JPH10112274A - 電子銃 - Google Patents

電子銃

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JPH10112274A
JPH10112274A JP8265812A JP26581296A JPH10112274A JP H10112274 A JPH10112274 A JP H10112274A JP 8265812 A JP8265812 A JP 8265812A JP 26581296 A JP26581296 A JP 26581296A JP H10112274 A JPH10112274 A JP H10112274A
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anode
electrode
electron gun
cathode
control
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JP8265812A
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English (en)
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Mamoru Nakasuji
護 中筋
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J3/00Details of electron-optical or ion-optical arrangements or of ion traps common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J3/02Electron guns
    • H01J3/029Schematic arrangements for beam forming
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2223/00Details of transit-time tubes of the types covered by group H01J2225/00
    • H01J2223/02Electrodes; Magnetic control means; Screens
    • H01J2223/06Electron or ion guns
    • H01J2223/065Electron or ion guns producing a solid cylindrical beam

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  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低輝度,高エミッタンスのビームが得られ、
電子ビーム縮小転写装置に適した電子銃の提供。 【解決手段】 カソード1,ウェーネルト電極2,アノ
ード4およびカソード1とアノード4との間に配設され
る制御アノード電極5を備える。これらは、それぞれ同
心の球面形状の一部とされる。アノード4は接地電位
に、カソード1とウェーネルト電極2には−100(k
V)の印加される。制御アノード電極5の印加電圧を−
99〜−90(kV)の範囲で調整すれば、輝度を1×
103〜1×104(A/cm2・sr)のオーダーに制
御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム縮小転
写装置に用いられる電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、進行波管やクライストロン等のマ
イクロ波電子管ではピアス型電子銃が用いられている
が、このピアス型電子銃を電子ビーム縮小転写装置の電
子銃に用いる試みが提案されている(特開平5−190
430号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようにピアス型電子銃はマイクロ波電子管用に作られ
たものであるため、電子ビームを細く絞ったときのビー
ム径や電流密度,パービアンス等で性能が表されてお
り、輝度やエミッタンスという概念はなく、これらは考
慮されることがなかった。
【0004】本発明の目的は、低輝度,高エミッタンス
のビームが得られ、電子ビーム縮小転写装置に適した電
子銃を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明の実施の形態を示す
図1および2に対応付けて説明する。 (1)請求項1の発明は、カソード1,ウェーネルト電
