JPH10128063A - 揮発性有機ハロゲン化合物含有気体の処理方法および装置 - Google Patents

揮発性有機ハロゲン化合物含有気体の処理方法および装置

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JPH10128063A
JPH10128063A JP8283896A JP28389696A JPH10128063A JP H10128063 A JPH10128063 A JP H10128063A JP 8283896 A JP8283896 A JP 8283896A JP 28389696 A JP28389696 A JP 28389696A JP H10128063 A JPH10128063 A JP H10128063A
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volatile organic
organic halogen
halogen compound
gas
adsorbent
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JP8283896A
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Miki Masuda
幹 増田
Toshio Yamaguchi
敏男 山口
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揮発性有機ハロゲン化合物含有気体の処理に
おける適正温度の維持を図る。 【解決手段】 気体中に含まれる揮発性有機ハロゲン化
合物を吸着剤に吸着させる吸着工程と、揮発性有機ハロ
ゲン化合物を該吸着剤から再生ガス中に移行させる脱離
工程と、脱離工程により得られた揮発性有機ハロゲン化
合物含有再生ガスに水蒸気を添加、混合するガス調整工
程と、ガス調整工程より得られる混合ガスを分解触媒に
接触させて揮発性有機ハロゲン化合物を分解する接触分
解工程と、揮発性有機ハロゲン化合物の分解により生成
したハロゲン化水素を無害化処理する無害化処理工程と
により揮発性有機ハロゲン化合物含有気体を処理するに
際し、ガス調整工程から接触分離工程にかけて複数の段
階にわたって混合ガスを加熱し、混合ガスを分解触媒に
接触させる直前に最高温度にし、かつ該最高温度を11
0〜350℃とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有機ハロゲ
ン化合物を含有する排ガスや排水の処理に関し、さらに
詳しくは、気体中のトリクロロエチレンやテトラクロロ
エチレン等の揮発性有機ハロゲン化合物を効率よく分解
処理し、無害化する処理に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化メチレン、トリクロロエチレンやテ
トラクロロエチレン等の揮発性有機ハロゲン化合物は、
通常の環境下で化学的に極めて安定なため、電子部品や
金属製品の脱脂工程、ドライクリーニングの溶剤として
広く利用されている。しかし、揮発性有機ハロゲン化合
物はオゾン層破壊の原因物質であり、また発ガン性も疑
われており、過去に排出された揮発性有機ハロゲン化合
物による土壌や地下水の汚染が極めて大きく問題視され
てきている。地下水等に含まれる揮発性有機ハロゲン化
合物を処理する方法としては、真空抽出法等により揮発
性有機ハロゲン化合物を分離させ、活性炭等の吸着剤に
吸着し回収する方法が一般的である。しかし、完全無害
化という点で、活性炭等に吸着された揮発性有機ハロゲ
ン化合物をどう無害化するかといった根本的な問題が残
る。
【0003】揮発性有機ハロゲン化合物自体を無害化す
る方法としては、熱分解法、光分解法、接触分解法等が
提案されている。熱分解法は、高温、高圧下で揮発性有
機ハロゲン化合物を燃焼させるが、装置が大掛かりにな
り、処理コストが高いなどの問題がある。光分解法は、
オゾンあるいは光触媒の存在下で紫外線を照射し、揮発
性有機ハロゲン化合物を分解するが、処理ガス中の揮発
性有機ハロゲン化合物濃度が高濃度の場合は不適切であ
ったり、処理効率が低いという欠点がある。
【0004】接触分解法は、触媒による簡便な方法であ
り、処理ガス中の揮発性有機ハロゲン化合物濃度の広い
範囲にわたって適用され、注目されている技術である。
触媒分解法により土壌や水中の揮発性有機ハロゲン化合
