JPH10105248A - 可変パルス動的流体流れ制御器 - Google Patents

可変パルス動的流体流れ制御器

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JPH10105248A
JPH10105248A JP8234470A JP23447096A JPH10105248A JP H10105248 A JPH10105248 A JP H10105248A JP 8234470 A JP8234470 A JP 8234470A JP 23447096 A JP23447096 A JP 23447096A JP H10105248 A JPH10105248 A JP H10105248A
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JP
Japan
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fluid
volume
valve
sink
flow
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Application number
JP8234470A
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English (en)
Inventor
B Shiel Joseph
ビイ. シール ジョセフ
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Fluidsense Corp
Original Assignee
Fluidsense Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 流体送給システムを介して流体の流れを正確
に制御することの可能な装置及び方法を提供する。 【解決手段】 広い動的範囲(1000対1)にわたり
定量的迅速パルス流れ制御用の動的制御器(105)
が、加圧供給源(110)からシンク(128)への流
体経路を形成する。該流体経路は、典型的に着脱自在な
カセット(100)において、圧力供給源から高速の
(1ミリ秒)オンオフ供給制御弁(114,150)を
介して体積変位インターフェース区域(116)へ入
り、次いで高速のオンオフ負荷制御弁(120,15
4)且つシンク(128)へ至る。負荷制御弁は、より
少ない動的範囲が必要とされる場合には、受動的流れ制
限器で置換させることが可能である。再使用可能な制御
器側からは、高速のアクチュエータを付勢させて通常閉
の弁を開放させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体送給システム
を介しての流体の流れを正確に制御する装置及び方法に
関するものであって、更に詳細には、流体源から除去さ
れ且つ流体シンクへ送給される流体の極めて正確な測定
に部分的に依存して、広い動的範囲にわたり流体の流量
を制御するシステム及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インレット弁及びアウトレット弁
及び中間の流体チャンバを具備するカセットを介して、
医学的流体供給源から患者IVラインへ一定の流体の塊の
体積が転送されている。あるシステムにおいては、チャ
ンバの体積が、例えば、正及び負の圧力パルスを可撓性
のあるダイヤフラムへ与えることによって(例えば、S
iekmannの米国特許第4,303,376号)、
一定の体積行程にわたり急激に変化するようにチャンバ
体積が駆動され、一定のボーラス(塊)を送給させる。
行程周波数が充分に高い場合には、出力の間の連続性が
得られるが、流れ制御の動的範囲が制限される。周波数
が低い場合には、行程間の間隔が過剰なものとなり且つ
流れの連続性が失われ、且つ高い周波数においては、実
際的な最大の動作周波数に到達する。例えば、吸入行程
が高速であり次いで排気行程が遅く着実なものであるよ
うにカムによって駆動される「生きている」蝶番上のプ
ラスチックパネルからなる弾性「ピストン」を使用する
システムにおいては、より良好な流れの連続性が得られ
る。この例においては、流れの連続性に対して払われる
犠牲は機械的複雑性が大きくなることである。
【0003】より簡単化させるために、例えば、レディ
メド(ReadyMED)エラストマ流体貯蔵器におけ
るように、患者へ流体を送給する供給源流体を加圧する
場合に存在するエネルギを使用することが望ましい。
尚、ReadyMEDはIMEDコーポレイションの登
録商標である。この場合の欠点は、一定の供給源圧力と
するための厳格な条件であり、それは与えられた装置に
対する単一の送給率という柔軟性の欠如と結合され、製
造コストが高いことを暗示している。例えば、加圧ガス
によって空とされるミニバッグで流体供給源を著しく経
済的なものとなるが、このような供給源における圧力は
送給期間中に大きく変化する。同様のことがスプリング
負荷型貯蔵器についても言える。能動流れ調整器は、供
給源圧力変動を補償する可能性を有しており、より経済
的な流体圧力供給源を使用することを可能とし、同時に
流量がプログラム可能であるような柔軟性を付加する。
当該技術分野におけるこのような流れ制御器の解決方法
を求めて、能動インレット及びアウトレット制御弁の間
の弾性貯蔵器が、それらの弁が交互に開放状態とされる
場合に、交互に完全に充填され且つ完全に空とされ、そ
の際に制御可能なボーラス(塊)周波数において既知の
体積の流体のボーラス(塊)が達成されるシステムにお
いて、能動的弁制御の例が存在している(例えば、Pe
terの米国特許第5,049,141号又はIdri
ssの米国特許第4,838,887号)。プシュプル
ポンプシステムの場合のように、一定のボーラス(塊)
の大きさは装置の注入率の動的範囲を制限し、その場合
に塊と塊との間の時間間隔が過剰である場合には低い流
量となり且つ弁の動作周波数が高い場合には高い流量と
なり、その結果過剰なノイズ及び電力消費が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、例えば流量が0.5乃至400ml/hrにわ
たり変化する場合のある非常に広い動的範囲に渡り可変
即ち未調整の加圧流体供給源からプログラム的に注入率
を制御し、その場合に、平均注入率が減少する場合には
所定の最小周波数のボーラス即ち塊の送給を維持するよ
うに下限側においては非常に小さなボーラス即ち塊の流
体を供給し、且つ、一方、弁動作周波数を実際的な最大
値(電力消費、ノイズ及び弁の許容可能な最大速度によ
って決定される)以下に維持するように上限側において
はより大きなボーラス即ち塊の流体を送給させるような
態様で注入率の制御を行なうことである。
【0005】本発明の別の目的とするところは、弁のタ
イミングを介して連続的にボーラス即ち塊の寸法を制御
し且つ変化させ、従来技術の複雑な機械的弁装置をマイ
クロプロセサタイミング制御で置換することである。
【0006】本発明の更に別の目的とするところは、流
体の流量が粘度ではなく流体の慣性によって効果的に制
限され、その際に粘度において遭遇する大きな変化によ
って影響を受けることのない流れ制御を達成するように
非常に短いオープンパルスに対して制御弁を動作するこ
とである(医学的流体の密度は粘度と比較してその変化
の程度はかなり小さい)。短い弁オープン(開放)パル
スを必要とする技術においての関連する目的は、バッテ
リ動作期間中に必要とされる電気的エネルギを最小とす
る手段として、弁開放デューティサイクルを非常に低く
維持することが可能であり且つ通常閉状態の弁に関する
アクチュエータデューティサイクルもそれと対応して低
いものであるように高い瞬間的な流量に対して比較的に
大きな直径の流体通路を使用することである。
【0007】非常に高い流量を達成するために大きな流
体のボーラス即ち塊を送給する場合には、本発明の目的
とするところは、弁パルス幅をシステムの自然流体振動
周期と一致させ、例え大きなボーラス即ち塊が短い時間
間隔で送給される場合であっても、ほぼゼロの流量の時
刻において弁を閉成させることを可能とし且つ高い流れ
に対する弁の閉成を回避することである。別の目的とす
るところは、フエイルセーフ手段として、電力が喪失さ
れた場合に閉じた状態に復帰する通常閉の弁で流れを制
御することである。開放するために付勢する弁を使用す
る場合には、流体共振同調型動作モードは、高い流量に
おいてカセットインレット圧力及びアウトレット圧力を
ほぼ等しくすることを可能とし、一方比較的低い弁開放
デューティサイクルを必要とするに過ぎず、従ってバッ
テリのエネルギを保存している。更に別の目的とすると
ころは、継続的に非圧縮性流体体積変位を測定する直接
体積変換装置を使用することであり、従って上述したバ
ルブ動作技術に関連して正確な体積送給を行なうことを
可能としている。このような直接体積変換装置は、19
94年6月10日付で出願された発明者Joseph
B.Sealeの米国特許出願第08/258,198
号「液体の体積、密度及び粘度の周波数信号への変換
(CONVERSION OF LIQUID VOL
UME, DENSITY, AND VISCITY
TO FREQUENCY SIGNALS)」に記
載されており、この特許出願は、以後、測定システム出
願として呼称する。
【0008】体積変換の使用に関連して、本発明の目的
とするところは、送給可能な流体を体積転送流体から分
離する伸張されたメンブレンによって得られる特定の範
囲の形状とは独立的に、送給可能な流体の変位を体積変
換器における別個の体積転送流体における体積変位と一
致させるカセット流体インターフェース構成を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】供給源とシンク(吸込)
との間の圧力差によって流体が供給源からシンクへ押し
流れされ、一方本発明システムは能動的な弁制御及び体
積変位測定によって流れパルスの精密な体積調整を与え
る。
【0010】本発明システムの一実施例では、体積セン
サの上流側及び下流側において弁を使用し、一方第二実
施例では単一の上流側の弁と高い抵抗値の下流側流路を
使用し、典型的には、インピーダンスのかなりの慣性成
分を有する流体制限器として作用する1つ又は2つの下
流側の流れ制限器を有している。いずれの実施例におい
ても、通常閉の弁が、弁開放流量が加速流れ領域におけ
る流体の慣性によってかなりの部分が制御されるように
充分短い時間間隔の間開放状態となる。毛細管及び流体
抵抗として機能するピンホールオリフィス制限器とは異
なり、本発明の流体通路は流体インダクタ、即ち慣性に
よって支配される流れインピーダンスとして機能すべく
構成されている。流体インダクタを介してボーラス即ち
塊の体積は弁開放時間の平方として変化し、より小さく
且つより管理可能な弁パルス幅の比(例えば、10対
1)に対しボーラス(塊)寸法の幅の広い比(例えば、
100対1)を発生する。即ち、圧力が流体インダクタ
へ急激的に印加されると、それは流量に対する第一導関
数を設定し、それは時間に関する体積の第二導関数であ
る。時間期間が与えられると、体積は、体積の第二導関
数×時間間隔の平方の半分と等しい。高い流れの運動量
に対し弁を閉成することを回避しながら比較的非常に大
きなボーラス即ち塊を得るためには、体積センサの体積
容量を使用して流量において跳ね返りを形成し、その際
に、流量が最初の弁開放の後のある時間間隔においてゼ
ロを介して交差する。弁開放をこの間隔と一致させるよ
うにタイミングをとることによって、弁閉成時における
ウォーターハンマー問題を回避している。
【0011】大きなボーラス(塊)流れがゼロのシャッ
トオフ領域を小さな可変のボーラス(塊)のピークの低
い流れ領域と結合させると、比較的小さな範囲のパルス
率で非常に広範な範囲の流量をスパンすることの可能な
流れパルスアルゴリズムが得られる。流体供給源圧力及
びシンク圧力は、センサ体積と流体圧力との間のキャリ
ブレイション可能な関係を使用して、体積センサにおい
て測定した絶対体積におけるスイング即ち振れから推測
される。ボーラス即ち塊の寸法は体積センサ測定値から
推測される。
【0012】前述した2弁実施例においては、ボーラス
即ち塊の寸法の推測は容易である。何故ならば、ボーラ
ス即ち塊の寸法を決定するために静的な測定を行ない且
つ体積の減算を行なうためにボーラス即ち塊を送給する
前後において体積変位センサ内の流体体積を一定に保持
することが可能だからである。2番目の単一弁実施例に
おいては、制御器を介して負荷への流れは、供給源から
の流れのパルスが送給可能な流体体積を変位センサ内に
補充する際に、中断されることはない。体積測定が顕著
な時間間隔を必要とする場合(例えば、数マイクロ秒で
はなくミリ秒以上)、体積の読みは変化する信号の時間
平均を表わしている。継続的に変化する体積変位から時
間的に不鮮明とされた信号を解釈するために、システム
の動的シミュレーションモデルを使用して、弁動作に関
するタイミング情報に関連して解釈し、観察可能な体積
変位測定値から送給された体積及び関連する相互依存性
の量を推測する。このシミュレーションモデルは、複数
個のセンサ及びデータ採取と共に実際の物理的な流れモ
デルとすることが可能であり、又はコンピュータシミュ
レーションモデルとすることが可能である。実際上、物
理的モデル及びコンピュータモデルの両方を有し且つそ
れら2つを一致するさせることが有用である。コンピュ
ータをベースとするか又は物理的なもののいずれかの行
動モデルを使用して、体積変位測定値から送給された体
積流れへの逆推測及び特に供給源圧力及び負荷圧力等の
その他の重要な動作変数の推測のために内蔵された制御
器ソフトウエアの設計において使用する公式を派生する
ために使用する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、最初に、図1a及び1
bを参照して好適実施例の形態で要約し、図1a及び1
bはカセット100及び制御器105の分離状態(図1
a)又は合体状態(図1b)を除いて同一のコンポーネ
ント(部品)を示している。流体の流れは、可変流体圧
力の供給源110とより低い可変流体圧量にあるシンク
128(不図示、アウトレットチューブの遠方端部にあ
る)との間においてプログラム的に調整される。図1b
に示したように、再使用可能な制御器105とクランプ
された接触状態で動作している場合に、着脱自在な流体
担持用カセット100において調整が行なわれる。
【0014】カセット100は流体供給源110(ここ
では、流体を充填したエラストマ風船として表わしてあ
る)から流体を受取るが、適宜の圧力範囲(例えば、2
乃至10psi)に留まっており且つ圧力において過剰
な高周波数振動(制御アルゴリズムを乱す可能性のある
もの)を呈するものではない任意の流体供給源が、本明
細書において記載する適用例に対して適切なものと考え
られる。送給可能な流体がこの供給源110から流体チ
ャンネル112を介して流れ、該チャンネルのうちのあ
る割合の部分(ゼロの割合も含む)が管で且つその内の
残りの割合の部分がカセット100の一部である場合が
