JPH10123087A - 陽極酸化皮膜を用いた湿度センサ素子 - Google Patents
陽極酸化皮膜を用いた湿度センサ素子Info
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- JPH10123087A JPH10123087A JP29125296A JP29125296A JPH10123087A JP H10123087 A JPH10123087 A JP H10123087A JP 29125296 A JP29125296 A JP 29125296A JP 29125296 A JP29125296 A JP 29125296A JP H10123087 A JPH10123087 A JP H10123087A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水分吸収量に応じて静電容量の変化する感度
の高い容量性湿度センサ素子を得る。 【解決手段】 第一の金属膜/誘電体薄膜/第二の金属
膜の積層体からなる容量性湿度センサ素子において、該
誘電体薄膜が第一の金属膜を含水量が5重量%以下の非
水系化成液中で陽極酸化して得られたものであることを
特徴とする湿度センサ素子。
の高い容量性湿度センサ素子を得る。 【解決手段】 第一の金属膜/誘電体薄膜/第二の金属
膜の積層体からなる容量性湿度センサ素子において、該
誘電体薄膜が第一の金属膜を含水量が5重量%以下の非
水系化成液中で陽極酸化して得られたものであることを
特徴とする湿度センサ素子。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第一の金属膜/誘
電体薄膜/第二の金属膜の積層体からなる湿度センサ素
子に関するものである。
電体薄膜/第二の金属膜の積層体からなる湿度センサ素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】湿度センサは家電や工場管理などの分野
で要求が高まってきており、種々の材料を用いた湿度セ
ンサが提案されている。検知原理も素子の抵抗変化を検
出するものや容量変化を検出するものなど多様な方法が
試みられてきている。なかでも、容量性湿度センサ素子
は、キャパシタの誘電体薄膜の誘電率が水分の吸収量に
応じて変化することを利用したもので、構造が簡素であ
るため、製造が容易であり、種々の素子が提案されてい
る。
で要求が高まってきており、種々の材料を用いた湿度セ
ンサが提案されている。検知原理も素子の抵抗変化を検
出するものや容量変化を検出するものなど多様な方法が
試みられてきている。なかでも、容量性湿度センサ素子
は、キャパシタの誘電体薄膜の誘電率が水分の吸収量に
応じて変化することを利用したもので、構造が簡素であ
るため、製造が容易であり、種々の素子が提案されてい
る。
【0003】容量性湿度センサ素子は、導電性電極/誘
電体薄膜/導電性電極の積層構造を持つキャパシタの静
電容量の変化を検知する素子である。この第一の金属膜
/誘電体薄膜/第二の金属膜からなる素子は、例えば図
1に示すような構造を有する。1は第一の金属膜、2は
誘電体薄膜、3は第二の金属膜である。この素子の静電
容量は平行平板コンデンサーの静電容量の式、C=εo
εr S/d(C:静電容量、εo :真空の誘電率、
εr :比誘電率、S:電極面積、d:膜厚)で表され
る。したがって誘電体薄膜の誘電率の変化が大きい程、
静電容量の変化の大きい素子が得られることになる。誘
電体薄膜の誘電率の変化の大きい素子は、わずかな湿度
の変化にも敏感に応答する。すなわち、誘電体薄膜の誘
電率の変化の大きい素子とは感度の高い素子と言い換え
ることができる。
電体薄膜/導電性電極の積層構造を持つキャパシタの静
電容量の変化を検知する素子である。この第一の金属膜
/誘電体薄膜/第二の金属膜からなる素子は、例えば図
1に示すような構造を有する。1は第一の金属膜、2は
誘電体薄膜、3は第二の金属膜である。この素子の静電
容量は平行平板コンデンサーの静電容量の式、C=εo
εr S/d(C:静電容量、εo :真空の誘電率、
εr :比誘電率、S:電極面積、d:膜厚)で表され
る。したがって誘電体薄膜の誘電率の変化が大きい程、
静電容量の変化の大きい素子が得られることになる。誘
