JPH10118004A - 蛍光撮像装置 - Google Patents

蛍光撮像装置

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JPH10118004A
JPH10118004A JP8282415A JP28241596A JPH10118004A JP H10118004 A JPH10118004 A JP H10118004A JP 8282415 A JP8282415 A JP 8282415A JP 28241596 A JP28241596 A JP 28241596A JP H10118004 A JPH10118004 A JP H10118004A
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image
raman
fluorescent
fluorescence
excitation light
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JP8282415A
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Kazuo Hakamata
和男 袴田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光撮像装置において、観察部における励起
光の照度分布の不均一性に起因する蛍光像のむらを除去
する。 【解決手段】 蛍光を発する光感受性物質の励起波長領
域にある励起光L1を、導入管14aを介して生体50の内
部の観察部52に向けて導く。この観察部52から発せられ
る蛍光L2による蛍光像を蛍光像撮像素子22により撮像
するとともに、励起光L1が観察部52に照射されたこと
により生じるラマン効果によるこの観察部52の生体物質
が発するラマン線L3によるラマン像をラマン像撮像素
子23により撮像する。この観察部52の蛍光像を示す画像
信号S2およびラマン像を示す画像信号S3を画像処理
装置40に入力し、画像処理装置40によりラマン像を示す
画像信号S4を用いて蛍光像を示す画像信号S2を規格
化する等の画像処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光を発する光感
受性物質を吸収している生体の観察部に励起光を照射
し、そのとき該光感受性物質から発せられる蛍光による
画像を撮像する蛍光撮像装置、特に励起光の照度分布に
応じた補正を行うための画像信号に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般にPDD(Photodynamic
Diagnosis)と称される光力学診断についての研究が種
々なされている。このPDDとは、腫瘍親和性を有し、
光により励起されたとき蛍光を発する光感受性物質を予
め生体の腫瘍部分に吸収させておき、その部分に光感受
性物質の励起波長領域にある励起光を照射して蛍光を生
じさせ、この蛍光による画像を表示して腫瘍部分を診断
する技術である。
【0003】例えば特公昭63−9464号公報、特開
平1−136630号公報、特開平7−59783号公
報には、このPDDを行なうための蛍光診断装置が開示
されている。この種の蛍光診断装置は基本的に、光感受
性物質の励起波長領域にある励起光を生体に対して照射
する励起光照射手段と、光感受性物質が発する蛍光を検
出して生体の蛍光像を撮像する手段と、この撮像手段の
出力を受けて上記蛍光像を表示する画像表示手段とから
なるものであり、多くの場合、体腔内部に挿入される内
視鏡や、手術用顕微鏡等に組み込まれた形に構成され
る。
【0004】また、特に上述のような2次元的蛍光像を
撮像せずに、生体部位上の一点毎に蛍光強度を検出する
ことにより、その一点が腫瘍部分であるか否かを診断で
きるようにした蛍光診断装置も提案されている(例えば
本出願人による特願平7−252295号明細書参
照)。
【0005】ところで、上述のような蛍光診断装置にお
