JPH10111033A - 極低温冷凍機及びその製造方法 - Google Patents

極低温冷凍機及びその製造方法

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JPH10111033A
JPH10111033A JP26316996A JP26316996A JPH10111033A JP H10111033 A JPH10111033 A JP H10111033A JP 26316996 A JP26316996 A JP 26316996A JP 26316996 A JP26316996 A JP 26316996A JP H10111033 A JPH10111033 A JP H10111033A
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peripheral wall
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修一 中川
Takahiro Matsumoto
隆博 松本
Kazuaki Takeuchi
一晃 武内
Masashi Nagao
政志 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各ディスプレーサを連結する連結装置が円滑
に動き往復運動方向の軸心がずれたり傾いたりしていて
も往復運動における摩擦熱の発生を少なくして、冷凍能
力の低下を防止でき、又冷却性能が安定する極低温冷凍
機を得る。 【解決手段】 連結装置114を接続片111、第1の
接続ピン101、第2の接続ピン102、内周壁部13
b、112bで構成する。接続片111に接続ピン10
1、102を互いに直交するようにして軸方向摺動及び
回動可能に挿入し、且つ接続ピン101、102を夫々
内周壁部13b、112bに嵌合し固定する。接続片1
11を高分子材料で形成し接続ピン101、102間を
微少間隔とし、第2段ディスプレーサ112が第1段デ
ィスプレーサ13に対して軸方向に自在に動けるように
して連結装置114が円滑に動くようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えば磁気共鳴画
像診断装置(通称MRI)に適用される超電導マグネッ
トに用いられる極低温冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている標準的な極低温冷
凍機の冷凍能力は使用状態で20K程度とされている。
一方、被冷却物である超電導マグネットは液体ヘリウム
によって極低温に冷却され超電導状態となっているが、
液体ヘリウムの液化温度は4.2Kであるため、上記の
冷凍機の冷凍能力20K程度では液体ヘリウムが蒸発し
て液体ヘリウムの消費量が多くなっている。このため、
上記の冷凍機では常時液体ヘリウムの消費量を点検し補
充する必要があるが、液体ヘリウムは高価なため、液体
ヘリウムの蒸発が少なく使用状態で4K程度の冷凍能力
をもつ極低温冷凍機の必要性が高まっている。
【0003】図13、図14、図15は例えば特公昭4
6−30433号公報に示された従来のギフォード・マ
クマホンサイクルの極低温冷凍機を示すもので、図13
は構成図、図14は連結装置部の拡大図、図15は接続
装置部の拡大図である。これらの図において、1はこの
冷凍機の冷媒となる作動流体(例えばヘリウムガス)で
あり、2は後述の第1段シリンダ10が高圧バッファタ
ンク41から作動流体1を吸気する吸気バルブ、3は第
1段シリンダ10が低圧バッファタンク42へ作動流体
1を排気する排気バルブである。10は吸気バルブ2に
よって吸気された作動流体1を入れる第1段シリンダ、
11は第1段シリンダ10内の上部に配置された上部ガ
ス空間室、12は第1段シリンダ10内の下部に配置さ
れた第1段膨張室である。
【0004】13は第1段シリンダ10内にあってその
中を往復運動し上部ガス空間室11と第1段膨張室12
の間で作動流体1を移動させる円筒状の第1段ディスプ
レーサで、その一端には後述する矢印ARと直交する方
向に貫通する円形の貫通孔13aを形成する円筒状の内
周壁部13bが設けられている。またその外周面の一部
には外周面を取り巻き外周面より100マイクロメート
ル程度突出した帯状の突出部13cが設けられ第1段シ
リンダ10の内周壁との間にわずかな隙間が設けられて
摺動可能にされている。14は第1段ディスプレーサ1
3の中に配置され作動流体1の寒冷を蓄冷する第1段蓄
冷器で、この容器の中には例えば燐青銅の円盤状の金網
を積層した第1段蓄冷材15が収容されている。
【0005】16は第1段シリンダ10と第1段ディス
プレーサ13の間で上部ガス空間室11と第1段膨張室
12とを区切るように配置され、作動流体1が上部ガス
空間室11と第1段膨張室12の間を移動する時に第1
段ディスプレーサ13の中に配置されている第1段蓄冷
器14を通って移動し第1段ディスプレーサ13の外周
を通って移動することを防止するための第1段シール、
17は第1段膨張室12の寒冷を外部に伝えるための第
1段冷凍ステージである。
【0006】20は第1段シリンダ10と連結された第
2段シリンダ、21は第2段シリンダ20内の下部に配
置された第2段膨張室である。22は第2段シリンダ2
0内にあってその中を往復運動し第1段膨張室12と第
2段膨張室21の間で作動流体1を移動させる円筒状の
第2段ディスプレーサで、その一端には後述する矢印A
Rと直交する方向に貫通する円形の貫通孔22aを形成
する円筒状の内周壁部22bが設けられている。またそ
の外周面の一部には外周面を取り巻き外周面より100
マイクロメートル程度突出した帯状の突出部22cが設
けられ第2段シリンダ20の内周壁との間にわずかな隙
間が設けられて摺動可能にされている。23は第2段デ
ィスプレーサ22の中に配置され作動流体1の寒冷を蓄
冷する第2段蓄冷器で、この容器の中には例えば鉛の小
球が第2段蓄冷材24として収容されている。
【0007】25は第2段シリンダ20と第2段ディス
プレーサ22の間で第1段膨張室12と第2段膨張室2
1とを区切るように配置され、作動流体1が第1段膨張
室12と第2段膨張室21の間を移動する時に第2段デ
ィスプレーサ22の中に配置されている第2段蓄冷器2
3を通って移動し第2段ディスプレーサ22の外周を通
って移動することを防止するための第2段シール、26
は第2段膨張室21の寒冷を外部に伝えるための第2段
冷凍ステージである。
【0008】30は第1段及び第2段ディスプレーサ1
3、22を矢印ARの方向に往復直線運動させるための
駆動用モータ、32は駆動用モータ30と連結しその回
転運動を往復直線運動に変換するスコッチヨーク機構、
33は第1段ディスプレーサ13とスコッチヨーク機構
32とを連結し駆動用モータ30の駆動力を第1段ディ
スプレーサ13に伝える駆動軸で、第1段ディスプレー
サ13側の端部にネジ部が設けられている。40は作動
流体1を圧縮する圧縮機、41は高圧側の圧力変動を小
さくする高圧バッファタンク、42は低圧側の圧力変動
を小さくする低圧バッファタンク、43は高圧と低圧の
差圧を一定に保つ差圧保持装置で、上記のスコッチヨー
ク機構32の動作と連動されている。44は上記の圧縮
機40、高圧バッファタンク41、低圧バッファタンク
42、吸気バルブ2、排気バルブ3を接続した作動流体
圧縮配管回路で、回路の出入口が、第1段シリンダ10
の上部ガス空間室11に接続されている。
【0009】100は第1段ディスプレーサ13と第2
段ディスプレーサ22を連結するための正四角柱状の接
続片で、矢印ARと直交する方向に貫通する上側の円形
の貫通孔100aを形成する円筒状の内周壁部100c
及び矢印ARと直交する方向に貫通する下側の円形の貫
通孔100bを形成する円筒状の内周壁部100dが設
けられている。上記の内周壁部100cと内周壁部10
0dは所定の軸間距離をもって互いに直交している。1
01は接続片100と第1段ディスプレーサ13を接続
するための丸棒状の第1の接続ピンで、接続片100の
上側の内周壁部100cと接触する接触部101a及び
第1段ディスプレーサ13の内周壁部13bと接触する
接触部101bが設けられている。102は接続片10
0と第2段ディスプレーサ22を接続するための丸棒状
の第2の接続ピンで、接続片100の下側の内周壁部1
00dと接触する接触部102a及び第2段ディスプレ
ーサ22の内周壁部22bと接触する接触部102bが
設けられている。
【0010】上記の第1の接続ピン101と第2の接続
ピン102は、接続片100に設けられた内周壁部10
0c、100dに摺動可能に装着されている。更に、第
1の接続ピン101は第1段ディスプレーサ13に設け
られた内周壁部13bに装着されている。第2の接続ピ
ン102は第2段ディスプレーサ22に設けられた内周
壁部22bに装着されている。上記の接続片100、第
1の接続ピン101、第2の接続ピン102、第1段デ
ィスプレーサ13の一端に設けられた第1の接続ピン1
01装着用の内周壁部13b、第2段ディスプレーサ2
2の一端に設けられた第2の接続ピン102装着用の内
周壁部22bにより連結装置104が構成されている。
【0011】第1段ディスプレーサ13と第2段ディス
プレーサ22とは上記のような状態で互いに直交する三
方向に自由に動くように連結装置104により連結され
ている。上記のように構成されているのは、熱の侵入領
域を小さくして冷凍能力の低下を防ぐためで、2つのデ
ィスプレーサの連結装置104の長さや断面積を小さく
する必要があり、連結装置104の長さや断面積が大き
くなるようなユニバーサルジョイント方式の使用は得策
ではない。
【0012】300は第1段ディスプレーサ13の上端
部に取り付けられた円板状のナット止め板で、その中心
部に駆動軸33と接触しない十分な大きさの貫通孔30
0aを形成する円筒状の内周壁部300bが設けられて
いる。301は駆動軸33と第1段ディスプレーサ13
とをナット止め板300を介して接続する取り付けナッ
ト、302は第1段ディスプレーサ13の上端部の中心
部に設けられた直径の異なる2つの円筒状の段付き形状
の穴部で形成された取り付けナット301を収容するナ
ット収容部で、上端部側の大きい方の穴部302aを形
成する内周壁部302b及び取り付けナット301と接
触する底部302eが設けられ、更に小さい方の穴部3
02cを形成する内周壁部302dが設けられている。
内周壁部302bは取り付けナット301と接触しない
十分な大きさの直径及び取り付けナット301の高さよ
り大きい深さを有し、内周壁部302dは取り付けナッ
ト301の大きさより小さく駆動軸33と接触しない十
分な大きさの直径及び深さを有する。
【0013】取り付けナット301はナット収容部30
2内でナット止め板300の貫通孔300aを通った駆
動軸33のねじ部とねじ止めされている。更に駆動軸3
3と第1段ディスプレーサ13とを自由度を持って接続
するため、取り付けナット301の高さはナット収容部
302の内周壁部302bの深さより小さくしてあるの
で、取り付けナット301は駆動軸33の矢印ARの方
向にわずかな隙間を有してナット収容部302に収容さ
れている。このため駆動軸33が往復運動すると取り付
けナット301はナット止め板300及び第1段ディス
プレーサ13のナット収容部302の底部302eと交
互に接触する。上記のナット止め板300、取り付けナ
ット301、ナット収容部302により接続装置320
が構成されている。第1段ディスプレーサ13は上記の
ような状態で駆動軸33に対して駆動軸33の径方向に
自由に動きうるように接続装置320により接続されて
いる。
【0014】次に動作について説明する。駆動用モータ
30を回転させると、回転運動がそのモータ軸に連結さ
れたスコッチヨーク機構32によって往復直線運動に変
換され駆動軸33が矢印ARの方向に往復運動する。こ
の駆動軸33に取り付けられた第1段ディスプレーサ1
3はその突出部13cで第1段シリンダ10と摺動しな
がら第1段シリンダ10の内部で、第2段ディスプレー
サ22はその突出部22cで第2段シリンダ20と摺動
しながら第2段シリンダ20の内部で各々往復運動す
る。第1段及び第2段ディスプレーサ13、22の位置
が最下点に達し第1段及び第2段膨張室12、21の容
積がほぼ最小となった時、吸気バルブ2が開かれ、圧縮
機40から吸気バルブ2を介して高圧の作動流体1が上
部ガス空間室11を通って第1段蓄冷器14の内部で第
1段蓄冷材15と熱交換し冷却されながら第1段膨張室
12に導入される。更に、一部の作動流体1は第2段蓄
冷器23の内部で第2段蓄冷材24と熱交換し冷却され
ながら、第2段膨張室21に導入される。
【0015】第1段及び第2段ディスプレーサー13、
22の位置が最上点に達し第1段及び第2段膨張室1
2、21の容積がほぼ最大になった時、吸気バルブ2が
閉じられて排気バルブ3が開かれると、第1段及び第2
段膨張室12、21内において作動流体1は高圧の状態
から低圧の状態に膨張すると同時に熱をうばわれ、熱を
うばわれた作動流体1は第1段及び第2段蓄冷器14、
23の内部で第1段及び第2段蓄冷材15、24と熱交
換して第1段及び第2段蓄冷材15、24を冷却し、第
1段及び第2段蓄冷材15、24に冷熱を蓄積しながら
上部ガス空間室11を通って圧縮機40に戻される。こ
の動作を繰返すことによって、第1段および第2段膨張
室12、21は20Kの極低温に冷却される。
【0016】そこで第1段及び第2段膨張室12、21
に熱接触良く取り付けた第1段冷凍ステージ17と第2
段冷凍ステージ26にそれぞれ被冷却物(図示せず)を
取り付けると、被冷却物は熱エネルギーを奪われ冷却さ
れる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】極低温冷凍機は、上記
のように極低温を発生するためシリンダ等に熱応力によ
る歪みが発生する。上記のように構成された極低温冷凍
機では、例えば第1段シリンダ10の第1段ディスプレ
ーサ13の往復運動方向の軸心に対して、熱歪みを受け
た第2段シリンダ20の第2段ディスプレーサ22の往
復運動方向の軸心がずれたり傾くと、第2段ディスプレ
ーサ22は第2段シリンダ20の内周壁から外力を受け
ながら熱歪みを受けた第2段シリンダ20の軸心に沿っ
て往復運動しようとする。そのためには、第2段ディス
プレーサ22は第1段ディスプレーサ13の径方向に自
由に動けることが必要となる。
【0018】そこで、第1段及び第2段ディスプレーサ
13、22は互いに径方向に自由に動けるように連結装
置104によって連結されており、例えば第1段ディス
プレーサ13の往復運動方向の軸心と第2段ディスプレ
ーサ22の往復運動方向との軸心が同軸でなくても第1
段及び第2段ディスプレーサ13、22各々軸方向に円
滑に動けなければならない。
【0019】第1段及び第2段ディスプレーサ13、2
2が互いに径方向に自由に動けるためには、この連結装
置104の接続片100が第1及び第2の接続ピン10
1、102との摺動部(接続片100の内周壁部100
cと第1の接続ピン101の接触部101a間、接続片