電体薄膜の誘電率の変化の大きい素子は、わずかな湿度
の変化にも敏感に応答する。すなわち、誘電体薄膜の誘
電率の変化の大きい素子とは感度の高い素子と言い換え
ることができる。
【0004】小型で取り扱いが容易、かつ高感度の容量
性湿度センサとして、特開平3−87642号公報は、
層内に吸収された湿気の量に比例して誘電性因子が変化
する誘電性層と、誘電性層を包囲し、そのコンデンサ構
造の導電性層の1つにランダムなパターンの裂け目が設
けられ、その裂け目は誘電性層への周辺空気の迅速な情
報伝達を可能にする。少なくとも2つの電気的に絶縁さ
れた導電性層とを具備する容量性湿度センサであり、誘
電性層が、導電性層の裂け目に対応するクラックのない
固体構造を有することを特徴とする、誘電性因子の測定
装置に接続されることができる容量性湿度センサを提案
する。
性湿度センサとして、特開平3−87642号公報は、
層内に吸収された湿気の量に比例して誘電性因子が変化
する誘電性層と、誘電性層を包囲し、そのコンデンサ構
造の導電性層の1つにランダムなパターンの裂け目が設
けられ、その裂け目は誘電性層への周辺空気の迅速な情
報伝達を可能にする。少なくとも2つの電気的に絶縁さ
れた導電性層とを具備する容量性湿度センサであり、誘
電性層が、導電性層の裂け目に対応するクラックのない
固体構造を有することを特徴とする、誘電性因子の測定
装置に接続されることができる容量性湿度センサを提案
する。
【0005】即ち、この湿度センサは図2に示すように
ガラス基板7の上に設けられた例えば陽極酸化タンタル
の導電性第1電極4が、例えばセルロースアセテート酪
酸塩または架橋ポリビニルピロリジンの誘電性層6に被
覆され、誘導性層6は、例えばクロミウム導電性第2電
極5に被覆される。この導電性第2電極5に設けられた
裂け目8により誘電体薄膜への水分の拡散を容易にし、
感度を高めている。又、特公昭60−49863号公報
は、感湿部の表面積を拡大した湿度センサを提案する。
ガラス基板7の上に設けられた例えば陽極酸化タンタル
の導電性第1電極4が、例えばセルロースアセテート酪
酸塩または架橋ポリビニルピロリジンの誘電性層6に被
覆され、誘導性層6は、例えばクロミウム導電性第2電
極5に被覆される。この導電性第2電極5に設けられた
裂け目8により誘電体薄膜への水分の拡散を容易にし、
感度を高めている。又、特公昭60−49863号公報
は、感湿部の表面積を拡大した湿度センサを提案する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】容量性湿度センサ素子
は、これまで、感湿部である誘電体薄膜の表面積を拡大
したり、導電性電極に裂け目を形成したりして、素子の
構造を工夫することにより、特性を向上させてきた。し
かしながら、感湿膜そのものの性能、すなわち水分の吸
収量に応じた誘電率の変化率はほとんど大きくなってい
ない。このため、さまざまな素子構造を工夫しても飛躍
的な感度の向上は期待し難いという問題があった。本発
明は水分吸収量に応じた誘電率の変化率の大きい誘電体
薄膜を感湿膜として用いた感度の高い容量性湿度センサ
素子の提供を目的とする。
は、これまで、感湿部である誘電体薄膜の表面積を拡大
したり、導電性電極に裂け目を形成したりして、素子の
構造を工夫することにより、特性を向上させてきた。し
かしながら、感湿膜そのものの性能、すなわち水分の吸
収量に応じた誘電率の変化率はほとんど大きくなってい
ない。このため、さまざまな素子構造を工夫しても飛躍
的な感度の向上は期待し難いという問題があった。本発
明は水分吸収量に応じた誘電率の変化率の大きい誘電体
薄膜を感湿膜として用いた感度の高い容量性湿度センサ
素子の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一の金属膜
/誘電体薄膜/第二の金属膜の積層体からなる容量性湿
度センサ素子において、該誘電体薄膜として第一の金属
膜を含水量5重量%以下の非水系化成液中で陽極酸化し
て得られたものを用いる、湿度センサ素子を提供するも
のである。本発明の容量性湿度センサ素子の誘電体薄膜
は弁金属を非水系化成液中で陽極酸化して形成するが、
化成液の含水量を5重量%以下にすることにより、化成
