JPH10108481A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータ

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JPH10108481A
JPH10108481A JP8254842A JP25484296A JPH10108481A JP H10108481 A JPH10108481 A JP H10108481A JP 8254842 A JP8254842 A JP 8254842A JP 25484296 A JP25484296 A JP 25484296A JP H10108481 A JPH10108481 A JP H10108481A
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JP
Japan
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piezoelectric element
moving body
piezoelectric actuator
piezoelectric
sliding
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JP8254842A
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Inventor
Kazuhiro Yoshida
和博 吉田
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】組立性が良く、圧電素子の発生力が効率良く移
動体に伝わり、組立によって性能のばらつきが生じない
品質の安定した圧電アクチュエータの提供を目的として
いる。 【解決手段】本発明は、圧電素子2と、この圧電素子2
に固定される移動体3と、移動体3が摺動可能に摩擦係
合する静止部材4とからなる圧電アクチュエータ1にお
いて、移動体3を圧電素子2に対して嵌合固定したもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電(電歪を含
む)素子の伸縮を利用した衝撃力で移動体を駆動する小
型の圧電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電素子の伸縮を利用した衝撃力
で移動体を駆動させる圧電アクチュエータが数多く知ら
れている。例えば、特願平7−238668号では、移
動体と、移動体に接着固定される圧電素子と、移動体に
摺動可能に摩擦係合する係合部材(静止部材)とを備え
た圧電アクチュエータが開示されている。この圧電アク
チュエータは、給電によって圧電素子を伸縮させ、その
伸縮による衝撃力で移動体を係合部材に対して移動させ
ることにより、移動体の移動量を出力として取り出すこ
とができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
願平7−238668号のごとき従来例では、圧電素子
と移動体との接着において、圧電素子の移動体に対する
位置決め性が悪いという欠点がある。例えば、圧電素子
の端面を移動体の接着面に対して単に突き当てた状態で
接着固定している。
【0004】このため、圧電素子が傾いて接着された
り、位置がずれて接着される可能性があり、圧電素子の
発生する力が効率良く移動体に伝わらない可能性があっ
た。その結果、圧電アクチュエータの性能にバラツキが
生じる可能性があった。
【0005】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、組立性が良く、圧電
素子の発生力が効率良く移動体に伝わり、組立によって
性能のばらつきが生じない品質の安定した圧電アクチュ
エータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、圧電素子と、この圧電素子に固定される
移動体と、移動体が摺動可能に摩擦係合する静止部材と
からなる圧電アクチュエータにおいて、前記移動体を前
記圧電素子に対して嵌合固定したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態が
図1ないし図3に示されている。図1に示すように、本
実施形態に係る圧電アクチュエータ1は、圧電素子2
と、圧電素子2の先端側に固定された移動体3と、移動
体3をその内側に嵌挿して移動体3と摺動可能に摩擦係
合する円筒状の静止部材4とから構成されている。
【0008】圧電素子2は、積層圧電素子であり、その
積層面に内部電極(図示せず)を有し、その外側面に外
部電極(図示せず)を有している。無論、圧電素子2
は、積層圧電素子に限らず、その他の電歪素子であって
も構わない。例えば、超磁歪素子等が好適である。
【0009】圧電素子2には、圧電素子2に電力を供給
するリード線5が半田付けされている。これによって、
圧電素子2は、リード線5により印加される電圧により
伸縮することができる。なお、リード線5を半田付けす
る位置は、図示のように圧電素子2の基端側位置に限ら
ず、例えば移動体3が固定される圧電素子2の先端側位
置であっても構わない。あるいは、リード線5の図示す
る取付け位置から移動体3に対して90度位相をずらし
た位置に、リード線5を圧電素子2に半田付けしても良
い。無論、半田付けに限らず導電性の接着材でリード線
5を固定しても構わない。
【0010】圧電素子2の先端には出力軸部6が一体に
形成されている。圧電アクチュエータ1は、この出力軸
部6を様々な動作装置に連結することにより、後述する
ように圧電素子2の伸縮に伴う移動体3の移動によって
生起される出力を前記動作装置に伝達して動作装置を動
作させることができる。具体的には、出力軸部6を例え
ば内視鏡光学系のズームレンズに結合すれば、圧電アク
チュエータ1の動作に伴い拡大観察が可能となる。その
他、フォーカスレンズ、ミラー、固体撮像素子などの光
学素子の駆動のために、これら光学素子に出力軸部6が
結合される。
【0011】また、出力軸部6は、リード線5によって
印加される電圧で伸縮しないようになっている。具体的