極2およびアノード4を備える電子銃に適用され、カソ
ード1とアノード4との間に制御アノード電極5を設け
たことにより上述の目的を達成する。この場合、制御ア
ノード電極5がカソード1の電子ビーム放出面1aにお
ける電界を変化させる。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載の電子銃にお
いて、カソード1の電子ビーム放出面1a,制御アノー
ド電極5およびアノード4の形状を同一の点6を中心と
する球面の一部とした。したがって、ビーム通路3aの
等電位面が点6を中心とする同心球面となる。 (3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電
子銃において、カソード1から放出される電子ビームの
カソード近傍のビーム端3とウェーネルト電極2との角
度を70〜85゜とした。 (4)請求項4の発明は、請求項2〜3のいずれかに記
載の電子銃において、制御アノード電極5の曲率半径
を、カソード1の曲率半径とアノード4の曲率半径との
和のほぼ1/2とした。 (5)請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれかに記
載の電子銃において、球面形状を有するカソード1の電
子ビーム放出面1aを平面で近似した。 (6)請求項6の発明は、請求項2〜5のいずれかに記
載の電子銃において、球面の中心6からカソード1の外
縁1bを見込む半角を5゜以下とし、かつ、中心6から
アノード4および制御アノード電極5の球面形状部分を
見込む半角のうち大きい方の角度を80゜以上とした。 (7)請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記
載の電子銃において、アノード4を接地し、ウェーネル
ト電極2の電位とカソード1の電位とをほぼ等しくする
とともに、制御アノード電極5の電圧を変化させること
によって電子ビームの輝度を制御するようにした。 (8)請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記
載の電子銃において、カソード1の曲率半径とアノード
4の曲率半径との比を10以上とした。 (9)請求項9な発明は、請求項1〜8のいずれかに記
載の電子銃において、カソード1から放出される電子ビ
ームのビーム通路3aを電子銃外囲器7等の接地電位か
らシールドする電極9,10を設けた。 (10)請求項10に記載の発明は、カソード101
と、ウェーネルト電極102と、アノード107とを備
える電子銃に適用される。そして、ウェーネルト電極1
02とアノード107との間に少なくとも2個の制御電
極103〜106を備え、制御電極103〜106によ
ってカソード101とアノード107との間の電界を制
御するものである。 (11)請求項11に記載の発明は、請求項10に記載
の電子銃において、アノード107のカソード101に
対向する表面のうちの少なくとも光軸Xに近接した部分
107Aを光軸X上に球心Oを有する球面形状に形成
し、制御電極103〜106の表面の少なくとも光軸X
に近接した部分103A〜106Aを球心Oを中心とす
る球面に即した形状に形成するものである。 (12)請求項12に記載の発明は、請求項10または
11に記載の電子銃において、アノード107および各
制御電極103〜106のうちの少なくとも2つを電気
抵抗器R1〜R4で接続することにより、アノード10
7および制御電極103〜106に電圧を印加する電源
を共通化するものである。 (13)請求項13に記載の発明は、請求項10〜12
のいずれか1項に記載の電子銃において、隣接する球面
形状の制御電極103A〜106A間、および隣接する
球面形状の制御電極106Aとアノード107の表面と
の間の距離を隣接する制御電極103A〜106Aの表
面あるいはアノード107の表面が球面から乖離する部
位と光軸Xとの間の長さよりも小さくするものである。 (14)請求項14に記載の発明は、請求項10〜13
のいずれか1項に記載の電子銃において、カソード10
1に近接した領域で、空間電荷効果を打ち消すような形
状の等ポテンシャル面を形成するものである。
【0006】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の実施の形態】
−第1の実施の形態− 以下、図1〜図6を参照して本発明の第1の実施の形態
を説明する。電子ビーム縮小転写では、例えば一辺25
0μmの矩形領域程度の比較的広い視野に含まれるパタ
ーンが一度に転写される。この場合、電子ビームはマス
クのパターンに応じて成形され、最小錯乱円であるクロ
スオーバを形成した後にウエハ等のターゲット上に結像
