JPH10131037A - 抗菌性材料 - Google Patents

抗菌性材料

Info

Publication number
JPH10131037A
JPH10131037A JP27603396A JP27603396A JPH10131037A JP H10131037 A JPH10131037 A JP H10131037A JP 27603396 A JP27603396 A JP 27603396A JP 27603396 A JP27603396 A JP 27603396A JP H10131037 A JPH10131037 A JP H10131037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
substrate
fixed
colloid
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27603396A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadatoshi Kurozumi
忠利 黒住
Kazuhiko Hiromoto
和彦 広本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP27603396A priority Critical patent/JPH10131037A/ja
Publication of JPH10131037A publication Critical patent/JPH10131037A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常生活用品に容易に用いられる抗菌性材料
を提供する。 【解決手段】 本発明の抗菌性材料は基材と、溶液中で
コロイドとして浮遊状態で存在し、同溶液より該基材表
面に固着した金属酸化物、金属オキシ水酸化物、金属水
酸化物のコロイドである少なくとも一種である固着物と
よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性に優れた繊
維、粉体などの材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年自然環境の悪化に伴って、抗菌性材
料に対する需要が増加している。例えば、我々が日常用
いる靴下、下着等の衣類、寝具類、カーテン、カーペッ
ト等あらゆる分野において抗菌性材料の需要が増大して
いる。材料が抗菌効果を充分に発揮するには、用いられ
る材料の基材の比表面積が大きいことが望ましいことか
ら繊維状、粉体状のものが多く用いられる。具体的には
衣類、カーテン、カーペット等の繊維物質は容易に抗菌
性材料にすることができる。更にまた家電、家具のよう
に表面が平らな場合は、抗菌機能を付与した繊維、不織
布等を張り付けたり、或いは抗菌機能のある顔料や塗料
を塗布している。
【0003】例えば農薬便覧の毒性データなどから、抗
菌性を有する金属化合物は、容易に推察され、銀、銅、
亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガ
ン、砒素、アンチモン、ビスマス、バリウム、カドミウ
ム又はクロム等の化合物があげられる。無機系抗菌材で
は、銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、ニッ
ケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バリウ
ム、カドミウム又はクロム等抗菌性を有する金属化合物
を担持させたゼオライト、アパタイト、リン酸塩化合物
の無機イオン交換体、多孔質体などの複合体がある。し
かしながら、無機系抗菌材を実際に使用する繊維などの
基材に加工するためには、表面に出ている抗菌化合物が
抗菌効果に効いてくるので、金属化合物を担持させたゼ
オライト、リン酸塩化合物を数%から10数%添加しな
ければならない。そのため、コストアップになることと
強度、弾性率など基材としての性質を損なう欠点を有し
ていた。即ち前述の公知の抗菌材を前述のような日常生
活用品を抗菌材とするためには使用範囲が限定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、日常生活用品
に容易に用いられる抗菌性材料の開発が実用上強く要望
されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記需要に
応ずる目的で研究の結果コロイドの金属酸化物、金属オ
キシ水酸化物、金属水酸化物は抗菌性を有することを知
り、本発明を完成した。即ち、本発明は基材と、溶液中
でコロイドとして浮遊状態で存在し、同溶液より該基材
表面に固着した金属酸化物、金属オキシ水酸化物、金属
水酸化物の少なくとも一種のコロイドである固着物とよ
りなる抗菌性材料、前記抗菌性材料の固着物に更に硫黄
又は硫黄を含む化合物が固着又は結合した抗菌性材料、
