JPH10103374A - ピン型同期装置 - Google Patents

ピン型同期装置

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JPH10103374A
JPH10103374A JP9248339A JP24833997A JPH10103374A JP H10103374 A JPH10103374 A JP H10103374A JP 9248339 A JP9248339 A JP 9248339A JP 24833997 A JP24833997 A JP 24833997A JP H10103374 A JPH10103374 A JP H10103374A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジョーメンバー用の改良された軸方向のリテ
ーナを備えたピン型同期装置を提供すること。 【解決手段】 摩擦リング(46、48) と、リテーナ(44)に
よって互いに軸方向に固定されたジョーメンバー(34、3
6) と、ジョークラッチの非同期係合を阻止するために
3個の周方向に配置されたブロッカショルダを有するピ
ン(50)と、シフトフランジ(42)の初期の係合移動に対応
させて摩擦リングとブロッカショルダとの初期の係合を
確実にするプレエナージャイザアセンブリ(52)と、及び
自動補力ランプ( 62a-62d)とを有するピン型同期機構(1
0)において、改良された複数のリテーナ(44)を含む第1
手段を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速機用のピン型
同期装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】すべての変速ギア比あるいはいくつかの
変速ギア比のシフト時間を減少させるために同期機構が
使用されていることは、多段速度比変速機において良く
知られていることである。また、車両オペレータに要求
されるシフト効果、即ち、シフトレバーに適用される力
は、自動補力型(self-energizing type)の同期機構を使
用することによって減少されることも良く知られてい
る。一般に、オペレータのシフト効果は車両サイズと共
に増加するので、自動補力型の同期機構は、特に、重量
トラックにとって重要である。同期装置の先行技術例
は、米国特許第5078244号、米国特許第5092
439号及び米国特許第5339936号に示されてお
り、これらは本発明に参照される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジョ
ーメンバー用の改良された軸方向のリテーナを備えたピ
ン型同期装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、米国特
許第5092439号で説明され、また請求項1に先行
技術として記載されているようなピン型同期装置は、摩
擦的に同期させるために選択的に操作され、軸の軸線に
相対的に回転するように装着された第1及び第2ドライ
ブの一方にかみ合い連結されるようなピン型同期装置を
含む。同期装置は、第1及び第2のドライブの各々に対
応させて取付けられ、またこれらのドライブ間に位置さ
れ軸方向に可動な第3及び第4のジョーメンバーにそれ
ぞれ係合可能な第1及び第2のジョーメンバーを有して
いる。第3及び第4のジョーメンバーは、軸に形成され
た外側スプラインに非相対的に回転するようにスライド
可能に噛み合う内部スプラインを有している。第1及び
第2のコーン摩擦リングは、第1及び第2ドライブの各
々と一緒に回転するように取付けられている。第3及び
第4コーン摩擦リングは軸と同中心であり、ドライブを
軸に同期させるように同期トルクを与えるために、第1
及び第2摩擦リングの各々に摩擦係合するためにドライ
ブ間で軸方向に可動である。放射方向に伸びるフランジ
は、第3及び第4ジョーメンバー間で、かつ、第3及び
第4摩擦リング間に位置する軸方向で反対側に面する側
面を有しており、フランジに適用される両軸方向のシフ
ト力(F0 )に対応させてジョーメンバー及びリングを
軸方向に移動させる。ブロッカ手段は、同期に先立っ
て、ジョーメンバーの係合を阻止するように係合される
時に操作される。ブロッカ手段は、第3及び第4摩擦リ
ング間で、かつ、フランジ内の第1セットの開口内に軸
方向に延びるように固定され、周方向に間隔をあけて配
置された複数のピンを有している。各々のピンは、協同
する開口に形成されたブロッカショルダに係合可能なブ
ロッカショルダを有している。第1手段は、第3及び第
4ジョーメンバーに関して軸方向の動きに対抗するよう
にフランジに固定される。
