JPH10101863A - 成形材料 - Google Patents

成形材料

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JPH10101863A
JPH10101863A JP27892696A JP27892696A JPH10101863A JP H10101863 A JPH10101863 A JP H10101863A JP 27892696 A JP27892696 A JP 27892696A JP 27892696 A JP27892696 A JP 27892696A JP H10101863 A JPH10101863 A JP H10101863A
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JP
Japan
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olefin
polymer
polypropylene
weight
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JP27892696A
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English (en)
Inventor
Koji Minami
幸治 南
Teiji Obara
禎二 小原
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧蒸気滅菌によっても白化し難いα−オレ
フィン系重合体からなる成形材料を提供すること。 【解決手段】 α−オレフィン系重合体100重量部に
対して、耐白化性改良剤として、ゴム状重合体0.01
〜1.5重量部を含有せしめてなることを特徴とする成
形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−オレフィン系
重合体を主体とする成形材料に関し、さらに詳しくは、
高圧蒸気滅菌によっても白化し難い透明感の良好な成形
物を与えることができるα−オレフィン系重合体成形材
料に関する。本発明の成形材料は、医療用機器・用具な
どの高圧蒸気滅菌される成形物の分野で好適に使用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、フッ素樹脂などのプラ
スチック材料は、例えば、採血分離器具や検査用プレー
ト等の検査用器具、各種人工臓器、カテーテル、チュー
ブ、血液バッグ、輸液バッグ、輸液・血セット、注射
筒、注射針、薬品容器、あるいはコネクター、活栓、プ
ラグ等の付属品などの医療用機器・用具(以下、「医療
用具」と略記)の分野において、成形材料として使用さ
れている。近年、医療用具の病院内における細菌、ウイ
ルスの感染が深刻な問題となり、感染防止のために、1
回限りの使用を目的とするディスポーザブル医療用具の
重要性が高まっている。そのため、従来のガラス製や金
属製の医療用具の多くも、安価で、使い捨て可能なプラ
スチック製のものに置き換えられている。
【0003】医療用プラスチック材料の中でも、ポリプ
ロピレンは、安価で、耐薬品性、耐湿性、耐熱性、衛生
適合性などが良好であるため、各種医療用具の成形材料
として汎用されている。また、ディスポーザブル医療用
具の成形材料としても好適である。しかしながら、ポリ
プロピレン製の医療用具は、高圧蒸気滅菌すると、白化
するという問題があった。
【0004】医療用具にとって、無菌性は、必須の要件
である。工業生産される医療用具には、通常、EOG
(エチレンオキシドガス)滅菌法、γ線滅菌法または高
圧蒸気滅菌法による滅菌が適用されている。これらの滅
菌法の中で、EOG滅菌法は、殆ど全てのプラスチック
材料に適用できるものの、強い殺菌力を持つEOは、一
方では強い毒性を持っており、粘膜や皮膚に対する刺激
性、溶血性、変異原性を有する。残留EOガスによるE
Oアレルギーや好酸球増加症との関連が指摘されてい
る。そのため、通気性の包装を必要としたり、残留EO
ガスを離脱させるための条件制御が難しいという問題が
ある。γ線滅菌法は、γ線の照射効果が微生物に対して
だけではなく、プラスチック材料に対しても、高分子鎖
の分解または架橋を起こし、材質を変化させるという問
題があり、耐放射線性に優れたプラスチック材料を使用
することが必要となる。ポリプロピレンは、γ線の照射
によって、着色や脆化が起こる。高圧蒸気滅菌法は、日
本薬局方では、オートクレーブ中で、飽和水蒸気によ
り、115℃、30分間の条件での滅菌が規定されてい
る。高圧蒸気滅菌法を適用するプラスチック材料には、
滅菌工程中に失透や変形がないこと、外観、形状、強度
が安定していること、さらには溶出物などが増大せずに
化学的に安定していることなど、高度の耐熱性が要求さ
れる。ところが、ポリプロピレン製の医療用具は、耐熱
性が比較的良好であるものの、高圧蒸気滅菌法を適用す
ると、白化する現象がみられる。
【0005】プラスチック材料からなる医療用具が高圧
蒸気滅菌により白化すると、壁面を通して内容物を視認
することが難しく、注射剤などの薬品への異物の混入な
どの判断が困難となる。しかし、高圧蒸気滅菌法は、最
も簡便な滅菌法であり、他の滅菌法に比べて、残留ガス
の付着がなく、高分子鎖の分解や架橋による劣化もない
ため、ポリプロピレン製の医療用具に対しても、その適
用が望ましい。
【0006】また、従来、医療用材料のポリプロピレン
として、アイソタクチックポリプロピレンが使用されて
いるが、アイソタクチックポリプロピレンは、容器やチ