ある。このカセット内には、流体が供給源制御弁の開閉
部品114へ入り、且つ、開閉部品114が開放状態で
あると、流体はチャンネル115を介して継続して流
れ、柔軟性のある体積変位インターフェース116へ流
れる。流体経路は流体チャンネル118を介してこのイ
ンターフェース区域から出ており、流体チャンネル11
8は負荷制御弁の開閉部品120内へ延在している。開
閉部品120が開放状態であると、流体通路はカセット
からチャンネル122を介して管路領域124へ延在
し、管路領域124は、最良のシステム性能のために
は、以下に説明するように少なくもとも最小の流体体積
/圧力コンプライアンスを提供すべきである。領域12
4の端部において、例えばある長さの小さな孔の管等の
オプションとしての流れ制限器又はピンホール制限器を
設けることが可能である。このオプションとしての流れ
制限器は、開放状態において両方の弁が故障した場合に
流量を制限する上で安全確保の特徴を提供している。注
意すべきことであるが、この流れ制限器は本発明のこの
好適実施例における作用にとって必要なものではなく、
流れ制御器はそのサーボ制御アルゴリズムにおいてこの
流れ制限器が設けられるか又は設けられない状態で動作
すべく適合させることが可能である。管路領域124及
びオプションとしての流れ制限器(存在する場合)の末
端には静脈患者インターフェース装置(不図示)が設け
られており、それは静脈内に挿入されたカニューレ又は
管から構成されている。図1a及び1bは患者インター
フェース装置及び患者を単に流体シンク128として表
わしており、それは管124の端部を超えた位置にあり
且つ該シンクはある関連する流体圧力を有している。好
適実施例は患者への注入例えば点滴装置として構成され
るものであるが、本システムは、例えば産業上の適用例
として自動化した流体分配器等の多くの流体シンクに対
する流体パルスを提供する場合に適用可能なものであ
る。
【0015】図1aの上側部分に示したように、カセッ
ト100の情報に制御器105が設けられており、それ
は供給源ソレノイド推進器150、直接体積変換装置1
52、負荷ソレノイド推進器154を有している。更
に、これらの上述した重要な要素と共に、図面中には示
していないが、電源(例えば、バッテリ又は商用電源で
動作されるDC電源)、マイクロプロセサ、マイクロプ
ロセサの制御下で推進器150及び154を駆動するた
めのパワースイッチングエレクトロニクス、及びマイク
ロプロセサと装置152との間のインターフェースエレ
クトロニクス等が設けられている。装置152の2つの
異なる実施例を以下に説明するが、機械的構成は同様で
あり電子的及び電磁的構成及び動作が異なっており、装
置152のインターフェースエレクトロニクスに対し2
つの対応する説明を与える。装置152の実施例の更に
詳細な説明は上述した測定システム出願中に見出すこと
がことが可能である。
【0016】図1bは着脱自在なカセット100と制御
器105との合体した状態を示している。以下の説明は
図1a及び1bに関連するものであるが、図1aは個別
的な部品を識別するためであり、且つ図1bは並置状態
にある機能的関係を示したものである。流れ運動学の詳
細を無視すると、制御器ソレノイド推進器150はカセ
ット弁開閉部品114に力を付与するために制御可能に
活性化されることが理解される。推進器150及び部品
114は一体となって2状態(完全に開、完全に閉)高
速応答供給源制御弁を構成している。部品114上に推
進器150によって印加される力は、この通常閉の弁を
制御された期間の間開放状態とさせる。流体が供給源1
10から開放状態にある弁を介してインターフェース区
域116へ流れ、そこで増加する体積が可撓性のインタ
ーフェース117を変位させ直接体積変換装置152内
に体積変位を発生させ、それは該弁を介して流れ込んだ
正味の体積に正確に等しい。
【0017】装置152は、体積Vが測定した周波数f
の関数であるとして再現性のあるキャリブレイション関
数V(f)にしたがって体積から周波数へ変換する。従
って、弁部品114の開放動作に関連する開始点及び終
了点周波数は、インターフェース領域内へ流入した体積
の増分を表わす。同様に、制御器ソレノイド推進器15
4の影響下での通常閉の弁部材120の開放動作は、イ
ンターフェース領域内の体積を枯渇させ、前後の周波数
fをV(f)キャリブレイション関数内に挿入した場合
に、体積の減少及び測定した流体の送給を登録する。結
果的に得られる流体パルスの大きさはパルス期間によっ
て制御されるが、通常、好適実施例の幾何学的形状及び
パルス期間範囲に対するパルス期間に対し近似的に線形
部分においてさえも変化することはない。好適実施例は
毛細管より大きな流体通路を使用しており(典型的に、
直径が1mmよりかなり小さいものではない)、その結
果、弁開放後の時間の関数としての体積転送は減衰型正
弦波(図5)に近似しており、弁開放時において変化割
合がゼロで開始し、加速フェーズを介して進行し、且つ
充分に長い弁開放パルスによって許容される場合には、
最大の発生可能な体積変化まで減速フェーズへ継続して
進行する。弁パルスを流れ応答正弦波の半分のサイクル
の自然周期を超えて弁パルスを延長させることは弁動作
エネルギの浪費である。何故ならば、それを超えてパル
ス期間を増加させることは正味の転送された体積を減少
させるに過ぎないからである。
【0018】上述した減衰型正弦波応答の性質を決定す
る物理的な幾何学的形状を検討すると、流体通路が狭す
ぎる場合には、それは容易に臨界減衰を超えるものとな
り且つ特性的に指数的なものとなり、「コンデンサ」1
16に対する開放弁部品114の通路112及び流体通
路115の正味の流体慣性について検討する。又は、同
様に、流体通路118における116から開放弁部品1
20を介して、流体通路122内を継続し負荷への正味
の流体慣性に付いて検討する。この流体慣性は、流れ抵
抗と共に、116の流体容量と結合する。従って、弁部
品114が開放状態である場合及び/又は弁部品120
が開放状態である場合には、この流体経路は流体LCR
(L=インダクタ、C=コンデンサ、R=抵抗)回路と
して動作する。弁部品120の開放動作に対する応答は
管124のパルス導波路特性及び設けられている可能性
のある流れ制限器126を含む負荷のその他の特性によ
って更に複雑化される場合がある。上述したダイナミッ
クスは図4のインピーダンス概略図を参照して更に詳細
に説明する。
【0019】最初に、図1a及び1bの弁及び変位セン
サ部品について更に詳細に検討する。図2a及び2bを
参照すると、カセット100の開放/閉塞弁部品114
が示されている。部品120は同様に構成されている。
図2aにおいて、弁部品114は閉塞されており、一方
図2bにおいて、弁部品114は開放状態にある。これ
らの図はその他は同一である。設計は弁構造で開始し、
それは受動的一方向逆止弁に類似しており、ここにおい
ては通路112を介して下側からキャビティ205内へ
上昇する流れに対して閉塞され且つ通路115内の圧力
がキャビティ205内の圧力を超える場合に、何等かの
前方向へのクラッキング圧力において開放状態となる。
能動的サーボ弁として、弁部品114は通常阻止状態に
ある逆方向に於ける流れに対して動作する。エラストマ
ディスク210は逆バイアスに応答してリップ212上
に着座しており、その下側のキャビティ205をその上
方の通路115から分離している。ゼロ及び前記クラッ
キング圧力以下の小さな前方向バイアスにおいて、中央
支柱214の上方向スラストによるディスク210の予
備負荷曲げはディスク210を着座状態に維持してい
る。充分な順方向バイアスにおいては、上方通路115
内の圧力が下方のキャビティ205内の圧力を超える場
合には、ディスク210の端部が図2bにおけるように
下方向へ屈曲し、リップ212に関してディスク210
の周辺部の少なくとも一部にわたり裂け目を形成し流体
の流れを可能とさせる。本発明においては、この前方向
クラッキング圧力は通常動作において殆ど又はけっして
得られることはなく、且つ逆方向の圧力が通常である。
以下に説明するように、供給源から負荷への高い圧力差
があり且つそのダイナミック特性において著しい圧力の
オーバーシュートがあるシステムにおいて、最大のボー
ラス(塊)流れパルス直後に前方向クラッキングが発生
する場合がある。
【0020】図示した能動的弁形態においては、カップ
220がカセットの周りの領域224に関連して円周方
向の「生きている」蝶番222によって保持されてい
る。蝶番222は薄いプラスチックの環状体であって、
軸方向に下方向に湾曲しており(図示した如く、然しな
がら上方向の湾曲も可能)且つこの薄い環状体の内径か
ら外径へかけての任意の半径方向経路に沿って裏側が上
方向に面している。カップ220がソレノイドドライバ
150(図1a及び1b参照)の推進器ロッド160に
よって上方向から下方向へ押されると、環状体222は
内側及び外側周辺部近くで屈曲しほぼ中間部において平
坦状となりカップ220が、図2bに示したように、下
方向に移動することを可能とする。従って、カップ22
0の縁部がリップ212の多少内側でディスク210と
接触し、且つ該ディスクの端部を下方向へ押圧して、そ
れを図示した如く離脱状態とさせる。この推進器は「生
きている」蝶番における弾性力、ディスク210の面積
と関連する圧力、及びキャビティ205内の圧力と通路
115内の圧力との間の圧力差及びカップ220及び環
状の蝶番222の面積の一部と関連する圧力及び通路1
15とカップ220上方の環境との間の圧力差に打ち勝
たねばならない。ディスク210の湾曲に関連するプレ
テンション(予備張力)に打ち勝ち且つそのディスクを
より大きな湾曲へ屈曲させるために更なる力の増分が必
要である。弁の幾何学的形状は小型であり且つ弁開放さ
せるためのカップ220の移動は短く、典型的にカップ
220をリップ212と接触していない休止位置から無
視可能な流れ抵抗(弁へ及び弁から通じる流体で充填さ
れた通路の慣性インピーダンスと比較して)を提供する
弁開放状態に対して充分なリップ212が離脱状態にあ
る完全に下降位置へカップ220を移動させるのに0.
020インチ未満である。ソレノイド推進器150はこ
の移動距離をほぼ1ミリ秒で達成するように構成されて
おり、ディスク210が離脱状態とされ弁が実効的に開
放状態となった後にキャビティ205及び通路115内
の変更された圧力に依存して、復帰のための走行時間も
同様である。弁開放/閉成部品120の構造は、通路1
12と比較して、ディスク下側のキャビティ内の流体通
路118へ接続しているという差異を除いて、弁部品1
14と同一である。推進器ソレノイド150及び154
は本発明においてソレノイドとして機能すべく修正する
ことの可能なポテンシオメータコア(pot core
s)のスケール及び幾何的形状に基づいて模式的に示し
てある。巻着されているボビンはポテンシオメータコア
の中心部に示されており、電流がボビン巻線を介して通
過する場合に軸方向の磁気的ギャップは閉じる方向へ引
っ張られる。いずれかのポテンシオメータコアの底部半
分が固定され且つ上部半分が下方向へ移動可能である場
合には、励起された磁界が上半分を下方向へ牽引し、ソ
レノイド150の推進器ロッド160又はソレノイド1
54におけるその対向する部分を下方向へ駆動する。典
型的な動作においては、弁を閉成するためのソレノイド
のスラストを開始させるためにかなりの電流パルスを使
用し、高い瞬間的なコイルワット、典型的に数ワットに
おいてポンテンシオメータコアをほぼ飽和状態へ駆動す
る。1ミリ秒又はその程度の時間において、磁気的ギャ
ップが閉成されると、同一のフィールド強度及び同一の
閉成力を維持するために必要とされる電流は一層低い。
何故ならば、トロイド形状の磁気的回路は今や完全に高
透磁性のコア物質を介して形成されており且つ何等顕著
な空気ギャップが残存していないからである。閉成され
たソレノイドギャップ上の力を維持するための電流が実
際上5対1へ減少されることは、コイルパワーにおいて
5の平方即ち25対1の減少を表わしている。然しなが
ら、固定電圧供給源からのもっとも明らかな直列電圧調
整器構成の場合には、単に5対1のパワーの節約が実現
されるに過ぎない。ソレノイドを駆動するための二重供
給電圧及びパルス幅変調に基づくより洗練されたエレク
トロニクスの場合には、25対1に近付く電力の節約を
達成することが可能である。然しながら、この点は本発
明の基本的な動作にとって特に基本的なものではない。
【0021】ソレノイド150及び154の動作はその
他のトランスデューサ(変換器)アプローチによって達
成することが可能である。良好なソレノイド設計の結合
した小型及び効率を提供するものではないが、非常に簡
単なアプローチは、所望のスラストを与えるためにボイ
スコイルドライバを使用することである。このようなア
プローチは迅速な応答とするために移動質量を最小とす
るが、効率的な動作は実質的に永久磁石を必要とする。
別のアプローチはピエゾ電気屈曲器又は屈曲積層体から
スラストを派生させることである。この場合のスラスト
は屈曲積層体技術のリーチの範囲内であり、幾分高価で
あると共に屈曲体を駆動するための高い供給電圧が必要
とされる。この適用例に対するピエゾ電気アプローチの
電気機械的効率はかなり良好である。
【0022】好適実施例における体積変位センサを図3
に示してあり、ここでそれについて簡単に説明する。図
3は2つの障壁、即ちカセットの一部であり且つ送給可
能な流体を閉じ込める弾性障壁117及び制御器の一部
であり且つ体積転送流体を閉じ込める弾性障壁310に
よってカセットの体積変位区域116内の送給可能な流
体から分離されている体積変位流体315を示してい
る。障壁310はメンブレンとしてではなくむしろ比較
的厚いエラストマプラグとして示してあり、その形状を
保持し且つメンブレン117と係合する際の凸状表面を
提供するように形成されている。障壁310の凸状表面
がメンブレン117と係合する箇所は、最初の接触点か
らインターフェース区域全体をカバーすべく広がってお
り、その際に空気ポケットを残存させることのない目的
を達成している。障壁310の予備負荷形状はメンブレ
ン117を低い流体圧力にあるキャビティ116内へ押
し込み、カセットから外部へ幾らかの流体を排出させ
る。カセットが供給源から加圧されると、加圧範囲の高
い端部が障壁310の下側表面を屈曲させて平坦な状態
とさせ且つ凹状とさせる。体積変位を達成するためにメ
ンブレン117を最大に利用する場合には、下方向へ凸
状から上方向への凸状への対称的なスイングが与えられ
たメンブレンの広がりに対し最大の体積転送を与える。
ある場合には、障壁117及び310を省略することが
可能であり、その場合には、体積転送流体315は送給
可能な流体の一部である。送給可能な流体の特性は体積
変位測定プロセスに影響を与えるが、ある場合には、流
体特性の変化は最小の影響を与えるに過ぎない。
【0023】体積転送流体が送給可能な流体から別個の
ものであり且つ流体障壁によって分離されているか否か
に拘らず、「DVC」即ち「直接体積変換器」と呼ばれ
る体積変位センサは、適切に機能するためには、空気又
はその他の何等かの制御されていない量の圧縮性のガス
