JPH10118456A - 排ガス処理装置および処理方法 - Google Patents

排ガス処理装置および処理方法

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JPH10118456A
JPH10118456A JP8282375A JP28237596A JPH10118456A JP H10118456 A JPH10118456 A JP H10118456A JP 8282375 A JP8282375 A JP 8282375A JP 28237596 A JP28237596 A JP 28237596A JP H10118456 A JPH10118456 A JP H10118456A
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JP
Japan
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exhaust gas
urea
catalyst
denitration
reducing agent
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JP8282375A
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English (en)
Inventor
Akihiro Yamada
晃広 山田
Tomihisa Ishikawa
富久 石川
Isato Morita
勇人 森田
Yoshiyuki Takeuchi
良之 竹内
Yoshinori Nagai
良憲 永井
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元剤として取り扱いが容易な尿素を用いて
も、比較的低温域でも効率よくNOxを還元除去するこ
とができる排ガス処理装置を提供する。 【解決手段】 排ガスを、排ガス煙道11に設けられた
脱硝触媒反応器4に導入し、脱硝触媒の存在下でNOx
を還元除去する排ガス脱硝装置において、脱硝触媒反応
器4の前流側の排ガス煙道11に高温ガス供給ライン1
0を連結し、この高温ガス供給ライン10に還元剤注入
ライン9を介して還元剤注入装置6を連結する。そし
て、高温ガス供給ライン10の還元剤注入ライン9との
連結部の後流に尿素分解触媒反応器7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス処理装置お
よび処理方法に係り、特に還元剤として尿素を用い、低
温域においても排ガス中の窒素酸化物を効率よく除去す
ることができる排ガス処理装置および処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】火力発電所をはじめとする固定発生源か
ら排出される排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)
は、光化学スモッグの原因となる物質であり、その除去
(脱硝)方法として、アンモニア(NH3 )を還元剤と
した選択的接触還元法(SCR)が幅広く用いられてい
る。また、一般家庭や企業から排出されるごみを焼却す
る都市ごみ焼却処理設備から排出される排ガスにもNO
xが含まれており、SCR法は効果的な脱硝方法として
期待されている。
【0003】一方、最近では、ディーゼルエンジン、ボ
イラ、ガスタービンなどを利用したコージェネレーショ
ンシステムが都市部を中心として増加しており、このコ
ージェネレーションシステムに対してもNOxの排出規
制が強化されるため、排煙脱硝装置の設置が急務となっ
ている。ところで、このような民生用の脱硝装置には、
大型プラントにおけるような液化アンモニアを還元剤と
して使用することは不適当である。そこで、液化アンモ
ニアの代替還元剤として、分解によってNH3を生成す
る尿素、メラミン、ビウレット、シアヌル酸、炭酸アン
モニウムなどの固体含窒素化合物を用いる方法が注目さ
れている。
【0004】ごみ焼却炉から排出される、従来の排ガス
処理装置を図3に示す。図において、この装置は、ごみ
を焼却処理するごみ焼却炉1と、該ごみ焼却炉1の排ガ