物を処理する装置が特開平6−63357号公報に開示
されている。この装置は、揮発性有機ハロゲン化合物を
含有するガスを吸着剤に濃縮し、その後再生ガスにより
脱離させるための脱離装置と、有機ハロゲン化合物分解
触媒を充填した触媒反応装置と、有機ハロゲン化合物の
分解により発生した塩化水素ガスを除去する洗浄塔から
なる。このような構成の装置により、有機ハロゲン化合
物を低温度で効率的に処理することができる。触媒とし
ては、Si、Al、Ti、Zr等から選ばれる少なくと
も1種以上の酸化物、具体的にはゼオライトのような強
酸点を有するものが使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の装置では、接触分解処理を施す前に有機ハロゲン化
合物が400℃以上の高温に晒されるために、揮発性有
機ハロゲン化合物の一部が分解し、重合反応を起こし、
ダイオキシン等の毒性の強い物質が生成する可能性が高
い。接触分解を行うに必要な温度を得る方法としては、
触媒を充填した触媒反応装置自体を加熱する方法と、触
媒反応装置に導入される前の有機ハロゲン化合物含有ガ
スを加熱する方法の2つが考えられる。
【0006】前者は、有機ハロゲン化合物含有ガスが触
媒に接触する以前に高温に晒されることがないので、前
述のようなダイオキシン等が生成しにくいが、装置が大
型化するにつれて触媒反応装置全体を均一に加熱するた
めの設備およびエネルギーコストが高くなるという欠点
がある。さらに、装置を大型化し、触媒層を高くする
と、触媒層入口に比べ出口側の温度が高くなる温度分布
が生じやすく、仮に入口側温度を所望温度に設定したな
らば、それより高温となる出口側の触媒は温度上昇に伴
いシンタリングが起こり、劣化する。さらに、出口側で
のガス温度によっては、未分解の残留有機ハロゲン化合
物からダイオキシン等が生成する問題が生じる。逆に、
出口側温度を所望温度に設定したならば、入口側および
中間部の温度は所望温度より低くなるため、有効に反応
に寄与しなくなり分解率が低下する。
【0007】後者の場合、有機ハロゲン化合物含有ガス
を加熱する熱源の設置位置により状況が異なる。有機ハ
ロゲン化合物含有ガスが触媒に接触する以前に放熱によ
り温度低下が予測されるような位置に熱源が配置されて
いる場合は、加熱直後のガス温度を触媒反応装置での所
望の温度より高く設定する必要があり、ダイオキシン等
が生成する可能性が高くなる。
【0008】本発明は、上述したことを考慮し、排水中
や大気中に含まれている揮発性有機ハロゲン化合物を副
反応物を生成させることなく、効率よく経済的に分解
し、無害化除去する方法の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果本発明に至った。
すなわち、本発明の処理方法は、排水に含まれる揮発性
有機ハロゲン化合物をストリッピングすることにより排
気される揮発性有機ハロゲン化合物、あるいは、気体中
に含まれる揮発性有機ハロゲン化合物を吸着剤に吸着さ
せる吸着工程と、該吸着剤から揮発性有機ハロゲン化合
物を再生ガス中に移行させる脱離工程と、脱離工程によ
り得られた揮発性有機ハロゲン化合物を含有する再生ガ
スに水蒸気を添加、混合するガス調整工程と、ガス調整
工程より得られる混合ガスを分解触媒に接触させて揮発
性有機ハロゲン化合物を分解する接触分解工程と、揮発
性有機ハロゲン化合物の分解により生成したハロゲン化
水素を無害化処理する無害化処理工程とからなり、ガス
調整工程から接触分解工程にかけて混合ガスを複数の段
階にわたって、または連続的に加熱し、混合ガスを分解
触媒に接触させる直前に最高温度にし、かつ該最高温度
を110〜350℃とする。
【0010】また、本発明の処理装置は、吸着剤を充填
し、揮発性有機ハロゲン化合物含有気体を吸着剤に送り
込む吸着領域および揮発性有機ハロゲン化合物を該吸着
剤から再生ガス中に移行させて該再生ガスを取り出す脱
離領域からなる吸着装置と、吸着装置により得られた揮
発性有機ハロゲン化合物含有再生ガスに水蒸気を添加、
混合するガス調整装置と、ガス調整装置より得られる混
合ガスを分解触媒に接触させて揮発性有機ハロゲン化合
物を分解する接触分解装置と、揮発性有機ハロゲン化合
物の分解により生成したハロゲン化水素を無害化処理す
る無害化処理装置とからなり、ガス調整装置から接触分
離装置にかけて複数の段階にわたって、または連続的に
混合ガスを加熱する加熱装置を配置してある。当該処理
装置は、大気を直接吸引して、その中の揮発性有機ハロ