をパージせねばならない。可能性のある問題としては、
送給可能な流体又は体積転送流体のいずれかにガスが潜
り込むと、エキストラなコンプライアンスを付加し、セ
ンサ区域内へ変位された体積の関係を圧力変化か又は検
知要素の屈曲のいずれかへ変化させる。ガスは、それが
制御された体積で存在する場合にのみ、例えば既知の体
積コンプライアンスを付加する意図した目的のために存
在する場合にのみ存在し且つ流体体積変化と相互作用を
行なうことが可能である。
【0024】体積転送流体(送給可能な流体とは別個な
場合又は別個でない場合がある)が領域315からオリ
フィス320を介して領域325と連通し、そこで流体
は剛性表面340とスプリングプレート330との間に
捕獲される。上述した測定システム出願においてより詳
細に説明したように、プレート330は二重の機能を実
施する。即ち、体積変位スプリングとして、体積変位に
対して再現性のある湾曲に関連した圧力を与え、且つレ
ゾネータ(共振体)プレートとして、その共振周波数は
流体体積変位に関連するプレートの歪に応答する。より
詳細に説明すると、流体がオリフィス320を介してプ
レート下側のキャビティ325へ入ると、プレート表面
は上方向へ変形し、一方スプリングプレート330と剛
性表面340との間の流体層が厚くなる。最も低い周波
数モード(それは体積を検知するために使用するのに便
利である)を包含する多数の共振モードにおいて、プレ
ート内の振動曲げはプレート内に弾性位置エネルギEt
を格納し、一方屈曲からの復帰運動(且つ最小の弾性エ
ネルギの形状を介しての通過)はプレート下側において
半径方向の流体運動を発生し、例えば、プレート330
の中心部が下降し一方その周辺領域が上昇する場合に、
薄い層は半径方向外側へ移動する。特定した振動モード
におけるプレートの中心の上昇及び下降速度Vと関連し
た、プレート下側の流体運動の運動エネルギEkは次式
の如く実効質量Mと関係している。
【0025】(1) Ek=(1/2)×M×V2 尚、V2 はVの二乗即ち平方を示しており、それは速度
の二乗である。プレート内に格納された位置エネルギE
pは次式に従って実効スプリング定数Kによって平衡状
態から離れたプレートの中心の変位Xと関係している。
【0026】(2) Ep=(1/2)×K×X2 尚、速度Vが平衡状態からの変位がXによって測定され
る同一の点に対して定義されることを特定する場合、即
ち次式の関係を有する場合、 (3) V=dX/dt 即ち、tに関するVとXとの上式の関係が存在する場合
には、プレートの小さな線形擾乱に対しては、次式の角
周波数公式が成立する。
【0027】(4) Ω=SQRT(K/M) 即ち、この式は、角周波数ΩがKをMで割算したものの
平方根である。
【0028】実効質量Mはほぼ次式に従って変化する。
【0029】(5) M=0+ρ×M1/Q 尚、M0はプレートに関連した実効質量であり、ρはプ
レート下側の体積転送流体の密度であり、M1はプレー
トの幾何学的形状に関係した係数であり且つQはプレー
トとプレート下側の剛性表面との間の薄い層内に捕獲さ
れた流体の体積である。実際の構成においては、定数項
M0は体積に応答するρ×M1/Q項よりも実質的に小
さい。式(4)及び(5)は、共に、周波数と体積とを
関係づける式を暗示していることが理解される。小擾乱
スプリング定数Kは定数ではないことが複雑な点である
が、それはほぼ次式の如く体積に関して変化する。
【0030】(6) K=A0+K1×Q2 尚、体積二乗係数K1は、プレートが平坦状態のままと
された場合には殆ど剛性がなく且つプレート下側に蓄積
する流体が表面を湾曲状に屈曲させるにしたがいより剛
性となるので存在している。
【0031】従って、2つの結合された効果、即ち流体
層が厚くなると実効的な流体の慣性が低下し、且つ圧力
がその表面をより大きな湾曲状態に向けて屈曲させると
プレートの非線形剛性化が発生するので、周波数Ωは増
加する体積Qと共に上昇する。あらかじめ湾曲したプレ
ートは初期的に平坦なプレートと異なった挙動を示す。
究極的な体積対周波数のキャリブレイション極性は、上
述したような数学的公式によって設計者が有用な周波数
範囲及び圧力/体積コンプライアンスを認識した後に、
最良には経験的に派生される。図示したプレート330
は平坦な中央領域と外側周辺部近くの環状バンプ(隆起
部)とを有していることに注意すべきである。この環状
バンプは、過剰なストレス又は圧力変化を発生させるこ
となしに、体積変化によるプレート表面のより大きな屈
曲(偏向)を可能としている。小さな静的擾乱の場合に
は、完全に平坦なプレートは図示した剛性のプレートよ
りも一層順応性があるが、より大きな擾乱に対しては、
湾曲する平坦なプレートにおける引っ張り力が表面にお
ける屈曲応力を迅速に支配し、圧力対体積の増加に関連
する三乗項を発生する。図示したような成形し且つ剛性
のプレートにおいては、線形圧力/体積係数は一層高
く、一方二乗法則係数は実質的に小さく、比較的線形の
領域においてより大きな体積の擾乱を可能としている。
【0032】プレートの共振周波数は、体積応答性共振
モードを励起することの可能な電気機械的変換器をプレ
ートへ結合させることによって電子的に決定することが
可能である。機械的共振特徴は、変換器の電気的インピ
ーダンス対周波数関数における特徴によって反映され
る。図3において、電気機械的変換器はプレート330
の中央領域に積層させた薄いピエゾ電気セラミックディ
スク335として示されており、ツイストワイヤ345
がディスク335上の導電性表面と不図示のオシレータ
回路との間を導通させている。図示したディスク−プレ
ート積層体は、多数の煙検知器、電話、ページャビーパ
ー等において見られるブザーのように構成されたピエゾ
電気屈曲体として理解される。このような装置において
は、ピエゾ電気プレートに対して3つのリードが接続さ
れるのが一般的であり、即ち、共通接地、振動を駆動す
るために接地と反対の表面の殆どに対するパワーリー
ド、及びプレートにおける曲げによって発生される電圧
又は電荷変位を検知するために接地と反対側のより小さ
な電気的に分離した区域への検知リードである。検知リ
ードからパワーリードへの再生フィードバック回路が機
械的共振周波数における振動を設定する。この場合に、
過剰なノイズの発生を回避し且つ周波数における振幅依
存性非線形擾乱を回避するために振動振幅は極めて小さ
く維持すべきである。体積変化に関係した弾性非線形性
が存在しており、それは体積対周波数キャリブレイショ
ン関数内に組み込まれており、且つ、振動振幅が更なる
周波数擾乱を発生するのに充分に大きなものである場合
には、キャリブレイションは更に複雑なものとなる。
【0033】ピエゾ電気励起は唯一適用可能な変換器ア
プローチではない。図1aは振動プレートの中心部に小
さなネジ及びナットを介して結合されたボイスコイルド
ライバを示している。円形状のボイスコイルの断面の左
側は160(図1a)で示してあり、コイルは中央鉄部
材165(コイルの中間に入る支柱内へ下方向に延在す
る上部上のプレート)と環状鉄プレート170との間の
磁界ギャップ内を移動し、該磁界は従来のボイスコイル
ドライバ形態で部材165とプレート170との間にサ
ンドイッチされているセラミック磁石175によって発
生される。ボイスコイルドライバで再生振動を得る最も
簡単な方法は、一次ドライバ巻線と共に速度検知巻線を
包含させることである(ある集積化した拡声器/増幅器
設計において行なわれているように)。検知巻線におけ
る電圧はコイル速度に比例している。一方、ボイスコイ
ル速度に比例する電圧は単一巻線ボイスコイルにおいて
直接的に検知することが可能であり、例えば、ボイスコ
イルが移動していない場合にブリッジからの差動出力信
号をゼロとするように設計された平衡型ブリッジ回路内
にボイスコイルを配置させることによって行なうことが
可能である。このブリッジ回路はその不平衡出力として
速度表示を発生する。どのように得られたかに拘らず、
速度信号をパワーアンプを介してフィードバックさせ、
従って一次巻線内の電流が検知した速度依存性電圧と同
相で流れることにより(検知巻線からか又はブリッジ回
路のいずれかから)、負の電気機械的減衰を得ることが
可能であり、それにより再生振動が発生する。ピエゾ電
気又はボイスコイルオシレータ回路のいずれかにおい
て、自動利得制御を使用して、振幅を調整し且つ過剰負
荷を回避することが可能であり、又フェーズロックルー
プ回路を使用して変換器速度応答と同相の駆動信号を発
生させることが可能であり、いずれの場合においても、
機械的共振に追従する出力周波数が発生される。
【0034】プレートは可動コイル変換器ではなく可動
磁石によって励起させることが可能であり、又は、電気
的エネルギと機械的エネルギとの間で変換を行ない且つ
プレートの共振と相互作用を行なうことの可能な任意の
変換器によって励起させることが可能である。注意すべ
きことであるが、直接体積変換構成は、全体として、体
積変化と電気的エネルギとの間の真の変換器ではない。
何故ならば、圧力×体積エネルギは通常の体積検知動作
モードにおいては電気側において電荷×電圧エネルギへ
直接的に又は可逆的に変換するものではない。むしろ、
低周波数体積変化は、高周波数変換器がとりなす振動が
発生し、その結果発生する周波数が体積検知のために有
用なものである条件を変化させる。体積から周波数への
変換における不可逆性を例示すると、再生又はフェーズ
ロックエレクトロニクスが存在しない場合に、機械的体
積変化は変換器から共振周波数出力を発生することはな
い。非常に高い振動振幅において多分非線形効果として
のものを除いて、駆動される振動モード共振が結合して
DC体積又は圧力変化を発生することはない。真の変換
器は2つの形態の間での、例えば電気的から機械的及び
電気的への復帰、のエネルギの受動的可逆的変換の何等
かの成分を有している(抵抗性ストレインゲージセンサ
は信号変換器であるがトランスデューサではないセンサ
の別の例である)。
【0035】図3において、キャビティ315内の流体
とキャビティ325内の流体との間を連通する孔320
が中心からずれていることに注意すべきである。この孔
は体積検知においてプレート振動モードが使用されてい
ることに対して、圧力ノードに対し可及的に近付けて意
図的に配置されている。このことは、その振動モードに
おいて、プレートとキャビティ315及びキャビティ3
15と結合されているものに関連する何等かの機械的負
荷特性との間の結合を最小としており、従って振動周波
数はキャビティ325外部の条件によって影響されるこ
とはない。この孔の位置は検知される振動と干渉する可
能性のある何等かの環境ノイズの影響を最小としてい
る。この孔320の位置は、更に、プレートから離れた
外部環境への不所望のノイズ結合を最小とすることに貢
献している。
【0036】簡単に上述した直接体積変換器構成は、流
体流れ制御器に対する体積センサの唯一の適用可能な形
態ではない。このDVC構成は主にプレート330と表
面340との間の流体層内の捕獲された水体積の変更可
能な慣性の物理的特性による体積センサであり、且つ、
二次的には、それは、体積変化に対する圧力変化を与え
るためのプレートの一貫性のあるスプリング応答による
圧力センサである。圧力はキャリブレイションすること
が可能であり、一方体積応答は圧力応答よりも一層一貫
性があり且つ安定なものである可能性がある。然しなが
ら、体積スプリング、即ち一貫性のある圧力対体積関係
を与える装置を設計し、且つ従来の圧力トランスデュー
サ(変換器)をこの体積スプリングへ取付けて本発明に
おいて使用可能な体積変位センサを得ることが可能であ
る。このような装置の一例は、領域325における全流
体量に対する非振動性体積コンプライアンスとして機能
する剛性プレート340上にスプリングプレート325
が存在するようなものである。従って、領域325をD
C応答性圧力トランスデューサへ結合させることにより
体積変位センサが構成される。DVC構成は本発明に対
して最適化させたものであるが、それはその作業に対し
て適切な唯一のセンサではない。
【0037】図4に移ると、図1a及び1bのカセット
100における流れ/圧力関係に類似した電流/電圧関
係を有する回路が示されている。図1a,1b及び4を
一緒に検討すると、負端子が接地されているバッテリ4
10が流体供給源110からの圧力Bに類似した正の電
圧を供給する。流体チャンネル112は、夫々、インダ
クタ415及び抵抗420によって表わされる実効流れ
慣性及び流体オーミック抵抗によって特性づけることが
可能である。弁開閉部品114は電界効果トランジスタ
425におけるチャンネルと類似しており、一方ソレノ
イド150の推進器シャフト160はトランジスタを完
全にターンオン又は完全にターンオフさせるためにトラ
ンジスタのゲートを介して結合されている430におい
ての制御電圧Vc1として機能する。
【0038】キャビティ116及びキャビティ116上
方に結合した装置を含む体積変位センサは、直列抵抗4
35、インダクタ440及びコンデンサ445によって
表わされており、コンデンサ445の反対側は接地され
ている。コンデンサ445は体積変位センサの体積/圧
力コンプライアンスを表わしている。該センサの体積検
知機能は、コンデンサ445上の電荷を検知し(例え
ば、該コンデンサを横断しての電圧を測定し且つ容量を
乗算することによって)且つその測定値を適宜の出力信
号へ変換すること(例えば、体積・周波数変換器に対す
る類推としての電圧・周波数変換)である。体積センサ
の出入りに対してある流れインピーダンスが存在してお
り、例えば、孔320を介して、それはインダクタ44
0と抵抗435とのインダクタ・直列抵抗結合によって
表わされており、それらはすべてコンデンサ445と直
列している。弁開閉部品120は電界効果トランジスタ
450におけるチャンネルと類似しており、トランジス
タのゲートを介して455における制御電圧Vc2を介
しての動作はソレノイド組立体154の動作に類似して
いる。チャンネルセグメント118及び122における
流れ慣性はインダクタ460によって集約的に表わされ
ている。セグメント118及び122における流れ抵抗
は加算して抵抗465における抵抗の一部をなす。管1
24は抵抗465における残りの抵抗とコンデンサ47
0における容量によって表わされており、コンデンサ4
70は反対側が接地へ接続している。
【0039】管124のインピーダンスは実際にはこの
概略図におけるよりも一層複雑であるが、以下に説明す
るように、この概略的に示した回路は、本発明システム
における管124の基本的な機能を解析するのには適切
なものである。流体送給端部において何等かの顕著な流
れ抵抗、例えばカニューレが存在する場合がある。好適
実施例においては、流れ制限器例えば微小孔管が管24
の負荷端部に配置されている。存在する場合の流れ制限
器を含む負荷端部における正味の抵抗値は抵抗475に
よって表わされている。抵抗475の「末端」側と接地
との間に接続している負荷480は抵抗475の終端部
に「接地」電圧、即ち0ゲージ圧力、を提供することが
可能であり、又は、例えば患者の脈動する動脈又は上下
に移動しヘッド高さが変化する腕内の静脈を表わす時間
的に変化する電圧を提供する場合がある。