100の内周壁部100dと第2の接続ピン102の接
触部102a間)において接続ピンの周方向と共に中心
軸方向に常にスムーズに滑りうる状態にあることが必要
である。
【0020】ところが、発明者は上記のような作用効果
を期待した連結装置104の接続片100が第1及び第
2の接続ピン101、102との摺動部において接続ピ
ンの中心軸方向に滑らない場合があることを発見した。
上記の連結装置104の摺動部(接続片100の内周壁
部100cと第1の接続ピン101の接触部101a
間、接続片100の内周壁部100dと第2の接続ピン
102の接触部102a間)が滑らないと第1段及び第
2段ディスプレーサ13、22は互いに直交する三方向
に自由に動けないため、例えば第1段ディスプレーサ1
3の往復運動方向の軸心と第2段ディスプレーサ22の
往復運動方向の軸心とがずれたり傾いたりしていると上
記の連結装置104の摺動部は滑る必要があり、滑らな
いと第1段及び第2段ディスプレーサ13、22は互い
に直交する三方向に自由に動けないため、ディスプレー
サは熱歪みを受けたシリンダの軸心に沿って往復運動す
ることができずシリンダとの擦れによる摩擦熱が増加し
冷凍能力の低下をまねく。以下その詳細を接続片100
と第1の接続ピン101との摺動部(接続片100の内
周壁部100cと第1の接続ピン101の接触部101
a間)を代表例として図14で説明する。
【0021】図14において、Xは第1の接続ピン10
1の中心軸方向、Yは第2の接続ピン102の中心軸方
向を示す。DAは正四角柱状の接続片100の一辺の長
さ、Dp1は第1の接続ピン101の直径、Dp2は第
2の接続ピン102の直径、Lは接続片100に設けら
れた上下の円形の貫通孔100a、100bに装着され
る第1の接続ピン101と第2の接続ピン102との間
の軸間距離(上下の貫通孔100a、100bを形成す
る円筒状の内周壁部100c、100d間の軸間距離で
もある)である。F1は第2の接続ピン102を介して
接続片100が受けるX方向の外力、F2はX方向の外
力F1により接続片100が第1の接続ピン101のX
方向に滑り出す直前状態時の摩擦抗力、Aは接続片10
0の一辺と交わるその内周壁部100cの端部である。
【0022】例えば第2の接続ピン102を介して接続
片100がX方向の外力F1で押された際に、接続片1
00は第1の接続ピン101との摺動部においてX方向
に滑ろうとする。この滑り出す直前の状態を接続片10
0の端部Aでのモーメントで考える。X方向の外力F1
によるモーメントが摩擦抗力F2によるモーメントより
も大きい関係になると、接続片100は端部Aを中心軸
として回転し始め端部Aでこじれ始めるため第1の接続
ピン101との摺動部が摺動不能となり、接続片100
はX方向に滑らなくなることがわかった。
【0023】即ち、以下の式で示される関係にあるとき
摺動不能となる。 F2×DA/2<F1×(L−Dp1/2) ここで接続片100と第1の接続ピン101との摺動部
の摩擦係数をKとするとF1=K×F2であるから、こ
れを代入すると DA<2×K×(L−Dp1/2) となり、摺動部の摩擦係数Kが大きくなればなる程、軸
間距離Lが長くなればなる程、接続片100の一辺の長
さDAが小さくなればなる程滑らなくなる。
【0024】従来の製品の連結装置104では例えば接
続片100にアルミ合金、第1及び第2の接続ピン10
1、102にステンレスの金属材料が使用されているの
で摩擦係数Kが大きく、又図14に示すように接続片1
00に設けられた貫通孔間の軸間距離Lも長かった。上
記のことにより接続片100の上側の内周壁部100c
の端部Aが第1の接続ピン101の接触部101aとこ
じれて摺動状態とならない場合があることがわかった。
【0025】又、上記のように構成された極低温冷凍機
では駆動軸33と第1段ディスプレーサ13との接続装
置320に於いても、第1段ディスプレーサ13と第2
段ディスプレーサ22との連結装置104と同様に、第
1段ディスプレーサ13は駆動軸33に対して直交する
三方向に自由に動けることが必要となる。すなわち、第
1段ディスプレーサ13が駆動軸33に対して直交する
三方向に自由に動けるためには接続装置320の取り付
けナット301とナット止め板300の間及び取り付け
ナット301とナット収容部302の底部302eの間
の接触部が常に滑りうる状態にあることが必要である。
【0026】ところが、上記のような作用効果を期待し
た接続装置320の取り付けナット301とナット止め
板300の間及び取り付けナット301とナット収容部
302の底部302eの間の接触部が矢印ARと直交す
るX、Y方向(径方向)に滑らない場合がある。上記の
接続装置320の接触部(取り付けナット301とナッ
ト止め板300の間及び取り付けナット301とナット
収容部302の底部302eの間)が滑らないと第1段
ディスプレーサ13は駆動軸33に対して直交する三方
向に自由に動けないため、駆動軸33の往復運動方向の
軸心と第1段ディスプレーサ13の往復運動方向の軸心
とがずれたり傾いたりしていると、連結装置104と同
様に第1段ディスプレーサ13は熱歪みを受けた第1段
シリンダ10の軸心に沿って往復運動することができず
シリンダとの擦れによる摩擦熱が増加し冷凍能力の低下
をまねく。以下その詳細を図15で説明する。取り付け
ナット301とナット止め板300間にはわずかな隙間
があり、例えば駆動軸33が矢印ARの上方向に運動し
た際に、ナット止め板300に衝突してから摺動しよう
とするので衝突時の摩擦抵抗が大きいと、取り付けナッ
ト301とナット止め板300とは摺動不能となりX、
Y方向に滑らなくなる。特に、取り付けナット301が
ナット止め板300に片当りする場合にこの傾向が強
い。駆動軸33が矢印ARの下方向に運動した際は取り
付けナット301はナット収容部302の底部302e
に衝突するが、この二者間の接触部についても上記と同
様である。
【0027】従来の接続装置320においては、この接
触部には例えば取り付けナット301にステンレス、ナ
ット止め板300にアルミが使用され、その摩擦係数K
が大きいため、上記のような状態になり取り付けナット
301がナット止め板300と摺動しない場合があるこ
とがわかった。
【0028】又、上記のように構成された極低温冷凍機
を使用する際に、取り付けの関係上シリンダを水平に設
置することがある。垂直に設置する場合は、上方が作動
流体の高温部、下方が作動流体の低温部となるため、作
動流体は対流を生じ難く、水平設置に比べ冷凍能力の低
下が少ないが、水平に設置する場合は、シリンダ内の作
動流体の高温部と低温部が水平となり作動流体に対流を
生じ高温部から低温部に熱が運ばれ冷凍能力が低下す
る。その際ディスプレーサとシリンダの隙間が大きいと
作動流体は対流を生じ易いので、隙間を小さくする必要
がある。このためシリンダを水平に設置する極低温冷凍
機では、ディスプレーサとシリンダの隙間をシリンダを
垂直に設置する極低温冷凍機より小さく設計しており、
ディスプレーサが必要以外の箇所でシリンダと擦れない
ようにするための高精度な機械加工が必要となる。
【0029】ディスプレーサには一般的に綿布で補強さ
れたフェノール樹脂が使用されており、高精度に機械加
工することは発熱の影響等で金属を機械加工するのに比
べて難しい。更に、フェノール樹脂は吸湿しやすいの
で、極低温冷凍機の運転中に吸湿した水分を放出し変形
を生じる。この水分が低温部で凝縮氷結するとディスプ
レーサとシリンダの隙間の摺動部での摩擦力の増大やシ
ール部でのリークにより冷凍能力が低下する。このため
従来のディスプレーサは真空乾燥炉で十分に脱水処理を
行なったのちに機械加工を行い、保管や組立の際にも万
全の注意を要する等その製作法、管理法が難しいので、
機械加工費や管理費等の製造コストが高くなる。
【0030】又、摩擦特性や磨耗特性が綿布入りのフェ
ノール樹脂より優れた材料としてはポリイミド樹脂やフ
ッソ樹脂があるが、熱収縮率が大きくディスプレーサを
製作すると形状精度が保てないため、従来は熱収縮率の
小さな材料例えばステンレスで作られたディスプレーサ
にポリイミド樹脂やフッソ樹脂をコーティングするとい
う方法もとられていた。
【0031】しかし、コーティングには費用と時間がか
かる。又、母材を高温にする工程があるため母材は耐熱
性の高い金属製の材料にかぎられる。更に、長時間運転
によるコーティング層の磨耗修復に対しては、ディスプ
レーサの表面から一度コーティング層を取り除き再度コ
ーティングをしなければならずディスプレーサの再利用
が難しい。コーティングされた新品のディスプレーサを
使用すれば高価になる。又、低温時の摩擦・磨耗特性に
優れている超高分子量ポリエチレンはコーティングして
も剥れ易いという問題点もある。
【0032】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたもので、連結装置が円滑に動き各ディ
スプレーサの往復運動方向の軸心がずれたり傾いたりし
ていてもディスプレーサの往復運動における摩擦熱の発
生が少なく、冷凍能力の低下を防止でき、又冷却性能が
安定する極低温冷凍機を得ることを目的とする。更に、
連結装置の長さが短くなって熱の侵入を少なくすること
ができ、又摺動部における摩擦熱の発生が少ない極低温
冷凍機を得ることを目的とする。更に、従来の材料にコ
ーティング層やスリーブを施して使用でき、安価な極低
温冷凍機を得ることを目的とする。
【0033】又、接続装置が円滑に動きディスプレーサ
と駆動軸との往復運動方向の軸心がずれたり傾いたりし
ていてもディスプレーサの往復運動における摩擦熱の発
生が少なく、冷凍能力の低下を防止でき、又冷凍性能が
安定する極低温冷凍機を得ることを目的とする。
【0034】又、摺動部である帯状体の材料をディスプ
レーサの材料に限定されずに自由に選択できて、かつ帯
状体を交換することによりディスプレーサは容易に再利
用ができる、安価な極低温冷凍機を得ることを目的とす
る。更に、低温時における摩擦・磨耗特性がフェノール
樹脂よりも低い高分子材料の帯状体を使用することがで
きることによりディスプレーサの往復運動における摩擦
熱の発生が少ない極低温冷凍機を得ることを目的とす
る。更に、フェノール樹脂のディスプレーサに比べディ
スプレーサからの放出水分がなく氷結による摩擦力の増
大をなくすことができるとともにディスプレーサの外周
面が直接シリンダと触れた場合でも擦れによる摩擦熱の
発生が少ない極低温冷凍機を得ることを目的とする。更
に、高精度に帯状体を加工することができディスプレー
サとシリンダとの隙間を小さくすることができるため作
動流体の対流の発生を防止することができ、冷凍能力の
低下を防止でき、冷却性能が安定する極低温冷凍機とそ
の製造方法を得ることを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の極低温冷凍機は、複数の冷却装置と連結装置と接続
装置とを有する極低温冷凍機であって、冷却装置は、シ
リンダとこのシリンダ内に配設されたディスプレーサと
を有するものであり、連結装置は、第1の継ぎ手部材と
第1の軸部材と第2の継ぎ手部材と第2の軸部材と中間
部材とを有するものであって、第1の継ぎ手部材と中間
部材とは第1の軸部材により第1の継ぎ手部材と第1の
軸部材とにまたは第1の軸部材と中間部材とに設けられ
た第1の軸方向摺動部及び第1の継ぎ手部材と第1の軸
部材とにまたは第1の軸部材と中間部材とに設けられた
第1の周方向摺動部を介して連結され、第2の継ぎ手部
材と中間部材とは第1の軸部材と所定間隔を設けて交差
配設された第2の軸部材により第2の継ぎ手部材と第2
の軸部材とにまたは第2の軸部材と中間部材とに設けら
れた第2の軸方向摺動部及び第2の継ぎ手部材と第2の
軸部材とにまたは第2の軸部材と中間部材とに設けられ
た第2の周方向摺動部を介して連結され、第1の軸方向
摺動部は中間部材が第1の継ぎ手部材に対して第1の軸
部材の軸方向に移動しうるように中間部材が第2の軸部
材から受ける第1の軸部材の軸方向の力により第1の軸
方向摺動部に発生する偶力が第1の軸方向摺動部に発生
する摩擦力以下になるようにされ、第1の周方向摺動部
は中間部材が第1の継ぎ手部材に対して第1の軸部材の
軸と直交する方向に回動しうるようにされ、第2の軸方
向摺動部は中間部材が第2の継ぎ手部材に対して第2の
軸部材の軸方向に移動しうるように中間部材が第1の軸
部材から受ける第2の軸部材の軸方向の力により第2の
軸方向摺動部に発生する偶力が第2の軸方向摺動部に発
生する摩擦力以下になるようにされたものであり、複数
の冷却装置は各シリンダがその軸がほぼ同一軸上にある
ようにして固定され、各ディスプレーサは連結装置の第
1及び第2の継ぎ手部材が第1及び第2の軸部材の軸方
向が往復運動の方向と交差するようにして各ディスプレ
ーサにそれぞれに固着されることにより連結され、ディ
スプレーサの一方が接続装置を介して駆動軸に接続され
て各ディスプレーサが各シリンダ内にて往復運動して作
動流体を移動させるものである。
【0036】この発明の請求項2に記載の極低温冷凍機
は、第1の軸部材と第2の軸部材とが接触しないように
微小な所定の間隔を設けて中間部材に連結されたもので
ある。
【0037】この発明の請求項3に記載の極低温冷凍機
は、第1及び第2の軸方向摺動部が第1の軸部材と中間
部材とに及び第2の軸部材と中間部材とにそれぞれ設け
られたものある。
【0038】この発明の請求項4に記載の極低温冷凍機
は、第1及び第2の軸部材が円筒状の同じ寸法の同じ材
料の丸棒軸部材で形成されたものであって中間部材にそ
れぞれ設けられた円筒状の貫通孔部に貫通されて丸棒部
材と貫通孔部とがそれぞれ第1の軸方向摺動部兼第1の
周方向摺動部及び第2の軸方向摺動部兼第2の周方向摺
動部とされたものであり、次の条件式 D1>2×K1×(L−(Dp1)/2) ここに、D1 :中間部材の貫通孔部の長さ K1 :第1の軸部材と中間部材の貫通孔との摩擦係数 L :第1の軸部材と第2の軸部材との軸間距離 Dp1:第1の軸部材の直径 をみたすものである。
【0039】この発明の請求項5に記載の極低温冷凍機
は、第1及び第2の軸部材は金属で形成され、中間部材
は高分子材料で形成されたものである。
【0040】この発明の請求項6に記載の極低温冷凍機
は、第1及び第2の軸方向摺動部において摺動する両部
材の各摺動部の少なくとも一方は金属に対する摩擦係数
がフェノール樹脂よりも低い高分子材料にて形成された
ものである。
【0041】この発明の請求項7に記載の極低温冷凍機
は、高分子材料がポリイミド樹脂であるものである。
【0042】この発明の請求項8に記載の極低温冷凍機
は、両部材の摺動部が高分子材料のコーティング層にて
形成されたものである。
【0043】この発明の請求項9に記載の極低温冷凍機
は、両部材の摺動部が高分子材料のスリーブにて形成さ
れたものである。
【0044】この発明の請求項10に記載の極低温冷凍
機は、接続装置が、ディスプレーサの端部に設けられ開
口部を有する収容部及び開口部近傍に設けられた金属製
の掛止部材と、金属に対する摩擦係数がフェノール樹脂
よりも低い高分子材料にてそれぞれ形成された第1と第
2の当接摺動部を有し収容部にディスプレーサの往復運