【0005】本発明の特徴とする改良点は、周方向に間
隔をあけて配置された、複数のリテーナを含む第1手段
を構成することである。各々のリテーナは、第3及び第
4ジョーメンバーの放射方向外側部分に配置される軸方
向に延びる部分、及び第3及び第4ジョーメンバーの軸
方向で反対に面する部分を抱き込む、軸方向に離して配
置され放射方向内側に延びる部分を有する。各々の軸方
向に延びる部分は、リテーナの放射方向外方への移動を
制限するために、第3及び第4摩擦リングの放射方向内
側部分に接してスライドするように配置された、軸方向
に離れて配置され放射方向外側に面する部分を有してい
る。
【0006】
【発明の実施の形態】ここで使用されている“クラッチ
同期機構”という用語は、かみ合いクラッチ手段により
軸に選択比ギヤを非回転可能に連結するために使用され
るクラッチ機構、つまり、かみ合いクラッチ部材が、か
み合いクラッチと協同する同期摩擦クラッチによって実
質的に同期回転になるまで意図するかみ合いクラッチの
係合を阻止するクラッチ機構を意味している。“自動補
力(self-energizing) ”とは、摩擦クラッチの同期トル
クに比例して同期クラッチの係合力を増加させる、ラン
プ、カムまたは同等のものを有する、クラッチ同期機構
を意味している。
【0007】図面を参照すると、ギア及び軸線12aに
関して変速機に回転可能に装着される軸12を有する同
期組立体10、軸方向に離して配置したドライブまたは
ギア14、16、及び複動同期装置22が示されてい
る。軸12は、ギアを回転可能に支持する円筒状表面1
2b、12c、及び円筒状表面の直径より大きい直径の
外周面を有する環状部材12dを有している。環状部材
は、軸方向で反対に面する肩部12e、12fを経てギ
アを分離する軸方向長さを有しており、該肩部は、ギア
が互いに軸方向に近づくように移動することを制限して
いる。ギアの軸方向の互いに離れる方向の移動は、従来
周知の方法で制限されている。環状部材は軸にリングを
固着することにより形成するか、或は図示されるよう
に、軸と一体に形成される。環状部材の外周面には、外
側スプライン12g、環状部材の軸方向長さと等しい軸
方向長さを有する3個の溝18、及び、以下に説明され
る、自動補力ランプ20a、20b、20c、20dが
形成されている。溝はいくつかの隣接するスプライン1
2gを取り除いて、簡単な機械加工により自動補力ラン
プを形成している。
【0008】同期機構22は、ギア14、16に一体に
形成された摩擦リング26、28及びジョーメンバー3
0、32、環状部材12dの外周面に形成された外側ス
プラインにスライド可能に噛み合う内側スプライン3
8、40を有するジョーメンバー34、36、ジョーメ
ンバー34、36の軸方向に対向する表面34a、36
aの間に挟み込まれ軸方向で反対に面する側面42a、
42bを有する放射方向に延びるシフトフランジ42、
軸方向移動に対抗するようにフランジとジョーメンバー
を固定する3個の軸方向に延びるリテーナ44、3個の
周方向に離れて配置され、摩擦部材の各々からフランジ
の開口42cを通って軸方向に延びているピン50によ
り互いに固定された環状摩擦リング46、48、及び3
個のプリエナージャイザアセンブリ(pre-energizer ass
emblies)52から構成されている。アセンブリ52は図
3のみに示されている。
【0009】摩擦リングはコーン摩擦面26a、46a
及び28a、48aを有しており、ジョーメンバーの係
合に先立って軸に対してギアを摩擦的に同期させるよう
に係合する。リング46、48は、3個の周方向に離さ
れ、軸方向に開口し、周方向に細長い溝46b、48
b、6個の周方向に離され、放射方向内側に開口し、摩
擦リング46、48を通って軸方向に延びる溝46c、
48cを有している。余分の溝46c、48cは摩擦リ
ング46、48の交換可能性を容易にする。更に、以下
に説明するように、溝46b、48bは、プリエナージ
ャイザアセンブリの端部を受け入れ、溝46c、48c
はリテーナ44を受け入れている。コーン角度の広い範
囲が使用され、ここでは、7.5度のコーン角度が用い
られている。摩擦面46a、48a及び/または26
a、28aは、ベース部材に取付けられた公知の摩擦部
材で、ここでは、米国特許第4700823号、米国特
許4844218号及び米国特許第4778548号に
説明されているような、熱分解性のカーボン摩擦部材(p
yrolytic carbon friction materials) が用いられてい
る。これらの特許は本発明に参照される。
【0010】ピン50は、フランジ開口42cより少し
大きい直径の大径部50a、摩擦リング46、48間に
配置される縮径部または溝部50b(ここでは中間