いては、生体の部位に凹凸が有るために、また励起光照
射系から生体までの距離が均一ではないために、生体の
励起光照射部分における励起光照度は一般に不均一であ
る。このように励起光照度が不均一であると、励起光照
度の高低に応じて蛍光強度が変化するので、それによっ
て腫瘍部分の診断を誤ることも有り得る。
【0006】そこで、このような励起光照度の分布を補
償するために、例えば特開昭62−247232号公
報、特公平3−58729号公報に示されるように、蛍
光像を撮像する際に生体で反射した励起光による反射像
も撮像し、蛍光画像信号を、この反射像を示す画像信号
で割算して規格化することが考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、蛍光診断装置
において通常用いられる励起光の波長範囲は、紫外部か
ら可視部(300〜600nm程度)にあり、このよう
な励起光は人体等の生体に大きく吸収されてしまう。こ
のように励起光が生体に大きく吸収されると、前記反射
像を示す画像信号は励起光照度分布だけではなく、この
吸収の分布も反映したものとなってしまい、この画像信
号を用いて前述の規格化を行なっても、励起光照度の分
布を正確に補償することは不可能となる。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、生体における励起光照度の分布を正確に補償
し、蛍光像の強度のむらを精度良く除去しうる蛍光撮像
装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による蛍光撮像装
置は、励起光の照度分布の不均一性に起因する蛍光像の
強度のむらを補正する手段として、励起光が生体の観察
部に照射されたことにより生じるラマン効果による前記
観察部の生体物質が発するラマン線を検出して、このラ
マン線の画像を撮像して得られるラマン像を示す画像信
号を使用することをを特徴とするものである。
【0010】すなわち、本発明による蛍光撮像装置は、
蛍光を発する光感受性物質を吸収している生体の観察部
に、該光感受性物質の励起波長領域にある励起光を照射
する励起光照射手段と、上記光感受性物質が発する蛍光
を検出して生体の蛍光像を撮像する蛍光像撮像手段と、
上記励起光が前記観察部に照射されたことにより生じる
ラマン効果による該観察部の生体物質が発するラマン線
を検出して、該観察部の該ラマン線の画像を撮像するラ
マン像撮像手段と、前記ラマン像撮像手段の出力に基づ
いて、前記励起光の前記観察部の照度分布を解析し、前
記励起光の前記観察部の照度分布の不均一性に起因する
蛍光像の強度のむらを除去するように補正する画像処理
手段とを備えたことを特徴とするものである。なお、前
記画像処理手段は、上述のように前記観察部の反射像を
撮像し、蛍光画像信号をこの反射像を示す画像信号で割
算して規格化する方法と同様に、該蛍光画像信号を、前
記ラマン線の画像を示す画像信号で割算して規格化する
方法等、ラマン線の画像を示す画像信号を用いて該蛍光
像の強度補正を行うものであればいずれの方法を採用す
るものであっても良い。
【0011】また、本発明による蛍光撮像装置は、さら
に、前記生体の内部に先端が導入される導入管を備え、
前記励起光が、該導入管の先端部から前記生体の内部の
観察部に出射され、前記蛍光像撮像手段および/または
ラマン像撮像手段が、該導入管の先端部に配されている
ことを特徴とするものである。
【0012】なお、本発明による蛍光撮像装置において
は、前記生体物質が、前記観察部に含まれる水であるこ
とが望ましい。
【0013】
【発明の効果】上述のとおり本発明の蛍光撮像装置にお
いては、励起光の照度分布の不均一性に起因する蛍光像
の強度のむらを補正する手段として、励起光が生体の観
察部に照射されたことにより生じるラマン効果による前
記観察部の生体物質が発するラマン線を使用している。
【0014】ラマン効果は、単色光を物質にあてて散乱
させるとき、散乱光のうちに、その物質に特有な量だけ
波長が変わった光が混ざってくる現象であり、ラマン効
