JPH10123561A - 表示素子及びその製造方法 - Google Patents

表示素子及びその製造方法

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JPH10123561A
JPH10123561A JP27924996A JP27924996A JPH10123561A JP H10123561 A JPH10123561 A JP H10123561A JP 27924996 A JP27924996 A JP 27924996A JP 27924996 A JP27924996 A JP 27924996A JP H10123561 A JPH10123561 A JP H10123561A
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謹矢 加藤
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宗和 伊達
Tomoko Kuki
智子 久木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低駆動電圧、高反射効率で電界を印加しない
状態を非反射状態にできる反射型の表示素子及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 配向方向を電界で制御可能な光学異方性
材料から成る第一の層と配向方向が電界に依存しない光
学異方性材料からなる第二の層とが交互に積層され、か
つ、電界が印加されていない状態で前記第一の層及び前
記第二の層の配向方向が概ね一致している多層構造体
と、該多層構造体に電界を加える手段とを具備する表示
素子である。また、液晶材料と光重合性材料との混合物
を基板間に挟み込み一定方向に配向させる工程と、前記
混合物が挟み込まれた基板に干渉光を照射して周期的に
光重合性材料が重合した層と重合していない層が交互に
積層して多層構造体を形成する工程とを具備する表示素
子の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を用いた表示
素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小型で持ち運び可能な携帯情報端末の開
発が進んでいる。これらの情報表示には液晶ディスプレ
イが広く用いられているが、それらのほとんどはモノク
ロのスーパツイスティッドネマティック(STN)型の
反射型ディスプレイである。今後、視認性の向上やフル
カラーの自然画表示にはカラー表示できるディスプレイ
が必須となる。液晶ディスプレイのカラーフィルタを重
ねる手段が現状では用いられているが、光透過率が低い
ため、反射型での使用ができず、強力なバックライトに
よる照明が必要である。このため、消費電力、厚み、重
量の増加を伴い、携帯情報端末には不適であるという問
題があった。
【0003】これを解決するため、カラーフィルタを使
用しない光利用の高い反射型カラー表示素子の開発が進
められている。この一つに液晶を用いた干渉型のカラー
表示素子が知られている(K.Tanaka,K.Kato,S.Ts
uru and S.Sakai,“Holographically formed liquid
crystal/polymer device for reflective color displa
y”,J of SID,vol.2,p.37-40,1994)。
【0004】液晶を用いた干渉型のカラー表示素子の構
造を模式的に図10に示す。干渉型のカラー表示素子
は、図10(a)に示すように、液晶層101と高分子
層102とが交互に積層された構造が透明電極を形成し
た一対の基板103の間に挟み込まれている。液晶の屈
折率と高分子の屈折率が異なる状態では、白色光104
を入射させると、液晶層101と高分子層102の繰り
返すピッチで特定の波長(帯)の光(選択反射光10
5)を干渉効果により反射し、残りの波長(帯)の光を
透過する反射状態となる。
【0005】図10(b)に示すように、液晶の屈折率
が高分子の屈折率と同じとした状態では、光学的に一様
状態となり、入射した白色光104がそのまま透過光1