には、圧電素子2の前記内部電極を絶縁するために圧電
素子2に一体に設けられているセラミックを出力軸部6
として用いている。しかしながら、これに限らず、例え
ば圧電素子2を構成している圧電体(図示せず)であっ
て外部電極が設けられていない圧電体を出力軸部6とし
て用いても良い。
【0012】また、出力軸部6は、圧電素子2の伸縮方
向と平行で且つその中心軸が圧電素子2の長手方向の中
心軸と一致するように、延びている。出力軸部6の断面
形状は、図示のように円形状であっても良いが、これに
限らず、例えば四角形や三角等の多角形形状であっても
構わない。また、これらの組み合わせ形状であっても良
い。
【0013】移動体3は、心出し部材7とバネ部材8と
から構成されている。バネ部材8は、圧電素子2(具体
的には圧電素子2の出力軸部6)が固定される圧電素子
固定部10と、圧電素子固定部10から延びる少なくと
も2つの梁部9,9とからなる。圧電素子固定部10
は、出力軸部6と嵌合する第1の固定穴12を有してい
る。各梁部9,9の端部には、静止部材4の内面と摺動
可能に摩擦係合する摺動部11が設けられている。
【0014】なお、バネ部材8の材質としては、リン青
銅、ベリリウム銅、バネ用ステンレススチール、チタン
合金(SEAと呼ばれる超弾性金属等)等のバネ材が好
適である。
【0015】また、バネ部材8には表面処理が施されて
いる。この場合、表面処理としてはメッキや焼き入れ等
が好適である。表面処理としてメッキを行なう場合に
は、電解ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキ、複合
メッキ等が好適である。複合メッキでは、そのメッキの
中に四ふっ化エチレン樹脂を含有しているものや、セラ
ミックを含有しているものが良い。また、メッキを行な
う部分は、バネ部材8の全部であっても良いが、その一
部であっても良い。バネ部材8の一部にメッキを行なう
場合、そのメッキ箇所は、摺動部11、梁部9、圧電素
子固定部10のうちの少なくともいずれか1つであるこ
とが望ましい。
【0016】バネ部材8を構成する梁部9の幅は、圧電
素子固定部10から摺動部11にわたって直線的に徐々
に狭くなるように設定されている。すなわち、図1の
(a)に示すように、圧電素子固定部10側における梁
部9の幅aと摺動部11側における梁部9の幅bとの関
係はa>bであり、この間の幅が直線的に徐々に狭くな
っている。
【0017】一方、移動体3を構成する心出し部材7
は、その中心に、出力軸部6と嵌合する第2の固定穴1
3を有している。また、心出し部材7は、静止部材4と
嵌合して静止部材4の内面に沿って摺動できるような形
状と寸法に設定されている。この場合、心出し部材7の
摺動抵抗は、梁部9の端部に設けられた摺動部11の摩
擦抵抗よりも遥かに小さく設定されている。
【0018】心出し部材7は、例えば表面処理が施され
たアルミニウムやエンジニアプラスチック等の摺動性の
良い材質によって形成されていることが望ましい。前記
表面処理としては、アルマイト処理が好適であり、特
に、四フッ化エチレン樹脂を含有したアルマイト処理や
セラミックを含有したアルマイト処理等が好適である。
また、前記エンジニアプラスチックとしては、四フッ化
エチレン樹脂や、ポリアセタール等が好適である。
【0019】静止部材4は、図1では円筒状に形成され
ているが、この円筒状に限らず、圧電アクチュエータ1
が適用される状況に応じて適宜必要な形状に形成され
る。また、これに伴って、静止部材4の断面形状も環状
に限らない。すなわち、例えば図2に示すように、静止
部材4は、心出し部材7と梁部9,9の摺動部11とを
その内側で摺動させることができるように、その断面形
状がコの字型をなしていても良い。なお、静止部材4の
内面は、少なくとも摺動部11が摺動する範囲が滑らか
に形成されている。
【0020】以上のように構成された各構成要素2,
3,4から圧電アクチュエータ1を組み立てる場合に
は、圧電素子2の出力軸部6を、移動体3のバネ部材8
の第1の固定穴12と心出し部材7の第2の固定穴13
とに嵌合させて接着固定し、続いて、静止部材4に移動
体3を嵌挿すれば良い。あるいは、静止部材4に移動体
3を嵌挿し、その状態で、出力軸部6を固定穴12,1
3に嵌合して接着固定しても良い。
【0021】次に、上記構成の圧電アクチュエータ1の
動作について説明する。前述したように静止部材4内に
移動体3を組み付けた状態において、バネ部材8の梁部
9,9は、片持ち梁状をなして、そのバネ力で静止部材
4の内面と摩擦係合する。この場合の摩擦力は、梁部
9,9の撓み量によって調整される。また、この場合、
静止部材4内における移動体3の姿勢は、静止部材4の
内面と摩擦係合する心出し部材7の摺動面(外周面)と
梁部9,9の摺動部11とによって保たれる。
【0022】このような状態で、図3の(a)に示すよ
うな電圧波形の信号を圧電素子2に印加すると、圧電素
子2が伸縮して、その伸縮に伴う大きな衝撃力が一定方
向に作用する。この際、圧電素子2それ自身の質量に起
因する慣性力が静止部材4と移動体3との摩擦係合力よ
りも大きくなると、移動体3が移動する。例えば、図3
の(a)の電圧波形の山部Aでは、圧電素子2が縮んだ
状態から伸びようとし、その際に発生する慣性力が摩擦
力より大きくなった時点で、移動体3が推力を得て図1
の(b)中の左方向に移動する。また、図3の(a)の
電圧波形の谷部Bでは、圧電素子2が伸びきった状態か
ら縮もうとするが、その際の慣性力は摩擦力よりも小さ
いため、移動体3は推力を得られずにその場に留まる。
したがって、このような原理によって、移動体3を図1
の(b)中の右方向に移動させる場合には、図3の
(b)に示すような電圧波形の信号を圧電素子2に印加
すれば良い。
【0023】以上説明したように、本実施形態の圧電ア
クチュエータ1は、圧電素子2と一体に設けられた出力
軸部6が移動体3の固定穴12,13に嵌合されて接着
固定されるため、圧電素子2が圧電アクチュエータ1の
進退方向に対して傾いたり位置がずれた状態で接着され
るといったことがない。したがって、圧電素子2の移動
体3に対する位置決め性が向上し、組立による性能のば