される。このクロスオーバ近傍では、個々の電子が互い
に反発しあって軌道が変化するいわゆる「空間電荷効
果」のため、ターゲット上の像にボケが生じる。このボ
ケを小さくするためには、ターゲットからクロスオーバ
を見込む半角αを大きくするとともに、ビーム電流を小
さくする必要がある。
【0008】そして、このようなビームを得るために電
子銃に要求される性能は、輝度が低くかつ半角αと視野
寸法の積であるエミッタンスが大きいことである。具体
的には、輝度が1×103(A/cm2・sr)のオーダ
ー、エミッタンスが2000(μm・mrad)程度で
あることが要求される。これらを電子銃の構成要素との
対応で考えると、次のようにまとめられる。すなわち、
(a)輝度を小さくするためにはカソード表面での電界
が小さいこと、(b)高エミッタンスのビームを得るに
は、カソード全面からほぼ等しい電流密度のビームが出
ることと、電子銃を構成する各電極が形成する等電位面
がほぼ同心球形状であること、が必要である。
【0009】上述したような設計指針に基づいて最適な
電子銃の構造を計算機シュミレーションにより算出し
た。その一例を以下に述べる。図1は本発明による電子
銃の断面図であり、1は荷電粒子ビームを放出するカソ
ード、2はウェーネルト電極で、ともに−100(k
V)の電圧が印加される。ウェーネルト電極2のカソー
ド1に近い内側部分2aは円錐形状であり、その外側部
分2bは点6を中心とする球面形状となっている。な
お、この点6の位置に荷電粒子ビームのクロスオーバが
形成される。外側部分2bの外縁部には円筒形の電極1
0が設けられ、ウェーネルト電極2と同電位である−1
00(kV)に保たれている。4は接地電位に保たれて
いるアノードであり、カソード1に対向する部分4aは
光軸AX上の点6を中心とする球面形状となっている。
【0010】5はカソード1とアノード4との間に配設
され点6を中心とする球面形状の制御アノード電極であ
り、厚さが1(mm)で外側の曲率半径が50(mm)
である。制御アノード電極5の外縁部には点6を頂点と
する円錐面の一部を形成する電極9が設けられている。
この電極9と光軸AXとの間の角度φ2は85゜であ
る。なお、制御アノード電極5のビーム通過穴部分の端
部5aは放電を避けるために0.5(mm)のR面取が
施されている。電極9および10は、接地された電子銃
外囲器7の接地電位が後述するビーム通路3aに形成さ
れる同心球状の等ポテンシャル面を乱さないように設け
られている。なお、図1の上側(矢印8方向)に電子ビ
ーム縮小転写装置の光学系が配設される。
【0011】次いで各部の詳細を説明する。図2(a)
はカソード1部分の拡大図であり、円柱状のカソード1
の電子ビーム放出面1aは光軸AX上の点6を中心とす
る球面の一部を形成しており、曲率半径rc=100
(mm)である。なお、電子ビーム放出面1aを平面で
近似することも可能であり、製作コストを低減し、組立
精度の許容値を大きくすることができる。3はカソード
1の電子ビーム放出面1aから放出される電子ビームの
ビーム端、すなわち電子の軌跡の内でビームの一番外側
の軌跡を示しているが、設計上は電子ビーム放出面1a
の縁部と点6とを結ぶ直線で近似してもよい。3aはビ
ーム端3によって囲まれたビーム通路であり、電子ビー
ムはこのビーム通路3を図示上方に進行する。ところ
で、点6からカソード縁部1bを見込んだ半角δとエミ
ッタンスとの関係は図2(b)のようになり、δ=5゜
近辺を境に急激に変化する。よって、半角δは5゜以下
に設定するのが好ましい。
【0012】従来のピアス型電子銃では、ウェーネルト
電極は図1に示す内側部分2aの様な円錐形であって、
ウェーネルト電極面とビーム端との間の角度(図1のθ
に対応)は67.5゜が良いと言われているが、本実施
の形態では内側部分2aとビーム端3との間の角度θ
(図1)を70〜85゜に設定する。この内側部分2a
は円錐形状の等電位面を形成してカソード1から放出さ
れた荷電粒子ビームを集束する働きをするが、電子ビー
ム縮小転写装置の場合には電子管等に比べて電流密度が
はるかに小さく、かつ、ビームエネルギーが高いため、
空間電荷効果が電子管に比べて小さくなる。そのため、
空間電荷効果を抑える力を小さくする必要があり、上述
したように角度θを従来より大きく設定する方が良い。
【0013】図3は計算機シュミレーションによって算
出した角度θとエミッタンスとの関係を示す図であり、
θを67.5゜〜90゜までの6種の角度に設定し、そ
れぞれのθに対して制御アノード電圧を変化させたとき
のエミッタンスを示している。θが70〜85゜ではそ
れぞれの曲線のピークは1500(μm・mrad)程
度であるが、この角度範囲の外側ではピークは急激に変