動方向及びこれと直角方向に移動可能に収容されるとと
もに掛止部材により収容部から抜け出ないように第1の
当接摺動部が掛止される拡大部とを有するものであり、
拡大部が駆動軸に固設され、駆動軸の往復運動により拡
大部の第1及び第2の当接摺動部が収容部及び掛止部に
交互に当接してディスプレーサを往復運動させるもので
ある。
【0045】この発明の請求項11に記載の極低温冷凍
機は、第1と第2の当接摺動部が高分子材料で形成され
たものである。
【0046】この発明の請求項12に記載の極低温冷凍
機は、シリンダとディスプレーサとを有する冷却装置を
設けた極低温冷凍機であって、ディスプレーサは、その
外周部に軸方向に所定の間隔をおいて設けられ周方向の
環状溝を形成する複数の凹部と、凹部から突出するよう
にして複数の凹部にそれぞれ締まり嵌め状態で嵌合され
た帯状体とを有するものであり、ディスプレーサはシリ
ンダ内に配設され駆動軸に接続されてシリンダ内にて往
復運動して帯状体がシリンダと摺動し作動流体を移動さ
せるものである。
【0047】この発明の請求項13に記載の極低温冷凍
機は、帯状体が高分子材料によって形成されたものであ
る。
【0048】この発明の請求項14に記載の極低温冷凍
機は、高分子材料が超高分子量ポリエチレンであるもの
である。
【0049】この発明の請求項15に記載の極低温冷凍
機は、ディスプレーサがガラスエポキシであるものであ
る。
【0050】この発明の請求項16に記載の極低温冷凍
機の製造方法は、外径部に加工代を設けた加工前帯状体
をディスプレーサの凹部に締まり嵌めにて嵌合させたの
ち、加工前帯状体を加工して所定の外径寸法を有する帯
状体とする製造方法である。
【0051】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態をA.ディ
スプレーサ間の連結装置に関するもの、B.駆動軸とデ
ィスプレーサ間の接続装置に関するもの、C.ディスプ
レーサに関するもの、の3つに分けて示す。これらと発
明の実施の形態との関係は以下の通りであり、この順に
従って示す。 A.ディスプレーサ間の連結装置に関するもの:発明の
実施の形態1から9 B.駆動軸とディスプレーサ間の接続装置に関するも
の:発明の実施の形態10 C.ディスプレーサに関するもの:発明の実施の形態1
1から12
【0052】図1はディスプレーサ間の連結装置に関す
るこの発明の実施の形態における動作原理を説明するた
めのもので、2つのディスプレーサを連結する連結装置
の要部を示す説明用断面図である。図において、13、
22は例えば従来と同様のフェノール樹脂製の円筒状の
第1段及び第2段ディスプレーサである。第1段ディス
プレーサ13は図1(a)に示すように、その一端に矢
印ARと直交する方向に貫通する左右の円形の貫通孔1
3aを形成する左右の円筒状の内周壁部13bを有す
る。第2段ディスプレーサ22は図1(b)に示すよう
に、その一端に矢印ARと直交する方向に貫通する左右
の円形の貫通孔22aを形成する左右の円筒状の内周壁
部22bを有する。
【0053】900は例えば従来と同様のアルミ合金製
の正四角柱状の接続片である。接続片900は図1
(a)に示すように、矢印ARと直交する方向に貫通す
る上側の円形の貫通孔900aを形成する上側の円筒状
の内周壁部900cを有すると共に、図1(b)に示す
ように、矢印ARと直交する方向に貫通する下側の円形
の貫通孔900bを形成する下側の円筒状の内周壁部9
00dを有する。尚、上下の内周壁部900c、900
dは所定の軸間距離をもって互いに直交している。90
1、902は例えば従来と同様のステンレス製の丸棒状
の第1及び第2の接続ピンである。第1の接続ピン90
1は図1(a)に示すように、接続片900の上側の内
周壁部900cと接触する接触部901a及び第1段デ
ィスプレーサ13の左右の内周壁部13bと接触する左
右の接触部901bを有する。第2の接続ピン902は
図1(b)に示すように、接続片900の下側の内周壁
部900dと接触する接触部902a及び第2段ディス
プレーサ22の左右の内周壁部22bと接触する左右の
接触部902bを有する。
【0054】第1の接続ピン901は図1(a)に示す
ように、第1の接続ピン901の左右の接触部901b
と第1段ディスプレーサ13に設けられた左右の内周壁
部13bとは締まりばめによって第1段ディスプレーサ
13の左右の内周壁部13bに装着され、第1の接続ピ
ン901の接触部901aと接続片900に設けられた
上側の内周壁部900cとはスキマばめによって接続片
900の内周壁部900cに摺動可能に装着されてい
る。第2の接続ピン902は図1(b)に示すように、
第2の接続ピン902の左右の接触部902bと第2段
ディスプレーサ22に設けられた左右の内周壁部22b
とは締りばめによって第2段ディスプレーサ22の内周
壁部22bに装着され、第2の接続ピン902の接触部
902aと接続片900に設けられた下側の内周壁部9
00dとはスキマばめによって接続片900の内周壁部
900dに摺動可能に装着されている。
【0055】上記の接続片900、第1の接続ピン90
1、第2の接続ピン902、第1段ディスプレーサ13
の一端に設けられた第1の接続ピン901装着用の内周
壁部13b、第2段ディスプレーサ22の一端に設けら
れた第2の接続ピン902装着用の内周壁部22bによ
り連結装置904が構成されている。第1段ディスプレ
ーサ13と第2段ディスプレーサ22とは、上記のよう
な状態で互いに直交する三方向に自由に動くように連結
装置904により連結されている。尚、図において、そ
の他のものについては、図13、図14のものと同様の
ものであるので相当するものに同一符号を付して説明を
省略する。
【0056】そこでこの発明の実施の形態では以下に説
明する摺動部を常に滑りうる構成とするものである。
【0057】摺動部を常に滑りうるようにする構成につ
いて、接続片900と第1の接続ピン901の摺動部
(接続片900の内周壁部900cと第1の接続ピン9
01の接触部901a間)を代表例として図1に基づき
説明する。連結装置904がスムーズに動くためには、
接続片900と第1の接続ピン901との接触部900
c、901aを常に滑りうる構成とし、例えば第2の接
続ピン902を介して接続片900がX方向の外力F1
で押された際に、接続片900が常に滑る必要がある。
この条件を満たすためには端部Aでのモーメントを考
え、F1によるモーメントよりもF2によるモーメント
の方を大きくすれば、接続片900と第1の接続ピン9
01とはX方向に常に滑りうる関係となる。
【0058】上記の関係は以下の式で示される。 F2×DA/2>F1×(L−Dp1/2) ここで接続片900と第1の接続ピン901との摺動部
の摩擦係数をKとするとF1=K×F2であるから、こ
れを代入すると DA>2×K×(L−Dp1/2) (1) となり、この条件式(1)を満足する関係にあれば、外
力F1の大きさに関係なく常に滑りうる構成となる。
【0059】接続片900と第1の接続ピン901との
間を代表例として図1に基づき動作原理を説明したが、
接続片900と第2の接続ピン902との間も、正四角
柱状の接続片900の一辺の長さDAは同じであり、X
方向の外力F1の働く位置を第2の接続ピン902から
第1の接続ピン901に、摩擦抗力F2の働く位置を第
1の接続ピン901から第2の接続ピン902に各々置
き換えて考えると上記の代表例と同様であるので、上記
の関係は以下の式で示される。 DA>2×K×(L−Dp2/2) (2) 接続片900と第2の接続ピン902との間も条件式
(2)を満足する関係にあれば常に滑りうる構成とな
る。
【0060】更に、第1段ディスプレーサ13と第1の
接続ピン901との間を滑りうる構成とする場合も同様
で、第1の接続ピン901を第1の接続ピン901の接
触部901aと接続片900に設けられた上側の内周壁
部900cとは締まりばめによって接続片900の内周
壁部900cに装着して、第1の接続ピン901の左右
の接触部901bと第1段ディスプレーサ13に設けら
れた左右の内周壁部13bとはスキマばめによって第1
段ディスプレーサ13の内周壁部13bに摺動可能に装
着するようにし、例えば第2の接続ピン902を介して
接続片900がX方向の外力F1で押された際には、第
1の接続ピン901は滑るようにする。これは上記の代
表例の正四角柱状の接続片900の一辺の長さDAを第
1段ディスプレーサ13の直径DB(図1(a)参照)
に、端部Aでのモーメントを端部Bでのモーメントに置
き換えて考えると上記の代表例と同様の構成と看做せる
ことから、上記の関係は以下の式で示される。 DB>2×K×(L−Dp1/2) (3) 第1段ディスプレーサ13と第1の接続ピン901との
間も条件式(3)を満足する関係にあれば常に滑りうる
構成となる。
【0061】第2段ディスプレーサ22と第2の接続ピ
ン902との間も第1段ディスプレーサ13と第1の接
続ピン901との間の関係と同様で、第1段ディスプレ
ーサ13の直径DBを第2段ディスプレーサ22の直径
DC(図1(a)参照)に置き換えて考えると上記の代
表例と同様の構成と看做せることから、上記の関係は以
下の式で示される。 DC>2×K×(L−Dp2/2) (4) 第2段ディスプレーサ22と第2の接続ピン902との
間も条件式(4)を満足する関係にあれば常に滑りうる
構成となる。
【0062】以上のことから、連結装置904は上記
(1)から(4)の4つの条件式のうち、(1)、
(3)式の一方及び(2)、(4)式の一方を満たすも
のであれば良い。DA、Dp1、Dp2は連結装置90
4の大きさの制約上大きくできないので、KとLを小さ
く設定するが、DAの代わりにDBとなるように第1段
ディスプレーサ13の内周壁部13bと第1の接続ピン
901の左右の接触部901bで、DAの代わりにDC
となるように第2段ディスプレーサ22の内周壁部22
bと第2の接続ピン902の左右の接触部902bで各
々滑るように(3)、(4)式を共に満たすようにする
のが実用的である。これにより常に滑りうる構成とな
り、連結装置904の動きをスムーズにすることができ
る。
【0063】上記の発明に関する条件式及び3つの設定
(K、L、DA)とこの発明の実施の形態及び図との関
係を以下に示す。 (a)条件式(1)及び(2)を満たすもの a−1.Kを小さく設定:発明の実施の形態1(図2) a−2.K及びLを共に小さく設定:発明の実施の形態
2から7(図3から8) (b)条件式(3)及び(4)を満たすもの K及びLを共に小さく、DAの代わりにDB、DCとな
るよう設定:発明の実施の形態8、9 (図9、10)
【0064】上記ではギフォード・マクマホン冷凍機に
用いるものについて述べたが、その他の冷凍サイクル、
例えばスターリング冷凍機やビルマイヤー冷凍機、クロ
ード冷凍機、ソルベー冷凍機にも使用できる。また2段
式冷凍機に用いるものについて述べたが、3段式以上の
冷凍機に使用できる。
【0065】以下、この発明に関わる極低温冷凍機を、
図面を参照しながらさらに具体的に説明する。
【0066】発明の実施の形態1 図2はこの発明の実施の一形態である連結装置の要部を
示す断面図である。この実施の形態は上記条件式(1)
及び(2)を満たすようにしたものである。図におい
て、105は高分子材料である充填材入りのポリイミド
樹脂製、例えばベスペルSP21(商品名)の図14に
示す接続片100と同様の正四角柱状の接続片であり、
図に示すように矢印ARと直交する方向に貫通する上下
の円形の貫通孔105a、105bを形成する上下の円
筒状の内周壁部105c、105dを有する。尚、上下
の内周壁部105c、105dは所定の軸間距離をもっ
て互いに直交している。
【0067】従来と同様のステンレス製の丸棒状の第1
の接続ピン101は第1の接続ピン101の左右の接触
部101bと従来と同様のフェノール樹脂製の円筒状の
第1段ディスプレーサ13に設けられた左右の円筒状の
内周壁部13bとは締まりばめによって第1段ディスプ
レーサ13の内周壁部13bに装着され、第1の接続ピ
ン101の接触部101aと接続片105に設けられた
上側の内周壁部105cとはスキマばめによって接続片
105の内周壁部105cに摺動可能に装着されてい
る。ステンレス製の丸棒状の第2の接続ピン102は第
2の接続ピン102の接触部102bとフェノール樹脂
製の円筒状の第2段ディスプレーサ22に設けられた円
形の貫通孔22aを形成する円筒状の内周壁部22b
(図2では接続片105の下側の貫通孔105bの軸方
向(Y)に対し接続片105の背後に重なって図示され
ている。図1(b)の第2段ディスプレーサ22参照)
とは締まりばめによって第2段ディスプレーサ22の内
周壁部22bに装着され、第2の接続ピン102の接触
部102aと接続片105に設けられた下側の内周壁部
105dとはスキマばめによって接続片105の内周壁
部105dに摺動可能に装着されている。
【0068】上記の中間部材としての接続片105、第
1の軸部材としての第1の接続ピン101、第2の軸部
材としての第2の接続ピン102、第1の継ぎ手部材と
しての第1段ディスプレーサ13の一端に設けられた第
1の接続ピン101装着用の内周壁部13b、第2の継
ぎ手部材としての第2段ディスプレーサ22の一端に設
けられた第2の接続ピン102装着用の内周壁部22b
により連結装置108が構成されている。第1段ディス
プレーサ13と第2段ディスプレーサ22とは、上記の
ような状態で互いに直交する三方向に自由に動くように
連結装置108により連結されている。尚、図におい
て、その他のものについては、図1、図13、図14の
ものと同様のものであるので相当するものに同一符号を
付して説明を省略する。
【0069】上記のように構成することにより、第1の
軸方向摺動部及び第1の周方向摺動部並びに第2の軸方
向摺動部及び第2の周方向摺動部としての接続片105
と第1及び第2の接続ピン101、102との摺動部
(接続片105の内周壁部105cと第1の接続ピン1
01の接触部101a間、接続片105の内周壁部10
5dと第2の接続ピン102の接触部102a間)の摩
擦係数Kの値はポリイミド樹脂とステンレス間で0.1
5となり、従来の製品のアルミ合金とステンレス間の値
0.82に比べて1/5.5にすることができるので、
これにより接続片105と第1の接続ピン101との摺
動部(105cと101a間)においては、条件式
(1)のDA>2×K×(L−Dp1/2)を満足した
関係にあり、X方向の外力F1の大きさに関係なく常に
滑りうる構成となる。又、接続片105と第2の接続ピ
ン102との摺動部(105dと102a間)において
も上記と同様に条件式(2)のDA>2×K×(L−D
p2/2)を満足した関係にあり、連結装置108の動
きをスムーズにすることができる。
【0070】この実施の形態では、接続片105に低摩
擦係数を有し極低温下で必要強度をもつ充填材入りのポ
リイミド樹脂製を用いたが、ポリイミド樹脂製に限られ
るものではなく、例えば低摩擦係数を有する3フッ化樹
脂製や4フッ化樹脂製等でも良い。又、第1段及び第2
段ディスプレーサ13、22の内周壁部13b、22b
は円筒状及び第1及び第2の接続ピン101,102は