果による散乱光のスペクトルの線をラマン線と呼んでい
る。このラマン線の強度はは、前記単色光が物質に照射
されたときの物質の存在量に比例し、また、前記単色光
の強度にも比例する。さらに、このラマン線は、前記物
質に固有の振動エネルギー分だけ波長シフトした光であ
り、物質による吸収の影響を受けない。したがって、前
記単色光として励起光を使用し生体内部の観察部に照射
することによって、この観察部の生体物質から発生する
ラマン線の画像を撮像して得られるラマン像を示す画像
信号は、上記生体内部の観察部における吸収の影響を受
けることなく、ほぼ観察部における励起光照度のみを反
映した画像信号となる。このラマン像を示す画像信号を
用いて前述の規格化を行う等の画像処理を行なうことに
より、励起光照度分布の不均一性に起因する蛍光像の強
度のむらを精度良く除去できる。
【0015】また、本発明による蛍光撮像装置において
は、生体の内部に先端が導入される導入管を有するもの
であってもよく、いわゆる蛍光内視鏡に適する蛍光撮像
装置を構成できる。この場合、前記蛍光像撮像手段およ
び/またはラマン像撮像手段をこの導入管の先端部に配
設することもでき、CCD固体撮像素子等を使用するこ
とができる。従って、蛍光像および/またはラマン像
を、イメージガイドを介さずに前記導入管の先端部にて
直接的に撮像できるため、高感度でS/Nの良好な蛍光
像および/またはラマン像を撮像でき、前記画像処理を
さらに精度良く行うことができるようになる。
【0016】なお、これに合わせて通常像を撮像する手
段も前記導入管の先端部に配設することができ、通常像
を撮像する手段としてCCD固体撮像素子等を用いるこ
とにより、高精細の通常像を撮像することも可能とな
る。
【0017】また、生体の観察部には水が多く含まれて
おり、他の生体成分(例えば、NH分子やCH分子な
ど)のラマン線よりも非常に強く、かつ、該観察部に限
れば水は均一に存在すると考えられる。したがって、こ
の水のラマン線を使用することにより、さらに精度の良
い前記画像処理が可能となる。
【0018】本発明による蛍光撮像装置を適用した蛍光
診断装置や蛍光内視鏡を医療現場で使用すれば、生体の
観察部の蛍光像を良好な映像として画像表示装置に表示
することができるため、診断の精度を向上させることが
できる。また、術者はこの表示画像を参考にして腫瘍の
浸潤範囲を把握し、適切な切除範囲を決定することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態である蛍光撮像装置を蛍光内視鏡に適用したブロ
ック図を示すものである。
【0020】内視鏡14は可撓性を有する導入管14aを有
しており、この導入管14aの先端部が生体50の内部の観
察部52の近傍まで挿入されている。
【0021】光源10が、生体の外部に配設されている。
この光源10は、例えば波長が405nmの水銀灯の輝線
の励起光L1をパルス状に発する励起光源と、白色光で
ある照明光L4をパルス状に発する照明光源とを有して
おり、画像処理装置40からの光源制御信号S1により各
種画像信号S2、S3、S4と同期しつつ、励起光源と
照明光源の点滅が制御されている。
【0022】導入管14aには、光源から発せられた励起
光L1を該導入管14aを介して生体内に導光する光ファ
イバ束からなるライトガイド(図示せず)と照明光L4
を該導入管14aを介して生体内に導光する光ファイバ束
からなるライトガイド(図示せず)により構成されるラ
イトガイド13が納められている。また、生体50の内部の
観察部52より発せられる蛍光L2、ラマン線L3および
該観察部52で反射した照明光L4を該導入管14aを介し
て生体外に導光するイメージガイド11を有する。
【0023】前記生体50の内部の観察部52で発生する蛍
光L2、ラマン線L3および該観察部52で反射した照明
光L4の一部は、導入管42aの先端部にてイメージガイ
ド11に入射する。その際、導入管42aの先端部に配
設された結像レンズ(図示せず)により前記観察部52の
蛍光像、ラマン像および通常像がイメージガイド11の端