部)、及びピン軸に垂直な平面に対してある角度で、ピ
ン軸から放射方向外側に延びるように、かつ、互いに軸
方向に離れるような、円錐形のブロッカショルダ(conic
alblocker shoulders) または面50c、50dを有し
ている。溝部は、対応するフランジの開口内に配置され
る時、フランジの開口42cに形成された面取りされた
ブロッカショルダとピンのブロッカショルダを効果的に
係合させるように、固定された摩擦リングとピンアセン
ブリとの制限された回転を許容している。ピンは、従来
周知の方法で摩擦リング46、48に固定されている。
【0011】プリエナージャイザアセンブリ52は、前
述の米国特許第5339936号に詳細に示され説明さ
れているように、分離したピン型である。各々のプリエ
ナージャイザアセンブリは、開口42cの間に交互に間
隔をあけて設けられている開口42dを通して摩擦リン
グ46、48の間で軸方向に延びている。図3に示すよ
うに、各々のプリエナージャイザアセンブリは、2つの
同一のシェル54と、該シェルの間に挟まれて該シェル
を離れる方向に付勢する少なくとも2つの同一のリーフ
スプリング56と、リーフスプリングの端部56a全体
を伸縮自在にはめ込む2つのリテーナ58と、各々の摩
擦リング46、48の長円形の溝46b、48b内に配
置される長円形のカップ状部材60を有している。長円
形のカップ状部材60及び溝46b、48bは、摩擦リ
ングの周方向に延びており、シェル54の対向する端部
54aの滑動を許容するように摩擦リングの放射方向に
十分な径を有している。各々の対のシェル54は、面取
りされた端面54cを有する半環溝54b及び端部54
aが共に押圧される時、協同する開口42dの直径より
も小さい大径を有している。端部54aは摩擦リング4
6、48に対して反作用し、面取り部54cは、フラン
ジ42の初期の係合移動に対応してフランジ42内の開
口42dの面取り部に対して反作用する。カップ状部材
60は、摩擦リング46、48と端部54aとの間を耐
摩耗性材料を提供するようにしっかりと連結する。例え
ば、カップ状部材は、鋼から作られ、また摩擦リングは
アルミニュウムまたは比較的柔らかい材料から作られ
る。
【0012】前述したように、ジョーメンバー34、3
6は、軸に取付けられた外側スプライン12dにスライ
ド可能に噛み合う内側スプライン38、40を有してい
る。外側スプラインは軸の軸線に平行に延びるフランク
面を有しており、ジョーメンバーのスプラインと軸のフ
ランク面との噛み合いによって互いの回転を阻止してい
る。
【0013】更に、フランジ42は、反対面から軸方向
に延びるスチフナリング42e、42f、及び、軸の環
状部材12dの外周面の溝18内に放射方向内側に突出
するように自動補力歯62を有している。各々の歯62
は、対応する自動補力ランプ面20a、20b、20
c、20dと協同し或は反作用する自動補力面62a、
62b、62c、62dを有している。各々のスチフナ
リングは、ジョーメンバー34、36の環状の放射方向
外側の面34c、36cを受け入れる放射方向内側の面
42hを有している。スチフナリングは、製作中或は使
用中において、フランジ42の軸方向歪みを減少させ
る。ランプ面は、ジョーメンバー34、36及び軸12
に関してフランジの制限された回転を許し、フランジ4
2に適用されるシフト力によって最初に係合されるコー
ンクラッチの係合力を増加させ、コーンクラッチにより
供給される同期トルクを増加させて、付加的な軸方向の
自動補力フォース(self-energizing force)を供給する
ように、コーンクラッチと軸との間の同期トルクに反作
用する。ランプ面は、一方のまたは両方のギアに同期力
を増加させるように、及び/または、アプシフト及びダ
ウンシフトに遭遇するように、どちらの方向でもトルク
に対応させて同期力を増加させるようにする。
【0014】リテーナ44の各々は、ジョーメンバー3
4、36の放射方向外側の部分34b、36bに配置さ
れる軸方向に延びる部分44a、及びジョーメンバー3
4、36の軸方向の反対側の面34c’、36c’を抱
き込む、軸方向に離されて配置され放射方向内側に延び
る部分44bを有している。リテーナは、制限された相
対回転を許容するようにフランジ42の開口42eを通
って緩く延びている。各々の軸方向に延びた部分は、摩
擦リングの溝46c、48cに受け入れられる、軸方向
に離れて配置され放射方向外側に面する部分44cを有
しており、溝の放射方向内側に面する部分に接してスラ
イドする。部分44cは、溝の内側に面する部分でスラ
イドして、そこにとどまるように十分に長い。図2に示
すように、ギア14、16は、ジョーメンバーが係合さ