【0040】管124に対するインピーダンスを適切に
モデル化するために、その波伝搬特性を考慮にいれねば
ならない。弁チャンネル450を介して管内へ容量44
5から迅速に放電する場合には、管124が物理的に比
較的大きなものであり且つある顕著なコンプライアンス
を有するものであることが必要である。内径が0.06
5インチであり、且つ外径の0.125インチである標
準的なPVC管は適宜の大きさのものであり、一方幾つ
かのIVセットにおいて使用される実質的により小さな管
は短い弁パルスと適合性を有するものではない。コンデ
ンサ470によって表わされるように、管セットが提供
する体積コンプライアンスとは無関係にこのコンプライ
アンスは50ミリ秒以下の流れパルス期間にわたり制御
器出力によって見られるものではなく、50ミリ秒は本
発明の殆どの適用例に対して予測される最も長いパルス
時間尺度を表わすものである。例えば、上述した0.1
25インチの外径のPBC管は、10psiの圧力増加
の下で内径が15%だけ拡大するのに充分に可撓性のも
のであると(この拡大はPBC組成、経時変化等に高度
に依存する)、15m秒程度の波伝搬速度を示し、管弾
性の減衰成分のために波面がかなり迅速に分散し且つな
まりを発生する。このことは50ミリ秒にわたり、末端
側からの流れパルスに応答して30cmの管長さのみ拡
大しており、一方残りの長さではそのパルスの到着を感
じていない。管インレットにおけるインピーダンスは、
パルス波が遠方の端部へ伝搬し且つ反射されてくるまで
管の遠方端部の影響を感じることはなく、50ミリ秒パ
ルスにわたり、管セット内への流れが末端部から15c
mより離れた管終端部によって影響を受けることがない
ことを暗示している。基本的に「無限」管長さへの入力
パルスの場合、即ち、弁パルス期間にわたり末端部から
の反射がないほど充分に長い場合には、管の末端部にお
ける流れインピーダンスは実質的に抵抗性のものであ
る。これは、散逸性の管抵抗のためではなく、管内への
流れエネルギがそれと共に弾性及び運動エネルギを担持
する伝搬波を形成するからである。この種類の波伝搬は
動脈において充分に研究されている。その状態は長い同
軸ケーブルへ電気パルスを供給することに類似してい
る。同軸ケーブルの特性波インピーダンスが75Ωであ
る場合には、ケーブル内への短いパルスに対する抵抗
は、遠方端部からの反射が帰還する時間までは75Ωで
ある。10psi圧力増加によって内径が15%増加す
る本発明の0.065インチ内径の管の場合には、数学
的考察(以下に説明する)は約7×109 Pa/(M3
/S)の波インピーダンスを暗示しており、それはかな
りのものであるが図4の抵抗において発生する蓋然性の
ある実際な抵抗値に関連して完全に支配的なものではな
い。
【0041】管インピーダンスの説明を終るに当たり、
波パルスが抵抗475に到達するのに充分遠くに移動す
るものではなく且つ弁開放期間中に抵抗465へ跳ね返
るものと仮定すると、該パルス期間中の流れに対する適
切な表示は抵抗465をそのパルスの期間中の間一定の
電圧(即ち、圧力)で終端させることであり、即ち、コ
ンデンサ470のインピーダンスがあたかも0のように
することであるが、管波インピーダンスが抵抗465の
値の中に含まされていることを思い出すべきである。該
パルスが終了し且つ管内の波が安定化した後に、コンデ
ンサ470に対する適切な値は管124の全長の体積コ
ンプライアンスであり、且つ流れパルス期間中にその容
量内への電荷(即ち、体積)の増分は、単に、該パルス
期間中にコンデンサか445から流れ出た電荷である。
抵抗475と共にコンデンサ470のRC時定数が管1
24の伝搬遅延長さと比較して長いと仮定すると、コン
デンサ470における電圧は弁チャンネル450の次の
開放に至るまでの期間中における負荷480における負
荷電圧へ向かっての予定された一次減衰を表わす。その
次のパルスの時間において、コンデンサ470上におい
てその点に至るまで得られた電圧は流れパルスの正味の
体積を計算するための固定電圧としてとられる。
【0042】上述したモデルの場合に、パルス間隔が1
個のパルス波が管124の長さを伝搬し、反射し且つ丁
度弁閉塞時に管の基端部側終端部に帰還するのに丁度充
分の長さであると仮定する。インダクタ440及び46
0のインダクタンスが0であると仮定したとしても(説
明を簡単化するために)、管124の波インピーダンス
が抵抗性負荷を支配する場合には、圧力オーバーシュー
トとなる場合があり、即ち充分な電荷がコンデンサ47
0へ転送されてその電圧をコンデンサ445の電圧より
も上昇させる場合がある。実際上、管の波伝搬モデルに
おいては分散されたインダクタンスが存在している。管
124の末端方向へパルス波が移動する場合にコンデン
サ445からエネルギが流れ出て運動量を形成し、且つ
基端部へ帰還する反射波はその波運動量を停止させ且つ
その波の運動エネルギを圧力へ変換させて管を拡大さ
せ、管はその全長にわたってコンデンサ445における
最終圧力を超える圧力へ膨張される。エネルギ保存の法
則が破られることはない。エネルギは単に転送されただ
けである。実際上、そのエネルギのうちの幾らかは管物
質における粘弾性減衰に失われるが、運動エネルギの幾
らかは保存され且つ圧力へ変換される。
【0043】抵抗475における実質的な抵抗値は安定
な注入を行なうために効果的なものである場合がある。
制御器が所定の体積流量を流すと、圧力電圧がコンデン
サ470、即ち順応性のある管124内に迅速に蓄積さ
れ、制御された平均流れを負荷内へ駆動する。抵抗47
5のR及びコンデンサ470のCに対するR×Cの程度
の期間にわたり初期的な圧力増強の時間を超えて、流れ
制御の精度は影響を受けることはない。負荷480にお
ける負荷圧力におけるヘッド高さ変化は、抵抗475を
横断して確立されたバイアス圧力差を超えての正のヘッ
ド高さ変化の場合を除いて、負荷内への流れを逆にする
ことはない。抵抗475における大きな抵抗値なしで、
且つ、特に、非常に遅い薬物注入においては、患者負荷
におけるヘッド高さ変化は、血が管124のコンプライ
アンス内へ逆流する場合があり、患者への流体通路を固
まらせ且つ詰まらせる可能性を増加させる。従って、抵
抗475は負荷480におけるヘッド高さ変化に帯する
短期間の注入率の感度を最小とさせる効果を有している
(長期においては、制御器は所定の注入率を与え、従っ
てコンデンサ470を充電し又は放電することが関与す
る短期間の効果のみがここで懸念事項である)。抵抗4
75が大型である場合には、チャンネル450を横断し
ての流れパルスに基づくバンプを平滑化させるフィルタ
作用も存在している。従って、管124の末端終端部に
おいて流れ制限器を使用することが効果的であり、駆動
圧力差を最小とし且つ最大の制御器が要求した流れの条
件下での充分な流れを阻止することのない可及的に高い
抵抗とさせることが望ましい。抵抗475において実質
的な抵抗値を有することの別の利点は、供給源410か
らの流れ抵抗が急激に完全に喪失することは、有害又は
致命的なものとなる場合のあるほぼ瞬間的な大きな注入
ボーラス(塊)を発生することはないという点である。
適宜の警報を出すことにより、過剰な流体が患者へ通過
される前に、通路をクランプするか又はその他の方法で
中断させることが可能である。一方、流体通路内に2つ
の通常閉の弁が存在する冗長性は、このような完全な流
れの調整を失うことを非常に蓋然性のあるものとさせ
る。抵抗475における大きな抵抗値は本流れ制御器の
適切な機能のために必ずしも必要なものではなく、負荷
内へ所定量の流体を駆動するために充分な圧力が供給源
から得られる限り、負荷抵抗に拘らず所定の流れを達成
すべく適合させることが可能である。
【0044】図4に示した回路の動的特性を検討する
と、ある瞬間において弁(トランジスタ)425又は4
50の一方のみが開放(オン)であると仮定し、従って
回路の2つの側部は離脱状態にあるものと仮定する。弁
(トランジスタ)425を介して左側においては、直列
LCR回路があり、その正味インダクタンスLは成分4
15及び440の和であり且つ正味の抵抗Rは成分42
0及び435の和である。右側においては、直列成分4
45,440,435,460,465のみが流れパル
ス運動に関与し、この場合にも直列LC回路モデルとな
る。流れパルスが過ぎ去った後に、コンデンサ470上
の電荷はその流れパルスに対して調節され、且つ一次R
C放電が負荷内へモデル化される。基端側又は末端側の
制御弁のいずれかを開放した後の体積対時間応答は定性
的に図5に示されており、それは弁開放時においてゼロ
勾配でスタートしており且つ点線で示した平衡線520
の周りに振動する減衰型正弦波を示している。体積曲線
の水平スタートから点線520までの体積変化は、ター
ンオン直前の選択した弁を横断しての圧力差及び短い時
定数ダイナミックモデルにおける唯一のコンデンサであ
る体積変位センサのコンデンサ445の流体容量に対し
ての圧力×容量の積である。流体通路の設計に依存し
て、流れパルス応答が過剰に減衰されるものとなりオー
バーシュートを示すことがないこととなる可能性があ
る。流れのボーラス(塊)を本システムを介して迅速に
移動させ且つ通過する流量を0とさせ、そのことがウォ
ーターハンマーなしで且つシャットオフから発生する音
響ノイズが最小の状態で弁を閉成する最適な瞬間を提供
することとなるように少なくとも僅かなオーバーシュー
トが存在することが望ましい。半周期タイミングモード
においては、弁開放時間は、体積転送曲線の丁度ピーク
における点500においてシャットオフを与えるべく設
定される。カセット動作に影響を与える流れインピーダ
ンスが制御器アルゴリズム係数の点で前もって正確に知
られていない場合には、制御器は多数のパルスを介して
弁開放タイミングの実験を行なって点500への時間間
隔、即ち体積ボーラス(塊)を最大とさせる時間間隔を
経験的に決定する。
【0045】500における体積オーバーシュートは閉
成時における逆止弁内の圧力バイアスを逆にする圧力オ
ーバーシュートを表わしていることに注意すべきであ
る。図2aに示したような弁は、受動的逆止弁、即ち通
路115から領域205内への流れを有するものとみな
される弁の「前」方向におけるリークを発生する場合が
ある。この種類の弁リークに起因する過渡的な体積の喪
失は、クラックする傾向のあった弁に対し正常なバイア
ス方向へ復帰するために反対側の弁を開放する前に正味
の変位を測定するために体積が安定する限り、何等害の
あるものではない。弁逆流は正味のボーラス(塊)転送
寸法を減少させ、そのことはシステムに対する設計範囲
のハイエンドにおいての動作中の供給源からシンクに対
しての圧力差に対して発生する可能性が最も高く、その
場合に、ボーラス(塊)の寸法を自己制限することは最
大のボーラス(塊)寸法を供給源圧力に対してより影響
を受けないものとさせることによって利点となる場合が
ある。
【0046】体積曲線上の点500をかなり超えての弁
の閉成は意味がなく、弁動作パワーの浪費であり、半周
期パルスで達成される体積転送よりも達成されるものは
少ない。点500前の高い流れ領域においての弁の閉成
は、ウォーターハンマー効果のために、望ましいもので
はない。非常に速い弁の閉成、例えば流れ加速フェーズ
初期における点510においての閉成は、シャットオフ
により比較的低い流量となるので小さなボーラス(塊)
の可変制御のために使用することが可能である。
【0047】動的流れ性能を解析するための設計公式 図4又は図2(後述する)のインダクタ、抵抗及びコン
デンサに対する可能性のある値を得るために、以下の設
計公式が有用である。尚、記号に関しては、標準的なA
SCII文字を使用して特別の文字を使用することを回
避している。このようにASCII文字を使用すること
により、それをコンピュータコードとして使用すること
が可能であり、実際に本発明の解析を数値的に行なう場
合に使用している。
【0048】幾つかの文献においては、大文字「Q」は
流体の流量、即ち単位時間あたりの体積を表わすために
使用されている。その他の場合には、Qは共振回路のQ
係数、即ち散逸率の逆数を意味している。電気工学及び
エレクトロニクスにおいては、Qは電荷を表わしてい
る。以下の説明においては、Qは、これらの従来の表記
法とは異なり、流体の体積、即ち「Quantity
(量)」を表わすものとして使用する。この流体Qは流
体回路の電気的類推における電荷Qと類似している。時
間微分は、しばしば、変数の上にドットを付けることに
よって示されるが、特別の文字を使用することを回避す
るために、本明細書においてはD1Qの文字ストリング
がQの時間に関しての第一微分(導関数)、即ち流れを
表わし、且つD2Qが時間に関しての第二微分(導関
数)、即ち流体の体積の加速を表わすものとする。Pは
圧力であり電圧に類似している。記号L,R,Cは電気
回路において使用される意味から流体回路における類似
した意味を有するものとして使用する。
【0049】以下の解析においては、SI単位を一貫し
て使用することにより正しい結果が導かれ、時間は秒即
ちSの単位であり、体積は立方メータ即ちM3 の単位で
あり(リットルではない)、質量はキログラム即ちKg
の単位であり、密度は単位立方メートル当たりのキログ
ラム即ちKg×M-3であり、力はニュートンの単位即ち
Nであり、且つ圧力はパスカルの単位であり、即ちPa
=N×M-2である。注意すべきことであるが、M3 にお
けるQからマイクロリットルへの乗数は109(106
ではない)である。1Pa=6894.7psiであ
る。密度RHO(即ち、ρ)は、水の場合には1000
Kg×M-3であり、従って比重から密度へいく場合に
は、1000で乗算する。絶対粘度MUに関しては、2
0℃における水に対しては0.001002inSI単
位又は0.01002ポアズ=1.002センチポア
ズ、cgs単位、であり、従ってセンチポアズからSI
単位へは、0.001を乗算する。
【0050】流体インダクタンスL、抵抗R、容量Cは
圧力P及び体積及びその微分Q,D1Q,D2Qと以下
のように関係している。
【0051】(7) Q=P×C (8) D1Q=P/R (9) D2Q=P/L 定常層流の場合、半径rで長さLGTHの管内の流体抵
抗Rは次式で与えられる。
【0052】R=8×MU×LGTH/(PI×r4
低周波数限界において。 高周波数振動流れの場合、粘性剪断力が無視可能に薄い
流体境界層に影響を与えるに過ぎない場合には、半径r
の管内の流体インダクタンスLは次式で与えられる。
【0053】L=RHO×LGTH/(PI×r2
高周波数限界において。
【0054】これらのR及びLに対する公式は番号を付
けていない。何故ならば、それらは周波数依存性公式に
よってとって変わられるからである。迅速に加速する流
れの場合には、境界層はより薄く、従って、粘性剪断力
は壁においてより高く、且つRはより高い。角周波数O
MEGA(前述した式4におけるΩと同一ではない)で
の流体振動を有する境界層厚さTHKに対する公式はR
に対する非定常近似へ移るために有用である。
【0055】(10) THK=SQRT(MU/(2
×OMEGA×RHO)) この厚さのパラメータは2つの動的適用例を有してお
り、即ち散逸厚さ及び変位厚さである。壁近くに薄い境