更に基材の表面の前述の固着物が100〜1000℃の
範囲で焼成されたものである抗菌性固着材料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳細に説明す
る。本発明の抗菌性材料は例えば次に述べる手段で製造
することができる。 金属塩を溶解し、加熱などのエネルギー付加、pH調
整により、コロイド状の金属酸化物、金属オキシ水酸化
物、金属水酸化物を存在させた液に、基材を浸漬するこ
とにより前記コロイド状金属酸化、水酸化、オキシ水酸
化物を基材に固着する。 金属塩を溶解し、加熱などのエネルギー付加、pH調
整により、コロイド状の金属酸化物、金属オキシ水酸化
物、金属水酸化物を存在させた液に、基材を浸漬して前
記各種金属酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物を基材に
固着した後、更に硫黄又は硫黄化合物を含む液に更に浸
漬して前記硫黄類を結合又は固着させる。 前記固着物を100℃以上で焼成する。 本発明の抗菌性材料は前述のように基材と、コロイド金
属酸化物、金属オキシ水酸化物、金属水酸化物(金属酸
化物類と称する)の少なくとも一種とよりなるものであ
る。金属酸化物類が抗菌性を有するが、特に前記の基材
によく固着し、且つその表面積が大である材料は見当た
らず、そのため実用的な抗菌材としての使用は困難であ
った。しかしながらコロイド状として前記の固着が可能
になり、前記の問題点は解消されたのである。基体は繊
維状又は粒状の場合、コロイド金属酸化物類との接触面
積が大となる。
【0007】本発明の抗菌性材料の製造に用いられる金
属塩は、溶媒に完全に溶解したのち、加熱などのエネル
ギー付加、pH調整により、容易にコロイド粒子が生
じ、コロイド状の金属酸化物、金属オキシ水酸化物、金
属水酸化物を生じる金属化合物ならなんでもよい。好ま
しくは、銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウムの群から選ばれる少なくとも一種以
上の金属が好ましい。金属塩は対イオンが、塩素イオ
ン、硫酸イオン、硝酸イオンなどの比較的安価なものが
用いられるが、臭素イオンなどのハロゲン、亜硫酸イオ
ン、亜硝酸イオン、燐酸イオン、亜燐酸イオン、次亜燐
酸イオンなどの無機イオン、エトキシ基、メトキシ基、
ブトキシ基、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸
イオンなどの有機イオンでもよい。金属酸化物類を生じ
る金属化合物を溶解する溶媒としては、水が最も実用的
ではあるが、メチルアルコール、エチルアルコールその
他の有機溶剤を用いてもよい。又、適当な酸、塩基を加
えて、更に加熱して、金属化合物を溶解してもよい。酸
としては、塩酸、硫酸などの鉱酸、酢酸、ギ酸などの有
機酸であってもよい。塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニアなどの工業的に入手し
やすいアルカリや有機塩基が用いられる。例えば、もと
もと水酸化物や酸化物、対イオンがシュウ酸イオン、酒
石酸イオン、クエン酸イオンなどの有機金属であった
り、一部含んでいる場合は、完全に溶解させるため、適
当な酸を加えて加熱するとよい。対イオンが、エトキシ
基、メトキシ基、ブトキシ基などのときは、メチルアル
コール、エチルアルコールなどの適当な有機溶剤に溶解
するとよい。例えばTiなどの塩化物は、水に溶解する
だけで、一部加水分解するので、適当な酸を溶解させた
後に加水分解させるとコロイド状金属化合物が生じる。
たとえばSnの塩化物は一度アルカリにして、溶解させ
た後加水分解させるとコロイド状金属化合物が生じる。
コロイド金属酸化物類の製造に用いられる溶解濃度は、
任意に選ぶことができるが、濃度が低くなるほど、析出
させるコロイド粒子は、小さくなることから、一般に
は、100g/l以下濃度が適当である。更に望ましく
は、10g/l以下濃度が適当である。金属種によって
は、加温しないと、コロイド粒子が生成されず、沈殿し
てしまう。加水分解により生じるコロイド粒子は、温度
が低いと凝集し易くなるので、30℃以上に加温するこ
とが望ましい。好ましくは、50〜80℃に加温する。
コロイド状の金属酸化物類を析出させるために用いる
酸、塩基は、特に規定はなく、酸としては、塩酸、硫酸
などの鉱酸、酢酸、ギ酸などの有機酸であってもよい。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニアなどの工業的に入手し易いアルカリや有機塩基
が用いられる。又、pH調整は、金属塩は、溶媒に完全
に溶解したのち、加熱などのエネルギー付加をしたの
ち、十分に攪拌して、アルカリ又は酸をゆっくりと加え
るとよい。コロイド状の金属酸化物類を析出させる適正
なpHは、金属種や対イオン、濃度、温度、攪拌条件に
より異なる。条件により、1次粒子としてコロイド状粒