れる時リテーナの端部を受け入れるために、軸方向に延
びる溝14a、16aを有している。溝46c、48c
の放射方向に延びる側部はリテーナを周方向に間隔を置
いて保持する。軸12に取付けられたランプ面20a、
20bは、フランジの歯62の対向するランプ面62
a、62bに反作用し、どちらの方向でもトルクに対応
させてギア16の同期割合及び/またはシフト量を増加
させ、またはアシストするように付加的な軸方向の力を
生ずる。ランプ面20c、20dは、ランプ面62c、
62dの各々に反作用し、どちらの方向でも同期トルク
に対応させて、ギア14に付加的な軸方向の力を与え
る。ランプ面の角度は、アップシフト及びダウンシフ
ト、高速比及び低速比で付加的な軸方向力を変化させ
る。また、もし1つのギア或はそれ以上のギアに対して
一方向に付加的な軸方向力がなければ、ランプ面は軸の
軸線に平行となり、即ち、効果的なランプ面は提供され
ない。以下に説明されるように、付加的な軸方向力の大
きさ或は量は、摩擦クラッチと自動補力ランプの平均半
径比の関数である。したがって、シフトフォークによっ
てシフトフランジ42に適用されるシフト力を与えるた
めに加えられる力の大きさは、ランプ角度及び/または
平均半径比を変化させることによって変えられる。
【0015】フランジ42が図1の中立位置にある時
は、ピン50の縮径部50bは、協同するフランジの開
口42cと共に放射方向に整列されており、コーンクラ
ッチの摩擦面はわずかに離されて配置され、スプリング
56の力でフランジの開口42dに作用する、プレエナ
ージャイザー52の面取りされた或は角度をつけられた
面54cに関してその間隔で維持されている。プレエナ
ージャイザーの面により生ずる軸方向の力は、コーンク
ラッチの表面の間でオイルの粘性剪断のために自動補力
ランプによるフランジ上のいかなる付加的な軸方向力に
も十分に反作用する。軸に対してどちらかのギアを連結
しようとする時は、米国特許第4920815号に示さ
れているような良く知られた方法で、適当な図示しない
シフト機構がフランジ42の外周に連結され、ギア14
に連結させるために左に、或はギア16に連結させるた
めに右に、軸12上の軸線に沿って軸方向にフランジを
移動させる。シフト機構は、リンク機構を介してオペレ
ータにより手動的に動かされるか、アクチュエータによ
って選択的に動かされるか、或は、シフト機構を自動的
に始動させ、シフト機構によって適用される力の大きさ
を制御する手段によって動かされる。シフト機構が手動
的に動かされる時は、オペレータによりシフトレバーに
適用される力に比例する。手動的に或は自動的にかかわ
らず、力はフランジ42に対して軸方向に適用され、図
8において矢印F0 の長さで示される。
【0016】オペレータのシフト力F0 によるフランジ
の軸方向右側への移動は、コーン面48aとコーン面2
8aとを摩擦係合させるために、プレエナージャイザー
面54cによってピン50に伝達される。コーン面の初
期の係合力は、スプリング56の力及びプレエナージャ
イザー面の角度が機能する。初期の摩擦係合(非同期状
態が存在し、一瞬、自動補力ランプの効果を無能にす
る)は、フランジ42と係合した摩擦リングとの間の制
限された相対回転を保証する、初期のコーンクラッチ係
合力と同期トルクT0 を生ずるので、フランジの開口4
2cの側面に対するピンの縮径部分50bの移動は、ピ
ンブロッカショルダ50dと開口42cに配置されたブ
ロッカショルダとを係合させる。ブロッカショルダが係
合される時、フランジ42上のオペレータの全シフト力
0 は、ブロッカショルダを経由して摩擦リング48に
伝達されるので、コーンクラッチは、オペレータのシフ
ト力F0 の全力で合成されたオペレータの同期トルクT
0 を生ずるように係合される。このオペレータの同期ト
ルクT0 は、図8において矢印T0 で表される。ブロッ
カショルダは、オペレータのシフト力F0 の軸方向に関
して角度を有しているので、コーンクラッチからの同期
トルクに対抗するが、非同期状態ではより少ない大きさ
の反対の力またはアンブロッキングトルクを生ずる。図
2に示すように、実質的な同期に到達すると、同期トル
クはアンブロッキングトルク以下に低下するので、ブロ
ッカショルダは、ピンを開口42cと同心に移動させ、
引き続きフランジを軸方向に移動させ、また、ジョーメ
ンバー36の内側スプライン/ジョー40とジョーメン
バー32の外側スプライン/ジョーとを係合させる。ス
プライン/ジョーは、米国特許第3265173号及び
米国特許第4246993号に示されるように形成され
ている。これらの特許はここに参照される。
【0017】自動補力ランプの効果を無視したとして
も、力F0 によって生ずるコーンクラッチトルクは式