06となる透過状態となる。表示には、これらの反射状
態と透過状態を利用する方法である。液晶は誘電異方性
により電界印加で配向状態を変化でき、屈折率を変える
ことができる。すなわち、電界で状態を変えることがで
きる。
【0006】具体的な素子の製造方法としては、液晶と
高分子前駆体の混合液にレーザ干渉光を照射し、高分子
前駆体の高分子化に伴う液晶と高分子の相分離を利用し
て、液晶と高分子を分離させる方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は前記従来の
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0008】前記従来の方法では、印加電圧が液晶と高
分子に分圧され、駆動に高電圧が必要になるという問題
があった。
【0009】また、電界を印加しない状態では液晶の配
向が一定方向に揃っていないため、電界を印加しない状
態と電界を印加した状態との屈折率差は、液晶の屈折率
異方性から算出される値より小さくなり、屈折率差で決
まる反射率を最大にできないという問題があった。
【0010】また、電界を印加しない状態が反射状態、
いわばノーマリーホワイトとなり、自然な非反射状態の
ノーマリーブラックにできないという問題があった。
【0011】本発明の目的は、低駆動電圧、高反射効率
で電界を印加しない状態を非反射状態にできる反射型の
表示素子及びその製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0014】(1)配向方向を電界で制御可能な光学異
方性材料から成る第一の層と配向方向が電界に依存しな
い光学異方性材料からなる第二の層とが交互に積層さ
れ、かつ、電界が印加されていない状態で前記第一の層
及び前記第二の層の配向方向が概ね一致している多層構
造体と、該多層構造体に電界を加える手段とを具備する
表示素子である。
【0015】つまり、特定方向に配向した光学異方性材
料を用い、特定の周期で繰り返す層では光学異方性材料
の配向の方向が電界に応答し、他の層では電界に応答し
ない表示素子を用いる。
【0016】前述の(1)の手段によれば、配向方向を
電界で制御可能な光学異方性材料から成る第一の層と配
向方向が電界に依存しない光学異方性材料からなる第二
の層とが交互に積層され、かつ、電界が印加されていな
い状態で前記第一の層及び前記第二の層の配向方向が概
ね一致している多層構造体にすることにより、低駆動電
圧、高反射効率で電界を印加しない状態を非反射状態と
できる反射型の表示素子を得ることができる。
【0017】(2)液晶材料と光重合性材料との混合物
(例えば、液晶分子と光重合性液晶性モノマとの混合物
等)を基板間に挟み込み一定方向に配向させる工程と、
前記混合物が挟み込まれた基板に干渉光を照射して周期
的に光重合性材料が重合した層と重合していない層が交
互に積層して多層構造体を形成する工程とを具備する表
示素子の製造方法である。
【0018】前述の(2)の手段によれば、少なくとも
液晶材料と光重合性材料を含む光学異方性材料を一対の
基板間に挟み込んだ後、干渉光を照射して光重合性材料
を重合させることにより、配向方向を電界で制御可能な
光学異方性材料から成る第一の層と配向方向が電界に依
存しない光学異方性材料からなる第二の層とが交互に積
層され、かつ、電界が印加されていない状態で前記第一
の層及び前記第二の層の配向方向が概ね一致している多
層構造体を製作することができる。
【0019】ここで、本発明の表示素子の動作原理を説
明する。駆動電圧を低くするには、印加電圧が高分子と
液晶に分圧されないようにすることが有効である。反射
型のカラー表示を実現するには、屈折率の異なる層を周
期的に積層した多層構造として得られる干渉色を表示に
用いればよい。
【0020】液晶は一軸の光学異方性をもつ材料で、液
晶分子の長軸方向と短軸方向とで屈折率が異なる。図1
は液晶の屈折率異方性を屈折率楕円体10で表わしたも
のであり、11は液晶分子の長軸方向、12は液晶分子
の短軸方向、13は液晶分子の長軸方向11の屈折率、
14は液晶分子の短軸方向12の屈折率である。長軸方
向11の屈折率13をne、短軸方向12の屈折率14
をnoとした。