ゲン化合物を処理することができ、さらに排水に含まれ
る揮発性有機ハロゲン化合物をストリッピングする装置
を吸着装置の吸着領域に接続することにより排水処理を
行える。
【0011】揮発性有機ハロゲン化合物分解用の触媒
は、チタニア、ジルコニア、ボリア、リンから選ばれる
2種以上の酸化物と、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir、
Auから選ばれる少なくとも1種の貴金属とで構成され
る。
【0012】また、吸着工程を行う吸着領域と脱離工程
を行う脱離領域とを吸着剤が交互に通過する。このため
に、吸着剤を環状に形成して、中心軸のまわりを回転さ
せればよい。
【0013】
【発明の実施の態様】本発明で処理の対象となる有機ハ
ロゲン化合物としては、四塩化炭素、クロロホルム、ク
ロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが挙げられ
る。以下、図面を用いて本発明の処理装置を説明する。
【0014】図1は本実施例による処理設備の概念図で
ある。本実施例の設備は、ストリッピング装置1と、吸
着装置2と、予備加熱装置3と、触媒反応装置4と、洗
浄装置5とから主として構成される。
【0015】図1の設備を用いて地下水等の排水中に含
まれる揮発性有機ハロゲン化合物を処理する場合は、揮
発性有機ハロゲン化合物含有排水6をストリッピング装
置1の上部に供給すると共に空気8をストリッピング装
置1の下部から吹き込む。このストリッピング装置1内
では、揮発性有機ハロゲン化合物含有排水6と空気8と
が向流接触し、揮発性有機ハロゲン化合物は空気8側に
移行する。これにより、揮発性有機ハロゲン化合物含有
気体9を得る。揮発性有機ハロゲン化合物含有気体9
は、ポンプ7により配管12を通り、吸着装置2内に吸
引される。揮発性有機ハロゲン化合物を除去した排水6
は処理水10として系外に排出される。
【0016】一方、揮発性有機ハロゲン化合物を含む大
気11を処理する場合には、揮発性有機ハロゲン化合物
含有大気11はポンプ7により配管12を通り揮発性有
機ハロゲン化合物含有気体9として吸着装置2内に直接
吸引される。吸着装置2は、吸着剤を充填してあり、吸
着装置2に吸引された揮発性有機ハロゲン化合物含有気
体9は、その中の揮発性有機ハロゲン化合物が吸着剤に
吸着される。揮発性有機ハロゲン化合物が除去された空
気13は大気中に放出される。具体的に、本実施例で
は、円筒形で、回転軸のまわりにハニカム状吸着剤を充
填したハニカムローター吸着装置2を利用し、回転軸よ
り上側を吸着領域とし且つ下側を脱離領域とし、回転軸
14を中心に回転すると、吸着剤が吸着領域と脱離領域
を通過するように構成されている。通常、吸着剤として
は活性炭、ゼオライト等が使用される。
【0017】吸着装置2には送風機15が接続されてい
る。送風機15から送られた空気は、加熱器16で加熱
され、再生ガス17を得る。再生ガス17は、加熱空気
導入管18から吸着装置2の脱離領域に導入され、揮発
性有機ハロゲン化合物を吸着剤より脱離して吸着剤を再
生し、揮発性有機ハロゲン化合物を再生ガス17中に移
行させ、揮発性有機ハロゲン化合物含有再生ガス19を
得る。
【0018】次に、揮発性有機ハロゲン化合物含有再生
ガス19に水蒸気20を添加する。これは、揮発性有機
ハロゲン化合物の分解において、水素源としての水蒸気
を共存させることにより揮発性有機ハロゲン化合物の分
解が容易となり、かつ毒性の高いハロゲンガスやホスゲ
ンの生成を抑制できるからである。なお、水蒸気20の
温度は150〜200℃位がよい。この水蒸気20を添
加する方式としては、ボイラー(図示せず)により生成
した水蒸気を添加する方式や、水分が十分気化する温度
に加熱した気化器29に揮発性有機ハロゲン化合物含有
ガスと水とを導入し、水を気化させる方式等が考えられ
るが、水蒸気を反応系内に導入できる方法であればいか
なる方法を用いても良い。例えば、気化器29を用いる
場合は、気化器にアルミナを発泡させて作成したビード
等を充填剤として充填すると、ガスと水との混合拡散が
向上し、かつ水の気化が容易になる。なお、分解反応に
十分な量の水分が揮発性有機ハロゲン化合物含有再生ガ
ス中に元から含まれているような場合には、水蒸気添加
の必要はない。
【0019】水蒸気が添加された揮発性有機ハロゲン化
合物含有再生ガス19は、予備加熱装置3により加熱さ