丸棒状のものを用いたが、次のように構成することもで
きる。第1段及び第2段ディスプレーサ13、22の内
周壁部13b、22bを正四角穴状とし、更に第1及び
第2の接続ピン101、102の接触部101b、10
2b(第1段及び第2段ディスプレーサ13、22の内
周壁部13b、22bとの回動及び摺動部分)を正四角
柱状とする。第1及び第2の接続ピン101、102の
接触部101a、102a(接続片105の円筒状の内
周壁部105c、105dとの回動及び摺動部分)を丸
棒状とした段付きの第1及び第2の接続ピン101、1
02としても良い。
【0071】例えば、図2の第1段ディスプレーサ13
と第1の接続ピン101を代表例として説明する。第1
段ディスプレーサ13の例えば右側の内周壁部13bを
正四角穴状とする。第1の接続ピン101の右側の接触
部101b(第1段ディスプレーサ13の右側の内周壁
部13bとの回動及び摺動部分)を上記の第1段ディス
プレーサ13の右側の正四角穴状の内周壁部13bに装
着可能な正四角柱状とする。第1の接続ピン101の接
触部101a(接続片105の内周壁部105cとの回
動及び摺動部分)を上記の右側の正四角柱状の接触部1
01bに内接する円より若干小さい直径の丸棒状とす
る。接続片105の内周壁部105cも上記の接触部1
01aとスキマばめとなる直径の円筒状とする。更に、
第1の接続ピン101の左側の接触部101b(第1段
ディスプレーサ13の左側の内周壁部13bとの回動及
び摺動部分)を上記の直径の円筒状の内周壁部105c
に内接する正方形より若干小さい正四角柱状とし、第1
段ディスプレーサ13の左側の内周壁部13bを上記の
第1の接続ピン101の左側の正四角柱状の接触部10
1bが装着可能な正四角穴状とする。これにより、第1
の接続ピン101はこの場合右側から左側に突き通すこ
とができ、第1段ディスプレーサ13と接続片105を
接続できる。同様に第2の接続ピン102も第2段ディ
スプレーサ22と接続片105を接続できる。
【0072】上記のように構成することにより、第1段
及び第2段ディスプレーサ13、22の内周壁部13
b、22bと第1及び第2の接続ピン101、102の
接触部101b、102bとの間を締まりばめにしなく
ても良くなるので、組み立ての作業性を良くすることが
できる。
【0073】発明の実施の形態2 図3は、この発明の他の実施の形態である連結装置の要
部を示す断面図である。この実施の形態は上記条件式
(1)及び(2)を満たすようにしたものである。図に
おいて、111は高分子材料である充填材入りのポリイ
ミド樹脂製、例えばベスペルSP21(商品名)の図1
4に示す接続片100の長さより短小化された正四角柱
状の接続片であり、図に示すように矢印ARと直交する
方向に貫通する上下の円形の貫通孔111a、111b
を形成する上下の円筒状の内周壁部111c、111d
を有し、上側の貫通孔111aの外周面部と下側の貫通
孔111bの外周面部がほぼ一致するように上下の貫通
孔111a、111b間の軸間距離Lを短くしている。
尚、上下の内周壁部111c、111dは所定の軸間距
離をもって互いに直交している。
【0074】112は図14に示す従来の第2段ディス
プレーサ22と同様のフェノール樹脂製の円筒状の第2
段ディスプレーサであり、図では接続片111の下側の
貫通孔111bのY方向に対し接続片111の背後に重
なって図示されている円形の貫通孔112aを形成する
円筒状の内周壁部112bを有し、第1の接続ピン10
1と接触しない十分な大きさで第1の接続ピン101が
貫通するための左右の円形の貫通孔113を形成する左
右の円筒状の内周壁部113aを有する。
【0075】ステンレス製の丸棒状の第1の接続ピン1
01は第2段ディスプレーサ112に設けられた貫通孔
113を貫通した状態で第1の接続ピン101の左右の
接触部101bとフェノール樹脂製の円筒状の第1段デ
ィスプレーサ13に設けられた左右の円筒状の内周壁部
13bとは締まりばめによって第1段ディスプレーサ1
3の内周壁部13bに装着され、第1の接続ピン101
の接触部101aと接続片111に設けられた上側の内
周壁部111cとはスキマばめによって接続片111の
内周壁部111cに摺動可能に装着されている。ステン
レス製の丸棒状の第2の接続ピン102は第2の接続ピ
ン102の接触部102bと第2段ディスプレーサ11
2に設けられた内周壁部112bとは締まりばめによっ
て第2段ディスプレーサ112の内周壁部112bに装
着され、第2の接続ピン102の接触部102aと接続
片111に設けられた下側の内周壁部111dとはスキ
マばめによって接続片111の内周壁部111dに摺動
可能に装着されている。
【0076】上記の接続片111、第1の接続ピン10
1、第2の接続ピン102、第1段ディスプレーサ13
の一端に設けられた第1の接続ピン101装着用の内周
壁部13b、第2段ディスプレーサ112の一端に設け
られた第2の接続ピン102装着用の内周壁部112b
により連結装置114が構成されている。第1段ディス
プレーサ13と第2段ディスプレーサ112とは、上記
のような状態で互いに直交する三方向に自由に動くよう
に連結装置114により連結されている。尚、図におい
て、その他のものについては、図1、図2、図13、図
14のものと同様のものであるので相当するものに同一
符号を付して説明を省略する。
【0077】上記のように構成することにより、接続片
111と第1及び第2の接続ピン101、102との摺
動部(接続片111の内周壁部111cと第1の接続ピ
ン101の接触部101a間、接続片111の内周壁部
111dと第2の接続ピン102の接触部102a間)
の摩擦係数Kを図2の実施の形態と同様に従来のアルミ
合金とステンレス間に比べ小さくすることができること
に加えて、接続片111の上下の貫通孔111a、11
1bの軸間距離Lを図14に示す従来の接続片100の
上下の貫通孔100a、100bの軸間距離より短くす
ることができるので、これにより接続片111と第1及
び第2の接続ピン101、102との摺動部において
は、より一層条件式(1)のDA>2×K×(L−Dp
1/2)及び条件式(2)のDA>2×K×(L−Dp
2/2)を満足した関係となり、X方向の外力F1の大
きさに関係なく常に滑りうる構成となり、連結装置11
4の動きをスムーズにすることができる。
【0078】この実施の形態では、接続片111に低摩
擦係数を有し極低温下で必要強度をもつ充填材入りのポ
リイミド樹脂製を用いたが、ポリイミド樹脂製に限られ
るものではなく、例えば低摩擦係数を有する3フッ化樹
脂製や4フッ化樹脂製等でも良い。又、第1段及び第2
段ディスプレーサ13、112の内周壁部13b、11
2bは円筒状及び第1及び第2の接続ピン101,10
2は丸棒状のものを用いたが、次のように構成すること
もできる。図2の実施の形態と同様に、第1段及び第2
段ディスプレーサ13、112の内周壁部13b、11
2bを正四角穴状とし、更に第1及び第2の接続ピン1
01、102の接触部101b、102b(第1段及び
第2段ディスプレーサ13、112の内周壁部13b、
112bとの回動及び摺動部分)を正四角柱状とする。
第1及び第2の接続ピン101、102の接触部101
a、102a(接続片111の円筒状の内周壁部111
c、111dとの回動及び摺動部分)を丸棒状とした段
付きの第1及び第2の接続ピン101、102としても
良い。
【0079】発明の実施の形態3 図4は、更にこの発明の他の実施の形態である連結装置
の要部を示すもので、図4(a)は連結装置の要部を示
す断面図、図4(b)は側面を示す断面図である。この
実施の形態は上記条件式(1)及び(2)を満たすよう
にしたものである。図において、115は例えば従来と
同様のアルミ合金製の図3に示す接続片111と同様の
正四角柱状の接続片であり、図に示すように矢印ARと
直交する方向に貫通する上下の円形の貫通孔115a、
115bを形成する上下の円筒状の内周壁部115c、
115dを有する。尚、上下の内周壁部115c、11
5dは所定の軸間距離をもって互いに直交している。
【0080】116、117は高分子材料である充填材
入りのポリイミド樹脂、例えばベスペルSP21(商品
名)からなり接続片115の上下の内周壁部115c、
115dに被覆されたコーティング層であり、図に示す
ように内周面116a、117aを有する。118は図
14に示す従来の第2段ディスプレーサ22と同様のフ
ェノール樹脂製の円柱状の第2段ディスプレーサであ
り、円形の貫通孔118aを形成する円筒状の内周壁部
118bと第1の接続ピン101が接触しないようにし
て通る左右の切り欠き部119を形成するU字形の周壁
部119aを有する。
【0081】ステンレス製の丸棒状の第1の接続ピン1
01は第2段ディスプレーサ118に設けられた切り欠
き部119を通った状態で第1の接続ピン101の左右
の接触部101bとフェノール製の円筒状の第1段ディ
スプレーサ13に設けられた左右の円筒状の内周壁部1
3bとは締まりばめによって第1段ディスプレーサ13
の内周壁部13bに装着され、第1の接続ピン101の
接触部101aと接続片115に設けられた上側の内周
壁部115cに被覆されたコーティング層116の内周
面116aとはスキマばめによって接続片115のコー
ティング層116の内周面116aに摺動可能に装着さ
れている。ステンレス製の丸棒状の第2の接続ピン10
2は第2の接続ピン102の左右の接触部102bと第
2段ディスプレーサ118に設けられた内周壁部118
bとは締まりばめによって第2段ディスプレーサ118
の内周壁部118bに装着され、第2の接続ピン102
の接触部102aと接続片115に設けられた下側の内
周壁部115dに被覆されたコーティング層117の内
周面117aとはスキマばめによって接続片115のコ
ーティング層117の内周面117aに摺動可能に装着
されている。
【0082】上記の接続片115、第1の接続ピン10
1、第2の接続ピン102、第1段ディスプレーサ13
の一端に設けられた第1の接続ピン101装着用の内周
壁部13b、第2段ディスプレーサ118の一端に設け
られた第2の接続ピン102装着用の内周壁部118b
により連結装置120が構成されている。第1段ディス
プレーサ13と第2段ディスプレーサ118とは、上記
のような状態で互いに直交する三方向に自由に動くよう
に連結装置120により連結されている。 尚、図にお
いて、その他のものについては、図1から図3及び図1
3、図14のものと同様のものであるので相当するもの
に同一符号を付して説明を省略する。
【0083】上記のように構成することにより、図3に
示す接続片111は、接続片全体がポリイミド樹脂製で
形成されているため高価であるが、図4に示す接続片1
15はコーティング層116、117のみポリイミド樹
脂で形成され、母材は例えば従来と同様のアルミ合金製
が使えるため接続片111より安価にすることができ
る。
【0084】この実施の形態では、接続片115に設け
られた上下の内周壁部115c、115dに被覆された
コーティング層116、117に低摩擦係数を有する充
填材入りのポリイミド樹脂を用いたが、ポリイミド樹脂
に限られるものではなく、例えば低摩擦係数を有する3
フッ化樹脂や4フッ化樹脂等でも良い。又、第1段及び
第2段ディスプレーサ13、118の内周壁部13b、
118bは円筒状及び第1及び第2の接続ピン101,
102は丸棒状のものを用いたが、次のように構成する
こともできる。図2の実施の形態と同様に、第1段及び
第2段ディスプレーサ13、118の内周壁部13b、
118bを正四角穴状とし、更に第1及び第2の接続ピ
ン101、102の接触部101b、102b(第1段
及び第2段ディスプレーサ13、118の内周壁部13
b、118bとの回動及び摺動部分)を正四角柱状とす
る。第1及び第2の接続ピン101、102の接触部1
01a、102a(接続片115の円筒状の内周壁部1
15c、115dとの回動及び摺動部分)を丸棒状とし
た段付きの第1及び第2の接続ピン101、102とし
ても良い。
【0085】発明の実施の形態4 図5は、更にこの発明の他の実施の形態である連結装置
の要部の一部を示す断面図である。この実施の形態は上
記条件式(1)及び(2)を満たすようにしたものであ
る。図において、125は例えば従来と同様のアルミ合
金製の図4に示す接続片115と同様の正四角柱状の接
続片であり、図に示すように矢印ARと直交する方向に
貫通する上下の円形の貫通孔125a、125bを形成
する上下の円筒状の内周壁部125c、125dを有す
る。尚、上下の内周壁部125c、125dは所定の軸
間距離をもって互いに直交している。126、127は
高分子材料である充填材入りのポリイミド樹脂製、例え
ばベスペルSP(商品名)のスリーブであり、接続片1
25の上下の内周壁部125c、125dに抜け出ない
ように圧入され、内周面126a、127aを有する。
【0086】ステンレス製の丸棒状の第1の接続ピン1
01は第1の接続ピン101の接触部101aと接続片
125に設けられた上側の内周壁部125cに圧入され
たスリーブ126の内周面126aとはスキマばめによ
って接続片125のスリーブ126の内周面126aに
摺動可能に装着され、ステンレス製の丸棒状の第2の接
続ピン102は第2の接続ピン102の接触部102a
と接続片125に設けられた下側の内周壁部125dに
圧入されたスリーブ127の内周面127aとはスキマ
ばめによって接続片125のスリーブ127の内周面1
27aに摺動可能に装着されている。第1段ディスプレ
ーサ13と第1の接続ピン101及び第2段ディスプレ
ーサ118と第2の接続ピン102の構成は図4に示す
実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0087】上記の接続片125、第1の接続ピン10
1、第2の接続ピン102、第1段ディスプレーサ13
の一端に設けられた第1の接続ピン101装着用の内周
壁部13b、第2段ディスプレーサ118の一端に設け
られた第2の接続ピン102装着用の内周壁部118b
により連結装置128が構成されている。第1段ディス
プレーサ13と第2段ディスプレーサ118とは、上記
のような状態で互いに直交する三方向に自由に動くよう
に連結装置128により連結されている。 尚、図にお
いて、その他のものについては、図1から図4及び図1
3、図14のものと同様のものであるので相当するもの
に同一符号を付して説明を省略する。
【0088】上記のように構成することにより、図3に
示す接続片111は、接続片全体がポリイミド樹脂製で
形成されているため高価であるが、図5に示す接続片1
25はスリーブ126、127のみポリイミド樹脂製で
形成され、母材は例えば従来と同様のアルミ合金製が使
えるため接続片111より安価にすることができる。更
に、図4に示す接続片115はその内周壁部115c、
115dにコーティング層116、117を被覆してい
るが、図5に示す接続片125はその内周壁部125
c、125dにスリーブ126、127を圧入している
ので、コーティング層を施工するのに比べ、施工が容易
で作業性を良くすることができる。この実施の形態で
