーン式流体ポ
    ンプ。
  4. 【請求項4】 ロータとスプライン結合されたシャフト
    の一端にブラシレスモータの回転子が配設され、回転子
    の磁極の一つを検出するホール素子が回転子の近傍に配
    置され、1個のホール素子からの出力信号に応じてベー
    ン制御波形信号を発生させ、ベーン制御波形信号の位相
    をずらして前記電磁石の数と同数のベーン制御波形信号
    を出力させ、これらのベーン制御波形信号を前記電磁石
    の各コイルにそれぞれ入力させるようにした請求項2又
    は3記載のベーン式流体ポンプ。
  5. 【請求項5】 ロータの端面に複数個のスリップリング
    が同心上に配設され、前記電磁石のコイルの一端が共通
    のスリップリングに接続され、かつ前記電磁石のコイル
    の他端が各々のスリップリングに接続され、前記孔部の
    内側面から突出する複数個のブラシが各スリップリング
    に接触され、ブラシとスリップリングを通して前記ベー
    ン制御波形信号が前記電磁石の各コイルに伝送されるよ
    うにされた請求項4記載のベーン式流体ポンプ。
JP30348996A 1996-10-30 1996-10-30 ベーン式流体ポンプ Pending JPH10131873A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101369657B1 (ko) * 2007-05-31 2014-03-04 한라비스테온공조 주식회사 압축기
CN105179232A (zh) * 2015-10-23 2015-12-23 泊头市广腾机械设备制造有限公司 盘式磁力连接化工滑片泵

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