れた後、触媒反応装置4に導入され、触媒層21の入口
前の加熱器22により温度が110〜350℃になるよ
うに加熱され、触媒層21と接触させられ、分解処理さ
れる。加熱器22で110℃以上に加熱するのは、揮発
性有機ハロゲン化合物含有再生ガス中の水蒸気が凝縮す
るのを防止するためである。一方、350℃以下とする
のは、これを超えると、前述したようにダイオキシン類
が副成される可能性があるからである。
【0020】図1に示したシステムでは、揮発性有機ハ
ロゲン化合物含有再生ガス19は、3段階で所望の温度
に上昇させている。一段目は水蒸気20を混合させる部
分であり、2段目は予備加熱装置3の部分であり、3段
目は触媒層入口部分に設けられた加熱器22である。こ
のように加熱手段を複数段にわたって設け、ガスの温度
を徐々に上げる方式を採れば、ガス温度が所望の温度以
上になることが避けられ、かつ触媒層内を所望の温度に
制御することが可能となる。例えば、所望の温度を33
0℃とするような場合には、予備加熱装置3により30
0℃まで昇温させ、続いて加熱器22により330℃と
するように設定するとよい。
【0021】本システムの加熱方法は、ガス温度や、触
媒層内温度を適正化することを目的にしているのであっ
て、同様な効果が得られれば熱源の数はいくつでもよ
く、温度も段階的に上げても、直線的に上げてもよい。
また加熱装置も、経済性を考慮して、触媒分解後の排ガ
スを利用した熱交換機等を利用することができる。
【0022】本発明において使用される揮発性有機ハロ
ゲン化合物分解触媒は、耐酸性を有し、かつ固体酸性が
高く、チタニア、ジルコニア、ボリア、リン等から選ば
れる2種以上の酸化物にPt、Pd、Rh、Ru、I
r、Au等から選ばれる少なくとも1種の貴金属を担持
させることにより得られる。例えば、特願平7−188
070号に開示されているように、トリクロロエチレン
を分解処理するような白金担持燐酸・ジルコニア・チタ
ニア触媒を用いてもよい。触媒の形状として円筒状、球
状、ハニカム状等があるが、実際の反応条件に適した所
望形状を選択できる。
【0023】触媒分解反応により分解処理を施した処理
ガス23は、洗浄装置5に導入され、処理ガス中のハロ
ゲン化水素がアルカリ洗浄液により吸収除外される。洗
浄装置5は、予備洗浄塔25と主洗浄塔26と吸収液タ
ンク27とから構成されている。処理ガス23は、予備
洗浄塔25の上部より導入され、吸収タンク27の上部
空間部を経て主洗浄塔26の上部より大気放出される。
予備洗浄塔25と主洗浄塔26とでは、いずれもその上
部からアルカリ洗浄液が降らされ、処理ガス23と接触
し、ハロゲン化水素を吸収除去する。アルカリ洗浄液2
4は、ポンプ28により循環しているが、pHの低下に
従いアルカリ洗浄液24を補給しても良く、一部のアル
カリ液を排出しつつ、新規なアルカリ洗浄液24を補給
しても良い。なお、洗浄装置5は、基本的には処理ガス
23中のハロゲン化水素を吸収除去できればよく、吸着
塔の形式やその段数などもこの目的に従い選択すればよ
い。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明の処理方法をさらに
具体的に説明する。本実施例では、ダイオキシン類の副
生を検知するために、ダイオキシン類の分析の代わりに
クロロベンゼンの分析を行った。クロロベンセンは、ダ
イオキシン類生成の前駆体となる物質であり、クロロベ
ンゼンが検出されればダイオキシン類が生成したことを
意味する。なお、ガス分析はガスクロマトグラフ・質量
分析装置(島津製作所製、GT−5000)を用い、比
表面積は窒素吸着BET法により求めた。
【0025】[実施例1]回転軸のまわりにゼオライト
製ハニカムを充填したハニカムローター吸着装置2を形
成し、回転軸より上側を吸着領域とし且つ下側を脱離領
域とした。トリクロロエチレン500ppmを含む20
Nm3/h の空気11を吸着装置2の吸着領域に導入
し、トリクロロエチレンを吸着させた。吸着領域でトリ
クロロエチレンを吸着した吸着剤部分は、回転により、
脱離領域へ移行した。一方、190℃に加熱した再生ガ
ス17を 3Nm3/hの割合でハニカムローター吸着装
置2の脱離領域に導入し、脱離領域へ移行してきた吸着
剤部分に吸着されたトリクロロエチレンを連続的に脱離
させた。ハニカムローター吸着装置2から出たトリクロ
ロエチレン含有再生ガス19を気化器29に導入し、2
50℃に加熱し、水蒸気を10体積%添加して、混合ガ