界層を有した状態で管内の流体が振動する場合には、管
の内径があたかもTHKだけ減少されたように、即ち、
境界層がTHKだけ内側に壁境界層を変位させたかのよ
うに、流体カラムの慣性が増加される。同時的に、管内
を移動する流体の一部が加速制限流体の前に90度位相
シフトされて抵抗制限型流体流れの位相角度となり、そ
の流れは運動エネルギの状態でパワーを格納するのでは
なく流体のパワーを散逸させるものである。この部分
は、薄い境界層に対して、管の壁の距離THK内に存在
する体積を表わしており、即ち変位厚さとして除去され
たものと同一の体積を表わしている。従って、THKは
変位厚さのみならず散逸厚さをも表わしている。
【0056】円形管内の高周波数振動流れの場合には、
散逸は半径r−THKと半径rとの間の厚さTHK内に
閉込められており、「誘導性」から「抵抗性」フェーズ
へシフトされた流れ断面の部分は散逸係数DFと等し
い。
【0057】DF=2×THK/r THK<<rの
ような限界において、即ち高周波数限界において。
【0058】直列LCR回路における抵抗性インピーダ
ンスRは次式によって誘導性インピーダンスOMEGA
×L及び散逸係数DFと関係している。
【0059】R=DF×OMEGA×L 流体インダクタンスLは係数(1−DF)だけ実効断面
積PI×r2 減少されると増加され、Lを比(1+D
F)だけ上昇させ、DF<<1に対して漸近的に有効で
ある。境界層が周波数の低下と共に厚くなると速度分布
は放物線の限界形状へ安定化し、中心部においての平均
断面積速度の2倍から管壁においてゼロ速度へ変化す
る。断面にわたっての平均速度(即ち、面積で乗算する
ことにより流量D1Qを与えるもの)に関しての流れに
おいての運動エネルギを見てみると、エネルギは4/3
の比だけ上昇され、それは流れインダクタンスLが低周
波数限界においては高周波数限界値の4/3倍であるこ
とを暗示している。
【0060】上述した考察からL及びRに対する高周波
数及び低周波数漸近線が導かれる。微分方程式の解は任
意の周波数においてのL及びRに対して厳格に解くこと
が可能であるが、簡単な公式での良好な近似が漸近線公
式を滑らかに混合させることによって与えられ、それは
以下の近似的な工学的公式に導かれる。
【0061】(11) R={8×MU×LGTH/(PI×r4 )}×S
QRT(1+(OMEGA×RHO×r2 /(32×MU))) (12) L={RHO×LGTH/(PI×r2 )}/{1-0.25/SQRT(1+
(OMEGA×RHO×r2 /(32×MU)))} 低周波数R及び高周波数L公式は等記号(=)のすぐ後
に続く{}内の表現によって認識される。{}に続く補
正係数は、Rに対して、高周波数漸近線を与え、且つL
に対して、高周波数限界及び低周波数限界の両方の漸近
線アプローチを与える。注意すべきことであるが、OM
EGA×RHO×r2 /32×MUの項は、単に無次元
比((r/THK)2 )/64である。容量Cは体積変
位センサを構成するスプリング形状の機械的解析から明
示的に派生されねばならない。この図3の成形した金属
プレート33に対する体積は上掲した測定システム出願
において説明されている。
【0062】複素根を有するLCR回路が与えられる
と、指数的振幅減衰の包絡線をスケールするための実数
部分REと、正弦波角周波数に対する虚数部分IMとが
得られる。従って、次式が得られる。
【0063】(13) RE=−R/(2×L) (14) IM=SQRT((1/(L×C))−RE
2 ) 注意すべきであるが、REは負であり且つIMは正であ
る。時間tが経過し且つ体積不平衡Q0を有する減衰型
正弦波解は、容量C×初期的に弁を横断しての圧力差に
等しく、次式で与えられる。
【0064】(15) Q=Q0×{1-EXP(RE×t)×(COS(IM
×t)-(RE/IM)×SIN(IM×t))} 注意すべきことであるが、SINの項が欠如している場
合には、ゼロの初期的勾配におけるCOS(IM×t)
と正の勾配における−EXP(RE×t)との積は負の
初期的な勾配を与える。係数が正である(何故ならば、
−REが正であるから)SIN(IM×t)の項は、負
の勾配をオフセットさせてゼロの初期的勾配を与える。
1つの特定な減衰係数に対するこの方程式は図5に示し
た波形を与え、その場合に、Q0は曲線のスタートから
点線までの高さである。
【0065】注意すべきことであるが、周波数OMEG
AにおけるL及びRに対する近似は、実際に、流れ内に
存在する正弦波振動へ適用され、一方ここで説明した状
態は全くの停止状態から急減に開始する流れ加速の場合
であり且つ正弦波では進行せず減衰型正弦波へ進行す
る。R及びLに対する最良の近似を得るためには、OM
EGAを式(14)の角周波数IMへ設定すべきではな
いことが判明している。何故ならば、減衰が臨界値に向
かって上昇すると、IMは0へ近付き、時間0における
流れの初期的加速は影響を受けないからである。実際
に、次式の加速が存在している。
【0066】D2Q=Q0/SQRT(L×C)
t=0において(即ち、弁開放時)Rと独立。
【0067】この観察に基づいて、次式が得られる。
【0068】 (16) OMEGA=1/SQRT(L×C) OMEGAは非減衰型共振周波数であり、それは、又、
成分RE及びIMの複素ベクトルの半径である。即ち、
次式が成立する。
【0069】OMEGA=SQRT(RE2 +IM2 ) この定義によって、OMEGAは部分的変化割合の良好
な尺度であるものと思われ且つR及びCの推定に対する
基礎としてとられる。注意すべきことであるが、Cに対
する値で開始して、式(12)及び(16)は変数OM
EGA及びLの値に対して同時的に解かれねばならな
い。このことは、OMEGA=0で開始することによっ
て繰返し計算を行なうことにより容易に達成され、即ち
Lに対して式(12)を解き、その結果を式(16)内
へ代入し且つ新たなOMEGAに対して解き、それを新
たなLに対して式(12)内へ代入し、それを収束する
まで繰返し行なうものであって、それは典型的に、7桁
の収束に到達するのに6回未満の繰返しが行なわれる。
OMEGAがLと一貫性をもって定義されると、式(1
1)をRについて解くことが可能であり、次いでRE、
IM及び関数Q(t)について解くことが可能である。
【0070】上述した如く、この形態の解は、通常、ど
の弁がパルス動作されるかに依存してL及びRに対して
異なる成分値を使用するが、Cは同一に維持することに
よって、制御器の好適実施例における基端側の弁又は末
端側の弁のいずれかのパルス動作用の流れパルス形状へ
適用することが可能である。本解析を末端型の弁450
に対して適用するためには、制限器465における抵抗
値に対する管124内の波インピーダンスの貢献度を推
定するための公式が必要である。次式は動脈における脈
動流のモデル化において使用されている。管内の代表的
なパルス波速度c(容量Cが大文字であるのと混乱を避
けるために小文字を使用している)は次式で表わされ
る。
【0071】(17) c=SQRT{(A/RHO)×(dP/dA)}=SQR
T{(1/ROH)×(dP/dLN(A))} 尚、面積Aは単に次式の如く定義される。
【0072】(18) A=PI×r2 式(17)の二番目の平方根の表現は、面積Aが面積増
分dAに関して圧力の微分dPの分子内へ代入した場合
には、分子微分(dA)/Aが得られ、それは面積にお
ける微分部分的変化であり、即ち面積の自然対数の微分
LN(A)であることを表わしている。dP/dAが静
的に又は壁物質がクリープを表わす管、例えばPVC管
で低周波数において測定される場合には、得られる値は
現在の文脈におけるパルス波伝搬の周波数範囲に対する
ものよりも低いものとなる。微分dP/dAは、常に、
損失性ポリマ物質における周波数の増加関数であり、物
質の散逸が高ければ高い程、周波数勾配はより急峻であ
る。伝搬速度cは、管サンプルの一端部における弁を急
激に開放させ且つ閉成した末端部におけるピーク圧力変
化の50%における時間遅れを測定することによって経
験的に測定することが可能である(注意すべきである
が、波の反射の影響のために、ピーク圧力変化は、通
常、安定化した後の圧力変化を超えるものである)。ク
リープ又は粘弾性も波の散逸を発生させ、従ってパルス
が移動する場合にシャープな伝搬波面を観察することは
不可能であるが、本明細書における解析は管124への
入口においての流れインピーダンスに対する正しい近似
的な大きさを与え続ける。
【0073】 (19) R=(RHO/A)×c=SQRT{(RHO/A)×(dP/dA)} 速度cが経験的に(即ち、実験によって)測定される場
合(それはパルス特性に対する最良の結果を与える可能
性がある)には、上式の一番目の形態が最も有用であ
る。重要な点は、Rの大きさが弁450を介しての流れ
パルスの過剰な減衰を発生させるのに充分に大きなもの
となるか否かを判別することである。過剰減衰があり且
つ制御器アルゴリズムがパルス間隔を延長して最大のボ
ーラス(塊)体積を得ようとする場合には、パルス間隔
は、帰還波反射が管124内への体積流れを反転させる
点へ拡張させ、それは、ソレノイドパワーが消費されて
いる場合には待機するのに長過ぎる場合がある。過剰減
衰された出力パルスを使用することが実際的な場合があ
り、その場合には、大きなボーラス(塊)に対するパル
ス帰還はアクチュエータエネルギ投資に対し減少する体
積復帰のある間隔へ制限されるべきである(ピエゾ電気
弁アクチュエータが使用される場合には、エネルギ保存
方程式は実用的価値がない。何故ならば、アクチュエー
タ容量上の保持電荷はパワーを使用することがないから
である)。
【0074】上述した解析解及び技術は、圧力パルスの
後の負荷内への流れに対するRC一次減衰解と共に、本
システムを設計し且つ与えられた適用例を充足するため
に制御するための適切なモデルを形成する。以下におい
ては、上述した解析に基づいてアルゴリズム制御の特定
の方法について説明する。
【0075】好適実施例における平均流れ制御に対する
方法 図6,7,8のグラフは相互に関連しており且つそれら
は全て、図5に関して既に説明した体積対時間のグラフ
からそれらの有意性を派生している。前の図におけるよ
うに、符号数字の最初の3桁(又は、図10の場合に
は、4桁のうちの最初の2桁)がその符号に対する項目
が表われる図の番号を表わしている。従って、符号番号
と図の番号との繰返しは不要である。
【0076】図6,7,8において、「FL」は流れを
制御する無次元パラメータである。実際の流量は、流れ
制御アルゴリズム係数が流体送給システムの時定数及び
減衰係数と一致する場合には、FLに関してほぼ線形的
である。Q.NETは全測定注入体積として定義され、
その時間に対するグラフは各注入されたボーラス(塊)
において増加される階段関数である。体積微分FLOW
を瞬間的な勾配としてではなく一個のパルスの階段の期
間にわたる勾配として定義することが可能である。
【0077】(20) FLOW=delta(Q.NET)/delta(TIM
E) 1個のパルス期間にわたり。
【0078】体積/時間の割合のFLOWは次式にした
がって、供給源圧力P.SOURCEとシンク圧力P.
SINKとの間の差とシステム流れスケーリング係数K
Fが乗算された制御パラメータFLに依存する。
【0079】(21) FLOW=KF×FL×(P.
SOURCE−P.SINK) 式(21)をFLについて解くと次式が得られる。
【0080】(22) FL=FLOW/{KF×
(P.SOURCE−P.SINK)} 及び、その結果得られるパラメータFLは基端側の弁及
び末端側の弁に対するパルス周波数及び幅を設定する制
御アルゴリズムへ適用される。これらのパルス周波数及
び幅に対してFLから得られる係数は、式(20)が満
足されるように動的に調節される。即ち、制御器ターゲ
ットとしてのFLOWを使用してFLを計算し、次いで
FLがパルス幅及び周波数を設定し、且つその結果が測
定可能なdelta(Q.NET)を発生し、それを使
用して達成されたFLOWに対し式(20)を解く。達
成されたFLOWがFLを計算するために式(22)に
おいて使用したFLOWの目標値をミスするまで、FL
からパルス制御パラメータへいく係数が調節される。係
数KFは調節されないが、単に、FLの数値範囲をスケ
ーリングするためのものであって、例えば、FLは公称
的に0から1にわたるものであって、流れを0とシステ
ムに対しての最大定格スループットとの間で変化させ
る。
【0081】図6においては、パルス周波数がパラメー
タFLの関数としてグラフに示されている。パルス周波
数の線形領域611において、パルス幅710(図7)
は一定に維持され、それはヘッド高さ変化に起因する発
生しうる変動を除いて、パルス体積810(図8)を一
定に維持する。この領域におけるパルス幅は、過剰減衰
型システムにおいて、弁閉成が流れが完全に停止する前
に行なわれない限り、最大体積転送の近似点500(図
5)へ調節される。一定のパルス体積においての周波数
における線形的変化の結果はFLOWにおける線形的変
化である。領域610の左側端部において、パルス周波
数は下限に到達し、その下側は流れの継続性のためには
より頻度の高いパルスが必要とされる。この限界は毎秒
0.05(毎分3)の程度とすることが可能であり、又
は、コンデンサ470における比較的大きな管コンプラ
イアンス容量に関連して大きな終端流れ抵抗475が流
れのボーラス(塊)の適切な平滑化を発生する場合に
は、より小さなものとすることが可能である。
【0082】FLの下限においては、方向付けした矢印
によって点線620,720,820によって示したよ
うに、動作モードにおける不連続的変化が存在してい
る。パルス周波数はジャンプして上昇し(620)、一
方パルス幅はジャンプして下降し(720)、パルス体
積(820)をより大きな比によってジャンプして下降
させている。動作点は早期の流れ加速において500か
ら510の近傍へ体積/時間グラフ上において移動して
いる。この領域においては、630,730,830の
符号が付けられており、パルス体積はほぼパルス幅の二
乗として変化し、それはパルス幅におけるよりもパルス
体積においてより大きな部分的変化を与える。好適な流
れ制御方法においては、パルス周波数及び幅の両方が可
変ボーラス(塊)領域においてFLの立方根として変化
する。ボーラス(塊)の体積のパルス幅に関する二乗法
則依存性はFLと線形的な流れ制御を発生する。この方
法は、フィルムカメラに関するプログラムしたシャッタ
速度とアパーチャとの組合わせに例えることが可能であ
り、その場合には、正味の露光はシャッタ速度又はアパ
ーチャのいずれかを使用した場合よりも一層広い動的範
囲にわたって制御される。明らかに、ボーラス(塊)体
積と周波数との積が適切に制御される限り、FLの立方
根以外のパルス幅及び周波数の依存性を使用して線形的
制御を達成することが可能である。可変ボーラス(塊)
領域においてFLが変化すると、遷移点を超えて可変ボ
ーラス(塊)モードへ上昇することが可能である。第一
遷移を超えたある点が第二遷移点640,740,84
0であり、固定した最大ボーラス(塊)モードへ復帰す
る。2つの遷移の間にヒステリシスを与えることによっ
