JPH10110296A - メッキ装置の電極部 - Google Patents

メッキ装置の電極部

Info

Publication number
JPH10110296A
JPH10110296A JP26737596A JP26737596A JPH10110296A JP H10110296 A JPH10110296 A JP H10110296A JP 26737596 A JP26737596 A JP 26737596A JP 26737596 A JP26737596 A JP 26737596A JP H10110296 A JPH10110296 A JP H10110296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
plating
work
socket
rotating shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26737596A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Ishiguro
学 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOGANE SHOJI KK
Original Assignee
KOGANE SHOJI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOGANE SHOJI KK filed Critical KOGANE SHOJI KK
Priority to JP26737596A priority Critical patent/JPH10110296A/ja
Publication of JPH10110296A publication Critical patent/JPH10110296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸付きロールのメッキ処理の自動化を可能と
すると共に、作業性の向上及びメッキ時間の短縮を図る
ことが可能なメッキ装置の電極部を提供する。 【解決手段】 電極部33は、電極ソケット50が回転
軸31の先端に固定され電気的に接続され、電極ヘッド
51がワーク100の回転軸101に液密に嵌合されて
電気的に接続される。電極ヘッド51は、電極ソケット
50に液密に嵌合され、対向する端面501dと51e
が密着して電気的に接続される。これら両者の接続部
は、シール55により密閉され、メッキ液の浸入が防止
される。これによりワーク100の回転軸101にメッ
キを付けることなく、当該ワークをメッキ液に全没浸漬
することができる。このようにしてワーク100の両端
の回転軸を液密に、且つ電気的に接続して挟持し、メッ
キ液に全没浸漬して回転させながら通電し、メッキを施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メッキ装置の電極
部に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、グラビア印刷に使用するロール
は、両端に回転軸が設けられた鉄製の円筒状のロール
(軸付きロール)の表面に銅メッキを施し、当該銅の表
面にエッチング処理等により所望の文字や絵柄を刻設し
て版を作製し、次いで、耐摩耗性に優れたクロームメッ
キを施して表面処理を行い前記刻設した文字や絵柄を保
護するようにしている。
【0003】この軸付きロール(以下単に「ロール」と
いう)をメッキする場合、回転軸にメッキされると精度
が狂ってしまい、色ズレの原因となる。このため回転軸
には絶対にメッキがされないようにすることが必要不可
欠である。そこで、図19に示すようにロール100の
両側の回転軸101、102にカラー103、104を
装着し、これらのカラー103、104を介してメッキ
装置の回転機構の一対の回転軸(図示せず)の先端に装
着されている電極間に水平に装着支持し、且つ回転軸1
01、102にメッキがされないようにマスキングを行
う。そして、これらの回転軸101、102がメッキ槽
110内のメッキ液111に触れないようにロール10
0の表面100aの一部のみをメッキ液111に浸漬さ
せ、当該ロール100を回転させながらカラー103、
104を介して通電して種々のメッキ例えば、クローム
メッキ、銅メッキ等を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の軸付きロールのメッキ処理は、回転軸にメッキ液が
付着しないように厳重にマスキングを行う必要があるた
めに自動化することができない。しかも、マスキングに
非常に手間がかかり作業性が悪い。更に、ロールをメッ
キ液に全没させることができないためにメッキに長時間
を要し、処理能率が悪い等の問題がある。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、軸付きロールのメッキ処理の自動化を可能とすると