ス煙道11に順次設けられたガス冷却塔2、バグフィル
タ3、脱硝触媒反応器4および煙突8と、前記脱硝触媒
反応器4の前流側排ガス煙道11に還元剤注入ライン9
を介して連結された還元剤注入装置6とから主として構
成されている。
【0005】焼却炉1から排出された燃焼排ガスは、ガ
ス冷却塔2で所定温度まで冷却されたのち、バグフィル
タ3に流入し、ここでダスト等の固形物および塩化水素
(HCl)等が除去され、次いで脱硝触媒反応器4に流
入し、ここで、脱硝触媒の存在下、注入ライン9を介し
て還元剤注入装置6から注入される還元剤、例えばNH
3 と接触して排ガス中のNOxが還元除去される。NO
xが除去された排ガスは、処理ガスとして後流の煙突8
から大気に放出される。
【0006】このような従来の排ガス処理装置におい
て、バグフィルタ3の後流に配置された脱硝触媒反応器
4における排ガス温度は、例えば170℃程度である。
この温度域においては、脱硝触媒として用いられる、例
えばTi/Mo/V系またはTi/W/V系の触媒が必
ずしも高い脱硝性能を示すとはいえない。従って、排ガ
ス中のNOxを効率よく除去するためとプラントの経済
性を考慮して許容温度まで排ガス温度を昇温させるため
に、バグフィルタ3の後流の排ガスを加熱する試みがな
されているが、省スペース化が非常に重要視されるごみ
焼却設備において、還元剤注入位置の排ガス温度を高め
ることは容易ではない。
【0007】ところで、ごみ焼却処理施設用接触式排煙
脱硝に用いられる添加剤(還元剤)のうちNH3 は一般
に液化アンモニアの状態で用いられるが、このNH3
毒物、劇物指定物質であり、また高圧ガス取締法が適用
されるので、ごみ焼却を行う、例えば地方公共団体等に
とっては取り扱いが大変であった。従って、NH3 より
も取り扱いが容易な尿素を還元剤として用いることも考
えられるが、NOxだけでなく塩化水素、SO2 等の有
害物質も合わせて処理するごみ焼却処理施設において、
脱硝触媒反応器は、例えば200℃近辺の排ガス低温部
に設置される傾向がある。従って、還元剤として尿素を
用いた場合には、尿素を完全に分解してNH3 とするこ
とができず、NOx除去率の向上を図ることは困難であ
った。
【0008】尿素を還元剤として用いる排ガス脱硝方法
においては、尿素分解率を高めることが脱硝率を向上さ
せることに繋がるが、尿素分解率を向上させる効果的な
方法は確立されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術に鑑み、還元剤として取り扱いが容易な尿素
水を用いても、比較的低温域で効率よくNOxを除去す
ることができる排ガス処理装置および処理方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発で特許請求される発明は以下のとおりである。 (1)排ガスを、排ガス煙道に設けられた脱硝触媒反応
器に導入し、脱硝触媒の存在下で窒素酸化物を還元、除
去する排ガス処理装置において、前記脱硝触媒反応器の
前流側の排ガス煙道に高温ガス供給配管を連結し、該高
温ガス供給配管に尿素水を注入する尿素水注入手段を設
けたことを特徴とする排ガス処理装置。 (2)前記高温ガス供給配管の尿素水注入手段との連結
部の後流に尿素分解触媒反応器を設けたことを特徴とす
る上記(1)記載の排ガス処理装置。
【0011】(3)前記尿素分解触媒が、活性成分とし
て金属酸化物または金属複合酸化物を用いたものである
ことを特徴とする上記(2)記載の排ガス処理装置。 (4)前記尿素分解触媒が、突条部を有する板状触媒か
らなり、隣接する板状触媒の突条部が相互に直交するよ
うに積層された板状触媒積層体であることを特徴とする
上記(2)または(3)記載の排ガス処理装置。 (5)前記尿素分解触媒が、突条部を有する板状触媒か
らなり、前記突条部がガス流れに対して0度よりも大き
く、90よりも小さい角をなすように積層された板状触
媒積層体であることを特徴とする上記(2)または
(3)に記載の排ガス処理装置。
【0012】(6)排ガスを、排ガス煙道に設けられた
脱硝触媒反応器に導入し、脱硝触媒の存在下で窒素酸化
物を還元、除去する排ガス処理方法において、前記脱硝
触媒反応器の前流側の排ガスに、加熱ガスを用いて尿素
水を注入し、尿素が分解して生成したアンモニアを脱硝