らつきがなくなり、圧電アクチュエータ1の品質が安定
する。また、圧電素子2の移動体3に対する位置決め性
が向上することから、圧電アクチュエータ1の組立性も
向上する。さらに、圧電素子2の移動体3に対する倒れ
がなくなるため、圧電素子2の発生力が効率良く移動体
3に伝わり、圧電アクチュエータ1の性能が向上する。
【0024】また、本実施形態の圧電アクチュエータ1
は、移動体3の梁部9の幅が、圧電素子固定部10から
摺動部11にわたって直線的に徐々に狭くなるように設
定されているため、梁部9の剛性が低くなる。したがっ
て、梁部9の撓み量を容易に大きくして所望の摩擦力を
得ることができる。また、梁部9の剛性が低いことか
ら、撓み量の変化に伴う摩擦力の変化が小さくなり、摩
擦力の細かい調整を撓み量の変化によって容易に行うこ
とが可能となる。また、撓み量の変化に伴う摩擦力の変
化が小さいことから、移動体3がある程度摩耗した場合
でも、摩擦力はほぼ一定に保たれ、圧電アクチュエータ
1の性能は安定した状態で保持される。さらに、梁部9
の幅を圧電素子固定部10から摺動部11にわたって徐
々に細くしたことに伴い、移動体3の重量は、梁部9の
幅を全長にわたって変えなかった場合と比較して、軽量
化される。したがって、慣性力で移動する移動体3の移
動量が大きくなり、圧電アクチュエータ1の性能が向上
する。
【0025】本発明の第2の実施形態が図4および図5
に示されている。本実施形態に係る圧電アクチュエータ
1aは、その梁部9aの形状が第1の実施形態に係る圧
電アクチュエータ1と異なるだけであり、その他の部分
は第1の実施形態に係る圧電アクチュエータ1と同一で
ある。したがって、同一の構成部分については同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0026】図示のように、圧電アクチュエータ1aの
梁部9aは、その幅が、圧電素子固定部10から摺動部
11にわたって曲線的に徐々に狭くなるように設定され
ている。梁部9の幅が直線的に減少する第1の実施形態
との比較のため、図5には、第1の実施形態に係る圧電
アクチュエータ1の梁部9の輪郭が点線で示されてい
る。
【0027】このような構成によれば、第1の実施形態
と同一の効果を奏するとともに、梁部9aの幅が曲線的
に細くなっているため、第1の実施形態よりも移動体3
の軽量化が図れ、圧電アクチュエータの性能がさらに向
上する。また、梁部9aの撓み量を第1の実施形態より
もさらに大きくすることができるため、摩擦力の調整が
容易になり、圧電アクチュエータの性能が安定する。
【0028】本発明の第3の実施形態が図6に示されて
いる。本実施形態に係る圧電アクチュエータ1bは、そ
の梁部9bの形状が第1の実施形態に係る圧電アクチュ
エータ1と異なるだけであり、その他の部分は第1の実
施形態に係る圧電アクチュエータ1と同一である。した
がって、同一の構成部分については同一の符号を付して
その説明を省略する。
【0029】図示のように、圧電アクチュエータ1bの
梁部9bの幅は、第1の実施形態の場合と同様に、圧電
素子固定部10から摺動部11にわたって直線的に徐々
に狭くなるように設定されている。無論、第2の実施形
態のように、梁部9bの幅を曲線的に徐々に狭くなるよ
うに設定しても構わない。また、梁部9bには、その一
部がくり抜かれることによって形成されたスリット14
が設けられている。この場合、スリット14の幅は、梁
部9bに集中する応力が梁部9bの最大応力を越えない
限りにおいて、 梁部9bの幅と同様に減少するもので
あっても構わない。また、スリット14の形状は、円形
状や多角形状等、どのような形であっても構わない。さ
らに、1つの梁部9bに設けられるスリット14の数
は、1つに限らず、梁部9bに集中する応力が梁部9b
の最大応力を越えない限りにおいて、複数であっても良
い。
【0030】このような構成によれば、第1の実施形態
と同一の効果を奏するとともに、梁部9bにスリット1
4が設けられているため、第1または第2の実施形態よ
りも移動体3の軽量化が図れ、圧電アクチュエータの性
能がさらに向上する。また、梁部9aの撓み量を第1ま
たは第2の実施形態よりもさらに大きくすることができ
るため、摩擦力の調整が容易になり、圧電アクチュエー
タの性能が安定する。
【0031】本発明の第4の実施形態が図7に示されて
いる。図示のように、本実施形態に係る圧電アクチュエ
ータ1cは、圧電素子2と、圧電素子2の先端側に固定
された移動体3と、移動体3をその内側に嵌挿して移動
体3と摺動可能に摩擦係合する円筒状の静止部材4とか
ら構成されている。
【0032】圧電素子2は、積層圧電素子であり、その
積層面に内部電極(図示せず)を有し、その外側面に外
部電極(図示せず)を有している。無論、圧電素子2
は、積層圧電素子に限らず、その他の電歪素子であって
も構わない。例えば、超磁歪素子等が好適である。
【0033】圧電素子2には、圧電素子2に電力を供給
するリード線5が半田付けされている。これによって、
圧電素子2は、リード線5により印加される電圧により
伸縮することができる。なお、リード線5を半田付けす
る位置は、図示のように圧電素子2の基端側位置に限ら
ず、例えば移動体3が固定される圧電素子2の先端側位
置であっても構わない。あるいは、リード線5の図示す
る取付け位置から移動体3に対して90度位相をずらし
た位置に、リード線5を圧電素子2に半田付けしても良
い。
【0034】圧電素子2の先端には固定部17が設けら
れている。固定部17の先端には凸部16が一体に突設
されている。固定部17、特に凸部16は、リード線5
によって印加される電圧で伸縮しないようになってい
る。具体的には、圧電素子2の前記内部電極を絶縁する
ために圧電素子2に一体に設けられているセラミックを
固定部17(凸部16)として用いている。しかしなが
ら、これに限らず、例えば圧電素子2を構成している圧
電体(図示せず)であって外部電極が設けられていない
圧電体を固定部17(凸部16)として用いても良い。
【0035】また、凸部16は、圧電素子2の伸縮方向
と平行で且つその中心軸が圧電素子2の長手方向の中心
軸と一致するように、延びている。凸部16の断面形状
は、図示のように円形状であっても良いが、これに限ら