共に、作業性の向上及びメッキ時間の大幅な短縮を図る
ことが可能なメッキ装置の電極部を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、請求項1では、円筒状のワークの両
端に設けられている回転軸を一対の回転軸の各先端に設
けた電極部で支持し、前記ワークを回転させながら通電
してメッキを施すメッキ装置の電極部において、基端が
前記メッキ装置の回転軸の先端に電気的に接続されて装
着固定され、前端面に同心的に大径の孔が設けられた円
筒状の電極ソケットと、前端に穿設された軸孔に前記ワ
ークの回転軸が着脱可能に液密に嵌合固定されると共に
電気的に接続され、基端が前記電極ソケットの孔に着脱
可能に液密に嵌合されると共に電気的に接続される電極
ヘッドとを備えた構成としたものである。
【0007】請求項2では、前記電極ソケットと前記電
極ヘッドとの接続部の外周部にはシール部材が装着さ
れ、当該接続部を液密にシールする構造としたものであ
る。請求項3では、前記シール部材は、対向する電極ソ
ケット又は電極ヘッドの何れか一方の端面外周縁に全周
に亘り形成された溝に嵌合され、且つ当該溝幅よりも僅
かに幅広とされ、前記電極ソケットと電極ヘッドとの端
面が当接したときに潰れてこれら両者間を液密に密閉す
る潰れ代を有する構造としたものである。
【0008】請求項4では、前記電極ソケットの前端面
と前記電極ヘッドの後端面とは面接触する構造としたも
のである。請求項5では、前記電極ヘッドは、前記ワー
クの回転軸の形状に応じて交換するようにしたものであ
る。請求項6では、前記電極ソケット及び前記電極ヘッ
ドは、耐食性を有する樹脂部材によりコーティングされ
てメッキ液から保護されて構造としたものである。
【0009】電極部は、電極ソケットが回転軸の先端に
固定され、且つ電気的に接続される。電極ヘッドがワー
クの回転軸に液密に嵌合され、且つ電気的に接続され
る。電極ヘッドは、電極ソケットに液密に嵌合され、且
つ対向する端面同士が密着して電気的に接続される。そ
して、これら両者の接続部は、シールされて密閉され、
メッキ液の浸入が防止される。これによりワークの回転
軸にメッキを付けることなくワークをメッキ液に全没さ
せて浸漬することができる。このようにしてワークの両
端の回転軸を液密に且つ電気的に接続して挟持し、メッ
キ液に浸漬して回転させながら通電し、メッキを施す。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を実施例
により説明する。図1乃至図4は、本発明に係る電極部
を適用したメッキ装置の概略構成図である。図1及び図
2は、メッキ装置1のフレーム2の構成を示し、図3及
び図4は、ワーク搬送機構3を示す。図1においてフレ
ーム2の左右のフレーム2bと2cとの間にはラインの
始端位置にワーク(シリンダロール)の装着部5が配置
されており、当該ワーク装着部5から矢印で示す搬送方
向に沿って前処理工程としてのアルカリ槽6、湯洗槽、
活性槽、及び水洗シャワー(何れも図示せず)を経てメ
ッキ槽7が配置され、メッキ槽7の後に後処理工程とし
ての水洗シャワー8、研磨部9が順次配置され、ライン
の終端位置にワーク取り出し部10が配置されている。
メッキ槽7は、例えば、クロームメッキ槽で、ワークの
搬送方向に複数並設されており、同時に多数のワークの
クロームメッキ処理を行い作業能率の向上を図るように
なっている。
【0011】フレーム2のワーク装着部5及びワーク取
り出し部10の各位置には、夫々両側に駆動機構11、
12及び11’、12’が、フレーム2aと2b、フレ
ーム2cと2dを水平に連結する各梁上に設置されてい
る。フレーム2のアルカリ槽6、湯洗槽、活性槽、各メ
ッキ槽7及び水洗シャワー8、研磨部9の各位置には駆
動機構12と同じ側に駆動機構13が設置されている。
また、各メッキ槽7の両側位置に夫々給電部15、16
が設置されている。
【0012】駆動機構11は、図5に示すように駆動用
モータ11aと、ガイド11bと、チェーン11cによ
り構成されており、チェーン11cは、モータ11aの
回転軸に装着されたスプロケット11dとガイド11b
に掛回されている。そして、チェーン11cの上側に後
述するワーク搬送機構3の駆動力伝達部23のスプロケ
ット25が噛合可能とされる。駆動機構12は、駆動機
構11と同様図6に示すように駆動用モータ12aと、
ガイド12bと、チェーン12cにより構成されてお
り、チェーン12cは、モータ12aの回転軸に装着さ
れたスプロケット12dとガイド12bに掛回されてい
る。そして、チェーン12cの上側にワーク搬送機構3
の駆動力伝達部48のスプロケット46が噛合可能とさ
れる。そして、駆動機構12は、駆動機構11よりも低
い位置に設置されている。駆動機構11’、12’も駆
動機構11、12と全く同様に構成されている。