触媒反応の還元剤として用いることを特徴とする排ガス
処理方法。 (7)前記加熱ガスとして、300〜500℃の加熱空
気を用いることを特徴とする上記(6)記載の排ガス処
理方法。 (8)前記注入した尿素水に含まれる尿素を尿素分解触
媒で分解し、生成したアンモニアを脱硝触媒反応の還元
剤として用いることを特徴とする上記(6)または
(7)記載の排ガス処理方法。
【0013】本発明においては、排ガス処理装置の脱硝
触媒反応器における還元剤として、NH3 よりも取り扱
いが容易な尿素を尿素水の形態で用いる。すなわち、脱
硝触媒反応器の前流側に、加熱ガスを供給媒体として用
いて尿素水を注入し、尿素が水の存在下で分解して生成
するNH3 を還元剤として使用する。
【0014】尿素に熱を加えた際の分解反応は、下記
(1)〜(3)式に示すとおりである。
【0015】
【化1】
【0016】H2 Oが存在する場合、尿素は(1)式の
ように加水分解してNH3 とCO2が生成される。一
方、H2 Oが存在しない場合、穏やかな条件で加熱する
と(2)式のようにNH3 とビウレットが生成し、急激
に熱すると(3)式のようにNH3 とシアヌル酸が生成
する。緩慢加熱したときに生成するビウレットは、さら
に加熱するとアンメライドまたはアンメラインとなる。
これらは排ガス雰囲気条件では450℃程度まで固体で
あるために、煙道ダストや触媒反応器の目詰まりの原因
となる。従って排煙脱硝を行う際にこれらが発生するこ
とは避ける必要がある。一方、急激に加熱した場合に生
成するシアヌル酸は、最終的にはNH3 とイソシアン酸
とになる。シアヌル酸やイソシアン酸は脱硝触媒上でN
3 と同様の脱硝作用を起こすものの、分子量が大きい
のでNH3 に比べてガス中への拡散が起こりにくいう
え、他の副反応生成物を生成する可能性があるので、排
煙脱硝処理を行う際にこれらが生成することは好ましく
ない。
【0017】以上より、本発明では、尿素を熱分解では
なく、加水分解してNH3 を生成させ、このNH3 を脱
硝触媒反応の還元剤として用いる。例えば水分量が20
〜40%のごみ焼却炉の排ガス中に、水溶液状態の尿素
を高温ガス、例えば加熱空気を供給媒体として注入する
ことにより、尿素は前記(1)式のように加水分解して
NH3 が生成する。
【0018】本発明において、尿素水を注入する注入媒
体である高温ガスとしては、例えば加熱空気が用いられ
るが、窒素またはCO2 等の不活性ガスであってもよ
い。高温ガスのガス温度は300〜500°であり、好
ましくは350〜450°である。尿素水の注入媒体で
ある高温ガスの温度が低すぎると尿素分解率が低くて十
分な脱硝性能を得ることができない。この場合、尿素分
解触媒の量を増やしたり、尿素分解触媒後流の排ガス煙
道を長くすることによって対応することもできるが、ご
み焼却施設にとって省スペース化は重要問題であるた
め、本発明においては、ガス温度を300°以上として
尿素を効果的に分解する。一方、ガス温度が高すぎると
後流側の脱硝反応器におけるNOxの還元だけでなく、
NH3 の酸化反応が起こり、十分な脱硝性能は得られな
い。従って、本発明における尿素水の注入媒体である高
温ガスの温度は300〜500℃、好ましくは350〜
450°である。
【0019】本発明において、脱硝触媒反応器の前流側
に注入した尿素が十分に分解しないで残存する場合は、
尿素水注入位置の後流側に尿素分解触媒反応器を設ける
ことが好ましい。これによって、尿素が完全に分解して
NH3 となるので、後流の脱硝触媒の性能を最大限に引
き出すことができる。尿素分解触媒の触媒活性成分とし
ては、金属酸化物が用いられる。金属酸化物としては、
例えばAl2 3 、SiO2 、SiO2 −Al2 3
TiO2 、MoO3 、MgO、CaOなどが単独で、ま
たは複合酸化物として用いられる。また、上記金属酸化
物に、W、V、Fe、Mo、Co、Sn、Ni、Cr、
S、Mg、B、Ba、Laなどを添加することもでき
る。典型的なものとしては、例えばTiO2 とMoO3
の複合酸化物からなり、TiとMoの原子比が、例えば
92:8のものである。
【0020】尿素分解触媒の形状は、板状、ハニカム型
などのパラレルフロー型のもの、または粒状のものを用
いることができる。板状触媒の場合、突条部を設け、隣