ューブなどの成形物にした場合、やや白濁したような外
観を示し、透明性が不足していた。これに対して、最近
の合成技術の発展により、シンジオタクチックポリプロ
ピレンの製造技術が確立されてきた。シンジオタクチッ
クポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレン
に比べて、透明性が高く、容器やチューブなどの成形物
とした場合、壁面を透して内容物を視認しやすいという
長所を持っている。しかし、シンジオタクチックポリプ
ロピレンは、従来のアイソタクチップポリプロピレンと
同様、その成形物を高圧蒸気滅菌すると、白化して透明
性が損なわれるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高圧
蒸気滅菌によっても白化し難いα−オレフィン系重合体
からなる成形材料を提供することにある。本発明者ら
は、前記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討を行っ
た結果、α−オレフィン系重合体に、限定された極めて
少量の範囲内のゴム状重合体を含有せしめたところ、高
圧蒸気滅菌に起因する白化現象を効果的に抑制できるこ
とを見いだした。
【0008】高い透明性が要求される分野には、α−オ
レフィン系重合体として、シンジオタクチック構造を有
するポリプロピレンの単独重合体やエチレン−プロピレ
ン共重合体、あるいはシンジオタクチックポリプロピレ
ンとアイソタクチックポリプロピレンとのブレンド物な
どを使用することが好ましい。本発明は、これらの知見
に基づいて完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、α−オレフィン系重合体100重量部に対して、耐
白化性改良剤として、ゴム状重合体0.01〜1.5重
量部を含有せしめてなることを特徴とする成形材料が提
供される。また、本発明によれば、以下のような好まし
い発明の態様が提供される。 1.α−オレフィン系重合体が、シンジオタクチック構
造を有するものである前記の成形材料。 2.α−オレフィン系重合体が、シンジオタクチック構
造を有するポリプロピレンである前記の成形材料。 3.シンジオタクチック構造を有するポリプロピレン
が、その13C−NMR法により求められるシンジオタク
チックペンタッド分率が0.7以上、好ましくは0.7
5以上のものである前記の成形材料。 4.シンジオタクチック構造を有するポリプロピレン
が、ポリプロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレ
ンとの共重合体、またはプロピレンとその他のα−オレ
フィンとの共重合体である前記の成形材料。 5.α−オレフィン系重合体が、シンジオタクチック構
造を有するポリプロピレン5〜95重量%と、アイソタ
クチック構造を有するポリプロピレン95〜5重量%と
のブレンド物である前記の成形材料。 6.ゴム状重合体が、エチレン・α−オレフィン共重合
体ゴムである前記の成形材料。 7.ゴム状重合体の割合が0.1〜1.0重量部である
前記の成形材料。 8.医療用成形材料である前記の成形材料。 9.α−オレフィン系重合体100重量部に対して、ゴ
ム状重合体0.01〜1.5重量部を配合することを特
徴とする耐白化性改良方法。
【0010】本発明において、耐白化性とは、α−オレ
フィン系重合体からなる成形物が通常の高圧蒸気滅菌法
による滅菌処理を受けた場合に、白化現象が抑制される
ことを意味し、耐白化性改良剤とは、α−オレフィン系
重合体に添加することにより耐白化性を改良する機能を
有する物質を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】α−オレフィン系重合体 本発明で使用されるα−オレフィン系重合体は、樹脂工
業において一般に使用されているα−オレフィンの
(共)重合体である。α−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセンな
どの炭素数が3〜20のα−オレフィンが挙げられる。
【0012】α−オレフィン系重合体としては、これら
のα−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフ
ィンの共重合体、α−オレフィンとエチレンとの共重合
体などが挙げられ、さらには、シクロペンテン、ノルボ
ルネンなどの環状オレフィンやヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなど
のジエン類などをコモノマーとして少量使用した共重合
体が挙げられる。
【0013】これらのα−オレフィン系重合体の中で
も、高圧蒸気滅菌法を適用しても、熱変形がなく、形
状、強度が安定しているものが好ましい。より具体的に
は、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、
プロピレンとその他のα−オレフィンとの共重合体など
のポリプロピレン系重合体などが好ましい。エチレンや
その他のα−オレフィンなどの共重合割合は、好ましく
は10重量%以下、より好ましくは7重量%以下であ
る。
【0014】また、α−オレフィン系重合体は、シンジ
オタクチック構造を有するものが、透明性や機械的強度
特性に優れるので、特に好適である。シンジオタクチッ
ク構造有するα−オレフィン系重合体としては、炭素数
が3〜20のα−オレフィンの(共)重合体が挙げら
れ、好ましくはシンジオタクチック構造を有するポリプ
ロピレンである。シンジオタクチックポリプロピレンと