面に結像され、このイメージガイド11によって生体外ま
で導かれて、集光レンズ21に入射する。
【0024】上記導入管14aに納められたイメージガイ
ド11の後端(図1中の内視鏡14の右端)に近接した位置
には、集光レンズ21、光分岐手段としてのノッチフィル
タM2、ノッチフィルタM3、投影レンズ24、光学フィ
ルタF4、通常像撮像素子34がこの順に配設されてい
る。また、ノッチフィルタM2の下方近傍には投影レン
ズ22、光学フィルタF2、蛍光像撮像素子32がこの順に
配設され、さらに、ノッチフィルタM3の下方近傍には
投影レンズ23、光学フィルタF3、ラマン像撮像素子34
がこの順に配設されている。また、蛍光像撮像素子32、
ラマン像撮像素子33および通常像撮像素子34の各出力は
画像処理装置40に入力され、さらに、画像処理装置40の
出力はCRT等からなる画像表示装置42に入力される。
【0025】ノッチフィルタM2およびM3は、遮断特
性の急峻な光学フィルタであり、特定の波長の光のみを
遮断し残余の波長成分の光を損失なく透過させるととも
に、この特定の波長の光のみを反射させる性質を有す
る。ノッチフィルタM2は、遮断波長が蛍光L2の波長
と合うように選ばれており、後述のようにしてそこに入
射してくるラマン線L3および照明光L4を透過させ蛍
光L2のみを遮断する性質を有する。ノッチフィルタM
2で反射した蛍光L2は前記投影レンズ22へ入射する。
なお、ノッチフィルタM2の代わりに、入射してくる蛍
光L2のみを反射し、残余のラマン線L3および照明光
L4を透過させる性質を有するダイクロイックミラーを
用いることもできる。
【0026】ノッチフィルタM3は、遮断波長がラマン
線L3の波長と合うように選ばれており、後述のように
してノッチフィルタM2を透過したラマン線L3のみを
反射し、照明光L4を透過させる性質を有する。ノッチ
フィルタM3で反射したラマン線L3は前記投影レンズ
23へ入射する。ノッチフィルタM3を透過した照明光L
4は前記投影レンズ24へ入射する。
【0027】以下、上記構成の蛍光撮像装置の作用につ
いて説明する。生体50の内部の観察部52には、腫瘍親和
性を有し、光により励起されたとき蛍光を発する光感受
性物質が予め吸収されている。この光感受性物質として
は、例えばポルフィリン系のものが用いられる。励起光
L1あるいは照明光L4が観察部52に照射されると、そ
れらの光は観察部52で反射し、また特に励起光L1が照
射された場合は、上記光感受性物質から蛍光L2(多く
の診断薬においては600〜700nm)が発せられ
る。
【0028】本例においては、図2に示すように光源10
を構成する励起光源と照明光源とが、一方が点灯してい
るときは他方が休止するように、それぞれ短い周期T
(例えば1/30秒あるいは1/60秒)で交互に点灯
する。そこで観察部52には、ライトガイド13を構成する
励起光用ライトガイドから励起光L1が、そしてライト
ガイド13を構成する照明光用ライトガイドから照明光L
4が、短い時間間隔で交互に照射される。
【0029】また蛍光像撮像素子32、ラマン像撮像素子
33および通常像撮像素子34は、励起光源と照明光源の駆
動と同期させて、図2に示すように励起光源が点灯して
いるとき蛍光像撮像素子32およびラマン像撮像素子33が
撮像動作し、照明光源が点灯しているとき通常像撮像素
子34が撮像動作するように駆動制御される。
【0030】励起光L1が導入管42aの先端部から前記
観察部52に照射されたとき、該観察部52に吸収されてい
る光感受性物質から発せられた蛍光L2は、導入管42a
の先端部にてイメージガイド11に入射する。その際、導
入管42aの先端部に配設された結像レンズ(図示せず)
により該蛍光L2による前記観察部52の蛍光像がイメー
ジガイド11の端面に結像され、この蛍光像はイメージガ
イド11によって生体外まで導かれて、集光レンズ21に入
射しノッチフィルタM2で反射して、投影レンズ22およ
び蛍光L2のみを透過させる光学フィルターF2を透過
し蛍光像撮像素子32に入射する。その際、投影レンズ22