て、制御器のジッタが回避される。このことは、ノイズ
の点から重要である。制御器は本来的にノイズを有する
ものではないが、全ての条件下において完全に聞こえな
いように設計することは困難である。可聴障害のない患
者近くに制御器が存在する静かな部屋において、制御器
のパルスが聞こえる可能性がある。そのリズムが時計の
カチカチという音のように規則的なものである場合に
は、パルス音は容易に無視される。リズムが遅いものか
ら速いもの又は速いものから遅いものへジャンプし、パ
ルスの間隔が変化するために音の性質も変化する場合に
は、そのようなノイズに対してすぐさま注意が払われ
る。
【0083】上述したヒステリシス制御について図9を
参照して更に詳細に説明する。図9は好適な制御方法に
対する機能的ブロック図である。各ブロックは入力パラ
メータを受取り、計算を実行し、且つ出力パラメータを
送給するソフトウエアモジュールを表わしている。多く
の場合に、タイミング及び入力及び出力パラメータの値
が重要であり、即ち該パラメータは実時間制御のための
動的性質のものである。
【0084】「FLOW TARGET LOGIC
(流れターゲット論理)」モジュール902は、150
(最初に図1において示されており、ここでは図9のブ
ロックとして示してある)における基端側弁(A)及び
154(これも最初に図1に示してあり、図9において
ブロックで示してある)における末端側弁「B」に対す
るアクチュエータの付勢時間を制御する信号である弁タ
イミング入力「DRIVE A」908及び「DRIV
E B」910と共に直接体積変換器「DVC」152
(最初に図1aに示してあり、図9においてはブロック
で示してある)からの904を介しての「VOLUME
(体積)」センサ入力に関連して解釈され送給された体
積に対する移動ターゲットに基づく流れ制御パラメータ
「FL」を計算する。モジュール902の出力パラメー
タFLは経路912を介してデジタルローパスフィルタ
モジュール914「LPF」へパスされ、モジュール9
14は動作モード間のジッタを回避することに貢献す
る。モジュール914の出力パラメータ、即ち連続的
(デジタル表示の分解能の範囲内において)変数FLの
フィルタしたものが経路916を介してヒステリシスモ
ジュール918へパスされ、モジュール918の出力は
920上における二進パラメータ「SELECT」であ
る。モジュール918が経路916からのその入力を上
側及び下側スレッシュホールド値と比較し且つ、その入
力が上側スレッシュホールドを超える場合には「SEL
ECT」を「TRUE」へ設定し、且つ該入力が下側ス
レッシュホールドより低い場合には「FALSE」へ設
定する。入力916に対する「SELECT」のグラフ
はブロック918内に模式的に示した形状によって表わ
されるように、ヒステリシスループを示している。
【0085】ローパスフィルタ動作とスレッシュホール
ドヒステリシスとの組合わせが、上述したように、動作
モード間のジッタを回避する。経路920上の「SEL
ECT」は直接的にモジュール926へ付与され且つモ
ジュール924に対して反転され、尚モジュール924
への入力における丸印922は論理的反転を表わしてい
る。従って、「SELECT」が「TRUE」である場
合には、モジュール926が選択状態となり且つモジュ
ール924は非選択状態となり、且つその逆も又真であ
り、「FALSE」がモジュール924を選択し且つモ
ジュール926を非選択状態とする。モジュール926
は、点500において表わされるボーラス(塊)体積タ
ーゲット及び対応するパルスインターバル(間隔)時間
を有する固定最大ボーラス(塊)モード、即ちモード
B、におけるパルス周波数「PF」及びパルス幅「P
W」の選択を表わしている。幅係数「BW」は点500
においてこのピーク体積が達成されるべく調節され且つ
線710の高さである。周波数係数「BF」は線610
の勾配であり且つ供給源圧力及びレートターゲットの範
囲を有する機械的及び流体的設計に対して適切な周波数
範囲に対して選択される。モジュール924は可変ボー
ラス(塊)モード、即ちモードAにおける「PF」及び
「PW」の選択を表わしている。前述した如く、PF及
びPWはFLの立方根に比例して設定され、周波数スケ
ーリング係数「AF」は「PF」を与え且つ幅スケーリ
ング係数「AW」は「PW」を与える。その結果得られ
るPF曲線は630であり、且つその結果得られるPW
曲線は730である。「AF」及び「AW」の値は「B
F」及び「BW」及び「FL」の一致する値が2つのア
ルゴリズムへ入るように一致した流量を達成するために
図5のVOLUME(TIME)関数曲線の形状の最良
推定値に関連して選択される。この一致を維持しなが
ら、「AF」の「AW」に対する比を調節してパルス幅
範囲とパルス周波数範囲の実際的な組合わせを得る。初
期化の後に、「AW」及び「BW」の値を制御の過程に
おいて事後的に補正し、「AL」と測定した体積流量と
の間の一定のキャリブレイション(較正)を行なった関
係を維持する。注意すべきことであるが、モジュール9
24及び926において表われるパラメータ「FL」に
対する値はモジュール902における「FL」の各新た
な計算でアップデートされ、一方経路920を介しての
パラメータ「SELECT」は上述した「FL」の処理
から得られる。
【0086】モジュール924及び926の選択した1
つが、経路928及び930を介して「VALVE B
TIMING(弁Bタイミング)」モジュール932
へ出力パラメータPF及びPWを供給する。このモジュ
ールは経路910上に実時間二進制御信号「DRIVE
B(駆動B)」を供給し、そのパルス幅及びパルス周
波数はブロック154における弁組立体「B」に対する
パワードライバ回路のタイミングを制御する。経路91
0上の該信号は、更に、正味の送給された体積を計算す
るためにいつ体積の読取りを行なうかを決定するため
に、「FLOWTARGET LOGIC(流れターゲ
ット論理)」モジュール902に対して同期を与える。
【0087】ブロック932における「VALVE B
TIMING(弁Bタイミング)」はブロック902
における「FLOW TARGET LOGIC」を介
してのフィードバックを介して、流体「LOAD(負
荷)」480への所定の流量出力を維持せんとするが、
ブロック934におけるソフトウエアモジュール「VA
LVE A TIMING(弁Aタイミング)」は最大
固定ボーラス(塊)モードにおいてのみ動作し且つ体積
が少なくなりすぎた場合に、「DVC」152において
検知された体積である流体容量445における体積を充
填するためにのみ機能する。従って、ブロック934は
経路904を介してDVC152からその入力端へのパ
ラメータ「VOLUME(体積)」をモニタし且つ「V
OLUME」が所定のスレッシュホールド未満に降下す
る場合に活性化する。そのスレッシュホールドはブロッ
ク918から経路920を介しての入力「SELECT
(選択)」によって表わされる動作モードに依存すると
共に、流体供給源から管124における流体負荷への圧
力スパンの「FLOW TARGET LOGIC」9
02からの推定値に依存する。弁Bに対する最大ボーラ
ス(塊)モードBにおいては、ブロック154における
弁Bが付勢され且つDVC152において検知された体
積を枯渇する場合には、ブロック934は出力908を
介して弁150へのパルスを活性化させるべくブロック
934が設定されている。この活性化は正確な体積の読
みを可能とするために短い待ち時間インターバル(間
隔)だけ遅延されるが多かれ少なかれ即座に行なわれる
ものであり、従ってDVC152の流体貯蔵器は充填状
態で待機し且つ次の出力パルスに対する準備がなされ
る。経路920上の「SELECT」が「FALSE」
である場合に表わされるように、弁Bに対する可変ボー
ラス(塊)モードAにおいては、ブロック934に対す
る体積スレッシュホールドは供給源からシンクへの使用
可能な動作圧力範囲の中心に向かって設定される。この
設定はDVC152が検知する体積バイアスを変化させ
るものであり、それは任意に固定又は可変とすることが
可能である。高い設定はブロック150における弁Aの
より頻繁なパルスとなり、ブロック154における弁B
のより頻度の低いパルスとなり、コンデンサ470にお
いての圧力におけるより小さな部分的変化となり、且つ
その結果パルス周波数PFにおけるより小さな部分的変
化となる。
【0088】ここに記載する関係は図10のタイミング
線図を参照してより良く理解することが可能である。経
路904上の減少する「VOLUME」信号は曲線10
04によって表わされており、それはパルストレイン1
010によって表わされる経路910上の弁Bへの各パ
ルス毎に小さな増分だけ減少している。曲線1004が
最小スレッシュホールドへ到達すると、それはブロック
934における論理をトリガし、それの直接的な応答は
「INHIBIT」を「TRUE」へ設定することであ
り、尚「INHIBIT」は経路936を介してブロッ
ク934からブロック932へパスされるパラメータで
ある。経路936上の信号は1036として時間の関数
として図示してある。高度に正確な体積の決定のための
時間遅延の後、例えば精度及び分解能を得るために通常
より長いインターバル即ち間隔にわたり平均化した後
に、弁A活性化信号908は曲線1008上の時間の関
数としてプロットしたように高及び低パルス動作し最大
ボーラス(塊)インターバル(間隔)を与える。曲線1
004上の体積は図5の減衰型正弦波の半周期を介して
上昇し且つその頂部における弁閉成によって停止され
る。二番目の高度に正確な体積決定のために弁閉成の後
あるインターバル(間隔)が経過し、それに続いてトレ
ース1036上に示したような「INHIBIT」信号
936が低状態、即ち「FALSE」へ以降し、且つ弁
Bのパルス動作が再開することが許容され、直線100
4上の体積を小さなステップだけ減少させる。図10の
スケール上では見えないが、曲線1004の下降ステッ
プは下方向へ湾曲する双曲線であり、それは水平の接線
から開始し且つ下降が弁閉成によって急激的に中断され
るまで下方向へ湾曲している。トレース1008のパル
ス直前及び直後のINHIBIT(禁止)インターバル
における正確な体積決定は、流体シンクへ送給された全
体積を追従するために使用される。中間的な体積決定は
精度にとって重要なものではなく、単に制御をモニタす
るために使用される。
【0089】図10は上述した定性的な説明にとって正
確なものであるが、説明の便宜上特徴部の時間的尺度は
実際のものとは異なるものである。実際上は、トレース
1008,1036,1010のパルス高インターバル
の幅は時間ベースラインと関連してもっと幅狭のもので
あり、それはグラフ1004における遷移を対応してよ
り急峻なものとさせ、図示した時間的尺度上では垂直に
表われる。例えば、トレース1010の可変ボーラス
(塊)パルスは3ミリ秒の幅であり且つ1秒の間隔で離
隔された程度のものである場合があり、それは高状態の
デューティサイクルが0.003であることを表わす。
トレース1008上の最大ボーラス(塊)パルス間のイ
ンターバルはトレース1010上において約15個のパ
ルスをスパンしており、約15秒となる。トレース10
08上のパルス幅は30ミリ秒の程度となる場合があ
る。トレース1008上の高状態デューティサイクルは
0.002となる場合がある。この時間尺度上におい
て、トレース1004上の体積上昇のS形状は見ること
ができない。トレース1008上のパルスを超えるトレ
ース1036上のパルスの幅はトレース1008上のパ
ルスの前後においてエキストラに50ミリ秒の程度の場
合があり、多分10ミリ秒の周波数カウントインターバ
ル及び過渡的振動の安定化を可能とさせる。このことは
トレース1036上のパルス幅を最大で130ミリ秒と
させ、それはトレース1010のパルストレイに対する
パルスインターバル内に充分入るものである。従って、
本発明の典型例においては、トレース1008の再充填
パルス及びトレース1036の周囲の禁止インターバル
はトレース1010のパルス間の待ち時間インターバル
内に入り、中断されることのないリズムの出力パルスを
与え、例えば、15番目のパルス毎に2つのイベント、
即ち入力パルス及び出力パルスのために音が多少異な
り、100ミリ秒のインターバル内に入り且つ耳によっ
て別個のイベントとして辛うじて分解されるものであ
る。
【0090】曲線1004をモニタする「FLOW T
ARGET LOGIC」モジュール902は体積の読
みから関連する圧力を推定し、且つ体積増分寸法から、
制御器の既知の流れ動的特性と一貫性をもって流体負荷
圧力がどのようなものであるべきかを推定する。流体コ
ンデンサ445及び470の間の圧力差の結果的に得ら
れる推定から、ブロック902はパラメータFLを動的
に調節して式(22)を適用し一定の流体ボーラス
(塊)を達成する。従って、トレース1010のパルス
周波数及びパルス幅は、トレース1004上の体積の読
みが下降すると一層大きなものとなり、且つ周波数及び
幅は曲線1004が再度ジャンプして増加すると減少す
る(この周波数及び幅における補正的変化はトレース1
010には示していない)。曲線1004が下降する場
合の測定した体積のボーラス(塊)における変化は、セ
ンサ152のPRESSURE(VOLUME)キャリ
ブレイション曲線から得られた圧力に関する負荷圧力の
推定値におけるエラーとしてブロック902に対して表
示される。弁Aへのパルス期間中にモニタされた体積の
ジャンプは供給源圧力を表わしている。供給源圧力及び
負荷圧力に関するこの情報に基づいて、ブロック902
は、供給源圧力及び負荷圧力に関してブロック934に
おける「VALVE A TIMING」に対して使用
するスレッシュホールドを調節するのに必要な情報を有
している。供給源圧力及び負荷圧力の推定によって達成
される別のモニタ機能は、供給源圧力及び負荷圧力が通
常動作範囲内にあるか否かの判別である。枯渇された供
給源又は負荷における詰まった流体経路はこれらのデー
タから容易に明らかであり、且つオペレータの介入が必
要とされる場合には警報をトリガすることが可能であ
る。
【0091】最も高いレベルの制御において、「FLO
W TARGET LOGIC」モジュール902の機
能は、関連するターゲット体積率DiV.Tで時間と共
に移動するターゲット正味体積V.Tをとり、且つ正味
の送給された体積階段関数Q.NET及びその1サイク
ル勾配FLOWをターゲットV.T及びD1V.Tと同
時的に閉成させることである。これを達成するツールは
例えば以下のようなレート(率)設定方程式と共に制御
パラメータFLを設定するための式22である。
【0092】(23) FLOW=D1V.T+(V.
T−Q.NET)/TAU 代数的同一性の代わりの手順として、式(23)は過去
の体積送給性能にしたがってFLOWへ値を割り当て、
次いで式(22)がFLOW及び推測された圧力条件に
基づいて制御パラメータFLに対して値を割当てる。
【0093】「TAU」はシステムの収束を制御する時
定数である。TAUが現在のパルス期間へ設定される場
合には、その効果は単一パルスステップでエラー(V.