【0021】図2は本発明の多層構造体を説明するため
の図であり、20は一定の周期で繰り返した(積層し
た)多層構造体、21は液晶分子の長軸方向11がある
方向を向いた層、22は液晶分子の長軸方向11が直交
する方向を向いた層である。前記多層構造体20は層2
1と層22とを交互に積層したものである。
【0022】図2に示すように、一定の周期で繰り返し
た(積層した)多層構造体20において、隣り合う層で
液晶分子の長軸方向11が短い周期で交互に変化してい
る(21及び22)とすると、屈折率差により干渉が起
こり特定の波長の反射を生じるはずであることに気付い
た。本発明はこの考えに基づいてなされたものである。
【0023】具体的な方法としては、液晶を一方向に配
向させておき、特定の層では液晶の長軸方向が電界によ
り変化し、他の層では変化しないようにすればよい。特
定の層で液晶の長軸方向11が変化すれば、層毎に屈折
率の異なる多層構造体が実現できる。
【0024】この時、図3(隣り合う二層のみ示した
図)に示すように、一方の層の液晶の長軸方向11を層
に平行な面内で動かしてもよい。また、図4(隣り合う
二層のみ示した図)に示すように、液晶の長軸方向11
を層に垂直な面内で動かしてもよい。前者の場合、長軸
方向11が直交すれば最大の屈折率差が得られるが、必
ずしも完全に直交しなくともよく、屈折率差の値によっ
て反射光の強度が変更できる。すなわち、階調表現が可
能である。後者の場合、屈折率差を生じる方向に振動す
る偏光に対してのみ反射が生じる。その分、反射光強度
は小さくなる。
【0025】この構造では、電界を印加しない状態では
屈折率の異なる多層構造体は実現されないので、反射を
生じることがない。したがって、ノーマルブラックとな
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態(実施例)を詳細に説明する。
【0027】(実施形態1)図5は本発明の実施形態
(実施例)1の表示素子の概略構成を示す図であり、
(a)は本実施形態1の表示素子の電極が設けられた一
方の基板の構成を示す平面図、(b)は電極が設けられ
ていない他方の基板の構成を示す平面図、(c)は本実
施形態1の表示素子の概略構成を示す断面図(前記
(a)に示すA−A’線で切った断面図)である。
【0028】図5において、50は多層構造体、51は
電極が設けられた基板、52は電極が設けられていない
基板、53は櫛形電極、54,55は配向膜、56は電
源である。
【0029】本実施形態1の表示素子は、一方の基板5
1には、図5(a)に示すように、櫛形電極53を設
け、他方の基板52には、図5(b)に示すように、電
極を設けないものである。そして、前記基板51,52
に対して平行な方向(横方向)に電界が印加されるよう
にしている。前記両基板51及び52にはそれぞれポリ
イミドの配向膜54及び55が設けられている。配向方
向が電界方向と直交するようにラビングし、アンチパラ
レルになるように張り合わせる。誘電異方性Δεが正の
液晶に光照射により重合するとともに液晶と同様に配向
する性質を持つ光重合性液晶性モノマ(1,4-phenylene
bis{4-〔6-(acryloyloxy) hexyloxy〕benzoate})を混
合し、約5μmの間隔に設定した基板間に挟み込んだも
のである。
【0030】すなわち、本実施形態1の表示素子は、液
晶分子と光重合性液晶性モノマの混合物(液)を基板5
1と52との間に挟み込み一定方向に配向させ、前記混
合物が挟み込まれた基板に干渉光を照射して周期的に液
晶モノマが重合した層と重合していない層が交互に積層
した多層構造体を製作し、図5の(c)に示すように、
前記多層構造体50を、前記電極51と52とで挟み込
んだ構造になっている。
【0031】後述する(実施形態6)干渉光を照射する
方法を用いて、干渉による定在波の腹の部分の液晶モノ
マを重合させ、液晶モノマが重合した層と液晶モノマが
重合しない層を交互に繰り返されて(積層して)多層構
造体50を製作する。
【0032】本実施形態1の表示素子によれば、電圧を
印加しない状態では、特定波長の反射は観測されず、表
示素子はほぼ透明状態であった。ところがギャップ約1