【0013】駆動機構13は、図7に示すように駆動機
構12と同様に駆動用モータ13aと、ガイド13b
と、チェーン13cにより構成され、チェーン13c
は、モータ13aの回転軸に装着されたスプロケット1
3dとガイド13bに掛回されている。そして、チェー
ン13cの上側にワーク搬送機構3の駆動力伝達部48
のスプロケット46が噛合可能とされる。
【0014】ワーク装着部5の駆動機構11は、ワーク
搬送機構3にワークをチャッキングするためのものであ
り、駆動機構12、13は、チャッキングされたロール
を回転させるためのものである。また、ワーク取り外し
部10の駆動機構11’は、チャッキングを解除してワ
ーク搬送機構3からワークを取り外すためのものであ
る。
【0015】給電部15は、図8に示すようにフレーム
2cと2dを水平に連結する梁上に駆動機構13と略同
じ高さ位置に且つ平行に設置されており、絶縁版15a
を介して電極板15bが配設されている。給電部16も
給電部15と、同様に且つ対称に構成され、同じ高さ位
置に対向して配置されている。そして、これらの各電極
板15b、16bは、夫々メッキ用の直流電源(図示せ
ず)の負極に接続される。
【0016】ワーク搬送機構3は、図3及び図4に示す
ようにフレーム2のサイドフレーム2b、2cを水平に
架橋し、両端近傍がこれらのサイドフレーム2b、2c
に載置されるレール20、このレール20の左右両側に
長手方向に沿って移動可能に吊設されたハンガ21、2
2、これらのハンガ21、22を移動させるためにフレ
ーム2側の駆動機構11から駆動力を伝達する駆動力伝
達部23等により構成されている。レール20の左右両
側部の前後両面にはフレーム2のサイドフレーム2b、
2cの各処理工程位置に設けられた支持部2e、2
e’、2f、2f’に載置され、且つ位置決め支持され
る脚部20a、20a’、20b、20b’(図11、
図12)が垂設されている。また、レール2の左右両端
近傍の上面にはフック20c、20cが設けられてい
る。これらのフック20c、20cは、ワーク搬送機構
3をクレーンにより吊り下げてワーク装着部5方向、又
はワーク取り外し部10の方向に移動させるためのもの
である。
【0017】ハンガ21、22は、正面視略門型をな
し、各水平部21a、22aがレール20の前後両面に
長手方向に沿って設けられたリニアレール24、24’
(図9、図10)に水平に移動可能に支持されている。
駆動力伝達部23は、図4及び図12に示すようにレー
ル20の上面に全長に亘り配設されている。レール20
の一側端には回転軸24、減速機27等が配置され、回
転軸24の回転がギヤ系26を介して減速機27の入力
軸に伝達される。回転軸24の一端にはスプロケット2
5が固定されており、フレーム2のワーク装着部5、ワ
ーク取り外し部10において駆動機構11、11’の各
チェーン11c、11c’(図1、図5)と噛合可能と
されている。
【0018】減速機27の出力軸は、レール20の前後
両側に張り出し、両端にスプロケット28、28’が固
定されている。一方、レール20の他側端にはスプロケ
ット29、29’(図3、図11)がスプロケット2
8、28’と対向して回転自在に軸支されており、スプ
ロケット28と29、28’と29’間に夫々チェーン
30、30’(図3、図4、図9、図10)が掛回され
ている。そして、これらのチェーン30、30’の下側
にハンガ21(図3、図9)の上部が、上にハンガ22
(図4、図10)の上部が夫々取り付けられている。こ
れらのハンガ21、22は、チェーン30、30’の回
転に伴い両側から中央に向かって、又は中央から両側に
向かって対称に移動し、互いに接近し、又は離反する。
このようにして駆動機構伝達部23が構成されている。
【0019】ハンガ21、22(図3、図4)の垂下す
る各両側部21bと21c、22bと22cの下端には
回転軸31、32の両端が回転自在に軸支されており、
これらの回転軸31、32の先端には夫々電極部33、
34が装着固定されている。回転軸31、32は、銅棒
で形成されており、電極部33、34は、ワークへの通
電と当該ワークを挟持するチャックとを兼用している。
回転軸31は、電極部33が装着される先端近傍から基
端まで表面にメッキ液から保護するための耐食性を有す
る樹脂部材によるコーティング36(図13)が施され
ている。
【0020】また、回転軸31の前端側を軸支するベア
リングは、樹脂製のベアリング37(図13)が使用さ
れている。メッキ液には金属を侵す多数の薬品が使用さ
れているために金属製のベアリングは、腐食されやすい
ばかりでなく、ベアリングの潤滑油がメッキ液にとって
大敵である。そこで、メッキ液による腐食を防止すると
共に、メッキ液を保護するために樹脂製のベアリング3
7が使用されている。回転軸32も、回転軸31と同様
に、コーティングが施されされ、且つ先端側が樹脂製の
ベアリングにより軸支されている。
【0021】回転軸31、32の略中央には円板状の液