ず、例えば四角形や三角等の多角形形状であっても構わ
ない。 また、これらの組み合わせ形状であっても良
い。
【0036】移動体3はバネ部材8から構成されてい
る。バネ部材8は、圧電素子2(具体的には圧電素子2
の固定部17の凸部16)が固定される圧電素子固定部
10と、圧電素子固定部10から延びる少なくとも2つ
の梁部9c,9cとからなる。圧電素子固定部10は、
凸部16と嵌合する固定穴12を有している。各梁部9
c,9cの端部には、静止部材4の内面と摺動可能に摩
擦係合する摺動部11が設けられている。
【0037】梁部9cはその一部が切り抜かれ、切り抜
かれた部分が前方に折り返されるようにして延在されて
いる。そして、この前方に折り返されて延在する部分が
出力軸部15を構成している。圧電アクチュエータ1c
は、この出力軸部15を様々な動作装置に連結すること
により、圧電素子2の伸縮に伴う移動体3の移動によっ
て生起される出力を前記動作装置に伝達して動作装置を
動作させることができる。なお、出力軸部15が抜き取
られた梁部9cの部位はスリット14を形成している。
【0038】また、梁部9cの幅は、第1の実施形態と
同様、圧電素子固定部10から摺動部11にわたって直
線的に徐々に狭くなるように設定されている。また、バ
ネ部材8の材質、バネ部材8に施される表面処理、静止
部材4の形状等は、第1の実施形態と同様である。
【0039】以上のように構成された各構成要素2,
3,4から圧電アクチュエータ1cを組み立てる場合に
は、圧電素子2の凸部16を、移動体3のバネ部材8の
固定穴12に嵌合させて接着固定し、続いて、静止部材
4に移動体3を嵌挿すれば良い。
【0040】以上説明したように、本実施形態の圧電ア
クチュエータ1cは、圧電素子2と一体に設けられた凸
部16が移動体3の固定穴12に嵌合されて接着固定さ
れるため、圧電素子2が圧電アクチュエータ1cの進退
方向に対して傾いたり位置がずれた状態で接着されると
いったことがない。したがって、圧電素子2の移動体3
に対する位置決め性が向上し、組立による性能のばらつ
きがなくなり、圧電アクチュエータ1cの品質が安定す
る。また、圧電素子2の移動体3に対する位置決め性が
向上することから、圧電アクチュエータ1cの組立性も
向上する。さらに、圧電素子2の移動体3に対する倒れ
がなくなるため、圧電素子2の発生力が効率良く移動体
3に伝わり、圧電アクチュエータ1cの性能が向上す
る。
【0041】また、本実施形態の圧電アクチュエータ1
cは、移動体3の梁部9の幅が、圧電素子固定部10か
ら摺動部11にわたって直線的に徐々に狭くなるように
設定されているため、第1の実施形態と同一の効果を奏
する。
【0042】さらに、本実施形態の圧電アクチュエータ
1cは、出力軸部15が移動体3と一体に構成されてい
るため、材料の無駄がなく、製造コストを低く抑えるこ
とができる。
【0043】本発明の第5の実施形態が図8に示されて
いる。図示のように、本実施形態に係る圧電アクチュエ
ータ1dは、圧電素子2と、圧電素子2の先端側に固定
された移動体3と、移動体3をその内側に嵌挿して移動
体3と摺動可能に摩擦係合する円筒状の静止部材4とか
ら構成されている。
【0044】圧電素子2は、第1の実施形態と同一のも
のであるが、その先端に凸部16が一体に突設されてい
る。凸部16は、圧電素子2の伸縮方向と平行で且つそ
の中心軸が圧電素子2および静止部材4の長手方向の中
心軸と一致するように、延びている。
【0045】移動体3は、心出し部材7とバネ部材8と
から構成されている。バネ部材8は、圧電素子2(具体
的には圧電素子2の凸部16)が固定される圧電素子固
定部10と、圧電素子固定部10から延びる少なくとも
2つの梁部9d,9dとからなる。圧電素子固定部10
は、凸部16と嵌合する固定穴23を有している。ま
た、圧電素子固定部10の基端面には、圧電素子2が嵌
合する凹部22が形成されている。この場合、凹部22
の幅は、圧電素子2の端部の幅とほぼ同一か、それより
僅かに大きく設定してある。
【0046】各梁部9d,9dの端部には、静止部材4
の内面と摺動可能に摩擦係合する摺動部11が設けられ
ている。バネ部材8を構成する梁部9dの厚さは、圧電
素子固定部10から摺動部11にわたって徐々に薄くな
っている。また、梁部9dの幅は、全長にわたって均一
であるが、第1ないし第4の実施形態に示すような状態
であっても構わない。
【0047】一方、移動体3を構成する心出し部材7
は、その基端面の中心に、圧電素子2の凸部16と嵌合
する凹部27を有している。また、心出し部材7は、静
止部材4と嵌合して静止部材4の内面に沿って摺動でき
るような形状と寸法に設定されている。この場合、心出
し部材7の摺動抵抗は、梁部9dの端部に設けられた摺
動部11の摩擦抵抗よりも遥かに小さく設定されてい
る。なお、心出し部材7の材料および表面処理は第1の
実施形態と同一である。
【0048】心出し部材7の先端には出力軸部19が突
設されている。圧電アクチュエータ1dは、この出力軸
部19を様々な動作装置に連結することにより、後述す
るように圧電素子2の伸縮に伴う移動体3の移動によっ
て生起される出力を前記動作装置に伝達して動作装置を
動作させることができる。なお、出力軸部19は、リー
ド線5によって印加される電圧で伸縮しないようになっ
ている。また、出力軸部19の中心軸は静止部材4の中
心軸と一致している。
【0049】以上のように構成された各構成要素2,
3,4から圧電アクチュエータ1dを組み立てる場合に
は、圧電素子2の凸部16をバネ部材8の固定穴23と
心出し部材7の凹部27とに嵌合させて接着固定すると
ともに圧電素子2の端部を圧電素子固定部10の凹部2
2に嵌合させ、続いて、静止部材4に移動体3を嵌挿す
れば良い。
【0050】以上説明したように、本実施形態の圧電ア
クチュエータ1dは、圧電素子2の凸部16をバネ部材
8の固定穴23と心出し部材7の凹部27とに嵌合させ
て接着固定するだけでなく、同時に、圧電素子2の端部
も圧電素子固定部10の凹部22に嵌合するため、圧電
素子2の移動体3に対する位置決め性が格段に向上し、
組立による性能のばらつきがなくなり、圧電アクチュエ