子を析出させても凝集して、2次粒子で沈殿してしまう
こともある。コロイド状の金属酸化物、金属オキシ水酸
化物、金属水酸化物を析出させる領域は、予め予備実験
により選択する。例えば、金属塩として銅化合物を選択
すると、10g/lの濃度がCuCl22H2 O、Cu
(SO4 )5H2 O、Cu(NO32 3H2 Oを用い
た場合、30℃以上で、pH<4.5になるように、十
分に攪拌を行い、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの塩基をゆっくり滴下して、pH調整を行うと、コロ
イド状の析出物が得られる。30℃以上であっても、p
H>6であったり、攪拌が不十分であったりすると沈殿
が生じてしまう。塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムを用いるよりもアンモニアを用いたほう
が、コロイド粒子を析出させやすい。金属塩として銀化
合物を選択すると、AgClではコロイド状粒子を析出
させない。10g/lの濃度でAgNO3 を用いた場
合、十分に攪拌を行い、アンモニア水でpH>8にした
のち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基を
ゆっくり滴下して、pH調整を行うと、コロイド状の析
出物が得られる。アンモニア水を加えないで、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどの塩基をゆっくり滴下し
てもコロイド粒子は析出しない。コロイド粒子を析出さ
せる領域で濃度、温度、pH条件を選択することにより
コロイド粒子の組成、粒径をかえることができる。又、
固着量は、液量/基材の比、濃度、温度、pH条件、反
応温度を変えることにより制御できる。コロイド状の金
属酸化物、金属オキシ水酸化物、金属水酸化物を析出さ
せた液と基材を接触させることにより、コロイド状の金
属酸化物類を固着させる。ここでいう金属酸化物、金属
オキシ水酸化物、金属水酸化物とは、CuCl2 3Cu
(OH)2 のように一部に金属酸化物、金属オキシ水酸
化物、金属水酸化物を含んでいればよい。
【0008】コロイド状の金属酸化物類に、抗菌性機能
を有する金属化合物を少量加えても良い。コロイド状の
金属酸化物類を析出させた液と基材を接触させる方法と
しては前述の液に基材を浸漬させたり、浸漬させて攪拌
する方法、予め基材を詰めた容器にコロイド状の金属化
合物類を析出させた液をしみ込ませていく方法、繊維の
場合は、連続的に浸漬しながらまきとる方法など、均一
にコロイド状の金属化合物類を析出させた液と基材が接
触する方法なら何でもよい。固着は、瞬時に起こるが、
金属酸化物、金属オキシ水酸化物、金属水酸化物同士が
接触するには、好ましくは、10分以上がよい。固着量
は多い程よいが、基材表面全面被覆が限度である。基材
表面の表面積とコロイド粒子の粒径により固着量は異な
るが、金属化合物/基材=0.5/100〜50/10
0であることが多い。
【0009】エネルギー付加手段としては、伝熱、対
流、輻射などによる熱エネルギー、紫外線、赤外線、電
磁波、X線などの波動エネルギーが適宜用いられる。エ
ネルギー付加は、コロイド状の金属酸化物類を析出させ
た後、基材に固着するときも行ったほうが粒径の小さい
コロイド状の金属酸化物類を固着するには、望ましい。
更に表面に硫黄又は硫黄を含む化合物を結合又は固着し
てもよい。又、硫黄又は硫黄を含む化合物は金属酸化物
類と混在してもよいし、置き換わってもよい。本発明に
用いられる硫黄又は硫黄を含む化合物とは、硫黄粉末、
硫化水素、硫化ナトリウム、硫化カリウムなどの金属硫
化物、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなど
の還元性硫黄化合物、その他過硫化物、硫黄を含む化合
物なら何でもよい。用いる溶媒は、水又は、酸、アルカ
リを含む水であっても有機溶剤でもよい。反応は、室温
でも、冷却しても、加熱などエネルギー付加してもよ
い。
【0010】基材表面の金属酸化物類を硫黄又は硫黄を
含む化合物を結合又は固着させるには、例えば、FeO
OHが固着している場合、ジエチルアミン溶液に適当量
の硫黄粉末を懸濁させて、FeOOHが固着している基
材を浸漬させて還流させると硫黄成分として大部分が硫
黄であるものが水酸化酸化鉄に固着できる。CuCl 2
3Cu(OH)2 が固着している場合、硫化ナトリウム
水溶液に室温で浸漬させるとCuCl2 3Cu(OH)
2 が反応して、硫黄成分として大部分がCuSが基材に
固着する。上記の固着後は、所定の用途に応じて、既知
の方法で洗浄、乾燥などを行ってよい。金属酸化物、金
属オキシ水酸化物、金属水酸化物の結晶性を向上させ、
抗菌性を増加するには前記固着物を100〜1000℃
で熱処理する。但し合成樹脂を基材として用いる場合に
は融点及び分解点以下の温度で熱処理を行う。熱処理雰
囲気は、空気中でよいが、酸化、還元、不活性雰囲気下
でもよい。