切り板38、39が取り付けられており、電極部33、
34から液切り板38、39の手前の部分までが2点鎖
線で示すメッキ槽7のメッキ液に全没浸漬される。回転
軸31、32(図3、図4)の各基端には集電用のスリ
ップリング41、42が固定されており、ハンガ21、
22に設けられた集電部43、44のカーボンブラシ4
3a、44aがスプリングのバネ力により圧接されて電
気的に接続されている。集電部43、44の下端には電
極板43b、44bが設けられており、スプリングのバ
ネ力により、フレーム2の各位置に設けられている給電
部15、16の電極板15b、16bの上面に夫々動可
能に圧接されて電気的に接続される。
【0022】一方の回転軸31の基端は、ギヤ系47を
介して回転軸45に連結されており、当該回転軸45の
先端にはスプロケット46(図11)が固定されてい
る。これらのギヤ系47、回転軸45及びスプロケット
46により駆動力伝達部48が構成される。スプロケッ
ト46は、フレーム2の各位置に設けられている駆動機
構12、12’、13(図1、図2、図6、図7)等の
各チェーンの上側から噛合可能とされる。尚、ギヤ系4
7のギヤ47a、47bの少なくとも一方例えば、ギヤ
47aは、絶縁性を有する樹脂部材により形成されてお
り、フレーム2側の各駆動機構と電気的に絶縁される。
【0023】電極部33は、図13及び図14に示すよ
うに、電極ソケット50、電極ヘッド51、シール5
4、55等により構成されている。電極ソケット50
は、円筒形状をなし、基端から先端まで順次孔50a、
50b、50cが同心的に穿設されている。基端側の段
付き孔50aは、回転軸31の先端31aに嵌合する軸
孔、中央の孔50bは、ボルト挿通孔、先端側の孔50
cは、電極ヘッド51の装着孔である。また、電極ソケ
ット50の前端面50dの外周縁には全周に亘り僅かな
段差部50eが設けられている。そして、電極ソケット
50は、前端面50dの段差部50eから外周面及び後
端面に亘り一体にコーティング52が施されている。
尚、前端面50eは、段差部50eに形成されるコーテ
ィング52と面一とされる。このコーティング52は、
電極ソケット50をメッキ液から保護するためのもので
ある。
【0024】電極ヘッド51は、電極ソケット50と同
径の円筒形状をなし、基端51aが電極ソケット50の
孔50cに嵌合可能とされ、基端51aから先端まで順
次孔51b、51c、51dが同心的に穿設されてい
る。孔51bは、接続用のボルト57、58の頭部を収
納するためのもので、孔51cは、ボルト挿通孔であ
り、先端側の孔51dは、ロール100の回転軸101
に嵌合する軸孔である。また、電極ヘッド51の基端側
の後端面51eの外周縁には全周に亘り僅かな段差部5
1fが設けられている。そして、電極ヘッド51は、前
端側の孔51dの開口端面から外周面及び後端面51e
の段差部51fに亘り一体にコーティング53が施され
ている。このコーティング53は、コーティング52と
同様電極ソケット50をメッキ液から保護するためのも
のである。
【0025】これらの電極ソケット50、電極ヘッド5
1は、電導性に優れた銅部材により形成されている。ま
た、コーティング52、53としては、耐食性を有する
樹脂系の部材(例えば、グリーンゾル等)がある。これ
らのコーティング52、53は、例えば、3 mm程度の
厚みとされており、メッキ液のみならず外傷からも電極
ソケット50、電極ヘッド51を保護する。
【0026】電極ソケット50は、軸孔50aが回転軸
31の樹脂製のベアリング37から突出する先端31a
にカラー56、シール54を介して嵌合され、ボルト5
7により固定される。尚、電極ソケット50は、キー及
びキー溝により回転軸31に相対回転不能とされる。シ
ール54は、パッキン60、シールリング61により構
成されている。パッキン60、61は、互いに密接して
回転軸31に外嵌され、パッキン60がカラー56の端
面に、パッキン61が電極ソケット50の後端面に夫々
密着している。尚、シールリング60内にはOリングが
設けられており、回転軸31との間の液密が保持されて
いる。これにより、回転軸31の先端と電極ソケット3
3との間の接続部が液密に保持され、メッキ液に浸漬さ
れることが防止される。
【0027】一方、ロール100の回転軸101は、電
極ヘッド51の孔51dに嵌合されボルト58により固
定される。ボルト38の頭部は、孔51b内に没入す
る。そして、電極ヘッド51とロール100とは、電極
ヘッド51の孔51dの内周面と回転軸101の外周面
との接触面により電気的に接続される。電極ヘッド51
とロール100の対向する端面の間にはパッキン62が
介在され、これら両者の接続部を液密にシールしてい
る。これにより電極ヘッド51の孔51dとロール10
0の回転軸101との間にメッキ液が浸入することが防
止される。
【0028】ワーク100の回転軸101に装着された
電極ヘッド51は、後端面51dの外周縁の段差部51