により該蛍光L2による観察部52の蛍光像が該蛍光像撮
像素子32上に結像され、この蛍光像が該蛍光像撮像素子
32により撮像される。こうして撮像された蛍光像を示す
蛍光画像信号S2が、画像処理装置40に入力される。前
記光感受性物質は腫瘍親和性を有するので、基本的に腫
瘍部分のみが蛍光像として示されるようになる。
【0031】一方、観察部52に励起光L1が照射された
ことにより生じるラマン効果による観察部52に含まれる
物質(例えば水など)が発するラマン線L3は、導入管
42aの先端部にてイメージガイド11に入射する。その
際、導入管42aの先端部に配設された結像レンズ(図示
せず)により該ラマン線L3による前記観察部52のラマ
ン像がイメージガイド11の端面に結像され、このラマン
像はイメージガイド11によって生体外まで導かれて、集
光レンズ21に入射しノッチフィルタM2を透過する。ノ
ッチフィルタM2を透過したラマン線L3は、ノッチフ
ィルタM3で反射して、投影レンズ23およびラマン線L
3のみを透過させる光学フィルターF3を透過しラマン
像撮像素子33に入射する。その際、投影レンズ23により
該ラマン線L3による観察部52のラマン像が該ラマン像
撮像素子33上に結像され、このラマン像が該ラマン像撮
像素子33により撮像される。こうして撮像されたラマン
像を示すラマン画像信号S3が、画像処理装置40に入力
される。
【0032】例えば、励起光源として波長が405nm
の水銀灯の輝線の励起光L1を使用し、観察部52に含ま
れる水が発するラマン線L3を考える場合、水のラマン
線は、波長472nm付近に生じる。また、上述のよう
に、観察部52の光感受性物質から発せられる蛍光L2
は、多くの診断薬においては波長が600〜700nm
であるから、水のラマン線L3は蛍光診断薬の影響を受
けにくく、蛍光L2とラマン線L3を光学フィルタF2
およびF3により確実に分別し撮像することができる。
【0033】しかし、励起光源として波長が405nm
の水銀灯の輝線の励起光L1を使用した場合、生体の自
家蛍光を生じさせ易く蛍光像が観察部の状態を正確に示
さないという問題を有するため、自家蛍光の比較的大き
な観察部の場合には、この波長が405nmの水銀灯の
輝線を励起光L1として使うことは困難である。自家蛍
光の影響は、励起波長が600nmより長波長では少な
いということが知られており、このような場合は、蛍光
診断薬のQバンド励起による方法を用いることができ
る。例えば、蛍光診断薬ATX−S10のQバンドは6
30nm付近にあり、この波長の光を励起光L1として
使用すると670nm付近に蛍光L2を生じ、水のラマ
ン線は810nm付近に生じる。したがって、前例と同
様、蛍光L2とラマン線L3を光学フィルタF2および
F3により確実に分別し撮像することができ、かつ、生
体の自家蛍光の影響を受けないことから自家蛍光の比較
的大きな観察部においても蛍光像を正確に示すことがで
きるようになる。また、励起光からラマン線までの波長
帯域が200nm弱であるため、光学系の波長分散の影
響を最小にするように設計することも可能となる。
【0034】他方、照明光L4が導入管42aの先端部か
ら前記観察部52に照射されたとき、該観察部52で反射し
た照明光L4の一部は、導入管42aの先端部にてイメー
ジガイド11に入射する。その際、導入管42aの先端部に
配設された結像レンズ(図示せず)により該照明光L4
による前記観察部52の通常像がイメージガイド11の端面
に結像され、この通常像はイメージガイド11によって生
体外まで導かれて、集光レンズ21に入射し、ノッチフィ
ルタM2およびノッチフィルタM3を透過する。ノッチ
フィルタM3を透過した照明光L4は、投影レンズ24を
透過し、励起光およびラマン線をカットする光学フィル
ターF4を透過し通常像撮像素子34に入射する。その
際、投影レンズ24により該照明光L4による観察部52の
通常像が該通常像撮像素子34上に結像され、この通常像
が該通常像撮像素子34により撮像される。こうして撮像
された通常像を示す画像信号S4が、画像処理装置40に
入力される。
