JPH10121393A - パルプ化方法 - Google Patents

パルプ化方法

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JPH10121393A
JPH10121393A JP18286397A JP18286397A JPH10121393A JP H10121393 A JPH10121393 A JP H10121393A JP 18286397 A JP18286397 A JP 18286397A JP 18286397 A JP18286397 A JP 18286397A JP H10121393 A JPH10121393 A JP H10121393A
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JP
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pulp
bleaching
peroxide
hydrogen peroxide
chelating agent
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JP18286397A
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Romuald S Krzywanski
ロミュアルド・エス・クルジワンスキー
Suezone Chow
スーゾーン・チョウ
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Canadian Forest Products Ltd
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/10Bleaching ; Apparatus therefor
    • D21C9/12Bleaching ; Apparatus therefor with halogens or halogen-containing compounds
    • D21C9/14Bleaching ; Apparatus therefor with halogens or halogen-containing compounds with ClO2 or chlorites
    • D21C9/144Bleaching ; Apparatus therefor with halogens or halogen-containing compounds with ClO2 or chlorites with ClO2/Cl2 and other bleaching agents in a multistage process
    • DTEXTILES; PAPER
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    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、リグノセルロースを含むバイオマス
パルプを漂白のするための方法を提供する。 【解決手段】パルプはまず二酸化塩素で漂白され、さら
にキレート化剤の存在下において過酸化水素によりアル
カリ性pHで漂白が行われ、得られたパルプは、白色度
と好適な強度が維持され低有機ハロゲンを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプを漂白する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バイオマスはパルプ及び製紙のためのセ
ルロースの重要な資源である。木材は最も一般的なバイ
オマスである。
【0003】木材は、セルロース、ヘミセルロース、及
びリグニンの3つの主要な有機成分を含む。セルロース
とヘミセルロースはバイオマスの約70〜80%を占
め、リグニンは約20〜35%を占める。残りの少量の
有機成分は主として抽出物である。セルロースとヘミセ
ルロースは線状に形成されたグルコース単位の鎖であ
り、リグニンは芳香族ブロックポリマーである。
【0004】樹木において、リグニンはセルロースを結
合する働きをし、生長環境に耐えうる頑丈な構造を形成
する。製紙において、パルプ化は木材からリグニンを除
去し、紙の主要な成分であるセルロースを遊離させるた
めに行われる。この工程はリグニンの大部分を破壊する
ために強力な作用剤を必要とする。残りのリグニンは、
パルプ化の工程を完了させパルプの色を明るくする漂白
によりパルプから除去される。
【0005】これまで種々の漂白剤がパルプ産業におい
て使用されてきた。これらは塩素(Cと表される)、二
酸化塩素(Dと表される)、酸素(Oと表される)及び
過酸化水素(Pと表される)を含む。さらに、当業界で
はアルカリ抽出を指してEという略語を使用する。従っ
て、伝統的な従来の漂白方法の技術はCEDEと定義さ
れうる。
【0006】既存の漂白技術は製紙に必要とされる、パ
ルプの所定の白色度を達成する。しかしながらこのパル
プ化技術はその環境への影響をめぐって議論がなされて
きた。とくにパルプの漂白のための塩素と二酸化塩素の
使用は、環境へダイオキシンやフランを排出することに
よる好ましくない影響をもたらしてきた。その結果、パ
ルプ産業では環境に対し有害な効果を有さない環境上安
全な漂白方法を発見するために多大な努力が払われてき
た。その結果現在では塩素化合物は使用されていない。
【0007】塩素に関連する問題を避けるための最近の