は、接続片125に設けられた上下の内周壁部125
c、125dに圧入されたスリーブ126,127に低
摩擦係数を有する充填材入りのポリイミド樹脂製を用い
たが、ポリイミド樹脂製に限られるものではなく、例え
ば低摩擦係数を有する3フッ化樹脂製や4フッ化樹脂製
等でも良い。
【0089】発明の実施の形態5 図6は、更にこの発明の他の実施の形態である連結装置
の要部を示す断面図である。この実施の形態は上記条件
式(1)及び(2)を満たすようにしたものである。図
において、141は例えば従来と同様のアルミ合金製の
図3に示す接続片111と同様の正四角柱状の接続片で
あり、 図に示すように矢印ARと直交する方向に貫通
する上下の円形の貫通孔141a、141bを形成する
上下の円筒状の内周壁部141c、141dを有する。
尚、上下の内周壁部141c、141dは所定の軸間距
離をもって互いに直交している。
【0090】142、143は高分子材料である充填材
入りのポリイミド樹脂製、例えばベスペルSP21(商
品名)の図14に示す第1及び第2の接続ピン101、
102と同様の丸棒状の第1及び第2の接続ピンであ
り、図に示すように第1の接続ピン142は接続片14
1に設けられた上側の円筒状の内周壁部141cとの接
触部142a及び第1段ディスプレーサ13に設けられ
た左右の円筒状の内周壁部13bとの左右の接触部14
2bを有する。第2の接続ピン143は接続片141に
設けられた下側の円筒状の内周壁部141dとの接触部
143a及び第2段ディスプレーサ112に設けられた
円形の貫通孔112aを形成する円筒状の内周壁部11
2b(図6では接続片141の下側の貫通孔141bの
Y方向に対し接続片141の背後に重なって図示されて
いる)との接触部143bを有する。
【0091】第1の接続ピン142は従来と同様のフェ
ノール樹脂製の円筒状の第2段ディスプレーサ112に
設けられた左右の円形の貫通孔113を貫通した状態で
第1の接続ピン142の左右の接触部142bとフェノ
ール樹脂製の円筒状の第1段ディスプレーサ13に設け
られた左右の内周壁部13bとは締まりばめによって第
1段ディスプレーサ13の内周壁部13bに装着され、
第1の接続ピン142の接触部142aと接続片141
に設けられた上側の内周壁部141cとはスキマばめに
よって接続片141の内周壁部141cに摺動可能に装
着されている。第2の接続ピン143は第2の接続ピン
143の接触部143bと第2段ディスプレーサ112
に設けられた内周壁部112bとは締まりばめによって
第2段ディスプレーサ112の内周壁部112bに装着
され、第2の接続ピン143の接触部143aと接続片
141に設けられた下側の内周壁部141dとはスキマ
ばめによって接続片141の内周壁部141dに摺動可
能に装着されている。
【0092】上記の接続片141、第1の接続ピン14
2、第2の接続ピン143、第1段ディスプレーサ13
の一端に設けられた第1の接続ピン142装着用の内周
壁部13b、第2段ディスプレーサ112の一端に設け
られた第2の接続ピン143装着用の内周壁部112b
により連結装置140が構成されている。第1段ディス
プレーサ13と第2段ディスプレーサ112とは、上記
のような状態で互いに直交する三方向に自由に動くよう
に連結装置140により連結されている。 尚、図にお
いて、その他のものについては、図1から図5及び図1
3、図14のものと同様のものであるので相当するもの
に同一符号を付して説明を省略する。
【0093】上記のように構成することにより、第1及
び第2の接続ピン142、143と接続片141との摺
動部(接続片141の内周壁部141cと第1の接続ピ
ン142の接触部142a間、接続片141の内周壁部
141dと第2の接続ピン143の接触部143a間)
の摩擦係数Kを図2の実施の形態と同様に従来のステン
レスとアルミ合金間に比べ小さくすることができること
に加えて、図3と同様に軸間距離Lを従来より短くする
ことができるので、これにより接続片141と第1の接
続ピン142との摺動部においては、より一層条件式
(1)のDA>2×K×(L−Dp1/2)及び条件式
(2)のDA>2×K×(L−Dp2/2)を満足した
関係となり、X方向の外力F1の大きさに関係なく常に
滑りうる構成となり、連結装置140の動きをスムーズ
にすることができる。
【0094】この実施の形態では、第1及び第2の接続
ピン142、143に高分子材料である低摩擦係数を有
する充填材入りのポリイミド樹脂製を用いたが、ポリイ
ミド樹脂製に限られるものではなく、例えば低摩擦係数
を有する3フッ化樹脂製や4フッ化樹脂製等でも良い。
又、第1段及び第2段ディスプレーサ13、112の内
周壁部13b、112bは円筒状及び第1及び第2の接
続ピン142,143は丸棒状のものを用いたが、次の
ように構成することもできる。図2の実施の形態と同様
に、第1段及び第2段ディスプレーサ13、112の内
周壁部13b、112bを正四角穴状とし、更に第1及
び第2の接続ピン142、143の接触部142b、1
43b(第1段及び第2段ディスプレーサ13、112
の内周壁部13b、112bとの回動及び摺動部分)を
正四角柱状とする。第1及び第2の接続ピン142、1
43の接触部142a、143a(接続片141の円筒
状の内周壁部141c、141dとの回動及び摺動部
分)を丸棒状とした段付きの第1及び第2の接続ピン1
42、143としても良い。
【0095】発明の実施の形態6 図7は、更にこの発明の他の実施の形態である連結装置
の要部を示す断面図である。この実施の形態は上記条件
式(1)及び(2)を満たすようにしたものである。図
において、144、145は図14に示す第1及び第2
の接続ピン101、102と同様の丸棒状の第1及び第
2の接続ピンである。144a、145aは例えば従来
と同様のステンレス製の第1及び第2の接続ピン14
4、145の母材である。144b、145bは高分子
材料である充填材入りのポリイミド樹脂、例えばベスペ
ルSP21(商品名)からなり第1及び第2の接続ピン
の母材144a、145aの外周面部に被覆されたコー
ティング層である。図に示すように第1の接続ピン14
4は接続片141に設けられた上側の円筒状の内周壁部
141cとの接触部144c及び第1段ディスプレーサ
13の左右の内周壁部13bとの左右の接触部144d
を有する。第2の接続ピン145は接続片141に設け
られた下側の円筒状の内周壁部141dとの接触部14
5c及び第2段ディスプレーサ118に設けられた円形
の貫通孔118aを形成する円筒状の内周壁部118b
(図7では接続片141の下側の貫通孔141bのY方
向に対し接続片141の背後に重なって図示されてい
る)との接触部145dを有する。
【0096】第1の接続ピン144は第2段ディスプレ
ーサ118に設けられた切り欠き部119を通った状態
で第1の接続ピン144の左右の接触部144dと第1
段ディスプレーサ13に設けられた左右の内周壁部13
bとは締まりばめによって第1段ディスプレーサ13の
内周壁部13bに装着され、第1の接続ピン144の接
触部144cと接続片141に設けられた上側の内周壁
部141cとはスキマばめによって接続片141の内周
壁部141cに摺動可能に装着されている。第2の接続
ピン145は第2の接続ピン145の接触部145dと
第2段ディスプレーサ118に設けられた左右の内周壁
部118bとは締まりばめによって第2段ディスプレー
サ118の内周壁部118bに装着され、第2の接続ピ
ン145の接触部145cと接続片141に設けられた
下側の内周壁部141dとはスキマばめによって接続片
141の内周壁部141dに摺動可能に装着されてい
る。
【0097】上記の接続片141、第1の接続ピン14
4、第2の接続ピン145、第1段ディスプレーサ13
の一端に設けられた第1の接続ピン144装着用の内周
壁部13b、第2段ディスプレーサ118の一端に設け
られた第2の接続ピン145装着用の内周壁部118b
により連結装置148が構成されている。第1段ディス
プレーサ13と第2段ディスプレーサ118とは、上記
のような状態で互いに直交する三方向に自由に動くよう
に連結装置148により連結されている。 尚、図にお
いて、その他のものについては、図1から図6及び図1
3、図14のものと同様のものであるので相当するもの
に同一符号を付して説明を省略する。
【0098】上記のように構成することにより、図6に
示す第1及び第2の接続ピン142、143は、接続ピ
ン全体がポリイミド樹脂製で形成されているため高価で
あるが、図7に示す第1及び第2の接続ピン144、1
45はコーティング層144b、145bのみポリイミ
ド樹脂で形成され、母材は例えば従来と同様のステンレ
ス製が使えるため第1及び第2の接続ピン142、14
3より安価にすることができることに加えて、強度も高
くすることができる。この実施の形態では、第1及び第
2の接続ピン144、145の母材144a、145a
の外周面部に被覆されたコーティング層144b、14
5bに高分子材料である低摩擦係数を有する充填材入り
のポリイミド樹脂を用いたが、ポリイミド樹脂に限られ
るものではなく、例えば低摩擦係数を有する3フッ化樹
脂や4フッ化樹脂等でも良い。
【0099】又、第1段及び第2段ディスプレーサ1
3、118の内周壁部13b、118bは円筒状及び第
1及び第2の接続ピン144,145は丸棒状のものを
用いたが、次のように構成することもできる。図2の実
施の形態と同様に、第1段及び第2段ディスプレーサ1
3、118の内周壁部13b、118bを正四角穴状と
し、更に第1及び第2の接続ピン144、145の接触
部144d、145d(第1段及び第2段ディスプレー
サ13、118の内周壁部13b、118bとの回動及
び摺動部分)を正四角柱状とする。第1及び第2の接続
ピン144、145の接触部144c、145c(接続
片141の円筒状の内周壁部141c、141dとの回
動及び摺動部分)を丸棒状とした段付きの第1及び第2
の接続ピン144、145としても良い。更に、コーテ
ィング層144b、145bは第1及び第2の接続ピン
144、145の母材144a、145aの外周面部全
体に被覆されているが、接続片141の円筒状の内周壁
部141c、141dとの回動及び摺動部分である接触
部144c、145cにコーティング層があれば良い。
【0100】発明の実施の形態7 図8は、更にこの発明の他の実施の形態である連結装置
の要部の一部を示す断面図である。この実施の形態は上
記条件式(1)及び(2)を満たすようにしたものであ
る。図において、154、155は図7に示す第1及び
第2の接続ピン144、145と同様の丸棒状の第1及
び第2の接続ピンである。154a、155aは例えば
従来と同様のステンレス製の第1及び第2の接続ピン1
54、155の母材である。154b、155bは高分
子材料である充填材入りのポリイミド樹脂製、例えばベ
スペルSP21(商品名)のスリーブで、第1及び第2
の接続ピンの母材154a、155aの外周面部に圧入
されている。
【0101】第1の接続ピン154は接続片141に設
けられた上側の円筒状の内周壁部141cとの接触部1
54c及び図7に示す第1段ディスプレーサ13の左右
の円筒状の内周壁部13bとの接触部154dを有す
る。第2の接続ピン155は接続片141に設けられた
下側の内周壁部141dとの接触部155c及び図7に
示す第2段ディスプレーサ118に設けられた円形の貫
通孔118aを形成する円筒状の内周壁部118b(図
8では接続片141の下側の貫通孔141bのY方向に
対し接続片141の背後に重なって図示されている)と
の接触部155dを有する。
【0102】第1の接続ピン154は第1の接続ピン1
54の接触部154cと接続片141に設けられた上側
の内周壁部141cとはスキマばめによって接続片14
1の内周壁部141cに摺動可能に装着されている。第
2の接続ピン155は第2の接続ピン155の接触部1
55cと接続片141に設けられた下側の内周壁部14
1dとはスキマばめによって接続片141の内周壁部1
41dに摺動可能に装着されている。第1段ディスプレ
ーサ13と第1の接続ピン154及び第2段ディスプレ
ーサ118と第2の接続ピン155の構成は図7に示す
実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0103】上記の接続片141、第1の接続ピン15
4、第2の接続ピン155、第1段ディスプレーサ13
の一端に設けられた第1の接続ピン154装着用の内周
壁部13b、第2段ディスプレーサ118の一端に設け
られた第2の接続ピン155装着用の内周壁部118b
により連結装置158が構成されている。第1段ディス
プレーサ13と第2段ディスプレーサ118とは、上記
のような状態で互いに直交する三方向に自由に動くよう
に連結装置158により連結されている。 尚、図にお
いて、その他のものについては、図1から図7及び図1
3、図14のものと同様のものであるので相当するもの
に同一符号を付して説明を省略する。
【0104】上記のように構成することにより、図6に
示す第1及び第2の接続ピン142、143は、接続ピ
ン全体がポリイミド樹脂製で形成されているため高価で
あるが、図8に示す第1及び第2の接続ピン154、1
55はスリーブ154b、155bのみポリイミド樹脂
製で形成され、母材は例えば従来と同様のステンレス製
が使えるため第1及び第2の接続ピン142、143よ
り安価にすることができることに加えて、強度も高くす
ることができる。更に、図7に示す第1及び第2の接続
ピン144、145は母材の外周面部にコーティング層
144b、145bが被覆されているが、図8に示す第
1及び第2の接続ピン154、155は母材154a、
155aの外周面部にスリーブ154b、155bを圧
入しているので、コーティング層を施工するのに比べ、
施工が容易で作業性を良くすることができる。
【0105】この実施の形態では、第1及び第2の接続
ピン154、155の母材154a、155aの外周面
部に圧入されたスリーブ154b、155bに高分子材
料である低摩擦係数を有する充填材入りのポリイミド樹
脂製を用いたが、ポリイミド樹脂製に限られるものでは
なく、例えば低摩擦係数を有する3フッ化樹脂製や4フ
ッ化樹脂製等でも良い。
【0106】又、第1段及び第2段ディスプレーサ1
3、118の内周壁部13b、118bは円筒状及び第
1及び第2の接続ピン154,155は丸棒状のものを
用いたが、次のように構成することもできる。図2の実
施の形態と同様に、第1段及び第2段ディスプレーサ1
3、118の内周壁部13b、118bを正四角穴状と
し、更に第1及び第2の接続ピン154、155の接触
部154d、155d(第1段及び第2段ディスプレー
サ13、118の内周壁部13b、118bとの回動及
び摺動部分)を正四角柱状とする。第1及び第2の接続
ピン154、155の接触部154c、155c(接続
片141の円筒状の内周壁部141c、141dとの回
動及び摺動部分)を丸棒状とした段付きの第1及び第2
の接続ピン154、155としても良い。更に、スリー
ブ154b、155bは第1及び第2の接続ピン15
4、155の母材154a、155aの外周面部全体に