時に溶質を構成する元素が取り込まれ、その元素を含有
する誘電体薄膜が得られる。該誘電体薄膜は、大気中の
湿度に応じて水分を吸収し、素子の静電容量が大きく変
化する。したがって、本発明の方法により感度の高い湿
度センサ素子が得られる。
/誘電体薄膜/第二の金属膜の積層体からなる容量性湿
度センサ素子において、該誘電体薄膜として第一の金属
膜を含水量5重量%以下の非水系化成液中で陽極酸化し
て得られたものを用いる、湿度センサ素子を提供するも
のである。本発明の容量性湿度センサ素子の誘電体薄膜
は弁金属を非水系化成液中で陽極酸化して形成するが、
化成液の含水量を5重量%以下にすることにより、化成
時に溶質を構成する元素が取り込まれ、その元素を含有
する誘電体薄膜が得られる。該誘電体薄膜は、大気中の
湿度に応じて水分を吸収し、素子の静電容量が大きく変
化する。したがって、本発明の方法により感度の高い湿
度センサ素子が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に記述する。
本発明の素子は図1に示すように第一の金属膜/誘電体
薄膜/第二の金属膜からなる素子であり、第一の金属膜
を陽極酸化して誘電体薄膜を形成し、その表面に第二の
金属膜を形成することにより作成される。図中、1は第
一の金属膜、2は誘電体薄膜、3は第一の金属膜であ
る。第一の金属膜は陽極酸化によってバリア型の皮膜を
形成する弁金属およびその合金からなる。弁金属として
は、アルミニウム、タンタル、チタン、ジコニウム、ハ
フニウム、ニオブおよびそれらの合金が例示できる。第
二の金属膜は、導電性を有し、素子の静電容量の測定が
可能であるものであれば、どのような金属あるいは合金
であってもよく、また非金属元素が含まれていてもよ
い。好ましいものは金である。
本発明の素子は図1に示すように第一の金属膜/誘電体
薄膜/第二の金属膜からなる素子であり、第一の金属膜
を陽極酸化して誘電体薄膜を形成し、その表面に第二の
金属膜を形成することにより作成される。図中、1は第
一の金属膜、2は誘電体薄膜、3は第一の金属膜であ
る。第一の金属膜は陽極酸化によってバリア型の皮膜を
形成する弁金属およびその合金からなる。弁金属として
は、アルミニウム、タンタル、チタン、ジコニウム、ハ
フニウム、ニオブおよびそれらの合金が例示できる。第
二の金属膜は、導電性を有し、素子の静電容量の測定が
可能であるものであれば、どのような金属あるいは合金
であってもよく、また非金属元素が含まれていてもよ
い。好ましいものは金である。
【0009】この誘電体薄膜は第一の金属膜を含水量5
重量%以下の非水系化成液中で陽極酸化して得られる酸
化物である。含水量は5重量%以下であるが、好ましく
は1重量%以下、より好ましくは500ppm以下であ
る。陽極酸化の条件は、化成液が安定に液体として存在
する温度範囲に限定される。一般に−20〜+150℃
の範囲であり、好ましくは室温〜100℃である。ま
た、陽極酸化時の電流および電圧の制御方法には特に限
定はないが、通常、あらかじめ定められた化成電圧(V
f)まで定電流で化成し、化成電圧に達した後に、その
電圧に一定時間保持される。この際の電流密度は0.0
01〜10mA/cm2 であり、好ましくは0.01〜
1mA/cm2 である。また、Vfは湿度センサの駆動
回路の設計にもよるが、通常5〜100Vであり、好ま
しくは10〜80Vである。
重量%以下の非水系化成液中で陽極酸化して得られる酸
化物である。含水量は5重量%以下であるが、好ましく
は1重量%以下、より好ましくは500ppm以下であ
る。陽極酸化の条件は、化成液が安定に液体として存在
する温度範囲に限定される。一般に−20〜+150℃
の範囲であり、好ましくは室温〜100℃である。ま
た、陽極酸化時の電流および電圧の制御方法には特に限
定はないが、通常、あらかじめ定められた化成電圧(V
f)まで定電流で化成し、化成電圧に達した後に、その
電圧に一定時間保持される。この際の電流密度は0.0
01〜10mA/cm2 であり、好ましくは0.01〜
1mA/cm2 である。また、Vfは湿度センサの駆動
回路の設計にもよるが、通常5〜100Vであり、好ま
しくは10〜80Vである。
【0010】本発明で使用する化成液は非水系化成液で
あり、電解質塩と有機溶媒とを含んで成る非水系化成液