化して1000(μm・mrad)以下になる。すなわ
ち、θ=70〜85゜であれば、図のように制御アノー
ド電圧を1〜10(kV)の範囲で調整することにより
エミッタンスを約1500(μm・mrad)以上に設
定することができる。なお、ここでのシュミレーション
では制御アノード電圧の調整範囲が1〜10(kV)で
あったが、これはカソード1を0(V)とした場合のシ
ュミレーション結果の値で、アノード4を0(V),カ
ソード1を−100(kV)とした実際の場合の−99
〜−90(kV)に相当する。
【0014】図4はアノード4と制御アノード電極5と
の関係を示す図である。アノード4のカソード1と対向
する球状部分4aは外側の曲率半径ra=9(mm),
厚さ1(mm)である。また、球状部分4aの端面4b
は0.5(mm)のR面取が施されている。本実施の形
態ではφ1=φ2=φ=85゜と設定したが、φとエミッ
タンスとの間には図5に示すような関係があり、エミッ
タンスはほぼφ=80゜を境に急激に変化する。そのた
め、φは80゜以上に設定するのが好ましい。また、ア
ノード4の球状部分4aの範囲を表す角度φ1と制御ア
ノード電極5の角度φ2は次のように設定する。図4
(a)のように円筒状部分の端部に球状部分4aが形成
されている場合にはφ1≦φ2とし、一方、図4(b)の
ように円筒状部分を介さずに直接球状部分4aが形成さ
れている場合には、φ1>φ2とする。このとき、φ1ま
たはφ2の大きい方を80゜以上となるように設定す
る。
【0015】図6はカソード1の曲率半径rcとアノー
ド4の曲率半径raとの比rc/raと輝度との関係を示
す図であり、rc/ra≧10に設定すれば輝度を1×1
3(A/cm2・sr)オーダー以下とすることができ
る。
【0016】特に、カソード1およびウェーネルト電極
2に−100(kV)の電圧を印加し、制御アノード電
極5の電圧を−99〜−90(kV)の範囲で変化させ
ることにより、輝度を1×103〜1×104(A/cm
2・sr)の範囲で調整することができた。また、この
ときのエミッタンスは4000〜3100(μm・mr
ad)となる。
【0017】上述した第1の実施の形態の電子銃では、 (a)カソード1の曲率半径rcとアノード4の曲率半
径raの比rc/raを10以上と設定しているため、電
子ビーム放出面1aにおける電界が小さくなり輝度を小
さくすることができる。 (b)カソード1の電子ビーム放出面1a,ウェーネル
ト電極2の外側部分2b,制御アノード電極5およびア
ノード4の形状を、点6を中心とする同心球状とし、さ
らに電極9および10により電子銃外囲器7の接地電位
の影響を小さくしているため、ビーム通路3aの等電位
面がクロスオーバ位置である点6を中心とする同心球面
を形成し、高エミッタンスを達成することができる。特
に、第1の実施の形態では、カソード1の電子ビーム放
出面の曲率半径rc=100(mm),アノード4の曲
率半径ra=9(mm)に対して、制御アノード電極5
の曲率半径をほぼ中間の50(mm)としているため、
カソード1と制御アノード電極5、および制御アノード
電極5とアノード4をそれぞれ絶縁している絶縁材料の
影響が光軸近くに及ぶのを防ぐという効果がある。
【0018】−第2の実施の形態− 以下、図7および図8を用いて本発明による電子銃の第
2の実施の形態について説明する。
【0019】図7は第2の実施の形態の電子銃の光軸を
通る面における断面を示している。図7において、10
1は100mmの曲率半径の凹面状に形成された電子放
出面を備えるカソード、102はウェーネルト電極、1
03は第1制御電極、104は第2制御電極、105は
第3制御電極、106は第4制御電極、107はアノー
ドである。また、108はウェーネルト電極102、第
1〜第4制御電極103〜106およびアノード107
を支持する絶縁物である。Xは電子銃の光軸を示し、カ
ソード101、ウェーネルト電極102、第1〜第4制
御電極103〜106およびアノード107は、光軸X
を対称軸とする回転対称の形状に形成されており、光軸
Xの部分には電子ビームを通過させるための孔が形成さ
れている。
【0020】第1制御電極103には球状部分103A
が、第2制御電極104には球状部分104Aが、第3
制御電極105には球状部分105Aが、第4制御電極
106には球状部分106Aがそれぞれ形成されてお
り、球状部分103A、104A、105Aおよび10
6Aにおいて、第1〜第3制御電極103、104、1
05および106の両面は、それぞれ光軸X上の点Oを
球心とする同心球の一部を構成している。また、アノー
ド107には球状部分107Aが形成されており、球状
部分107Aにおいて、アノード107の外面は点Oを