圧入されているが、接続片141の円筒状の内周壁部1
41c、141dとの回動及び摺動部分である接触部1
54c、155cにスリーブがあれば良い。
【0107】発明の実施の形態8 図9は、更にこの発明の他の実施の形態である連結装置
の要部を示す断面図である。この実施の形態は上記条件
式(3)及び(4)を満たすようにしたものである。こ
こでは、条件式(1)(2)の代わりに条件式(3)
(4)を満足するように正四角柱状の接続片141の一
辺の長さDAを第1段及び第2段ディスプレーサ17
1、172の直径DB、DCに置き換えたものである。
171、172は従来と同様のフェノール樹脂製の図1
4に示す第1段ディスプレーサ13及び第2段ディスプ
レーサ22と同様の円筒状の第2段ディスプレーサであ
る。第1段ディスプレーサ171は図に示すように、矢
印ARと直交する方向に貫通する左右の円形の貫通孔1
71aを形成する左右の円筒状の内周壁部171bを有
する。
【0108】第2段ディスプレーサ172は図に示すよ
うに、矢印ARの方向に直交して貫通する円形の貫通孔
172aを形成する円筒状の内周壁部172b(図9で
は接続片141の下側の貫通孔141bのY方向に対し
接続片141の背後に重なって点線で図示されている)
及び第1の接続ピン101が通る左右の切り欠き部11
9を形成するU字形の周壁部119aを有する。17
3、174は高分子材料である充填材入りのポリイミド
樹脂製、例えばベスペルSP21(商品名)のスリーブ
であり、第1段ディスプレーサ171及び第2段ディス
プレーサ172の内周壁部171b、172bに抜け出
ないように圧入され、内周面173a、174aを有す
る。
【0109】第1の接続ピン101は第2段ディスプレ
ーサ172に設けられた切り欠き部119を通った状態
で第1の接続ピン101の接触部101aと接続片14
1に設けられた上側の円形の貫通孔141aを形成する
上側の円筒状の内周壁部141cとは締まりばめによっ
て接続片141の内周壁部141cに装着され、第1の
接続ピン101の接触部101bと第1段ディスプレー
サ171に設けられた左右の内周壁部171bに装着さ
れた左右のスリーブ173の内周面173aとはスキマ
ばめによって第1段ディスプレーサ171のスリーブ1
73の内周面173aに摺動可能に装着されている。第
2の接続ピン102は第2の接続ピン102の接触部1
02aと接続片141に設けられた下側の円形の貫通孔
141bを形成する円筒状の内周壁部141dとは締ま
りばめによって接続片141の内周壁部141dに装着
され、第2の接続ピン102の接触部102bと第2段
ディスプレーサ172に設けられた内周壁部172bに
装着されたスリーブ174の内周面174aとはスキマ
ばめによって第2段ディスプレーサ172のスリーブ1
74の内周面174aに摺動可能に装着されている。
【0110】上記の接続片141、第1の接続ピン10
1、第2の接続ピン102、第1段ディスプレーサ17
1の一端に設けられた第1の接続ピン101装着用のス
リーブ173、第2段ディスプレーサ172の一端に設
けられた第2の接続ピン102装着用のスリーブ174
により連結装置178が構成されている。第1段ディス
プレーサ171と第2段ディスプレーサ172とは、上
記のような状態で互いに直交する三方向に自由に動くよ
うに連結装置178により連結されている。尚、図にお
いて、その他のものについては、図1から図8及び図1
3、図14のものと同様のものであるので相当するもの
に同一符号を付して説明を省略する。
【0111】上記のように構成することにより、正四角
柱状の接続片141の一辺の長さDAを第1段ディスプ
レーサ171の直径DBに置き換えることができ、DB
>DAであるから、条件式(3)を満たす実用的なより
滑り易い構成となるので、X方向の外力F1の大きさに
関係なく常に滑りうる構成となる。又、第2段ディスプ
レーサ172と第2の接続ピン102との摺動部(スリ
ーブ174の内周面174aと第2の接続ピン102の
接触部102b間)においても上記と同様に連結装置1
78の動きをスムーズにすることができる。更に、第1
段ディスプレーサ171及び第2段ディスプレーサ17
2の内周壁部171b、172bにスリーブ173,1
74を圧入しているので、施工が容易で作業性を良くす
ることができる。
【0112】この実施の形態では、第1段ディスプレー
サ171及び第2段ディスプレーサ172に設けられた
内周壁部171b、172bに圧入されたスリーブ17
3,174に高分子材料である低摩擦係数を有する充填
材入りのポリイミド樹脂製を用いたが、ポリイミド樹脂
製にかぎられるものではなく、例えば低摩擦係数を有す
る3フッ化樹脂製や4フッ化樹脂製等でも良い。
【0113】又、第1段及び第2段ディスプレーサ17
1、172の内周壁部171b、172bは円筒状、接
続片141の内周壁部141c、141dも円筒状及び
第1及び第2の接続ピン101,102は丸棒状のもの
を用いたが、次のように構成することもできる。図2の
実施の形態と同様に、接続片141の内周壁部141
c、141dを正四角穴状とし、第1及び第2の接続ピ
ン101、102の接触部101a、102a(接続片
141の内周壁部141c、141dとの回動及び摺動
部分)を正四角柱状とする。第1及び第2の接続ピン1
01、102の接触部101b、102b(第1段及び
第2段ディスプレーサ171、172のスリーブ17
3、174の内周面173a、174aとの回動及び摺
動部分)を丸棒状とした段付きの第1及び第2の接続ピ
ン101、102としても良い。上記のように構成する
ことにより、接続片141の内周壁部141c、141
dと第1及び第2の接続ピン101、102の接触部1
01a、102aとの間を締まりばめにしなくても良く
なるので、組み立ての作業性を良くすることができる。
又、第1段ディスプレーサ171及び第2段ディスプレ
ーサ172に従来と同様のフェノール樹脂製のものを用
いたが、例えばステンレス製のものでも良い。
【0114】発明の実施の形態9 図10は、更にこの発明の他の実施の形態である連結装
置の要部を示す断面図である。この実施の形態は上記条
件式(3)及び(4)を満たすようにしたものである。
ここでは、条件式(1)(2)の代わりに条件式(3)
(4)を満足するように正四角柱状の接続片141の一
辺の長さDAを第1段及び第2段ディスプレーサ17
1、172の直径DB、DCに置き換えたものである。
【0115】191、192はステンレス製の図14に
示す第1段ディスプレーサ13及び第2段ディスプレー
サ22と同様の円筒状の第2段ディスプレーサである。
第1段ディスプレーサ191は図に示すように、矢印A
Rと直交する方向に貫通する左右の円形の貫通孔191
aを形成する左右の円筒状の内周壁部191bを有す
る。第2段ディスプレーサ192は図に示すように、矢
印ARと直交する方向に貫通する円形の貫通孔192a
を形成する円筒状の内周壁部192b(図10では接続
片141の下側の貫通孔141bのY方向に対し接続片
141の背後に重なって点線で図示されている)及び第
1の接続ピン101が通る左右の切り欠き部119を形
成するU字形の周壁部119aを有する。193、19
4は高分子材料である充填材入りのポリイミド樹脂、例
えばベスペルSP21(商品名)からなり第1段ディス
プレーサ191及び第2段ディスプレーサ192の内周
壁部191b、192bに被覆されたコーティング層で
あり、内周面193a、194aを有する。
【0116】第1の接続ピン101は第2段ディスプレ
ーサ192に設けられた切り欠き部119を通った状態
で第1の接続ピン101の接触部101aと接続片14
1に設けられた上側の円形の貫通孔141aを形成する
上側の円筒状の内周壁部141cとは締まりばめによっ
て接続片141の内周壁部141cに装着され、第1の
接続ピン101の接触部101bと第1段ディスプレー
サ191に設けられた左右の内周壁部191bに被覆さ
れた左右のコーティング層193の内周面193aとは
スキマばめによって第1段ディスプレーサ191のコー
ティング層193の内周面193aに摺動可能に装着さ
れている。第2の接続ピン102は第2の接続ピン10
2の接触部102aと接続片141に設けられた下側の
円形の貫通孔141bを形成する下側の円筒状の内周壁
部141dとは締まりばめによって接続片141の内周
壁部141dに装着され、第2の接続ピン102の接触
部102bと第2段ディスプレーサ192の内周壁部1
92bに被覆されたコーティング層194の内周面19
4aとはスキマばめによって第2段ディスプレーサ19
2のコーティング層194の内周面194aに摺動可能
に装着されている。
【0117】上記の接続片141、第1の接続ピン10
1、第2の接続ピン102、第1段ディスプレーサ19
1の一端に設けられた第1の接続ピン101装着用の内
周壁部191bに被覆されたコーティング層193、第
2段ディスプレーサ192の一端に設けられた第2の接
続ピン102装着用の内周壁部192bに被覆されたコ
ーティング層194により連結装置198が構成されて
いる。第1段ディスプレーサ191と第2段ディスプレ
ーサ192とは、上記のような状態で互いに直交する三
方向に自由に動くように連結装置198により連結され
ている。尚、図において、その他のものについては、図
1から図9及び図13、図14のものと同様のものであ
るので相当するものに同一符号を付して説明を省略す
る。
【0118】上記のように構成することにより、正四角
柱状の接続片141の一辺の長さDAを第1段ディスプ
レーサ191の直径DBに置き換えることができ、DB
>DAであるから、条件式(3)を満たす実用的なより
滑り易い構成となるので、X方向の外力F1の大きさに
関係なく常に滑りうる構成となる。又、第2段ディスプ
レーサ192と第2の接続ピン102との摺動部(コー
ティング層194の内周面194aと第2の接続ピン1
02の接触部102b間)においても上記と同様に連結
装置198の動きをスムーズにすることができる。
【0119】この実施の形態では、第1段ディスプレー
サ191及び第2段ディスプレーサ192に設けられた
内周壁部191b、192bに被覆されたコーティング
層193,194に高分子材料である低摩擦係数を有す
る充填材入りのポリイミド樹脂を用いたが、ポリイミド
樹脂に限られるものではなく、例えば低摩擦係数を有す
る3フッ化樹脂や4フッ化樹脂等でも良い。
【0120】又、第1段及び第2段ディスプレーサ19
1、192の内周壁部191b、192bは円筒状、接
続片141の内周壁部141c、141dも円筒状及び
第1及び第2の接続ピン101,102は丸棒状のもの
を用いたが、次のように構成することもできる。図2の
実施の形態と同様に、接続片141の内周壁部141
c、141dを正四角穴状とし、第1及び第2の接続ピ
ン101、102の接触部101a、102a(接続片
141の内周壁部141c、141dとの回動及び摺動
部分)を正四角柱状とする。第1及び第2の接続ピン1
01、102の接触部101b、102b(第1段及び
第2段ディスプレーサ191、192のコーティング層
193、194の内周面193a、194aとの回動及
び摺動部分)を丸棒状とした段付きの第1及び第2の接
続ピン101、102としても良い。 上記のように構
成することにより、接続片141の内周壁部141c、
141dと第1及び第2の接続ピン101、102の接
触部101a、102aとの間を締まりばめにしなくて
も良くなるので、組み立ての作業性を良くすることがで
きる。
【0121】発明の実施の形態10 図11は、さらにこの発明の他の実施の形態である接続
装置の要部を示す断面図である。 図において、円板状
のナット止め板300にはその中心部に円形の貫通孔3
00aが設けられている。貫通孔300aは駆動軸33
と接触しない十分な大きさにされている。ナット止め板
300は第1段ディスプレーサ13の上端部に取り付け
られており、駆動軸33の一端が貫通孔300aを貫通
し、ナット収容部302内で取り付けナット301が螺
合されている。303は高分子材料である充填材入りの
ポリエーテルエーテルケトン(Polyetheret
herketone)(以下ピーク樹脂と称す)樹脂製
の円板状の滑り板であり、その中心部に貫通孔303a
を形成する円筒状の内周壁部303bを有する。滑り板
303は所定の厚さを有し、ナット収容部302の大き
い方の穴部302aの内周壁部302bと接触しないよ
うに十分小さい直径を有する。貫通孔303aは円形で
駆動軸33と接触しない十分な大きさにされている。
【0122】上下の滑り板303は駆動軸33が上下の
滑り板303の貫通孔303aを貫通した状態で、取り
付けナット301とナット止め板300の間及び取り付
けナット301とナット収容部302の大きい方の穴部
302aの底部302eの間に径方向に自由に動けるよ
うに挿入されている。取り付けナット301の厚さと上
下の滑り板303の厚さを合わせた軸方向高さは従来の
ものと同様にナット収容部302の大きい方の穴部30
2aの深さよりも僅かに小さくしてある。上側の滑り板
303はナット止め板300に対し摺動可能である。
又、取り付けナット301とも同様に摺動可能にされて
いる。駆動軸33が矢印ARの上方に動いた時に、わず
かな隙間があるので上側の滑り板303がナット止め板
300と衝突する。しかし、滑り板303により接触面
の摩擦係数を小さくしているので上側の滑り板303は
ナット止め板300に対し摺動可能である。又、取り付
けナット301とも同様に摺動可能にされている。又、
駆動軸33が下方に動いた時も同様で、わずかな隙間の
存在により取り付けナット301が下側の滑り板303
と衝突しても滑り板303により接触面の摩擦係数を小
さくしているので下側の滑り板303は取り付けナット
301と摺動可能に接触すると共にナット収容部302
の大きい方の穴部302aの底部302eとも同様に摺
動可能にされている。
【0123】ナット収容部302は第1段ディスプレー
サ13の上端部の中心部に設けられた直径の異なる2つ
の円筒状の段付き形状の穴部で上端部側の大きい方の穴
部302aを形成する内周壁部302b及び小さい方の
穴部302cを形成する内周壁部302dが設けられ取
り付けナット301を収容する収容部が形成されてい
る。上記の取り付けナット301、第1の当接摺動部と
しての図11に示す上側の滑り板303、第2の当接摺
動部としての図11に示す下側の滑り板303により本
発明の拡大部が構成されている。又、上記拡大部、掛止
部材としてのナット止め板300、ナット収容部302
により接続装置330が構成されている。第1段ディス
プレーサ13は上記のような状態で駆動軸33に対して
直交する三方向に自由に動くように接続装置330によ
り駆動軸33と接続されている。 尚、図において、そ
の他のものについては、図13、図14、図15のもの
と同様のものであるので相当するものに同一符号を付し
て説明を省略する。
【0124】上記のように構成することにより、取り付
けナット301とナット止め板300の間の接触部の摩
擦係数Kの値はピーク樹脂とアルミ間で0.1〜0.