(1)により表される。 T0 −F0C μC /sinα・・・(1) ここで、 RC =コーン摩擦面の平均半径 μC =コーン摩擦面の摩擦係数 α =コーン摩擦面の摩擦角度
【0018】特に、図6及び図7を参照して、自動補力
ランプの作用についてみると、オペレータが軸方向のシ
フト力F0 を適用することによる同期トルクT0 は、ピ
ン50によってフランジ42に伝達され、自動補力ラン
プ面を横切るように軸12に反作用する。係合される
時、自動補力ランプ面は、軸12及びジョーメンバー3
4、36に関するフランジの回転を制限し、軸方向力成
分または付加的力Fa を、シフト力F0 と同じ方向にフ
ランジに作用させ、これらの力の合計、即ち全力Ft
よって、更に、トルクT0 に加えて付加的同期トルクT
a の合計の全トルクTt がコーンクラッチの係合力とし
て増加される。図6は、シフトフランジ42が図1の位
置に対応する中立位置にある時の自動補力ランプ面の位
置を示している。図7は、ギア16がコーン面28a、
48aの係合によって同期されている時のランプ及びス
プラインの位置を示している。係合されたコーン面は、
フランジのランプ面62aと軸のランプ面20aとを効
果的に係合させる方向に同期トルクを生じている。それ
故に、図8に示すように、コーンクラッチを係合させる
ための軸方向の力の合計は、F0 にFa を加えたものと
なり、コーンクラッチによって生ずる同期トルクの合計
は、T0 にTa を加えたものとなる。オペレータにより
シフト力F0 及び同期トルクT0 が与えられると、軸方
向の付加的力の大きさは、係合される自動補力ランプ面
の角度の関数となる。この角度は、同期トルクを有効に
増加させ、また、オペレータによる最適なシフトに対応
させて同期時間を減少させるために、十分な大きさの付
加的力Fa を生ずるためには十分である。しかしなが
ら、この角度は、制御された軸方向付加力Fa 、即ち、
力F0 の増減に対応して増減する力Fa を生ずるために
は低すぎる。もしランプ角度が大き過ぎると、ランプ
は、セルフエナージャイジングよりはむしろセルフロッ
キングする。それゆえ、一旦、コーンクラッチの初期係
合が生ずると、力F0 とは無関係に力Fa が急速に制御
不可能に増加され、制御されないロックアップに向けて
コーンクラッチを駆動する。自動補力よりはむしろセル
フロッキングがシフト量またはシフト感を減少させ、同
期装置の構成部材にオーバーストレスを与え、オーバー
ヒートの原因となり、コーンクラッチ表面の急速な摩
耗、また、オペレータによるシフトレバーの移動を無効
にさえする。
【0019】自動補力ランプ角度を計算するための主な
変数及び方程式は、前述の米国特許第5092439号
に示されている。
【0020】本発明は、ピン型の同期装置の形態として
説明されてきた。添付された請求の範囲は、開示された
同期装置の発明部分を含んでおり、変更や修正は本発明
の精神の範囲内に含まれることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の複動同期機構の中立位置を示
す断面図である。
【図2】図2は、右方向で係合された図1の同期装置を
示す図である。
【図3】図3は、図1の同期機構の部品の詳細な分解図
である。
【図4】図4は、図1における軸部の詳細図である。
【図5】図5は、図4の5−5線断面矢視図である。
【図6】図6は、シフトフランジが中立位置にある時の
図4の6−6線に沿った矢視図である。
【図7】図7は、図4の6−6線に沿った矢視図であ
り、図3に示す自動補力ランプが噛み合わされている図
である。
【図8】図8は、同期装置のシフトフランジに作用する
軸方向力とトルクを図示的に表している。
【符号の説明】
12 シャフト 14、16 第1及び第2ドライブ 22 ピン型同期装置 26、28 第1及び第2コーン摩擦リング 30、32 第1及び第2ジョーメンバー 34、36 第3及び第4ジョーメンバー 42 フランジ 44 リテーナ 46、48 第3及び第4コーン摩擦リング 50 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390033020 Eaton Center,Clevel and,Ohio 44114,U.S.A. (72)発明者 ティモシー スコット スミス アメリカ合衆国 ミシガン 49004 カラ マズー パーチモント アベニュー 2620

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸(12)の軸線(12a) に相対的に回転する
    ように装着された第1及び第2ドライブ(14、16) の一方
    と摩擦的に同期させ、噛み合い連結させるために選択的