発展では、漂白剤として酸素、オゾン、及び過酸化水素
が使用されている。過酸化水素を主要な漂白剤とし、か
つキレート剤処理工程を含む方法は、米国特許5,310,45
8及び5,415,734に記述されている。この技術において異
なるタイプのキレート剤であるアミノアルカンジホスホ
ン酸がWO特許95/12029に記述されている。こ
のキレート剤は、前処理段階または過酸化物漂白工程の
途中で添加される。
【0008】キレート化前処理と組み合わされたオゾン
脱リグニン化は米国特許5,441,603に記述されている。
この特許では、使用されるキレート化剤は、ジエチレン
トリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミノ
トリ酢酸(EDTA)及びシュウ酸から選択される。キ
レート化前処理は、1〜4の範囲のpHで行われる。
【0009】米国特許5,411,635では、オゾンと過酸化
モノスルフェートとを結合させる処理が記述されてい
る。クラフトパルプ化の後、両剤の混合物が最初の脱リ
グニン化工程において酸性のpHにて添加される。
【0010】オゾン及び過酢酸が添加されることにより
酸性pHで行われる酸素脱リグニン化は米国特許5,387,
317に記述されている。
【0011】上記の全ては、製造物の白色度が不十分で
あるか、強度が低すぎるか、または生産費用が高すぎ
る。従って、経済的かつ安全で完全に塩素フリー(TC
F)のパルプ化の発見において実質的な課題が依然とし
て存在することは明らかである。
【0012】TCFパルプ化の困難性を避けるために、
遊離塩素の代わりに二酸化塩素を使用する元素塩素フリ
ーの(ECF)パルプ化が導入された。二酸化塩素はパ
ルプ中及びミルからの廃出物中の双方でダイオキシン及
びフランを大幅に低減すると報告された。ECF漂白の
廃液中のハロゲン化有機化合物量を低減する方法は米国
特許5,143,580に記載されている。この特許に述べられ
ている方法では、ECFシーケンスの初めの過酸化工程
の後にキレート化を行う。
【0013】米国特許5,149,442及び5,143,580には漂白
廃液中のハロゲン化有機化合物の低減が記述されてい
る。
【0014】しかし、ECFパルプは固体−パルプ相に
おいては、高有機塩素(OX)含有量を有し続ける。E
CFパルプのOX含有量のミルデータは、典型的に、ミ
ル内部のトウヒ−マツ−モミ(SPF)の完成紙料につ
いて標準偏差値100万部当たり1.44部(ppm)
をもって136ppmの平均値を示し、種々の完成紙料
を使用する沿部ミル(coastal mill)について標準偏差
値7.34ppmをもって180ppmの平均値を示し
た。
【0015】いくつかのヨーロッパの国々では、パルプ
をTCFパルプであると見なす場合、パルプのOX含有
量は30ppmを下回るべきであるとされている。30
ppmのOXはほとんどのOX測定設備の測定限界値に
相当する。したがってECFパルプにとってOX含有量
は可能な限り低いことが有益である。
【0016】これまでパルプ及び廃出液の有機ハロゲン
のレベルを低減させるいくつかの方法が紹介されてき
た。オゾン段階を含む、パルプ中の有機ハロゲン(O
X)及び廃出液中の吸着可能な有機ハロゲン(AOX)
を減らすための方法は米国特許4,959,124に記述されて
いる。米国特許5,389,201もまた、化学物質を含む塩素
の消費を低減するためのオゾンの使用を述べている。ジ
ョンコート(Joncourt)らの「二酸化塩素漂白中のAO
X組成の低減」(TAPPI Pulping Conference、1995年10
月 149-152)には、二酸化塩素漂白におけるAOXの劇
的な低減のための2つの方法を述べている。この方法は
ジメチルスルフォキシド(DMSO)の添加と、二酸化
塩素投入の分割とを伴う。両方法ともミルの操作コスト
を有意に増大させ、危険な物質を排出する。リーブス
(Reeves)らの「ECF漂白における加圧(PO)工程
のためのシーケンス配置の効果」(TAPPI Pulping Conf
erence、1995年10月 263-280)では、ECFシーケンス
におけるPO工程(加圧された過酸化物、温度100℃
未満)の様々の配置を試験している。彼らは最適な配置
はミル優先順位、低コスト、到達したClO2発生限
界、将来のTCFに依存すると結論付けた。ミル内のP
O工程を実行するためにはかなりの資本消費が必要とさ
れる。同様の問題が、ディベニンズ(Devenyns)らの、
AOXの低減が主な課題とされる「低AOX ECFシ
ーケンスを設計するための、過酸化水素の最適な使用」
(TAPPI Pulping Conference、1995年10月 281-288)に
指摘される。チラット(Chirat)らの「漂白シーケンス
における他のオゾン使用方法」(TAPPI Pulping Confer
ence、1995年10月 415-419)では、オゾン段階並びにT
CF及びECF漂白における配置効果が、オゾンによる
部分二酸化塩素置換を伴うDZ工程と同様に試験され
た。この効果は漂白の第1工程(D100)においては大
変経済的であると示された。スティーブンス(Steven
s)らの「ECFシーケンスにおける過酸化水素漂白工
程の実施へのリグニン含有量の効果」(TAPPI Pulping
Conference、1995年10月 421-439)では、異なるリグニ
ン量を含むパルプの過酸化物漂白、及び過酸化物機能の
脱リグニン化と白色化との分割が研究され、研究された
条件下では、低リグニン含有量のパルプにとって後者は
より重要であることが見出された。