【0011】本発明に用いられる基材としては、合成樹
脂、天然樹脂、無機フィラー、鉱物材料がある。合成樹
脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエス
テル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリウレタン
樹脂などであり、特に分子量、分子量分布等に限定され
ない。ポリプロピレン樹脂としては、プロピレン重合体
及び/又はプロピレン共重合体が用いられる。ここで、
プロピレン共重合体としては、プロピレン−エチレン共
重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体などがあり、
これらのブロック共重合体やランダム共重合体が用いら
れる。ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレンがあげられる。ポリエステル樹脂と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリ−パ
ラ−エチレンオキシベンゾエートなどがあげられる。ポ
リアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6
6、ポリアミド610、ポリアミド12などの単独重合
体及び、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12、ポ
リアミド6/66/610などポリアミド6樹脂との共
重合体ポリアミド類などをあげることができる。なかで
も、ポリアミド6樹脂の単独重合体は成形性が良く、又
製造コストも安価であることから好適である。
【0012】その他として、アクリル、ビニロン、ポリ
ウレタン、アラミド、ポリスチレン、塩化ビニリデンな
どの合成繊維が例示される。又、これらの樹脂を一種類
で使用しても良く、或いは二種類以上併用することもで
き、二種類以上の樹脂を製造工程でブレンドした物でも
良い。炭素材料としては、PAN系、ピッチ系炭素繊
維、カーボンブラック、黒鉛、各種ゴムなどがあげられ
る。天然樹脂としては、パルプ、絹、木綿などがあげら
れる。無機材料は、酸化珪素、アルミナ、ガラス、酸化
チタニウム、チタン酸アルカリ、ジルコニア、マグネシ
アなどがあげられる。以上の材料の製造時のブレンド品
などによる複合体でもよい。鉱物材料としては、タル
ク、カオリン、黒曜石、真珠岩、松脂岩などがあげられ
る。形状は特に規定されないが、非表面積の大きい繊維
状、粒状が効果的である。又、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、塩化ビニリデンなどの発泡体も
好適である。又、コロイド状の金属酸化物類を無機材な
どの耐熱性を有する基材に固定した後、樹脂に混ぜ、つ
いで繊維に紡糸したり、粉体として用いてもよい。
【0013】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (1)抗菌性を付与した材料の作成 (実施例 1)10g/l−CuCl2 2H2 O水溶液
を500ml作成し、70℃に加熱し、pH3.4にア
ンモニアにて調整したコロイド状CuCl2 3Cu(O
H)2含有反応液に、ポリプロピレンの不織布を浸漬さ
せて、10分保持した。不織布を取り出し、十分に水洗
し、105℃で1時間乾燥した。銅化合物として、Cu
Cl2 3Cu(OH)2 が付着しているのがX線回折に
より確認された。又電子顕微鏡にて、約15nmの針状
結晶が固着しているのが観察された。
【0014】(実施例 2)1g/l−Na2 S水溶液
を500ml作成し、実施例1において得られたポリプ
ロピレンの不織布を浸漬させて、1分保持した。不織布
を取り出し、十分に水洗し、105℃で1時間乾燥し
た。CuCl2 3Cu(OH)2 に銅化合物として、C
uSが付着しているのX線回折により確認された。又電
子顕微鏡にて、約15nmの針状結晶が固着しているの
が観察された。
【0015】(実施例 3)10g/l−CuCl2
2 O水溶液を500ml作成し、70℃に加熱し、p
H3.4にアンモニアにて調整したコロイド状CuCl
2 3Cu(OH)2含有反応液に、アクリル綿を浸漬さ
せて、10分保持した。アクリル綿を取り出し、十分に
水洗し、105℃で1時間乾燥した。銅化合物として、
CuCl2 3Cu(OH)2 が付着しているのがX線回
折により確認された。又電子顕微鏡にて、約15nmの
針状結晶が固着しているのが観察された。
【0016】(実施例 4)10g/l−CuCl2
2 O水溶液を500ml作成し、70℃に加熱し、p
H3.4にアンモニアにて調整したコロイド状CuCl
2 3Cu(OH)2含有反応液に、ポリエステルの布を
浸漬させて、10分保持した。ポリエステルの布を取り
出し、十分に水洗し、105℃で1時間乾燥した。銅化
合物として、CuCl2 3Cu(OH)2 が付着してい