しては、プロピレンの単独重合体のみならず、プロピレ
ンとエチレンとの共重合体、プロピレンとその他のα−
オレフィンとの共重合体などを挙げることができる。プ
ロピレン共重合体には、環状オレフィンやジエン類が少
量使用されているものも含まれる。この場合も、エチレ
ンやその他のα−オレフィンなどの共重合割合は、好ま
しくは10重量%以下、より好ましくは7重量%以下で
ある。
【0015】このシンジオタクチックポリプロピレン
は、例えば、特開平2−41303号公報、特開平2−
41305号公報、特開平2−274703号公報、特
開平274704号公報、特開平3−179005号公
報、特開平3−179006号公報、特開平4−693
94号公報に記載されている方法によって製造すること
ができる。具体的には、互いに非対称な配位子を有する
架橋型遷移金属化合物及び助触媒からなる触媒系を用い
て、スラリー重合、塊状重合、気相重合などの方法を用
いて製造することができる。
【0016】本発明で使用されるシンジオタクチックポ
リプロピレンは、その13C−NMRによって測定されシ
ンジオタクチックペンタッド分率が、通常0.7以上、
好ましくは0.75以上のものである。プロピレンとエ
チレンまたはその他のα−オレフィンとの共重合体の場
合、シンジオタクチックペンタッド分率は、通常0.3
以上、好ましくは0.5以上である。
【0017】本発明で使用されるα−オレフィン系重合
体の分子量は、135℃のテトラリン中で測定される極
限粘度〔η〕として、通常0.1〜10dl/g、好ま
しくは0.5〜5dl/gの範囲である。これらのα−
オレフィン系重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。例えば、シン
ジオタクチックポリプロピレン5〜95重量%、より好
ましくは50〜95重量%とアイソタクチックポリプロ
ピレン95〜5重量%、より好ましくは50〜5重量%
とのブレンド物が好ましい例として挙げることができ
る。
【0018】ゴム状重合体 本発明で使用されるゴム状重合体としては、例えば、乳
化重合または溶液重合したスチレン・ブタジエンゴム、
ハイスチレンゴムなどのランダムまたはブロック・スチ
レン・ブタジエン系共重合体、及びこれらの水素添加
物;イソプレンゴム、及びその水素添加物;クロロプレ
ンゴム、及びその水素添加物;エチレン・プロピレン共
重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレ
ン・α−オレフィン共重合体などの飽和ポリオレフィン
ゴム;エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オ
レフィン・ジエン共重合体、ジエン共重合体、イソブチ
レン・イソプレン共重合体、イソブチレン・ジエン共重
合体などのジエン系重合体、これらのハロゲン化物、及
びジエン系重合体またはそのハロゲン化物の水素添加
物;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、及びその
水素添加物;フッ化ビニリデン・三フッ化エチレン共重
合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン共重合
体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン、四フッ化
エチレン共重合体、プロピレン・四フッ化エチレン共重
合体などのフッ素ゴム;ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、クロルスルホ
ン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、プロ
ピレンオキサイドゴム、エチレン・アクリルゴムなどの
特殊ゴム;ノルボルネン系単量体とエチレンまたはα−
オレフィンの共重合体、ノルボルネン系単量体とエチレ
ンとα−オレフィンの三元共重合体、ノルボルネン系単
量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体の開環重合体
水素添加物などのノルボルネン系ゴム質重合体;スチレ
ン・ブタジエン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン
・スチレンゴム、スチレン・エチレン・ブタジエン・ス
チレンゴムなどの芳香族ビニル系モノマー・共役ジエン
のランダム共重合体、及びこれらの水素添加物;スチレ
ン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチ
レン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、ス
チレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重
合体ゴムなどの芳香族ビニル系モノマー・共役ジエンの
直鎖状または放射状ブロック共重合体、及びこれらの水
素添加物などのスチレン系熱可塑性エラストマー;ウレ
タン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エ
ラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラス
トマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ素系
熱可塑性エラストマーなどのスチレン系以外の熱可塑性
エラストマー;などのガラス転移温度が20℃以下のゴ