【0035】以上説明した通り、本例においては蛍光像
およびラマン像と通常像とが、1/30秒あるいは1/
60秒という短い周期Tで交互に撮像されるから、画像
処理装置40においては蛍光像を示す蛍光画像信号S2、
ラマン像を示すラマン画像信号S3および通常像を示す
通常画像信号S4をリアルタイムで処理することができ
ようになる。従って、該画像処理装置40により、前記ラ
マン像を示す画像信号S4を用いて前述の規格化を行う
等の画像処理を行なうことにより、励起光照度分布の不
均一性に起因する蛍光像の強度のむらを精度良く除去で
きる。この蛍光像の強度のむらの除去された補正蛍光画
像を画像表示装置42に表示することにより、診断に適す
る蛍光像がリアルタイムで表示されるようになる。ま
た、蛍光像が示す腫瘍の位置を容易に特定できるよう
に、画像表示装置42において補正蛍光画像と通常像とを
重ね合わせて表示することも可能である。これにより、
診断の精度の向上がさらに期待できる。
【0036】次に図3を参照して、本発明の第2の実施
の形態による蛍光撮像装置について説明する。なおこの
図3において、図1中の要素と同等の要素には同番号を
付し、それらについての説明は特に必要の無い限り省略
する。
【0037】この第2の実施形態も蛍光内視鏡に本発明
の蛍光撮像装置を適用したものであり、生体の内部に先
端が導入される導入管14aを有し、蛍光像、ラマン像お
よび通常像の各撮像手段を、該導入管14aの先端部に配
設した構成を採っている。以下、この導入管14aの先端
部の蛍光像、ラマン像および通常像の各撮像手段を中心
に説明する。
【0038】励起光用ライトガイドおよび照明光用ライ
トガイドより構成されるライトガイド13が可撓性を有す
る導入管14aに納められている。
【0039】導入管14aの先端部(図3中の左端)に
は、結像レンズ20、光分岐手段としてのダイクロイック
ミラーM2、撮像素子30がこの順に配設され、さらにダ
イクロイックミラーM2の下方近傍には蛍光L2のみを
透過させる光学フィルタF2、蛍光像撮像素子32がこの
順に配設されている。撮像素子30からラマン像を示すラ
マン画像信号S3と通常像を示す通常画像信号S4が出
力され、導入管14aを介して生体外に導かれ、第1の実
施例と同様に画像処理装置40に入力される。撮像素子30
は、後述のように、ラマン像を示すラマン画像信号S3
と通常像を示す通常画像信号S4を交互に出力する。
【0040】ダイクロイックミラーM2は、後述のよう
にしてそこに入射してくる蛍光L2のみを反射し、残余
のラマン線L3および照明光L4を透過させる性質を有
する。ダイクロイックミラーM2を透過したラマン線L
3および照明光L4は、図3中右方への光路を進行し
て、撮像ユニット30に入射する。一方、ダイクロイック
ミラーM2で反射した蛍光L2は、図3中下方への光路
を進行して、上記光学フィルタF2を透過し蛍光像撮像
素子32に入射する。蛍光像撮像素子32の出力も導入管14
aを介して生体外に導かれ、同様に画像処理装置40に入
力される。
【0041】なお、各種撮像素子は、CCD固体撮像素
子を使用している。
【0042】一方、光源10、画像処理装置40、画像表示
装置42は第1の実施形態と同様である。また、撮像素子
30および蛍光像撮像素子32は、励起光源と照明光源の駆
動と同期させて、図4に示すように励起光源が点灯して
いるとき蛍光像撮像素子32が撮像動作をするとともに撮
像素子30がラマン像を撮像動作し、照明光源が点灯して
いるとき撮像素子30が通常像を撮像動作するように駆動
制御される。したがって、撮像素子30は、励起光源と照
明光源の駆動と同期しながら、ラマン像および通常像を
交互に撮像動作を行うこととなる。
【0043】以下、上記構成の蛍光撮像装置の作用につ
いて説明する。励起光L1が導入管42aの先端部から前
記観察部52に照射されたとき、該観察部52に吸収されて
いる光感受性物質から発せられた蛍光L2は、導入管42
aの先端部に配設された結像レンズ20に入射しダイクロ
イックミラーM2で反射して、蛍光L2のみを透過させ