2、ピーク樹脂とステンレス間で0.1〜0.2とな
り、従来の製品のステンレスとアルミ間の値0.82に
比べ各々1/8〜1/4、1/8〜1/4程にすること
ができ、取り付けナット301とナット収容部302の
底部302eの間の接触部の摩擦係数Kの値はピーク樹
脂とフェノール樹脂間で0.1〜0.2、ピーク樹脂と
ステンレス間で0.1〜0.2となり、従来の製品のス
テンレスとフェノール樹脂間の値0.5に比べ各々1/
5〜1/2.5、1/5〜1/2.5程にすることがで
きるので、これにより取り付けナット部の動きが常にス
ムーズになり、接続装置の動きをスムーズにすることが
できる。この実施の形態では、滑り板303に低摩擦係
数を有しクリープ特性の良い充填材入りのピーク樹脂製
を用いたが、ピーク樹脂に限られるものではなく、例え
ば低摩擦係数を有する3フッ化樹脂や4フッ化樹脂等で
も良い。又、滑り板303に限られるものではなく、取
り付けナット301の両面に低摩擦係数を有する高分子
材料からなる滑り層を被覆したものでも良い。更に、取
り付けナット301全体を低摩擦係数を有する高分子材
料によって形成したものでも良い。
【0125】又、上記ではギフォード・マクマホン冷凍
機に用いるものについて述べたが、その他の冷凍サイク
ル、例えばスターリング冷凍機やビルマイヤー冷凍機、
クロード冷凍機、ソルベー冷凍機にも使用できる。また
2段式冷凍機に用いるものについて述べたが、単段式や
3段式以上の冷凍機にも使用できる。
【0126】発明の実施の形態11 図12は、さらにこの発明の実施の形態である突出部分
離型ディスプレーサの要部を示す断面図である。図にお
いて、400は高分子材料であるガラスエポキシ製の円
筒状のディスプレーサである。図に示すようにディスプ
レーサ400はその外周面部を周方向に取り巻く上下の
環状溝400aを形成する凹部400bを有する。41
0は高分子材料である超高分子量ポリエチレン製の断面
形状が長方形のリング状の帯状体である。図に示すよう
に帯状体410はシリンダの内周壁部との摺動部の接触
部分である外周面410aを有し、ディスプレーサ40
0の環状溝400aを形成する凹部400bとの接触部
分である内周面410bを有する。
【0127】帯状体410は図12に示すように、帯状
体410の内周面410bとディスプレーサ400の環
状溝400aを形成する凹部400bとは軸方向に殆ど
隙間のない状態で且つ加熱してはめた後の冷却時の残留
応力による締まりばめによってディスプレーサ400の
上下の環状溝400aを形成する凹部400bに強固に
装着されている。上記のディスプレーサ400、帯状体
410により突出部分離型ディスプレーサ420が構成
されている。突出部分離型ディスプレーサ420はシリ
ンダの内周壁部と帯状体410の外周面410aとが摺
動可能状態でシリンダ内を往復運動するようにシリンダ
内に装着されている。尚、図において、その他のものに
ついては、図1から図11、図13、図14、図15の
ものと同様のものであるので相当するものに同一符号を
付して説明を省略する。
【0128】上記のように構成することにより、帯状体
410は帯状体410の内周面410bとディスプレー
サ400の環状溝400aを形成する凹部400bとは
残留応力による締まりばめによってディスプレーサ40
0の上下の環状溝400aを形成する凹部400bに強
固に装着されているので、特別な接着手段を講じる必要
なく固定することができると共に軸方向にずれることが
ないことに加え、長時間運転した後のメンテナンスで
は、帯状体410を交換することでディスプレーサ40
0の再利用が可能となり安価にすることができ、省資源
にも役立つ。又、帯状体410が強固に固定されるの
で、高精度に機械加工ができるため、帯状体410の薄
肉加工も容易にでき、シリンダと突出部である帯状体4
10間の隙間を小さくすることができる。例えば厚さ2
00マイクロメートルの帯状体410を使用すれば、7
0Kまで冷却された際の収縮量は8マイクロメートル程
度でシリンダと突出部である帯状体410間の隙間(5
0マイクロメートル)に及ぼす影響は少なく作動流体の
対流の発生を防止することができる。又、シリンダと突
出部分離型ディスプレーサ420の突出部である超高分
子量ポリエチレン製の帯状体410の外周面410aの
間の接触部分の摩耗特性はシリンダと従来と同様の綿布
入のフェノール樹脂製のディスプレーサの突出部の間の
接触部分の摩耗特性に比べて、1/150にすることが
でき、更に摩擦係数Kも1/5〜1/2.5程にするこ
とができるので、これにより突出部分離型ディスプレー
サ420の動きがスムーズになり、例えば従来と同様の
綿布入のフェノール樹脂製のディスプレーサ13、22
に比べ摺動部の接触部分の摩擦・摩耗特性を良くするこ
とができる。
【0129】又、突出部分離型ディスプレーサ420の
ディスプレーサ400はガラスエポキシ製で形成されて
いるため、吸湿しないのでディスプレーサ400からの
放出水分がなく氷結による摺動部での摩擦力の増大をな
くすことができる。ディスプレーサ400を構成するガ
ラスエポキシは高分子材料であるためコーティングを施
されていない帯状体410以外のディスプレーサ400
の外周面が直接シリンダと触れた場合でも擦れによる摩
擦熱の発生を少なくすることができる。従って突出部分
離型ディスプレーサ420の動きがスムーズになり、例
えば従来と同様の綿布入のフェノール樹脂製のディスプ
レーサ13、22に比べ摺動部の接触部分の摩擦・摩耗
特性を良くすることができる。更に、シール部のリーク
をなくすことができる。
【0130】この実施の形態では、帯状体410に低温
時の摩擦・磨耗特性に優れた超高分子量ポリエチレン製
を用いたが、超高分子量ポリエチレン製に限られるもの
ではなく、例えば低摩擦係数を有する充填材入りの3フ
ッ化樹脂や4フッ化樹脂等でも良い。又、ディスプレー
サ400の外周面部に設けられた環状溝400aを形成
する凹部400bの底部の表面の形状は外周面と段付き
の同心円状の円筒状の表面に限られるものではなく、例
えば凹凸形状やローレット目状や円筒状表面に平面部を
設けた形状等でも良い。
【0131】又、上記ではギフォード・マクマホン冷凍
機に用いるものについて述べたが、その他の冷凍サイク
ル、例えばスターリング冷凍機やビルマイヤー冷凍機、
クロード冷凍機、ソルベー冷凍機にも使用できる。また
2段式冷凍機に用いるものについて述べたが、単段式や
3段式以上の冷凍機にも使用できる。
【0132】発明の実施の形態12 この発明の他の実施の形態である突出部分離型ディスプ
レーサ420の製造方法の一例を図12を参照しながら
説明する。最初にディスプレーサ400の外周面部に設
けられた上下の環状溝を形成する凹部400aを機械加
工する。帯状体410に使用される高分子材料は柔らか
く、薄くすると加工精度がでないため、機械加工しろを
残した厚肉の帯状体410を作る。内径はディスプレー
サ400の環状溝を形成する凹部400aの外径より小
さめにする。これを熱湯等で膨張させ、内径部がディス
プレーサ400の直径より大きくなってからディスプレ
ーサ400の外周面部に設けられた環状溝を形成する凹
部400aに挿入する。帯状体410全体がほぼ均一に
常温になると、帯状体410は所定の残留応力による締
まりばめによってディスプレーサ400の環状溝を形成
する凹部400aに強固に装着される。次に厚肉でディ
スプレーサ400の環状溝を形成する凹部400aに強
固に装着された帯状体410を機械加工装置に取り付
け、帯状体410の外径DDを所定の寸法に機械加工す
る。
【0133】上記の製造方法により、帯状体410は帯
状体410の内周面410bとディスプレーサ400の
環状溝400aを形成する凹部400bとは残留応力に
よる締まりばめによってディスプレーサ400の上下の
環状溝400aを形成する凹部400bに強固に装着さ
れているので、特別な接着手段を講じる必要なく固定す
ることができると共に軸方向にずれることがないことに
加え、長時間運転した後のメンテナンスでは、帯状体4
10を交換することでディスプレーサ400の再利用が
可能となり安価にすることができ、省資源にも役立つ。
又、帯状体410が強固に固定されるので、高精度に機
械加工ができるため、帯状体410の薄肉加工も容易に
でき、シリンダと突出部である帯状体410間の隙間を
小さくすることができる。例えば厚さ200マイクロメ
ートルの帯状体410を使用すれば、70Kまで冷却さ
れた際の収縮量は8マイクロメートル程度でシリンダと
突出部である帯状体410間の隙間(50マイクロメー
トル)に及ぼす影響は少なく作動流体の対流の発生を防
止することができる。又、シリンダと突出部分離型ディ
スプレーサ420の突出部である超高分子量ポリエチレ
ン製の帯状体410の外周面410aの間の接触部分の
摩耗特性はシリンダと従来と同様の綿布入のフェノール
樹脂製のディスプレーサの突出部の間の接触部分の摩耗
特性に比べて、1/150にすることができ、更に摩擦
係数Kも1/5〜1/2.5程にすることができるの
で、これにより突出部分離型ディスプレーサ420の動
きがスムーズになり、例えば従来と同様の綿布入のフェ
ノール樹脂製のディスプレーサ13、22に比べ摺動部
の接触部分の摩擦・摩耗特性を良くすることができる。
【0134】又、突出部分離型ディスプレーサ420の
ディスプレーサ400はガラスエポキシ製で形成されて
いるため、吸湿しないのでディスプレーサ400からの
放出水分がなく氷結による摺動部での摩擦力の増大をな
くすことができる。ディスプレーサ400を構成するガ
ラスエポキシは高分子材料であるためコーティングを施
されていない帯状体410以外のディスプレーサ400
の外周面が直接シリンダと触れた場合でも擦れによる摩
擦熱の発生を少なくすることができる。従って突出部分
離型ディスプレーサ420の動きがスムーズになり、例
えば従来と同様の綿布入のフェノール樹脂製のディスプ
レーサ13、22に比べ摺動部の接触部分の摩擦・摩耗
特性を良くすることができる。更に、シール部のリーク
をなくすことができる。
【0135】この実施の形態では、帯状体410に低温
時の摩擦・磨耗特性に優れた超高分子量ポリエチレン製
を用いたが、超高分子量ポリエチレン製に限られるもの
ではなく、例えば低摩擦係数を有する充填材入りの3フ
ッ化樹脂や4フッ化樹脂等でも良い。又、ディスプレー
サ400の外周面部に設けられた環状溝400aを形成
する凹部400bの底部の表面の形状は外周面と段付き
の同心円状の円筒状の表面に限られるものではなく、例
えば凹凸形状やローレット目状や円筒状表面に平面部を
設けた形状等でも良い。又、帯状体410の加工を切削
による機械加工で実施したが、研磨等でも良い。
【0136】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に記
載の極低温冷凍機によれば、複数の冷却装置と連結装置
と接続装置とを有する極低温冷凍機であって、冷却装置
は、シリンダとこのシリンダ内に配設されたディスプレ
ーサとを有するものであり、連結装置は、第1の継ぎ手
部材と第1の軸部材と第2の継ぎ手部材と第2の軸部材
と中間部材とを有するものであって、第1の継ぎ手部材
と中間部材とは第1の軸部材により第1の継ぎ手部材と
第1の軸部材とにまたは第1の軸部材と中間部材とに設
けられた第1の軸方向摺動部及び第1の継ぎ手部材と第
1の軸部材とにまたは第1の軸部材と中間部材とに設け
られた第1の周方向摺動部を介して連結され、第2の継
ぎ手部材と中間部材とは第1の軸部材と所定間隔を設け
て交差配設された第2の軸部材により第2の継ぎ手部材
と第2の軸部材とにまたは第2の軸部材と中間部材とに
設けられた第2の軸方向摺動部及び第2の継ぎ手部材と
第2の軸部材とにまたは第2の軸部材と中間部材とに設
けられた第2の周方向摺動部を介して連結され、第1の
軸方向摺動部は中間部材が第1の継ぎ手部材に対して第
1の軸部材の軸方向に移動しうるように中間部材が第2
の軸部材から受ける第1の軸部材の軸方向の力により第
1の軸方向摺動部に発生する偶力が第1の軸方向摺動部
に発生する摩擦力以下になるようにされ、第1の周方向
摺動部は中間部材が第1の継ぎ手部材に対して第1の軸
部材の軸と直交する方向に回動しうるようにされ、第2
の軸方向摺動部は中間部材が第2の継ぎ手部材に対して
第2の軸部材の軸方向に移動しうるように中間部材が第
1の軸部材から受ける第2の軸部材の軸方向の力により
第2の軸方向摺動部に発生する偶力が第2の軸方向摺動
部に発生する摩擦力以下になるようにされたものであ
り、複数の冷却装置は各シリンダがその軸がほぼ同一軸
上にあるようにして固定され、各ディスプレーサは連結
装置の第1及び第2の継ぎ手部材が第1及び第2の軸部
材の軸方向が往復運動の方向と交差するようにして各デ
ィスプレーサにそれぞれに固着されることにより連結さ
れ、ディスプレーサの一方が接続装置を介して駆動軸に
接続されて各ディスプレーサが各シリンダ内にて往復運
動して作動流体を移動させるものとしたので、連結装置
が円滑に動き各ディスプレーサの往復運動方向の軸心が
ずれたり傾いたりしていてもディスプレーサの往復運動
における摩擦熱の発生が少なくなるので、冷凍能力の低
下を防止でき、又冷却性能が安定する。
【0137】この発明の請求項2に記載の極低温冷凍機
によれば、第1の軸部材と第2の軸部材とが接触しない
ように微小な所定の間隔を設けて中間部材に連結された
ものとしたので、第1の軸方向摺動部と第2の軸方向摺
動部に発生する偶力が小さくなり中間部材が第1の軸部
材と第2の軸部材から受ける第1の軸部材と第2の軸部
材の軸方向の力の大きさに関係なく連結装置が円滑に動
くことに加え連結装置の長さが短くなって熱の侵入を少
なくすることができるので、冷凍能力の低下を防止で
き、又冷却性能が安定する。
【0138】この発明の請求項3に記載の極低温冷凍機
によれば、第1及び第2の軸方向摺動部が第1の軸部材
と中間部材とに及び第2の軸部材と中間部材とにそれぞ
れ設けられたものとしたので、連結装置が円滑に動き各
ディスプレーサの往復運動方向の軸心がずれたり傾いた
りしていてもディスプレーサの往復運動における摩擦熱
の発生が少なくなるので、冷凍能力の低下を防止でき、
又冷却性能が安定する。
【0139】この発明の請求項4に記載の極低温冷凍機
によれば、第1及び第2の軸部材が円筒状の同じ寸法の
同じ材料の丸棒軸部材で形成されたものであって中間部
材にそれぞれ設けられた円筒状の貫通孔部に貫通されて
丸棒部材と貫通孔部とがそれぞれ第1の軸方向摺動部兼
第1の周方向摺動部及び第2の軸方向摺動部兼第2の周
方向摺動部とされたものであり、次の条件式 D1>2×K1×(L−(Dp1)/2) ここに、D1 :中間部材の貫通孔部の長さ K1 :第1の軸部材と中間部材の貫通孔との摩擦係数 L :第1の軸部材と第2の軸部材との軸間距離 Dp1:第1の軸部材の直径 をみたすものとしたので、連結装置が円滑に動き各ディ
スプレーサの往復運動方向の軸心がずれたり傾いたりし
ていてもディスプレーサの往復運動における摩擦熱の発
生が少なくなるので、冷凍能力の低下を防止でき、又冷
却性能が安定する。
【0140】この発明の請求項5に記載の極低温冷凍機
によれば、第1及び第2の軸部材は金属で形成され、中
間部材は高分子材料で形成されたものとしたので、連結
装置が円滑に動き各ディスプレーサの往復運動方向の軸
心がずれたり傾いたりしていてもディスプレーサの往復
運動における摩擦熱の発生が少なくなるので、冷凍能力
の低下を防止でき、又冷却性能が安定する。
【0141】この発明の請求項6に記載の極低温冷凍機
によれば、第1及び第2の軸方向摺動部において摺動す
る両部材の各摺動部の少なくとも一方は金属に対する摩
擦係数がフェノール樹脂よりも低い高分子材料にて形成
されたものとしたので、摺動部における摩擦熱の発生が
少なくなるので、冷凍能力の低下を防止でき、又冷却性
能が安定する。
【0142】この発明の請求項7に記載の極低温冷凍機
によれば、高分子材料がポリイミド樹脂であるものとし
たので、摺動部における摩擦熱の発生が少なくなるの
で、冷凍能力の低下を防止でき、又冷却性能が安定す
る。
【0143】この発明の請求項8に記載の極低温冷凍機
によれば、両部材の摺動部が高分子材料のコーティング
層にて形成されたものとしたので、従来の材料にコーテ
ィング層を施して使用できるため安価にすることができ
る。
【0144】この発明の請求項9に記載の極低温冷凍機
によれば、両部材の摺動部が高分子材料のスリーブにて
形成されたものとしたので、従来の材料にスリーブを施
して使用できるため安価にすることができる。
【0145】この発明の請求項10に記載の極低温冷凍
機によれば、接続装置が、ディスプレーサの端部に設け
られ開口部を有する収容部及び開口部近傍に設けられた
金属製の掛止部材と、金属に対する摩擦係数がフェノー