ム質重合体を挙げることができる。
【0019】これらの中でも、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体などの飽和ポリオレフィンゴム;スチレン・
ブタジエンゴムなどの芳香族ビニル系モノマーと共役ジ
エン系モノマーとの共重合体、及びその水素添加物;ノ
ルボルネン系ゴム質重合体などが好ましい。芳香族ビニ
ル系モノマーと共役ジエン系モノマーの共重合体は、ブ
ロック共重合体でもランダム共重合体でもとく、耐熱
性、耐候性の点から芳香環以外の部分を水添しているも
のがより好ましい。具体的には、スチレン・ブタジエン
ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合
体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体、及びこれらの水素添加物、スチレン・ブタジエンラ
ンダム共重合体などが挙げられる。これらのゴム状重合
体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0020】本発明では、α−オレフィン系重合体から
なる成形物が高圧蒸気滅菌法による滅菌処理を受けた場
合に、白化現象が生じるのを防ぐための耐白化性改良剤
として、ゴム状重合体を使用する。ゴム状重合体の配合
量は、α−オレフィン系重合体100重量部に対して
0.01〜1.5重量部、好ましくは0.05〜1.3
重量部、より好ましくは0.1〜1.0重量部の範囲で
ある。ゴム状重合体の配合量が少なすぎると高圧蒸気滅
菌時に耐白化性の付与効果が小さくなり、逆に、多すぎ
ると成形物の耐熱性や機械的強度が低下したり、透明性
が低下するなどの不都合を生じるおそれがある。
【0021】その他の配合剤 本発明の成形用材料には、必要に応じて、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、顔料など各種の配合
剤を添加することができる。配合剤としては、例えば、
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アク
リレート、2、4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,
5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチ
ル)フェニル アクリレート、2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t
−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト)メタン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,
3,5−トリアジン、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、ジラウリル 3,3′−チオジプロピオネート、ジ
ミリスチル 3,3′−チオジプロピオネートなどの酸
化防止剤;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル ベンゾエート、2−(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンゾエートなどの紫外線吸収剤;安息香酸の塩、ジ
ベンジリデンソルビトール類、燐酸エステルの塩、ポリ
ビニルシクロヘキサン、ポリ−3−メチルブテン、結晶
性ポリスチレン類、トリメチルビニルシランなどの融点
の高いポリマー類、タルク、カオリン、マイカ等の無機
化合物などの結晶核剤;ステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキ
システアリン酸ナトリウム、エポキシ化ステアリン酸オ
クチル、エポキシ化大豆油などの塩酸吸収剤;アルキル
スルホン酸ナトリウム塩及び/またはアルキルスルホン
酸ホスホニウム塩などやステアリン酸のグリセリンエス
テル等の脂肪酸エステルヒドロキシアミン系化合物など
の帯電防止剤;顔料;染料;ブロッキング防止剤;天然
油、合成油、ワックスなどの滑剤;難燃剤;ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシ
ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリ
ンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペン
タエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトー
ルトリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステ
ル;などを挙げることができる。これらの配合剤は、そ
れぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。これらの配合剤の使用量は、本発明の目
的を損なわれない範囲で適宜選択される。
【0022】成形材料 本発明の成形材料は、α−オレフィン系重合体、ゴム状
重合体、及び必要に応じて各種配合剤を、常法に従っ
て、ヘンシェルミクサー等の混合機により混合した後、
押出機にて溶融混練・造粒する方法、あるいはロール、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ブラベンダー等に
より溶融混練する方法等に混合して得ることができる。