    に操作されるピン型同期装置(22)であって、 第1及び第2ドライブ(14、16) の各々に取付けられ、か
    つ、ドライブ間に配置され、軸(12)に取付けられた外側
    スプライン(12g) に非相対的に回転するようにスライド
    可能に噛み合わされている内側スプライン(38、40) を有
    する、軸方向に可動の第3及び第4のジョーメンバー(3
    4、36) の各々と係合可能な第1及び第2ジョーメンバー
    (30、32) ;第1及び第2ドライブの各々と一緒に回転す
    るように固定された第1及び第2コーン摩擦リング(26、
    28) 、及びドライブと軸とを同期させるために同期トル
    クを生ずるように第1及び第2摩擦リングとそれぞれ摩
    擦係合する、軸と同中心でドライブ間で軸方向に可動の
    第3及び第4のコーン摩擦リング(46、48) ;第3及び第
    4ジョーメンバー(34、36) の間で、かつ、第3及び第4
    摩擦リング(46、48) の間に配置され、フランジに適用さ
    れる両軸方向のシフト力(F0)に対応してジョーメンバー
    及びリングを軸方向に移動させる、軸方向で反対に面す
    る側面(42a、42b) を有する放射方向に延在するフランジ
    (42);同期させる前に、ジョーメンバー(30、38及び32、4
    0)の係合を阻止するように係合される時に操作されるブ
    ロッカ手段(50c、50d) であって、該ブロッカ手段は、周
    方向に離して配置され、第3及び第4摩擦リング(46、4
    8) 間で軸方向に延在するように固定され、かつ、フラ
    ンジの第1セットの開口(42c) 内に配置される複数のピ
    ン(50)を有しており、各々のピンは、協同する開口(42
    c) に形成されたブロッカショルダと係合可能なブロッ
    カショルダ(50c、50d) を有しており;第3及び第4ジョ
    ーメンバーに関連する軸方向の動きに対抗するようにフ
    ランジに固定される第1手段(44);を備えているピン型
    同期装置において、 第1手段は周方向に離して配置された複数のリテーナ(4
    4)を有しており、各々のリテーナは、第3及び第4ジョ
    ーメンバーの放射方向の外側部分(34b、36b) に配置され
    る軸方向に延びる部分(44a) 、第3及び第4ジョーメン
    バー(34、36) の軸方向で反対に面する部分を抱き込む、
    軸方向に離して配置され放射方向内側に延びる部分(44
    b) 、及び、各々の軸方向に延びる部分は、リテーナの
    放射方向外側への移動を制限するために、第3及び第4
    摩擦リング(46、48) の放射方向の内側部分(46c、48c) に
    接してスライドするように配置された、軸方向に離して
    配置され、放射方向外側に面する部分(44c) を有してい
    ることを特徴とするピン型同期装置。
  2. 【請求項2】 軸方向に離して配置され、放射方向外側
    に面する部分(44c)は、第1及び第3(30、38) または第
    2及び第4(32、40) のいずれかのジョーメンバーが係合
    される時に、第3及び第4摩擦リングの放射方向の内側
    部分(46a、48a) に関連してスライドするようにとどまる
    ことを特徴とする請求項1記載のピン型同期装置。
  3. 【請求項3】 第3及び第4摩擦リング(46、48) の各々
    は、放射方向内側に開口し、かつ周方向に離れて配置さ
    れた溝(46c、48c) を有しており、該溝に、リテーナを周
    方向に離して保持するように、軸方向に延びるリテーナ
    をスライド可能に受け入れていることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載のピン型同期装置。
  4. 【請求項4】 第3及び第4摩擦リング(46、48) は、互
    いに交換できるように、リテーナ(44)より少なくとも2
    倍の数の放射方向内側に開口する溝(46c、48c) を有する
    ことを特徴とする請求項3記載のピン型同期装置。
  5. 【請求項5】 第1及び第2のドライバ(14、16) は、ジ
    ョーメンバーが係合される時、リテーナ(44)の端部を受
    け入れる軸方向に延びる溝(14a、16a) を有することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピン型同期装
    置。
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