ータ1dの品質が安定する。また、圧電素子2の移動体
3に対する位置決め性が格段に向上することから、圧電
アクチュエータ1dの組立性も格段に向上する。特に、
圧電素子2の端部が圧電素子固定部10の凹部22に嵌
合することにより、バネ部材8に対して圧電素子21が
ねじられて接着されることがないため、位置決め性が向
上し、組立性が良くなるとともに、圧電素子21が梁部
9dと干渉することがなくなり、電気的なショートによ
る動作不良を回避できる。
【0051】また、本実施形態の圧電アクチュエータ1
dは、バネ部材8が心出し部材7と圧電素子2との間に
挟み込まれる状態で接着固定されるため、心出し部材7
と圧電素子2とに対するバネ部材8の接着強度が増す。
したがって、圧電アクチュエータ1dの耐性が向上す
る。
【0052】また、本実施形態の圧電アクチュエータ1
dは、移動体3(出力軸部19)の中心軸と圧電素子2
1の中心軸とが一致するように接着固定されるため、圧
電素子21の発生力が効率よく出力軸部19に伝わる。
【0053】また、本実施形態の圧電アクチュエータ1
dは、移動体3の梁部9dの厚みが、圧電素子固定部1
0から摺動部11にわたって徐々に薄くなるように設定
されているため、梁部9dの剛性が低くなる。したがっ
て、梁部9dの撓み量を容易に大きくして所望の摩擦力
を得ることができる。また、梁部9dの剛性が低いこと
から、撓み量の変化に伴う摩擦力の変化が小さくなり、
摩擦力の細かい調整を撓み量の変化によって容易に行う
ことが可能となる。また、撓み量の変化に伴う摩擦力の
変化が小さいことから、移動体3がある程度摩耗した場
合でも、摩擦力はほぼ一定に保たれ、 圧電アクチュエ
ータ1dの性能は安定した状態で保持される。さらに、
梁部9の厚みを圧電素子固定部10から摺動部11にわ
たって徐々に薄くしたことに伴い、移動体3の重量は、
梁部9dの厚みを全長にわたって変えなかった場合と比
較して、軽量化される。したがって、慣性力で移動する
移動体3の移動量が大きくなり、圧電アクチュエータ1
dの性能が向上する。
【0054】本発明の第6の実施形態が図9に示されて
いる。本実施形態に係る圧電アクチュエータ1eは、圧
電素子2の基端部に慣性体28を設けた点が第5の実施
形態と異なるだけであり、その他の部分は第5の実施形
態に係る圧電アクチュエータ1dと同一である。
【0055】このような構成では、圧電素子21の端部
に設けられた慣性体28によって、圧電素子21の伸縮
に伴なって発生する慣性力が増大し、第5の実施形態よ
りも圧電アクチュエータの出力性能が向上する。
【0056】本発明の第7の実施形態が図10に示され
ている。図示のように、本実施形態の圧電アクチュエー
タ1fは、移動体3と、圧電素子2と、移動体3と摺動
可能に摩擦係合する静止部材4とからなる。図10で
は、簡単のため、静止部材4が省略されている。なお、
静止部材4は、第1ないし第6の実施形態と同一のもの
である。
【0057】移動体3はバネ部材8からなる。バネ部材
8は、圧電素子2(具体的には後述する圧電素子2の出
力軸部35)が固定される圧電素子固定部10と、圧電
素子固定部10から延びる少なくとも2つの梁部9f,
9fとからなる。圧電素子固定部10には、その側縁部
から切り欠かれた嵌合溝32が形成されている。各梁部
9f,9fの端部には、静止部材4の内面と摺動可能に
摩擦係合する摺動部11が設けられている。
【0058】圧電素子2は、第1の実施形態と同一のも
のであるが、その先端に、圧電アクチュエータ1fで駆
動される光学素子やXYステージ(図示せず)と結合さ
れる出力軸35が一体に形成されている。出力軸35に
は、その側縁部から切り欠かれた嵌合溝36が形成され
ている。出力軸35の断面形状は、図示のように四角形
でも良いが、三角形等の他の多角形形状や円であっても
構わない。また、圧電素子2の基端には慣性体28が設
けられている。なお、この慣性体28は設けられていな
くても構わない。
【0059】このような構成では、出力軸35の嵌合溝
36と圧電素子固定部10の嵌合溝32とを対向するよ
うに位置させ、嵌合溝36の奥端と嵌合溝32の奥端と
を突き合わせるように出力軸35と圧電素子固定部10
とを嵌合させれば、圧電素子2を移動体3に対して位置
決め固定できる。なお、嵌合溝36の奥端と嵌合溝32
の奥端とを突き合わせて出力軸35と圧電素子固定部1
0とを嵌合させた際には、移動体3の中心軸と圧電素子
2の中心軸とが静止部材4(図示せず)の中心軸と一致
するようになっている。
【0060】以上説明したように、本実施形態に係る圧
電アクチュエータ1fは、嵌合溝36の奥端と嵌合溝3
2の奥端とを突き合わせて出力軸35と圧電素子固定部
10とを嵌合させることにより、 圧電素子2を移動体
3に対して位置決め固定できる。 したがって、移動体
3と圧電素子2との位置決め性が向上し、組立易くな
る。また、出力軸35が圧電素子2と一体に設けられて
いるため、部品点数が少なくて済み、製造コストの低減
を図ることができる。
【0061】本発明の第8の実施形態が図11に示され
ている。本実施形態に係る圧電アクチュエータ39は、
圧電素子40と、圧電素子40に設けられた移動体41
と、移動体41と摺動可能に摩擦係合する静止部材42
とから構成されている。
【0062】圧電素子40の先端部の上下面にはそれぞ
れ、第1の嵌合部43を介して、移動体41,41が固
定されている。第1の嵌合部43は、具体的には、圧電
素子40側に形成された凹状溝と、移動体41,41側
に形成され前記凹状溝と係合する凸部とからなり、圧電
素子40に対して移動体41,41を上下方向に離脱さ
せないようになっている。無論、第1の嵌合部43は、
圧電素子40に対して移動体41,41を上下方向に離
脱させない形態であれば、図示の形状に限らない。ま
た、圧電素子40の先端には、第2の嵌合部44を介し
て、出力シャフト45が固定されている。この出力シャ
フト45は基台47の一方に設けられた心出し部材51
内を摺動することができる。なお、圧電素子40には電
力供給用のリード線が取付けられている。
【0063】移動体41には、後述する静止部材42の
摺動部材48が挿通されて摩擦係合する摺動穴46が設
けられている。この摺動穴46の詳細が図11の(c)