【0017】ヒル(Hill)らの「脱リグニン化及び漂白
のための加圧過酸化水素システムの評価」(TAPPI Pulp
ing Conference、1995年10月 789-805)による、酸素及
び過酸化物が添加される(Eop)工程を含むアルカリ抽
出の利点についての議論は、化学的消費が低減される期
間におけるそのような手法のいくつかの利点を示した。
アーノルド(Arnold)らの「デゴクス(Degox)TM方法
−過酸化モノスルフォリン酸を用いた実験及びミル演
習」(TAPPI Pulping Conference、1995年10月 897-90
2)で議論されるように、カロ(Caro)の酸性物質(過
酸化モノスルフォリン酸)は標準ECFシーケンス及び
オゾンが増強されたECFの双方において有益であり得
る。ラスキーバ(Laskeeva)らの「塩素化の場において
過酸化水素を使用する、軟質木材のクラフトパルプのた
めのいくつかの多工程漂白シーケンス」(Izv. VUZ, Le
snoi Zh. No. 6:90-95(1982)[ロシア])では、シーケ
ンスの1または2工程では、漂白物質として塩素を含む
過酸化物の、つまりECFではない方法における使用を
試験している。デルフォス(Delefosse)の「ECFま
たはTCFパルプ?」(Pap. Carton Cellul. 43, no.
1/2:18, 21-23(1994年1月/2月)[英国])では、ECF
及びTCF漂白の違いを述べ、廃出液中のAOXはパル
プ1トン当たり1kg未満であると指摘し、またECF
廃出液の毒性はTCF廃出液と似ていると述べて低レベ
ルのハロゲン化化合物を排出するためのECF方法を開
発することの必要性を指摘している。ハミルトン(Hami
lton)らの「ECF漂白の向上;活性酸素種及びキシラ
ネーゼ」(ISPT, Technical PaperSeries, 559(Atlant
a, GA):19p.(1995年3月)[英国])では、後に過酸化水
素、ジメチルジオキシレン及びニトリルアミンで補強さ
れた二酸化塩素を含むECFシーケンスをともなう、キ
シラネーゼによる遊離漂白が研究されている。彼らは、
ニトリルアミン−活性過酸化水素による前処理が行われ
た場合、二酸化塩素の投入が21%減少すると報告して
いる。ジーン(Jean)らの「キシラナーゼを用いたミル
の試験的実験:AOX及び化学的減縮−年次会」((80
th CPPA):A229-233,1994年2月1-2日[英国])もまた
AOX量を減少させる方法としてECFシークエンスで
のキシラナーゼを用いた実験を行っている。マリネン
(Malinen)らの「二酸化塩素の最小限の投入による、
酸素脱リグニン化軟質木材パルプのECF漂白」(Pulp
ing Conf.(Atlanta)Proc.(Book3):925-932(TAPPI;1993
年11月1-3日)[英国])には、DEDEDシーケンスの
2つの抽出工程が過酸化水素により補強される、キシラ
ナーゼ前処理を伴うECF漂白が記述されている。彼ら
は二酸化塩素使用を15〜20%減らしたが15%割高
のコストがかかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白色度を高
め、かつパルプの強度を維持する一方で、ECFパルプ
のOX含有量の低減における改善を行うものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、ECFシーケ
ンスの最後に行われ、アルカリ性条件下、大気圧で過酸
化水素とキレート化剤との混合物を使用する点において
従来の技術とは異なる。酸素、オゾンまたは過酸といっ
た他の酸化剤は添加されない。別キレート化工程は必要
でない。
【0020】従って、最も広範な見地において、本発明
は、二酸化塩素によりパルプを漂白し、そしてキレート
化剤の存在下において過酸化水素によりアルカリ性pH
でさらに漂白することを含む、リグノセルロースを含む
バイオマスパルプの漂白方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0022】本方法は、1段階、または例えば2段階の
ように複数の工程で行われる。pHは、例えば水酸化ナ
トリウムのベースを使用することでアルカリ性に維持さ
れる。好ましくは、pHは約10.5から約12の範囲
である。
【0023】過酸化水素の濃度は、乾燥パルプの重量の
0.1から3%である。一般的に、3%重量を上回ると
利点はほとんどない。
【0024】好ましいキレート剤は、ジエチレントリア
ミンペンタ酢酸(DTPA)もしくはそのナトリウム
塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)またはそのナトリウム塩、及び1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)である。キ
レート剤の使用は、パルプ強度を保つために必要とされ
る高過酸化物残留物を維持するのに不可欠である。本発
明では、SPF完成紙料のための硫酸マグネシウムの使
用は不要である。
【0025】過酸化工程の温度は、最も良好な結果を得
るためには好ましくは約80℃に維持される。しかしな
がら本発明では45℃の低温で有効である。過酸化物残
留量の最適範囲は40〜80%である。
【0026】本発明は、ECFパルプはわずか0.7%
の過酸化水素の投入で88%プラスISO(国際標準化
機構)白色度にまで漂白され、かつ良好な強度を有する
ことを可能とする。漂白度の著しい増大は、わずか0.