球心とする球の一部を構成している。なお、カソード1
01の電子放出面から点Oまでの距離は100mmであ
り、電子放出面の凹面は点Oを球心とする球面とされて
いる。
【0021】第1制御電極103、第2制御電極10
4、第3制御電極105、第4制御電極106およびア
ノード107には分割抵抗R1、R2、R3およびR4
を介して不図示の電源装置が接続されており、1つの電
源装置で各電極の電圧を賄うようにしている。また、カ
ソード101およびウェーネルト電極102には別の電
源装置(不図示)が接続されている。
【0022】第2の実施の形態の電子銃では、アノード
107を接地電位とし、カソード101には−100k
V程度の電圧を、ウェーネルト電極102にはカソード
101の電位に対して10〜100V程度低い電圧を、
第1制御電極3には−95V程度の電圧を、第2制御電
極4には−80kV程度の電圧を、第3制御電極5には
−60kV程度の電圧を、第4制御電極6には−30k
V程度の電圧をそれぞれ印加して作動させる。
【0023】空間電荷効果を無視できる場合、帯電させ
た中空球により形成される電界中では、カソードから放
出された電子は無収差で中空球の球心に収束する。しか
し実際問題としては、空間電荷効果により電子が受ける
力を考慮する必要があり、また、アノードや中間電極
(制御電極)を支持する必要があるため完全な同心球形
状の電極を実現することはできず、光軸の近くのみを同
心球とせざるを得ない。本実施の形態の電子銃では、同
心球からはずれた位置にある電極が作るポテンシャルが
光軸X上に影響を及ぼさない条件を満たす構成を採用す
るとともに、部分的に空間電荷効果を打ち消すような電
界を形成しているので、カソード101から放出された
電子が点Oに向ってほぼ無収差で収束する。以下、この
点についてさらに詳述する。
【0024】ウェーネルト電極102と第1制御電極1
03との間の領域では、空間電荷効果のためカソード1
01から放出される電子はビームが光軸Xから離れる方
向の力を受ける。このため第2の実施の形態の電子銃で
は、電子を光軸X方向に押返すような力を与えて空間電
荷効果に基づく力をキャンセルするため、等ポテンシャ
ル面がカソード101側に凸に歪む方向に設計されてい
る。すなわち、光軸Xの部分において等ポテンシャル面
の曲率半径が点Oを球心とする球面よりも小さくされて
いる。
【0025】一方、第1制御電極103を通過した電子
線はすでに高エネルギーに加速されているので、空間電
荷効果はあまり効かず、同心球形状の等ポテンシャル面
であれば収差を充分小さくすることができる。したがっ
て、図1において第1制御電極103よりも下側では、
電子ビームが通る空間、すなわち光軸Xの部分において
同心球形状の等ポテンシャル面が得られればよい。
【0026】第2の実施の形態の電子銃では、第1制御
電極103とアノード107との中間において、光軸X
の位置に同心球形状の等ポテンシャル面を形成させるた
め、図8に示すように、アノード107の表面形状が同
心球からはずれる位置から光軸Xまでの長さL2より
も、球状部分107Aおよび球状部分106Aにおける
アノード107と第4制御電極106との間の電極間距
離L1を短くしている。
【0027】また、図8において、第1〜第4制御電極
103〜106の表面形状が同心球からはずれる位置か
ら光軸Xまでの長さをそれぞれL8、L6、L4とし、
第4制御電極106と第3制御電極105との間の距離
をL3、第3制御電極105と第2制御電極104との
間の距離をL5、第2制御電極104と第1制御電極1
03との間の距離をL7とするとき、 L3<L4, L5<L6, L7<L8 が成立している。なお、図8に示すように、L2、L
4、L6およびL8は、それぞれ、アノード107、第
4制御電極106、第3制御電極105および第2制御
電極104の表面に沿った経路によりその長さが計測さ
れる。
【0028】このように、各電極の形状が同心球形状か
ら乖離する位置から光軸Xまでを電極に沿って計測した
長さに対して、隣接する電極間の距離をより小さい値に
設定することにより、光軸Xの位置における等ポテンシ
ャル面の形状をほぼ同心球形状とすることができる。し
たがって、第1制御電極103を通過した電子はほとん
ど収差なく点Oに収束する。
【0029】以上述べたように、第2の実施の形態の電
子銃では、4つの制御電極(第1〜第4制御電極103
〜106)を設けることによって、電子が充分に加速さ
れた領域では光軸近傍に球面状の等ポテンシャル面を形
成し、電子が充分に加速されていないカソード1に近い
領域では、空間電荷効果を打ち消すような形状の等ポテ
ンシャル面を形成するようにしている。このため、カソ
ード1から放出された電子がほぼ無収差で点Oに収束す