ス30とし、予備加熱装置3により該混合ガス30の温
度を280℃にした。
【0026】混合ガス30を触媒反応装置4内の触媒層
21入口前の加熱器22により300℃に加熱した後、
触媒層21内の分解触媒に接触させ、分解処理した。分
解触媒には、0.5重量%の割合でPtを担持させた燐
酸・ジルコニア・チタニア触媒を用い、本実施例では1
650ミリ・リットルの該分解触媒を触媒反応装置4に
充填した。分解後の処理ガス23は洗浄装置5に導入
し、5N水酸化ナトリウム溶液で洗浄した。トリクロロ
エチレン含有ガスの触媒反応装置4の入口濃度は493
0ppmであったが、洗浄後の排ガス中のトリクロロユ
チレンの濃度は0.6ppmであった。そして、洗浄後
の排ガスから塩化水素や一酸化炭素、クロロベンゼン等
は検出されなかった。また、触媒層21の内部に温度差
はほとんど生じなかった。
【0027】[実施例2]混合ガスを予備加熱装置3に
より300℃にし、加熱器22により330℃にしたこ
と以外は実施例1と同機の方法でトリクロロエチレンの
分解処理を行った。トリクロロエチレン含有ガスの触媒
反応装置4の入口濃度は5010ppmであったが、洗
浄後の排ガス中のトリクロロエチレンの濃度は0.1p
pm以下であった。そして洗浄後の排ガスから塩化水素
や一酸化炭素、クロロベンゼン等は検出されなかった。
また、触媒層21の内部に温度差はほとんど生じなかっ
た。
【0028】[比較例1]気化器29による加熱のみに
した以外は実施例1と同様の方法でトリクロロエチレン
の分解処理を行った。すなわち、トリクロロエチレン含
有再生ガスの触媒層21の入口温度を330℃にするこ
とに対して、放熱による温度低下を補償するために気化
器29の加熱温度を400℃とした。トリクロロエチレ
ン含有ガスの触媒反応装置4の入口濃度は4800pp
mであったが、洗浄後の排ガス中のトリクロロエチレン
の濃度は0.1ppm以下であった。そして洗浄後の排
ガスから塩化水素や一酸化炭素は検出されなかった。し
かし、クロロベンゼンが25μg/Nm3 検出された。
これは気化器29で加熱した直後のガスの温度を約40
0℃としたことが原因と思われる。
【0029】[比較例2]触媒反応装置4の触媒層21
の外管にヒーター(図示せず)を巻き、触媒層21を直
接加熱する方法を採用した。すなわち、予備加熱装置3
によりトリクロロエチレン含有再生ガスを200℃に
し、その後触媒層21の直接加熱により330℃にした
以外は実施例1と同様の方法でトリクロロエチレンの分
解処理を行った。トリクロロエチレン含有ガスの触媒反
応装置4の入口濃度は4800ppmであったが、洗浄
後の排ガス中のトリクロロエチレンの濃度は0.1pp
m以下であった。そして洗浄後の排ガスから塩化水素や
一酸化炭素は検出されなかった。しかし、クロロベンゼ
ンが5μg/Nm3 検出された。このとき、触媒層21
の内部には入口側と出口側とで100℃以上の温度差が
生じており、出口側のガス温度は430℃を超えてい
た。そのため、未反応の残留トリクロロエチレンからク
ロロベンゼンが生成したと思われる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、揮発性有機ハロゲン化合物含有排ガスの処理に際
し、揮発性有機ハロゲン化合物を経済的に分解でき、触
媒分解以前のガスを高温下にさらすことがないのでダイ
オキシン類等の生成がない。また、分解触媒自体も所望
温度以上に加熱することが避けられるので、熱による触
媒劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による処理設備の概念図であ
る。
【符号の説明】
1 ストリッピング装置 2 吸着装置 3 予備加熱装置 4 触媒反応装置 5 洗浄装置 6 揮発性有機ハロゲン化合物含有排水 7 ポンプ 8 空気 9 揮発性有機ハロゲン化合物含有ガス 10 処理水 11 揮発性有機ハロゲン化合物を含む大気 12 配管 13 揮発性有機ハロゲン化合物が除去された空気 14 回転軸 15 送風機 16 加熱器 17 再生ガス 18 加熱空気導入管 19 揮発性有機ハロゲン化合物含有再生ガス 20 水蒸気 21 触媒層 22 加熱器 23 処理ガス 24 アルカリ洗浄液 25 予備洗浄塔 26 主洗浄塔 27 吸収タンク 28 循環ポンプ 29 気化器 30 混合ガス

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体中に含まれる揮発性有機ハロゲン化