接するエレメントの突条部の方向がガス流れに対して0
°よりも大きく、90°よりも小さい角度をなすように
触媒エレメントを多数積層した、いわゆるCrossU
ndulated構造のものが好ましい。これによって
前記エレメントの突条部間でガスの流れに乱れが生じ、
単位体積当たりの触媒性能が向上し、省スペース化が図
れるだけでなく、触媒の後流においても、乱流によって
ガス濃度が均一になるという利点がある。
【0021】なお、注入した尿素水が完全に気化されな
い場合、液層として残留する尿素水は、気相の場合より
も他の成分と反応し易く、触媒被毒物質の生成やスケー
リングの原因となる。従って、尿素水が尿素分解触媒反
応器を通り抜けてさらなる後流部においても液層のまま
で存在することは好ましくない。尿素分解触媒として、
Cross Undulated構造の板状触媒を用い
ることにより、例えば脱硫装置におけるミストエリミネ
ータと同様の原理によって尿素水が捕集され、尿素が液
層のままで触媒層を通り抜けることによる不都合を防止
することができる。
【0022】図5は、尿素を加水分解した際の尿素分解
率の温度依存性、および尿素分解触媒を併用した場合の
尿素分解率の温度依存性を比較して示したものである。
図において、触媒を用いない場合、尿素は雰囲気温度が
450℃以上で完全に分解する。一方、尿素分解触媒を
用いた場合、尿素は約300℃で完全に分解することが
分かる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を用いてさ
らに詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例を示
す、排ガス処理装置のフローを示す図である。この装置
が図3の従来装置と異なるところは、脱硝触媒反応器4
の前流の排ガス煙道11に、加熱空気注入装置5に連結
された高温ガス供給ライン10を連結し、該高温ガス供
給ライン10に、還元剤注入ライン9を介して還元剤注
入装置6を連結した点である。
【0024】このような構成において、都市ごみは焼却
炉1に導入されて燃焼する。焼却炉1から排出された燃
焼排ガスは、ガス冷却塔2で所定温度まで冷却されたの
ち、バグフィルタ3に流入し、ここでダストおよび塩化
水素(HCl)等が除去される。バグフィルタから流出
した排ガスは、次いで、脱硝触媒反応器4に流入する。
このとき還元剤注入装置6から払い出された、例えば5
wt%の尿素水溶液は、還元剤注入ライン9を経て高温
ガス供給ライン10に流通し、ここで、加熱空気注入装
置5から払い出された、例えば350℃の加熱空気と混
合して気化し、加水分解してNH3 を生成する。生成さ
れたNH3 は、高温ガス供給ライン10を流通して排ガ
ス煙道11に至り、ここでバグフィルタ3から流出した
排ガスと均一に混合して後流の脱硝触媒反応器4に流入
し、脱硝触媒の存在下で還元剤として作用して排ガス中
のNOxを還元、分解する。NOxが分解、除去された
排ガスは、処理ガスとして煙突8から大気に開放され
る。
【0025】本実施例によれば、高温ガスを供給するガ
ス供給ライン10を設け、この高温ガス供給ライン10
に還元剤注入装置6を連結したことにより、前記高温ガ
ス供給ライン10を流通する加熱空気中に、還元剤とし
て尿素水を注入することにより、尿素水は気化し易くな
り、容易に分解する。分解によって生成したNH3 は排
ガスと混合して均一に分散するので、脱硝触媒反応器4
において良好な脱硝反応が行われる。
【0026】本実施例において、尿素の分解が不十分で
あるときは、図2に示したように、高温ガス供給ライン
10の、還元剤注入ライン9との連結部の後流に尿素分
解触媒反応器7を設けることが好ましい。これによって
尿素の分解が促進し、注入した尿素水中の全尿素がほぼ
完全に分解してNH3 を生成するので、脱硝触媒反応器
4における脱硝性能がより向上する。
【0027】
【実施例】次に本発明の具体的実施例を説明する。 実施例1 図2の装置において、尿素分解触媒反応器7に充填する
尿素分解触媒として、TiO2 とMoO3 との複合酸化
物からなり、TiとMoの原子比が92:8である板状
触媒を、エレメント相互の間隔が6mmとなるように積
層した板状触媒積層体を用い、排ガス中のNOx量に対