1%の少量の過酸化水素投入により達成された。
【0027】OX(有機塩素)含有量は実質的に低減さ
れ、最終パルプにおいて100ppmをかなり下回っ
た。使用された典型的な完成紙料は100%のSPF
(トウヒ−マツ−モミ)またはスギ40%とツガ60%
との混合物であった。
【0028】
【実施例】
実施例1 過酸化物の投入量及びキレート剤の使用 この実験では、キレート剤としてのDTPAの存在下及
び不在下における過酸化物の総添加量の範囲を比較する
ことに重点をおいた。キレート剤は、主に過酸化物の漂
白作用中にセルロースを保護し、パルプの強度を維持す
るためのものである。キレート剤はまた、過酸化物を安
定化させ、高過酸化物濃度が長い期間にわたるためにそ
の作用をより効果的にする。過酸化物(H22)の総投
入量は、パルプ乾燥重量の3%であった。この3%の物
質は2段階で、すなわち、1段階目では1.5/1.
5、また2段階目では2.0/1.0に分けられ添加さ
れた。初めの数値は1段階目の投入量であり、次の数値
は、2段階目の添加量である。
【0029】111.9ppmのOX含有量を有するD
ODシーケンスにおいて、84.1%ISO白色度に
までECF漂白された50gのトウヒ−マツ−モミ(S
PF)クラフトパルプがこの実験で使用された。図1
は、同量の3%のH2Oを2段階に分けて添加したとき
のキレート剤の、漂白濾過液中で測定された最終過酸化
物残留物(%)及びパルプの白色度への効果を示してい
る。漂白工程において、キレート剤の添加がある場合も
ない場合もパルプの白色度の値は88.5ないし88.
9%ISOの範囲内で同様であった。これは過酸化物を
用いない対照から約3.5ないし4%の増加である。こ
の事実は、著しい白色度の増加を得るために、過酸化物
がECFパルプに首尾よく適用され得ることを示唆す
る。しかしながら、DTPAを添加すると過酸化物残留
物は約80%であり、1.5/1.5及び2.0/1.
0の過酸化物投入の両方の場合でも同様であった。この
過酸化物残留物のパーセント値は、キレート剤が添加さ
れないとかなり小さい。過酸化物残留物は2.0/1.