である。電解質塩は有機酸塩でも無機酸塩でもよいが、
無機酸塩ではオキソ酸の塩、有機酸塩ではカルボン酸塩
が例示できる。無機オキソ酸塩のオキソ酸の中心原子
は、硝酸、リン酸およびホウ酸のように非金属であって
も、クロム酸、バナジン酸、タングステン酸のように金
属であってもよい。また、オキソ酸は、ポリ酸であって
もよく、さらにイソポリ酸でもヘテロポリ酸でもよい。
あり、電解質塩と有機溶媒とを含んで成る非水系化成液
である。電解質塩は有機酸塩でも無機酸塩でもよいが、
無機酸塩ではオキソ酸の塩、有機酸塩ではカルボン酸塩
が例示できる。無機オキソ酸塩のオキソ酸の中心原子
は、硝酸、リン酸およびホウ酸のように非金属であって
も、クロム酸、バナジン酸、タングステン酸のように金
属であってもよい。また、オキソ酸は、ポリ酸であって
もよく、さらにイソポリ酸でもヘテロポリ酸でもよい。
【0011】カルボン酸塩は芳香族モノカルボン酸およ
び水酸基のない脂肪族ジカルボン酸の群から選ばれる一
種以上のカルボン酸の塩が好ましく、炭素数2〜8の低
分子量のものがとくに好ましい。芳香族モノカルボン酸
の具体例としては、安息香酸、トルイル酸、サリチル
酸、レゾルシン酸などを、水酸基のない脂肪族ジカルボ
ン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸などの飽和カルボン酸およ
びマレイン酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸を
例示することができる。また、電解質塩の陽イオンとし
ては、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、1、
2、3および4級のアルキルアンモニウムイオン、ホス
ホニウムイオンおよびスルホニウムイオンなどを例示す
ることができるが、アンモニウムイオンおよび1、2、
3および4級のアルキルアンモニウムイオンが好まし
く、有機溶媒への溶解性を考慮してアルキル基の大きさ
を選択すれば良い。
び水酸基のない脂肪族ジカルボン酸の群から選ばれる一
種以上のカルボン酸の塩が好ましく、炭素数2〜8の低
分子量のものがとくに好ましい。芳香族モノカルボン酸
の具体例としては、安息香酸、トルイル酸、サリチル
酸、レゾルシン酸などを、水酸基のない脂肪族ジカルボ
ン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸などの飽和カルボン酸およ
びマレイン酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸を
例示することができる。また、電解質塩の陽イオンとし
ては、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、1、
2、3および4級のアルキルアンモニウムイオン、ホス
ホニウムイオンおよびスルホニウムイオンなどを例示す
ることができるが、アンモニウムイオンおよび1、2、
3および4級のアルキルアンモニウムイオンが好まし
く、有機溶媒への溶解性を考慮してアルキル基の大きさ
を選択すれば良い。
【0012】上記カルボン酸塩の中では、サリチル酸ア
ンモニウム、ガンマ−レゾルシン酸アンモニウム、安息
香酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、アジピン酸
アンモニウムおよびマレイン酸アンモニウムが好まし
く、サリチル酸アンモニウムが最も好ましい。有機溶媒
としては、エチレングリコール、メチルセロソルブ等の
アルコール系溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラ
クトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート等のカーボネート系溶媒;N−メチルホル
ムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒;3−メトキシ
プロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル系溶
媒;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート
等のリン酸エステル系溶媒の群から選ばれた1種以上の
溶媒および混合溶媒を使用することができるが、ヘキサ
ン、トルエン、シリコンオイル等の非極性溶媒を添加す
ることもできる。
ンモニウム、ガンマ−レゾルシン酸アンモニウム、安息
香酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、アジピン酸
アンモニウムおよびマレイン酸アンモニウムが好まし
く、サリチル酸アンモニウムが最も好ましい。有機溶媒
としては、エチレングリコール、メチルセロソルブ等の
アルコール系溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラ
クトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート等のカーボネート系溶媒;N−メチルホル
ムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒;3−メトキシ
プロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル系溶
媒;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート
等のリン酸エステル系溶媒の群から選ばれた1種以上の
溶媒および混合溶媒を使用することができるが、ヘキサ
ン、トルエン、シリコンオイル等の非極性溶媒を添加す
ることもできる。
【0013】上記の有機溶媒の中でも、エチレングリコ
ールおよびガンマ−ブチロラクトンの単独あるいは混合
溶媒が好ましい。有機溶媒に溶解する有機酸塩および/
または無機酸塩の濃度は0.1〜30重量%、好ましく
は1〜10重量%である。本発明の湿度センサ素子は、
この誘電体薄膜の容量の変化を検知するため、容量測定
回路が必要となるがこの回路の構造にはとくに制限はな
い。また、第一あるいは第二の金属膜の構造にも制限は
ないが、誘電体薄膜への水分の吸収、脱離を妨げないも
のが望ましい。各金属膜の膜厚は各々5nm〜1mmが
好ましいが湿度センサ素子の静電容量が測定できる範囲
であれば特に制限はない。
ールおよびガンマ−ブチロラクトンの単独あるいは混合
溶媒が好ましい。有機溶媒に溶解する有機酸塩および/
または無機酸塩の濃度は0.1〜30重量%、好ましく
は1〜10重量%である。本発明の湿度センサ素子は、
この誘電体薄膜の容量の変化を検知するため、容量測定
回路が必要となるがこの回路の構造にはとくに制限はな
い。また、第一あるいは第二の金属膜の構造にも制限は
ないが、誘電体薄膜への水分の吸収、脱離を妨げないも
のが望ましい。各金属膜の膜厚は各々5nm〜1mmが
好ましいが湿度センサ素子の静電容量が測定できる範囲
であれば特に制限はない。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。 実施例1 ガラス基板上にスパッタリング法で約400nmのアル
ミニウム薄膜を堆積し、第一の金属膜を形成した。この
アルミニウム薄膜を含水量が0.001重量%の10重
量%濃度のサリチル酸アンモニウムのγ−ブチロラクト
ン溶液中で5mA/cm2 の定電流で50Vまで陽極酸
化して、厚さ70nmの誘電体薄膜を形成した。さら
に、真空蒸着法によって約90nmの金薄膜を固着して
素子を作成した。相対湿度が0%、40%および90%
の大気中でこの素子の120Hzにおける静電容量を測
定したところ、0.31nF、0.65nFおよび3.
0nFであった。それぞれの相対湿度での静電容量を相
対湿度0%のときの静電容量で除した値を表1に示す。
さらに具体的に説明する。 実施例1 ガラス基板上にスパッタリング法で約400nmのアル
ミニウム薄膜を堆積し、第一の金属膜を形成した。この
アルミニウム薄膜を含水量が0.001重量%の10重
量%濃度のサリチル酸アンモニウムのγ−ブチロラクト
ン溶液中で5mA/cm2 の定電流で50Vまで陽極酸
化して、厚さ70nmの誘電体薄膜を形成した。さら
に、真空蒸着法によって約90nmの金薄膜を固着して
素子を作成した。相対湿度が0%、40%および90%
の大気中でこの素子の120Hzにおける静電容量を測
定したところ、0.31nF、0.65nFおよび3.