する尿素のモル比が0.5、尿素分解触媒反応器における
反応温度が300℃、空間速度が20,000h-1とな
るように、加熱空気および尿素水を導入し、NOx濃
度:100ppm、O2 濃度:14%、H2 O濃度:1
0%を含む燃焼排ガスを、脱硝触媒反応器温度170℃
で脱硝処理した。このとき尿素分解触媒反応器における
圧力損失および後流の脱硝触媒反応器における脱硝率を
測定した。
【0028】実施例2 尿素分解触媒の形態を、隣接するエレメントの突条部の
方向がガス流れに対して45°の傾斜角を有するように
形成された触媒エレメント同士を積層した構造とした以
外は、上記実施例1と同様にして圧力損失および脱硝率
を測定した。 実施例3 尿素分解触媒の形態を、ピッチが6mmのハニカム形状
とした以外は、上記実施例1と同様にして同様の排ガス
脱硝試験を行った。
【0029】実施例4 尿素分解触媒層を設置しない以外は、上記実施例1と同
様にして排ガスの脱硝試験を行った。 比較例1 図4の装置において、脱硝触媒反応器4の前流の煙道領
域に、排ガス中のNOx量に対する尿素のモル比が0.5
となるように、5wt%尿素水を直接導入した以外は前
記実施例1と同じ条件で脱硝処理したときの脱硝率を測
定した。
【0030】実施例1〜4および比較例1の結果を表1
に示す。ここで、脱硝反応速度係数比は反応速度係数の
実施例1に対する比として示した。なお、反応速度係数
Kは、 K=−a・ln(1−η/100) ここで、a:面積速度、η:脱硝率である。
【0031】
【表1】
【0032】表1において、本発明の実施例1〜3によ
れば、尿素分解反応器を設けたことにより、低温域であ
っても、還元剤として注入した尿素を効率よく加水分解
することができ、生成したNH3 が排ガス中に均一に分
散するので、脱硝触媒反応器において排ガス中のNOx
を効果的に還元、除去できたことが分かる。
【0033】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、脱
硝触媒反応器の前流側の排ガス煙道に高温ガス供給配管
を連結し、該高温ガス供給配管に尿素水注入手段を設け
たことにより、取り扱いが容易な尿素を尿素水として高
温ガスとともに注入し、尿素を加水分解してNH3 を生
成させ、該NH3 を脱硝反応の還元剤として使用するこ
とができる。
【0034】本願の請求項2記載の発明によれば、高温
ガス供給配管の尿素水注入手段との連結部の後流に尿素
分解触媒反応器を設けたことにより、上記発明の効果に
加え、尿素の分解率が向上するので、比較的低温度雰囲
気においても、脱硝触媒反応器における脱硝率が向上す
る。本願の請求項3記載の発明によれば、尿素分解触媒
の活性成分として金属酸化物または金属複合酸化物を用
いたことにより、上記発明の効果に加え、尿素の分解が
促進し、結果として脱硝触媒反応器における脱硝性能が
向上する。
【0035】本願の請求項4記載の発明によれば、尿素
分解触媒を、突条部を有する板状触媒からなり、隣接す
る板状触媒の突条部が相互に直交するように積層された
板状触媒積層体としたことにより、上記発明の効果に加
え、ガス流が乱れて単位体積当たりの尿素分解性能が向
上する。従って脱硝率も向上する。本願の請求項5記載
の発明によれば、尿素分解触媒を、突条部を有する板状
触媒からなり、前記突条部がガス流れに対して0度より
も大きく、90よりも小さい角をなすように積層された
板状触媒積層体としたことにより、上記発明と同様に、
ガス流が乱れて単位体積当たりの尿素分解性能が向上
し、これに伴って脱硝性能も向上する。
【0036】本願の請求項6記載の発明によれば、脱硝
触媒反応器の前流側の排ガスに、加熱ガスを用いて尿素
水を注入することにより、注入した尿素が加水分解して
NH 3 が生じ、このNH3 を脱硝触媒反応の還元剤とし
て用いて効率のよい脱硝処理操作を行うことができる。
本願の請求項7記載の発明によれば、加熱ガスとして、
300〜500℃の加熱空気を用いることにより、上記
発明の効果に加え、尿素の分解が促進し、NH 3 生成率
がよくなるので、脱硝触媒反応器における脱硝率が向上
する。
【0037】本願の請求項8記載の発明によれば、注入
した尿素を尿素分解触媒を用いて分解し、生成したアン
モニアを脱硝触媒反応の還元剤として用いることによ