fにシール(パッキン)55が装着されて(図15)電
極ソケット50に嵌合装着される。このシール55の幅
は、図15に示すように段差部51fの幅よりも僅かな
寸法dだけ広く潰れ代とされている。電極ヘッド51の
後端51aが電極ソケット50の孔50dに嵌合され、
電極ソケット50を回転軸31に固定するボルト37の
頭部が電極ヘッド51の孔51b内に収納される。シー
ル55は、電極ヘッド51が電極ソケット50に押し込
まれて嵌合すると図16に示すように潰れ代dが押し潰
されてこれらの端面50d、51eに密着し液密にシー
ルする。そして、電極ソケット50の前端面50dと電
極ヘッド51の後端面51eとが密着し、電気的に接続
される。電極ソケット50と電極ヘッド51は、面接触
により接触するために接触面積が大きく、大電流を通電
することができる。
【0029】電極部34も、電極部33と全く同様に構
成されており、回転軸32の先端に電極ソケットが装着
固定され、ロール100の回転軸102に電極ヘッドが
装着固定される。このようにして回転軸31、32の各
先端に装着した電極部33、34に回転軸101、10
2を完全に液密に保持した状態でロール100を装着支
持することができ、且つ電気的にも回転軸31、32側
と極めて良好に接続することができる。
【0030】ところで、ロール100は、印刷物により
その径、長さが様々であり、これに伴い回転軸の形状も
異なる。更に、同じ外径でもメーカによって軸径や軸長
が区々である。このため1つの形状の電極ヘッドでは、
これらの多数のロールに対処することが困難である。そ
こで、電極ヘッド51を着脱可能とし、各種のロールの
回転軸の形状に応じた形状や、大きさのものを複数準備
し、最適なものを装着する。例えば、図17に示すよう
に軸孔70dの短いもの、図18に示すように軸孔71
dが大径で段差のないもの等を準備しておき、ロールに
合わせて装着する。また、電極ソケット50は、共通と
し、各電極ヘッド51、70、71の基端51a、70
a、71aの形状を同一としてこれらの電極ヘッド5
1、70、71を簡単に共用し得るようになっている。
【0031】以下に作用を説明する。図1乃至図4に示
すように、先ず、ワーク搬送機構3が、クレーン(図示
せず)によりフック20c、20cを介して吊り下げら
れて搬送され、フレーム2のワーク装着部5の位置に載
置される。尚、回転軸31、32には電極部33、34
の電極ソケット50、50’が装着されている。ワーク
搬送機構3は、当該位置において駆動力伝達部23のス
プロケット25が駆動機構11のチェーン11cと噛合
し、駆動力伝達部48のスプロケット46が駆動機構1
2のチェーン12cと噛合する。一方、ワーク装着部5
にはワーク例えば、クロームメッキ処理を施すべきグラ
ビア印刷用のロール100が搬入されている。このロー
ル100は、前述したように鉄製のシリンダの表面に銅
メッキが施され、その表面にエッチング処理等により所
望の文字や絵柄等が刻設されている。尚、ロール100
は、両側の回転軸101、102に夫々電極部33、3
4の各電極ヘッド51、51’(図3、図4)が装着さ
れている。
【0032】次いで、駆動機構11のモータ11aが回
転し、チェーン11cによりワーク搬送機構3の駆動力
伝達部23のスプロケット25を介して回転軸24を回
転させる。この回転軸24の回転は、減速機27を介し
てスプロケット28、28’に伝達され、チェーン3
0、30’が回転する。これに伴いハンガ21、22が
左右両側から中央に向かって同時に移動し、電極部3
3、34の各電極ソケット50、50’がロール100
の対向する電極ヘッド51、51’に嵌合する。
【0033】即ち、図13に示すようにハンガ21の移
動に伴い電極ソケット50が電極ヘッド51に嵌合し、
電極ソケット50の前端面50dが電極ヘッド51の後
端面51eに圧接する。そして、電極ソケット50の前
端面50dの電極ヘッド51の後端面51eへの圧接力
が所定圧に達するとトルクリミッタ(図示せず)が作動
して駆動機構11のモータ11aが停止する。同時に、
ワーク搬送機構3の駆動力伝達部23の減速機27が当
該停止位置位置に保持される。この状態において、シー
ル55が図16のように潰れて端面50d、51eに圧
接してこれらの当接面即ち、電極ソケット50と電極ヘ
ッド51との接続部が液密にシールされる。このとき、
端面50dと51eとが面接触して通電可能となる。
【0034】このようにしてワーク搬送機構3がロール
100の回転軸を両端から所定の押圧力で挟持(チャッ
キング)して支持する。しかも、ハンガ21、22は、
レール20に対して対称に移動するために、ロール10
0をフレーム2の中央に挟持することができる。また、
回転軸31、32は、夫々両端がハンガ21、22に支
持された構造とされているために撓むことがなく、ロー
ル100を水平に且つ極めて精度よく支持することがで
きる。
【0035】駆動機構12は、ワーク搬送機構3にロー