に示されている。
【0064】静止部材42は、一対の基台47,47
と、基台47,47間に架設された一対の摺動部材4
8,48とからなる。各摺動部材48は、各移動体41
の摺動穴46を貫通している。摺動部材48は、その両
端が基台47,47に固定されている。2つの摺動部材
48,48の基台47,47への取付間隔は、2つの移
動体41,41に設けられた摺動穴46,46同士の間
隔よりも僅かに広く設定してある。摺動部材48の張力
は、摺動部材48の片側または両側で調整可能となって
いる。例えば、図11の(b)に示すように、摺動部材
48を一方の基台47のブロック49に固定し、ネジ5
0でブロック49を引張ることによって摺動部材48の
張力を変化させるようにする。
【0065】摺動部材48の材質は、金属や、プラスチ
ック等が好適である。金属としては、バネ用ステンレス
スチールや、ピアノ線、超弾性金属等が挙げられる。プ
ラスチックとしては、ケブラー等が良い。摺動部材48
の形状は、例えば線状やテープ状である。線状の場合
は、線単体や、より線等が挙げられる。
【0066】このような構成では、基台47に固定され
た摺動部材48,48同士の間隔と移動体41に形成さ
れた摺動穴46,46同士の間隔とが異なるため、摺動
部材48が圧電アクチュエータ39の進退方向に対して
非並行に張られ、図11の(c)に示すように摺動部材
48に与えられた張力Tによって垂直抗力Nが生じ、こ
れによって移動体41と摺動部材48とが摩擦係合す
る。また、この場合、ネジ50を回転させることによ
り、摺動部材48が固定されたブロック49を進退させ
れば、摺動部材48の張力を調整できる。なお、圧電ア
クチュエータ39の動作については第1の実施形態と同
じであるため、その説明を省略する。
【0067】以上説明したように、本実施形態の圧電ア
クチュエータ39は、基台47に固定された摺動部材4
8,48同士の間隔と移動体41に形成された摺動穴4
6,46同士の間隔とが異なるため、摺動部材48が圧
電アクチュエータ39の進退方向に対して非並行に張ら
れ、摺動部材48に与えられた張力Tが容易に摩擦力と
して変換される。したがって、移動体41と摺動部材4
8との摩擦係合力の調整が簡単となる。特に、上記構成
では、ネジ50によって摩擦係合力の調整が容易となる
ため、圧電アクチュエータ39の性能が安定する。
【0068】また、移動体41と圧電素子40とが第1
の嵌合部43によって連結され、圧電素子40と出力シ
ャフト45とが第2の嵌合部44によって連結されるた
め、部材間の位置決めが容易となり、圧電アクチュエー
タ39の組立性が向上する。
【0069】本発明の第9の実施形態が図12に示され
ている。本実施形態に係る圧電アクチュエータ52は、
圧電素子53と、圧電素子53に固定された移動体54
と、移動体54と摺動可能に摩擦係合する静止部材55
とから構成される。
【0070】圧電素子53には電力供給用のリード線
(図示せず)が固定されている。圧電素子53に固定さ
れた移動体54は、摺動穴58を有する第1の移動体部
54aと、静止部材55を構成する基台59の底面とあ
る面積を持って摺動可能に摩擦係合する第2の移動体部
54bとからなる。
【0071】静止部材55は、基台59と摺動部材60
とから構成される。摺動部材60は、第1の移動体部5
4aと摺動穴58を介して摺動可能に摩擦係合してい
る。また、摺動部材60の両端は、基台59の両側の垂
直壁に対して、摺動部材60の張力が調整できるような
状態で固定されている。なお、摺動部材60の張力を調
整するための手段は、第8の実施形態と同一であるた
め、その説明を省略する。
【0072】また、第2の移動体部54bの摺動面から
摺動部材60の基台59への取り付け位置までの高さ
は、第2の移動体部54bの摺動面から第1の移動体部
54aの摺動穴58までの高さよりも低く設定してあ
る。
【0073】このような構成では、第2の移動体部54
bの摺動面から摺動部材60の基台59への取り付け位
置までの高さが、第2の移動体部54bの摺動面から第
1の移動体部54aの摺動穴58までの高さよりも低く
設定してあるため、摺動部材60が圧電アクチュエータ
52の進退方向に対して非平行となり、摺動部材60に
かかる張力によって、第1の移動体部54aが摺動部材
60と摩擦係合し、第2の移動体部54bが基台59の
底面と摩擦係合する。
【0074】圧電アクチュエータ39は、第1の実施形
態で述べた原理にしたがって動作するが、この場合、圧
電アクチュエータ52の駆動に必要な摩擦力は、第1の
移動部54aと摺動部材60との間のみで生じさせても
良く、また、第2の移動体部54bと基台59との間の
みで生じさせても構わない。
【0075】以上説明したように、本実施形態の圧電ア
クチュエータ52では、基台59に固定された摺動部材
60と第1の移動体部54aの摺動穴58との位置関係
が僅かにずれているため、摺動部材60が圧電アクチュ
エータ52の進退方向と非平行になり、摺動部材60の
張力が移動体54と静止部材55との摩擦力に容易に変
換される。つまり、摺動部材60の張力で容易に摩擦力
が調整できる。
【0076】また、第8の実施形態と比較して、摺動部
材60が一つで済むため、構成が簡単になる。さらに、
第2の移動体部54bが基台59と面で接触しているた
め、圧電アクチュエータ52の動作が安定する。
【0077】本発明の第10の実施形態が図13に示さ
れている。本実施形態に係る圧電アクチュエータ61
は、第9の実施形態における圧電アクチュエータ52の
変形例であり、圧電アクチュエータ52と異なる点のみ
説明し、他は同一符号を付してその説明を省略する。
【0078】図示のように、静止部材55を構成する基
台59の摺動面(底面)59aは、この摺動面59aか
ら第1の移動体部54aの摺動穴58までの距離が常に
一定となるように、その高さが調節されている。したが
って、摺動部材60にかかる張力がある程度一定に保た
れる。そのため、本実施形態では、第9の実施形態と同
様の効果を奏することができるとともに、圧電アクチュ
エータ61の位置にかかわらず、摺動部材60の張力が
ほぼ一定に保たれるため、摩擦力も一定に保たれ、摩擦