るのがX線回折により確認された。又電子顕微鏡にて、
約15nmの針状結晶が固着しているのが観察された。
【0017】(実施例 5)実施例1において得られた
ポリプロピレンの不織布を150℃で5時間焼成した。
【0018】(実施例 6)10g/l−AgNO3
溶液を500ml作成し、70℃に加熱し、pH9に1
M濃度のアンモニア水にて調整した後、1M−NaOH
10mlを滴下して作成したコロイド状AgO含有反応
液に、ポリプロピレンの不織布を浸漬させて、10分保
持した。不織布を取り出し、十分に水洗し、105℃で
1時間乾燥した。銀化合物として、AgOが付着してい
るのがX線回折により確認された。又電子顕微鏡にて、
約5nmの針状結晶が固着しているのが観察された。
【0019】(実施例 7)10g/l−AgNO3
溶液を500ml作成し、70℃に加熱し、pH9に1
M濃度のアンモニア水にて調整した後、1M−NaOH
10mlを滴下して作成したコロイド状AgO含有反応
液に、平均粒径20μmのナイロン樹脂粉体を浸漬させ
て、10分保持した。ナイロン樹脂粉体を取り出し、十
分に水洗し、105℃で1時間乾燥した。銀化合物とし
て、AgOが付着しているのがX線回折により確認され
た。又電子顕微鏡にて、約5nmの針状結晶が固着して
いるのが観察された。
【0020】(実施例 8)10g/l−AgNO3
溶液を500ml作成し、70℃に加熱し、pH9に1
M濃度のアンモニア水にて調整した後、1M−NaOH
10mlを滴下して作成したコロイド状AgO含有反応
液に、平均粒径3μmのタルク粉体を浸漬させて、10
分保持した。タルク粉体を取り出し、十分に水洗し、1
05℃で1時間乾燥した。銀化合物として、AgOが付
着しているのがX線回折により確認された。
【0021】(実施例 9)実施例8において得られた
タルク粉体を350℃で5時間焼成した。
【0022】(実施例 10)10g/l−CuCl2
2H2 O水溶液を500ml作成し、70℃に加熱し、
pH3.4にアンモニアにて調整したコロイド状CuC
2 3Cu(OH)2含有反応液に、ポリプロピレンの
15d68フィラメントを浸漬させて、10分保持し
た。前記フィラメントを取り出し、十分に水洗し、10
5℃で1時間乾燥した。銅化合物として、CuCl2
Cu(OH)2 が付着しているのがX線回折により確認
された。又電子顕微鏡にて、約15nmの針状結晶が固
着しているのが観察された。又繊維を灰化して、残渣の
重量を測定することにより、0.2%CuCl2 3Cu
(OH)2 が付着していた。
【0023】(比較例 1)実施例1,2,5,6で用
いたポリプロピレンの不織布を105℃で1時間乾燥し
た。 (比較例 2)実施例3で用いたアクリル綿を105℃
で1時間乾燥した。 (比較例 3)実施例4で用いたポリエステルの布を1
05℃で1時間乾燥した。 (比較例 4)実施例7で用いたナイロン樹脂粉体を1
05℃で1時間乾燥した。 (比較例 5)実施例8,9で用いたタルク粉体を10
5℃で1時間乾燥した。
【0024】(比較例 6)攪拌した市販の塩基性塩化
銅(45μm以下の粉末)1%水溶液に、予め界面活性
剤を塗布したポリプロピレンの不織布を、10分間浸漬
させた。105℃で1時間乾燥した。
【0025】(比較例 7)攪拌した市販の塩基性塩化
銅(45μm以下の粉末)1%水溶液に、予め界面活性
剤を塗布したアクリル綿を、10分間浸漬させた。10
5℃で1時間乾燥した。
【0026】(比較例 8)攪拌した市販の塩基性塩化
銅(45μm以下の粉末)1%水溶液に、予め界面活性
剤を塗布したポリエステルを、10分間浸漬させた。1
05℃で1時間乾燥した。
【0027】(比較例 9)攪拌した市販の塩基性塩化
銅(45μm以下の粉末)1%水溶液に、予め界面活性
剤を塗布したナイロン樹脂粉体を、10分間浸漬させ
た。105℃で1時間乾燥した。
【0028】(比較例 10)攪拌した市販の塩基性塩
化銅(45μm以下の粉末)1%水溶液に、予め界面活
性剤を塗布したタルク粉体を、10分間浸漬させた。1
05℃で1時間乾燥した。以下、上記の実施例、比較例
を用いて抗菌性を測定した結果を示す。
【0029】(2)測定結果 不織布、綿 実施例、比較例のサンプルにおいて、5cm*5cm大
に不織布や布を切断し、又は1gの綿を取り、大腸菌の
リン酸緩衝生理食塩水に浸漬し、35℃で培養した後、
菌数測定用培地にて洗い出し、菌数測定用培地による混
釈平板培養法(37℃、24時間)により生菌数を測定
した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】粉体 実施例、比較例のサンプルを1%加えたリン酸緩衝生理
食塩水に、大腸菌を加え、35℃で培養した後、菌数測
定用培地による混釈平板培養法(37℃、24時間)に
より生菌数を測定した。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】ハロー試験 JIS−L1902の細菌を大腸菌と芽胞形性菌にかえ