ル樹脂よりも低い高分子材料にてそれぞれ形成された第
1と第2の当接摺動部を有し収容部にディスプレーサの
往復運動方向及びこれと直角方向に移動可能に収容され
るとともに掛止部材により収容部から抜け出ないように
第1の当接摺動部が掛止される拡大部とを有するもので
あり、拡大部が駆動軸に固設され、駆動軸の往復運動に
より拡大部の第1及び第2の当接摺動部が収容部及び掛
止部に交互に当接してディスプレーサを往復運動させる
ものとしたので、接続装置が円滑に動きディスプレーサ
と駆動軸との往復運動方向の軸心がずれたり傾いたりし
ていてもディスプレーサの往復運動における摩擦熱の発
生が少なくなるので、冷凍能力の低下を防止でき、又冷
却性能が安定する。
【0146】この発明の請求項11に記載の極低温冷凍
機によれば、第1と第2の当接摺動部が高分子材料で形
成されたものとしたので、接続装置が円滑に動きディス
プレーサと駆動軸との往復運動方向の軸心がずれたり傾
いたりしていてもディスプレーサの往復運動における摩
擦熱の発生が少なくなるので、冷凍能力の低下を防止で
き、又冷却性能が安定する。
【0147】この発明の請求項12に記載の極低温冷凍
機によれば、シリンダとディスプレーサとを有する冷却
装置を設けた極低温冷凍機であって、ディスプレーサ
は、その外周部に軸方向に所定の間隔をおいて設けられ
周方向の環状溝を形成する複数の凹部と、凹部から突出
するようにして複数の凹部にそれぞれ締まり嵌め状態で
嵌合された帯状体とを有するものであり、ディスプレー
サはシリンダ内に配設され駆動軸に接続されてシリンダ
内にて往復運動して帯状体がシリンダと摺動し作動流体
を移動させるものとしたので、摺動部である帯状体の材
料をディスプレーサの材料に限定されずに自由に選択で
きるため安価にすることができることに加え帯状体の取
り外しができ摺動部が磨耗したら帯状体を交換できるこ
とによりディスプレーサは容易に再利用できるため安価
にすることができる。
【0148】この発明の請求項13に記載の極低温冷凍
機によれば、帯状体が高分子材料によって形成されたも
のとしたので、低温時における摩擦・磨耗特性がフェノ
ール樹脂よりも低い高分子材料の帯状体を使用すること
ができることによりディスプレーサの往復運動における
摩擦熱の発生が少なくなるので、冷凍能力の低下を防止
でき、又冷却性能が安定する。
【0149】この発明の請求項14に記載の極低温冷凍
機によれば、高分子材料が超高分子量ポリエチレンであ
るものとしたので、ディスプレーサの往復運動における
摩擦熱の発生が少なくなるので、冷凍能力の低下を防止
でき、又冷却性能が安定する。
【0150】この発明の請求項15に記載の極低温冷凍
機によれば、ディスプレーサがガラスエポキシであるも
のとしたので、フェノール樹脂のディスプレーサに比べ
ディスプレーサからの放出水分がなく氷結による摩擦力
の増大をなくすことができるとともにディスプレーサの
外周面が直接シリンダに触れた場合でも擦れによる摩擦
熱の発生を少なくすることができる。
【0151】この発明の請求項16に記載の極低温冷凍
機の製造方法によれば、外径部に加工代を設けた加工前
帯状体をディスプレーサの凹部に締まり嵌めにて嵌合さ
せたのち、加工前帯状体を加工して所定の外径寸法を有
する帯状体とする製造方法としたので、高精度に帯状体
を加工することができディスプレーサとシリンダとの隙
間を小さくすることができるため作動流体の対流の発生
を防止することができるので、冷凍能力の低下を防止で
き、冷却性能が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における動作原理を説
明するためのもので、2つのディスプレーサを連結する
連結装置の要部を示す説明用断面図である。
【図2】 この発明の実施の一形態である連結装置の要
部を示す断面図である。
【図3】 この発明の他の実施の形態である連結装置の
要部を示す断面図である。
【図4】 更に、この発明の他の実施の形態である連結
装置の要部を示すもので、(a)は連結装置の要部を示
す断面図、(b)は側面を示す断面図である。
【図5】 更に、この発明の他の実施の形態である連結
装置の要部の部を示す断面図である。
【図6】 更に、この発明の他の実施の形態である連結
装置の要部を示す断面図である。
【図7】 更に、この発明の他の実施の形態である連結
装置の要部を示す断面図である。
【図8】 更に、この発明の他の実施の形態である連結
装置の要部の部を示す断面図である。
【図9】 更に、この発明の他の実施の形態である連結
装置の要部を示す断面図である。
【図10】 更に、この発明の他の実施の形態である連
結装置の要部を示す断面図である。
【図11】 更に、この発明の他の実施の形態である接
続装置の要部を示す断面図である。
【図12】 更に、この発明の他の実施の形態である突
出部分離型ディスプレーサの要部を示す断面図である。
【図13】 従来のギフォード・マクマホンサイクルの
極低温冷凍機を示す構成図である。
【図14】 従来のギフォード・マクマホンサイクルの
極低温冷凍機の連結装置部の拡大図である。
【図15】 従来のギフォード・マクマホンサイクルの
極低温冷凍機の接続装置部の拡大図である。
【符号の説明】
1:作動流体、10:第1段シリンダ、11:上部ガス
空間室、12:第1段膨張室、13:第1段ディスプレ
ーサ、13b:内周壁部、14:第1段蓄冷器、20:
第2段シリンダ、21:第2段膨張室、22:第2段デ
ィスプレーサ、22b:内周壁部、23:第2段蓄冷
器、30:駆動用モータ、33:駆動軸、100:接続
片、100c:内周壁部、100d:内周壁部、10
1:接続ピン、101a:接触部、101b:接触部、
102:接続ピン、102a:接触部、102b:接触
部、104:連結装置、105:接続片、105c:内
周壁部、105d:内周壁部、108:連結装置、11
1:接続片、111c:内周壁部、111d:内周壁
部、112:第2段ディスプレーサ、112b:内周壁
部、114:連結装置、115:接続片、115c:内
周壁部、115d:内周壁部、116:コーティング
層、117:コーティング層、118:第2段ディスプ
レーサ、118b:内周壁部、119:切り欠き部、1
20:連結装置、125:接続片、125c:内周壁
部、125d:内周壁部、126:スリーブ、127:
スリーブ、128:連結装置、140:連結装置、14
1:接続片、141c:内周壁部、141d:内周壁
部、142:接続ピン、142a:接触部、142b:
接触部、143:接続ピン、143a:接触部、143
b:接触部、144:接続ピン、144b:コーティン
グ層、144c:接触部、144d:接触部、145:
接続ピン、145b:コーティング層、145c:接触
部、145d:接触部、148:連結装置、154:接
続ピン、154b:スリーブ、154c:接触部、15
4d:接触部、155:接続ピン、155b:スリー
ブ、155c:接触部、155d:接触部、158:連
結装置、171:第1段ディスプレーサ、171b:内
周壁部、172:第2段ディスプレーサ、172b:内
周壁部、173:スリーブ、174:スリーブ、17
8:連結装置、191:第1段ディスプレーサ、191
b:内周壁部、192:第2段ディスプレーサ、192
b:内周壁部、193:コーティング層、194:コー
ティング層、198:連結装置、300:ナット止め
板、301:取り付けナット、302:ナット収容部、
302e:底部、303:滑り板、320:接続装置、
330:接続装置、400:ディスプレーサ、400
a:環状溝、400b:凹部、410:帯状体、410
a:外周面、410b:内周面、420:突出部分離型
ディスプレーサ、900:接続片、900c:内周壁
部、900d:内周壁部、901:接続ピン、901
a:接触部、901b:接触部、902:接続ピン、9
02a:接触部、902b:接触部、904:連結装
置、X:中心軸方向、Y:中心軸方向、DA:一辺の長
さ、DB:直径、DC:直径、DD:外径、Dp1:直
径、Dp2:直径、L:軸間距離。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 政志 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の冷却装置と連結装置と接続装置と
    を有する極低温冷凍機であって、 上記冷却装置は、シリンダとこのシリンダ内に配設され
    たディスプレーサとを有するものであり、 上記連結装置は、第1の継ぎ手部材と第1の軸部材と第
    2の継ぎ手部材と第2の軸部材と中間部材とを有するも
    のであって、 上記第1の継ぎ手部材と上記中間部材とは上記第1の軸
    部材により上記第1の継ぎ手部材と上記第1の軸部材と
    にまたは上記第1の軸部材と上記中間部材とに設けられ
    た第1の軸方向摺動部及び上記第1の継ぎ手部材と上記
    第1の軸部材とにまたは上記第1の軸部材と上記中間部
    材とに設けられた第1の周方向摺動部を介して連結さ
    れ、 上記第2の継ぎ手部材と上記中間部材とは上記第1の軸
    部材と所定間隔を設けて交差配設された上記第2の軸部
    材により上記第2の継ぎ手部材と上記第2の軸部材とに
    または上記第2の軸部材と上記中間部材とに設けられた
    第2の軸方向摺動部及び上記第2の継ぎ手部材と上記第
    2の軸部材とにまたは上記第2の軸部材と上記中間部材
    とに設けられた第2の周方向摺動部を介して連結され、 上記第1の軸方向摺動部は上記中間部材が上記第1の継
    ぎ手部材に対して上記第1の軸部材の軸方向に移動しう
    るように上記中間部材が上記第2の軸部材から受ける上
    記第1の軸部材の軸方向の力により上記第1の軸方向摺
    動部に発生する偶力が上記第1の軸方向摺動部に発生す
    る摩擦力以下になるようにされ、 上記第1の周方向摺動部は上記中間部材が上記第1の継
    ぎ手部材に対して上記第1の軸部材の軸と直交する方向
    に回動しうるようにされ、 上記第2の軸方向摺動部は上記中間部材が上記第2の継
    ぎ手部材に対して上記第2の軸部材の軸方向に移動しう
    るように上記中間部材が上記第1の軸部材から受ける上
    記第2の軸部材の軸方向の力により上記第2の軸方向摺
    動部に発生する偶力が上記第2の軸方向摺動部に発生す
    る摩擦力以下になるようにされたものであり、 複数の上記冷却装置は各シリンダがその軸がほぼ同一軸
    上にあるようにして固定され、上記各ディスプレーサは
    上記連結装置の上記第1及び第2の継ぎ手部材が上記第
    1及び第2の軸部材の軸方向が上記往復運動の方向と交
    差するようにして上記各ディスプレーサにそれぞれに固
    着されることにより連結され、上記ディスプレーサの一
    方が上記接続装置を介して駆動軸に接続されて上記各デ
    ィスプレーサが各シリンダ内にて往復運動して作動流体
    を移動させる極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】 第1の軸部材と第2の軸部材とは接触し
    ないように微小な所定の間隔を設けて中間部材に連結さ
    れたものであることを特徴とする請求項1記載の極低温
    冷凍機。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の軸方向摺動部は第1の軸
    部材と中間部材とに及び第2の軸部材と中間部材とにそ
    れぞれ設けられたものあることを特徴とする請求項2記
    載の極低温冷凍機。
  4. 【請求項4】 第1及び第2の軸部材は円筒状の同じ寸
    法の同じ材料の丸棒軸部材で形成されたものであって中
    間部材にそれぞれ設けられた円筒状の貫通孔部に貫通さ
    れて上記丸棒部材と上記貫通孔部とがそれぞれ第1の軸
    方向摺動部兼第1の周方向摺動部及び第2の軸方向摺動
    部兼第2の周方向摺動部とされたものであり、次の条件
    式 D1>2×K1×(L−(Dp1)/2) ここに、D1 :中間部材の貫通孔部の長さ K1 :第1の軸部材と中間部材の貫通孔との摩擦係数 L :第1の軸部材と第2の軸部材との軸間距離 Dp1:第1の軸部材の直径 をみたすものであることを特徴とする請求項3記載の極
    低温冷凍機。
  5. 【請求項5】 第1及び第2の軸部材は金属で形成さ
    れ、中間部材は高分子材料で形成されたものであること
    を特徴とする請求項4記載の極低温冷凍機。
  6. 【請求項6】 第1及び第2の軸方向摺動部において摺
    動する両部材の各摺動部の少なくとも一方は金属に対す
    る摩擦係数がフェノール樹脂よりも低い高分子材料にて
    形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の
    極低温冷凍機。
  7. 【請求項7】 高分子材料はポリイミド樹脂であること
    を特徴とする請求項6記載の極低温冷凍機。
  8. 【請求項8】 両部材の摺動部は高分子材料のコーティ
    ング層にて形成されたものであることを特徴とする請求
    項6記載の極低温冷凍機。
  9. 【請求項9】 両部材の摺動部は高分子材料のスリーブ
    にて形成されたものであることを特徴とする請求項6記
    載の極低温冷凍機。
  10. 【請求項10】 接続装置は、ディスプレーサの端部に
    設けられ開口部を有する収容部及び上記開口部近傍に設
    けられた金属製の掛止部材と、金属に対する摩擦係数が
    フェノール樹脂よりも低い高分子材料にてそれぞれ形成
    された第1と第2の当接摺動部を有し上記収容部にディ
    スプレーサの往復運動方向及びこれと直角方向に移動可
    能に収容されるとともに上記掛止部材により上記収容部
    から抜け出ないように上記第1の当接摺動部が掛止され
    る拡大部とを有するものであり、上記拡大部が駆動軸に
    固設され、駆動軸の往復運動により上記拡大部の第1及
    び第2の当接摺動部が上記収容部及び上記掛止部に交互
    に当接してディスプレーサを往復運動させるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷凍機。
  11. 【請求項11】 第1と第2の当接摺動部は高分子材料
    で形成されたものであることを特徴とする請求項10記
    載の極低温冷凍機。
  12. 【請求項12】 シリンダとディスプレーサとを有する
    冷却装置を設けた極低温冷凍機であって、 上記ディスプレーサは、その外周部に軸方向に所定の間
    隔をおいて設けられ周方向の環状溝を形成する複数の凹
    部と、上記凹部から突出するようにして上記複数の凹部
    にそれぞれ締まり嵌め状態で嵌合された帯状体とを有す
    るものであり、 上記ディスプレーサは上記シリンダ内に配設され駆動軸
    に接続されてシリンダ内にて往復運動して上記帯状体が
    上記シリンダと摺動し作動流体を移動させる極低温冷凍
    機。
  13. 【請求項13】 帯状体は高分子材料によって形成され
    たものであることを特徴とする請求項12記載の極低温
    冷凍機。
  14. 【請求項14】 高分子材料は超高分子量ポリエチレン
    であることを特徴とする請求項13記載の極低温冷凍
    機。
  15. 【請求項15】 ディスプレーサはガラスエポキシであ
    ることを特徴とする請求項12記載の極低温冷凍機。
  16. 【請求項16】 外径部に加工代を設けた加工前帯状体
    をディスプレーサの凹部に締まり嵌めにて嵌合させたの
    ち、上記加工前帯状体を加工して所定の外径寸法を有す
    る帯状体とすることを特徴とする請求項12記載の極低
    温冷凍機の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012057920A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Sumitomo Heavy Ind Ltd クライオポンプ及び極低温冷凍機
JP2020134008A (ja) * 2019-02-19 2020-08-31 住友重機械工業株式会社 ディスプレーサ組立体および極低温冷凍機
WO2023149130A1 (ja) * 2022-02-04 2023-08-10 住友重機械工業株式会社 ギフォード・マクマホン(gm)冷凍機の第1段ディスプレーサ、第1段ディスプレーサ組立体、およびギフォード・マクマホン冷凍機

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