ル100を装着した後モータ12aが回転し、チェーン
12cを介して駆動力伝達部48のスプロケット46を
回転させる。回転軸45の回転は、ギヤ系47を介して
回転軸31に伝達され、ロール100が回転する。この
とき回転軸32が同時に連れ回る。このようにしてロー
ル100を回転させ、当該ロール100がワーク搬送機
構3に確実に装着されていることを確認する。
【0036】次いで、ワーク搬送機構3は、前記クレー
ンにより吊り上られて、前処理工程に順次搬送される。
即ち、ロール100は、先ず、アルカリ処理部6に搬送
され表面に付着している油脂分が除去され、次いで、湯
洗い位置において洗浄され、更に活性処理されて表面の
錆や酸化被膜等が除去された後、水洗シャワーで洗浄さ
れ。これらの前処理は、各処理工程において夫々駆動機
構13により前述と同様にしてロール100を回転させ
ながら行う。
【0037】ワーク搬送機構3は、ロール100の前処
理が終了した後クロームメッキ槽7の位置に搬送され
(図3、図4)、ロール100が当該メッキ槽7のメッ
キ液に浸漬される。回転軸31、32は、電極部33、
34から液切り板38、39の手前の部分まで当該メッ
キ槽7内に収容されてメッキ液に全没浸漬される。そし
て、ロール100は、ハンガ21、22によりフレーム
2の中央に挟持されているためにメッキ槽7の中央でメ
ッキ液に浸漬される。尚、ロール100は、メッキ液に
のみ全没浸漬される。
【0038】メッキ槽7の左右の側壁7a、7bの各中
央には夫々シャッタ7c、7dが設けられており、ハン
ガ21、22の下降に伴い回転軸31、32により開口
され、これらの回転軸31、32が所定位置まで下降す
ると閉塞する。液切り板38、39は、シャフト31、
32と共に回転しシャッタ7c、7dの隙間から回転軸
31、32を伝わって漏出するメッキ液を遠心力により
液溜室7e、7fに払い落とす。これらの液溜室7e、
7f内に溜まったメッキ液は、メッキ槽7に回収され
る。
【0039】ワーク搬送機構3は、当該メッキ槽7の位
置において駆動機構13により駆動力伝達部48を介し
て回転軸31が回転駆動され、ロール100を所定の回
転速度で回転する。一方、ハンガ21、22に装着され
ている集電部43、44の電極板43b、44bが、フ
レーム2の給電部15、16の電極板15b、16bに
圧接して電気的に接続される。従って、ロール100
は、回転軸31、32を介して前記メッキ用の電源の負
極に接続される。メッキ槽7のメッキ液は、前記電源の
正極に接続される。そして、ロール100は、メッキ液
に全没して浸漬された状態で回転しながら表面にクロー
ムメッキが施される。これにより、ロール100は、文
字や絵柄等が刻設されている銅の表面に全面に亘り良好
に、且つ迅速にクロームメッキされて保護される。クロ
ームメッキ槽7は、複数並設されており、従って、同時
に複数本のロールを並列的に処理することができる。
【0040】ワーク搬送機構3は、ロール100のメッ
キ処理が終了すると吊り上げられ、ロール100がメッ
キ槽7から引き上げられる。次いで、ワーク搬送機構3
は、水洗シャワー部8(図2)に搬送される。ロール1
00は、水洗シャワー部8において駆動機構13により
回転駆動されながら表面を水洗いされ、メッキ液が除去
される。
【0041】ロール100は、水洗いされた後研磨部9
に搬送されて駆動機構13により回転されながら表面を
研磨(粗研磨)される。クロームメッキは、インクを弾
くためにインクの乗りが悪い。そこで、インクの乗りを
良くするために研磨して表面に微細なキズを付けて粗面
にする。ワーク搬送機構3は、ロール100の研磨作業
が終了するとワーク取り出し部10に搬送され、駆動機
構11’によりハンガ21、22が互いに離反する方向
に移動され、これに伴い電極部33、34がロール10
0から離隔する。次いで、ロール100は、搬出機構
(図示せず)によりメッキ装置1から搬出される。この
ようにしてメッキ装置1は、ロール100の表面にメッ
キを施す一連の処理工程を全自動で行う。
【0042】尚、本発明の電極部は、上記実施例に示す
メッキ装置におけるワーク(ロール)に限るものではな
く、他の種々の回転式メッキ装置、或いは、メッキ装置
以外の例えば、輪転機等におけるロールの電極部(通電
部)に適用することが可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように請求項1及び2によ
れば、メッキ装置の電極部にワークの回転軸を完全に密
封し、且つ通電可能に支持することができるために、自
動化が可能となり、しかも、ワークの回転軸をマスキン
グすることなく当該ワークをメッキ液に全没させてメッ
キを行うことが可能となり、メッキ処理の時間を大幅に
短縮することができ、作業能率の向上が図られる。
【0044】請求項3では、電極ソケットと電極ヘッド
との接続部のシールに潰れ代を設けることにより密着性
を高めることができ、これら両者間の接続部を極めて良