力の安定した圧電アクチュエータ61を提供できる。
【0079】以上説明してきた技術内容によれば、以下
に示すような各種の構成が得られる。 1.圧電素子と、この圧電素子に固定される移動体と、
移動体と摩擦係合する静止部材とからなる圧電アクチュ
エータにおいて、前記移動体と前記圧電素子との間に嵌
合部を設けたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
【0080】2.前記圧電アクチュエータに出力軸を設
け、この出力軸を前記圧電素子と一体に設けたことを特
徴とする第1項に記載の圧電アクチュエータ。 3.前記嵌合部は、圧電アクチュエータの進退方向で圧
電素子と移動体とが嵌合するように、圧電素子と移動体
との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記
載の圧電アクチュエータ。
【0081】4.前記嵌合部が凸部と凹部とからなり、
前記凸部が圧電素子側に設けられ、前記凹部が移動体側
に設けられていることを特徴とする第3項に記載の圧電
アクチュエータ。 5.前記嵌合部の凸部が出力軸を兼ねていることを特徴
とする第4項に記載の圧電アクチュエータ。
【0082】6.前記嵌合部は、圧電アクチュエータの
進退方向に対して垂直な方向で圧電素子と移動体とが嵌
合するように、圧電素子と移動体との間に設けられてい
ることを特徴とする第1項に記載の圧電アクチュエー
タ。 7.前記嵌合部が凸部と凹部とからなり、前記凸部が移
動体側に設けられ、前記凹部が圧電素子側に設けられて
いることを特徴とする第6項に記載の圧電アクチュエー
タ。
【0083】8.出力軸と圧電素子とが一体に形成され
ていることを特徴とする第6項に記載の圧電アクチュエ
ータ。 9.移動体に出力軸が設けられ、前記出力軸に圧電素子
が固定され、出力軸に移動体が固定され、出力軸と圧電
素子との間に嵌合部が設けられていることを特徴とする
第1項に記載の圧電アクチュエータ。
【0084】10.圧電素子と、前記圧電素子の端部に
固定される移動体と、前記移動体と摩擦係合する静止部
材と、圧電素子の他端に設けられた慣性体とを有する圧
電アクチュエータにおいて、圧電素子と移動体及びまた
は慣性体との間に嵌合部が設けられていることを特徴と
する圧電アクチュエータ。
【0085】11.圧電素子と、圧電素子の端部に設け
られる移動体と、移動体と摺動可能に摩擦係合する静止
部材とからなる圧電アクチュエータにおいて、前記移動
体は、その一部が静止部材と摩擦係合する少なくとも2
つの脚部を有し、前記脚部の断面形状がその長手方向に
沿って変化していることを特徴とする圧電アクチュエー
タ。
【0086】12.前記移動体は、圧電素子が固定され
る圧電素子固定部と、圧電素子固定部から延びる脚部と
からなり、前記脚部は、静止部材に摺動可能に摩擦係合
する摺動部と、摺動部を圧電素子固定部に連結する梁部
とからなり、梁部の断面形状がその長手方向に沿って変
化していることを特徴とする第11項に記載の圧電アク
チュエータ。
【0087】13.前記圧電素子固定部と前記脚部とが
一体に形成され、圧電素子固定部と脚部の断面形状は、
圧電素子固定部が圧電素子と係合し且つ脚部が圧電素子
と干渉しないように、その長手方向に沿って変化してい
ることを特徴とする第12項に記載の圧電アクチュエー
タ。
【0088】14.前記摺動部は、静止部材に対して均
一に摺動するように、その断面形状が変化していること
を特徴とする請求項12に記載の圧電アクチュエータ。 15.前記梁部の断面積は、圧電素子固定部側から摺動
部に向かって徐々に減少していることを特徴とする第1
4項に記載の圧電アクチュエータ。
【0089】16.前記梁部の厚みは、圧電素子固定部
側から摺動部に向かって徐々に減少していることを特徴
とする第15項に記載の圧電アクチュエータ。 17.前記梁部の幅は、圧電素子固定部から摺動部に向
かって徐々に減少していることを特徴とする第15項に
記載の圧電アクチュエータ。
【0090】18.圧電素子と、圧電素子の端部に固定
される移動体と、移動体と摩擦係合する静止部材と、圧
電素子の他端に設けられた慣性体とからなり、前記移動
体が静止部材と一部で摩擦係合する少なくとも2つの脚
部を有する圧電アクチュエータにおいて、前記脚部の断
面形状がその長手方向に沿って変化していることを特徴
とする圧電アクチュエータ。
【0091】19.圧電素子と、圧電素子の端部に設け
られる移動体と、圧電素子の他端に設けられるベース
と、移動体と摺動可能に摩擦係合する静止部材とからな
り、静止部材がベースに対し移動可能に構成され、移動
体が静止部材と一部で摩擦係合する少なくとも2つの脚
部を有する圧電アクチュエータにおいて、移動体の脚部
の断面形状がその長手方向に沿って変化していることを
特徴とする圧電アクチュエータ。
【0092】20.圧電素子と、圧電素子に設けられた
移動体と、移動体と摺動可能に摩擦係合する少なくとも
1つの静止部材とからなり、圧電素子の伸縮方向に対し
て静止部材の少なくとも1つを非平行に設けたことを特
徴とする圧電アクチュエータ。
【0093】21.前記静止部材は、圧電アクチュエー
タの進退方向に沿って配置され、圧電アクチュエータの
ほぼ進退方向に沿って張力がかけられていることを特徴
とする第20項に記載の圧電アクチュエータ。 22.前記静止部材は、静止部材の張力を調整するため
の調整機構を備えていることを特徴とする第21項に記
載の圧電アクチュエータ。
【0094】23.前記調整機構にネジを用いたことを
特徴とする第22項に記載の圧電アクチュエータ。 24.前記静止部材に回転防止機構を設けたことを特徴
とする第20項に記載の圧電アクチュエータ。
【0095】25.前記静止部材に線状部材を用いたこ
とを特徴とする第20項に記載の圧電アクチュエータ。 26.前記線状部材が金属であることを特徴とする第2
5項に記載の圧電アクチュエータ。
【0096】27.前記線状部材がプラスチックである
ことを特徴とする第25項に記載の圧電アクチュエー
タ。 28.前記線状部材がケブラーであることを特徴とする
第25項に記載の圧電アクチュエータ。
【0097】29.前記線状部材がワイヤであることを