て行った。前培養した菌液を普通寒天培地に対して、菌
濃度が106 個/mlになるように入れ、良く攪拌す
る。これを15ml殺菌したシャーレに入れ15分間室
温で放置し、寒天を固め、混釈平板培地とする。これを
倒置し、更に30分〜3時間放置し、余分な水分を乾燥
させる。実施例、比較例のサンプルにおいて、28mm
*28mm大に不織布を切断し、混釈平板培地に軽く密
着させた。シャーレを倒置して、37℃、24時間培養
した後ハロー値を求めた。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】耐久性 JISL0821の染色の洗濯堅牢度試験の洗濯機を用
いて行った。実施例、比較例のサンプルにおいて、約5
gと100mlの蒸留水を蒸留水で十分に水洗した蓋付
きテフロン容器に入れ、洗濯機にセットし、70℃、2
時間運転した。水の金属溶出度を原子吸光にて測定し、
耐久性を評価した。その結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】実施例10で得られた銅化合物としてCu
2 3Cu(OH)2 が付着しているポリプロピレンの1
5d68フィラメント及び、99.8重量部のポリプロ
ピレンと比較例5,10で用いたタルク粉末0.2重量
部をエクストルーダにより混合し、タルク粉末を0.2
%含有したポリプロピレンペレットを得ることができ
た。このペレットより通常の溶融紡糸法により、15d
68フィラメントの延伸糸を得ることができた。これら
のフィラメント夫々1gを大腸菌のリン酸緩衝生理食塩
水に浸漬し、35℃で培養した後、菌数測定用培地にて
洗い出し、菌数測定用培地による混釈平板培養法(37
℃、24時間)により生菌数を測定した。その結果を表
5に示す。
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】繊維状、粉状の抗菌材料の供給が容易と
なり、その実用上の効果は極めて大きい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、溶液中でコロイドとして浮遊状
    態で存在し、同溶液より該基材表面に固着した金属酸化
    物、金属オキシ水酸化物、金属水酸化物の少なくとも一
    種のコロイドである固着物とよりなる抗菌性材料。
  2. 【請求項2】 基材と、溶液中でコロイドとして浮遊状
    態で存在し、同溶液より該基材表面に固着した金属酸化
    物、金属オキシ水酸化物、金属水酸化物の少なくとも一
    種のコロイドである固着物、更に前記固着物に固着又は
    結合した硫黄又は硫黄を含む化合物とよりなる抗菌性材
    料。
  3. 【請求項3】 基材表面の固着物、同固着物に固着又は
    結合した硫黄又は硫黄を含む化合物は100℃から10
    00℃の範囲で焼成されたものである請求項1又は2記
    載の抗菌性材料。
  4. 【請求項4】 金属酸化物、金属オキシ水酸化物、金属
    水酸化物を構成する金属は、銀、銅、亜鉛、スズ、水
    銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ヒ素、ア
    ンチモン、ビスマン、バリウム、カドミウム、クロム中
    の少なくとも一種である請求項1又は2記載の抗菌性材
    料。
  5. 【請求項5】 硫黄を含む化合物は金属硫化物、還元性
    硫黄化合物、過硫化物の少なくとも一種である請求項2
    記載の抗菌性材料。
  6. 【請求項6】 基材が繊維状物、粒状物のいずれかであ
    る請求項1又は2記載の抗菌性材料。
JP27603396A 1996-10-18 1996-10-18 抗菌性材料 Pending JPH10131037A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27603396A JPH10131037A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 抗菌性材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27603396A JPH10131037A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 抗菌性材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10131037A true JPH10131037A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17563858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27603396A Pending JPH10131037A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 抗菌性材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10131037A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014509938A (ja) * 2011-03-25 2014-04-24 インディアン インスティテュート オブ テクノロジー 浄水のための持続的な銀放出組成物