T−Q.NET)を補正することである。TAUを一層
短く設定すると、過剰な補正となり且つ不安定性となる
場合がある。TAUを最小値よりも長く設定すると、シ
ステムをジッタから防止し且つ例えば「ノイズ」変動又
は負荷圧力における脈動等の外部的変動に過剰に対して
応答することを防止する。TAUを1つのパルス期間を
充分に超えて拡大すると、式(23)の実行は体積エラ
ーを発生し約TAUの時定数の時間にわたり減衰する。
式(22)及び(23)においては、パラメータの進行
中の補正が暗示されており、それは図9のブロック92
4及び926において表われるように、FLからパルス
周波数及び幅AF,AW,BF,BWへ変換される。好
適実施例においては、AF及びBFは一定に維持され一
方AW及びBWは2つの動作モードでFLOWをキャリ
ブレイションするために調節される。
【0094】非常に遅い注入にとって有用な別の動作モ
ードについて説明する。弁154を介して外側に出る体
積パルスを非常に小さなものに維持することが必要であ
る場合には、DVC152における流体供給源が流体負
荷の圧力バイアスよりもそれほど高くない圧力バイアス
に維持されている場合には、より大きな且つより管理可
能なパルス幅でこのことを達成することが可能である。
このことは、弁150への再充填パルスが最大ボーラス
(塊)パルスではなく流れ加速フェーズにおいてより短
いパルスである場合に達成することが可能である。DV
C152は毎回「満杯」とされるのではなく低いバイア
スプレッシャに保持される。図10のタイミング線図
は、再充填体積ボーラス(塊)は小さく維持され且つ曲
線1004の上昇するセグメントの形状は頂部において
水平方向の接線に滑らかとなるS形状曲線ではなく弁閉
成時にちょんぎられる上方向に湾曲した放物線であると
いう点を除いて、定性的にこの場合にも適用される。
【0095】弁150又は154のいずれかが、例えば
粒子付着及びディスク210又は弁120におけるその
対向部品が着座しないために閉成しない場合には、本シ
ステムの流れ制御器はその欠陥をすぐさま認識し且つ多
分精度は失われるが進行中の制御されている注入を維持
することが可能である。本システムは、例えそれが動作
を継続する場合であっても機能障害の警報を発生するよ
うにプログラムされるべきである。何故ならば、システ
ムにおける冗長性が失われ且つ継続される動作の信頼性
は疑わしいからである。初期的動作が正常なものである
限り、本制御器は流れ制御係数AF,AW,PF,PW
を派生させ、それらは、良好な圧力差推定値と関連し
て、出力弁Bのみを使用してキャリブレイションされた
注入率へ到達する。同様のパラメータが入力弁Aに対し
て派生される。従って、システムの幾何学的形状及び流
体特性の正味の効果は自己キャリブレイションされ且つ
その結果得られる係数は開ループ制御のために使用可能
である。
【0096】供給弁150が開放状態とならない場合に
は、シンク弁154近傍の圧力が供給源圧力まで上昇
し、その状態は制御器によってすぐさま認識される。制
御器はこの供給源圧力と負荷圧力との間の差の良好な推
定値を有すると共に、調節した流れ制御係数の形態での
パルス幅とパルス体積との間の関係の表示を有してい
る。従って、制御器は、体積変化フィードバックデータ
が最早使用可能でなくとも、継続して、シンクに対し
て、開ループで比較的正確な体積出力の送給をパルス動
作することが可能である。供給源が枯渇状態となると、
このことはDVC152において圧力効果によって直接
的に測定される。シンクへの流体経路が閉成されると、
弁154のパルス動作が終了してDVC152の出力に
過渡的なリップルを発生させ且つ制御器は流れが中断さ
れたことを知る。
【0097】シンク弁154が開放しない場合には、供
給弁150に対して末端部の圧力が負荷圧力へ降下し、
この状態も制御器によってすぐさま認識される。供給源
圧力が一定に維持され且つ負荷圧力に関するデータを常
にモニタするものと仮定すると、制御器は規制された流
れを維持するために供給源のパルス幅対ボーラス(塊)
体積特性の充分な記述を有している。シンクへの流体経
路をつまんで閉じると、DVC152からの体積信号内
に容易に観察可能な上昇が発生する。供給源流体が失わ
れると供給源からのパルスに通常付随すべきDVC15
2からの過渡的なリップルが消失する。
【0098】第二実施例の詳細な説明 上述したシステムは、0の瞬間的流量において正確な体
積の読みを可能とするために2つの弁を使用しており、
全送給体積の表示を与えている。2つの弁は本発明の適
切な機能のために必ずしも必要なものではなく、特に、
システムが精密にモニタされるレート(率)の極めて広
い動的範囲にわたり機能することが必要でない場合には
そうである。上述した故障(欠陥)モード、即ちシンク
弁154が故障して開放状態となった場合には、単に1
つの弁でシンクへの流れを調節することが可能である構
成を暗示している。体積変位センサに対する末端部に流
れ制限器を付加することにより、負荷への流体の流れの
正確な測定を派生するために随時的な体積の読みを解釈
することの可能な動作が得られる。この第二実施例にお
ける1つの弁が開放状態で故障した場合には、実質的な
下流側流れ抵抗は安全性を付加し、流体が急激に出力端
へ供給されることはない。流れ制限器は、警報が鳴って
いる間に受動的に流量を低下させ、オペレータ又は患者
が介入し過剰な注入を防止するための時間を与える。
【0099】図11を参照すると、全ての部品及びそれ
らの機能は体積変位インターフェースチャンバから流体
経路118まで及び除去されている弁アクチュエータ1
54までは図1aと類似したものである。弁開閉部品1
20及び経路122はなくなっている。比較的大きな直
径であり且つ流体インダクタとして機能することが意図
されている経路118及び122の代わりに、本システ
ムは流れ制限器1122、より大きな管1124及び末
端流れ制限器1126を有している。これらのうちで、
流れ制限器1122は、それがかなり小さなボアであり
且つ理想的にはかなり大きなインダクタンスも有する抵
抗性流れ制限器として意図されている点を除いて、直列
抵抗性経路118及び122と同様の機能を有してい
る。高性能のインダクタは流れ制限器1122において
は求められていない。図11は、流れ制限器1122が
マイクロボア管のセグメントであることを示している。
ピンホール制限器を使用することも可能であるが、正確
な動的体積読みを得る場合に有用なものとなる場合があ
る誘導性インピーダンス成分を欠いているので、より好
ましくないものである場合がある。管1124は、低パ
ルス波インピーダンスに対して何等利点を有するもので
はないという点を除いて、管124と機能的に異なるも
のではなく、従って管1124は小さな管とすることが
可能である。管1126は上述した好適実施例のオプシ
ョンとしての管126と機能が異なるものではない。
【0100】注意すべきことであるが、第二実施例にお
いては2つの別個の流れ制限器が組込まれており、即ち
以下の理由により流体送給管1124の各端部に1個づ
つ組込まれている。基端流れ制限器1122が流れ慣性
即ちインダクタンスを与えて、入力パルスが体積センサ
へ印加された場合に体積センサから出る流量において急
激な変化を防止する。流量変化におけるこの課された緩
慢さが体積送給計算において使用される態様について以
下に説明する。センサの排出部をより大きな管、例えば
管1124へ直接的に接続すると、管のコンプライアン
スと関連し且つ波インピーダンスと関連する短期間の抵
抗性負荷を発生させる。インダクタンスが失われると、
体積の第一微分における連続性が失われ、弁パルス領域
内へ流失する流れを外挿することをより困難なものとす
る。末端流れ制限器1126は好適実施例における流れ
制限器126に対して説明したのと同一の機能を達成
し、即ち流れパルスを滑らかなものとさせ且つヘッド高
さを変化させて一次的な流れの逆転を回避する。管11
24が小型に形成され且つ低体積コンプライアンスのも
のである場合には、制限器1126は臨界性が低下し且
つ省略することが可能な場合がある。同様に、小型で且
つ非常に体積に追従するものではない管1124は短い
パルスに対して高い抵抗性のインピーダンスを提供し、
制限器1122が省略されたとしても、送給された体積
の推定を行なうことをより困難性のないものとしてい
る。従って、小型の低コンプライアンス管セット及び付
加的な流れ制限器のない状態で良好に機能すべく設計を
行なうことが可能である。
【0101】第二実施例の動的流れ特性は図12に示し
てあり、それは弁経路450及び関連する制御器455
が直接的な流体接続部によって置換されている点を除い
て、全ての要素において図4に類似している。制御器1
230を有する流体経路1225はトランジスタ42
5、制御電圧430と類似しており、且つコンデンサ−
インダクタ−抵抗結合体1245−1240−1235
は結合体445−440−435と類似しているが、構
成要素1225と1235の接続部は弁経路450と類
似した弁を介在させることなしに、インダクタ460と
類似したインダクタ1260へ直接的に接続している。
定量的には、インダクタ1260はインダクタ460よ
りも実質的に一層大きく、且つ抵抗1265は設計上抵
抗465よりもかなり大型である。管容量1270はコ
ンデンサ470と類似しているが、この第二実施例のシ
ステムにおいて許容可能であるように、小さな管を使用
する場合に定量的に一層小さなものである場合がある。
抵抗1275は抵抗475と類似しているが、一層大型
の場合がある。何故ならば、この第二実施例は、通常、
第一実施例の高い流量を取扱うものではなく、従って、
より高い抵抗値の流れ制限器を許容可能だからである。
負荷1280は負荷480と類似している。
【0102】図11及び12の単一弁システムの動作
を、最大ボーラス(塊)の場合を図13に又小さな可変
のボーラス(塊)の場合を図14に示してある。これら
2つの図面における特徴は、弁タイミング及び体積の大
きさが異なっているが、図12における概略図から派生
される同一の流体力学時定数から発生する。図13及び
14の横軸は時間である。最初に図13を検討すると、
弁1225とアウトレットインダクタ1260との間で
検知された体積である体積のトレース1310はトレー
ス1320上に示した弁開放パルス高インターバルに応
答する。トレース1320のパルス高の直前に、曲線1
310はある勾配で下降しており、それは流体体積放出
の指数的減衰曲線に続くものである。トレース1320
が高状態へ移行すると、弁1225からの流体の流れが
加速し、次いでトレース1320が低状態へ以降する弁
閉成点においてゼロのレート(率)へ減速し、開始時か
ら符号500の点までの図5の曲線のような曲線に従
う。この体積増加インターバル期間中に、インダクタ1
260及び制限器1265を介して体積検知区域からの
流体の流れは構成要素1260,1225,1235の
接続部における上昇する圧力に応答して加速する。従っ
て、弁1225が閉成する時間までに、トレース131
0の下方向への勾配は再充電パルス前よりも一層急峻な
ものとなる。流れの加速が継続すると、曲線1310は
継続して下方向へ屈曲するが、やがて変曲点を通過し且
つ負荷における圧力によって決定される限界体積へ漸近
する指数的減衰曲線へ安定化する。管セグメント112
4におけるパルス波動作は、幾つかの実施例において
は、トレース1310の形状に更なる可視的な変化を発
生させる。ここでの重要な点は、構成要素1260及び
1265を介してセンサ容量1245から出てくる流れ
が常に存在しており且つ弁開放パルス期間中に、この流
れは測定可能なセンサの読み内に入力する流れの上に重
畳されるということである。更に、上述した体積対周波
数変換方法を使用してコンデンサ1245上の体積の読
みは瞬間的に又はほぼ瞬間的に検知することはできず、
カウントインターバルにわたってのみ検知可能であり、
それは、典型的に、高い分解能を得るためには1から最
大で数ミリ秒を超えるものである。従って、体積の読み
は「SAMPLE」の符号を付けたトレース1330に
示したパルス高インターバルにわたってぼかされてい
る。制御器は、測定した流体の流れ及び体積検知プロセ
スの動的特性を考慮に入れたアルゴリズムを使用してこ
れらのデータから負荷へ送給された正味の体積を推定せ
ねばならない。
【0103】図10の場合のように、図13及び14の
時間の尺度は説明の便宜上実際のものとは異なった状態
で示されている。図13の弁開放パルスは、典型的に、
30ミリ秒の程度であり、一方次のパルスへのインター
バル(間隔)は、典型的に、1秒の程度である。従って
トレース1310の体積減衰曲線は、図示したように、
体積増加に比例して、図示したほど急峻なものではな
い。このことは図13及び14の波形形状から示唆され
ているように、動的表示の精度は全体的な体積決定に対
してそれほど臨界的なものではないことを意味してい
る。
【0104】図13を参照すると、トレース1330上
のパルスは再充電パルスの前に2つの体積サンプルがと
られ、且つ後の4つは、弁閉成直後に開始し且つ時間遅
延インターバルが増加するように離隔されている。再充
電パルス前の2つのパルスは体積及び体積勾配を決定
し、迅速な圧力増加の前のインダクタ1260及び抵抗
1265を介しての体積と流れの状態の両方を確立す
る。再充電パルス直後の2つのパルスは同様に新たな体
積及び流量を決定する。然しながら、この新たな流量は
そのパルスの後の第三サンプルによって明らかとされる
ように著しい流れ加速成分に露呈される。最終的に指数
的減衰への安定化はパルス後の第四サンプルによって表
わされる。各々が既知のインターバルにわたって時間的
にぼやかされているこれら6つのサンプルは、動的流れ
モデルにおける入って来る流れ及び出ていく流れを暗示
している。
【0105】データの解釈は2つのレベル、即ちシミュ
レーションレベル及び簡単化した制御器アルゴリズムレ
ベルにおいて説明する。シミュレーション解釈は、最初
に、R&Dシーケンスにおいて開発され、典型的にサン
プルしたデータを解釈し且つ計算時間に拘らず送給され
た体積に対して所望の解にどのようにして到達するかを
学習するためにハイレベルソフトウエアを使用する。簡
単化したアルゴリズムは、その形態が著しく異なる場合
があり、良好な近似でシミュレーションから発生された
結果を表現する簡単な実験公式のシミュレーション解釈
から派生された合成を表わしている。
【0106】シミュレーション解釈の場合、図12に示
した一般的な動的記述及びその図を動的解へ還元させる
上述した式で開始する。動的解で、トレース1330の
パルス高インターバルにわたり時間平均した体積サンプ
ルに対し予測される値が何かを表現するソフトウエアを
コード化する。従って、そのシミュレーションへの入力
は、システムのパラメータであって、供給源圧力及びシ
ンク圧力、流体密度及び粘度、流体制御器システムの幾
何学的形状の関係する変数、及び例えば管セット波イン
ピーダンス及び負荷インピーダンス等を記述する変数を
包含している。出力はシミュレーションした体積サンプ
ルである。実際の装置においては、相次ぐ流れ制御ハー
ドウエアユニットにおいてかなりの再現性をもって再生
される図12の多数の部品が存在している。これらの制
御される変数に対応するパラメータは固定した定数とし
てとられ、シミュレーションに対する不定入力の数を減
少させる。システム構成要素のうちの幾つかはフィール
ドにおいて変化し、例えば異なる管のセットが制御器出
力へ接続される場合があり、又は制御器のある動的特性
が容易に標準化されるものではなくユニット毎に著しく
異なるものである場合がある。制御されないパラメータ
はモデルの未知パラメータとして残り、一方制御される
パラメータ、例えばDVC体積検知装置の特性は未知変
数のリストから除かれる。供給源圧力及びシンク圧力は
未知パラメータである。従って、手元にある問題は、機
能的最小化のよく探究されているがそれでもやりがいの
ある計算問題に関する1つの変形例である。入力ベクト
ルの成分として、未知変数の値が与えられている。出力
ベクトルとして、トレース1330のパルス高サンプリ
ングインターバルにわたって計算された多数の(この実
施例においては6個)シミュレーションした体積平均値
が与えられている。従って、同数の実験的に測定された
体積平均値が与えられている。シミュレーションからの
出力ベクトルから実験的に測定したベクトルを差し引く
と、エラーベクトルが定義される。機能的最小化問題
は、エラーベクトルを最小とするためにモデルの未知パ
ラメータを変化させることである。一般的には、決定す
べき未知のシステムパラメータと少なくとも同数のエラ
ーベクトルの成分が必要であり、そうでなければ、エラ
ーベクトルは入力ベクトルを一時的に定義するものでは
ない。
【0107】シミュレーションモデルが稼動し且つ機能
的最小化ルーチン内にうまく組込むと、体積測定値から
計算したシステムパラメータが得られる。1つの推定さ
れたシステムパラメータが特に重要であり、それはトレ
ース1320が高状態にあるインターバル期間中に弁1
225を介して通過する全流体体積である。それが与え
られると、流体シンクへどれだけの体積が究極的に送給
されたかがわかる。次の課題は、トレース1310の最
小値から最大ピークへのスイングのどれほどが弁開放イ
ンターバル期間中に構成要素1260及び1265を介
して流れ出る流体によって減少されたかを推定すること
である。この減少に対して補正を行なうことにより、構
成要素1225を介しての所望の体積が得られる。他の
2つのパラメータは演算上重要なものであり、それらは
供給源圧力及びシンク圧力である。機能的最小化プログ
ラムは、時間平均された体積サンプルの値の3つの数値
関数としてこれらの3つのパラメータ(即ち、入力体積
ボーラス(塊)、供給源圧力、シンク圧力)の各々を発
生する。シミュレーション及び機能的最小化プロセスに
おいてはシステムのその他全ての未知パラメータに対し
ても解くことが必要であったが、その解の残部は制御器
アルゴリズム内に組込むことは必要ではない。
【0108】得られた情報から、シミュレーションによ
って派生された関係から例えば内蔵された制御器アルゴ
リズムにおいて使用するための簡単化したアルゴリズム
への還元が展開される。このように簡単化したアルゴリ
ズムの具体的な例として、弁パルスの直前において2つ
の体積サンプルをとり、且つそれらから弁パルスの中間
点における「体積」へ向かっての直線を外挿(補間)す
るものと仮定する。同様に、弁パルスの直後に2つの体
積サンプルをとり且つそれらから弁パルスの中間点にお
ける「体積」へ逆方向の直線を外挿(補間)するものと
仮定する。これら前方向及び逆方向に外挿(補間)した
体積の間の差は、弁1225を解して流入した体積にほ
ぼ等しい。これらの体積は、パルスにわたって加算され
ると、究極的に流体負荷、例えば患者へ到達する体積で
ある。より正確なアルゴリズムが所望される場合には、
より多くのサンプル値を組込み且つ上述した外挿に対し
二次微分補正を推定するか、又は動的モデルの既知の特
性をより多く使用することが可能である。どのようなレ
ベルの洗練化が得られようとも、実際の具体化した流体
送給システムのベンチプロトタイプに対して実験的に一
致されたシミュレーションモデルは、制御器アルゴリズ
ムを評価することの可能な計算上の標準である。
