JPH10131248A - 飲料水の備蓄方法及びその装置。 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】災害に備える飲料水を確保するための方法と装
置を提供する。 【解決手段】蛇口と貯水タンク１１をホースで繋いで注
水すれば、水はタンクを満して溢れてしまう。本発明
は、この溢れる水を再びホースで蛇口に戻して日常の需
要に供し、満水のタンクを着脱可能にすれば、災害時数
日分の飲料水を被災者の手に委ねることが出来る。タン
クの水は常に最新の水道水である。本発明の装置は簡単
な配水具１とポリタンク１１とホースだけで構成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明の方法は、家庭等の水
道末端にて飲料水を備蓄する方法に関する。本発明の装
置は、家庭等の水道末端にて飲料水を備蓄する装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】水道水を貯水するには規模の大小はあっ
ても、水道メーター直後にボールタップで流入をコント
ロールする受水槽を設けて、電動ポンプによって配水す
る方法が取られている。この受水槽は水道送水圧の平等
を図る為に設置を義務付けられたもので容積が小さく、
備えとしての貯水を意図するならば屋上などに貯水タン
クを設けねばならないから、住宅各戸の規模での普及は
進んでいない。貯水タンクを設けられない住宅では、断
水などの通知を受けてから容器に汲み置くしか方法が無
いのが現状であり、汲み置き水の水質維持に限度が有る
から一時的にしか保存出来ず、備蓄し続ける有効な術を
持っていない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】今日、蛇口さえ捻れば
何時でも水が飲める、大変便利な生活をしているが、ひ
とたび断水すると、直にお手上げである。普段は生命を
謳歌していても、生命を守らねばならない事態に備え
て、肝心の水を貯えていないのである。阪神大震災でも
そうであった。瓦礫に埋められて救助を求める被災者に
投げ入れてやる水もなかったという。生命を支える水が
市民の手になかったのである。渇水の慢性化が都市部で
進んでいるが、その影響を真っ先に被るのは市民生活で
あって、農業でも工業でもない。市民自身が手元に飲料
水を備蓄していなくてはならないのである。また、緊急
時に持出せない容器ではまったく意味が無い。倒壊した
家屋から引っ張り出せてこその備蓄飲料水である。本発
明は、生活に不可欠の飲料水を生活の現場にて備蓄し
て、非常時を生抜くためになされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】蛇口から得る水道水を単
に貯水してもそれは飲料水の備蓄にはならない。飲料水
としての水質が保全されている保証が必要である。蛇口
と貯水タンクをホーでを繋いで注水して、貯水タンク満
水後に他のホースで送水圧を利用して蛇口に還流させる
方法であるならば、タンク内の水は日常の需要で更新さ
れ、空気にふれることもないから常に新鮮である。本発
明の方法を装置で示したのが図１である。蛇口に取付け
た配水具本体に有する仕切板によって、蛇口からの水を
ノズル（３）からタンク（１１）に注入し、タンクを満
たして溢れ出る水がノズル（８）から配水具に還流して
吐水口（５）より放出される。この方法で貯水すれば、
蛇口さえあれば何処にでも飲料水の備蓄が可能となり、
非常時にタンクを持出すことも容易である。 一般家庭
への送水圧は他よりも低くなるからタンク容量が限定さ
れもするが、非常時のタンク持ち出しを前提とするの
で、その限りでの送水圧には問題がない。送水圧が高圧
である施設では大規模並置しての貯水基地も建設出来
る。持ち歩ける規模の貯水タンクには、ポリエチレン樹
脂製が最適である。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の装置の配水具（１）は、
図２配水具断面図に示す構造をしているが、図８に示す
アーム脚（ａ８）の凹凸を図６本体側填め込み穴（ａ１
１）の凹凸とあわせて接着してノズルを本体に取付け
る。図２配水具本体上部にゴムパッキン（ａ２）を填め
た上に蛇口固定リング（２）を重ねてリング押着具（ａ
１）によって絞着する。配水具吐水口（５）に図２スト
レーナー（ａ４）を挿入してストレーナーホルダー（ａ
５）で押える。

【０００６】本発明の装置の貯水タンク（１１）は、ポ
リエチレン製で容量、形状は一定ではないが、図３貯水
タンク断面図に示す基本的構造をしている。正面開口部
（１２）と取っ手（９）は配置上可能な限り大きく設定
しているが、開口部は飲料水容器としての洗浄作業、給
水車からの配水受給、火災消火での一気放水などに役立
つことを目的としたものであり、取っ手は両手保持を可
能にして弱者の携帯を助けると共に、消火時の機能を高
めることを目的としたものである。軟質なポリエチレン
製タンクではあっても、蛇口を閉めると送水圧が掛らな
くなるから、ホース共々長期間の使用にも耐えられる。

【０００７】本発明の装置の図１配水具と貯水タンクの
ノズル（３），（４），（７），（８）の構造は、図４
配水具ノズル断面図にて示しているが、タンク、配水具
双方からの立上がりの形状を除いて、寸法とホース接続
の仕組みはまったく同一である。つまり、ホースを固定
するには、ホース内径と同寸のノズル先端（３）から図
４突起（ａ６）を乗越えて突当たり面（ａ１０）までホ
ースを差込み、ストッパー図５を締めこむ。ノズル突起
によって傾斜のついたホース面を図５ストッパーの（ｂ
１）で、突起尖端のホース面をストッパーの（ｂ２）と
の二点でホースを締着する。