好にシールすることができる。請求項4では、電極ソケ
ットと電極ヘッドとの通電部分を面接触とすることによ
り電流容量を大きくすることができ、定圧大電流の通電
が可能となり電気代の節約が図られる。
【0045】請求項5では、電極ヘッドをワークの回転
軸の形状に合わせて交換することにより、作業性の大幅
な向上が図られる。請求項6では、電極ソケット及び電
極ヘッドの表面を耐食性を有する樹脂部材によりコーテ
ィングすることにより電極部をメッキ液から保護するこ
とができ、耐久性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極部を使用したメッキ装置のワ
ーク装着部側の一部平面図である。
【図2】図1のメッキ装置のワーク取り出し部側の一部
平面図である。
【図3】図1のメッキ装置のワーク搬送機構の一側正面
図である。
【図4】図3のメッキ装置のワーク搬送機構の他側正面
図である。
【図5】図1の駆動機構11の正面図である
【図6】図1の駆動機構12の正面図である
【図7】図1の駆動機構13の正面図である。
【図8】図1の電極部15の矢線VIII−VIIIに沿う断面
図である。
【図9】図3の矢線IX−IXに沿う要部断面図である
【図10】図4の矢線X−Xに沿う要部断面図である。
【図11】図3の要部側面図である。
【図12】図4の要部側面図である。
【図13】図3の電極部の拡大断面図である。
【図14】図13の電極部を分離した状態を示す断面図
である。
【図15】図13の電極部の電極ソケットと電極ヘッド
との接続部に装着されるシールの説明図である。
【図16】図15のシールの密閉状態を示す図である。
【図17】図13の交換用の電極ヘッドの断面図であ
る。
【図18】図13の交換用の電極ヘッドの断面図であ
る。
【図19】従来のメッキ装置の電極部により回転軸付き
のロールをメッキする場合の説明図である。
【符号の説明】
1 メッキ装置 2 フレーム 3 ワーク搬送機構 7 メッキ槽 11、11’、12、12’、13 駆動機構 15、16 給電部 20 レール 21、22 ハンガ 23、48 駆動力伝達部 31、32 回転軸 33、34 電極部 43、44 集電部 50 電極ソケット 51、70、71 電極ヘッド 52、53 コーティング 54、55 シール 100 ロール(ワーク) 101、102 回転軸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のワークの両端に設けられている
    回転軸を一対の回転軸の各先端に設けた電極部で支持
    し、前記ワークを回転させながら通電してメッキを施す
    メッキ装置の電極部において、 基端が前記メッキ装置の回転軸の先端に電気的に接続さ
    れて装着固定され、前端面に同心的に大径の孔が設けら
    れた円筒状の電極ソケットと、 前端に穿設された軸孔に前記ワークの回転軸が着脱可能
    に液密に嵌合固定されると共に電気的に接続され、基端
    が前記電極ソケットの孔に着脱可能に液密に嵌合される
    と共に電気的に接続される電極ヘッドとを備えたことを
    特徴とするメッキ装置の電極部。
  2. 【請求項2】 前記電極ソケットと前記電極ヘッドとの
    接続部の外周部にはシール部材が装着され、当該接続部
    を液密にシールすることを特徴とする請求項1記載のメ
    ッキ装置の電極部。
  3. 【請求項3】 前記シール部材は、対向する電極ソケッ
    ト又は電極ヘッドの何れか一方の端面外周縁に全周に亘
    り形成された溝に嵌合され、且つ当該溝幅よりも僅かに
    幅広とされ、前記電極ソケットと電極ヘッドとの端面が
    当接したときに潰れてこれら両者間を液密に密閉する潰
    れ代を有することを特徴とする請求項2に記載のメッキ
    装置の電極部。
  4. 【請求項4】 前記電極ソケットの前端面と前記電極ヘ
    ッドの後端面とは面接触することを特徴とする請求項1
    に記載のメッキ装置の電極部。
  5. 【請求項5】 前記電極ヘッドは、前記ワークの回転軸
    の形状に応じて交換することを特徴とする請求項1に記
    載のメッキ装置の電極部。
  6. 【請求項6】 前記電極ソケット及び前記電極ヘッド
    は、耐食性の樹脂部材によりコーティングされてメッキ
    液から保護されていることを特徴とする請求項1に記載
    のメッキ装置の電極部。
JP26737596A 1996-10-08 1996-10-08 メッキ装置の電極部 Pending JPH10110296A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26737596A JPH10110296A (ja) 1996-10-08 1996-10-08 メッキ装置の電極部

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26737596A JPH10110296A (ja) 1996-10-08 1996-10-08 メッキ装置の電極部