特徴とする第25項に記載の圧電アクチュエータ。 30.前記線状部材がステンレススチールであることを
特徴とする第25項に記載の圧電アクチュエータ。
【0098】31.前記線状部材が超弾性金属であるこ
とを特徴とする第25項に記載の圧電アクチュエータ。 32.前記静止部材にテープ状部材を用いたことを特徴
とする第20項に記載の圧電アクチュエータ。
【0099】33.前記テープ状部材が金属であること
を特徴とする第32項に記載の圧電アクチュエータ。 34.前記テープ状部材が超弾性金属であることを特徴
とする第32項に記載の圧電アクチュエータ。
【0100】35.前記テープ状部材がステンレススチ
ールであることを特徴とする第32項に記載の圧電アク
チュエータ。 36.前記移動体にアクチュエータの出力を取り出す軸
を設け、静止部材の端部に前記出力軸と摺動可能に心出
し部材を設けたことを特徴とする第20項に記載の圧電
アクチュエータ。
【0101】例えば特願平7−238668号では、移
動体の梁の幅や厚みが均一であるため、応力が梁の付け
根に集中し、応力によって梁のバネ性が劣化する可能性
がある。また、バネ力を得るのに、梁に剛性があるた
め、梁の撓み量が少なく、バネ力をその撓みで調整する
ことが難しかった。また、移動体の重量が大きいため、
アクチュエータの出力が制限される可能性があった。
【0102】また、例えば特願平4−180055号で
は、長期にわたりアクチュエータを駆動すると、摩耗や
バネのへたりによって、摩擦力の値が変化し、アクチュ
エータの性能が劣化する可能性があった。また、所望の
摩擦力を得るための調整が難しくアクチュエータの性能
がばらつく可能性があった。
【0103】しかし、こうした問題は、前記第11項〜
第36項の構成により解決される。すなわち、第11項
〜第36項の構成によれば、圧電アクチュエータの摩擦
力の調整が容易となり、また、摩擦力が安定する。した
がって、品質の安定した圧電アクチュエータを提供する
ことができる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧電アク
チュエータは、組立性が良く、圧電素子の発生力が効率
良く移動体に伝わり、組立によって性能のばらつきが生
じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る圧電ア
クチュエータの斜視図、(b)は(a)の圧電アクチュ
エータの側断面図である。
【図2】(a)は図1の変形例に係る圧電アクチュエー
タの正面図、(b)は(a)の圧電アクチュエータの側
断面図である。
【図3】図1または図2の圧電アクチュエータの圧電素
子に印加される電圧の波形図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る圧電アクチュエ
ータの斜視図である。
【図5】図5の圧電アクチュエータの平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る圧電アクチュエ
ータの斜視図である。
【図7】(a)は本発明の第4の実施形態に係る圧電ア
クチュエータの斜視図、(b)は(a)の圧電アクチュ
エータの側断面図である。
【図8】(a)は本発明の第5の実施形態に係る圧電ア
クチュエータの斜視図、(b)は(a)の圧電アクチュ
エータの側断面図である。
【図9】(a)は本発明の第6の実施形態に係る圧電ア
クチュエータの斜視図、(b)は(a)の圧電アクチュ
エータの側断面図である。
【図10】本発明の第7の実施形態に係る圧電アクチュ
エータの斜視図である。
【図11】(a)は本発明の第8の実施形態に係る圧電
アクチュエータの斜視図、(b)は(a)の圧電アクチ
ュエータの側断面図、(c)は(b)のC部拡大図であ
る。
【図12】本発明の第9の実施形態に係る圧電アクチュ
エータの側断面図である。
【図13】本発明の第10の実施形態に係る圧電アクチ
ュエータの側断面図である。
【符号の説明】
1(1a〜1f),39,52,61…圧電アクチュエ
ータ 2,40,53…圧電素子 3,41,54…移動体 4,42,55…静止部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】このような状態で、図3の(a)に示すよ
うな電圧波形の信号を圧電素子2に印加すると、圧電素
子2が伸縮して、その伸縮に伴う大きな衝撃力が一定方
向に作用する。この際、圧電素子2それ自身の質量に起
因する慣性力が静止部材4と移動体3との摩擦係合力よ
りも大きくなると、移動体3が移動する。例えば、図3
の(a)の電圧波形の谷部Aでは、圧電素子2が縮んだ
状態から伸びようとし、その際に発生する慣性力が摩擦
力より大きくなった時点で、移動体3が推力を得て図1
の(b)中の左方向に移動する。また、図3の(a)の
電圧波形の山部Bでは、圧電素子2が伸びきった状態か
ら縮もうとするが、その際の慣性力は摩擦力よりも小さ
いため、移動体3は推力を得られずにその場に留まる。
したがって、このような原理によって、移動体3を図1
の(b)中の右方向に移動させる場合には、図3の
(b)に示すような電圧波形の信号を圧電素子2に印加
すれば良い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子と、この圧電素子に固定される
    移動体と、移動体と摩擦係合する静止部材とからなる圧
    電アクチュエータにおいて、 前記移動体を前記圧電素子に対して嵌合固定することを
    特徴とする圧電アクチュエータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008187805A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Canon Inc 振動波モータ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008187805A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Canon Inc 振動波モータ

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