0投入では約20%増え、1.5/1.5投入の場合は
約5%増えた。パルプ白色度は同様であるため、過酸化
物残留物における大きな相違は、キレート剤がない場
合、急速な過酸化物分解及び発生したラジカルがリグニ
ンと反応する十分な時間を有さないという点により説明
されうる。
【0030】図2は、キレート剤添加と、湿潤ゼロ・ス
パンパルプ強度との関係を示す。キレート剤の添加の利
点はパルプの強度によっていっそう強化される。初期の
パルプは13.6km湿潤ゼロスパン強度を有した。キ
レート剤DTPAが添加された場合、異なる双方の段階
の過酸化物の強度値は、約13kmで同じであった。キ
レート剤なしでは、2.0/1.0H22投入での強度
は約9.8kmであったが、1.5/1.5H22投入
は約11kmの強度を付与した。明らかに、第1段階に
おいて過酸化物の量がより多い前者の投入はパルプ強度
への大きな低減効果を有した。元のDEDパルプが1
3.6kmの強度を有し、かつ第2段階において二酸化
塩素で漂白されたDEDEDパルプが13.0kmのゼ
ロスパン強度を有するため、キレート剤の添加によりパ
ルプの強度が保持され、標準DEDEDシーケンス中に
得られる値に維持される。
【0031】この実験は、本発明に基づき過酸化物及び
キレート剤を添加することで、ECFパルプの白色度が
有意に増大し、かつパルプの強度が保持されることを証
明した。
【0032】実施例2 有機ハロゲン含有物の低減 以下の3つの実験はパルプ中の有機ハロゲンの低減を示
す。
【0033】第一の総過酸化物(H22)投入量はパル
プ乾燥重量の1.5%であった。キレート剤(DTP
A)は第1段階においてのみ0.1%の投入量が添加さ
れた。第2段階では、過酸化物を添加し、苛性ソーダ
(caustic)を1.2%添加した。硫酸マグネシウムは
添加されなかった。パルプはDEopDシーケンスを使用
して84.1%ISO白色度まで漂白されたSPF(ト
ウヒ−マツ−モミ)であった。
【0034】第2の実験では、総過酸化物(H22)投
入量はパルプ乾燥重量の2%であった。この2%の物質
は2段階で添加され、すなわち第1段階では0.5%、
第2段階では1.5%で添加された。苛性ソーダ投入量
はそれぞれ0.6%及び1.0%であり、0.1%のD
TPAはそれぞれの段階で添加された。硫化マグネシウ
ムは添加されなかった。パルプはDEopDシーケンスを
使用して81.4%ISO白色度にまで漂白されたSP
Fであった。
【0035】図3は、種々のキレート剤の、過酸化物残
留物への効果を示す。
【0036】図4は、キレート剤の、パルプ強度への効
果を示す。キレート剤が添加されないパルプは双方の過
酸化物投入量で有意により低い強度を有したが、例示さ
れた両方のキレート剤はパルプ強度を保つ効果を同様に
示した。
【0037】第3の実験では、総過酸化物(H22)投
入量はパルプ乾燥重量の0.7%であった。この物質は
一段階で添加される。苛性ソーダ投入量もまた0.7%
であり、0.1%のDTPQが添加された。硫酸マグネ
シウムの投入量は0.1%であった。パルプは、DEop
Dシーケンスを使用し83.5%白色度まで漂白され
た、ヘムロック60%とシダー40%との混合物であっ
た。
【0038】
【表1】 OX低減は平均33.6%であり、平均ミルECFより
も有意に低いOX値を有するパルプを生産した。ECF
パルプのOX含有量のミルデータは、トウヒ−マツ−モ
ミ完成紙料についての標準偏差値1.44ppmをおっ
て136ppmの平均値を示し、沿部ミルパルプ(種々
の完成紙量)について平均偏差値7.34ppmをもっ
て181ppmの平均値を示した。
【0039】実施例1及び2は、過酸化物へのキレート
化剤添加から派生する手順がパルプの白色度を有意に増
大させ、有機塩素含有(OX)を減らし、パルプの強度
を保つことが可能であることを実証している。
【0040】実施例3 異なるH22投入量でのキレー
ト剤の効果 この実験ではDTPAに加え、他のキレート剤としてD
TMPAが導入された。パルプのサンプルはキレート剤
を添加して漂白されたものと、添加されないものであっ
た。過酸化物投入の総量は1.5%及び3%であった。
全ての場合において1.5%の過酸化水素は第2の段階
で添加された。したがって、実験の第1連中の第1の段
階(総H22量1.5%)は、0.1%のDTPAが添
加されるQ段階であるか、またはキレート剤を添加しな
い中性ソーク(soak)であった。
【0041】図3は、双方の過酸化物投入レベルにおい
て、キレート剤を添加した場合は、無キレート剤処理の
場合よりも過酸化物残留物が多いことを示す。キレート
剤の適用においては、DTMPAはDTPAよりも少な
い過酸化物残留量を有し、白色度が89.1%ISO対
88.6%ISO、及び89.7%ISO対88.7%
ISOであったように、DTMPA添加の実験で得られ
た白色度のほうが僅かに高かった。過酸化物の投入量の
違いはパルプの白色度に有意に影響を与えることはなか
った。すなわち、十分な量の過酸化物が存在する限り、
白色度は対照の84.1%から88%+レベルまで調整
で高められ得る。
【0042】図4は、種々のキレート剤のパルプ強度へ
の効果をグラフで示している。実施例3は実施例2での
発見、つまりキレート剤が反応を安定させパルプ強度の