    合物を吸着剤に吸着させる吸着工程と、揮発性有機ハロ
    ゲン化合物を該吸着剤から再生ガス中に移行させる脱離
    工程と、脱離工程により得られた揮発性有機ハロゲン化
    合物含有再生ガスに水蒸気を添加、混合するガス調整工
    程と、ガス調整工程より得られる混合ガスを分解触媒に
    接触させて揮発性有機ハロゲン化合物を分解する接触分
    解工程と、揮発性有機ハロゲン化合物の分解により生成
    したハロゲン化水素を無害化処理する無害化処理工程と
    からなる揮発性有機ハロゲン化合物の処理方法におい
    て、ガス調整工程から接触分離工程にかけて複数の段階
    にわたって、または連続的に混合ガスを加熱し、混合ガ
    スを分解触媒に接触させる直前に最高温度にし、かつ該
    最高温度を110〜350℃とすることを特徴とする揮
    発性有機ハロゲン化合物含有気体の処理方法。
  2. 【請求項2】 排水に含まれる揮発性有機ハロゲン化合
    物をストリッピングして得た気体中に含まれる揮発性有
    機ハロゲン化合物を吸着剤に吸着させることを特徴とす
    る請求項1記載の揮発性有機ハロゲン化合物含有気体の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 大気中に含まれる揮発性有機ハロゲン化
    合物を吸着剤に吸着させることを特徴とする請求項1記
    載の揮発性有機ハロゲン化合物含有気体の処理方法。
  4. 【請求項4】 揮発性有機ハロゲン化合物分解用の触媒
    が、チタニア、ジルコニア、ボリア、リンから選ばれる
    2種以上の酸化物と、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir、
    Auから選ばれる少なくとも1種の貴金属とからなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の揮発性有機ハロゲン化合
    物含有気体の処理方法。
  5. 【請求項5】 吸着工程を行う吸着領域と脱離工程を行
    う脱離領域とを吸着剤が交互に通過するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の揮発性有機ハロゲン化合物
    含有排ガスの処理方法。
  6. 【請求項6】 吸着剤を充填し、揮発性有機ハロゲン化
    合物含有気体を吸着剤に送り込む吸着領域および揮発性
    有機ハロゲン化合物を該吸着剤から再生ガス中に移行さ
    せて揮発性有機ハロゲン化合物含有再生ガスを取り出す
    脱離領域を有する吸着装置と、吸着装置により得られた
    揮発性有機ハロゲン化合物含有再生ガスに水蒸気を添
    加、混合するガス調整装置と、ガス調整装置より得られ
    る混合ガスを分解触媒に接触させて揮発性有機ハロゲン
    化合物を分解する接触分解装置と、揮発性有機ハロゲン
    化合物の分解により生成したハロゲン化水素を無害化処
    理する無害化処理装置とからなる揮発性有機ハロゲン化
    合物の処理装置において、ガス調整装置から接触分離装
    置にかけて複数の段階にわたってまたは連続的に混合ガ
    スを加熱する加熱装置を配置したことを特徴とする揮発
    性有機ハロゲン化合物含有気体の処理装置。
  7. 【請求項7】 排水に含まれる揮発性有機ハロゲン化合
    物をストリッピングする装置を吸着装置の吸着領域に接
    続したことを特徴とする請求項6記載の揮発性有機ハロ
    ゲン化合物含有気体の処理装置。
  8. 【請求項8】 揮発性有機ハロゲン化合物分解用の触媒
    が、チタニア、ジルコニア、ボリア、リンから選ばれる
    2種以上の酸化物と、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir、
    Auから選ばれる少なくとも1種の貴金属とからなるこ
    とを特徴とする請求項6記載の揮発性有機ハロゲン化合
    物含有気体の処理装置。
  9. 【請求項9】 吸着装置が軸を中心に回転可能で、吸着
    領域と脱離領域とを吸着剤が交互に通過するようにした
    ことを特徴とする請求項6記載の揮発性有機ハロゲン化
    合物含有排ガスの処理装置。
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