【０００８】本発明の装置の貯水タンクを装置から離脱
するには、前項の逆の操作によってホースを取外し、タ
ンク底面（１０）に格納されている図８キャップを図７
ストッパーと引き替えに取り出してノズルに填める。給
水器として用いるには、開口部を上に引き起こして立て
てノズルキャップを操作するが、この立てた状況で備蓄
しても差し支えないものである。図８に示すとおり、ノ
ズルとキャップ内面とは、（ｃ１）と（ａ９）、（ｃ
３）と（ａ６）への斜面、（ｃ４）と（ａ１０）の３ヶ
所で密着する機会があり、サイフォン効果にも助けられ
て水密度を維持している。図１ノズル（７）を緩めて吸
気させなければ、ノズル（８）から漏水するようなこと
はないのである。

【０００９】本発明の装置は、図１蛇口と配水具（１）
を蛇口固定リング（２）のビスを絞めて固定し、配水具
のノズル（３）、（４）と貯水タンクのノズル（７）、
（８）を夫々ホースで連結して図７ストッパーにより絞
着することによって構成が完成する。本発明の方法で
は、吐水口（５）に於いて水を使おうとすると、水は貯
水タンク（１１）をまず迂回してから吐水口（５）に還
流して放出され、貯水タンクには常に新鮮な水が貯えら
れているのである。何時タンクを外して備蓄水として使
用しても、その備蓄水は必ず最新の水そのものである。

【００１０】タンク容量については、災害への対応の仕
方、家庭での渇水対策としての大型タンク等様々になる
が、例えば職場、商店街などで、ノズルを２本設けた小
型ペットボトルを百本単位で並置させて備蓄していれ
ば、出先で被災した人々に緊急配布するような体制をと
ることができる。災害対策基地などでは、１２リットル
級ポリタンクを並置貯水して備え、災害時に従来の給水
車派遣ではなく、ポリタンクの形状でトラック輸送する
方策も選択出来る。軽トラックで搬送するならばさらに
狭隘な被災地にも到達出来るようになる。

【００１１】大病院での対策はすでに充分だと信じたい
が、大事な時に自家発電が故障することも有り得ようか
ら、各病棟、各階、各要所に本発明になる飲料水備蓄装
置を設置すれば、より安全な診療が可能となる。

【００１２】トイレロータンクの手洗用吐水口に本発明
の装置の配水具を固定して本装置を稼動させると、ボー
ルタップを利用することになって、渇水期等夜間しか配
水されないなどの場合にはとくに有効である。ロータン
ク上部の空間に棚を設けて大型タンクを設置すれば、夜
間に満水した水を昼間使用出来る。給水制限で影響がひ
どい地域での台所仕事は大変なものである。Ｏ１５７な
どの細菌汚染から身を守るにも、まず豊富な水が求めら
れる。都市部の渇水は慢性化しており、本発明の装置は
多方面で有用なものである。

【００１３】

【発明の効果】本発明の飲料水備蓄装置は、取り外せば
個人が片手で携帯可能な程の小規模小口から、災害対策
基地など大規模な要請にも応えられるものであるが、タ
ンク容量が小さいからこそ水質が安定する原理の上に成
り立っていて、水質に関してはまったくメンテナンスフ
リーである。蛇口に貯水タンクを繋いでも蛇口を塞がな
いから、蛇口さえあれば何処にでも飲料水を備蓄できる
のである。抛って置いても何時でも飲める水が市民の手
に入ったのである。使う道具は、プラスチック製の小さ
な配水具と、ポリエチレン製の手軽なタンクと、そして
少しのホースだけであって、必ずや廉価に提供され得る
ものである。水道貯水池が枯渇してしまわない限り、本
発明の装置を接続した蛇口が需要に供されている限り、
突然の断水や大地震でも、当座の飲料水が備蓄されてい
て、被災の瞬間に被災者がすでに飲料水を手にして救助
を待つというように、生命の安全を少しでも永く確保す
ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】備蓄装置見取図

【図２】配水具断面図

【図３】貯水タンク断面図

【図４】ノズル断面図

【図５】ストッパー断面図

【図６】配水具側面図

【図７】ストッパー斜視図

【図８】ノズル側面とキャップ断面の合成図

【符号の説明】

１………配水具 ２………蛇口固定リング ３………ノズル平坦部 ４………還流ノズル ５………吐水口 ６………アーム ７………タンクノズル ８………タンクノズル ９………取っ手 １０………底面凹部 １１………貯水タンク １２………開口部キャップ ａ１………リング押着具 ａ２………ゴムパッキン ａ３………仕切板 ａ４………ストレーナー ａ５………ストレーナーホルダー ａ６………突起尖端部 ａ７………締着用ねじ ａ８………アーム脚 ａ９………ノズル吐水口 ａ１０………ホース突当たり面 ａ１１………填め込み穴 ａ１２………つまみ ｂ１………ホース傾斜面押圧部 ｂ２………ホース突起面押圧部 ｃ１………キャップ底面 ｃ２………キャップ内側面 ｃ３………キャップ内斜面 ｃ４………キャップ内ねじ止面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蛇口に取付けた図１配水具（１）のノズ
   ル（３）と貯水タンク（１１）のノズル（７）とをホー
   スで連結して注水し、貯水タンクのノズル（８）と配水
   具のノズル（４）とを他のホースで連結してノズル
   （８）から溢れ出る水を配水具に還流させ、配水具吐水
   口（５）から吐出する水を需要に供するに従って貯水タ
   ンク内の水が更新され、よって貯水の水質を維持する、
   飲料水の備蓄方法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の方法により、貯水タンク
   に迂回させた水を飲料水として水道末端にて備蓄する装
   置。