る。
【0030】第2の実施の形態の電子銃では、各電極の
電圧を1つの電源から供給することにより、電源装置が
簡略化されるとともに、電源の出力が変動した場合に各
電極の電位がこれと同期して変動するので、隣接する電
極間の電位差の変動が抑制され等ポテンシャル面の変動
が少なくなるという利点がある。また、電気抵抗器R1
〜R4は真空外に設けられているので、抵抗値を変えれ
ば、各電極に印加される電圧比を容易に変えることがで
きる。
【0031】本実施の形態では、カソード1の電子放出
面の形状を球面状の凹面としており、この形状が理論的
には理想形状であるが、電子放出面を平面で近似しても
よく、この場合、カソード1の製作が容易となる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カソードとアノードとの間に制御アノード電極を設けた
ので、制御アノード電極の電圧,形状および配置を変化
させることによりエミッタンスや輝度を調整することが
できる。請求項3の発明によれば、電子ビームのビーム
通路部分の等電位面が同一の点を中心とする球面を形成
するため、高エミッタンスを達成することができる。さ
らに、請求項3の発明ではカソードの電子ビーム放出面
を曲面ではなく平面で構成しているので、カソードの製
作コストを低減し、組立精度の許容値を大きくすること
ができる。請求項4〜6および9の発明のように構成す
ることにより、より大きなエミッタンスを得られる。特
に、請求項9ではシールド用電極を設けてビーム通路を
接地電位あるいは絶縁物からシールドしているため、ビ
ーム通路部分の等電位面の球面形状からの乱れを防止す
ることができる。また、請求項8の発明によれば、カソ
ード1の電子ビーム放出面1aにおける電界が小さくな
って電子ビームの輝度を小さくすることができる。請求
項10に記載の発明では、ウェーネルト電極とアノード
との間に少なくとも2個の制御電極を備えるので、ウェ
ーネルト電極とアノードとの間の電界をきめ細かく制御
することができる。請求項11に記載の発明では、アノ
ードのカソードに対向する表面のうちの少なくとも光軸
に近接した部分を光軸上に球心を有する球面形状に形成
し、制御電極の表面の少なくとも光軸に近接した部分を
球心を中心とする球面に即した形状に形成するので、光
軸部分について等ポテンシャル面を略球面形状とするこ
とができる。請求項12に記載の発明では、アノードお
よび各制御電極のうちの少なくとも2つを電気抵抗器で
接続し電源を共通化しているので、電源電圧の変動に基
づく等ポテンシャル面の変動が抑制される。請求項13
に記載の発明では、隣接するカソードと球面形状の制御
電極との間、隣接する球面形状の制御電極間、および隣
接する球面形状の制御電極とアノードの表面との間の距
離を隣接する制御電極の表面あるいはアノードの外面が
球面から乖離する部位と光軸との間の長さよりも小さく
したので、光軸部分の等ポテンシャル面を略球面形状と
することができる。請求項14に記載の発明によれば、
カソードに近接した領域では、空間電荷効果を打ち消す
ような形状の等ポテンシャル面を形成しているので、収
差を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子銃の断面図。
【図2】カソードとエミッタンスとの関係を説明する図
であり、(a)はカソード部分の拡大図、(b)は半角
δとエミッタンスとの関係を示す図。
【図3】角度θとエミッタンスとの関係を示す図。
【図4】図1のアノード4および制御アノード電極5を
説明する図であり、(a)は断面図、(b)はアノード
4の他の例を示す断面図。
【図5】角度φとエミッタンスとの関係を示す図。
【図6】曲率半径の比rc/raと輝度との関係を示す
図。
【図7】第2の実施の形態の電子銃を示す断面図。
【図8】電極の形状が同心球に対して乖離する位置から
光軸までの長さと、電極間距離とを示す図。
【符号の説明】
1 カソード 2 ウェーネルト電極 3 ビーム端 3a ビーム通路 4 アノード 5 制御アノード電極 7 電子銃外囲器 9,10 電極 101 カソード 102 ウェーネルト電極 103 第1制御電極 103A 球状部分 104 第2制御電極 104A 球状部分 105 第3制御電極 105A 球状部分 106 第4制御電極 106A 球状部分 107 アノード 107A 球状部分 R1〜R4 電気抵抗 X 光軸

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード,ウェーネルト電極およびアノ
    ードを備える電子銃において、 前記カソードと前記アノードとの間に制御アノード電極