る光学フィルターF2を透過し蛍光像撮像素子32に入射
する。その際、結像レンズ20により該蛍光L2による観
察部52の蛍光像が該蛍光像撮像素子32上に結像され、こ
の蛍光像が該蛍光像撮像素子32により撮像される。こう
して撮像された蛍光像を示す蛍光画像信号S2が、導入
管42aを介して生体外に導かれ、画像処理装置40に入力
される。前記光感受性物質は腫瘍親和性を有するので、
基本的に腫瘍部分のみが蛍光像として示されるようにな
る。
【0044】一方、観察部52に励起光L1が照射された
ことにより生じるラマン効果による観察部52に含まれる
物質(例えば水など)が発するラマン線L3は、導入管
42aの先端部に配設された前記結像レンズ20に入射しダ
イクロイックミラーM2を透過する。さらに、照明光L
4が導入管42aの先端部から前記観察部52に照射された
とき、該観察部52で反射した照明光L4の一部も、前記
導入管42aの先端部に配設された前記結像レンズ20に入
射しダイクロイックミラーM2を透過する。ダイクロイ
ックミラーM2を透過したラマン線L3および照明光L
4は、撮像素子30に入射する。その際、結像レンズ20に
より該ラマン線L3による観察部52のラマン像および該
照明光L4による観察部52の通常像が該撮像素子30上に
結像され、ラマン像および通常像が該撮像素子30により
撮像される。こうして撮像されたラマン像を示すラマン
画像信号S3および通常像を示す画像信号S4が、導入
管42aを介して生体外に導かれ、画像処理装置40に入力
される。画像処理装置40により、前記ラマン像を示す画
像信号S4を用いて前述の規格化を行う等の画像処理を
行なうことにより、励起光照度分布の不均一性に起因す
る蛍光像の強度のむらを除去できる。
【0045】ところで、この第2の実施形態の蛍光撮像
装置においては、上述のように、生体の内部に先端が導
入される導入管42aを有しており、撮像素子30および蛍
光像撮像素子32としてCCD固体撮像素子を使用して導
入管14aの先端部で直接に蛍光像、ラマン像および通常
像を撮像しているため、蛍光像およびラマン像を高感度
かつS/Nの良好な画像として撮像できる。従って、画
像処理装置40により、前記ラマン像を示す画像信号S4
を用いて前述の規格化を行う等の画像処理を行なうこと
により、励起光照度分布の不均一性に起因する蛍光像の
強度のむらを精度良く除去でき、蛍光像およびラマン像
が高感度かつS/Nの良好な画像として得られているの
で、その精度もより改善されたものとなる。さらに、通
常像についても高精細に撮像することができるので、よ
り観察に適する通常像を画像表示装置42に表示できるよ
うになる。また、撮像素子30は、励起光源と照明光源の
駆動と同期しながら、ラマン像および通常像を交互に撮
像動作を行っており、撮像素子を共用しているため、導
入管14aの先端部に配設する場合に、個別に撮像素子を
用いる場合に比較してスペースの制約を受けずに実現す
ることができるため、蛍光内視鏡へ本発明を適用するこ
とがより容易となる。
【0046】一方、第1の実施例と同様に、蛍光像およ
びラマン像と通常像とが、1/30秒あるいは1/60
秒という短い周期Tで交互に撮像されるから、画像処理
装置40においては蛍光像を示す蛍光画像信号S2、ラマ
ン像を示すラマン画像信号S3および通常像を示す通常
画像信号S4をリアルタイムで処理することができ、蛍
光像の強度のむらの除去された補正蛍光画像を画像表示
装置42に表示することにより、診断に適する蛍光像がリ
アルタイムで表示されるようになる。また、蛍光像が示
す腫瘍の位置を容易に特定できるように、画像表示装置
42において補正蛍光画像と通常像とを重ね合わせて表示
することも可能である。これにより、診断の精度の向上
がさらに期待できる。
【0047】なお、以上説明した2つの実施形態の蛍光
撮像装置は、いずれも蛍光内視鏡として構成されたもの
であるが、本発明はこのような蛍光内視鏡に限らず、手
術用顕微鏡に組み込まれた蛍光診断装置等に対しても適