本発明の成形材料は、射出成形、プレス成形、押出成
形、ブロー成形、回転成形等の通常の成形法により各種
成形物とすることができる。
【0023】本発明の成形材料は、上記方法で得られる
成形物が高圧蒸気滅菌によっても白化し難いので、特に
医療用成形材料として有用である。すなわち、本発明の
成形材料から得られる成形物は、飽和水蒸気により、1
15℃、30分間という日本薬局方で規定している滅菌
条件以上の過酷な条件に充分に耐えることができ、それ
によって、白化や変形を実質的に生じることがない。α
−オレフィン系重合体として、シンジオタクチックポリ
プロピレンなどのシンジオタクチック構造を有するα−
オレフィン系重合体を使用すると、透明性を損なうこと
なく、耐白化性を改良することができるので、高い透明
性が要求される分野に好適な成形材料を得ることができ
る。
【0024】医療用成形材料としては、具体的には、例
えば、注射用の液体薬品容器、アンプル、プレフィルド
シリンジ、輸液用バッグ、固形薬品容器、点眼薬容器、
点滴薬容器などの液体または粉体、固体の薬品容器;食
品容器;血液検査用のサンプリング用試験管、採血管、
検体容器などのサンプル容器;メスや鉗子、ガーゼ、コ
ンタクトレンズなどの医療材料などの滅菌容器;注射器
などの医療器具;ビーカー、シャーレ、フラスコ、遠心
分離用チューブなどの実験・検査用器具;医療検査用プ
ラスチックレンズなどの光学部品;医療用輸液チュー
ブ、配管、継ぎ手、バブルコックなどの配管材料;義歯
床、人工心臓、人造歯根などの人工臓器やその部品;な
どが例示される。
【0025】
【実施例】以下に、合成例、実施例、及び比較例を挙げ
て、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例のみに限定されるものではない。また、以下
の各例において、部及び%は、特に断りのない限り、重
量基準である。
【0026】[合成例1]シンジオタクチックポリプロピレンの合成 20リットルのSUS製オートクレーブを洗浄後、窒素
置換を十分に行った。このオートクレーブ内に、脱水精
製したトルエン15リットルとメチルアルミノキサンの
トルエン溶液をアルミニウム換算で0.5mol送入
し、撹拌しながら液温を40℃とした。その後、オート
クレーブ内をプロピレンガスで置換し、次いで、イソプ
ロピリデン(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムクロライド0.5mmolをトルエン
に分散させた分散液を導入した。プロピレンガスを供給
して、10kg/cm2に加圧しながら30分間撹拌し
反応を行った。その後、系内のプロピレンを大気圧に戻
し、少量のメタノールで反応を停止した。反応により得
られた溶液を、塩酸1%濃度のメタノールで凝固し、濾
過して樹脂を得た。得られた樹脂を60℃で減圧乾燥し
て、3.1kgのポリプロピレンを得た。このポリプロ
ピレンは、o−ジクロロベンゼン溶液にしてゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数
平均分子量(Mn)は15000で、重量平均分子量
(Mw)は32000であり、13C−NMRで求めたシ
ンジオタクチックペンタッド分率は0.8であった。示
差走査熱量計(DSC)で測定した成形品の融点は、1
16℃と130℃の2点であった。135℃のテトラリ
ン中で測定される極限粘度〔η〕は、1.31dl/g
であった。
【0027】[実施例1]成形材料の調製 合成例1で得られたシンジオタクチックポリプロピレン
100重量部に対し、ゴム状重合体としてエチレン・α
−オレフィン共重合体〔三井石油化学工業(株)製タフ
マーP・480〕0.3重量部を混合し、シリンダー温
度を200℃に設定した東芝機械(株)製の2軸押出機
(TEM35B)を用いてストランド状に溶融押出し、
急冷後、カットしてペレット化した。試験片の作製 上記で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製射出
成形機(NS20)を用いて、樹脂温度210℃で射出
成形し、4cm×4cm×1mmの板を射出成形した
(試験片1)。JIS K7105に基づいて測定した
1mm厚み方向の試験片1の濁度は、11.9%であっ
た。この試験片1の濁度は、シンジオタクチックポリプ
ロピレン単独のペレットから得られた試験片2(後述の
比較例1)の濁度11.5%と大差はなく、かつ、両者
の外観上の濁り具合にも差はなかった。蒸気滅菌試験 試験片1をオートクレーブ滅菌器内で、121℃、30
分間、ゲージ圧1.1kg/cm2で蒸気滅菌した。滅
菌前後で、試験片1には外観的な変化は見られず、滅菌
後の濁度は12.1%で、滅菌前より僅か0.2%の増
加であり、透明性は保たれていた。DSCで測定した成
形品の融点は、115℃と129℃の2点であり、その
外の20℃付近にガラス転移温度がかすかに観察され
た。
【0028】[比較例1]成形材料の調製 合成例1で得られたシンジオタクチックポリプロピレン
を、シリンダー温度を200℃に設定した東芝機械
(株)製の2軸押出機(TEM35B)に供給してスト
ランド状に溶融押出し、急冷後、カットしてペレット化
した。試験片の作製 上記で得られたペレットを用いて、実施例1と同様の方
法で射出成形して、4cm×4cm×1mmの板を射出
成形した(試験片2)。1mm厚み方向の試験片2の濁
度は、11.5%であった。蒸気滅菌試験 試験片2をオートクレーブ滅菌器内で、121℃、30
分間、ゲージ圧1.1kg/cm2で蒸気滅菌した。滅
菌後の試験片2の濁度は18.2%で、滅菌前より6.