0μmの櫛形電極に1kHz,20Vの正弦波を電源5
6から印加したところ、干渉による青の反射光が得られ
るという効果があった。また、電圧を変化させたとこ
ろ、反射光強度を変化させることができるという効果が
あった。
【0033】(実施形態2)本発明の実施形態2の表示
素子は、前記実施形態1で示した櫛形電極53を設けた
基板51の2枚を多層構造体50を挟んで対向させたも
のである。前記実施形態1の表示素子との違いは、櫛形
電極53を設けた基板51を電極が重なるように重ねて
両側に設けた点である。両基板に電圧を印加することに
より、基板の両側から電界が印加されるため、片方の基
板にのみ櫛形電極を用いた場合より反射光強度が高くな
るという効果があった。
【0034】(実施形態3)図6は本発明の実施形態3
の表示素子の概略構成を示す図であり、(a)は本実施
形態3の表示素子の電極が設けられた一方の基板の構成
を示す平面図、(b)は電極が設けられていない他方の
基板の構成を示す平面図、(c)は表示素子全体の概略
構成を示す断面図である。
【0035】図6において、60は前述した多層構造
体、61,62は電極が設けられた基板、63,64は
平板状の電極、65,66は配向膜、67は電源であ
る。
【0036】本実施形態3の表示素子は、図6に示すよ
うに、両方の基板61,62とともに電極63,64を
一様に設けた基板を用いる。両方の基板61,62にそ
れぞれポリイミドの配向膜65,66を設け、配向方向
が平行、いわゆるアンチパラレルとなるよう重ね合わ
せ、約5μmの間隔で固定する。前記実施形態1と同様
に、液晶分子と光重合性液晶性モノマの混合物(液)を
基板61,62の間に挟み込み、干渉光を照射して多層
構造体60を製作し、図6の(c)に示すように、前記
多層構造体50を、前記電極61と62とで挟み込んた
構造になっている。
【0037】本実施形態3の表示素子によれば、電圧を
印加しない状態では、特定波長の反射は観測されず、表
示素子はほぼ透明状態であった。ところがギャップ約1
0μmの櫛形電極に1kHz,20Vの正弦波を電源5
6から印加したところ、干渉による青の反射光が得られ
るという効果があった。また、電圧を変化させたとこ
ろ、反射光強度を変化させることができるという効果が
あった。
【0038】(実施形態4)本実施形態4の表示素子
は、前記実施形態1による表示素子における光重合性液
晶性モノマに替えて、光重合性アクリルモノマ(2-Hyd
roxyethyl Acrylate)を用いたものである。この場合
も、電圧を印加しない状態では、特定波長の反射は観測
されず、表示素子はほぼ透明状態であった。ところが、
櫛型電極に1kHz、20Vの正弦波電圧を印加したと
ころ、青の反射光が得られるという効果があった。
【0039】(実施形態5)本実施形態5の表示素子
は、前記実施形態1による表示素子において、層の積層
(繰り返し)の間隔を変えて、図7に示すように、反射
色が赤、緑、青の表示素子71、72、73を製作し、
それらを重ね合わせ、すべての表示素子に電圧を印加し
て反射状態にし、白色の入射光74を照射したところ、
反射光75は白色に見え、表示素子を適宜選択して電圧
を印加したところ、加法混色による表示色が得られると
いう効果があった。
【0040】(実施形態6)図8は本発明の実施形態6
の概略構成を示す図であり、(a)は表示素子の構成を
示す平面図、(b)は図8(a)に示す○で囲んだ部分
の詳細構成を示す図である。図8において、80は表示
素子、81は画素、82は薄膜トランジスタ、83は電
極、84は基準電気線、85はゲート線、86はデータ
線である。
【0041】本実施形態6の表示素子は、図8(a)に
示すように、表示素子80の画素81(小面積)毎にア
モルファスシリコン(a-Si)の薄膜トランジスタ8
2をアクティブ素子として形成し、図8(b)に示すよ
うに、トランジスタを介して画素81毎に基板に平行な
方向に電界が印加できるように電極83を形成した基板
を製作する。この基板と電極を設けない基板と約5μm
の間隔に設定する。
【0042】前記実施形態1と同様に、基板にポリイミ
ドの配向膜を形成し、電界の方向と直交する方向にラビ
ング処理する。基板間の配向はアンチパラレルとする。