り、上記発明の効果に加え、尿素をほぼ完全に分解して
NH3 を生成させることができるので、NOxの除去率
が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス処理装置を示す説明
図。
【図2】本発明の他の実施例を示す説明図。
【図3】従来技術の説明図。
【図4】従来技術を示す図。
【図5】尿素分解率の温度依存性を示した図。
【符号の説明】
1…焼却炉、2…ガス冷却塔、3…バグフィルタ、4…
脱硝触媒反応器、5…加熱空気注入装置、6…還元剤注
入装置、7…尿素分解触媒反応器、8…煙突、9…還元
剤注入ライン、10…高温ガス供給ライン、11…排ガ
ス煙道。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 良之 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 永井 良憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスを、排ガス煙道に設けられた脱硝
    触媒反応器に導入し、脱硝触媒の存在下で窒素酸化物を
    還元、除去する排ガス処理装置において、前記脱硝触媒
    反応器の前流側の排ガス煙道に高温ガス供給配管を連結
    し、該高温ガス供給配管に尿素水を注入する尿素水注入
    手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 前記高温ガス供給配管の尿素水注入手段
    との連結部の後流に尿素分解触媒反応器を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 前記尿素分解触媒が、活性成分として金
    属酸化物または金属複合酸化物を用いたものであること
    を特徴とする請求項2記載の排ガス処理装置。
  4. 【請求項4】 前記尿素分解触媒が、突条部を有する板
    状触媒からなり、隣接する板状触媒の突条部が相互に直
    交するように積層された板状触媒積層体であることを特
    徴とする請求項2または3記載の排ガス処理装置。
  5. 【請求項5】 前記尿素分解触媒が、突条部を有する板
    状触媒からなり、前記突条部がガス流れに対して0度よ
    りも大きく、90よりも小さい角をなすように積層され
    た板状触媒積層体であることを特徴とする請求項2また
    は3記載の排ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 排ガスを、排ガス煙道に設けられた脱硝
    触媒反応器に導入し、脱硝触媒の存在下で窒素酸化物を
    還元、除去する排ガス処理方法において、前記脱硝触媒
    反応器の前流側の排ガスに、加熱ガスを用いて尿素水を
    注入し、尿素が分解して生成したアンモニアを脱硝触媒
    反応の還元剤として用いることを特徴とする排ガス処理
    方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱ガスとして、300〜500℃
    の加熱空気を用いることを特徴とする請求項6記載の排
    ガス処理方法。
  8. 【請求項8】 前記注入した尿素水に含まれる尿素を尿
    素分解触媒で分解し、生成したアンモニアを脱硝触媒反
    応の還元剤として用いることを特徴とする請求項6また
    は7記載の排ガス処理方法。
JP8282375A 1996-10-24 1996-10-24 排ガス処理装置および処理方法 Pending JPH10118456A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010048456A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Takuma Co Ltd 排ガス処理装置及び排ガス処理方法
WO2023020295A1 (zh) * 2021-08-19 2023-02-23 南京工业大学 一种双功能粉剂及其制备方法和应用

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