【0109】シミュレーション及び機能的最小化スタン
ダードに対する別法としては純粋に実験的なものであ
り、システムを異なる条件に対して動作させながら送給
された体積を独立的に測定し、体積検知サンプル及び実
際の送給された体積のデータセットを発生させる具体化
したベンチセットアップの結果である。このようなデー
タセットで良好に動作する制御器ソフトウエアを派生さ
せることが可能である。体積ボーラス(塊)決定用の更
に別の変形例は純粋な曲線の当てはめであり、経験的即
ち実験的な測定値に基づいて方法を僅かに調節するに過
ぎない。曲線を超えての動的な詳細を無視し、上昇領域
に近付く体積減衰領域、微分における不連続部とそれに
続く迅速な体積上昇、微分における第二の不連続部、及
び上昇領域から表われる曲線が得られる。上昇領域の両
側の曲線は一次微分が連続的であり且つ弁パルス幅に対
して期間が同等の時間尺度上であまり迅速に変化するも
のでない限り、よりどころとなるダイナミックスを参照
することなしに外挿させることが可能である。デルタ体
積(即ち体積の増分)は、差を計算するための弁パルス
インターバル内のある時間点を選択して、前方及び後方
外挿曲線の間で計算すべきである。上述した簡単化した
記述は線形外挿及びパルスインターバルの中間点を示唆
している。例えば、二次外挿(トレース1330に示し
たものと異なる体積サンプルの分布を使用することも可
能)を使用し且つ時間における中間点ではないが流体負
荷へ向かって流れ出る流量における変化に対してのパル
スインターバル内の時間点を選択することによってより
良好な結果が得られる。この流量変化における中間点
は、時間尺度上において、半サイクルパルスインターバ
ルの中間点に近接し且つ流体加速領域における短いパル
スインターバルの中間点を超えて位置している。体積外
挿が減算される弁パルスインターバルの選択した部分に
対する2つの値、即ち外挿アルゴリズムに関連して使用
される固定最大ボーラス(塊)モード用の1つの時間部
分及び小さな可変ボーラス(塊)モード用の別の時間部
分は、システムダイナミック記述に依存することが最小
な比較的簡単な体積推定アルゴリズムを記述する。
【0110】多数の可能なアルゴリズムが存在してお
り、そのうちの良好なものは共通して、同一の正しい結
果を発生する。多くの意味において、体積送給推定に対
して上述した線形外挿モデルは完全に適切なものであ
る。流体シンクにおいての圧力を決定するために、簡単
な解がセンサ圧力における減少と共に流量が減衰するこ
とを探索する場合に存在している(尚、センサ圧力はそ
れ自身一次的体積読みのキャリブレイションした関数で
ある)。流量が指数的減衰において0へ外挿されるセン
サ圧力は負荷圧力である。供給源圧力は、任意の与えら
れた一定のインターバルの間弁が開放する場合にセンサ
に入るボーラス(塊)の寸法から推定される。一定のパ
ルス幅においてのそのボーラス(塊)の寸法は、弁開放
時におけるセンサ圧力の関数として直線的に変化する。
センサ圧力が供給源圧力に等しい場合には、ボーラス
(塊)の寸法はゼロへ外挿される。供給源圧力の決定を
助けるために、長期的な送給に対して何等意味がないほ
ど充分に短い時間的尺度において、注入を瞬間的に速度
をあげ次いで速度を下げることによって、体積センサ圧
力を意図的に変化させることが可能である。これらのレ
ート変化は負荷への圧力変動として反映され、センサ圧
力を有する供給源ボーラス(塊)体積における変化を表
わし、供給源圧力に対する所望の外挿を発生する。供給
源圧力を派生するその他のアルゴリズムの洗練化は、流
体が流体シンクへ向かって同時的に流れ出す場合に流体
変位センサ内へ流れ込むボーラス(塊)の寸法が何であ
るかを可及的正確に推定することである。
【0111】図14を参照すると、トレース1310と
類似した体積トレース1410が示されており、それは
体積増加がもっと速い弁の閉成によって中断されている
点を除いて、弁が開放する場合のほぼ同一の流体加速で
開始している。例えば弁ディスク210における小さな
コンプライアンスのために弁閉成時に小さなリンギング
が示されている。迅速な流れ加速とそれに続く流体負荷
へ向かってのゆっくりとした流れの原則のプロセスは図
13を参照して先に説明したものと同様である。各パル
スで供給される体積の同様のアルゴリズムを使用した決
定が行なわれる。好適実施例について説明したような流
れターゲット論理が正味の注入した体積を移動する注入
ターゲットに非常に近く維持する。
【0112】以上、本発明の具体的実施の態様について
詳細に説明したが、本発明は、これら具体例にのみ限定
されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱す
ることなしに種々の変形が可能であることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 本発明の好適実施例の着脱自在なカセット
と再使用可能な制御器を分離した状態で示した概略図。
【図1b】 制御器とカセットとを動作状態に並置して
連結した状態を示した概略図。
【図2a】 着脱自在のカセットにおける通常閉のソレ
ノイド開放型制御弁をその閉成下位置にある状態を示し
た概略図。
【図2b】 図2aの弁をその開放位置にある状態を示
した概略図。
【図3】 カセット係合メンブレン上方の直接体積変換
センサであって、ピエゾ電気ディスクトランスデューサ
を使用して体積検知振動周波数を発生するセンサを示し
た概略図。
【図4】 図1の制御器における流体流れ運動の電子回
路類推を示した概略図。
【図5】 低及び高体積流量に対して使用される流体加
速及び流体半サイクルタイミング領域の表示と共に弁開
放後の流体体積変位と時間との関係を示したグラフ図。
【図6】 加速モードと半サイクルタイミングモードと
の間の遷移においてヒステリシスを有する流量制御シス
テムの線形流量制御パラメータの関数としての弁パルス
周波数を示したグラグ図。
【図7】 ヒステリシスを有するモード遷移を示すと共
に図6の線形流量制御パラメータの関数としての弁パル
ス幅を示したグラフ図。
【図8】 図7に示したパルス幅に対応するボーラス
(塊)の体積を示したグラフ図。
【図9】 時間に関しての体積ターゲットラインを追従
するために流れを調整するための制御ソフトウエア方法
を示した概略ブロック図。
【図10】 ハイブリッド動作モードにおけるセンサ体
積変化に関連する上流側及び下流側弁パルスタイミング
を、供給源からの時折の最大ボーラス(塊)及びシンク
への頻繁な小さなボーラス(塊)を示した概略図。
【図11】 本発明システムの単一弁下流流れ制限器実
施例を示した概略図。
【図12】 図11の制御器における流体流れダイナミ
ックスに対応する電子回路を示した概略図。
【図13】 図11及び12のシステムに対しての弁タ
イミング及び体積サンプルタイミングと共に最大ボーラ
ス(塊)流れパルスを示した概略図。
【図14】 図13の最大ボーラス(塊)トレースに類
似した弁タイミング及び体積サンプルタイミングと共に
小さなボーラス(塊)流れパルスを示した概略図。
【符号の説明】
100 カセット 105 制御器 110 供給源 114 開閉部品 115 チャンネル 116 体積変位インターフェース 118 流体チャンネル 120 開閉部品 122 チャンネル 124 管 128 シンク 150 供給源ソレノイド推進器 152 直接体積変換装置 154 負荷ソレノイド推進器

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給源からシンクへの流体の流れを制御
    するシステムにおいて、 (a)送給可能な流体を収容する流体供給源へ結合可能
    な供給弁が設けられており、前記供給弁は前記供給源か
    らの前記送給可能な流体の流れを調整可能であり、 (b)前記供給弁をシンクへ接続する流体通路が設けら
    れており、 (c)前記流体通路へ結合可能な体積変位センサが設け
    られており、前記センサは変位を電気信号へ変換し、 (d)前記センサからの前記電気信号に応答する制御手
    段が設けられており、 前記制御器手段は、前記供給弁が前記送給可能な流体の
    制御した選択可能な塊体積を前記シンクへ送給するよう
    に前記供給弁を動作させる、ことを特徴とするシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記供給弁が前記流
    体供給源と前記体積変位センサとの間に位置されてお
    り、更に、前記体積変位センサ及び前記シンクの間に結
    合して第二弁が設けられており、前記制御器手段は前記
    シンクへの前記送給可能な流体の前記制御された選択可
    能な体積の送給を助けるために前記第二弁を動作させる
    ことを特徴とするシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記制御器手段が、
    前記流体の可変の規定した平均体積流量を与えるため
    に、制御可能な可変塊周波数において前記流体を前記シ
    ンクへ送給する手段を有していることを特徴とするシス
    テム。
  4. 【請求項4】 供給源からシンクへの送給可能な流体の
    流れを制御するシステムにおいて、シンク圧力が供給源
    圧力を超えている場合であって、 (a)前記供給源へ着脱自在なカセットが結合されてお
    り、前記着脱自在なカセットは供給弁と接触状態にある
    供給源開放/閉塞手段を有しており、 前記供給弁は流体通路を介して前記供給源の送給可能な
    流体供給源へ結合しており、 (b)再使用可能な制御器セクションが設けられてお
    り、前記セクションが、(i)前記流体通路へ結合され
    ており体積変位を電気信号へ変換させる体積変位センサ
    と、(ii)前記センサからの電気信号に応答する制御器
    手段であって、前記供給弁が前記送給可能な流体の制御
    された選択可能な塊体積を前記シンクへ送給するように
    前記供給弁を動作させる制御器手段、を有している、こ
    とを特徴とするシステム。
  5. 【請求項5】 請求項4において、更に、前記体積変位
    センサと前記シンクとの間に結合してシンク弁が設けら
    れており、前記シンク弁が前記送給可能な流体の前記制
    御した選択可能な体積を前記シンクへ送給することを助
    けるように前記制御器手段が前記シンク弁を動作させ、
    且つ前記着脱自在なカセットが前記シンク弁と接触状態
    にあるシンク開放/閉塞手段を有していることを特徴と
    するシステム。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記供給源開放/閉
    塞手段が供給弁アクチュエータ部品を有しており且つ前
    記シンク開放/閉塞手段がシンクアクチュエータ部品を
    有しており、前記アクチュエータ部品が前記供給弁及び
    前記シンク弁を迅速に開放及び閉塞させることを特徴と
    する手段。
  7. 【請求項7】 請求項4において、前記体積変位センサ
    が内部に非圧縮性体積転送流体を収容するセンサキャビ
    ティを有しており、前記非圧縮性体積転送流体は、前記
    送給可能な流体が前記供給源から前記シンクへ移動する
    場合に、前記送給可能な流体によって体積的に変位され
    ることを特徴とするシステム。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記センサキャビテ
    ィが、前記非圧縮性体積転送流体と前記送給可能な流体
    との間に障壁手段を有していることを特徴とするシステ
    ム。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記障壁手段が再使
    用可能な流体不透過性弾性物質を有していることを特徴
    とするシステム。
  10. 【請求項10】 請求項8において、前記体積変位セン
    サが、更に、前記障壁手段と前記送給可能な流体との間
    に体積変位インターフェースを有しており、前記体積変
    位インターフェースが前記非圧縮性体積転送流体と前記
    送給可能な流体との混合を防止していることを特徴とす
    るシステム。
  11. 【請求項11】 請求項6において、前記制御器セクシ
    ョンが、更に、前記供給弁及びシンク弁の開閉動作のタ
    イミングを決定する手段を有しており、前記決定する手
    段が、 (a)前記電気信号を体積の尺度へ変換する手段、 (b)前記体積の尺度及び前記タイミングの制御に応答
    して規定した平均体積流量を達成する計算手段、 (C)前記計算手段の一部として、前記体積の尺度から
    前記供給源から前記シンクへの体積転送の尺度を計算す
    る手段、 (d)前記計算手段の一部として、前記体積転送の尺度
    に応答すると共に前記規定した平均体積流量に応答し
    て、前記体積転送の尺度をして前記規定した平均体積流
    量を累積的に近似させるために前記供給弁及びシンク弁
    のタイミングを調節する手段、を有することを特徴とす
    るシステム。
  12. 【請求項12】 請求項11において、更に、前記供給
    弁及びシンク弁のタイミングを調節する手段の一部とし
    て、前記供給弁及びシンク弁のうちの開放状態にあるも
    のを介して前記体積変位センサへ及びそれからの体積の
    自然振動周期の約半分に対し送給可能な流体の流れを発
    生させるために弁開放タイミング周期を設定する手段が
    設けられていることを特徴とするシステム。
  13. 【請求項13】 請求項11において、更に、前記供給
    弁及びシンク弁のタイミングを調節する手段の一部とし
    て、前記供給弁及びシンク弁のうちの開放状態にあるも
    のを介して前記体積変位センサへ及びそれからの送給可
    能な流体の体積の自然周波数期間の実質的に半分未満に
    対して送給可能な流体の流れを発生させるために弁開放
    タイミング期間を設定する手段が設けられていることを
    特徴とするシステム。
  14. 【請求項14】 請求項11において、更に、前記電気
    信号を圧力の尺度へ変換させる手段が設けられており、
    且つ、前記計算手段の一部として、前記流体供給源及び
    前記流体シンクにおける圧力を決定する手段が設けられ
    ていることを特徴とするシステム。
  15. 【請求項15】 供給源からシンクへ送給可能な流体の
    信頼性があり且つ正確な体積を送給する方法において、 (a)流体供給源から体積変位センサへ送給可能な流体
    を送給し、 (b)体積変位を電気信号へ変換し、 (c)前記流体供給源から流体シンクへ前記送給可能な
    流体の制御された選択可能な塊体積を送給するために流
    体供給源調整手段の動作を制御する、上記各ステップを
    有することを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記流体供給源
    調整手段が、前記流体供給源と前記体積変位センサとを
    結合している供給弁を有しており、且つ前記送給可能な
    流体の送給を制御するステップが、前記供給弁を開閉制
    御することを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記流体供給源
    調整手段が、更に、前記体積変位センサと前記流体シン
    クとを結合しているシンク弁を有しており、且つ前記送
    給可能な流体の送給を制御するステップが、前記シンク
    弁を開放制御することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項17において、前記体積変位セ
    ンサのセンサキャビティで前記送給可能な流体と接触す
    ることによって前記供給源から前記シンクへ前記送給可
    能な流体が転送される場合に、前記送給可能な流体の体
    積変位を測定するステップを有していることを特徴とす
    る方法。
  19. 【請求項19】 請求項18において、前記センサキャ
    ビティが非圧縮性体積転送流体を有しており且つ前記非
    圧縮性転送流体と前記送給可能な流体との間に障壁手段
    が設けられていることを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項17において、更に、前記供給
    弁及びシンク弁の開閉タイミングを制御するステップを
    有しており、前記別開閉タイミング制御ステップが、 (a)前記電気信号を体積の尺度へ変換し、 (b)前記体積の尺度から前記送給可能な流体の規定し
    た平均体積流量を計算し、 (c)前記流体供給源から前記流体シンクへの流体体積
    転送の尺度を計算し、 (d)前記体積転送の尺度が前記平均体積流量と累積的
    に近似的に等価であるように前記供給弁及びシンク弁の
    開閉タイミングを調節する、ことを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 請求項20において、前記弁開閉タイ
    ミング調節ステップが、前記供給弁及びシンク弁のうち
    の開放状態にあるものを介して前記体積変位センサへ及
    びそれからの流体体積の自然振動周期の約半分に対して
    送給可能な流体の流れを発生させるための弁開放タイミ
    ング周期を設定するステップを有することを特徴とする
    方法。
  22. 【請求項22】 請求項20において、前記弁開閉タイ
    ミング調節ステップが、前記供給弁及びシンク弁のうち
    の開放状態にあるものを介して前記体積変位センサへ及
    びそれからの流体の体積の自然振動周期の実質的に半分
    未満に対して送給可能な流体の流れを発生させるために
    弁開放タイミング周期を設定するステップを有している
    ことを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 請求項20において、更に、前記電気
    信号を圧力の尺度へ変換させ且つ前記流体供給弁におけ
    る圧力及び前記流体シンクにおける圧力を決定するステ
    ップを有することを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 供給源からシンクへの流体の流れを制
    御するシステムにおいて、 (a)前記供給源を前記シンクへ結合させる流体通路、 (b)前記流体通路へ結合可能な弁であって、前記流体
    通路内の送給可能な流体の流れを調整することの可能な
    弁、 (c)前記流体通路へ結合可能な体積変位センサであっ
    て、前記流体の変位を電気信号へ変換することの可能な
    体積変位センサ、 (d)前記センサからの電気信号に応答する制御器手段
    であって、前記弁が前記送給可能な流体の制御された選
    択可能な塊体積を前記シンクへ送給するように前記弁を
    動作可能な制御器手段、を有することを特徴とするシス
    テム。
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