0nFであった。それぞれの相対湿度での静電容量を相
対湿度0%のときの静電容量で除した値を表1に示す。
【0015】実施例2〜10、比較例1〜4 実施例1においてそれぞれ、含水量を0.03重量%
(実施例2)、化成液を含水量0.001重量%および
0.03重量%の1モル/リットル(規定)マレイン酸
水素トリエチルメチルアンモニウムのγ−ブチロラクト
ン溶液(実施例3および実施例4)、第一の金属をタン
タルで化成液含水量0.001重量%および0.03重
量%(実施例5および実施例6)、第一の金属をチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブで化成液含
水量0.002重量%(実施例7〜10)、化成液を
0.1mol/kgクエン酸水溶液および150g/1
アジピン酸アンモニウム水溶液(比較例1および2)、
化成液/第一の金属を0.1mol/kgクエン酸水溶
液/タンタルおよび0.1mol/kgクエン酸水溶液
/ジルコニウム(比較例3および4)とした他は同様に
して素子を作成した。相対湿度が0%、40%および9
0%の大気中でこの素子の120Hzにおける静電容量
を測定した。それぞれの相対湿度での静電容量を相対湿
度0%のときの静電容量で除した値を表1にまとめて示
す。
(実施例2)、化成液を含水量0.001重量%および
0.03重量%の1モル/リットル(規定)マレイン酸
水素トリエチルメチルアンモニウムのγ−ブチロラクト
ン溶液(実施例3および実施例4)、第一の金属をタン
タルで化成液含水量0.001重量%および0.03重
量%(実施例5および実施例6)、第一の金属をチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブで化成液含
水量0.002重量%(実施例7〜10)、化成液を
0.1mol/kgクエン酸水溶液および150g/1
アジピン酸アンモニウム水溶液(比較例1および2)、
化成液/第一の金属を0.1mol/kgクエン酸水溶
液/タンタルおよび0.1mol/kgクエン酸水溶液
/ジルコニウム(比較例3および4)とした他は同様に
して素子を作成した。相対湿度が0%、40%および9
0%の大気中でこの素子の120Hzにおける静電容量
を測定した。それぞれの相対湿度での静電容量を相対湿
度0%のときの静電容量で除した値を表1にまとめて示
す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】表1より明らかのように、含水量の低い
非水系化成液中で陽極酸化して得た誘電体薄膜を備える
本発明の湿度センサ素子は、誘電体薄膜自体の雰囲気湿
度に対する誘電率の変化量が大きいことから静電容量を
検知する容量性湿度センサとして、従来型の素子に比較
して飛躍的に感度の高い素子であることが理解される。
非水系化成液中で陽極酸化して得た誘電体薄膜を備える
本発明の湿度センサ素子は、誘電体薄膜自体の雰囲気湿
度に対する誘電率の変化量が大きいことから静電容量を
検知する容量性湿度センサとして、従来型の素子に比較
して飛躍的に感度の高い素子であることが理解される。
【図1】本発明の湿度センサ素子の説明図である。
【図2】公知の湿度センサの断面側面図である。
1 第1の金属膜 2 誘電体薄膜 3 第二の金属膜
Claims (4)
- 【請求項1】 第一の金属膜/誘電体薄膜/第二の金属
膜の積層体からなる容量性湿度センサ素子において、該
誘電体薄膜が第一の金属膜を含水量が5重量%以下の非
水系化成液中で陽極酸化して得られたものであることを
特徴とする湿度センサ素子。 - 【請求項2】 第一の金属がアルミニウム、タンタル、
チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブからな
る群から選ばれる一種以上の金属またはその合金である
請求項1記載の湿度センサ素子。 - 【請求項3】 非水系化成液が有機酸塩および/または
無機酸塩と有機溶媒を含んでなる請求項1記載の湿度セ
ンサ素子。 - 【請求項4】 有機酸塩が、カルボン酸塩で、有機溶媒
がエチレングリコールおよびガンマ−ブチロラクトンよ
り選ばれたものである請求項1記載の湿度センサ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29125296A JPH10123087A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 陽極酸化皮膜を用いた湿度センサ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29125296A JPH10123087A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 陽極酸化皮膜を用いた湿度センサ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10123087A true JPH10123087A (ja) | 1998-05-15 |
Family
ID=17766463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29125296A Pending JPH10123087A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 陽極酸化皮膜を用いた湿度センサ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10123087A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002061612A (ja) * | 2000-08-16 | 2002-02-28 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 作動油中の水分検出装置 |
US6368485B1 (en) | 1997-11-18 | 2002-04-09 | Mitsubishi Chemical Corporation | Forming electrolyte for forming metal oxide coating film |
JP2008302930A (ja) * | 2001-03-02 | 2008-12-18 | Elesys North America Inc | エアバッグ展開制御のための多重センサビークル搭乗者検出システム及び方法 |
-
1996
- 1996-10-15 JP JP29125296A patent/JPH10123087A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6368485B1 (en) | 1997-11-18 | 2002-04-09 | Mitsubishi Chemical Corporation | Forming electrolyte for forming metal oxide coating film |
JP2002061612A (ja) * | 2000-08-16 | 2002-02-28 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 作動油中の水分検出装置 |
JP2008302930A (ja) * | 2001-03-02 | 2008-12-18 | Elesys North America Inc | エアバッグ展開制御のための多重センサビークル搭乗者検出システム及び方法 |
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