維持を行う一方、ECFパルプへの過酸化物の投入が白
色度を上昇させるという効果を再度実証している。キレ
ート剤は、DTPA、DTMPA、ATMP(アミノト
リ(メチレンホスホン酸)、HEDPまたはパルプ内の
金属をキレート化することが可能な他のキレート剤であ
りえる。
【0043】実施例4 温度の効果 漂白実験は、様々な温度において、Q段階で0.1%の
DTPAの投入、P段階で1.5%のH22、1.2%
のNaOH、0.05%のMgSO4投入を伴うQPシ
ーケンスを使用して実施された。DEODシーケンスで
は84.1%ISO白色度にまで漂白されたSPF完成
紙料を使用した。図5は、45〜85℃の範囲の温度に
おいて漂白結果は同様の高白色度及び高強度が達成され
ることを示す。
【0044】この例は、驚くべきことに、通常75℃+
で行われる従来の過酸化物漂白に反し、本発明では45
℃の低温で十分であることを示している。
【0045】実施例5 低過酸化水素投入の効果 漂白実験は、85℃において、1の過酸化物、P、0.
1%のDTPA投入を含む工程、0.2%のNaOH投
入、及び多様な過酸化物の投入を用いて行われた。SP
F完成紙料はDEODシーケンスにおいて84.1%I
SO白色度にまで漂白されたものが使用された。図6に
示された漂白の結果は、0.1%の低い過酸化水素投入
量でも白色度の著しい向上をもたらすことを示してい
る。
【0046】これは、0.1〜3%の範囲の過酸化水素
のODパルプへの添加が効果的な漂白作用をもたらすこ
とを示す。より多量の過酸化水素を使用することは可能
だが、多くの場合において経済的に見合わないであろ
う。
【0047】上述の発明は、理解の明確化を目的として
図や例により詳細に記述されたが、本発明に関連する分
野の当業者にとって、ある修正や改変が、請求項の趣旨
または範囲からそれることなく行われうるものであるこ
とは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】キレート剤DTPAの、過酸化物残留物への効
果を示すグラフ図。
【図2】パルプ強度へのDTPA添加に関するグラフ
図。
【図3】種々のキレート剤の、過酸化物残留物への効果
を示すグラフ図。
【図4】種々のキレート剤の、パルプ強度への効果を示
すグラフ図。
【図5】温度の、白色度及び強度への効果を表すグラフ
図。
【図6】過酸化水素投入の、白色度及び強度への効果を
表すグラフ図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロミュアルド・エス・クルジワンスキー カナダ国、ブイ7シー・3ブイ8、ブリテ ィッシュ・コロンビア、リッチモンド、ギ ルバート・ロード 6411 − ナンバー 123 (72)発明者 スーゾーン・チョウ カナダ国、ブイ7エー・1ケー6、ブリテ ィッシュ・コロンビア、リッチモンド、バ ンバートン・ドライブ 10351

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプを二酸化塩素で漂白し、さらにキ
    レート化剤の存在下においてアルカリ性pHで過酸化水
    素により漂白することを含む、リグノセルロースを含有
    するバイオマスパルプの漂白方法。
  2. 【請求項2】 さらなる漂白が一段階で行われる請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 さらなる漂白が複数の段階で行われる請
    求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 2つのさらなる段階を有する請求項3に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 水酸化ナトリウムの存在によりpHがア
    ルカリ性に維持される請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 pHが約10.5から約12の範囲であ
    る請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 過酸化水素の濃度が乾燥パルプ重量の
    0.1〜3%である請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 キレート化剤が、ジエチレントリアミン
    ペンタ酢酸またはそのナトリウム塩(DTPA)、ジエ
    チレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)または
    そのナトリウム塩(DTMPA)、及び1−ヒドロキシ
    エチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)から選
    択される請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 さらなる漂白の間、温度が少なくとも4
    5℃である請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 温度が少なくとも80℃である請求項
    9記載の方法。
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