    を設けたことを特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子銃において、 前記カソードの電子ビーム放出面,制御アノード電極お
    よびアノードの形状を同一の点を中心とする球面の一部
    としたことを特徴とする電子銃。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子銃において、 制御アノード電極およびアノードの形状を同一の点を中
    心とする球面の一部とし、前記カソードの電子ビーム放
    出面を平面で近似したことを特徴とする電子銃。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子銃
    において、 前記カソードから放出される電子ビームのカソード近傍
    のビーム端と前記ウェーネルト電極との角度を70〜8
    5゜としたことを特徴とする電子銃。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の電子銃
    において、 前記制御アノード電極の曲率半径を、前記カソードの曲
    率半径と前記アノードの曲率半径との和のほぼ1/2と
    したことを特徴とする電子銃。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかに記載の電子銃
    において、 前記球面の中心から前記カソードの外縁を見込む半角を
    5゜以下とし、かつ、前記中心から前記アノードおよび
    前記制御アノード電極の球面形状部分を見込む半角のう
    ち大きい方の角度を80゜以上としたことを特徴とする
    電子銃。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の電子銃
    において、 前記アノードを接地し、前記ウェーネルト電極の電位と
    前記カソードの電位とをほぼ等しくするとともに、前記
    制御アノード電極の電圧を変化させることによって電子
    ビームの輝度を制御するようにしたことを特徴とする電
    子銃。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の電子銃
    において、 前記カソードの曲率半径と前記アノードの曲率半径との
    比を10以上としたことを特徴とする電子銃。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の電子銃
    において、 前記カソードから放出される電子ビームのビーム通路を
    電子銃外囲器等の接地電位からシールドする電極を設け
    たことを特徴とする電子銃。
  10. 【請求項10】 カソードと、ウェーネルト電極と、ア
    ノードとを備える電子銃において、 前記ウェーネルト電極と前記アノードとの間に少なくと
    も2個の制御電極を備え、前記制御電極によって前記カ
    ソードと前記アノードとの間の電界を制御することを特
    徴とする電子銃。
  11. 【請求項11】 前記アノードの前記カソードに対向す
    る表面のうちの少なくとも光軸に近接した部分を前記光
    軸上に球心を有する球面形状に形成し、前記制御電極の
    表面の少なくとも光軸に近接した部分を前記球心を中心
    とする球面に即した形状に形成することを特徴とする請
    求項10に記載の電子銃。
  12. 【請求項12】 前記アノードおよび前記各制御電極の
    うちの少なくとも2つを電気抵抗器で接続することによ
    り、前記アノードおよび前記制御電極に電圧を印加する
    電源を共通化することを特徴とする請求項10または1
    1に記載の電子銃。
  13. 【請求項13】 隣接する球面形状の前記制御電極間、
    および隣接する球面形状の前記制御電極と前記アノード
    の表面との間の距離を隣接する前記制御電極の表面ある
    いは前記アノードの外面が前記球面から乖離する部位と
    前記光軸との間の長さよりも小さくすることを特徴とす
    る請求項10〜12のいずれか1項に記載の電子銃。
  14. 【請求項14】 前記カソードに近接した領域で、空間
    電荷効果を打ち消すような形状の等ポテンシャル面を形
    成することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1
    項に記載の電子銃。
JP8265812A 1996-08-12 1996-10-07 電子銃 Pending JPH10112274A (ja)

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