7%も増加しており、外観上も透明感が損なわれている
ことが明らかであった。DSCで測定した試験片2の融
点は、116℃と130℃の2点であった。
【0029】[比較例2]成形材料の調製 合成例1で得られたシンジオタクチックポリプロピレン
100重量部に対し、水添テルペン樹脂〔ヤスハラケミ
カル(株)製クリアロンM−115〕0.3重量部を混
合し、シリンダー温度を200℃に設定した東芝機械
(株)製の2軸押出機(TEM35B)を用いてストラ
ンド状に溶融押出し、急冷後、カットしてペレット化し
た。試験片の作製 上記で得られたペレットを用いて、実施例1と同様の方
法で射出成形して、4cm×4cm×1mmの板を射出
成形した(試験片3)。1mm厚み方向の試験片3の濁
度は、10.8%であった。蒸気滅菌試験 試験片3をオートクレーブ滅菌器内で、121℃、30
分間、ゲージ圧1.1kg/cm2で蒸気滅菌した。滅
菌後の試験片3の濁度は15.3%で、滅菌前より4.
5%も増加しており、外観上も透明感が損なわれている
ことが明らかであった。DSCで測定した試験片2の融
点は、114℃と128℃の2点であった。
【0030】[比較例3]成形材料の調製 合成例1で得られたシンジオタクチックポリプロピレン
100重量部に対し、ゴム状重合体としてエチレン・α
−オレフィン共重合体〔三井石油化学工業(株)製タフ
マーP・480〕2.0重量部を混合し、シリンダー温
度を200℃に設定した東芝機械(株)製の2軸押出機
(TEM35B)を用いてストランド状に溶融押出し、
急冷後、カットしてペレット化した。試験片の作製 上記で得られたペレットを用いて、実施例1と同様の方
法で射出成形して、4cm×4cm×1mmの板を射出
成形した(試験片4)。1mm厚み方向の試験片4の濁
度は、15.4%であった。この試験片4は、実施例1
で得られた試験片1に比べて、濁度が高く、外観上も白
濁の度合が強く、透明感が損なわれたものであった。し
たがって、蒸気滅菌試験は行わなかった。
【0031】[比較例4]成形材料の調製 合成例1で得られたシンジオタクチックポリプロピレン
100重量部に対し、ゴム状重合体としてエチレン・α
−オレフィン共重合体〔三井石油化学工業(株)製タフ
マーP・480〕0.005重量部を混合し、シリンダ
ー温度を200℃に設定した東芝機械(株)製の2軸押
出機(TEM35B)を用いてストランド状に溶融押出
し、急冷後、カットしてペレット化した。試験片の作製 上記で得られたペレットを用いて、実施例1と同様の方
法で射出成形して、4cm×4cm×1mmの板を射出
成形した(試験片5)。1mm厚み方向の試験片5の濁
度は、11.6%であった。蒸気滅菌試験 試験片5をオートクレーブ滅菌器内で、121℃、30
分間、ゲージ圧1.1kg/cm2で蒸気滅菌した。滅
菌後の試験片5の濁度は17.9%で、滅菌前より6.
3%も増加しており、外観上も透明感が損なわれている
ことが明らかであった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高圧蒸気滅菌によって
も白化し難いα−オレフィン系重合体からなる成形材料
が提供される。本発明の成形材料は、特に医療用成形材
料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 9:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−オレフィン系重合体100重量部に
    対して、耐白化性改良剤として、ゴム状重合体0.01
    〜1.5重量部を含有せしめてなることを特徴とする成
    形材料。
  2. 【請求項2】 α−オレフィン系重合体が、シンジオタ
    クチック構造を有するものである請求項1記載の成形材
    料。
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