KR102030355B1 (ko) * 2018-06-27 2019-10-10 태광산업주식회사 항균 및 소취 기능을 가지는 폴리우레탄우레아 탄성섬유의 제조방법 및 그로부터 제조되는 폴리우레탄우레아 탄성섬유

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014509938A (ja) * 2011-03-25 2014-04-24 インディアン インスティテュート オブ テクノロジー 浄水のための持続的な銀放出組成物
KR102030355B1 (ko) * 2018-06-27 2019-10-10 태광산업주식회사 항균 및 소취 기능을 가지는 폴리우레탄우레아 탄성섬유의 제조방법 및 그로부터 제조되는 폴리우레탄우레아 탄성섬유

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5945211A (en) Composite material carrying zinc oxide fine particles adhered thereto and method for preparing same
US8313780B2 (en) Silver-based inorganic antimicrobial agent, method for preparing the same and antimicrobial product
US7771738B2 (en) Silver-based inorganic antimicrobial agent and antimicrobial product
US7855161B2 (en) Photocatalytic fiber and fabric using thereof, and fabric product using the fabric
EP0695501A1 (en) Plastic article containing a metallic bactericidal agent
EP2274470B1 (en) Method of manufacturing natural or synthetic fibres containing silver nano-particles
KR100206526B1 (ko) 도전성 재료
Zhao et al. Mussel-inspired construction of multifunctional cotton fabric with superhydrophobicity, conductivity and antibacterial activity
US6022619A (en) Textile composite with iron oxide film
JPH01268764A (ja) 抗菌性顔料粉末
JPH09241967A (ja) 消臭性繊維及びその製造方法
JPH10131037A (ja) 抗菌性材料
JPH09241970A (ja) 金属微粒子含有繊維とその製造方法
JP3650979B2 (ja) 抗菌・抗黴ポリマー粒子
CN109463381A (zh) 一种季铵盐-纳米银型磁性纳米抗菌复合粒子及其制备方法和应用
JP3300085B2 (ja) 吸着性組成物およびその製造法
JP2890871B2 (ja) 抗菌性樹脂組成物
JPH06293611A (ja) 抗菌性材料
JP2004176073A (ja) 抗菌・抗黴ポリマー粒子の製造方法
CN113826643B (zh) 银离子空间分布可控的载银羟基磷灰石微粒及其制备方法
JP3052296B2 (ja) 抗菌性皮革
JP2002104823A (ja) 抗菌・防黴剤
JPH10208541A (ja) 導電性材料
JPH09124424A (ja) 抗菌防黴性組成物、それを含む被覆材ならびにプラスチック成形品
JP3254423B2 (ja) 抗菌性を有する吸水性繊維の製造方法及び用途

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050614

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050628

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051025

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02