前記実施形態1と同じように液晶分子と光重合性液晶性
モノマの混合物(液)を注入し、干渉光を照射して多層
構造体を製作し、表示素子を製造する。
【0043】本実施形態6の表示素子80によれば、電
圧を印加しない状態では、特定波長の反射は観測され
ず、表示素子80は透明状態であった。ところがギャッ
プ約30μmの電極83に30Vの電圧が印加されるよ
うに薄膜トランジスタ82を駆動したところ、干渉によ
る青の反射光が得られるという効果があった。この時、
画素毎に電圧を印加又無印加とすると、電圧を印加した
画素のみ反射を示すという効果があった。
【0044】(実施形態7)図9は本発明の実施形態7
の表示素子の製造方法を説明するための図であり、
(a)は本実施形態7の表示素子の動作を説明するため
の図、(b)は表示素子の製造方法を説明するための図
である。図9において、90は表示素子、91はレーザ
ビーム、92,93は基板、94は光により重合しない
領域、95は光により重合した領域、96,97は配向
膜、98はビームスプリッタ、99,100はミラーで
ある。
【0045】本実施形態7の表示素子の製造方法は、前
記実施形態1又は実施形態3に示すように、必要に応じ
て電極を形成した基板に液晶分子と光重合性液晶性モノ
マ等の光重合性材料との混合物(液)を挟んで表示素子
90を製造する。基板92には配向を制御するため、ポ
リイミドの配向膜96,97を形成し、特定の配向方向
になるようラビングする。
【0046】基板92,93間での配向方向の関係は、
いわゆるアンチパラレルとする。基板92,93は、特
定の間隔が維持できるように固定する。ただし、混合液
には極微量の重合開始剤(Irgacure651等)及び照射光
を吸収する増感色素(ケトクマリン色素等)を添加す
る。
【0047】図9(a)に示す光学系において、波長4
88nmのアルゴンイオンレーザビーム91を二光束に
分けた後、表示素子90を置いた部分で干渉させた。こ
の時、図9(b)に示すように、干渉により形成させた
光の定在波の腹の部分にあたる光強度の大きい部分で光
重合性材料の重合が生じ、腹の部分は重合が生じない。
すなわち、光により重合した領域95では液晶の動きが
妨げられ、光により重合しない領域94では液晶の動き
が妨げられない。したがって、電界を印加すると屈折率
の異なる領域が積み重ねられた多層構造体が実現でき
る。
【0048】なお、製造する時の二光束の方向を制御す
ることにより、層の繰り返し(積層)の間隔や層の向き
を制御することができる。したがって、一定の観測方向
に対して、異なる反射色としたり、反射方向を変化させ
たりできる。
【0049】前記液晶材料については、前記実施形態
(実施例)に限定されないことは明らかである。誘電異
方性Δεは正でも負でもよい。また、誘電異方性Δεの
正と負が印加電圧の周波数で異なる二周波液晶を用いて
もよい。この場合には、配向と電界の方向を揃える必要
がない。低周波を印加した状態あるいは高周波を印加し
た状態が電界の方向に自ずと一致する。したがって、電
界無印加の状態は反射のない状態であるが、電界を印加
した状態は高周波及び低周波とも反射の状態となる。
【0050】光重合性材料についても、前記実施形態
(実施例)に限定されないことは明らかである。液晶性
モノマは、液晶性を持つと同時に光照射により重合する
性質があればよいので、多種の材料が製造でき、使用で
きる。また、液晶性を持たない光重合性アクリルモノマ
等も使用できる。
【0051】電極の材料についても特定されず、酸化イ
ンジウム錫(ITO)等の透明導体、アルミニウム等の
金属導体等を用い得る。また、基板の材料及び間隔につ
いても前記実施形態(実施例)に限定されないことは明
らかである。
【0052】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施形態(実施例)に基づき具体的に説明したが、
本発明は、前記実施形態(実施例)に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能であることは勿論である。
【0053】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られ効果を簡単に説明すれば、以下