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10110296A true JPH10110296A (ja) 1998-04-28

Family

ID=17443973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26737596A Pending JPH10110296A (ja) 1996-10-08 1996-10-08 メッキ装置の電極部

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10110296A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009543950A (ja) * 2006-07-19 2009-12-10 カスパル ヴァルター ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー 印刷シリンダ用クランプ装置
KR101153116B1 (ko) * 2009-10-14 2012-06-04 이재영 도금용 하우징 및 이를 이용한 도금용 지그

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009543950A (ja) * 2006-07-19 2009-12-10 カスパル ヴァルター ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー 印刷シリンダ用クランプ装置
US8807030B2 (en) 2006-07-19 2014-08-19 Kasper Walter GmbH & Co. KG Clamping device for printing cylinder
KR101153116B1 (ko) * 2009-10-14 2012-06-04 이재영 도금용 하우징 및 이를 이용한 도금용 지그

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10110297A (ja) メッキ装置
US6929723B2 (en) Electroplating apparatus using a non-dissolvable anode and ultrasonic energy
US3923610A (en) Method of copper plating gravure cylinders
CN1442516A (zh) 滚挂式电镀方法及其旋转电镀挂具
US6231728B1 (en) Electroplating apparatus
JPH10110296A (ja) メッキ装置の電極部
JP4029055B2 (ja) ターンテーブル式のロールストック装置
JPH10110295A (ja) メッキ装置の電極部
US6547936B1 (en) Electroplating apparatus having a non-dissolvable anode
CN217399013U (zh) 一种钕铁硼电镀工装及连续转运装置
CN214782220U (zh) 一种电泳处理用吊装装置
JP2538671B2 (ja) 水平処理槽におけるロ―ル交換装置
JP2004232028A (ja) グラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場及びグラビア製版工場
CA1106796A (en) Method and apparatus for chromium electroplating of bars
CN213977892U (zh) 一种电镀清洗设备
US4519887A (en) Apparatus for automatically attaching and detaching cassette-type rolls
CN113584536A (zh) 一种螺杆表面快速电镀工艺及其装置
JP2005029876A (ja) 硫酸銅メッキ方法
EP0235469B1 (en) Device for metal strip electrolytic processing
CN213447353U (zh) 一种通信电子箱体零部件加工用电镀装置
JP2726700B2 (ja) 金属板の表面処理装置
KR100456731B1 (ko) 피스톤 크라운 전기도금장치
TW202200399A (zh) 版母材全自動製造系統以及版母材的製造方法
CN218574078U (zh) 一种垂直滚涂线刮刀组合装置
EP0128657B1 (en) Apparatus for automatically mounting and demounting cassette-type rollers having a shaft