用可能であり、そして同様の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である蛍光撮像装置を
示すブロック図
【図2】図1中の蛍光撮像装置における光源点灯と各撮
像素子の動作のタイミングを示すタイミングチャート
【図3】本発明の第2の実施形態である蛍光撮像装置の
導入管先端部を示す概略側面図
【図4】図2中の蛍光撮像装置における光源点灯と各撮
像素子の動作のタイミングを示すタイミングチャート
【符号の説明】
10 光源 11 イメージガイド 12,13 ライトガイド 14 内視鏡 14a 導入管 20 結像レンズ 21 集光レンズ 22,23,24 投影レンズ 30 撮像素子 32 蛍光像撮像素子 33 ラマン像撮像素子 34 通常像撮像素子 40 画像処理装置 42 画像表示装置 50 生体 52 観察部 F2,F3,F4 光学フィルタ L1 励起光 L2 蛍光 L3 ラマン線 L4 照明光 M2 ノッチフィルタまたはダイクロイックミラー M3 ノッチフィルタ S1 光源制御信号 S2 蛍光画像信号 S3 ラマン画像信号 S4 通常画像信号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光を発する光感受性物質を吸収してい
    る生体の観察部に、該光感受性物質の励起波長領域にあ
    る励起光を照射する励起光照射手段と、 前記光感受性物質が発する蛍光を検出して生体の蛍光像
    を撮像する蛍光像撮像手段と、 前記励起光が前記観察部に照射されたことにより生じる
    ラマン効果による該観察部の生体物質が発するラマン線
    を検出して、該観察部の該ラマン線の画像を撮像するラ
    マン像撮像手段と、 前記ラマン像撮像手段の出力に基づいて、前記励起光の
    前記観察部の照度分布を解析し、前記励起光の前記観察
    部の照度分布の不均一性に起因する蛍光像の強度のむら
    を除去するように補正する画像処理手段とを備えたこと
    を特徴とする蛍光撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記生体の内部に先端が導入される導入
    管を備え、 前記励起光が、該導入管の先端部から前記生体の内部の
    観察部に出射され、前記蛍光像撮像手段および/または
    ラマン像撮像手段が、該導入管の先端部に配されている
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記生体物質が、前記観察部に含まれる
    水であることを特徴とする請求項1または2記載の蛍光
    撮像装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001190489A (ja) * 2000-01-17 2001-07-17 Fuji Photo Film Co Ltd 蛍光撮像装置
JP2006187598A (ja) * 2004-12-08 2006-07-20 Olympus Corp 蛍光内視鏡装置及びそれに用いる撮像ユニット
JP2019072557A (ja) * 2011-08-12 2019-05-16 インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド 外科手術器具の画像取込み装置
US10809519B2 (en) 2011-08-12 2020-10-20 Kitagawa Industries Co., Ltd. Increased resolution and dynamic range image capture unit in a surgical instrument and method
US10973398B2 (en) 2011-08-12 2021-04-13 Intuitive Surgical Operations, Inc. Image capture unit in a surgical instrument

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