のとおりである。
【0054】(1)配向方向を電界で制御可能な光学異
方性材料から成る第一の層と配向方向が電界に依存しな
い光学異方性材料からなる第二の層とが交互に積層さ
れ、かつ、電界が印加されていない状態で前記第一の層
及び前記第二の層の配向方向が概ね一致している多層構
造体にすることにより、低駆動電圧、高反射効率で電界
を印加しない状態を非反射状態とできる反射型の表示素
子を得ることができる。
【0055】(2)少なくとも光重合性材料を含む光学
異方性材料を一対の基板間に挟み込んだ後、干渉光を照
射して光重合性材料を重合させることにより、配向方向
を電界で制御可能な光学異方性材料から成る第一の層と
配向方向が電界に依存しない光学異方性材料からなる第
二の層とが交互に積層され、かつ、電界が印加されてい
ない状態で前記第一の層及び前記第二の層の配向方向が
概ね一致している多層構造体を製造することができる。
【0056】(3)重合により液晶の流動性が少なくな
るので、液晶表示素子に一般に用いられるガラス以外に
も、プラスティックやフィルム等を基板に用いることが
可能となり、薄くて曲げられる表示素子を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための液晶の屈折率異
方性を屈折率楕円体で表わした図である。
【図2】本発明の多層構造体を説明するための図であ
る。
【図3】図2に示す多層構造体の隣り合う二層のみ示し
た図である。
【図4】図2に示す多層構造体の他の隣り合う二層のみ
示した図である。
【図5】本発明の実施形態1の表示素子の概略構成を示
す図である。
【図6】本発明の実施形態3の表示素子の概略構成を示
す図である。
【図7】本発明の実施形態5の表示素子を説明するため
の図である。
【図8】本発明の実施形態6の概略構成を示す図であ
る。
【図9】本発明の実施形態7の表示素子の製造方法を説
明するための図である。
【図10】従来の液晶を用いた干渉型のカラー表示素子
の構造を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10…液晶の屈折率異方性を表わした屈折率楕円体、1
1…液晶分子の長軸方向、12…液晶分子の短軸方向、
13…液晶分子の長軸方向の屈折率、14…液晶分子の
短軸方向の屈折率、20,50,60…多層構造体、2
1…液晶分子の長軸方向がある方向を向いた層、22…
液晶分子の長軸方向が直交する方向を向いた層、51…
電極が設けられた基板、52…電極が設けられていない
基板、53…櫛形電極、54,55,65,66,9
6,97…配向膜、56,67…電源、61,62…平
板状の電極が設けられた基板、63,64…平板状の電
極、71、72、73…反射色が赤、緑、青の表示素
子、80,90…表示素子、81…画素、82…薄膜ト
ランジスタ、83…電極、84…基準電気線、85…ゲ
ート線、86…データ線、91…レーザビーム、92,
93…基板、94…光により重合しない領域、95…光
により重合した領域、98…ビームスプリッタ、99,
100…ミラー、101…液晶層、102…高分子層、
103…基板、104…白色光、105…選択反射光、
106…透過光。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向方向を電界で制御可能な光学異方性
    材料から成る第一の層と配向方向が電界に依存しない光
    学異方性材料からなる第二の層とが交互に積層され、か
    つ、電界が印加されていない状態で前記第一の層及び前
    記第二の層の配向方向が概ね一致している多層構造体
    と、該多層構造体に電界を加える手段とを具備すること
    を特徴とする表示素子。
  2. 【請求項2】 液晶材料と光重合性材料との混合物を基
    板間に挟み込み一定方向に配向させる工程と、前記混合
    物が挟み込まれた基板に干渉光を照射して周期的に光重
    合性材料が重合した層と重合していない層が交互に積層
    して多層構造体を形成する工程とを具備することを特徴
    とする表示素子の製造方法。
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